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Specification :(In Japanese)オリゴヌクレオチド誘導体及びその利用

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5493117
Date of registration Mar 14, 2014
Date of issue May 14, 2014
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)オリゴヌクレオチド誘導体及びその利用
IPC (International Patent Classification) A61K  48/00        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
C07H  21/02        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI (File Index) A61K 48/00
A61P 43/00
C07H 21/02
C12N 15/00 ZNAA
Number of claims or invention 17
Total pages 89
Application Number P2008-500415
Date of filing Feb 15, 2007
International application number PCT/JP2007/000087
International publication number WO2007/094135
Date of international publication Aug 23, 2007
Application number of the priority 2006038369
Priority date Feb 15, 2006
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Feb 12, 2010
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】北出 幸夫
【氏名】上野 義仁
Representative (In Japanese)【識別番号】110000110、【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
Examiner (In Japanese)【審査官】井上 明子
Document or reference (In Japanese)特開2005-200405(JP,A)
特表2000-506513(JP,A)
特表平10-512569(JP,A)
Helvetica Chimica Acta,2004年,Vol.87,p.2790-2804
中部化学関係学協会支部連合秋季大会講演予稿集,2004年,Vol.35th,p.38
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,1998年,Vol.95,p.6091-6096
Field of search A61K 48/00
C07H 21/02
C12N 15/09
CAplus/REGISTRY(STN)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
少なくとも1個の以下の式(1);
【化45】
JP0005493117B2_000052t.gif
[式中、Aは独立して以下の式(2);
【化46】
JP0005493117B2_000053t.gif
[式(2)中、Zは、CH又はNを表す。]
から選択される置換されていてもよい環式化合物含有基を表す。]
で表される単位を、ヌクレアーゼ抵抗性を発現可能に有する遺伝子調節剤であって、
以下の式(3)で表される、遺伝子発現調節剤。
【化47】
JP0005493117B2_000054t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素又はヒドロキシル保護基を表し、各X1は独立してO、S又はSeを表し、各X2は独立してOH若しくはO、SH若しくはS、Se若しくはSe、炭素数1~4個のアルキル基又はモルホリノ基を表し、l、m及びnは独立して0以上の整数であり、少なくとも一つが1以上であり、B及びCは独立して改変されていてもよいオリゴヌクレオチドであってBとCを合わせた鎖長が3以上のオリゴヌクレオチドを表す。ただし、B及びCにおいてオリゴヌクレオチドの3’末端と5’末端の水酸基を含まない。]
【請求項2】
前記Aの少なくとも一つが、式(2)中の化合物2a及び2bから選択される、請求項1に記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項3】
X2は、OH又はOである、請求項1又は2に記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項4】
R1及びR2はHである、請求項1~3のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項5】
mは0である、請求項1~4のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項6】
l及びmはいずれも0である、請求項1~5のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項7】
l及びmは0であり、nは1以上5以下である、請求項1~6のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項8】
B及びCは、所定の遺伝子のmRNAの部分配列又はその相補配列を有する、請求項1~7のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項9】
B及びCを合わせた鎖長は、10以上35以下である、請求項1~8のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項10】
B及びCはオリゴリボヌクレオチドである、請求項1~9のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項11】
1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドから選択される構築物である、請求項10に記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項12】
アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリボザイムから選択される、請求項10又は11に記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項13】
ダングリングエンド部分に前記Aを含むユニットを有する、請求項10~12のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項14】
siRNAであって、3’末端ダングリングエンド部分に前記Aを含むユニットを有する、請求項12に記載の遺伝子発現調節剤。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載の遺伝子発現調節剤の製造方法であって、
以下の式で表される化合物から選択される1種又は2種以上をヌクレアーゼ抵抗性を発現可能に遺伝子発現調節剤のヌクレアーゼターゲット部位に導入する、製造方法。
【化48】
JP0005493117B2_000055t.gif
[式中、各Aは独立して以下の式(2);
【化49】
JP0005493117B2_000056t.gif
[式(2)中、Zは、CH又はNを表す。]
から選択される置換されていてもよい環式化合物含有基を表し、W1は、ヒドロキシル保護基を表し、W2は、H、ホスホロアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。]
【請求項16】
前記Aの少なくとも一つが式(2)中の化合物2a及び2bから選択される、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
遺伝子発現調節剤の修飾方法であって、
前記遺伝子発現調節剤に、少なくとも1個の以下の式(1)で表される単位を、ヌクレアーゼ抵抗性を発現可能に遺伝子調節剤に付加、置換及び挿入のいずれか又はこれらを組み合わせて以下の式(3)で表されるように導入する、方法。
【化50】
JP0005493117B2_000057t.gif
[式中、Aは独立して以下の式(2);
【化51】
JP0005493117B2_000058t.gif
【化52】
JP0005493117B2_000059t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素又はヒドロキシル保護基を表し、各X1は独立してO、S又はSeを表し、各X2は独立してOH若しくはO、SH若しくはS、Se若しくはSe、炭素数1~4個のアルキル基又はモルホリノ基を表し、l、m及びnは独立して0以上の整数であり、少なくとも一つが1以上であり、B及びCは独立して改変されていてもよいオリゴヌクレオチドであってBとCを合わせた鎖長が3以上のオリゴヌクレオチドを表す。ただし、B及びCにおいてオリゴヌクレオチドの3’末端と5’末端の水酸基を含まない。]
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なオリゴヌクレオチド誘導体、該オリゴヌクレオチド誘導体を用いたオリゴヌクレオチド構築物、該オリゴヌクレオチド誘導体を合成するための化合物及び該オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DNAやRNAなど各種のオリゴヌクレオチドが治療、診断等の用途に用いられるようになってきている。診断用途では、代表的には、DNAチップやDNAマイクロアレイが挙げられ、治療用途では、治療関連遺伝子の導入ほか、疾患関連遺伝子のノックダウンによる発現抑制等が挙げられる。また、アプタマーを治療薬として用いる試みもなされている。
【0003】
近年、注目される核酸技術としては、特定遺伝子のノックダウン法としてRNA干渉(RNAi)が挙げられる。RNAiとは、二本鎖RNA (dsRNA)により配列の相同な遺伝子の働きが抑制される現象である。RNAiによる遺伝子発現の抑制は、具体的には、dsRNAがRNaseIIIファミリーの一種であるDicerによって認識、切断されて21-23量体のsiRNAs(short interfering RNAs)となり、このsiRNAがRISC(RNA-induced silencing
complex)に取り込まれ、続いて取り込まれたsiRNAに相同的なmRNAが中央部で切断され、分解されることによる。
【0004】
生体内において外来性のDNAやRNAは、各種ヌクレアーゼに曝されており、特に、RNAは、ヌクレアーゼにより分解されやすいため、図したノックダウン効果やその効果を安定的に維持させるのが困難なことがあった。このため、RNAを化学修飾してヌクレアーゼ抵抗性を向上させることが検討されている(L.Beigelman.,J.A.McSwiggen.,K.G.Draper et al.,J Biol chem.,270,25702-25708(1995)27)、S.P.Zinnen.,K.Domenico.,M.Wilson
et al.,RNA.,8,214-228 (2002)及びS.Agrawal and E.R.Kandimalla.,Curr.Cancer Drug Targets.,1,197-209
(2001))。例えば、siRNAについても、図16に示すように、様々な化学修飾が試みられている(H.Hoshi.,FEBS
Letters.,521,195-199 (2002))。また、本発明者らは、siRNAの3’末端ダングリングエンドのリン酸ジエステル結合部分をカルバメート結合やウレア結合に変換して結合部分の負電荷をなくすことにより、siRNAのヌクレアーゼ抵抗性とサイレンシング活性とを高めることに成功している(Y.Ueno,T.Naito,K.Kawada,A.Shibata,Hye-Sook Kim,Y.Wataya,Y.Kidade,Biochem Biophys Res Commun 330,1168-1175(2005))。
【0005】
RNAiにおいて重要な役割を果たすRISCはRNAiの標的mRNAの分解の過程に関与するマルチドメインタンパクとして知られているが、近年、RISC中のPAZドメインとsiRNAの共結晶X線結晶構造解析が行われた(J.B.Ma.,K.Ye and D.J.Patel.,Nature.,429,318-322 (2004).)。その結果、PAZドメインはsiRNAの3’末端ダングリングエンドを認識しており、3’末端ダングリングエンドの2ヌクレオチドがPAZドメインの疎水性ポケットに入り込んで認識されていることが明らかとなった(J.J.Song.,J.Liu.,N.H.Tolia.,J.Schneiderman.,S.K.Smith.,R.A.Martienssen.,G.J.Hannon and L.Joshua-Tor.,Nat.Struct.Biol.,10,1026-1032 (2003)、K.S.Yan.,S.Yan.,A.Farooq.,A.Han.,L.Zeng and M.M.Zhou.,Nature.,426,468-474 (2003)、Zhang.,F.A.Kolb.,L.Jaskiewicz.,E.Westhof and W.Filipowicz.,Cell.,118,57-68 (2003)及びA.Lingel.,B.Simon.,E.Izaurralde
and M.Sattler.,Nature.,426,465-469 (2003))。
【0006】
他の核酸技術としては、遺伝子解析ツールとしてモレキュラービーコンが挙げられる。モレキュラービーコンは、ステム部分とループ部分とを持つヘアピン構造の核酸であり、ループ部分と相補性のある配列の存在確認のためのプローブとして利用される遺伝子解析ツールである。通常は蛍光剤と消光剤の距離が近いため消光されている。しかしループ部分に相補な配列があると、ループ部分が相補配列とハイブリダイズするため、ヘアピン構造が開き、蛍光剤と消光剤が引き離されるため、蛍光が検出される。これにより標的配列を検出することができる。モレキュラービーコンにはステム部分とループ部分の、ターゲット配列に対する相互作用の強弱が重要になる。こうしたモレキュラービーコンにおいては、ヌクレアーゼ耐性のほか、ループ部分およびステム部分の相補配列への配列選択性、二本鎖安定性の検討など検討されている。
【発明の開示】
【0007】
現在試みられている上記した各種の核酸の化学修飾は、主として糖部及び塩基の修飾であるか、あるいはヌクレアーゼの作用点となるリン酸部を修飾するものであった。siRNAについては3’末端ダングリングエンドを標的に化学修飾して安定性を向上させることも行われていない。さらに、ヌクレアーゼ抵抗性やサイレンシング活性の向上を意図した非ヌクレオシド性の化学修飾も知られていない。このように、核酸の化学修飾とそのヌクレアーゼ抵抗性やサイレンシング活性との間には明確な関係が存在するわけではなかった。また、RISCのPAZドメインの構造解析が行われたものの、siRNAをPAZドメインに適合させるための修飾は未だ検討されていないし、PAZドメインへの適合性はヌクレアーゼ抵抗性に関連付けられるものではない。
【0008】
そこで、本発明は、良好なヌクレアーゼ抵抗性を有するオリゴヌクレオチド誘導体、該オリゴヌクレオチド誘導体を用いたオリゴヌクレオチド構築物、該オリゴヌクレオチド誘導体を合成するための化合物及び該オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、RNAiによる遺伝子発現抑制効果が向上されたオリゴヌクレオチド誘導体、該オリゴヌクレオチド誘導体を用いたオリゴヌクレオチド構築物、該オリゴヌクレオチド誘導体を合成するための化合物及び該オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法を提供することを他の一つの目的とする。
【0009】
また、本発明はsiRNAやモレキュラービーコンなど機能型核酸として有用なオリゴヌクレオシド類似体、該オリゴヌクレオシド類似体を含む修飾オリゴヌクレオチド、該修飾オリゴヌクレオチドを用いたオリゴヌクレオチド構築物、該修飾オリゴヌクレオチドを合成するための化合物及び該修飾オリゴヌクレオチドの製造方法を提供することを他の一つの目的とする。
【0010】
本発明者らは、ある種のリン酸エステル誘導体を有するオリゴヌクレオチドが優れたヌクレアーゼ抵抗性を有すること、さらには、RNAiによる優れた遺伝子発現抑制効果を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
【0011】
本発明によれば、少なくとも1個の以下の式(1)で表される単位を有する、オリゴヌクレオチド誘導体が提供される。
【化1】
JP0005493117B2_000002t.gif
[式中、Aは独立して以下の式(2);
【化2】
JP0005493117B2_000003t.gif
[式(2)中、Zは、CH又はNを表す。]
から選択される置換されていてもよい環式化合物含有基を表す。]
【0012】
本発明のオリゴオリゴヌクレオチド誘導体においては、各Aは、式(2)中の化合物2a及び2bから選択されていてもよい。
【0013】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、以下の式(3)で表されるものであってもよい。
【化3】
JP0005493117B2_000004t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素又はヒドロキシル保護基を表し、各X1は独立してO、S又はSeを表し、各X2は独立してOH若しくはO、SH若しくはS、Se若しくはSe、炭素数1~4個のアルキル基又はモルホリノ基を表し、l、m及びnは独立して0以上の整数であり、少なくとも一つが1以上であり、B及びCは独立して改変されていてもよいオリゴヌクレオチドであってBとCを合わせた鎖長が3以上のオリゴヌクレオチドを表す。ただし、B及びCにおいてオリゴヌクレオチドの3’末端と5’末端の水酸基を含まない。]
【0014】
また、この態様のオリゴヌクレオチド誘導体においては、各X2は、O又はOHとしてもよい。さらに、R1及びR2はHとすることができる。さらにまた、mは0とすることができるし、l及びmはいずれも0とすることもでき、さらに、l及びmは0であり、nは1以上5以下とすることができ、好ましくは3以下、より好ましくは2以下とすることができる。
【0015】
この態様のオリゴヌクレオチド誘導体においては、B及びCの鎖長は、10以上35以下とすることができる。また、本発明のオリゴオリゴヌクレオチド誘導体においては、A及びBはオリゴリボヌクレオチドであってもよい。さらに、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体においては、B及びCは、所定の遺伝子のmRNAの部分配列又はその相補配列を有することができる。
【0016】
また、本発明によれば、遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって、上記いずれかのオリゴヌクレオチド誘導体を有する、構築物が提供される。
【0017】
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドから選択される構築物とすることができ、また、その機能面からは、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリボザイムから選択することができる。
【0018】
さらに、本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、ダングリングエンド部分に前記Aを含むユニットを有することができる。この態様においては、siRNAであって、前記オリゴヌクレオチド誘導体において、l及びmは0であり、nは1又は2であり、3’末端ダングリングエンド部分に前記Aを含むユニットを有する構築物とすることができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、上記いずれかのオリゴヌクレオチド誘導体を有する、診断用構築物が提供される。本構築物は、プローブ又はプライマーとすることができる。
【0020】
本発明によれば、以下の式(4)で表される、化合物が提供される。本化合物において、各Aは、式(2)中の化合物2a~2gから選択されることができる。
【化4】
JP0005493117B2_000005t.gif
[式中、各Aは独立して以下の式(2);
【化5】
JP0005493117B2_000006t.gif
[式(2)中、Zは、CH又はNを表す。]
から選択される置換されていてもよい環式化合物含有基を表し、W1は、ヒドロキシル保護基を表し、W2は、H、ホスホルアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。]
【0021】
また、本発明によれば、siRNAのダングリングエンドユニット用である前記化合物も提供される。
【0022】
また、本発明によれば、オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法であって、上記いずれかの化合物から選択される1種又は2種以上を用いる、製造方法が提供される。
【0023】
また、本発明によれば、オリゴヌクレオチドの修飾方法であって、オリゴヌクレオチドに、少なくとも1個の以下の式(1)で表される単位を付加、置換及び挿入のいずれか又はこれらを組み合わせて導入する、方法が提供される。
【化6】
JP0005493117B2_000007t.gif
[式中、Aは独立して以下の式(2);
【化7】
JP0005493117B2_000008t.gif
[式(2)中、Zは、CH又はNを表す。]
から選択される置換されていてもよい環式化合物含有基を表す。]

【0024】
本発明者らは、ある種のリン酸エステル誘導体を有するオリゴヌクレオチドが優れたヌクレアーゼ抵抗性やプローブとしての検出能を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
【0025】
本発明によれば、少なくとも1個の以下の式(11)で表される単位を有する、オリゴヌクレオチド誘導体が提供される。
【化8】
JP0005493117B2_000009t.gif
[式中、Eは独立して以下の式(12);
【化9】
JP0005493117B2_000010t.gif
[式(12)中、Zは、CH又はNを表し、BASEは、以下の式(13)の13a~13eから選択される置換されていてもよい塩基を表す。]
【化10】
JP0005493117B2_000011t.gif

【0026】
前記オリゴヌクレオチド誘導体は、以下の式(14)で表されるものであってもよい。
【化11】
JP0005493117B2_000012t.gif
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素又はヒドロキシル保護基を表し、各X1は独立してO、S又はSeを表し、各X2は独立してOH若しくはO、SH若しくはS、Se若しくはSe、炭素数1~4個のアルキル基又はモルホリノ基を表し、l、m及びnは独立して0以上の整数であり、少なくとも一つが1以上であり、B及びCは独立して改変されていてもよいオリゴヌクレオチドであってBとCを合わせた鎖長が3以上のオリゴヌクレオチドを表す。ただし、B及びCにおいてオリゴヌクレオチドの3’末端と5’末端の水酸基を含まない。]
【0027】
また、この態様のオリゴヌクレオチド誘導体においては、各X2は、O又はOHとしてもよい。さらに、R1及びR2はHとすることができる。さらにまた、mは0とすることができるし、l及びmはいずれも0とすることもでき、さらに、l及びmは0であり、nは1以上5以下とすることができ、好ましくは3以下、より好ましくは2以下とすることができる。
【0028】
この態様のオリゴヌクレオチド誘導体においては、B及びCの鎖長は、10以上35以下とすることができる。また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体においては、A及びBはオリゴリボヌクレオチドであってもよいしオリゴデオキシリボヌクレオチドであってもよい。さらに、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体においては、B及びCは、所定の遺伝子のmRNAの部分配列又はその相補配列を有することができる。
【0029】
また、本発明によれば、遺伝子発現調節用オリゴヌクレオチド構築物であって、上記いずれかのオリゴヌクレオチド誘導体を有する、構築物が提供される。このオリゴヌクレオチド構築物は、1本鎖及び2本鎖DNA、1本鎖及び2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ並びにDNA/RNAハイブリッドから選択される構築物とすることができ、また、その機能面からは、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリボザイムから選択することができる。さらに、本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、ダングリングエンド部分に前記Aを含むユニットを有することができる。この態様においては、siRNAであって、前記オリゴヌクレオチド誘導体において、l及びmは0であり、nは1、2又は3であり、3’末端ダングリングエンド部分に前記Aを含むユニットを有する構築物とすることができる。
【0030】
さらに、本発明によれば、上記いずれかのオリゴヌクレオチド誘導体を有する、診断用構築物が提供される。本構築物は、プローブ又はプライマーとすることができる。また、モレキュラービーコンとすることもできる。モレキュラービーコンにおいて前記Aは、ステム部分に配されていてもよいし、ループ部分に配されていてもよい。
【0031】
本発明によれば、以下の式(15)で表される、ヌクレオチド類似体が提供される。
【化12】
JP0005493117B2_000013t.gif
[式中、各Eは独立して以下の式(12);
【化13】
JP0005493117B2_000014t.gif
[式中、Zは、CH又はNを表し、BASEは、以下の式(13)の13a~13eから選択される置換されていてもよい塩基を表し、
【化14】
JP0005493117B2_000015t.gif
W1は、H又はヒドロキシル保護基を表し、W2は、H、ホスホルアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。]
【0032】
また、siRNAのダングリングユニット用である前記ヌクレオシド類似体やモレキュラービーコンのステム又はループ用である前記ヌクレオシド類似体も提供される。
【0033】
また、本発明によれば、オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法であって、上記いずれかのヌクレオシド類似体から選択される1種又は2種以上を用いる、製造方法が提供される。
【0034】
また、本発明によれば、オリゴヌクレオチドの修飾方法であって、オリゴヌクレオチドに、少なくとも1個の以下の式(11)で表される単位を付加、置換及び挿入のいずれか又はこれらを組み合わせて導入する、方法が提供される。
【化15】
JP0005493117B2_000016t.gif
[式中、Eは独立して以下の式(12);
【化16】
JP0005493117B2_000017t.gif
[式(2)中、Zは、CH又はNを表し、BASEが以下の式(13)の13a~13eから選択される置換されていてもよい塩基を表す]
【0035】
【化17】
JP0005493117B2_000018t.gif
また、本発明によれば、前記オリゴヌクレオシド類似体又はその塩を含むオリゴヌクレオチドの製造方法及びその利用も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明のオリゴヌクレオチド構築物(siRNA)の一例を示す図である。
【図2】図2は、実施例5で取得した3’末端ダングリングエンドを化学修飾したDNAオリゴヌクレオチド(1)~(4)のCDスペクトルを示す図である。
【図3】図3は実施例5で取得した3’末端ダングリングエンドを化学修飾したDNAオリゴヌクレオチド(5)~(8)のCDスペクトルを示す図である。
【図4】図4は、実施例6で取得した3’末端ダングリングエンドを化学修飾したRNAオリゴヌクレオチド(9)~(12)のCDスペクトルを示す図。を示す図である。
【図5】図5は、実施例7で取得した3’末端ダングリングエンドを化学修飾したsiRNA二本鎖オリゴヌクレオチド(13)~(20)のCDスペクトルを示す図である。
【図6】図6は、Dual Luciferase Assayによる3’末端化学修飾siRNAのタンパク発現抑制効果を示すグラフ図である。
【図7】図7は、3’末端化学修飾siRNA(単鎖状態)のヌクレアーゼ抵抗性を示す蛇毒エキソヌクレアーゼ処理後の電気泳動結果を示す図である。
【図8】図8は、3’末端化学修飾siRNA(二本鎖状態)のヌクレアーゼ抵抗性を示す蛇毒エキソヌクレアーゼ処理後の電気泳動結果を示す図である。
【図9】図9は、Dual Luciferase Assayによる3’末端ダングリングエンドに1,2-ヒドロキシルメチルベンゼン誘導体を備える化学修飾siRNA(二本鎖状態)のタンパク質発現抑制効果を示すグラフ図である。
【図10】図10は、Dual Luciferase Assayによる3’末端ダングリングエンドに1,4-ヒドロキシメチルベンゼン誘導体を備える化学修飾siRNA(二本鎖状態)のタンパク質発現抑制効果を示すグラフ図である。
【図11】図11は、Dual Luciferase Assayによる3’末端ダングリングエンドに2,3-ヒドロキシメチルナフタレン誘導体又は1,4-ヒドロキシメチルナフタレン誘導体を備える化学修飾siRNA(二本鎖状態)のタンパク質発現抑制効果を示すグラフ図である。
【図12】図12は、実施例22で取得した修飾オリゴヌクレオチドと非修飾オリゴヌクレオチドとの二本鎖形成能(熱的安定性)に関するCDスペクトルを示す図である。
【図13】修飾オリゴヌクレオチドモレキュラービーコンと非修飾オリゴヌクレオチドモレキュラービーコンの二本鎖形成能(熱的安定性)に関するCDスペクトルを示す図である。緩衝液は、10mMリン酸ナトリウム(pH7)、100mMNaCl、10mMリン酸ナトリウム(pH7)、1000mM NaCl及び10mMリン酸ナトリウム(pH7)、100mM NaCl及び10mM MgCl2とした。
【図14】図14は、類似体を3’末端に備える化学修飾siRNA(一本鎖状態)のヌクレアーゼ抵抗性を示す蛇毒エキソヌクレアーゼ処理後の電気泳動結果を示す図である。
【図15】図15は、Dual Luciferase Assayによる3’末端ダングリングエンドに類似体を備える化学修飾siRNA(二本鎖状態)のタンパク質発現抑制効果を示すグラフ図である。
【図16】従来のオリゴヌクレオチドに対する化学修飾の例を示す図である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は、式(1)で表されるオリゴヌクレオチド誘導体に関している。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、オリゴヌクレオチド中に式(1)におけるAを含むユニットを少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチド誘導体に関する。本発明はさらに、こうしたオリゴヌクレオチド誘導体を含む構築物及びその利用、オリゴヌクレオチド誘導体を製造するための製造方法並びにそのための化合物を開示する。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、式(1)中において示すAを含有するユニットを少なくとも1個有することで、ヌクレアーゼに対する抵抗性が発揮される。したがって、こうしたユニットは、各種ヌクレアーゼのターゲットとなる箇所(ヌクレアーゼの種類により3’末端、5’末端、非3’末端非5’末端の特定の塩基部位など)に備えることができる。
【0038】
Aを含むユニットをsiRNAの3’末端ダングリングエンド(オーバーハング部位)に備えることにより、RNAiによる遺伝子発現抑制作用が増大される。推論であって本発明を拘束するものではないが、こうした遺伝子発現抑制作用の増大は、siRNAの3’末端にAを含むユニットを備えさせて3’末端の疎水性を向上させた結果、PAZによる親和性ないし認識性が向上し、これによりサイレンシング効果が向上したものと考えられる。したがって、Aを含むユニットを3’末端ダングリングエンドに有するsiRNAは、優れたヌクレアーゼ抵抗性とサイレンシング活性とを有することができる。さらに、こうしたオリゴヌクレオチド誘導体は効率的に合成することができる。
【0039】
以下、本発明の実施の形態であるオリゴヌクレオチド誘導体、その製造方法及びそれに用いる化合物、オリゴヌクレオチド誘導体を有する構築物について詳細に説明する。なお、本発明に関する当業者の技術の範囲内である分子生物学および核酸化学の従来の技術は、文献中で説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory
Manual,Cold Spring HarborLaboratory,Cold Spring Harbor,New York,1989年;Gait,M.J.,OligonucleotideSynthesis,編集(1984年);Hames,B.D.およびHiggins,S.J.、Nucleic Acid Hybridization,編集(1984年);および一連のMethodsin Enzymology,Academic Press,Inc.を参照することができる。
【0040】
(オリゴヌクレオチド誘導体)
本発明においてオリゴヌクレオチド誘導体は、式(1)で表される化合物である。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、式(1)におけるAを含有するユニット(以下、単にAユニットともいう。)を、オリゴヌクレオチド中の1箇所又は2箇所以上に、それぞれ1個又は2個以上有することができる。このAユニットを有する箇所においてヌクレアーゼ耐性を得ることができる。良好なヌクレアーゼ耐性を得るには、2個以上のAユニットを要する場合もある。このようなAユニットは、配列既知又は配列未知のオリゴヌクレオチドに対して、付加、置換又は挿入のいずれかあるいはこれらを組み合わせて導入することができ、これにより本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。なお、ここでいうオリゴヌクレオチドは、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドである。
【0041】
Aユニットにおける各Aは芳香族環及び/又は複素環を構成環とする単環~多環縮合環を有する2価の環式化合物含有基とすることができる。好ましくは環式化合物含有基における環構造は、単環式~3環縮合環であり、より好ましくは単環式又は二環縮合環である。単環式の芳香族環及び複素環を有する2価の環式化合物含有基が最も好ましい場合もある。また、Aは、全体として疎水性であって、親水性又は極性の置換基を有していないことが好ましい。Aの構成環において有していてもよい置換基としては、非極性の置換基であることが好ましく、炭素数1~4個の鎖状アルキル基を有することができる。すなわち、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。これらの環を構成する2個の炭素原子(環構成炭素原子)にそれぞれ結合した炭素数1~4個程度(好ましくはメチル基及びエチル基、より好ましくはメチル基)の2個の鎖状アルキル基を連結部分としている。
【0042】
こうしたAユニットのトの各Aとしては、好ましくは、式(2)に記載の化合物2a~2gから選択することができる。これらの化合物において、各Zは、それぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよいが、CH又はNを表す。化合物2a~2gのなかでも、単環式である2a及び2bを好ましく用いることができる。また、2dも好ましく用いることができる。
【0043】
Aユニットにおける各Aの環構成炭素原子に結合する水素原子は置換されていなくてもよいし、置換されていてもよい。置換基としては、炭素数1~4個の鎖状アルキル基とすることが好ましい。すなわち、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。立体障害等を考慮したとき、メチル基及びエチル基を好ましく用いることができる場合がある。また、置換基の数も特に限定しないが、立体障害等が問題となる場合には、1個又は2個程度とすることが好ましい。
【0044】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、Aユニットを適当な連結基を介してオリゴヌクレオチドの一部に結合されている。連結基は例えば、ホスホジエステル結合等オリゴヌクレオチドのヌクレオチド単位の連結に用いられる公知の連結基を用いることができる。例えば、[化15]に例示されるような連結基(ただし、Aに連結される酸素原子を除くものとする。)が挙げられる。また、Aユニットがオリゴヌクレオチドの末端にある場合には、Aユニットの一方の酸素原子には、水素又は公知のヒドロキシル保護基が結合されていてもよい。
【0045】
また、式(1)で表される本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の一態様として、式(3)に表される化合物が挙げられる。式(3)においては、R1及びR2は、それぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよいが、水素又はヒドロキシル保護基を表している。ヒドロキシル保護基としては、該保護基により置換されるヒドロキシル基中の酸素を意図しない反応から保護する基であればよい。好ましくは、保護基は、オリゴヌクレオチド誘導体の活性を維持して除去されるものである。こうしたヒドロキシル保護基としては、特に限定しないで従来公知の各種のヒドロキシル保護基を用いることができる。本発明の好ましい保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、ジメトキシトリチル(DMT)、
モノメトキシトリチル、トリフルオロアセチル、レブリニル、またはシリル基である。例えば、ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの5'末端にあるヒドロキシル基についての好ましい保護基は、トリチル基、例えば、ジメトキシトリチル(DMT)から選択される。
【0046】
この態様のオリゴヌクレオチド誘導体は、式(3)に示すAを含む3種類のユニットのいずれか又は2種類以上を有している。以下、式(3)において、5’末端に配置されるAを含むユニットをA1ユニットと称し、3’末端に配置にされる該ユニットをA3ユニットと称し、非5’末端及び非3’末端に配置される該ユニットをA2ユニットと称する。これらの各ユニットにおける各Aはそれぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよい。これらの各ユニットにおけるAについてはAユニットにおけるAと同義であり、これらの各ユニットはいずれも式(1)におけるAユニットの具体的態様を表している。
【0047】
A1~A3ユニットにおける各X1はそれぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよく、O、S又はSeを表し、また、各X2はそれぞれ独立してOH(若しくはO)、SH(若しくはS)、S又はSe、炭素数1~4個のアルキル基又はモルホリノ基を表す。これらX1及びX2の組み合わせてによって得られる各種のホスホジエステル結合としては、例えば、以下の式に挙げることができる。A1~A3ユニットにおいてはこれらの各種のホスホジエステル結合を1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【化18】
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【0048】
Aユニットと同様に、A1~A3ユニットは、所定の機能を持ったオリゴヌクレオチド誘導体の有する配列に対して付加的、置換的及び挿入的のいずれかあるいはこれらを組み合わせた形態で備えることができる。また、A1~A3ユニットは、いずれも0以上の整数であるl、m及びn個をそれぞれ有することができるが、少なくとも一つが1以上である。また、A1~A3ユニットによってオリゴヌクレオチド誘導体に付加しようとする機能によっても異なるが、A1ユニットは、オリゴヌクレオチドの5’末端に配置されるため、例えば、5’末端に作用するエキソヌクレアーゼ抵抗性を付与するのに有効である。また、A3ユニットは、3’末端に作用するエキソヌクレアーゼに有効である。また、A2ユニットは、オリゴヌクレオチドの非3’末端非5’末端においてエンドヌクレアーゼ抵抗性を付与するのに有効である。また、A3ユニットは、二本鎖RNAの3’末端ダングリングエンド部分に形成するときには、RNAiによるサイレンシング効果の向上に有効である。したがって、例えば、3’末端作用性ヌクレアーゼ抵抗性を向上させたい場合には、l及びmは0であってもよい。逆に、5’末端作用性ヌクレアーゼ抵抗性を高める場合には、m及びnは0であってもよい。
【0049】
また、ヌクレアーゼ抵抗性を得る場合には、l、m及びnはいずれも少なくとも1つ有していればよいが、それぞれあるいは組み合わせて2個以上有することもできる。A1~A3ユニットの数や部位は、ヌクレアーゼ抵抗性と非ヌクレオシド性のA1~A3ユニットを導入することによるオリゴヌクレオチド誘導体への影響を考慮して決定される。
【0050】
例えば、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を利用してsiRNA又はshRNAを構築する場合、l及びmは0とし、これらの構築物の3’末端のダングリングエンド部位に対応するヌクレオチド(例えば、dT(デオキシチミジン))の3’末端に1個~3個(n=1~3)、好ましくは1個又は2個(n=1、2)のA3ユニットを付加してもよいし、siRNAの例えば2つのdTのうち1個又は2個をA3ユニットで置換してもよい(n=1、2)。さらには、3’末端ダングリングエンドにA2ユニットを挿入してもよい。既存ヌクレオチドをA3ユニットで置換する形態は、siRNAの鎖長を延長することがないというメリットがある。
【0051】
また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を利用してアンチジーン、アンチセンス、アプタマー、miRNA及びリボザイムを構築するときには必要に応じて適宜Aユニット又はA1~A3ユニット)を備えるようにすればよい。例えば、アンチセンスRNAには、3’末端が側及び5’末端側にAユニット、A3ユニット及びA1ユニットを形成することができる。また、アプタマーやリボザイムにあっては、非5’末端非3’末端におけるAユニット又はA2ユニットが有効な場合もありえる。また、プローブにおいては、3’末端側及び/又は5’末端側にAユニット、A3ユニット及び/又はA1ユニットを備えることもできるし、あるいは、プローブが固相担体に固定化されている場合には、自由端側となる側にAユニット、又はA1ユニット又はA3ユニットを備えるようにすることができる。さらに、プライマーにおいては必要に応じて適宜AユニットやA1~A3ユニットを備えていてもよい。
【0052】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体においては、B及びCは、それぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよいが、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドを表す。ここで、本明細書においてオリゴヌクレオチドとは、一般にオリゴヌクレオチドやポリヌクレオチドを構成するモノマーであるヌクレオチドをモノマー単位として該モノマー単位を複数有するポリマーを意味するものとする。また、オリゴヌクレオチドとは、モノマー単位として、デオキシリボヌクレオチド及び/又はリボヌクレオチドを意味するものである。一般に、ヌクレオチドとしてデオキシリボヌクレオチドをモノマー単位とするポリマーをDNAと称し、リボヌクレオチドをモノマー単位とするポリマーをRNAと称するが、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、一般に称されるDNA及びRNAのほか、これらのモノマー単位のオリゴマーを含むものとする。また、オリゴヌクレオチドは、RNA/DNAキメラも包含している。また、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドとは、プリン及びピリミジンであるグアニン、シトシン、チミン、アデニン、ウラシルまたはメチルシトシンなどの天然塩基を含むヌクレオチドのみからなるオリゴヌクレオチドのほか、オリゴヌクレオチドの各種部分、すなわち、塩基、糖部分及びリン酸エステル部分において何らかの化学修飾が施された1又は2以上のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを包含している。
【0053】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、Bのオリゴヌクレオチドの塩基配列及びCのオリゴヌクレオチドの塩基配列は、それぞれ又はこれらを合わせて所定の遺伝子のDNAのセンス鎖、そのアンチセンス鎖又はmRNAの部分配列若しくはその相補配列を有することができる。こうした相補性を有することにより各種の標的核酸にハイブリダイズさせ、それによりオリゴヌクレオチド誘導体に意図した機能を発現させることができる。
【0054】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体において、B及びCの鎖長は特に限定しないで、用途に応じた長さとすることができる。オリゴヌクレオチドの合成を考慮すると、10以上35以下とすることが好ましい。また、アンチセンスの場合には、10以上30以下程度にすることができ、また、siRNAの場合には、B及びCの合計の鎖長は、好ましくは15以上35以下、より好ましくは30以下である。プライマーの場合には、10以上30以下であり、プローブの場合には10以上30以下であることが好ましい。
【0055】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を、例えば、siRNA、shRNA、アンチセンス、リボザイム及びアプタマーに用いる場合は、B及びCのモノマー単位は改変されていてもよいオリゴリボヌクレオチドとすることができる。
【0056】
本発明は、また、少なくとも1個の以下の式(11)で表される単位を有する、オリゴヌクレオチド誘導体(以下、このオリゴヌクレオチド誘導体を第2のオリゴヌクレオチド誘導体というものとし、特に、Aユニットを有するオリゴヌクレオチド誘導体を第1のオリゴヌクレオチド誘導体というものとする。)にも関する。すなわち、第2のオリゴヌクレオチド誘導体は、オリゴヌクレオチド中に式(11)におけるEを含むユニットを少なくとも1つ有するオリゴヌクレオチド誘導体に関する。本発明はさらに、第2のオリゴヌクレオチド誘導体を含む構築物及びその利用、第2のオリゴヌクレオチド誘導体を製造するための製造方法並びにヌクレオシド類似体を開示する。第2のオリゴヌクレオチド誘導体及びこれに関連する化合物は、式(11)中において示すEユニットを含有するユニットを少なくとも1個有することで、ヌクレアーゼに対する抵抗性が発揮される。したがって、Eユニットは、各種ヌクレアーゼのターゲットとなる箇所(ヌクレアーゼの種類により3’末端、5’末端、非3’末端非5’末端の特定の塩基部位など)に備えることができる。
【0057】
また、Eユニットは、核酸塩基を含んでいるため、Aユニットとは異なり、1本鎖オリゴヌクレオチドとの間において塩基対合によるハイブリダイゼーションが可能である。ハイブリダイゼーション機能を備えることにより、プライマー又はプローブとして第2のオリゴヌクレオチド誘導体を用いることができるようになる。したがって、Eユニットをハイブリダイゼーション部位に備えることで選択性の高いモレキュラービーコンなどのプローブとして第2のオリゴヌクレオチド誘導体を利用することができる。
【0058】
第2のオリゴヌクレオチド誘導体及びこれに関連するヌクレオシド類似体などの化合物及びこれらの製造方法並びに利用については、Eユニットに関する態様以外は、既に説明した第1のオリゴヌクレオチド誘導体における各種の実施態様をそのまま適用できる。以下、第2のオリゴヌクレオチド誘導体及びヌクレオシド類似体についてのEユニットに特有の実施態様について説明する。
【0059】
(第2のオリゴヌクレオチド誘導体)
第2のオリゴヌクレオチド誘導体は、式(11)で表される化合物である。本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、式(11)におけるEを含有するユニット(Eユニット)を、オリゴヌクレオチド中の1箇所又は2箇所以上に、それぞれ1個又は2個以上有することができる。このEユニットを有する箇所においてヌクレアーゼ耐性を得ることができる。良好なヌクレアーゼ耐性を得るには、2個以上のEユニットを要する場合もある。このようなEユニットは、配列既知又は配列未知のオリゴヌクレオチドに対して、付加、置換又は挿入のいずれかあるいはこれらを組み合わせて導入することができ、これにより第2のオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。なお、ここでいうオリゴヌクレオチドは、改変されていてもよいオリゴヌクレオチドである。また、Eユニットを備えることにより、RNAiによる遺伝子発現抑制作用が増大される。
【0060】
各Eユニットは、式(13)に13a~13eから選択されるいずれかの塩基及び置換されているこれらのいずれかの塩基とすることができる。ベンゼン骨格に対してメチレン基を連結基として塩基を導入することにより、ヌクレアーゼ耐性とハイブリダイゼーション機能とを発揮することができる。
【0061】
第2のオリゴヌクレオチド誘導体において、こうしたEユニットの各EにおけるZはそれぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよいが、CH又はNを表す。式(13)における13a~13eのうちでは特に限定しないで必要に応じて、塩基の種類を選択すればよい。
【0062】
Eユニットにおける各Eの環構成炭素原子に結合する水素原子は置換されていなくてもよいし、置換されていてもよい。置換基としては、炭素数1~4個の鎖状アルキル基とすることが好ましい。すなわち、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。立体障害等を考慮したとき、メチル基及びエチル基を好ましく用いることができる場合がある。また、置換基の数も特に限定しないが、立体障害等が問題となる場合には、1個又は2個程度とすることが好ましい。
【0063】
第2のオリゴヌクレオチド誘導体は、Eユニットを適当な連結基を介してオリゴヌクレオチドの一部に結合されている。連結基は例えば、ホスホジエステル結合等オリゴヌクレオチドのヌクレオチド単位の連結に用いられる公知の連結基を用いることができる。第2のオリゴヌクレオチド誘導体における連結基については、既に、第1のオリゴヌクレオチド誘導体に適用することができるものをそのまま利用できる。また、Eユニットがオリゴヌクレオチドの末端にある場合には、Eユニットの一方の酸素原子には、水素又は公知のヒドロキシル保護基が結合されていてもよい。
【0064】
また、式(11)で表される第2のオリゴヌクレオチド誘導体の一態様として、式(14)に表される化合物が挙げられる。式(14)においては、Eユニット以外については、既に説明した式(3)についての実施態様を適用できる。この態様の第2のオリゴヌクレオチド誘導体は、式(11)に示すEを含む3種類のユニットのいずれか又は2種類以上を有している。以下、式(14)において、5’末端に配置されるAを含むユニットをE1ユニットと称し、3’末端に配置にされる該ユニットをE3ユニットと称し、非5’末端及び非3’末端に配置される該ユニットをE2ユニットと称する。これらの各ユニットにおける各Eはそれぞれ独立し、同一であっても異なっていてもよい。これらの各ユニットにおけるEについて既に説明したEユニットにおけるEと同義であり、これらの各ユニットはいずれも式(11)におけるEユニットの具体的態様を表している。また、E1~E3ユニットにおける各基についても、既に説明した式(3)における各種実施態様を適用することができる。
【0065】
Eユニットと同様に、E1~E3ユニットは、所定の機能を持ったオリゴヌクレオチド誘導体の有する配列に対して付加的、置換的及び挿入的のいずれかあるいはこれらを組み合わせた形態で備えることができる。また、E1~E3ユニットは、いずれも0以上の整数であるl、m及びnに対応する個数をそれぞれ有することができるが、少なくとも一つが1以上である。また、E1~E3ユニットによってオリゴヌクレオチド誘導体に付加しようとする機能によっても異なるが、E1ユニットは、オリゴヌクレオチドの5’末端に配置されるため、例えば、5’末端に作用するエキソヌクレアーゼ抵抗性を付与するのに有効である。また、E3ユニットは、3’末端に作用するエキソヌクレアーゼに有効である。また、E2ユニットは、オリゴヌクレオチドの非3’末端非5’末端においてエンドヌクレアーゼ抵抗性を付与するのに有効であるほか、ハイブリダイゼーション機能の発揮にも有効である。また、E3ユニットは、二本鎖RNAの3’末端ダングリングエンド部分に形成するときには、RNAiによるサイレンシング効果の向上に有効である。したがって、例えば、3’末端作用性ヌクレアーゼ抵抗性を向上させたい場合には、l及びmは0であってもよい。逆に、5’末端作用性ヌクレアーゼ抵抗性を高める場合には、m及びnは0であってもよい。
【0066】
また、ヌクレアーゼ抵抗性を得る場合には、l、m及びnはいずれも少なくとも1つ有していればよいが、それぞれあるいは組み合わせて2個以上有することもできる。E1~E3ユニットの数や部位は、ヌクレアーゼ抵抗性と非ヌクレオシド性のE1~E3ユニットを導入することによるオリゴヌクレオチド誘導体への影響を考慮して決定される。また、導入数や導入部位はハイブリダイゼーション特性を考慮して決定される。
【0067】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、AユニットとEユニットとの双方を備えることもできる。すなわち、式(1)で表される第1のオリゴヌクレオチド誘導体においてEユニットを別に備えていてもよいし、式(3)で表される第1のオリゴヌクレオチド誘導体のB及びCのいずれかの部位に、Eを備えることができる。また、第2のオリゴヌクレオチド誘導体がAユニットを備えていてもよく、式(11)で表される第2のオリゴヌクレオチド誘導体においてAユニットを備えることもできるし、式(14)で表される第2のオリゴヌクレオチドにおいて、B及びCのいずれかあるいは双方に替えてEを備えることもできる。このように、すくなくとも一つの式(1)で表されるユニットと少なくとも一つの式(11)で表されるユニットとを備えるオリゴヌクレオチド誘導体も本発明のオリゴヌクレオチド誘導体である。
【0068】
(オリゴヌクレオチド構築物)
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、本発明の第1のオリゴヌクレオチド誘導体を1種又は2種以上有している。また、第2のオリゴヌクレオチド誘導体を1種又は2種以上有することができる。さらに、第1のオリゴヌクレオチド誘導体及び第2のオリゴヌクレオチド誘導体との双方をそれぞれ有することができる。
【0069】
本オリゴヌクレオチド構築物における本オリゴヌクレオチド誘導体の種類や組み合わせにより、本構築物は、1本鎖DNA、2本鎖DNA、1本鎖RNA、2本鎖RNA、DNA/RNAキメラ及びDNA/RNAハイブリッド等の形態をそれぞれあるいは組み合わせた形態とすることができる。なお、既に説明したように、本オリゴヌクレオチド誘導体を構成するオリゴヌクレオチド部分は、改変されたオリゴヌクレオチドを含んでいるため、本オリゴヌクレオチド構築物においても改変形態をオリゴヌクレオチドが含まれることがある。
【0070】
こうした各種形態を採るオリゴヌクレオチド構築物は、ヌクレアーゼのターゲットとなる可能性のある部位にAユニット若しくはA1~A3ユニット及び/又はEユニット若しくはE1~E3ユニットを備えることが好ましい。Aユニット又はA1ユニットやA3ユニット及びEユニット又はE1ユニットやE3ユニットは、ターミナルミスマッチやダングリングエンドに備えることができる。エキソヌクレオチド抵抗性を考慮すると、ダングリングエンドにAユニット又はA1ユニットやA2ユニットやEユニット等を備えることが好ましい。また、Aユニット又はA2ユニット及び/又はEユニット又はE2ユニットは、バルジ、ミスマッチインターナルループ、ヘアピンループなどに備えることができる。
【0071】
本発明のオリゴヌクレオチド構築物は、ヌクレアーゼ抵抗性が向上されているため、遺伝発現調節用、又は研究用、診断用の各種用途に用いることができる。遺伝子発現調節用途としては、アンチジーン、アンチセンス、アプタマー、siRNA、miRNA、shRNA及びリボザイム等が挙げられる。特に、siRNA及びshRNAにおいて3’末端オーバーハング部位のdTに対しAユニット又はA2ユニットを置換的又は付加的に導入することでヌクレアーゼ耐性とサイレンシング活性の双方を向上させることができる。図1に、A3ユニットを3’末端に有するsiRNAの一例を示す。
【0072】
また、診断用途又は研究用途としては、プローブ及びプライマーが挙げられる。プローブは、設計または選択により、ターゲット核酸に特異的に規定された配列を有しており、所定のストリンジェンシーの下で、それらがハイブリダイズするようにするに取得されたオリゴヌクレオチドである。プローブに本オリゴヌクレオチド誘導体を用いることでヌクレアーゼ耐性が向上されるため、ターゲット核酸を含有するサンプル中に混在するヌクレアーゼの影響を抑制又は回避して、ヌクレアーゼの除去程度が低くてもあるいはヌクレアーゼ除去処理を省略したサンプル調製が可能になる。これにより簡易に遺伝子診断や検査をすることができるようになる。なお、こうしたプローブとターゲットとのハイブリダイゼーションはプローブを適当なガラス基板、プラスチック製基板又はビーズなどの固相担体に固定化して行うことができる。本発明には、本オリゴヌクレオチド誘導体を含むプローブを固定化した固相担体も含まれる。
【0073】
なお、プローブの一態様としてモレキュラービーコンが挙げられる。モレキュラービーコンにおいては、ステム部分にヌクレアーゼ耐性を付与することが好ましく、このために、ステム部分に各種Aユニット及び/又はEユニットを備えることが好ましい。また、ステム部分には、ハイブリダイゼーション機能を有する各種Eユニットを備えていてもよい。さらに、ループ部分には、ハイブリダイゼーション機能を有する各種Eユニットを備えることができるほか、ハイブリダイゼーション機能を損なわない程度にAユニットを含んでいてもよい。
【0074】
例えば、本発明によれば、5’末端側にAユニット又はA1ユニット、及び/又は非5’末端非3’末端にAユニット又はA2ユニットを備えるプライマーを得ることができる。こうしたプライマーを用いてPCR反応を行うことで、ヌクレアーゼ抵抗性の良好な増幅産物を得ることができる。
【0075】
(オリゴヌクレオチド誘導体の合成に適した化合物、該化合物を用いたオリゴヌクレオチド誘導体の製造方法)
式(4)で表される化合物及び式(15)で表される化合物(ヌクレオシド類似体)は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を製造のための使用に好ましい化合物である。これらの化合物は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体中、A1~A3ユニット及び/又はB1~B3ユニットをオリゴヌクレオチドにおいて置換、付加及び挿入のいずれかあるいはこれらを組み合わて導入するのに好ましい化合物である。なお、式(4)におけるAは、式(1)で表されるオリゴヌクレオチド誘導体におけるAと同義であり、式(15)におけるEは、式(11)で表されるオリゴヌクレオチド誘導体におけるEと同義である。
【0076】
式(4)及び式(15)において、W1はヒドロキシル保護基を表す。また、式(15)においては、W1はHを表すことができる。ヒドロキシル保護基としては、該保護基により置換されるヒドロキシル基中の酸素を意図しない反応から保護する基であればよい。好ましくは、保護基は、オリゴヌクレオチド誘導体の活性を維持して除去されるものである。こうしたヒドロキシル保護基としては、特に限定しないで従来公知の各種のヒドロキシル保護基を用いることができる。本発明の好ましい保護基は、フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)、ジメトキシトリチル(DMT)、モノメトキシトリチル、トリフルオロアセチル、レブリニル、またはシリル基である。好ましい保護基は、トリチル基であり、例えば、ジメトキシトリチル(DMT)から選択される。
【0077】
また、W2は、H、ホスホルアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。W2がHである化合物(以下、化合物Iともいう。)は、核酸合成のための前躯体化合物として利用できる。W2がホスホルアミダイト基である化合物(以下、化合物IIともいう。)は、ホスホルアミダイト法によるホスホルアミダイト試薬として用いて、オリゴヌクレオチドに対して式(1)におけるA1及びA2ユニットを導入したオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。なお、本発明において、ホスホルアミダイト基は、以下の式(5)で表すことができる。
【化19】
JP0005493117B2_000020t.gif
(式(5)中、各Y1は独立して、同一であっても異なっていてもよく、分枝状又は直鎖状の炭素数1~5個のアルキル基を表し、Y2は、分枝状又は直鎖状の炭素数1~5個のアルキル基又は置換されていてもよいアルコキシル基を表す。)上記式(5)において、Y1は、特に限定しないがイソプロピル基が好ましいものとして挙げられ、また、Y2としては、-OCH3、-OEtCN、-OCH2CHCH2等が挙げられる。
【0078】
また、式(4)及び式(15)においてW2が固相担体に結合される連結基である化合物(以下、化合物IIIともいう。)は、当該連結基とアミノ基など固相担体上の所定の官能基とを結合させることにより、固相担体に保持される。そして、式(4)及び式(15)において、W2が固相担体に結合された連結基である化合物(以下、化合物IVともいう。)は、連結基を介してAユニット(例えば、本発明の第1のオリゴヌクレオチドではA3ユニットに対応するであろう。)やEユニット(本発明の第2の「オリゴヌクレオチドではE3ユニットに対応するであろう。)が固相担体に結合されているため、各種の核酸固相合成法の出発材料として用いることができる。この出発材料を用いることで、A3ユニットやE3ユニットを有するオリゴヌクレオチド誘導体を製造することができる。ここで、固相担体とは、一般に高分子担体が用いられ、例えば、CPG(controlled pored glass)やHCP(highly
cross-linked polystyrene)、ある種のゲルなどが挙げられる。また、固相担体には適切なスペーサーを有していてもよい。連結基は、固相担体と本化合物とを連結するリンカーである。こうした連結基としては、以下に示すコハク酸エステルリンカー、シュウ酸エステルリンカー、シランジイルリンカー、シリルリンカーなどを用いることができる。
【化20】
JP0005493117B2_000021t.gif

【0079】
また、式(15)において、W1及びW2がいずれも、Hである化合物は、ヌクレオシド類似体であるといえる。このヌクレオシド類似体をオリゴヌクレオチド誘導体及びオリゴヌクレオチド構築物は、当該ヌクレオシド類似体のヌクレアーゼ抵抗性やハイブリダイゼーション機能に基づき各種機能型オリゴヌクレオチドとして有用である。
【0080】
H、ホスホルアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。W、H、ホスホルアミダイト基又は固相担体に結合される若しくは結合された連結基を表す。W
【0081】
本化合物(化合物I~IV)は、例えば、以下のスキームで製造することができる。すなわち、フタル酸ジメチルあるいはピリジンジカルボン酸ジメチル等を還元し、続いてDMTr化して本化合物(化合物I)を得る。さらに、これをアミダイト試薬によりアミダイト化して本化合物(化合物II)を得る一方、DMTr体をスクシニル化(化合物III)し、さらにCPG樹脂と結合させて本化合物(化合物IV)を得る。
【化21】
JP0005493117B2_000022t.gif

【0082】
なお、式(15)で表される化合物I~IVは、ベンジル誘導体等に塩基をカップリングした後、DMTr化して本化合物(化合物I)を得る。さらに、これをアミダイト試薬によりアミダイト化して本化合物(化合物II)を得る一方、DMTr体をスクシニル化(化合物III)し、さらにCPG樹脂と結合させて本化合物(化合物IV)を得ることができる。なお、ベンジル誘導体に対する塩基のカップリングに先だって、ベンジル誘導体が備える水酸基に適当な保護基を付与しておき、塩基のカップリング後、DMTr化前の適当な段階で脱保護することが好ましい。
【0083】
上記化合物又はヌクレオシド類似体は、ヌクレアーゼ耐性を要する部位用のユニット(単位)として用いることができる。特に、siRNAのダングリングエンドに配されるダングリングエンドユニット用として好ましい。また、ヌクレオシド類似体についてはプローブやプライマー等の相手鎖認識部分等にも好ましく用いることができる。例えば、ヌクレオシド類似体は、モレキュラービーコンにおいては、内部で二重鎖を形成するステム部分ほかプローブ部分であるループ部分にも用いることができる。
【0084】
(オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法)
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体の製造方法は、上記した本発明の化合物I~IVを用いることを特徴とする。本発明のオリゴヌクレオチドは従来公知の核酸合成法によって得ることができるため、こうした核酸合成法のオリゴヌクレオチド合成工程中、Aユニット又はA1~A3ユニット及びEユニット又はE1~E3ユニットを導入したい部位において、適宜本発明の化合物I~IVを利用することにより、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を製造することができる。
【0085】
例えば、5’末端側にAユニット(式(3)においてはA1ユニット)を有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、従来の核酸合成法により取得したオリゴヌクレオチドの5’末端に上記化合物Iから誘導したホスホアミダイト試薬である化合物IIやその他の導入用試薬を用いることにより、Aユニットを導入することができる。さらに、必要に応じ導入したAユニットに対して、引き続き化合物II等を連結することで複数個のAユニットを連続して導入することもできる。こうして5’末端側に1又は2個以上のAユニットを有するオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。Eユニットについても、Aユニットと同様にしてオリゴヌクレオチドの所望の部位に導入することができる。
【0086】
また、3’末端側にAユニット(式(3)においてはA3ユニット)を有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、化合物IIIから誘導した化合物IVを出発材料として用い、アミダイト法をはじめとする各種核酸合成法によりオリゴヌクレオチドを合成し、固相担体からAユニットを含んだ形態で生成物の切り出しを行えばよい。3’末端側に複数個連続してAユニットを有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、化合物IVを出発材料として、これに対して、化合物IIをアミダイト法により導入するか化合物Iから誘導した他の導入試薬を導入することで、複数個連続したAユニットを3’末端に有するオリゴヌクレオチド誘導体を得ることができる。Eユニットについても、同様にしてオリゴヌクレオチドの所望の部位に導入することができる。
【0087】
さらに、非3’末端非5’末端にAユニット(式(3)においてはA2ユニット)を有するオリゴヌクレオチド誘導体を得るには、従来のオリゴヌクレオチド合成途中において化合物IIや化合物Iから誘導したその他の導入試薬を用いればよい。Eユニットについても、同様にしてオリゴヌクレオチドの所望の部位に導入することができる。
【0088】
さらに、Aユニット及びA1~A3ユニット並びにEユニット及びE1~E3ユニットのうち2種類以上を有するオリゴヌクレオチド誘導体は、本化合物I~IVを組み合わせて用いることにより得ることができる。
【0089】
(オリゴヌクレオチドの修飾方法)
本発明のオリゴヌクレオチドの修飾方法は、配列既知又は配列未知のオリゴヌクレオチドに少なくとも1個のAユニット及び/又はEユニットを付加、置換及び挿入のいずれかあるいはこれらを組み合わせて導入する方法である。こうした修飾により、ヌクレアーゼ耐性のほか、サイレンシング効果の高いRNA構築物を得ることができる。Aユニット及び/又はEユニットの導入は、オリゴヌクレオチド誘導体の製造方法に準じて実施すればよい。
【0090】
(オリゴヌクレオチド誘導体の利用)
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、siRNAやアンチセンス等として機能するよう構築することで、遺伝子発現抑制剤として利用できる。また、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、ヒト及び非ヒト動物における疾患の予防・治療用医薬組成物の有効成分として用いることができる。例えば、遺伝子発現に伴う疾患に対して、遺伝子発現抑制剤として構築した本発明のオリゴヌクレオチド誘導体はこうした疾患の予防や治療に有効である。
【0091】
さらに、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、そのハイブリダイゼーション機能を発揮させるように構築することでプローブ、プライマー等の検査試薬や診断試薬として用いることができる。さらに、これらオリゴヌクレオチド構築物をチップやビーズ等の固相担体等に保持したものは、検査装置や診断装置又はこれらの一部として利用することができる。さらには、こうした検査試薬や診断薬は、他の試薬薬や診断薬あるいは装置等と組み合わせた検査用又は診断用キットとしても用いることがでくる。
【0092】
本発明のオリゴヌクレオチド誘導体は、本発明のオリゴヌクレオチド誘導体を含むオリゴヌクレオチド構築物の遺伝子発現抑制作用を利用した遺伝子発現抑制方法にも利用できる。さらに、本発明のオリゴヌクレオチド構築物のハイブリダイゼーション機能を利用した遺伝子検出方法にも利用できる。
なお、本明細書においては、以下の略語及び略号を用いる。
APS:アンモニウムパーオキシドサルフェート(ammonium peroxodisulfate)
Ar:アルゴン(argon)
BzCl:塩化ベンゾイル(benzoylchloride)
CeNA:シクロヘキサン核酸(cyclohexene
nucleic acid)
CPG:コントロールドポアガラス(controlled
pore glass)
DEAD:ジエチルアゾカルボキシレート(diethyl
azodicarboxylate)
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン(diisopropylethylamine)
DMAP:4-ジメチルアミノピリデイン(4-dimethylaminopyrideine)
DMF:ジメチルホルムアミド(dimethylformamide)
DMSO:ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide)
DMTrCl
:ジメトキシトリチルクロライド(dimethoxytritylchloride)
DNA:デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic
acid)
dsRNA:二重鎖RNA(double
strand RNA)
EDTA:エチレンジアミン四酢酸(
ethylenediamine-N,N,N’,N’-tetraacetic
acid)
FAB:高速原子衝撃(fast atom bombardment)
FRET:蛍光エネルギー移動(Fluorescence
resonance energy transfer)
Gly:グリセロール(glycerol)
HNA:ヘキシトール核酸(hexitol
nucleic acid)
HPLC:高速液体クロマトグラフィー(high
performance liquid chromatgraphy)
HRMS:高分解能質量スペクトロメトリ(high-resolution
mass spectrometry)
MS:質量分析(MASS
spectroscopy)
MsCl:メタンスルホニルクロライド(Methanesulfonyl
chloride)
NBA:3-ニトロベンジルアルコール(3-nitrobenzylalchol)
NMR:核磁気共鳴(nuclear
magnetic resonance)
PAGE:ポリアクリルアミドゲル電気泳動(polyacrylamide
gel electrophoresis)
PCR:ポリメラーゼチェイン反応(polymerase
chain reaction)
PMO:ホスホロアミドモルホルノオリゴヌクレオチド(phosphoroamidite morpholino oligonucleotide)
PN:ぺプチド核酸(peptide
nucleic acid)
PPh3:トリフェニルホスフィン(triphenyl
phosphine)
RISC:RNA誘導サイレンシング複合体(RNA-induced
Silencing Complex)
RNA:リボ核酸(ribonucleic
acid)
TBAF:トリブチルアンモニウムフロライド(tributylammoniumfluoride)
TBDPSCl:tert-ブチルジフェニルシリルクロライド(tert-butyldiphenylsilyl chloride)
tc-DNA:トリサイクロ-DNA(tricyclo-DNA)
TEA:トリエチルアミン(triethylamine)
TEAA:トリエチルアミン酢酸(triethylamine-acetic
acid)
TEMED:テトラメチルエチレンジアミン(
N,N,N’,N’-tetramethyl-ethylenediamine)
TFA:トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic
acid)
Tris:tris(hydroxymethyl)aminomethane
TsCl:p-トルエンスルホン酸クロライド(p-Toluenesulfonyl chloride)
WSC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジミドハイドロクロライド(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimide,hydrochloride)

【実施例1】
【0093】
以下、本発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0094】
(3’末端ダングリングエンドの合成のためのイソフタル酸誘導体の合成)
本実施例では、以下のスキームIに示す化合物1~化合物5を合成した。すなわち、イソフタル酸ジメチルを還元し1を収率95%で得て、続いてDMTr化を行い化合物2を収率51%で得た。DMTr体2をアミダイト化して化合物3を94%の収率で得た。また、DMTr体2をスクシニル化し、CPG樹脂と結合させ、化合物5を108.6μmol/gの活性で得た。化合物1~5の製造例を以下に示す。
【化22】
JP0005493117B2_000023t.gif

【0095】
(化合物1:1,3-bis-hydroxymethylbenzene の製造例)
イソフタル酸ジメチル(2.00 g,10.30mmol)にAr雰囲気下、dry THF (51.5mL,0.2M solution)を加え、水素化ホウ素リチウム(1.12g,51.5mmol,5eq)を加えた。23時間攪拌した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をMeOHで溶解した。反応中のTLC (Hex:EtOAc=1:1)では生成物は1スポットであったが、反応を停止すると2スポットに分かれた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc only)で単離し、化合物(1)(1.36g,9.82mmol,95%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.39-7.26 (4H,m,aromatic protons),4.71(4H,s,-CH2-O-),1.70 (2H,d,J=76.8 Hz,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:139.28,129.62,128.47,63.90
Mass(EI)m/z:138 (M),120,107,79,65,51.
HRMS(EI)Calcd for C8H10O2138.06808 Found 138.06765.
Anal.Calcd for C8H10O2:C,69.54; H,7.30.Found:C,69.45; H,7.23.
【0096】
(化合物2:1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-3-hydroxymethylbenzeneの製造例)予め真空乾燥させておいた化合物(1)(0.5g,3.62mmol)をpyridine (18mL)に溶解し、DMAP(22.1mg,0.18mmol,0.05eq)と4,4’-Dimethoxytrityl chloride (1.23g,3.62mmol,1eq)を加え、Ar雰囲気下で17時間攪拌した。TLC (Hex:EtOAc=3:1)により原料の消失を確認した。EtOAcとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=4:1)で単離し、化合物(2)(0.82g,1.86mmol,51%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.52-6.82 (17H,m,DMTr and aromatic protons),4.70 and 4.18 (4H,s,-CH2-O-),3.80 (6H,t,J=4.0 Hz,H-methoxy),1.62 (2H,s,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.42,145.00,140.76,139.68,136.24,130.06,128.50,128.16,127.83,126.73,126.31,125.71,125.55,113.10,86.39,65.43,55.20
Mass(EI)m/z:440 (M),303,273,227,138,121,107,79,45.
HRMS(EI)Calcd for C29H28O4440.19876
Found 440.19806.Anal.Calcd for C29H28O4・1/5H2O: C,78.27; H,6.45.Found:C,78.33;H,6.59.
【0097】
(化合物3:1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-3-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylbenzeneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(2)(0.35g,0.80mmol)をdry THF (8mL)に溶解し、DIPEA(0.4mL,4.00mmol,5eq)と亜リン酸化試薬(0.29mL,1.60mmol,2eq)を加え、Ar雰囲気下で1.5時間攪拌した。TLC(EtOAc only)により原料の消失を確認した。EtOAcとsat NaHCO3aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=1:1)で単離し、化合物(3)(0.48g,0.75mmol,94%)を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:148.8
Mass(FAB) m/z:641([M++H]),303,201,154.
HRMS(FAB) Calcd for C38H46N2O5P 641.31443 Found 641.31292.
【0098】
(化合物4:化合物5(イソフタル酸誘導体のCPG樹脂)の製造例)
化合物(2)(0.30g,0.68mmmol)をpyridine (6.8mL)に溶解し、そこにDMAP(3.7mg,0.03mmol,0.02eq)と無水コハク酸(204mg,2.04mmol,3eq)を加えAr雰囲気下で攪拌した。24時間攪拌した後、TLC(Hex:EtOAc=3:1)により反応の進行を確認し、EtOAcとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥させた。この濃縮物(4)(0.40g,0.74mmol,109%)にdry DMF (10mL)を加え溶解させ、CPG (500mg,0.11mmol)を加え30分間静置して反応液となじませた。その後、WSC(110mg,0.57mmol,4.9eq)を加え室温で一日振とうさせた。後処理として、pyridineで洗浄した後に0.1M DMAP in pyridine:無水酢酸
(9:1)溶液(6mL)を加え、16時間振とうさせた。このものをMeOH、acetoneで洗浄し乾燥させ活性を測定した。化合物(5)の活性は108.6μmol/gであった。なお、活性は、 乾燥したCPG樹脂6 mgをガラスフィルターにのせ、HClO4:EtOH = 3:2の溶液を流し込み、そのろ液のUV
498 nmの波長 (DMTr基の波長)の吸光度を求め、以下の式に代入することにより算出した。

活性(μmol/g)=Abs.(498 nm)×Vol.(solution)(mL)×14.3/Weight(support)(mg)

【実施例2】
【0099】
(3’末端ダングリングエンドのフタル酸誘導体の合成)
本実施例では、以下のスキームIIに示す化合物6~化合物10を合成した。すなわち、フタル酸ジメチルを還元し6を収率72%で得て、続いてDMTr化を行い化合物7を収率90%で得た。DMTr体7をアミダイト化して化合物8を98%の収率で得た。また、DMTr体7をスクシニル化し、CPG樹脂と結合させ、化合物10を86.6μmol/gの活性で得た。化合物6~10の製造例を以下に示す
【化23】
JP0005493117B2_000024t.gif

【0100】
(化合物6:1,2-bis-hydroxymethylbenzeneの製造例)
フタル酸ジメチル(2.00 g,10.30mmol)にAr雰囲気下、無水 THF (51.5mL,0.2M solution)を加え、水素化ホウ素リチウム(1.12g,51.5mmol,5eq)を加えた。18時間攪拌した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をMeOHで溶解した。反応中のTLC (クロロホルム:メタノール=3:1)では生成物は1スポットであったが、反応を停止すると2スポットに分かれた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)で単離し、化合物6(1.02g,7.38mmol,72%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.35-7.26 (4H,m,aromatic protons),4.65(4H,s,-CH2-)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:141.18,128.73,126.22,125.52,65.10
Mass(FAB) m/z:139([M++H]),277,231,185,121,93,57.
HRMS(FAB) Calcd for C8H11O2139.07649
Found 139.07591.
Anal.Calcd for C8H10O2:C,69.54;H,7.30.Found:C,69.75; H,7.32.
【0101】
(化合物7:1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-2-hydroxymethylbenzeneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(6)(0.5g,3.62mmol)をpyridine (18mL)に溶解し、DMAP(22.1mg,0.18mmol,0.05eq)と4,4’-Dimethoxytrityl chloride (1.23g,3.62mmol,1eq)を加え、Ar雰囲気下で25時間攪拌した。TLC (へキサン:酢酸エチル=1:1)により原料の消失を確認した。酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=4:1)で単離し、化合物(7)(1.44g,3.27mmol,90%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.50-6.67 (17H,m,DMTr and aromatic protons),4.44 ,4.42 ,and 4.18
(4H,d,J=8.0
Hz,s,-CH2-O-),3.79 (6H,s,H-methoxy)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.59,144.50,140.46,136.40,135.71,129.93,129.75,129.52,128.55,128.07,127.91,126.92,113.35,87.55,65.22,63.59,55.22
Mass(EI)m/z:440 (M),303,273,227,135.
HRMS(EI)Calcd for C29H28O4440.19876
Found 440.19908.
Anal.Calcd for C29H28O4・1/5H2O:C,78.27;
H,6.45.Found:C,78.24; H,6.61.
【0102】
(化合物8:1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-2-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylbenzeneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(7)(0.35g,0.80mmol)を無水 THF (8mL)に溶解し、DIPEA(0.4mL,4.00mmol,5eq)と亜リン酸化試薬(0.29mL,1.60mmol,2eq)を加え、Ar雰囲気下で0.5時間攪拌した。TLC (酢酸エチルのみ)により原料の消失を確認した。酢酸エチルとsat NaHCO3aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:acetone=1:1)で単離し、化合物(8)(0.50g,0.78mmol,98%)を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:148.95,148.92,148.46,147.27
Mass(FAB) m/z:641([M++H]),303,289,219,201,154,136,107,89.
HRMS(FAB) Calcd for C38H46N2O5P
641.31443 Found 641.31272.
【0103】
(化合物9、化合物10:フタル酸誘導体のCPG樹脂の製造例)
化合物7(0.50g,1.13mmol)をピリジン(11.3mL)に溶解し、そこにDMAP (2.8mg,0.023mmol,0.02eq)と無水コハク酸(339mg,3.39mmol,3eq)を加えAr雰囲気下で攪拌した。24時間攪拌した後、TLC (Hex:EtOAc=3:1)により反応の進行を確認し、EtOAcとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥させた。この濃縮物(化合物9)(0.40g,0.74mmol,81%)にdry DMF (10mL)を加え溶解させ、CPG (500mg,0.11mmol)を加え30分間静置して反応液となじませた。その後、WSC (65mg,0.34mmol,4.9eq)を加え室温で一日振とうさせた。後処理として、pyridineで洗浄した後に0.1M DMAP in pyridine:acetic
anhydride (9:1)溶液(6mL)を加え、16時間振とうさせた。このものをMeOH、acetoneで洗浄し乾燥させ活性を測定した。化合物(10)の活性は86.63μmol/gであった。
【実施例3】
【0104】
(実施例3:3’末端ダングリングエンドの合成のためのナフタレンジカルボン酸ジメチル誘導体の合成)
本実施例では、以下のスキームIIIに示す化合物11~化合物15を合成した。すなわち、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチルを還元し11を収率88%で得て、続いてDMTr化を行い化合物12を収率73%で得た。DMTr体12をアミダイト化して化合物13を59%の収率で得た。また、DMTr体12をスクシニル化し、CPG樹脂と結合させ、化合物15を41.3μmol/gの活性で得た。化合物11~15の製造例を以下に示す。
【化24】
JP0005493117B2_000025t.gif

【0105】
(化合物11:2,3-bis-hydroxymethylnaphthaleneの製造例)
2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(0.20 g,0.87mmol)にAr雰囲気下、無水 THF (4.4mL,0.2M solution)を加え、水素化ホウ素リチウム(0.95g,4.35mmol,5eq)を加えた。18時間攪拌した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をメタノールで溶解した。反応中のTLC (へキサン:酢酸エチル=1:1)では生成物は1スポットであったが、反応を停止すると2スポットに分かれた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=1:1)で単離し、化合物(11)(0.14g,0.77mmol,88%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.85-7.26(6H,m,aromatic protons),4.93(4H,s,-CH2-),1.57(2H,s,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:136.94,133.12,128.86,127.69,126.53,64.67
Mass(EI)m/z:188(M),170,141,115.
HRMS(EI)Calcd for C12H12O2188.08373
Found 188.08281.
Anal.Calcd for C12H12O2:
C,76.57; H,6.43.Found:C,76.42; H,6.61.
【0106】
(化合物12:2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-3-hydroxymethylnaphthaleneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(11)(0.5g,3.62mmol)をピリジン
(5.3mL)に溶解し、DMAP (6.5mg,0.05mmol,0.05eq)と4,4’-ジメトキシトリチルクロライド(0.36g,1.06mmol,1eq)を加え、Ar雰囲気下で22時間攪拌した。TLC (へキサン:酢酸エチル=3:1)により原料の消失を確認した。酢酸エチルとsat NaHCO3
aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル= 4:1~1:1)で単離し、化合物(12)(0.38g,0.77mmol,73%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.77-6.78 (19H,m,DMTr and aromatic protons),4.52 and ,4.31 ,4.28
(4H,s and d,J=12.0 Hz,-CH2-O-),3.72 (6H,s,H-methoxy),
1.51 (2H,s,OH)
Mass(EI)m/z:490 (M),303,273,227,141.
HRMS(EI)Calcd for C33H30O4490.21441
Found 490.21482.
【0107】
(化合物13:2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-3-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylnaphtaleneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(12)(0.38g,0.78mmol)をdry THF (7.8mL)に溶解し、DIPEA
(0.39mL,3.9mmol,5eq)と亜リン酸化試薬(0.29mL,1.56mmol,2eq)を加え、Ar雰囲気下で1.5時間攪拌した。TLC(酢酸エチルのみ)により原料の消失を確認した。EtOAcとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(へキサン;酢酸エチル=1:1)で単離し、化合物(13)(0.41g,0.59mmol,75%)を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:149.1,148.6
Mass(FAB) m/z:691([M++H]),303,201,154.
HRMS(FAB) Calcd for C42H48N2O5P
691.33008 Found 691.32774.
【0108】
(化合物14、15:ナフタレンジカルボン酸ジメチル誘導体のCPG樹脂の製造例)
化合物(12)(0.40g,0.82mmmol)をpyridine(8.2mL)に溶解し、そこにDMAP (2.0mg,0.016mmol,0.02eq)と無水コハク酸(251mg,2.46mmol,3eq)を加えAr雰囲気下で攪拌した。24時間攪拌した後、TLC (クロロホルム:メタノール=15:1)により反応の進行を確認し、EtOAcとsat NaHCO3aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥させた。この濃縮物(化合物14)(0.41g,0.69mmol,85%)にdry DMF (8.5mL)を加え溶解させ、CPG (640mg,0.085mmol)を加え30分間静置して反応液となじませた。その後、WSC (80.8mg,0.42mmol,4.9eq)を加え室温で一日振とうさせた。後処理として、ピリジンで洗浄した後に0.1M DMAP in pyridine:無水酢酸 (9:1)溶液(6mL)を加え、16時間振とうさせた。このものをメタノール、アセトンで洗浄し乾燥させ活性を測定した。化合物(15)の活性は41.29μmol/gであった。
【実施例4】
【0109】
(3’末端ダングリングエンドの合成のためのピリジンカルボン酸ジメチル誘導体の合成)
本実施例では、以下のスキームIVに示す化合物16~20を合成した。すなわち、2,6-ピリジンカルボン酸ジメチルを還元し16を収率28%で得て、続いてDMTr化を行い、化合物17を収率43%で得た。DMTr体17をアミダイト化して化合物18を93%の収率で得た。また、DMTr体17をスクシニル化し、CPG樹脂と結合させ、化合物20を73.9μmol/gの活性で得た。化合物16~20の製造例を以下に示す。
【化25】
JP0005493117B2_000026t.gif

【0110】
(化合物16:2,6-bis-hydroxymethylpyridineの製造例)
2,6ピリジンカルボン酸ジメチル(2.00 g,10.25mmol)にAr雰囲気下、無水THF (51.3mL,0.2M solution)を加え、水素化ホウ素リチウム(1.16g,51.3mmol,5eq)を加えた。16時間攪拌した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をメタノールで溶解した。反応中のTLC (クロロホルム:メタノール=3:1)では生成物は1スポットであったが、反応を停止すると2スポットに分かれた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1~3:1)で単離し、化合物(16)(0.40g,2.88mmol,28%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.72-7.00 (3H,m,aromatic protons),4.79
(4H,s,-CH2-)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.37,137.44,119.12,64.33
Mass (FAB) m/z:140([M++H]),277,185,93,57.
HRMS (FAB) Calcd for C7H10NO2
140.07115 Found 140.07054.
Anal.Calcd for C7H10NO2:
C,60.42; H,6.52; N,10.07.Found:C,60.28; H,6.50; N,9.95.
【0111】
(化合物17:2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-6-hydroxymethylpyridineの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(16)(0.5g,3.60mmol)をピリジン
(18mL)に溶解し、DMAP (22.1mg,0.18mmol,0.05eq)と4,4’-ジメトキシトリチルクロライド(1.22g,3.60mmol,1eq)を加え、Ar雰囲気下で16時間攪拌した。TLC (Hex:EtOAc=1:1)により原料の消失を確認した。酢酸エチルとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル =4:1~3:1)で単離し、化合物(17)(0.27g,0.61mmol,43%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:7.76-6.82 (16H,m,DMTr and aromatic protons),4.69 and 4.34 (4H,s,-CH2-O-),3.79 (6H,s,H-methoxy),1.58 (2H,s,OH)
13C NMR(100MHz,CDCl3)δ[ppm]:158.51,158.38,157.59,144.77,137.27,135.93,130.01,128.07,127.89,126.85,119.35,118.56,113.18,86.67,66.56,63.62,55.20
Mass (FAB) m/z:442([M++H]),303,277,185,93,57.
HRMS (FAB) Calcd for C28H28NO4
442.20183 Found 442.20332.
【0112】
(化合物18:2-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-6-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylbenzeneの製造例)
予め真空乾燥させておいた化合物(17)(0.20g,0.45mmol)を無水 THF (4.5mL)に溶解し、DIPEA
(0.23mL,2.25mmol,5eq)と亜リン酸化試薬(0.16mL,0.90mmol,2eq)を加え、Ar雰囲気下で1時間攪拌した。TLC (酢酸エチルのみ)により原料の消失を確認した。酢酸エチルとsat NaHCO3aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチルのみ)で単離し、化合物(18)(0.27g,0.42mmol,93%)を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:149.1
Mass (FAB) m/z:642([M++H]),303,219,201,154,136,91,73,55.
HRMS (FAB) Calcd for C37H45N3O5P
642.30968 Found 642.31160.
【0113】
(化合物19、20:ピリジンカルボン酸ジメチル誘導体のCPG樹脂の製造例)
化合物(17)(0.20g,0.45mmmol)をピリジン(4.5mL)に溶解し、そこにDMAP (1.1mg,0.009mmol,0.02eq)と無水コハク酸(136mg,1.36mmol,3eq)を加えAr雰囲気下で攪拌した。17時間攪拌した後、TLC (ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により反応の進行を確認し、酢酸エチルとsat NaHCO3 aqで抽出し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水硫酸ナトリウムを加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥させた。この濃縮物(19)(0.16g,0.30mmol,66%)にdry DMF (7.5mL)を加え溶解させ、CPG (338mg,0.075mmol)を加え30分間静置して反応液となじませた。その後、WSC (71mg,0.37mmol,4.9eq)を加え室温で一日振とうさせた。後処理として、ピリジンで洗浄した後に0.1M
DMAP ピリジン溶液:無水酢酸 (9:1)溶液(6mL)を加え、16時間振とうさせた。このものをメタノール、アセトンで洗浄し乾燥させ活性を測定した。化合物(20)の活性は73.94μmol/gであった。
【実施例5】
【0114】
(実施例5:化学修飾ダングリングを有する自己相補鎖型DNAの合成)
3’末端を化学修飾したダングリングエンドを有する短鎖DNAを固相ホスホロアミダイト法に従って核酸自動合成機によって合成した。以下に合成したオリゴヌクレオチドの配列を示す。なお、合成と精製は次のようにして行った。
【0115】
(オリゴヌクレオチドの合成と精製)
オリゴヌクレオチドの合成は核酸自動合成機によるホスホロアミダイト法に従った。各オリゴヌクレオチドの合成の際、各アミダイトは0.1Mのアセトニトリル溶液に調整し、合成した各CPG担体を用いた。それぞれの樹脂を各々の活性に基づき1μmol分をカラムに量り取り、核酸自動合成機にセットした。縮合時間は5分とし、DMTr基を除去した状態で合成を終了した。合成終了後、CPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドをDNAに関しては28% NH3水溶液を2mL加え55℃で12時間インキュベートし、樹脂からの切り出し及び脱保護を行った。反応後のろ液をエッペンドルフチューブに移し、減圧下乾固した。残渣にloading solution (1×TBE
in 90% formamide)100μLを加え20% PAGE*1により(600V,20mA)目的のオリゴヌクレオチドを単離した。目的のオリゴヌクレオチドを切り出し0.1M TEAA buffer*2、1mM EDTA*3水溶液20mLを加え、12時間振とうした。このろ液をCH3CN 10mL、0.1M TEAA buffer 10mLを流して平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak)に通し、カラムに吸着させた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50% CH3CN in H2O 3mLで溶出し、減圧下乾固した。オリゴヌクレオチドはH2O 1mLに溶解し、このものの希釈液の260 nmにおける吸光度を測定し、その収量を求めた*6。また、MALDI-TOF/MSにより同定を行った。なお、核酸自動合成機は、Applied Biosystems、Nucleic Acid Synthesis System Expedite 8909 systemを使用した。ヌクレオチド-CPG、各種アミダイト、キャッピング溶液及び酸化溶液はGLEN RESEARCH社より購入した。アセトニトリルはLAB-SCAN社より購入した。
【0116】
*1 40% アクリルアミド(19:1)溶液*445mL、尿素37.8g、10×TBE buffer*5 9mLを加えて溶解し、水を加えて90mLとした。最後にAPS 62mgを加えて溶解した後、TEMED 45μLを加えて振り混ぜ、1.5mmスペーサーを挟んで固定した2枚のガラス板の間に流し込み、1時間以上静置して固化させた。1×TBE bufferを泳動用緩衝液として用いた。
*2 2N TEAA buffer (トリエチルアミン277.6mLを水に溶解させ、酢酸でpH 7.0に調整し1Lとしたもの)を20倍に希釈して使用した。
*30.1M EDTA水溶液(EDTA・4Na
1.81gを水で40mLに調整したもの)を100倍に希釈した。
*4 アクリルアミド190g、N,N-ビスアクリルアミド10gを水に溶解して500mLにすることで調整した。
*5Tris 109g、ホウ酸55g、EDTA・2Na 7.43gを水に溶解して1Lにすることで調整した。
*6oligonucleotideは水溶液とし、波長260での吸光度(Abs260)が、吸光度計の有効範囲になるように希釈した。光路長(l)1cmの吸光度測定用石英セルを用い、室温にてAbs260を測定した。OD260値の計算には以下の式を用いた。ここでVは溶液の全量を示す。
OD260 (Mε-1・mL-1・cm-1)= Abs260 (Mε-1)・V-1 (mL)・l
-1 (cm)
また、N1p N2p N3p・・・Nn-1p Nnで表される一本鎖oligonucleotideのモル吸光係数ε260の算出には次式を用いた。
ε= 2 {ε(N1p N2p)+ε(N2p N3p)+・・・+ε(Nn-1p Nn)} - {ε(N2)+ε(N3)+・・・+
ε(Nn-1)}
ここでε(Nn)はある核酸Nnのε260を示し、ε(Nn-1p Nn)はある核酸二量体Nn-1p Nnのε260を示す。また、濃度C (mol/L)の算出は次式を用いた。
C = Abs260 ・ε260-1・l -1
【0117】
【化26】
JP0005493117B2_000027t.gif

【0118】
合成した各種DNAオリゴヌクレオチドにつき、円偏光二色性(CD)スペクトルをJASCO J-600を用いて測定した結果を図2及び3に示す。なお、オリゴヌクレオチドのCD spectra測定におけるそれぞれの鎖の濃度は10μMとした。測定用緩衝液(10mM NaH2PO4-Na2HPO4
(pH 7.0),1mM NaCl) 400μLに溶解し、95℃で3分間過熱後、1時間放置し常温に戻した。そのサンプルのうち400μLを専用セルに入れ、室温にて測定を行なった。
【0119】
図2及び図3に示すように、各DNAの波形はコントロール(天然二本鎖DNA)とほぼ同じであり、ダングリングエンドを1個又は2個導入しても、各DNAは二本鎖を形成していると考えられた。
【0120】
また、各DNAについて、3’末端の化学修飾による熱力学的安定性を検討するためにMarkyとBleslaurの手法に従い、van’t Hoffトランジションエンタルピー(ΔHo)、エントロピー(ΔSo)、310Kにおける自由エネルギー(ΔGo)を算出した。本実施例では、二本鎖の形成と解離の平衡がオリゴヌクレオチドの総濃度に依存的に変化することを利用した方法を用いた。オリゴヌクレオチドの濃度を数段階に分けてTmを測定し、式(1)に基づいて1/Tm対ln(Ct/4)(Ctはオリゴヌクレオチド総濃度)のグラフを描き、その傾きと切片からΔHoとΔSoを算出した。そして後述する式(2)からΔGoを求めた。すなわち、DNAオリゴヌクレオチド(1)~(8)を用いて自己相補鎖を組み、3μM,5μM,7μM,10μM,16μMになるように測定用緩衝液(10mM NaH2PO4-Na2HPO4(pH7.0),1mM NaCl) 400μLに溶解し、95℃で3分間過熱後、1時間放置し常温に戻した。そのサンプルのうち350μLを専用セルに入れ、25℃から95℃へと加熱(Δ0.5℃/min)して吸光度の変化を測定することで50%融解温度(Tm)を求めた。そして、式(1)を用いて熱力学的パラメーターを算出した。結果を表1に示す。
1/Tm = (R /ΔHo)ln(Ct/n)+
(ΔSo /ΔHo)・・・(2)
ΔHo = R / slope
ΔSo = ΔHo×intercept
ΔGo = ΔHo‐TΔSo
R:気体定数 (1.987 cal / kcal)、Ct:一本鎖核酸の全濃度、
n:自己相補鎖の場合は1、非自己相補鎖の場合は4となる定数、本実施例では4とした。
【0121】
なお、ΔGoは標準状態において1molの一本鎖が1molの二本鎖になる場合、ある温度における反応の平衡状態から熱力学的エネルギーとしてどの程度へだっているかを示すものであり、この値から二本鎖の熱力学的安定性を評価することができる。この値の-符号は一本鎖状態よりも二本鎖状態が安定であることを表しており、この絶対値が大きいほど二本鎖の状態が安定であることを示している。また、ΔHoは標準状態において1molの一本鎖が1molの二本鎖になるときの熱エネルギー収支の変化を表しており、-の符号は発熱反応を表し、この絶対値が大きいほど二本鎖が熱エネルギー的に安定であることを示している。ΔSoは標準状態において1molの一本鎖が1molの二本鎖になるときの乱雑さの変化を表しており、-符号はより秩序のない状態に向かうことを示すものであり、この絶対値が小さいほど二本鎖形成に有利であることを示す。そしてΔGoとΔHo、ΔSoとの関係は式(2)で表される。
ΔGo = ΔHo
- TΔSo ・・・(2)
すなわち、二本鎖の熱力学的安定性は反応の熱エネルギー収支と乱雑さの変化によって決まる。
【0122】
【表1】
JP0005493117B2_000028t.gif

【0123】
表1に示すように、Tm値はダングリングエンドを導入することによりいずれも増加し、熱的に安定化されていることがわかる。また、二本鎖形成能の指標となる自由エネルギー変化(ΔGo)の値も負に増加しており、ダングリングエンドを導入することで二本鎖は安定化されていることが示唆された。しかし、ダングリングエンドを一つ導入したものと二つ導入したものの自由エネルギー変化(ΔGo)を比較すると、ベンゼン環である1,3-ビスハイドロキシベンゼンおよび1,2-ビスハイドロキシベンゼンを有するDNAは共にダングリングエンドの数が増えると安定化しているが、ピリジンやナフタレンを有するDNAはダングリングエンドを二つ導入したものよりも一つだけ導入したものの方が安定である。これは、水素結合能やLondon分散力などの二重らせん構造の安定化の指標となるエンタルピー変化(ΔHo)が、ベンゼン環を導入した場合ダングリングエンドの数が多い方が増加しており二本鎖形成に有利に働いている一方、ピリジンやナフタレンはダングリングエンドが増えることでエンタルピー変化(ΔHo)が減少し二本鎖形成に不利であるためだと考えられる。
【実施例6】
【0124】
(化学修飾ダングリングを有する自己相補鎖型RNAの合成)
次に、3’末端ダングリングエンドを有するRNA オリゴヌクレオチドを固相ホスホロアミダイト法に従って核酸自動合成機によって合成した。なお、核酸の固相合成は、以下に記載する以外は、実施例5に準じて行い、合成したオリゴヌクレオチドを確認した。
【0125】
RNAの固相合成に関してはCPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドをEtOH: NH3=3:1水溶液2mLを加えて室温で12時間振とうして樹脂からの切り出し及び脱保護を行った。また、縮合時間は15分とした。反応後のろ液をエッペンドルフチューブに移し、減圧下で乾固した。残渣に1M TBAF in THF溶液1mLを加え、12時間振とうした。この反応液を0.1M TEAAbufferで希釈して30mLとした。この反応液を平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak)に通し、カラムに吸着させた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50% CH3CN in H2O3mLで溶出し、減圧下乾固した。残渣にloading solution (1×TBE
in 90% formamide)100μLを加え20% PAGEにより(600V,20mA)目的のオリゴヌクレオチドを単離した。目的のオリゴヌクレオチドを切り出し0.1M TEAA buffer、1mM EDTA水溶液20mLを加え、12時間振とうした。このろ液を平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak)に通し、カラムに吸着させた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50% CH3CN in H2O 3mLで溶出し、減圧下乾固した。以下に合成したオリゴヌクレオチドの配列を示す。
【化27】
JP0005493117B2_000029t.gif

【0126】
合成した各種RNAオリゴヌクレオチドにつき、CDスペクトルを測定した。結果を図4に示す。CDスペクトルの測定は、短鎖RNA濃度を20μMとする以外は実施例5に準じた。
【0127】
図4に示すように、各RNAの波形はコントロール(天然二本鎖RNA)とほぼ同じであり、ダングリングエンドを1個又は2個導入しても、各RNAは二本鎖を形成していると考えられた。
【0128】
また、実施例5と同様にして、合成したRNAオリゴヌクレオチドについて自己相補鎖を組み、3μM,5μM,7μM,10μM,16μMで50%融解温度Tmを測定し、熱力学的パラメーターを算出した。結果を表2に示す。
【表2】
JP0005493117B2_000030t.gif

【0129】
表2に示すように、Tm値はダングリングエンドを導入することによりいずれも増加し、熱的に安定化されていることがわかる。しかし、DNAの場合と比較すると安定化の度合いがかなり小さい。また、 二本鎖形成能の指標となる自由エネルギー変化(ΔGo)の値は負に増加しているのと正に増加しているものがあり、RNAにおいてはダングリングエンドを導入することで必ずしも二本鎖は安定化されないことが示唆された。自由エネルギー変化(ΔGo)を比較すると、エンタルピー変化(ΔHo)が増加しているフタル酸およびピリジンを有するRNAは安定化しているが、エンタルピー変化(ΔHo)が減少しているナフタレンを有するRNAは不安定化していた。
【実施例7】
【0130】
(化学修飾ダングリングエンドを有するsiRNAの合成)
次に、3’末端ダングリングエンドを有するsiRNAを固相ホスホロアミダイト法に従って核酸自動合成機によって合成した。以下に合成したオリゴヌクレオチドの配列を示す。なお、siRNAは、Renilla LusiferaseのcDNA配列に基づいて設計した。
【化28】
JP0005493117B2_000031t.gif

【0131】
3’末端ダングリングエンドを導入したsiRNA二本鎖オリゴヌクレオチド(合成したsiRNA各鎖を相補鎖とアニーリングして二本鎖((13)と(14)、(15)と(16)、(17)と(18)、(19)と(20))を組見合わせた)の構造をCDスペクトルで確認した。結果を図5に示す。なお、CDスペクトルの測定は、siRNAの測定濃度を3μMとする以外は実施例5に準じた。
【0132】
次に、合成したsiRNA各鎖を相補鎖とアニーリングして二本鎖((13)と(14)、(15)と(16)、(17)と(18)、(19)と(20))を組み、実施例5に準じて各siRNA二本鎖の熱的安定性を50%融解温度Tmを測定し、比較した。結果を表3に示す。
【表3】
JP0005493117B2_000032t.gif

【0133】
表3右側に示すように、ダングリングエンドを直接化学修飾(TTを置換)するとTmは減少したが、表3左側に示すように、チミジル酸二量体に対して付加的に化学修飾することでTmが改善された。
【実施例8】
【0134】
(Dual Luciferase Assayによる3’末端化学修飾siRNAのタンパク発現抑制効果の評価)
本実施例では、合成した3’末端化学修飾Renilla
siRNAのタンパク発現抑制効果を評価するために0.1,0.5,1,5,10nMの濃度でLuc Assayを行なった。操作は以下のようにして行った。
【0135】
(Luc Assay)
HeLa細胞を4000 cell / mLになるように調整し、96 well plateの各wellに
100μLずつ入れ24時間培養した。合成したsiRNAのそれぞれの鎖をTE buffer (100mM NaCl) に溶解し、95℃で3分間過熱後、1時間放置し常温に戻した。このsiRNA各量、培地(OPTI-MEM)各量、0.2μg/μL
psi-CHECK(Fire fly、Renilla各々のseqenceを持つベクター) 1μL、transfast (トランスフェクション試薬) 3μLを総量350μLになるように混合し、培地を吸い出した96 well plateの各wellに 35μLずつ入れ、1時間後培地を100μL加えて24時間培養した。lysis bufferを各wellに100μLずつ加え振とうした。発光測定用の96 well plateにサンプル24μLを移し、Dual glo substrate
(Fire flyの基質) 24μLを加え10分放置後、Fire fly
luciferaseを測定した。その後、Stop and glo substrate 24μLを加え10分放置後、Renilla
luciferaseを測定した。Renilla luciferaseの値をFire fly luciferaseの値で割り、% of controlを用いて比較した。なお、luciferase測定には、Luminescenser JNRIIを使用した。なお、siRNAをトランスフェクションしていない状態をコントロールとし100%とした。結果を図6に示す。
【0136】
図6に示すように、Dual Luciferase Assayの結果、今回合成したsiRNAはいずれも低濃度でnormal typeのsiRNAよりも活性を示すことが分かった。
【実施例9】
【0137】
(3’末端化学修飾siRNAのヌクレアーゼ抵抗性の評価)
3’末端化学修飾siRNAがnormal siRNAと同等、もしくはそれ以上の活性が得られたことから、エキソヌクレアーゼの1つである蛇毒ホスホジエステラーゼ(snake venom phosphodiesterase (SVP))を用いて、エキソヌクレアーゼ耐性について検討した。SVPはリン酸ジエステル結合を選択的に切断する酵素で、オリゴヌクレオチドを5’-モノリン酸ヌクレオチドに分解する。操作は、以下のようにして行った。
【0138】
(SVPによる分解 )
単鎖状態でのエキソヌクレアーゼ抵抗性 (SVP耐性)の測定にあたっては氷冷下、20μMのオリゴヌクレオチドを4μL、SVP 0.3u/mLを10μL、緩衝液 (250 mM Tris-HCl,50mM MgCl2(pH7.0))を6μL加え、全量で40μLとなるように滅菌水で調節した。37℃でインキュベートし、1、3、5、10、30、60分おきにあらかじめ別のマイクロチューブに分注しておいたloading
solution (8M urea XC BPB)5μL中に、反応液を5μL加え、各時間の反応溶液とした。なお、0分のサンプルは酵素を加えていないものとした。二本鎖状態でのSVP耐性の測定にあたっては氷冷下、20μMのアンチセンスオリゴヌクレオチドを4μL、SVP 0.3u/mLを10μL、緩衝液 (250 mM Tris-HCl,50mM MgCl2(pH
7.0))を6μL加え、等量のセンスオリゴヌクレオチドを加え、全量で40μLとなるように滅菌水で調節した。37℃でインキュベートし、1、3、5、10、30、60分おきにあらかじめ別のマイクロチューブに分注しておいたloading solution (8M urea XC BPB)5μL中に、反応液を5μL加え、各時間の反応溶液とした。なお、0分のサンプルは酵素を加えていないものとした。それらを95℃で3分間アニーリングを行なった。これらを20%ウレアPAGEにて分離した。イメージングプレートを用いて分離したイメージを転写し、このイメージをBAS 2000を用いて取り込み、RIイメージ解析ソフトにより画像処理、及び分析を行なった。なお、siRNAの5’末端の32P同位体標識は、氷冷下siRNAのセンス鎖50 pmolを10×PNK緩衝液2μL、6unit/μL T4 polynucleotide kinase 1μL、γ-32P ATP 1μL及び滅菌水16μLを混合し、37℃にて30分間インキュベートした。その後スピンカラムを用いて夾雑物を除去し、未標識のセンス鎖50
pmolを加え、オリゴヌクレオチドの総量を100 pmolとした。なお、スピンカラムでの精製は添付された取り扱い説明書にあるプロトコルに従った。
【0139】
3’末端化学修飾したsiRNA全てについて、それぞれのsiRNAのアンチセンス鎖に32Pラベルを施し、単鎖状態および二本鎖状態について時間依存でSVP処理した。結果を図7及び図8に示す。
【0140】
図7示すように、単鎖状態にあっては、normal型は60分経つと完全鎖長のものが消失しているのに対し、各3’末端化学修飾siRNAはそれぞれ完全鎖長のものが残存していた。また、図8に示すように、二本鎖状態にあっては、一本鎖ほど明確な差は確認されなかった。
【0141】
次に、これらの結果を基に、単鎖状態での完全鎖長のオリゴヌクレオチドが半減するまでの時間t1/2を算出した。結果を表4に示す。
【表4】
JP0005493117B2_000033t.gif

【0142】
表4に示すように、ピリジン誘導体でダングリングエンドを形成しているsiRNAの耐性が天然型に比べて39.3倍と一番高く、耐性が一番低かったイソフタル酸誘導体をダングリングエンドに持つsiRNAでも天然型の8.9倍の耐性を持つことが明らかになった。
【実施例10】
【0143】
(1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-4-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylbenzeneの合成)
本実施例では、以下のスキームに示す化合物2(アミダイト体)を合成した。予め真空乾燥させておいた化合物1( 0.30 g,0.67 mmol )をdry
THF ( 6.7 mL )に溶解し、DIPEA ( 0.6 mL,3.50 mmol,5
eq )と亜リン酸化試薬(0.3 mL,1.35 mmol,2 eq )を加え、Ar雰囲気下で20mins攪拌した。TLC ( ヘキサン:酢酸エチル = 1:1 )により原料の消失を確認した。クロロホルムとsat NaHCO3 aqで分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー( 1% pyridine in EtOAc )で単離し、amidite体である化合物2 ( 0.38 g,0.59 mmol,88% )を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:148.8
【化29】
JP0005493117B2_000034t.gif

【実施例11】
【0144】
(ナフタレンジカルボン酸ジメチル誘導体のアミダイトユニット及びCPG誘導体の合成)
本実施例では、以下のスキームに従い、ナフタレンジカルボン酸ジメチル誘導体のアミダイト体(化合物4)及びCPG誘導体(化合物6)を合成した。
【化30】
JP0005493117B2_000035t.gif

【0145】
(1)1,4-bis-hydroxymethylnaphthaleneの合成
化合物1である1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(1.51 g,6.16 mmol )にAr雰囲気下、dry THF( 31 mL )を加えた。さらに水素化ホウ素リチウム(0.67 g,30.95 mmol,5
eq)を加え、60℃で一晩攪拌した。翌日、TLC (
ヘキサン:酢酸エチル = 1:1 )で原料の消失を確認した後、氷浴で酢酸を数滴加えて反応液を中性にし、反応を停止した。しばらく攪拌した後、析出した結晶をMeOHで溶解した。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー( 0 ~ 3%
メタノールのクロロホルム溶液 )で単離し、化合物2(1.05 g,5.59
mmol,91 %)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO )δ[ppm]:8.11-7.49
( 6H,m,Ar ),
5.26(2H,t,J= 5.6 Hz,-OH),4.93 ( 4H,d,J= 5.2 Hz,-CH2- )
13C NMR(100MHz,DMSO ) δ[ppm]:137.60,131.44,126.12,124.83,124.37,61.87
【0146】
(2)1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-4-hydroxymethylnaphthalene の合成
予め真空乾燥させておいた化合物2( 0.93 g,4.94 mmol )をピリジン ( 50 mL )に溶解し、DMAP ( 34.3mg,0.28mmol,0.06eq )とDMTrCl (
1.85g,5.45mmol,1eq )を加え、Ar雰囲気下で一晩攪拌した。翌日、酢酸エチルとsat NaHCO3
aqで分液し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 4:1~1:1 )で単離し、化合物3( 1.24 g,2.53 mmol,51%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO)δ[ppm]:8.11-6.92(19H,m,DMTr and Ar),5.31(1H,t,J= 5.6 Hz,-OH),
4.95( 2H,d ,J= 5.6 Hz,-CH2OH),4.44(2H,s ,-CH2ODMTr),3.74(6H,s,-OMe)
13C NMR(100MHz,DMSO )δ[ppm]:158.18,137.81,135.67,130.97,129.69,127.98,127.69,126.81,125.86,124.79,124.37,113.35,86.19,63.48,61.23,55.05
【0147】
(3)1-(4,4’-dimethoxytrityloxy)methyl-4-O-[(2-cyanoethyl)-(N,N-diisopropyl)]-phosphoamidicmethyl-hydroxymethylbenzeneの合成
予め真空乾燥させておいた化合物3( 0.46 g,0.94 mmol)をdry THF (
9.4 mL )に溶解し、DIPEA ( 0.8 mL,4.7 mmol,5 eq )と亜リン酸化試薬(0.4 mL,1.79 mmol,2
eq )を加え、Ar雰囲気下で15 mins攪拌した。TLC
( 酢酸エチルのみ )により原料の消失を確認した。クロロホルムとsat NaHCO3 aqで分液し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、中性シリカゲルクロマトグラフィー( 1% ピリジン酢酸エチル溶液 )で単離し、アミダイト体である化合物4(0.55 g,0.80 mmol,85% )を得た。
32P NMR (162MHz,CDCl3)δ[ppm]:149.11
【0148】
(4)ナフタレンジカルボン酸ジメチル誘導体のCPG樹脂の合成
化合物3( 0.15 g,0.30
mmmol )をピリジン ( 3 mL )に溶解し、そこにDMAP
( 44.9 mg,0.37 mmol,1eq)と無水コハク酸(110 mg,1.10
mmol,4 eq )を加えAr雰囲気下攪拌した。一晩攪拌した後、TLC ( ヘキサン:酢酸エチル = 1:2 )により原料の消失を確認し、酢酸エチルとsat NaHCO3 aqで分液し、有機層をsat NaCl aqで洗浄、無水Na2SO4を加え乾燥させた。溶媒を減圧留去後、真空乾燥させた。この濃縮物5dry DMF ( 7.5mL)を加え溶解させ、CPG ( 388 mg,0.05
mmol )を加え反応液となじませた。その後、WSC ( 60
mg,0.31 mmol,1 eq )を加え室温で一日振とうさせた。後処理として、ピリジンで洗浄した後に0.1M DMAP in ピリジン無水酢酸 (9:1)溶液( 6 mL )を加え、一晩振とうさせた。このものをメタノール、アセトンで洗浄し乾燥させ活性を測定した。化合物6の活性は60.6 μmol/gであった。
【実施例12】
【0149】
本実施例では、実施例2、実施例3、実施例10及び実施例11で得た各種のアミダイト体及びCPG樹脂を用いて、3’末端ダングリングエンドを有するsiRNAを固相ホスホロアミダイト法に従って核酸自動合成機によって合成した。以下に合成したオリゴヌクレオチドの配列を示す。なお、siRNAは、Renilla LusiferaseのcDNA配列に基づいて設計した。
【化31】
JP0005493117B2_000036t.gif

【実施例13】
【0150】
(Dual Luciferase Assayによる3’末端化学修飾siRNAのタンパク発現抑制効果の評価)
本実施例では、実施例12で合成した3’末端化学修飾Renilla
siRNAのうちダングリングエンドにベンゼン誘導体を備えるsiRNAのタンパク発現抑制効果を評価するために0.1,0.5,1,5,10nMの濃度でLuc Assayを行なった。なお、Luc Assayの操作は、実施例8と同様にして行った。結果を図9及び図10に示す。
【0151】
図9に示すように、1,2-ヒドロキシルメチルベンゼン誘導体をダングリングエンドに有するsiRNAは、いずれもダングリングエンドが未修飾のsiRNAよりも効果的にタンパク質の発現を抑制することがわかった。また、図10に示すように、1,4-ヒドロキシメチルベンゼン誘導体をダングリングエンドに有するsiRNAは、いずれもダングリングエンドが未修飾のsiRNAよりも効果的にタンパク質の発現を抑制することがわかった。さらに、これらの結果によれば、ダングリングエンドにおける1,2-又は1,4-ヒドロキシメチルベンゼン誘導体の個数は2個とすることが最も効果的であり、次いで3個であることがわかった。
【実施例14】
【0152】
(Dual Luciferase Assayによる3’末端化学修飾siRNAのタンパク発現抑制効果の評価)
本実施例では、実施例12で合成した3’末端化学修飾Renilla
siRNAのうちダングリングエンドにナフタレン誘導体を備えるsiRNAのタンパク発現抑制効果を評価するために0.1,0.5,1,5,10nMの濃度でLuc Assayを行なった。なお、Luc Assayの操作は、実施例8と同様にして行った。結果を図11に示す。
【0153】
図11に示すように、2,3-ヒドロキシメチルナフタレン誘導体及び1,4-ヒドロキシメチルナフタレン誘導体のいずれを用いたsiRNAであっても、ダングリングエンドが未修飾のsiRNAよりも効果的にタンパク質の発現を抑制することがわかった。
【実施例15】
【0154】
(ベンジル系ヌクレオシド類似体の合成)
本実施例では、ヌクレオシドアナログ合成のため、以下のスキームに従い、出発原料としてTrimethyl-1,3,5-benzenetricarboxylateを還元して化合物2を収率91%で得て、続いてTBDPS化を行い、ベンジル系ヌクレオシド類似体3-bを収率34%で得た。
【化32】
JP0005493117B2_000037t.gif

【0155】
(1)1,3,5-Trihydroxymethylbenzene の合成
化合物1 4.00 g(15.9 mmol )をdry
THF 25 mLに溶解し、LiAlH4 1.80 g をdry THF 75 mLに懸濁し氷冷した。氷冷下、化合物1 / THFをLiAlH4 / THFに滴下し撹拌した。6時間後、酢酸、エタノールによりクエンチした。反応液をセライトろ過することにより沈殿物を除き、ろ液を濃縮した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(
ヘキサン:酢酸エチル= 1:9 v/v)により目的物質を単離、濃縮し、白色結晶の化合物2を得た(収量、収率:2.42 g,14.4 mmol,91%)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ
[ppm]:4.46-4.47( 6H,d:J=3.2,1,3,5-trimethylene),5.13(3H,br,1,3,5-trihydroxy),7.11(3H,s,2,4,6-H)
【0156】
(2)3,5-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1-hydroxymethylbenzeneの合成
化合物2 2.42 g(14.4 mmol )とイミダゾール 3.92 g をdry DMF 120 mLに、TBDPS-C l 7.61 mLをdry DMF 70 mLに溶解し、氷冷した。氷冷下、TBDPS-Cl / DMFを化合物2 / DMFにゆっくり滴下し撹拌した。12時間後ethanolによってクエンチし、反応液を濃縮した。酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物3aおよび、無色オイル状の化合物3b及び3cを得た(収量及び収率はそれぞれ:(3-a)600 mg,1.48 mmol,10 %;(3-b)3.17 g,4.91 mmol,34%;(3-c)5.58g,6.32mmol,44%であった。
(3-b)1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:1.09
(18H,s,3,5-Bis(tert-butyl)),4.65-4.66(2H,d: J=6.0,1-methylene),4.76(4H,s,3,5-Bis(methylene)),7.19-7.71(23H,m,2,4,6-H and 3,5-Bis(diphenyl)),(1H,br,1-hydroxy)
MASS:calcd for C41H48O3Si2;644.9890,found;643
EL:calcd for C41H48O3Si2・1/5H2O;C:75.82,H:7.53,found;C:75.81,H:7.48
【実施例16】
【0157】
(ベンジル骨格-塩基カップリング体の合成)
本実施例では、以下のスキームに従い、合成した化合物3-bを用い、それぞれの塩基および塩基前駆体とカップリングすることにより各種のカップリング体A-1、G-1、T-1、U-1(C-1 )をそれぞれ収率77%、100%( 混合物 )、125%( 混合物 )、86%で得た。
【化33】
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【0158】
(1)9-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-6-chloropurineの合成
化合物3-b 300 mg( 0.465 mmol )と 6-クロロプリン 110 mg と
PPh3 183 mg をdry THF 25 mLに溶解し、氷冷下撹拌した。氷冷下、DEAD 320 μLを滴下し、室温にて撹拌した。15時間後に反応液を濃縮し、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により目的物質を単離、濃縮し、白色結晶の化合物A-1を得た(
収量、収率:274 mg,0.360 mmol,77 % )。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ [ppm]:0.91(18H,s,3’,5’-Bis(tert-butyl)),4.69 (4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.55 (2H,s,1’-methylene),7.14-7.56(23H,m,2’,4’,6’-H,2’,4’-Bis(diphenyl)),8.73(1H,s,8-H),8.80(1H,s,2-H)
MASS:calcd for
C46H50N4O2Si2Cl;781.31608,found;781.31701
【0159】
(2)2-Amino-9-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-6-chloropurineの合成
化合物3-b300 mg( 0.465 mmol )と 2-アミノ6-クロロプリン 126
mg とPPh3 185 mg をdry
THF 25 mLに溶解し、氷冷下撹拌した。氷冷下、DEAD 320 μLを滴下し、室温にて撹拌した。16時間後に反応液を濃縮し、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により目的物質を単離、濃縮し、白色結晶の化合物G-1を得た(収量、収率:371 mg,0.457 mmol,100%)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:1.05 (18H,s,3’,5’-Bis(tert-butyl)),4.71 (4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.09(2H,br,2-amino),5.22(2H,s,1’-methylene),7.09-7.65(23H,m,2’,4’,6’-H and 3’,5’-Bis(diphenyl)),7.70(1H,s,8-H)
MASS:calcd for C46H51N5O2Si2Cl;796.32699,found;796.32677
【0160】
(3)3N-Benzoyl-1-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-thymineの合成
化合物3-b1.30 g ( 2.02 mmol )と 3-ベンゾイルチミン 696 mg と
PPh3 792 mg をdry THF 150 mLに溶解し、氷冷下撹拌した。氷冷下、DEAD 1.40 mLを滴下し、室温にて撹拌した。13時間後に反応液を濃縮し、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により目的物質を単離、濃縮し、白色結晶の化合物T-1を得た(
収量、収率:2.17 g,2.53 mmol,125% mixture )。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ [ppm]:1.00 (18H,s,3’,5’-Bis(tert-butyl)),1.81 (3H,s,5-methyl),4.75 (4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),4.92 (2H,s,1’-methylene),7.18-7.73 (25H,m,3-N-benzoyl
and 3’,5’-Bis(diphenyl))
13C NMR (DMSO-D6) δ [ppm]:168.86,162.97,150.02,142.24,139.40,135.57,135.45,134.89,133.21,131.56,130.41,129.79,129.07,127.77,127.74,124.10,111.09,65.20,51.18,19.25,14.43,12.43
MASS:calcd for C53H57N2O5Si2;857.38061,found;857.37951
EL:calcd for C53H56N2O5Si2;C:74.26,H:6.58,N:3.27,found;C:74.07,H:6.56,N:3.26
【0161】
(4)3N-Benzoyl-1-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-uracilの合成
乾燥した、化合物(3-b)300 mg(0.465
mmol)と3-ベンゾイルウラシル79.7 mgとPPh3 186mgをdry THF 25 mLに溶解し、氷冷下撹拌した。氷冷下、DEAD 320 μLを滴下し、室温にて撹拌した。16時間後に反応液を濃縮し、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により目的物質を単離、濃縮し、白色結晶の化合物(U-1)を得た(収量、収率:338mg,0.401mmol,86 %)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:1.09(18H,s,3’,5’-Bis(tert-butyl)),4.76(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),4.89(2H,s,1’-methylene),7.12-7.69(28H,m,2’,4’,6’-H,3’,5’-Bis(diphenyl)and 3-N-benzoyl),7.89-7.91(2H,ss,5-H and 6-H)
MASS:calcd
for C52H55N2O5Si2;843.36496,found;843.36443
EL:calcd
for C53H56N2O5Si2・1/3H2O: C:64.77,H:5.44,N:7.19,found;C:64.59,H:5.46,N:7.02
【実施例17】
【0162】
(アデニン類似体の誘導体の合成)
本実施例では、アデニン類似体のアミダイト体及び脱保護体を合成した。すなわち、アミダイト体のの作製のため、以下のスキームに従い、化合物A-1を、アンモニアメタノールで処理することにより化合物A-2を収率68%で得た。得られた化合物A-2をBz化し化合物A-3を収率77%で得て、続いてTBAF処理することにより化合物A-4を収率48%で得た。得られた化合物A-4をDMTr化することで化合物A-5を収率39%で得た。常法に従いアミダイト化し、目的の化合物A-6を収率62%で得た。さらに、脱保護体の作製のため、以下のスキームに従い、化合物A-2をTBAF処理することで化合物A-7を得た。化合物A-1をTBAF処理することで化合物A-8を収率49%で得た。化合物A-1を50% TFAで処理することにより化合物I-1を収率15%で得た。
【化34】
JP0005493117B2_000039t.gif
【化35】
JP0005493117B2_000040t.gif

【0163】
(1)9-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]- adenineの合成
化合物A-1 1.21 g(1.57 mmol)を27% NH3 / メタノール 90 mLに溶解し、スチール管で、120℃にて撹拌した。28時間後、反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール = 100:1v/v)により目的物質を単離し、白色泡状結晶の化合物A-2を得た(収量、収率:806 mg,1.06 mmol,68%)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ [ppm]:0.94(18H,s,3’,5’-Bis(tert-butyl)),4.68(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.37(2H,s,1’-methylene),7.16-7.56(23H,m,2’,4’,6’-H,2’,4’-Bis(diphenyl)),8.10(1H,s,6-NH2),8.30(1H,s,8-H),8.30(1H,s,2-H)
13C NMR(DMSO-D6)δ [ppm]:153.34,142.26,140.60,135.69,133.43,132.31,132.21,132.09,132.06,129.89,128.59,127.87,123.85,123.66,119.55,65.33,47.32,26.94,19.38
MASS:calcd for C46H50N4O2Si2Cl;781.31608,found;781.31701
【0164】
(2)N6-Benzoyl-9-[3’,5’-bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-adenineの合成
化合物A-2 1.20 g(1.57 mmol )をピリジン 16 mLに溶解し、BzCl 230 μLを滴下し室温にて撹拌した。24時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 6:1~)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物A-3を得た(収量、収率:1.04g,1.21mmol,77%)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ[ppm]:1.07(18H,s,3’,5’-Bis(tert-butyl)),4.72(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.37(2H,s,1’-methylene),7.17-7.85(28H,m,2’,4’,6’-H,2’,4’-Bis(diphenyl)and 6-N-benzoyl),8.02 (1H,s,8-H),8.66(1H,s,2-H)(1H,br,6-NH)
13C NMR(CDCl3)δ [ppm]:172.25,152.31,144.59,142.30,135.52,134.46,134.13,133.23,132.87,129.76,129.42,128.64,127.74,124.30,123.92,65.15,47.75,26.81,19.25
MASS:calcd for C53H55N5O3Si2;866.20670,found;866.39165
【0165】
(3)N6-Benzoyl-9-[3’,5’-bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]
-adenineの合成
化合物A-3 1.07g(1.20 mmol)をTHF19
mLに溶解し、TBAF 2.0 mLを滴下し室温にて撹拌した。17時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 2:1v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物A-4 を得た(収量、収率:226 mg,0.58 mmol,48 %)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:4.45(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.48-5.53(2H,d: J=17,1’-methylene),7.19-8.05(8H,m,2’,4’,6’-H,6-N-benzoyl),8.62(1H,s,8-H),8.71(1H,s,2-H),11,18 (1H,br,6-NH)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:144.72,143.01,136.86,136.58,136.24,133.46,132.41,129.19,128.84,128.46,125.38,125.28,125.23,124.10,123.93,65.89,62.68,62.48,48.60,46.59
MASS:calcd for C21H19N5O3;390.15662,found;390.15764
【0166】
(4)N6-Benzoyl-9-[3’-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)
-5’-hydroxymethyl-1’-methylbenzyl]-adenine の合成
化合物A-4 315.7 mg( 0.81 mmol )を無水ピリジン 30 mLに溶解し、DMTr-Cl 339 mgを加え、撹拌した。14時間後濃縮して、残渣を酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー( hexane:ethylacetate = 3:1v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物A-5 を得た(収量、収率:201
mg,0.29 mmol,39 %)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ [ppm]:3.78
(6H,s,3’-dimethoxy),4.07-4.09 (2H,m,5’-methylene),4.51-4.52 (2H,d: J=5.8,3’-methylene),5.25-5.27(1H,t: J=5.6,5’-hydroxy),5.59 (2H,s,1’-methylene),6.93-7.82(21H,m,3’-trityl,2’,4’,6’-H,6-N-benzoyl),8.37(1H,s,8-H),8.73(1H,s,2H),8.85(1H,s,6-NH)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:179.99,172.00,158.09,151.76,147.20,143.35,135.54,133.43,133.27,129.56,128.93,127.91,127.56,124.44,113.26,85.88,79.14,64.73,62.55,55.01,46.85
MASS:calcd
for C42H38N5O5;692.78182,found;no
date
【0167】
(5)N6-Benzoyl-9-[5’-[[(2-cyanoethoxy)-
(N,N-diisopropylamino)phosphinyl]oxymethyl]-3’-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)-1’-methylbenzyl]-adenine の合成
グローブバッグ中
(アルゴン下、完全無水)、DNA条件で反応させた。化合物A-5 199 mg(0.28 mmol)にジクロロメタン 1.5 mL を加え、溶解させた。ここにHuning’s Base(N-エチルジイソプロピルアミン)150 μLを加え、さらにアミダイト試薬
100 μLを、攪拌しながらゆっくり滴下した。グローブバッグから取り出し、20分間攪拌した後、クロロホルム に溶解し、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により白色結晶の化合物A-6
を得た(収量、収率:155 mg,0.174 mmol,62%)。
31P NMR(162MHz,DMSO-D6)δ[ppm]: 148.78,148.76
【0168】
(6)9-[3’,5’-bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-6-chloropurineの合成
化合物A-1 500 mg(0.66
mmol)をTHF 4 mLに溶解し、TBAF 1 mLを滴下し室温にて撹拌した。17時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3
aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 1:2 v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物A-8 を得た(収量、収率:106 mg,0.35 mmol,53 %)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:3.95 (4H,d:J=5.9,3’,5’-Bis(methylene)),5.15-5.17(2H,t:J=5.5,3’,5’-hydroxy),5.51(2H,s,1’-methylene),7.15-7.18(3H,m,2’,4’,6’-H),8.79(1H,s,8-H),8.84(1H,s,2-H)
MASS:calcd
for C21H19N5O3;301.30080,found;no
date
【0169】
(7)9-[3’,5’-bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-inosine の合成
化合物A-1 500 mgを50% TFA in 4:1 = THF:水 10 mLに溶解し、12時間室温にて撹拌した。溶液を濃縮後、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル = 1:2 v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物I-2 を得た(収量、収率:30 mg,0.10 mmol,15 %)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:4.42(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.24(2H,br,3’,5’-hydroxy),5.51(2H,s,1’-methylene),7.11-7.18(3H,m,2’,4’,6’-H),8.79(1H,s,8-H),8.84(1H,s,2-H)
13C NMR(DMSO-D6)δ [ppm]:152.64,152.56,149.95,148.37,143.85,136.47,131.61,125.0,124.69,63.45,47.90
MASS:calcd for C21H19N5O3;301.30080,found;no date
【実施例18】
【0170】
(グアニン類似体の誘導体の合成)
本実施例では、グアニン類似体の脱保護体を合成した。すなわち、以下のに従い、合成した化合物G-1を、50%TBAFで処理することにより化合物G-2を収率12%(2steps)で得た。
【化36】
JP0005493117B2_000041t.gif

【0171】
(9-[3’,5’-bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-guanine の合成)
化合物G-1を50% TFA in water 10 mL、メタノール少量に溶解し、18時間室温にて撹拌した。溶液を濃縮後、ろ過し、得られた溶液を濃縮した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 酢酸エチルv/v) により目的物質を単離し、白色結晶の化合物G-2)を得た(収量、収率:170
mg,0.56 mmol,12%(2steps))。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ [ppm]:4.45(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.48-5.5
(2H,d: J=17,1’-methylene),7.19-8.05(8H,m,2’,4’,6’-H,6-N-benzoyl),8.62(1H,s,8-H),8.71(1H,s,2-H),11,18(1H,br,6-NH)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:144.72,143.01,136.86,136.58,136.24,133.46,132.41,129.19,128.84,128.46,125.38,125.28,125.23,124.10,123.93,65.89,62.68,62.48,48.60,46.59
MASS:calcd for C21H19N5O3;301.30080,found;no date
【実施例19】
【0172】
(チミジン類似体の誘導体の合成)
本実施例では、チミジン類似体のアミダイト体、CPG体及び脱保護体を合成した。すなわち、以下のスキームに従い、化合物T-1をTBAF処理することにより化合物T-2を収率87%(2 steps)で得た。得られた化合物T-2をDMTr化することで化合物T-3を収率69%で合成した。常法に従いアミダイト化し、目的の化合物T-4を収率52%で合成した。また、オリゴヌクレオチド作成に用いる樹脂を作成するため、さらに、以下のスキームに従い、化合物T-3をスクシニル化し、CPG樹脂と結合させ、化合物T-5を42.2 μmol/gの活性で得た(scheme 5b)。さらに、以下のスキームに従い、脱保護体の合成のため、化合物T-1をアンモニアメタノールで処理することにより化合物T-6を得て、続いてTBAF処理することにより化合物T-7を収率50%(2 steps)で合成した。
【化37】
JP0005493117B2_000042t.gif
【化38】
JP0005493117B2_000043t.gif
【化39】
JP0005493117B2_000044t.gif

【0173】
(1)3N-Benzoyl -1-[3’,5’-Bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-thymineの合成
化合物T-1 2.17 g(2.53 mmol mixture)をTHF 20 mLに溶解し、TBAF 1 mLを滴下し室温にて撹拌した。5時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3
aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物(T-2)を得た(収量、収率:668 mg,1.58 mmol,87% 2 steps )。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:1.84(3H,s,5-methyl),4.47-4.49(4H,d: J=5.6,3’,5’-Bis(methylene)),4.90(2H,s,1’-methylene),5.21-5.24(2H,t: J=5.6,3’,5’-hydroxy),7.14(2H,s,2’-H and 6’-H),7.20(1H,s,4’-H),7.57-7.94(6H,m,3-N-benzoyl and 6-H)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:169.65,162,86,149.56,142.96,136.01,131.08,130.34,129.51,123.66,109.06,62.72,11.96
MASS:calcd for C21H21N2O5;381.14505,found;381.14425
EL:calcd for C21H20N2O5・1/3H2O;C:65.28;
H:5.39,N:7.25,found;C:65.23,H:5.40,N:7.16
【0174】
(2)3N-Benzoyl-1-[3’-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)-5’-hydroxymethyl-1’-methylbenzyl]-thymineの合成
化合物T-2 580 mg(1.52 mmol)とDMAPを無水ピリジン10mLに、DMTr-Cl 568mgをdry pyrideine 5mLに溶解し氷冷した。氷冷下、DMTr-Cl/pyridineを化合物(T-2)/ピリジンに滴下し、氷冷下撹拌した。5時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3
aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物(T-3)を得た(収量、収率:718mg,1.05mmol,69%)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ [ppm]:1.84
(3H,s,5-methyl),3.70-3.72 (6H,d:
J=6.4,3’-dimethoxy),4.05 (2H,s,3’-methylene),4.48-4.50
(2H,d: J=6.0,5’-methylene),4.93 (2H,s,1’-methylene),5.23-5.25 (1H,t:J=5.6,5’-hydroxy),6.85-7.94 (22H,m,3’-trityl,2’,4’,6’-H,3-N-benzoyl
and 6-H)
13C NMR (DMSO-D6) δ [ppm]:169.57,162.84,158.09,149.54,144.82,143.28,142.47,135.60,135.59,130.18,129.60,129.43,127.60,126.74,124.12,124.11,113.25,109.00,85.93,85.88,62.63,59.73,55.00,11.87
MASS:calcd for C42H39N2O7;683.27573,found;683.27683
【0175】
(3)3N-Benzoyl-1-[5’-[[(2-cyanoethoxy)(N,N-diisopropylamino)
phosphinyl]oxymethyl]-3’-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)-1’-methylbenzyl]thymine (化合物T-4)の合成
グローブバッグ中(アルゴン下、完全無水)、DNA条件で反応させた。化合物T-3 650 mg( 0.95 mmol )にジクロロメタン 4.80 mL を加え、溶解させた。ここにHuning’s Base( N-エチルジイソプロピルアミン
) 490 μLを加え、さらにアミダイト試薬 250 μLを、攪拌しながらゆっくり滴下した。グローブバッグから取り出し、1 h 攪拌した後、クロロホルム に溶解し、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により白色結晶の化合物T-4を得た( 収量、収率: 434 mg,0.492 mmol,52 % )。
31P NMR(162MHz,DMSO-D6) δ [ppm]:148.899
【0176】
(4)チミン類似体のCPG樹脂の合成
化合物T-4 150 mg( 0.21 mmol ) 、DMAP 51 mg、撹拌子を一晩乾燥した。乾燥を止め、アルゴン下、ピリジン 1.5mL、無水コハク酸 52.4mgを加え室温で2日間撹拌した。酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。濃縮した残渣にCPG 338 mg、DMF 4.5 mL 加え、30分放置。WSC 29 mg 加え室温で2日間振とうした。後処理として、ピリジンで洗浄した後に0.1 M DMAP ピリジン溶液:無水酢酸 = 9:1 溶液4.5mL を加え、1日振とうした。このものをメタノール、アセトンで洗浄し乾燥させ、活性を測定した。作成したCPG樹脂(T-5)の活性は42.2 μmol /
gであった。
【0177】
活性は、以下の方法で算出した。すなわち、乾燥したCPG樹脂6 mgをガラスフィルターにのせ、HClO4:エタノール = 3:2の溶液を流し込み、そのろ液のUV 498 nmの波長(DMTr基の波長)の吸光度を測定し、以下の式に代入することにより算出した。
活性(μmol/g)=[Abs.(498 nm)×Vol.(solution)(mL)×14.3]/[Weight(support)(mg)]
【0178】
(5)1-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-thymineの合成
化合物3-b 3.5 g(5.4
mmol)と チミン1.02 g と PPh3
2.8 g を無水 THF 100 mLに溶解し、氷冷下撹拌した。氷冷下、DEAD4.9 mLを滴下し、室温にて撹拌した。13時間後に反応液を濃縮し、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)により目的物質を単離、濃縮し、白色結晶の化合物T-6を混合物として得た。
【0179】
(5)1-[3’,5’-Bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-thymineの合成
化合物T-6(混合物)をTHF 15 mLに溶解し、TBAF 2 mLを滴下し室温にて撹拌した。17時間後に反応液を濃縮し、メタノールで結晶化し、白色結晶の化合物T-7を得た(収量、収率:250 mg,0.905 mmol,50
% 2 steps)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ
[ppm]:1.74(3H,s,5-methyl),4.45-4.46(4H,d: J=5.5,3’,5’-Bis(methylene)),4.81
(2H,s,1’-methylene),5.17-5.20(2H,t: J=5.7,3’,5’-hydroxy),7.09(2H,s,2’-H and 6’-H),7.17(1H,s,4’-H),7.58-7.58(1H,d:J=1.2,6-H)
13C NMR(DMSO-D6)δ [ppm]:164.40,151.12,142.94,141.44,136.79,123.96,123.87,109.04,92.08,62.96,62.87,50.15,
MASS:calcd for C14H16N2O4;277.11884,found;277.11940
EL:calcd for C14H16N2O4・1/7H2O;C:60.21;
H:5.89,N:10.03,found;C:60.18,H:5.81,N:9.95
【実施例20】
【0180】
本実施例では、ウラシル類似体のアミダイト体及び脱保護体を合成した。すなわち、以下のスキームに従い、化合物U-1をTBAF処理することにより化合物U-2を収率79%で得た。得られた化合物U-2をDMTr化することで化合物U-3を収率55%で合成した。常法に従いアミダイト化し、目的の化合物U-4を収率37%で合成した。また、以下のスキームに従い、脱保護体の合成のため、化合物U-1をアンモニアメタノールで処理することにより化合物U-5を得て、続いてTBAF処理することにより化合物U-6を収率61%(2 steps )で合成した
【化40】
JP0005493117B2_000045t.gif
【化41】
JP0005493117B2_000046t.gif

【0181】
(1)3N-Benzoyl-1-[3’,5’-Bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-uracil の合成
化合物U-1 1.02 g(1.21 mmol混合物 )をTHF 5 mLに溶解し、TBAF 1 mLを滴下し室温にて撹拌した。5時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3
aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物U-2)を得た(収量、収率:351mg、0.958mmol,79%)。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:4.47-4.49(4H,d: J=5.5,3’,5’-Bis(methylene)),4.94(2H,s,1’-methylene),5.21-5.24(2H,t:J=5.5,3’,5’-hydroxy),5.89-5.92(1H,d: J=9.5,5-H),7.14(2H,s,2’-H and 6’-H),7.20(1H,s,4’-H),7.58-8.00(4H,m,3-N-benzoyl),8.02-8.02(1H,d:J=9.1,6-H)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:164.38,150.31,146.74,142.98,135.90,135.83,130.22,129.54,101.05,62.69,51.02
MASS:calcd for C20H19N2O5;367.12940,found;367.13011
EL:calcd for C20H18N2O5・1/5H2O:
C:64.90,H:5.10,N:7.46,found;C:64.77,H:5.03,N:7.55
【0182】
(2)3N-Benzoyl-1-[3’-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)-5’-hydroxymethyl-1’-methylbenzyl]-uracilの合成
化合物U-2 335 mg ( 0.914 mmol )とDMAPを無水ピリジン9 mLに溶解し、DMTr-Cl 372 mgを加え、撹拌した。17時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1~)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物U-3を得た( 収量、収率:338 mg,0.505 mmol,55
% )。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ [ppm]:3.72
(6H,s,3’-dimethoxy),3.99-4.05 (2H,m,3’-methylene),4.48-4.49 (2H,d: J=5.5,5’-methylene),4.98(2H,s,1’-methylene),5.25(1H,t: J=5.6,5’-hydroxy),5.94-5.96(1H,d: J=7.9,5-H),6.88-7.92 (21H,m,3’-trityl,2’,4’,6’-H and
3-N-benzoyl),8.05-8.07 (1H,d: J=7.9,6-H)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:158.11,146.87,135.58,135.45,130.16,129.60,129.45,127.93,127.61,124.11,123.61,113.27,101.02,62.62,59.74,55.01
MASS:calcd for C41H37N2O7;669.26008,found;669.25945
【0183】
(3)3N-Benzoyl -1-[5’-[[(2-cyanoethoxy)
(N,N-diisopropylamino)phosphinyl]oxymethyl]-3’-(4,4’-dimethoxytrityloxymethyl)-1’-methylbenzyl]-uracilの合成
グローブバッグ中アルゴン下(完全無水)、DNA条件で反応させた。化合物U-3 315 mg( 0.47 mmol )にジクロロメタン 2.0 mL を加え、溶解させた。ここにHuning’s Base( N-エチルジイソプロピルアミン) 250 μLを加え、さらにアミダイト試薬 160 μLを、攪拌しながらゆっくり滴下した。グローブバッグから取り出し、1.5 h 攪拌した後、クロロホルム に溶解し、SAT.NaHCO3 aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)により白色結晶の化合物(U-4)を得た(
収量、収率: 153 mg,0.18 mmol,37 % )。
31P NMR(162MHz,DMSO-D6) δ [ppm]:148.388
MASS:calcd for C50H54N4O8P;869.36790,found;869.36872
【0184】
(4)1-[3’,5’-Bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)-1’-methylbenzyl]- uracilの合成
化合物U-1 3.70 g ( 4.39 mmol )にNH3/メタノール 30 mLを加え、撹拌した。反応液を濃縮し、濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1 v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物(U-5)を得た(収量、収率: 3.0 g,4.06 mmol,93 %)。
【0185】
(5)1-[3’,5’-Bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]- uracilの合成
化合物U-5 1.02 g(1.38 mmol mixture )をTHF 10 mLに溶解し、TBAF 3 mLを滴下し室温にて撹拌した。5時間後酢酸エチルと水で抽出、SAT.NaHCO3
aq.、SAT.NaCl aq.で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 2:1 v/v)により目的物質を単離し、白色結晶の化合物U-6を得た(収量、収率:622mg,0.84mmol,61%(2 steps))。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6) δ [ppm]:4.45-4.46
(4H,d: J=5.9,3’,5’-Bis(methylene)),4.84 (2H,s,1’-methylene),5.18-5.21
(2H,t: J=5.5,3’,5’-hydroxy),5.58-5.60 (1H,d:
J=7.9,5-H),7.09 (2H,s,2’-H and 6’-H),7.18 (1H,s,4’-H),7.71 (1H,s,6-H),11.31 (2H,br,6-NH2)
【実施例21】
【0186】
(シトシン類似体の脱保護体の合成)
本実施例では、シトシン類似体の脱保護体を合成した。すなわち、以下のスキームに従い、化合物U-5を常法に従いウラシルをシトシンへ変換し化合C-2を収率72%で得た。化合物C-2をTBAF処理することにより化合物C-3を収率62%で得た。
【化42】
JP0005493117B2_000047t.gif

【0187】
(1)1-[3’,5’-bis(tert-butyldiphenylsilanyloxymethyl)
-1’-methylbenzyl]-cytosine
(化合物C-2)の合成
化合物U-5 739 mg( 1.0 mmol )、TPBSCl 605 mg、DMAP 245 mg、撹拌子を一晩乾燥させた。乾燥をやめ、アセトニトリル 5 mLに溶解し、トリエチルアミン 280 μL加えて一晩撹拌した。NH3
aq.5 mL加え、再び3時間ほど撹拌した。溶液を濃縮した後、クロロホルム に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、SAT.NaCl aq.で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:TEA = 100:1)により白色結晶の化合物C-3を得た(収量、収率:528.3mg,0.72mmol,72% )。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ[ppm]:3.78(6H,s,3’-dimethoxy),4.07-4.09(2H,m,5’-methylene),4.51-4.52(2H,d: J=5.8,3’-methylene),5.25-5.27(1H,t: J=5.6,5’-hydroxy),5.59 (2H,s,1’-methylene),6.93-7.82 (21H,m,3’-trityl,2’,4’,6’-H,6-N-benzoyl),8.37(1H,s,8-H),8.73(1H,s,2H),8.85(1H,s,6-NH)
13C NMR(DMSO-D6)δ [ppm]:179.99,172.00,158.09,151.76,147.20,143.35,135.54,133.43,133.27,129.56,128.93,127.91,127.56,124.44,113.26,85.88,79.14,64.73,62.55,55.01,46.85
MASS:calcd for C42H38N5O5;738.35473,found;738.35608
【0188】
(2)1-[3’,5’-bis(hydroxymethyl)-1’-methylbenzyl]-cytosineの合成
化合物C-2 528 mg( 0.72 mmol )をTHF 10 mLに溶解し、TBAF 2.0 mLを滴下し室温にて撹拌した。1時間後、溶液を濃縮した。濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 酢酸エチルv/v)
により目的物質を単離し、白色結晶の化合物C-3を得た後、酢酸エチルによって結晶化させた( 収量、収率:116mg,0.44mmol,62% )。
1H NMR(400MHz,DMSO-D6)δ [ppm]:4.45(4H,s,3’,5’-Bis(methylene)),5.48-5.53(2H,d: J=17,1’-methylene),7.19-8.05(8H,m,2’,4’,6’-H,6-N-benzoyl),8.62(1H,s,8-H),8.71(1H,s,2-H),11,18(1H,br,6-NH)
13C NMR(DMSO-D6)δ[ppm]:144.72,143.01,136.86,136.58,136.24,133.46,132.41,129.19,128.84,128.46,125.38,125.28,125.23,124.10,123.93,65.89,62.68,62.48,48.60,46.59
MASS:calcd for C21H19N5O3;389.40746,found;no date
【実施例22】
【0189】
本実施例では、合成した各種ヌクレオシド類似体を用いて、固相ホスホロアミダイド法に従い核酸自動合成機によってオリゴヌクレオチドを合成した。以下の表に合成したオリゴヌクレオチドの配列を示すとともに天然のヌクレオチオシド以外の合成ヌクレオシド類似体をそれぞれ示す。
【表5】
JP0005493117B2_000048t.gif
【化43】
JP0005493117B2_000049t.gif

【0190】
なお、表5に示す各オリゴヌクレオチドの合成の際、天然型各アミダイトは0.1 M、合成した各アミダイトは0.12 Mのアセトニトリル溶液に調整し、天然、合成、各CPG担体を用いた。それぞれの樹脂を各々の活性に基づき1 μmol分をカラムに量り取り、核酸自動合成機にセットした。縮合時間は天然型DNAが5分、合成したアナログを含むものは20分とし、DMTr基を除去した状態で合成を終了した。
【0191】
合成終了後、CPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドを、DNAに関しては、28% NH3水溶液を1.5 mL加え55℃で12時間インキュベートし、樹脂からの切り出し及び脱保護を行った。反応後のろ液をエッペンドルフチューブに移し、減圧下乾固した。残渣にloading solution ( 1×TBE in 90% ホルミアミド ) 150 μLを加え20 % PAGE*1により(500 V,20 mA )目的のオリゴヌクレオチドを単離した。目的のオリゴヌクレオチドを切り出し0.1 M TEAA buffer*2、1 mM EDTA*3水溶液20 mLを加え、12時間振とうした。このろ液をアセトニトリル 10 mL、0.1 M TEAA buffer 10 mLを流して平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak )に通し、カラムに吸着させた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50 % アセトニトリル水溶液 3 mLで溶出し、減圧下乾固した。
【0192】
RNAに関しては、CPG樹脂に結合したオリゴヌクレオチドをエタノール:NH3 = 3:1水溶液2 mLを加えて室温で12時間振とうして樹脂からの切り出し及び脱保護を行った。反応後のろ液をエッペンドルフチューブに移し、減圧下乾固した。残渣に1 M TBAF in THF溶液1 mLを加え、12時間振とうした。この反応液を0.1 M TEAA bufferで希釈して30 mLとした。この反応液を平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak )に通し、カラムに吸着させた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50% CH3CN in H2O 3 mLで溶出し、減圧下乾固した。残渣にloading solution ( 1×TBE in 90 % ホルムアミド ) 100 μLを加え20 % PAGEにより(500 V,20 mA )目的のオリゴヌクレオチドを単離した。目的のオリゴヌクレオチドを切り出し0.1 M TEAA buffer、1 mM EDTA水溶液20 mLを加え、12時間振とうした。このろ液を平衡化したC-18逆相カラム(Sep-Pak )に通し、カラムに吸着させた。ここでカラムを滅菌水で洗浄して塩を取り除き50 % CH3CN in H2O 3 mLで溶出し、減圧下乾固した。
【0193】
*1 40%アクリルアミド( 19:1 )溶液*4
40mL、尿素33.6g、10×TBE buffer*5 8 mLを加えて溶解し、水を加えて80 mLとした。最後にAPS 56 mgを加えて溶解した後、TEMED 40 μLを加えて振り混ぜ、1.5
mmスペーサーを挟んで固定した2枚のガラス板の間に流し込み、1時間以上静置して固化させた。1×TBE bufferを泳動用緩衝液として用いた。
*2 2 N TEAA buffer(トリエチルアミン277.6mLを水に溶解させ、酢酸でpH 7.0に調整し1 Lとしたもの )を20倍に希釈して使用した。
*3 0.1 M EDTA水溶液(EDTA・4Na 1.81gを水で40mLに調整したもの)を100倍に希釈した。
*4 アクリルアミド190g、N,N-ビスアクリルアミド10gを水に溶解して500mLにすることで調整した。
*5 Tris 109g、ホウ酸55g、EDTA・2Na 7.43g水に溶解して1 Lにすることで調整した。
【0194】
合成したオリゴヌクレオチドはH2O 1 mLに溶解し、このものの希釈液の260 nmにおける吸光度を測定し、その収量を求めた。また、MALDI-TOF / MSにより同定を行なった。なお、結果を表5に併せて示す。
【0195】
なお、吸光度の測定にあたり、オリゴヌクレオチドは水溶液とし、波長260での吸光度( Abs260 )が、吸光度計の有効範囲になるように希釈した。光路長(l ) 1 cmの吸光度測定用石英セルを用い、室温にてAbs260を測定した。OD260値の計算には以下の式を用いた。ここでVは溶液の全量を示す。
OD260(Mε-1・mL-1・cm-1)=Abs260(Mε-1)・V-1(mL)・l-1(cm)
【0196】
また、N1p N2p N3p・・・Nn-1p Nnで表される一本鎖オリゴヌクレオチドのモル吸光係数ε260の算出には次式を用いた。
ε= 2 {ε(N1p N2p)+ε(N2p N3p)+・・・+ε(Nn-1p
Nn)} - {ε(N2)+ε(N3)+・・・+ε(Nn-1)}
ここで、ε(Nn) はある核酸Nnのε260を示し、ε(Nn-1p Nn) はある核酸二量体Nn-1p Nnのε260を示す。
【0197】
なお、濃度C(mol・L-1)の算出は以下のとおりとした。すなわち、オリゴヌクレオチドを水溶液とし、波長260での吸光度(Abs260)が、吸光度計の有効範囲になるように希釈し、光路長(l)1 cmの吸光度測定用石英セルを用い、室温にてAbs260を測定し、以下の式に従い算出した。
C = Abs260 ・ε260-1・l -1
【実施例23】
【0198】
本実施例では、実施例22で合成したヌクレオシド類似体を含む修飾オリゴヌクレオチドと非修飾オリゴヌクレオチドの二本鎖形成能を比較するために実施例5に記載のvan’t Hoff plotによる関係式を用いて熱力学的パラメータを算出した。
【0199】
オリゴヌクレオチドの50%融解温度( Tm ) 測定におけるそれぞれの鎖の濃度は3 μMになるように調整し、測定用緩衝液( 10 mM NaH2PO4-Na2HPO4 ( pH 7.0 ),100 mM NaCl ) 400 μLに溶解し、95℃で3分間過熱後、1時間放置し常温に戻した。そのサンプルのうち350 μLを専用セルに入れ、25℃から95℃へと加熱(Δ0.5℃ / min)して吸光度の変化を測定することで50%融解温度( Tm )を求めた。また、スタッキング効果測定では1.0 μM、2.0 μM、3.0 μM、4.0 μM、5.0 μM、6.0 μMのものを用いた。
【0200】
得られた結果と、実施例5に記載の式を用いて、各オリゴヌクレオチドの二本鎖形成時でのエンタルピー(ΔSo)、エントロピー(ΔHo)、自由エネルギー変化(ΔGo)を求めた。結果を表6及び図12に示す。
【表6】
JP0005493117B2_000050t.gif

【0201】
表6及び図12に示すように、合成した類似体を含む修飾オリゴヌクレオチドの非修飾オリゴヌクレオチドとの2本鎖形成能は、非修飾オリゴヌクレオチド同士の2本鎖形成能よりも不利であることが示唆された。さらに、導入したアナログの数が増えることにより、二本鎖形成には、より不利になることも示唆された。
【0202】
これは、導入したアナログ部位に、様々な立体構造変化が起き、それが2本鎖形成能に大きく寄与したと考えられる。糖部の平面化による塩基部、リン酸基部の自由度の減少、糖部ベンゼン置換による自己鎖内および相補鎖間のリン酸間の距離の変化、または自己鎖内のリン原子-塩基の距離の変化、2鎖の距離の変化などから影響される、らせんおよび塩基間水素結合のゆがみが、2本鎖形成能を低下させたと推測できる。以上のことから、これら類似体を用いるオリゴヌクレオチド修飾体に、非修飾体間でのハイブリッド形成に対する高い選択性を付与できることがわかった。
【実施例24】
【0203】
合成した類似体を含む機能型修飾オリゴヌクレオチドを合成し、その機能を評価した。
【0204】
(1)オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド誘導体の合成
配列中に類似体を含むオリゴヌクレオチド誘導体及び非修飾オリゴヌクレオチドを、固相ホスホロアミダイド法に従って核酸自動合成機によって合成した。固相ホスホロアミダイト法は既に説明した方法に準じて行った。合成した化合物の構造は、MALDI-TOF
MSによって確認した。蛍光色素は常法に従い導入した。以下にターゲット配列と合成したオリゴヌクレオチド(モレキュラービーコン用オリゴヌクレオチド及びsiRNA用オリゴヌクレオチド)の配列及び当該配列に基づく構造を示す。
【化44】
JP0005493117B2_000051t.gif

【実施例25】
【0205】
本実施例では、モレキュラービーコンとしての修飾オリゴヌクレオチドの評価をした。合成した2種類のモレキュラービーコン(MB(非修飾オリゴヌクレオチド)及びbMB(類似体を含む修飾オリゴヌクレオチド)につき、ターゲット配列1及び2との熱的安定性を測定した。結果を図13に示す。
【0206】
図13に示すように、それぞれについて測定したTmの結果によれば、合成した類似体を含む修飾オリゴヌクレオチド(bMB)は、非修飾のオリゴヌクレオチド(MB)に類似した熱的安定性を示した。また、実施例23で測定したTmを考慮すると、非修飾オリゴヌクレオチドとは安定な二本鎖を形成しないが、修飾オリゴヌクレオチド同士では比較的安定な二本鎖を形成することが示唆された。また、モレキュラービーコンのステム部分と、ターゲットと相補となるループ部分のTmを比較してもループ部分の方が高く、また、ループ部分がミスマッチとなると二本鎖を形成しないことも示された。これは、モレキュラービーコンのループ部分が相補となる配列が存在するときだけハイブリダイズし、ステム部分は天然の核酸とはハイブリダイズしないため、蛍光剤は容易にフリーになることが示唆され、それによって安定した蛍光が見られるはずである。このことは遺伝子解析ツールとして用いるモレキュラービーコンとして有利である。
【実施例26】
【0207】
本実施例では、合成した2種類のsiRNA 1とsiRNA 2についてヌクレアーゼ耐性を評価した。すなわち、エキソヌクレアーゼの1つである蛇毒ホスホロジエステラーゼ (SVP)を用いてエキソヌクレアーゼ耐性について検討した。
【0208】
(1)siRNAの5’末端の32P同位体標識
氷冷下siRNAのアンチセンス鎖10 pmolを10×PNK緩衝液2 μL、6 unit/μL T4ポリヌクレオチドキナーゼ 1 μL、γ-32P
ATP 2 μL及び滅菌水15μLを混合し、37℃にて30分間インキュベートした。その後スピンカラムを用いて夾雑物を除去し、未標識のセンス鎖90 pmolを加え、オリゴヌクレオチドの総量を100 pmolとした。なお、スピンカラムでの精製は添付された取り扱い説明書にあるプロトコルに従った。
【0209】
(2)SVPによる分解
氷冷下、2μMのオリゴヌクレオチドを10 μL(20pmol)、SVP 1 u/mLを8 μL、緩衝液(250 mM
Tris-HCl,50 mM MgCl2(pH 8.0 ))を6μL加え、全量で40μLとなるように滅菌水(16μl)で調節した(オリゴヌクレオチド最終濃度0.5μM)。37℃でインキュベートし、1、3、5、7、10、30、60分おきにあらかじめ別のマイクロチューブに分注しておいたloading solution ( 8 M urea XC BPB ) 5 μL中に、反応液を5 μL加え、各時間の反応溶液とした。なお、0分のサンプルは酵素を加えていないものとした。
【0210】
得られたSVP反応液を20% urea PAGEにて分離した。イメージングプレートを用いて分離したイメージを転写し、このイメージをBAS 2000を用いて取り込み、RIイメージ解析ソフトにより画像処理及び分析を行い、SVPによる分解半減期を算出した。結果を図14に示す。
【0211】
図14に示すように、類似体を用いた修飾オリゴヌクレオチドは、天然ヌクレオシドのみからなる未修飾オリゴヌクレオチドに対して約3倍程度のヌクレアーゼ耐性を備えていることがわかった。
【実施例27】
【0212】
本実施例では、合成した2種類のsiRNA 1とsiRNA 2とをsiRNAとして用いてデュアルルシフェラーゼアッセイを行った(図15参照)。デュアルルシフェラーゼアッセイは、実施例8と同様にして行った。結果を図15に示す。
【0213】
図15に示すように、修飾オリゴヌクレオチドからなるsiRNAは非修飾オリゴヌクレオチドからなるsiRNAよりルシフェラーゼ発現抑制が強く、効果的なsiRNAであることがわかった。
【0214】
配列表フリーテキスト
配列番号1~4、15,16:siRNA
配列番号5~10:合成オリゴヌクレオチド
配列番号13、14:モレキュラービーコン
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
11
(In Japanese)【図13】
12
(In Japanese)【図14】
13
(In Japanese)【図15】
14
(In Japanese)【図16】
15