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Specification :(In Japanese)埋込み型骨導補聴器

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5219037
Publication number P2010-075394A
Date of registration Mar 15, 2013
Date of issue Jun 26, 2013
Date of publication of application Apr 8, 2010
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)埋込み型骨導補聴器
IPC (International Patent Classification) A61F  11/00        (2006.01)
H04R  25/00        (2006.01)
H04R  15/00        (2006.01)
FI (File Index) A61F 11/00 310
H04R 25/00 F
H04R 15/00
H04R 25/00 N
Number of claims or invention 1
Total pages 11
Application Number P2008-246342
Date of filing Sep 25, 2008
Date of request for substantive examination Sep 21, 2011
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
【識別番号】504147254
【氏名又は名称】国立大学法人愛媛大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】小池 卓二
【氏名】羽藤 直人
【氏名】山本 顕生
Representative (In Japanese)【識別番号】100082740、【弁理士】、【氏名又は名称】田辺 恵基
Examiner (In Japanese)【審査官】胡谷 佳津志
Document or reference (In Japanese)国際公開第2007/095196(WO,A2)
特開昭62-277955(JP,A)
特表平11-506572(JP,A)
特表2003-521337(JP,A)
特開2004-343446(JP,A)
特開平09-261797(JP,A)
Field of search A61F 11/00
H04R 15/00
H04R 25/00
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
搬送波信号をマイクロホンから得た集音信号によって振幅変調してなる可聴音変調伝送信号に基づいて体外送信コイルによって伝送磁束を生成する体外ユニットと、
頭皮下の頭骨内に埋め込まれ、上記体外ユニットから到来する上記伝送磁束と差交する体内受信コイルによって誘起起電力を発生し、上記誘起起電力によって超磁歪素子でなる振動子を伸縮駆動することにより、上記頭骨に上記集音信号に対応する振動を上記頭骨に対して骨導振動として付与する体内ユニットとを具え、
上記振動子は、棒状超磁歪素子であって、上記振動子に巻装された振動子駆動コイルに上記体内受信コイルから得られる誘起起電力を与えることにより上記棒状超磁歪素子に対して長手方向に励磁磁界を透過させ、その結果上記長手方向に伸縮動作させ、
上記棒状超磁歪素子に対して、永久磁石からなる動作点設定子により当該棒状超磁歪素子の上記長手方向の励磁磁界にバイアス磁界を付与させ、
上記棒状超磁歪素子による自己復調機能により振幅復調回路を省略した、
ことを特徴とする埋込み型骨導補聴器。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は埋込み型骨導補聴器に関し、特に可聴音振動を感度良く骨導できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
骨導補聴器は、狭く複雑な形状をした外耳道を通さずに、可聴音振動を頭骨を介して頭骨内の前庭・蝸牛でなる内耳に伝達するものとして、従来特許文献1ないし4に記載のものが提案されている。

【特許文献1】特願平9-261797号公報
【特許文献2】特許第3174324号公報
【特許文献3】特開2004-289219公報
【特許文献4】特開2007-184722公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対して、この種の骨導補聴器として実用化されているものでは、第1に、頭皮の外部から頭骨に振動を伝音するため、可聴音振動子をヘッドバンドなどによって頭皮を介して頭骨に強く押し付けるものが提案されているが、装用者の負担が過大である問題がある。
【0004】
また第2に、チタン骨導端子を耳後部に埋め込んで、このチタン骨導端子に外部振動子を装着する構成のものがあるが、耳後部皮膚上にチタン骨導端子が露出するため使用に不便であり、また当該外部振動子の出力が不十分であることにより、最低でも45〔dB〕程度の大きな骨導聴力が必要なため、用途が限定される問題がある。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、埋込み型の体内ユニットによって広帯域かつ十分な出力の可聴音振動を骨導できるようにした埋込み型骨導補聴器を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、搬送波信号S3をマイクロホン11から得た集音信号S2によって振幅変調してなる可聴音変調伝送信号S1に基づいて体外送信コイル31によって伝送磁束33を生成する体外ユニット2と、頭皮4下の頭骨5内に埋め込まれ、体外ユニット2から到来する伝送磁束33と差交する体内受信コイル32によって誘起起電力S11を発生し、誘起起電力S11によって超磁歪素子でなる振動子34を伸縮駆動することにより、頭骨5に集音信号S2に対応する振動を頭骨5に対して骨導振動として付与する体内ユニット3とを設けるようにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、頭骨に埋め込んだ体内ユニットに超磁歪素子でなる振動子を設け、体外ユニットにおいて生成した集音信号により振幅変調してなる可聴音変調伝送信号を、体外送信コイルから体内ユニットに設けた体内受信コイルに伝送磁束によって伝送すると共に、体内受信コイルの誘起起電力によって振動子を伸縮駆動させるようにしたことにより、体内ユニットに電源や復調回路を設けることなく可聴音信号を高い精度で骨導させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
(1)埋込み型骨導補聴器の構成
図1において、1は埋込み型骨導補聴器を示し、体外ユニット2と体内ユニット3とによって構成されている。
【0010】
体外ユニット2は、頭皮4に覆われている頭骨5に埋め込まれ、体内ユニット3に対向するように頭皮4上に設けられた可聴音変調信号送信部2Aと、当該可聴音変調信号送信部2Aに対して可聴音変調伝送信号S1を与える集音処理部2Bとを有する。
【0011】
集音処理部2Bは、図2に示すように、マイクロホンユニット11から得られる集音信号S2を、AM変調回路12に入力することにより、搬送波発振回路13から与えられる搬送波信号S3を集音信号S2によって振幅変調(AM変調)することにより、可聴音変調信号S4を生成する。
【0012】
この可聴音変調信号S4は、出力増幅回路14によって増幅されて可聴音変調伝送信号S1として可聴音変調信号送信部2Aに送出される。
【0013】
集音処理部2Bは電源電池15によって駆動動作する。
【0014】
体内ユニット3(図1)は装用者の耳介21に近接した部位(例えば乳突部皮下の側頭骨)に埋め込まれており、これにより体内ユニット3と対向する位置に配設された体外ユニット2を構成する集音処理部2Bのマイクロホン11は、当該埋込み型骨導補聴器1の装用者が本来外耳道22を通して鼓膜23に到達することにより聴き取り得る可聴音を集音できる。
【0015】
従って、装用者が正常に可聴音を可聴できる場合は、鼓膜23の振動がツチ骨24、キヌタ骨25及びアブミ骨26でなる耳小骨27を介して前庭・蝸牛28に伝達されることにより、蝸牛から音情報を脳幹に送出できる。
【0016】
埋込み型骨導補聴器1はかかる外耳道22を介する音伝達に代えて、体外ユニット2から頭骨5内に埋め込まれた体内ユニット3の可聴音変調信号受信部3Aに可聴音変調伝送信号S1を与えることにより、体内ユニット3において可聴音振動を生成し、当該可聴音振動を頭骨5を介して耳小骨27に伝達する。
【0017】
体外ユニット2の可聴音変調信号送信部2Aは、頭皮4を横切って体内ユニット3の可聴音変調信号受信部3Aに可聴音変調伝送信号S1を伝送する手段として、図3に示す体外送信コイル31を有する。
【0018】
これに対して体内ユニット3が可聴音変調信号受信部3Aを構成する体内受信コイル32を、体外送信コイル31に対して頭皮4を挟んで対向するように設け、これにより可聴音変調伝送信号S1が体外送信コイル31を流れたとき発生する伝送磁束33が頭皮4を通って体内受信コイル32と差交することにより体内受信コイル32の両端端子32A及び32B間に起電力信号S11を発生する。
【0019】
この体内受信コイル32に生ずる起電力信号S11はAM変調回路12に得られる可聴音変調信号S4(図2)と同じ変調信号形式を有し、これにより体外ユニット2から体内ユニット3への可聴音情報を含んだ信号の伝達が行われ、当該体内受信コイル32の両端端子32A及び32B間に得られる起電力信号S11が体内ユニット3を構成する加振部3Bに与えられる。
【0020】
加振部3Bは棒状の振動子34と、その周囲に巻き付けられた振動駆動コイル35とを有し、振動駆動コイル35に起電力信号S11が与えられたとき生ずる磁束が、棒状の振動子34の長さ方向を透過する。
【0021】
振動子34は、その長さ方向に磁束が透過したとき、その磁束量に応じてその長さが可変する超磁歪材料で構成され、これにより棒状の振動子34が起電力信号S11に応じてその長さが可変する。
【0022】
ここで、起電力信号S11は上述のようにAM変調回路12から得られる可聴音変調信号S4と同様の信号形式で変化するものであるから、結局振動子34はマイクロホン11から集音された集音信号S2に応じてその長さが矢印aで示す方向に振動することになり、この振動が埋込み型骨導補聴器1の出力として頭骨5に付与されることになる。
【0023】
このようにして埋込み型骨導補聴器1は、体外ユニット2において集音した可聴音について、当該集音した可聴音に対応する振動を、体内ユニット3から頭骨5に付与し、この振動が頭骨5内を通って耳小骨27に伝達し、これが前庭・蝸牛28から音情報として脳幹に送出されることになる。
【0024】
(2)実施例
図4は、上述の実施の形態の実施例を示すもので、対応部分に同一符号を付して示すように、体外ユニット2の可聴音変調信号送信部2Aは、図5(A)に示すように、縦断面が「E」字状でかつ全体として円筒外観形状を有する磁気ヨーク41を有し、その円柱状の中心ヨーク部41Aに体外送信コイル31を巻装している。
【0025】
かくして体外送信コイル31によって中心ヨーク部41Aに生成される伝送磁束33に対して、中心ヨーク部41Aから円板状の端板ヨーク部41Bを介して円筒状の円筒ヨーク部41Cを通る磁路が形成される。
【0026】
かくして体外送信コイル31が頭皮4上に装着されたとき、磁気ヨーク41の中心ヨーク部41A及び円筒ヨーク部41Cの先端面が頭皮4上に配設される。
【0027】
これに対して体内ユニット3は磁気ヨーク41と対向するように、縦断面が「E」字状でかつ円筒外観形状を有する磁気ヨーク42を有し、その円柱状の中心ヨーク部42Aに体内受信コイル32を巻装している。
【0028】
この磁気ヨーク42の中心ヨーク部42Aは体外ユニット2の磁気ヨーク41の中心ヨーク部41Aにおいて発生される伝送磁束33を受けて円板状の端板ヨーク部42B及び円筒状の円筒ヨーク部42Cを通って当該伝送磁束33を体外ユニット2の磁気ヨーク41に流すための磁路を形成している。
【0029】
かくして図6に示すように、体外ユニット2の体外送信コイル31によって磁気ヨーク41の中心ヨーク部41Aに発生された伝送磁束33は、頭皮4を通って体内ユニット3の磁気ヨーク42の中心ヨーク部42A-端板ヨーク部42B-円筒ヨーク部42Cの磁路を通り、さらに頭皮4を横切って体外ユニット2の磁気ヨーク41の円筒ヨーク部41C-端板ヨーク部41B-中心ヨーク部41Aの磁路を流れる。
【0030】
かくして体外ユニット2の磁気ヨーク41において発生された伝送磁束33が頭皮4を横切って体内受信コイル32と差交することにより誘起起電力を発生させる。
【0031】
図7に示すように、磁気ヨーク42の端板ヨーク部42Bの外表面の中心位置には円板状の加振部取付台47が外方に突出するように形成され、この加振部取付台47上に外方に突出するように加振部3Bが固着されている。
【0032】
加振部3Bは断面円形の棒状超磁歪素子でなる振動子34を有し、その両端に円板状の永久磁石でなる一対の動作点設定子48A及び48Bが固着されている。
【0033】
振動子34には振動子駆動コイル35が巻装され、当該振動子駆動コイル35の両端端子T11及びT12に体内受信コイル32の両端端子T1及びT2が直接接続される。
【0034】
かくして振動子駆動コイル35には体内受信コイル32が伝送磁束33と差交することにより得られる可聴音変調伝送信号S1に対応する励磁電流が流れ、その結果振動子34が、図8に示す超磁歪素子としての伸縮特性に従って伸縮動作することにより、振動子34の先端(他端が磁気ヨーク42に固定されていることにより自由端を形成している)を振動動作させる。
【0035】
振動子34を構成する超磁歪素子は、図8において伸縮特性曲線K1で示すように、励磁界Hに対応して、励磁界Hが大きくなれば、伸び量が大きくなるような伸縮量の変化を呈するような特性をもっている。
【0036】
この実施例の場合、当該超磁歪素子でなる振動子34の両端に一対の永久磁石でなる動作点設定子48A及び48Bが用いられていることにより、超磁歪素子にはバイアス磁界H0が与えられており、これにより当該バイアス磁界H0によって決まる励磁動作点HXを中心として起電力信号S11を与えると、振動子34の伸縮量D1は励磁動作点HXに対応する伸縮動作点DXを中心として伸縮量D1が変化する。
【0037】
この結果振動子34の先端位置は当該伸縮量D1の変化に応じて変位することにより、当該振動子34の先端部に振動が生ずることになる。
【0038】
図4の実施例の場合、体内受信コイル32の磁気ヨーク42は固定ネジ45によって頭骨5に固定されていると共に、振動子34の先端には、ドーム形状を有するチタン材料でなる接触子50が設けられており、当該接触子50の外表面が頭骨5に接触していることにより、振動子34の先端が変位したときこれが振動として接触子50を介して頭骨5に伝達する。
【0039】
このように、接触子50としてチタン材料を用いるようにしたことにより、チタン材料の特性により、接触子50が頭骨に良く付着すると共に、振動の伝達が良くかつ加工がし易い利点を有効に利用できる。
【0040】
この実施例の場合、接触子50は円環状の可撓性材料でなる連結環51によって磁気ヨーク42の端板ヨーク部42Bに連結され、これにより振動可能状態に支持されている。
【0041】
図4の実施例の場合、集音処理部2Bは図9に示すように、可聴音送信部2Aを構成する磁気ヨーク41の端板ヨーク部41B上に固着された集音処理部収納筐体51内に、集音処理部2Bの回路要素であるAM変調回路12、搬送波発振回路13及び出力増幅回路14を搭載した集音処理部基板52を有し、当該集音処理部基板52にマイクロホン11と、電池収納空間53内に収納された電源電池15とが設けられている。
【0042】
電池収納空間53に収納された電源電池15は、開閉自在の電池蓋54を必要に応じて開閉することにより、ユーザによって直接に(手術などを必要とすることなく)交換補充することができる。
【0043】
図4の実施例において、体内ユニット3は埋込み手術によって頭骨5のうち耳介21の近傍の乳突部皮下の側頭骨に埋め込まれ、固定ネジ45によって頭骨5に固定される。
【0044】
当該体内ユニット3を埋込み型骨導補聴器1として用いる場合、装用者は頭皮4のうち体内ユニット3と対向する位置に体外ユニット2を配設する。
【0045】
このとき体内ユニット2の可聴音送信部2Aを構成する磁気ヨーク41の体外送信コイル31によって発生した伝送磁束33は、頭皮4を横断して体内ユニット3の磁気ヨーク42との間に可聴音情報を伝送する磁路を形成する。
【0046】
これと共に、当該可聴音情報を伝送する磁路には、振動子34の動作点を設定するために用いられた永久磁石の磁束が重畳して流れ、この磁束により体外ユニット2を体内ユニット3に引き着ける吸引磁力が生ずることにより、体外ユニット2は頭皮4上に安定に装着される。
【0047】
この状態において、搬送波発振回路13は搬送波信号S3として40〔kHz〕のパルス信号をAM変調回路12に供給することにより、マイクロホン11から取り込まれた集音信号S2によって振幅変調してなる可聴音変調信号S4が得られる。
【0048】
この可聴音変調信号S4は体内ユニット3の振動子34を振動動作させるためのエネルギー源として体外送信コイル31によって伝送磁束33に変換され、この伝送磁束33が体内ユニット3の体内受信コイル32と差交することにより当該体内受信コイル32に誘起起電力を発生し、この起電力信号S11が加振部3Bを構成する振動子駆動コイル35の両端に与えられ、その結果振動子34が振動動作をする。
【0049】
このとき振動子34は、図8に示す伸縮特性を有する超磁歪素子によって構成されていることにより、当該超磁歪素子自体の振動特性から得られる自己復調機能により、パルス搬送波のAM復調形式を有する起電力信号S11から、その振幅変調成分である集音信号S2に応じた伸縮量D1を呈するような振動動作をする。
【0050】
かくして搬送波パルス信号に対する振幅変調成分である集音信号S2に対応して振動子34が振動することにより当該可聴音振動が接触子50を介して頭骨5に付与され、その頭骨54を通って耳小骨27に伝達する。
【0051】
この結果装用者は、例え外耳道22、鼓膜23及び耳小骨27を介して可聴音信号が前庭・蝸牛28に伝達されないような障害があったとしても、外耳道22に到達した可聴音を頭骨5を介した骨導動作によって前庭・蝸牛28に受けることができ、これにより脳幹に対して可聴音情報を送り込むことができる。
【0052】
以上の構成によれば、体外ユニット2及び体内ユニット3によって頭骨5を介して可聴音振動を骨導できる埋込み型骨導補聴器1を実現できる。
【0053】
かくするにつき、体内ユニット3の振動子34として図8に示すような伸縮特性を呈する超磁歪素子を用いるようにしたことにより、当該超磁歪素子の自己復調機能を活用することにより、特別にAM復調回路を設けることなく、鮮明な可聴音振動を前庭・蝸牛28に骨導することができる。
【0054】
振動子34の動作についての実験によれば、図10(A)に示すように、振動子34の動作点設定子48Aと加振部取付台47との接合面の変位を表す固定端側変位量検出信号S21と、振動子34の先端面の変位を表す自由端側変位検出信号S22とを変位計測装置(LDV)によって検出したところ、両者は同相の信号として検出できたところから、棒状超磁歪素子でなる振動子34の長さ方向への振動が生じていることを確認できた。
【0055】
また自由端側変化検出信号S22の周波数スペクトラムは、図10(B)に示すように、4〔kHz〕の周波数成分にピークP1があると共に、40〔kHz〕の周波数成分にピークP2が生じていることを確認できた。
【0056】
この実験の場合、搬送信号として40〔kHz〕のパルス信号を用いたのに対して、可聴音信号として4〔kHz〕の正弦波を用いたもので、40〔kHz〕の周波数成分のピークP2と比較して、振幅変調信号である4〔kHz〕成分のピークP1が極端に大きいところからみて、振動子34とその両端に設けた一対の動作点設計子48A及び48Bによって構成される振動子ユニット61が、図8に示すように、パルス搬送波を可聴音信号によって振幅変調した信号形式の起電力信号S11を振動駆動源として、これを振動子駆動コイル35に与えた結果、振動子34の伸縮量D1として、パルス搬送波によって振幅変調した信号形式の可聴音変調伝送信号を自己復調して集音信号に対応する伸縮量を出力している結果になっている。
【0057】
このようにして、体外ユニット2及び体内ユニット3によれば、マイクロホン11によって取り込んだ集音信号に高い精度で骨導信号成分に変換し得る埋込み型骨導補聴器1を実現できた。
【0058】
かくするにつき、体内ユニット3を、埋込み手術をするだけの簡単な手術で済むと共に、体内ユニット3内に動作用の電源を設ける必要がないことにより、体内の電源を補充するための手術などが不要な埋込み型骨導補聴器を得ることができる。
【0059】
(3)他の実施の形態
(3-1)上述の実施の形態においては、振動子34として、断面円形の棒状の超磁歪素子を用いたが、その断面形状は必要に応じて四角形、楕円形など種々の形状に選定しても、上述の場合と同様の効果が得られる。
【0060】
また、振動子34の両端に永久磁石でなる一対の動作点設定子38A及び38Bを設けるようにしたが、この動作点設定子48A及び48Bの挿入の仕方は変更しても良く、要は図8の励磁動作点HXを決めるためのバイアス磁界の設定ができれば良い。
【0061】
(3-2)上述の実施の形態の体内ユニット3においては、体内受信コイル32を巻装してなる磁気ヨーク42に振動子34の一端を固定側端として固定し、その自由端の変位を骨導振動出力として頭骨5に付与するように構成したが、振動子34の骨導出力を頭骨5に付与する方法しては、これに限らず、例えば振動子34を磁気ヨーク42とは別体に設けるようにしても良い。
【0062】
(3-3)上述の実施の形態においては、頭皮4への体外ユニット2の装着方法として、体内ユニット3との間の吸引磁力を用いるようにした場合について述べたが、これとは別に又はこれに加えて、別途体外ユニット2を頭皮4上に装着するための装着具を用いるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は骨導補聴器に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明による埋込み型骨導補聴器の一実施の形態を示す部分的断面図である。
【図2】図1の埋込み型骨導補聴器1の可聴音振動の生成構成を示す略線的電気回路図である。
【図3】可聴音伝送信号の体内への伝達手法の説明に供する略線的斜視図である。
【図4】埋込み型骨導補聴器の実施例の構成を示す縦断面図である。
【図5】可聴音変調伝送信号の体内への信号伝達機構を構成する送信構成及び受信構成を示す斜視図である。
【図6】体外ユニット2の磁気ヨーク41及び体内ユニット3の磁気ヨーク42によって構成される磁路の説明に供する略線図である。
【図7】体内ユニット3の加振部3Bの詳細構成を示す斜視図である。
【図8】振動子34を構成する超磁歪素子の伸縮特性を示す特性曲線図である。
【図9】体外ユニット2の集音処理部2Bの構成を示す略線的断面図である。
【図10】(A)は振動子34の変位量を示す信号波形図、(B)は自由端側変位検出信号S22の周波数スペクトラムを示す特性曲線図である。
【符号の説明】
【0065】
1……埋込み型骨導補聴器、2……体外ユニット、2A……可聴音変調信号送信部、2B……集音処理部、3……体内ユニット、3A……可聴音変調信号受信部、3B……加振部、4……頭皮、5……頭骨、11……マイクロホン、12……AM変調回路、13……搬送波発振回路、14……出力増幅回路、15……電源電池、21……耳介、22……外耳道、23……鼓膜、24……ツチ骨、25……キヌタ骨、26……アブミ骨、27……耳小骨、28……前庭・蝸牛、31……体外送信コイル、32……体内受信コイル、33……伝送磁束、34……振動子、35……振動駆動コイル、41、42……磁気ヨーク、41A、42A……中心ヨーク部、41B、42B……端板ヨーク部、41C、42C……円筒ヨーク部、47……加振部取付台、48A、48B……動作点設定子、51……集音処理部収納筐体、52……集音処理部基板、53……電池収納空間、54……電池蓋、61……振動子ユニット。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9