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Specification :(In Japanese)鋳造装置、鋳造方法及びマグネシウム合金ビレットの製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5564652
Publication number P2010-137255A
Date of registration Jun 27, 2014
Date of issue Jul 30, 2014
Date of publication of application Jun 24, 2010
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)鋳造装置、鋳造方法及びマグネシウム合金ビレットの製造方法
IPC (International Patent Classification) B22D  11/10        (2006.01)
B22D  11/00        (2006.01)
B22D  21/04        (2006.01)
B22D  23/00        (2006.01)
FI (File Index) B22D 11/10 360A
B22D 11/00 D
B22D 21/04 B
B22D 23/00 C
Number of claims or invention 10
Total pages 14
Application Number P2008-315989
Date of filing Dec 11, 2008
Date of request for substantive examination Dec 12, 2011
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【識別番号】508080609
【氏名又は名称】不二ライトメタル株式会社
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】河村 能人
【氏名】桜井 寛
【氏名】井上 正士
【氏名】秋口 英憲
【氏名】宮地 秀芳
Representative (In Japanese)【識別番号】100110858、【弁理士】、【氏名又は名称】柳瀬 睦肇
【識別番号】100100413、【弁理士】、【氏名又は名称】渡部 温
Examiner (In Japanese)【審査官】酒井 英夫
Document or reference (In Japanese)特開2004-009110(JP,A)
特開昭61-119359(JP,A)
特開昭62-004842(JP,A)
特開平02-236232(JP,A)
特表2008-525197(JP,A)
特開2004-195526(JP,A)
特公昭35-001510(JP,B1)
特開昭62-110835(JP,A)
特開2004-001006(JP,A)
Field of search B22D 11/00-11/22
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
溶融した金属を導入する導入経路と、
前記導入経路から溶融した希土類元素を含有するマグネシウム合金が導入され、且つ前記導入された前記マグネシウム合金を加熱する加熱炉と、
前記加熱炉によって加熱された前記マグネシウム合金が導入される鋳型と、
前記鋳型を冷却する冷却機構と、
前記鋳型内で冷却されたマグネシウム合金を前記鋳型の外側に移動させる移動機構と、
前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路を真空排気する真空排気機構と、
前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、
を具備し、
前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路に空気又は不活性ガスを導入し、前記空気又は前記不活性ガスを前記加熱炉によって加熱した後に、前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路を真空排気し、前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路に不活性ガスを導入することにより、前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、その後に前記マグネシウム合金を鋳造することを特徴とする鋳造装置。
【請求項2】
請求項1において、前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路に防燃ガスを導入する防燃ガス導入機構を有し、
前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路を前記不活性ガスの雰囲気に置換する際に、前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路に導入する不活性ガスに防燃ガスを混合させることを特徴とする鋳造装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記導入経路を加熱する加熱機構をさらに具備することを特徴とする鋳造装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記鋳型内で冷却された金属を二次的に冷却する二次的冷却機構をさらに具備することを特徴とする鋳造装置。
【請求項5】
開閉可能な上蓋と、
前記上蓋の下に連結され且つ前記連結された部分が密閉された上部側壁部材と、
前記上部側壁部材に接続され、前記上部側壁部材の内部に溶融した希土類元素を含有するマグネシウム合金を導入する導入経路と、
前記上部側壁部材の下に連結され且つ前記連結された部分が密閉され、前記上部側壁部材の内部空間に繋げられ、前記導入経路から導入され前記上部側壁部材の内部を通過した前記マグネシウム合金を加熱する誘導加熱炉と、
前記誘導加熱炉の下に連結され且つ前記連結された部分が密閉され、前記誘導加熱炉の内部空間に繋げられ、前記誘導加熱炉によって加熱された前記マグネシウム合金が導入される鋳型と、
前記鋳型を冷却する冷却機構と、
前記鋳型の下方に配置され、前記鋳型内で冷却されたマグネシウム合金が載せられる下型と、
前記下型を下方に移動させる移動機構と、
前記下型を前記鋳型に連結した際の連結部を密閉するための密閉用部材と、
前記上蓋、前記導入経路、前記上部側壁部材、前記誘導加熱炉、前記鋳型、前記下型及び前記密閉用部材によって作られる内部空間を真空排気する真空排気機構と、
前記内部空間に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、
を具備し、
前記内部空間に空気又は不活性ガスを導入し、前記空気又は前記不活性ガスを前記誘導加熱炉によって加熱した後に、前記内部空間を真空排気し、前記内部空間に不活性ガスを導入することにより、前記内部空間を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、その後に前記マグネシウム合金を鋳造することを特徴とする鋳造装置。
【請求項6】
請求項5において、前記内部空間に防燃ガスを導入する防燃ガス導入機構を有し、
前記内部空間を前記不活性ガスの雰囲気に置換する際に、前記内部空間に導入する不活性ガスに防燃ガスを混合させることを特徴とする鋳造装置。
【請求項7】
鋳型内及び前記鋳型に繋げられた加熱炉内に空気又は不活性ガスを導入し、前記空気又は前記不活性ガスを前記加熱炉によって加熱し、
前記鋳型内及び前記加熱炉内を真空排気した後に前記鋳型内及び前記加熱炉内に不活性ガスを導入することにより、前記鋳型内及び前記加熱炉内を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、
前記加熱炉内に溶融された希土類元素を含有するマグネシウム合金を導入して前記マグネシウム合金を前記加熱炉によって加熱し、
前記加熱炉によって加熱された前記マグネシウム合金を鋳型内に導入し、
前記導入した前記マグネシウム合金を前記鋳型によって冷却することで凝固させ、
前記凝固した前記マグネシウム合金を前記鋳型の外部に引き出すことを特徴とするマグネシウム合金ビレットの製造方法。
【請求項8】
請求項7において、前記鋳型内及び前記加熱炉内を前記不活性ガスの雰囲気に置換する際に、前記鋳型内及び前記加熱炉内に導入する不活性ガスに防燃ガスを混合させることを特徴とするマグネシウム合金ビレットの製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、前記加熱炉内に導入される前の前記マグネシウム合金を加熱することを特徴とするマグネシウム合金ビレットの製造方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一項において、前記凝固した前記マグネシウム合金を、前記鋳型の外部に引き出す際に二次的に冷却することを特徴とするマグネシウム合金ビレットの製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造装置、鋳造方法及びマグネシウム合金ビレットの製造方法等に関し、より詳細には高価な防燃ガスの使用を大幅に削減することにより製造コストを低減できる鋳造装置、鋳造方法及びマグネシウム合金ビレットの製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鋳造装置は、マグネシウム合金の金属溶湯を導入する溶湯受槽を有している。この溶湯受槽の下方には鋳型が設けられており、この鋳型は鋳塊の輪郭を規定する形状を有し、鋳塊が形成される空間を取り囲んでいる。前記鋳型と前記溶湯受槽との間には間隙が設けられており、この間隙から防燃ガス、例えば、SF6ガスが前記鋳型内に供給されるようになっている。また、前記鋳型と前記溶湯受槽との間には潤滑油を供給する供給口が設けられている。
【0003】
前記鋳型は、柱状金属を強制冷却するための冷却媒体が流れる空洞部を有している。この鋳型によって一次的に冷却された金属を二次的に冷却するために、鋳型の下部には冷却媒体を噴出させる噴出口が設けられており、この噴出口によって冷却媒体が鋳型の斜め下方に向けて噴出されるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
次に、上記従来の鋳造装置によってマグネシウム合金を連続鋳造する方法について説明する。
【0005】
溶湯受槽に導入されたマグネシウム合金の金属溶湯は、防燃ガスであるSF6ガス及び潤滑油が供給されつつ鋳型によって一次的に冷却される。これにより、鋳型の内周面の一部から金属溶湯の熱が吸収され、金属溶湯の凝固が開始される。この凝固が開始された金属は鋳型の下方から鋳型の外に出され、この鋳型の外に出された金属に冷却媒体が噴出される。この冷却媒体によって前記金属が二次的に冷却され、連続的にマグネシウム合金ビレットが製造される。
【0006】

【特許文献1】特開昭61-119359号公報(3頁左下欄及び右下欄、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来の鋳造方法では、鋳造中に金属溶湯が空気に接触するため、酸化しやすい金属又は酸化しやすい元素を含有する金属を鋳造すると、金属溶湯が酸化してしまい、鋳造物の品質が悪くなるという問題があった。あるいは、合金成分が酸化によって合金中から失われて、成分の変化や高価な合金元素の損失が生じるという問題点があった。
【0008】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、酸化しやすい金属又は酸化しやすい元素を含有する金属が鋳造中に酸化するのを抑制できる鋳造装置、鋳造方法及びマグネシウム合金ビレットの製造方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る鋳造装置は、溶融した金属を導入する導入経路と、
前記導入経路から溶融した金属が導入される鋳型と、
前記鋳型を冷却する冷却機構と、
前記鋳型内で冷却された金属を前記鋳型の外側に移動させる移動機構と、
前記鋳型及び前記導入経路を真空排気する真空排気機構と、
前記鋳型及び前記導入経路に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、
を具備することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る鋳造装置は、溶融した金属を導入する導入経路と、
前記導入経路から溶融した金属が導入され、且つ前記導入された前記金属を加熱する加熱炉と、
前記加熱炉によって加熱された前記金属が導入される鋳型と、
前記鋳型を冷却する冷却機構と、
前記鋳型内で冷却された金属を前記鋳型の外側に移動させる移動機構と、
前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路を真空排気する真空排気機構と、
前記鋳型、前記加熱炉及び前記導入経路に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、
を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る鋳造装置において、前記導入経路を加熱する加熱機構をさらに具備することが好ましい。
また、本発明に係る鋳造装置において、前記鋳型内で冷却された金属を二次的に冷却する二次的冷却機構をさらに具備することが好ましい。
また、本発明に係る鋳造装置において、前記金属は希土類元素を含有するマグネシウム合金であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る鋳造装置は、開閉可能な上蓋と、
前記上蓋の下に連結され且つ前記連結された部分が密閉された上部側壁部材と、
前記上部側壁部材に接続され、前記上部側壁部材の内部に溶融した金属を導入する導入経路と、
前記上部側壁部材の下に連結され且つ前記連結された部分が密閉され、前記上部側壁部材の内部空間に繋げられ、前記導入経路から導入され前記上部側壁部材の内部を通過した前記金属を加熱する誘導加熱炉と、
前記誘導加熱炉の下に連結され且つ前記連結された部分が密閉され、前記誘導加熱炉の内部空間に繋げられ、前記誘導加熱炉によって加熱された前記金属が導入される鋳型と、
前記鋳型を冷却する冷却機構と、
前記鋳型の下方に配置され、前記鋳型内で冷却された金属が載せられる下型と、
前記下型を下方に移動させる移動機構と、
前記下型を前記鋳型に連結した際の連結部を密閉するための密閉用部材と、
前記上蓋、前記導入経路、前記上部側壁部材、前記誘導加熱炉、前記鋳型、前記下型及び前記密閉用部材によって作られる内部空間を真空排気する真空排気機構と、
前記内部空間に不活性ガスを導入する不活性ガス導入機構と、
を具備することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る鋳造方法は、鋳型内を真空排気した後に前記鋳型内に不活性ガスを導入することで、前記鋳型内を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、
前記鋳型内に溶融された金属を導入し、
前記導入した前記金属を前記鋳型によって冷却することで凝固させ、
前記凝固した前記金属を前記鋳型の外部に引き出すことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る鋳造方法は、鋳型内及び前記鋳型に繋げられた加熱炉内を真空排気した後に前記鋳型内及び前記加熱炉内に不活性ガスを導入することにより、前記鋳型内及び前記加熱炉内を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、
前記加熱炉内に溶融された金属を導入して前記金属を前記加熱炉によって加熱し、
前記加熱炉によって加熱された前記金属を鋳型内に導入し、
前記導入した前記金属を前記鋳型によって冷却することで凝固させ、
前記凝固した前記金属を前記鋳型の外部に引き出すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る鋳造方法において、前記鋳型内及び前記加熱炉内を真空排気する前に、前記鋳型内及び前記加熱炉内に空気又は不活性ガスを導入し、前記空気又は前記不活性ガスを前記加熱炉によって加熱することが好ましい。
また、本発明に係る鋳造方法において、前記加熱炉内に導入される前の前記金属を加熱することが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る鋳造方法において、前記凝固した前記金属を、前記鋳型の外部に引き出す際に二次的に冷却することが好ましい。
また、本発明に係る鋳造方法において、前記金属は希土類元素を含有するマグネシウム合金であることが好ましい。
【0017】
本発明に係るマグネシウム合金ビレットの製造方法は、鋳型内を真空排気した後に前記鋳型内に不活性ガスを導入することで、前記鋳型内を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、
前記鋳型内に溶融された希土類元素を含有するマグネシウム合金を導入し、
前記導入した前記マグネシウム合金を前記鋳型によって冷却することで凝固させ、
前記凝固した前記マグネシウム合金を前記鋳型の外部に引き出すことを特徴とする。
【0018】
本発明に係るマグネシウム合金ビレットの製造方法は、鋳型内及び前記鋳型に繋げられた加熱炉内を真空排気した後に前記鋳型内及び前記加熱炉内に不活性ガスを導入することにより、前記鋳型内及び前記加熱炉内を前記不活性ガスの雰囲気に置換し、
前記加熱炉内に溶融された希土類元素を含有するマグネシウム合金を導入して前記マグネシウム合金を前記加熱炉によって加熱し、
前記加熱炉によって加熱された前記マグネシウム合金を鋳型内に導入し、
前記導入した前記マグネシウム合金を前記鋳型によって冷却することで凝固させ、
前記凝固した前記マグネシウム合金を前記鋳型の外部に引き出すことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係るマグネシウム合金ビレットの製造方法において、前記鋳型内及び前記加熱炉内を真空排気する前に、前記鋳型内及び前記加熱炉内に空気又は不活性ガスを導入し、前記空気又は前記不活性ガスを前記加熱炉によって加熱することが好ましい。
また、本発明に係るマグネシウム合金ビレットの製造方法において、前記加熱炉内に導入される前の前記マグネシウム合金を加熱することが好ましい。
また、本発明に係るマグネシウム合金ビレットの製造方法において、前記凝固した前記マグネシウム合金を、前記鋳型の外部に引き出す際に二次的に冷却することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、酸化しやすい金属又は酸化しやすい元素を含有する金属が鋳造中に酸化するのを抑制できる鋳造装置、鋳造方法及びマグネシウム合金ビレットの製造方法等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による鋳造装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0022】
まず、本実施形態による鋳造装置について説明する。
図1に示す鋳造装置は開閉可能な上蓋1を有しており、この上蓋1の下には上部側壁部材2が連結されている。この連結された部分は密閉されるように構成されている。上部側壁部材2には導入経路3の一端側が接続されており、導入経路3の他端は溶解炉(図示せず)に接続されている。この導入経路3は、前記溶解炉で溶融した金属を上部側壁部材2の内部に導入する経路である。この溶融した金属は、酸化しやすい金属又は酸化しやすい元素を含有する金属の溶湯であり、例えば希土類元素を含有するマグネシウム合金、チタン、チタン合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの溶湯である。
【0023】
上部側壁部材2の下には溶湯経路部材4が連結されている。この連結された部分は密閉されるように構成されており、溶湯経路部材4によって形成される経路は上部側壁部材2内の空間に繋げられている。溶湯経路部材4によって形成される経路の内径は、上部側壁部材2によって形成される内径より小さい。
【0024】
溶湯経路部材4の下には潤滑油経路部材5及び不活性ガス(例えばArガス)経路部材6を介して鋳型7に連結されている。この連結された部分は密閉されるように構成されており、鋳型7内の空間は溶湯経路部材4によって形成される経路に繋げられている。この経路の内径は、鋳型7内の空間の内径より大きい。
【0025】
潤滑油経路部材5には、液状の潤滑油を鋳型7内に供給するための潤滑油供給口が設けられている。また、不活性ガス経路部材6には、不活性ガスを鋳型7内に噴射するための不活性ガス噴射口が設けられている。不活性ガス経路部材6は不活性ガス導入機構(図示せず)に接続されている。
【0026】
鋳型7には冷却機構が設けられており、この冷却機構は鋳型7内の空間7aに水などの冷媒を通すことにより鋳型7を冷却し、その結果、鋳型7内に導入された溶融金属を冷却する機構である。機構である。鋳型7の下方には下型8が配置されており、この下型8は鋳型7内で冷却された金属が載せられるようになっている。この金属が載せられる下型8の面の形状は例えば円形又は多角形等の種々の形状を用いることができる。
【0027】
下型8には移動機構(例えば昇降装置)9が接続されている。この移動機構9は、下型8を鋳型7から遠ざかる方向である下方に移動させ、且つ下型8を鋳型7に近づける方向である上方に移動させる機構である。
【0028】
下型8には、下型8を鋳型7に連結した際の連結部を密閉するための密閉用部材10が形成されている。なお、本実施形態では、密閉用部材10は下型8と鋳型7とを連結する部分を密閉するものであるが、鋳型7と下型8との間にケース(図示せず)が配置されている場合は、密閉用部材10は前記ケースと下型8とを連結する部分を密閉するものであっても良い。
【0029】
また、鋳造装置は、上蓋1を閉じて、下型8と鋳型7とを密閉して連結させることにより、上蓋1、導入経路3、上部側壁部材2、溶湯経路部材4、鋳型7、下型8及び密閉用部材10によって作られる内部空間を真空ポンプ(図示せず)によって真空排気する真空排気機構を有しているとともに、前記内部空間に不活性ガス、例えばArガスを導入する不活性ガス導入機構(図示せず)を有している。
【0030】
前記真空ポンプ及び前記不活性ガス導入機構それぞれは上蓋1に設けられた経路11の一端に繋げられており、この経路11の他端は前記内部空間に繋げられている。これにより、経路11から前記内部空間を真空引きするとともに不活性ガス、例えばArガスを前記内部空間に導入することができる。不活性ガスは、溶融している金属、あるいは、合金に含まれている元素と反応しないガスのことである。例えば、マグネシウムに対しては、Arガスと窒素ガスの混合ガスであってもよい。
【0031】
次に、本実施形態による鋳造方法について図2を参照しつつ説明する。図2は、図1に示す鋳造装置を用いてマグネシウム合金を鋳造する様子を示す断面図である。ここで用いる溶湯は、例えば希土類元素を含有するマグネシウム合金である。
【0032】
上蓋1を閉じ、下型8を移動機構9によって上昇させて前記内部空間を密閉状態にし、前記真空排気機構によって前記内部空間を真空排気する。これにより、前記内部空間の酸素や水分(H2O)が除去される。また、真空排気において密閉容器内を温度上昇させることによって真空度を高め易くする効果が期待でき、効果的に真空排気を実施することが可能となっている。この後、不活性ガス導入機構によって経路11及び不活性ガス経路部材6それぞれから前記内部空間に不活性ガスを導入する。これにより、前記内部空間は不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)に置換される。この置換された前記内部空間の圧力は、大気圧又は大気圧に近い圧力であることが好ましい。また、潤滑油経路部材5の潤滑油供給口から液状の潤滑油を鋳型7内に供給する。
【0033】
このように酸素を除去して不活性ガス雰囲気にする理由は、マグネシウム合金の溶湯を前記内部空間に導入した際に酸素によってマグネシウム合金が燃焼するのを防止するためである。詳細には、前記内部空間を密閉系にすることで、前記内部空間に酸素が供給されなくなり、原理的に燃焼(酸化)を起こりにくくすることができる。ただし、真空中ではマグネシウムが蒸発してしまうため、不活性ガスを前記内部空間に充満させることで、マグネシウムの蒸発を防ぎ、酸化も抑制することができる。また、希土類元素などの高価な金属元素の酸化を抑えることができ、その結果、コスト低減効果が期待できる。
【0034】
また、水分を除去する理由は、水分はマグネシウムと激しく反応してマグネシウム合金を酸化させ、H2ガスを発生させ、またマグネシウム合金に水素が含有されてしまうため、水分を除去すれば水分とマグネシウムとの反応を防止することができるからである。
【0035】
この後、図2に示すように、不活性ガス雰囲気に置換された上部側壁部材2内及び溶湯経路部材4内に導入経路3から希土類元素を含有するマグネシウム合金の溶湯12を導入する。この導入された溶湯12は鋳型7内に導入され、前記冷却機構によって冷却された鋳型7の内面側から前記溶湯12が冷却され、凝固が開始される。次いで、下型8を移動機構9によって所定の速度で下降させる。これにより、下型8上にマグネシウム合金ビレットが形成される。
【0036】
上述したように導入経路3から溶湯12を導入することと下型8を下降させることを連続的に行うことにより、所定の長さのマグネシウム合金ビレットを製造することができる。なお、マグネシウム合金ビレットを製造している間(鋳造中)は不活性ガスを前記内部空間に供給し続けることが好ましい。
【0037】
上記第1の実施形態によれば、導入経路3からマグネシウム合金の溶湯を導入する前に、前記内部空間を真空排気機構によって真空排気することにより前記内部空間の酸素を除去し、前記内部空間を不活性ガスで充満させることにより、溶湯12に対する防燃を行っている。このため、従来技術のように高価な防燃ガス、例えば、SF6ガスを多量に使用することなく、マグネシウムの防燃が可能となる。従って、マグネシウム合金ビレットの製造コストを低減することができる。
【0038】
また、温暖化効果ガスであるSF6ガスの使用を抑制することにより、温暖化効果ガスの使用抑制という社会的なニーズに応えることができる。
【0039】
また、高価な希土類元素を添加したマグネシウム合金を、上述したように酸素を除去し且つArガスで置換した雰囲気中で鋳造するため、溶湯の表面に酸化皮膜が形成されることを抑制できる。これにより、希土類元素の酸化も抑制でき、その結果、希土類元素の損失を抑制できる。これとともに、マグネシウム合金ビレットの成分を安定させることができ、マグネシウム合金ビレットの添加元素成分を微量範囲で制御することが容易となる。
【0040】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態による鋳造装置の構成を模式的に示す断面図であり、図1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0041】
図3に示す鋳造装置は加熱機構13を有しており、この加熱機構13は導入経路3を加熱するものである。これにより、導入経路3を通る溶融金属が加熱機構13によって加熱され、導入経路3を通過する際に溶融金属の温度低下を抑制することができる。
【0042】
下型8の外側には二次冷却用ユニット14が設けられている。この二次冷却用ユニット14は、鋳造時に下型8を下方に移動させている際に、溶湯が凝固されたマグネシウム合金の鋳塊に向けて冷却媒体(例えば水)を噴出する機構である。
【0043】
次に、本実施形態による鋳造方法について図4を参照しつつ説明する。図4は、図3に示す鋳造装置を用いてマグネシウム合金を鋳造する様子を示す断面図である。ここで用いる溶湯は第1の実施形態と同様である。
【0044】
まず、上蓋1を閉じ、下型8を移動機構9によって下降させて鋳造装置の内部空間の上方を密閉状態とし、鋳型7と下型8との間を開放状態とする。そして、加熱機構13によって導入経路3を加熱しながら、空気又は不活性ガスを前記内部空間に導入する。これにより、前記内部空間の内壁等に付着する水分等を除去する。
【0045】
この後、下型8を移動機構9によって上昇させて前記内部空間を密閉状態にし、前記真空排気機構によって前記内部空間を真空排気する。これにより、前記内部空間の酸素や水分(H2O)がさらに除去される。この後、第1の実施形態と同様に、前記内部空間を不活性ガス雰囲気に置換し、潤滑油を鋳型7内に供給する。
【0046】
次いで、第1の実施形態と同様に、図4に示すように、上部側壁部材2内及び溶湯経路部材4内に導入経路3から溶湯12を導入する。この際、加熱機構13によって前記溶湯12が加熱される。次いで、第1の実施形態と同様に、溶湯12は鋳型7内に導入され、鋳型7の内面側から前記溶湯12が冷却される。次いで、下型8を移動機構9によって所定の速度で下降させて鋳型7の下型部密閉用面7bと密閉用部材10が離れながら、溶湯が凝固されたマグネシウム合金に向けて冷却媒体を二次冷却用ユニット14によって噴出させる。これにより、マグネシウム合金ビレットが二次的に冷却され、マグネシウム合金ビレットの温度がさらに低下し、下型8上にマグネシウム合金ビレットが形成される。
【0047】
上記第2の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、最初に内部空間の内壁等に付着する水分等を除去しているため、より効果的に水分とマグネシウムとの反応を防止することができる。
【0049】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態による鋳造装置の構成を模式的に示す断面図であり、図3と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0050】
まず、本実施形態による鋳造装置について説明する。
図5に示す鋳造装置は、図3に示す上部側壁部材2と鋳型7との間に位置する溶湯経路部材4に代えて誘導加熱炉15が設けられている。この誘導加熱炉15は、誘導加熱機構を有している。
【0051】
上部側壁部材2によって形成される内径は、誘導加熱炉15によって形成される内径とほぼ同じである。また、誘導加熱炉15によって形成される内径は、鋳型7によって形成される内径より小さい。
【0052】
次に、本実施形態による鋳造方法について図6及び図7を参照しつつ説明する。図6は、図5に示す鋳造装置の内部空間を最初に予熱・乾燥させる工程を示す断面図である。図7は、図6の次の工程を示す断面図である。ここで用いる溶湯は第2の実施形態と同様である。
【0053】
まず、図6に示すように、第2の実施形態と同様に、鋳造装置の内部空間の上方を密閉状態とし、鋳型7と下型8との間を開放状態とする。そして、加熱機構13によって導入経路3を加熱し且つ誘導加熱炉15によって炉内を加熱しながら、矢印のように空気(又は不活性ガス)を前記内部空間に導入する。これにより、前記内部空間の内壁等に付着する水分等を除去する。
【0054】
この後、第2の実施形態と同様に、真空排気機構によって前記内部空間を真空排気し、前記内部空間を不活性ガス雰囲気に置換し、潤滑油を鋳型7内に供給する。
【0055】
次いで、図7に示すように、第2の実施形態と同様に、上部側壁部材2内に導入経路3から溶湯12が導入され、この溶湯12は誘導加熱炉15内に導入される。この誘導加熱炉15によって溶湯12を加熱することにより、溶湯12が所定の温度以上に保持される。このように所定の温度以上に保持する理由は、溶解炉から出湯後に始めて導入経路3及び上部側壁部材2の内壁を流れる溶湯の先端は温度が低下しやすく、温度が低下した溶湯は粘度が上昇して、鋳造欠陥が生じやすくなり、その結果、製品として使用できる範囲が少なくなってしまうからである。
【0056】
次いで、前記所定の温度に保持された溶湯12が鋳型7内に導入される。そして、第2の実施形態と同様に、鋳型7の内面側から前記溶湯12が冷却され、下型8を移動機構9によって所定の速度で下降させ、下型8に載せられ凝固されたマグネシウム合金を二次冷却用ユニット14によって冷却する。これにより、下型8上にマグネシウム合金ビレットが形成される。
【0057】
上記第3の実施形態においても第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
また、高温で高強度を有するマグネシウム合金を鋳造する場合、溶湯12が鋳型7に導入される時の溶湯の温度が低すぎると溶湯の凝固開始が早まることで、下型8を下降させるときの抵抗が過剰に大きくなってしまい、それによって下型8の均一な下降速度を保つことができなくなり、その結果、冷却速度むらによる品質の悪化が懸念される。これに対し、本実施形態では、鋳型7に導入される前の溶湯を誘導加熱炉15によって所定の温度以上に保持しているため、上記の冷却速度むらによる品質の悪化を防止することができ、マグネシウム合金のビレット全体を均一な組織に制御することが容易となる。
【0059】
また、誘導加熱炉15による溶湯の温度制御を行わなかった場合、導入経路3から鋳造装置の内部空間に溶湯12が供給される供給量に応じて鋳型7内に供給される溶湯の量が変動することで溶湯の温度も変動するため、ビレットの品質が変動してしまうことが懸念される。これに対し、上述したように鋳型7に導入される前の溶湯の温度を管理することにより、導入経路3から前記内部空間への溶湯の供給量が変動しても、ビレットの品質への影響を低減させることができる。
【0060】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【0061】
例えば、上記第1乃至第3の実施形態それぞれによる鋳造装置に防燃ガス導入機構を加えても良い。これにより、不活性ガス導入機構によって鋳造装置の内部空間に導入される不活性ガスに加えて、防燃ガス導入機構によって防燃ガス(例えばSF6ガス等)を前記内部空間に導入することが可能となる。上記第1乃至第3の実施形態では、前記内部空間を真空排気することで酸欠状態になっているため、例えば、SF6ガスのような防燃ガスを使用しなくても防燃効果が得られるはずである。しかし、鋳造初期には前記内部空間の内面等に付着物等が残存しており、その付着物等に酸素が残存している可能性がある。そこで、特に鋳造初期にArガスにわずかに防燃ガス(例えば、SF6ガス)を混合させた混合ガスを溶湯保持炉内に導入することにより、溶湯の燃焼をより効果的に防ぐことができる。このようにSF6ガスを防燃ガスとして用いても、従来技術に比べてSF6ガスの使用量を大幅に低減することができる。
【0062】
また、上記第3の実施形態による鋳造装置は、誘導加熱炉によって加熱された溶湯の温度を測定する温度センサなどの温度測定機構を有していても良い。この温度測定機構によって溶湯の温度を測定し、その測定結果から誘導加熱炉の加熱力を調整することにより、鋳型に導入される前の溶湯の温度を精度良く制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施形態による鋳造装置の構成を模式的に示す断面図。
【図2】図1に示す鋳造装置を用いてマグネシウム合金を鋳造する様子を示す断面図。
【図3】第2の実施形態による鋳造装置の構成を模式的に示す断面図。
【図4】図3に示す鋳造装置を用いてマグネシウム合金を鋳造する様子を示す断面図。
【図5】第3の実施形態による鋳造装置の構成を模式的に示す断面図。
【図6】図5に示す鋳造装置の内部空間を最初に加熱する様子を示す断面図。
【図7】図6の次の工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0064】
1…上蓋
2…上部側壁部材
3…導入経路
4…溶湯経路部材
5…潤滑油経路部材
6…不活性ガス経路部材
7…鋳型
7a…鋳型内の空間
7b…下型部密閉用面
8…下型
9…移動機構
10…密閉用部材
11…経路
12…溶湯
13…加熱機構
14…二次冷却用ユニット
15…誘導加熱炉
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6