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Specification :(In Japanese)手術支援システム

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5569711
Publication number P2010-200869A
Date of registration Jul 4, 2014
Date of issue Aug 13, 2014
Date of publication of application Sep 16, 2010
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)手術支援システム
IPC (International Patent Classification) A61B  19/00        (2006.01)
FI (File Index) A61B 19/00 502
Number of claims or invention 4
Total pages 12
Application Number P2009-047462
Date of filing Mar 1, 2009
Date of request for substantive examination Jan 14, 2012
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504300181
【氏名又は名称】国立大学法人浜松医科大学
【識別番号】000112004
【氏名又は名称】パルステック工業株式会社
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】山本 清二
【氏名】高井 利久
【氏名】林本 悦一
【氏名】三浦 曜
Representative (In Japanese)【識別番号】100139963、【弁理士】、【氏名又は名称】神谷 直慈
Examiner (In Japanese)【審査官】村上 聡
Document or reference (In Japanese)特開2007-209531(JP,A)
国際公開第2008/093517(WO,A1)
特表平09-511430(JP,A)
特開2003-088508(JP,A)
特開平04-061848(JP,A)
米国特許出願公開第2008/0130361(US,A1)
特開2001-066355(JP,A)
Field of search A61B 19/00
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
患者の3次元表面形状を測定し、3次元表面形状データを取得する3次元表面形状スキャナと、前記3次元表面形状スキャナからのデータを処理する演算装置と、を有する手術支援システムであって、
前記演算装置には、予め3次元断層スキャナによる測定により取得された前記患者の3次元内部形状データが記憶されており、
前記演算装置は、前記3次元内部形状データのうち患者の移動や患者への手術器具挿入によって皮膚の表面形状が実質的に変化しない程度に骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータと、前記部位に対応する前記3次元表面形状データとにより、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行う手段を有している、手術支援システム。
【請求項2】
前記3次元表面形状データは前記3次元表面形状スキャナにより所定の時間間隔で随時取得され、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせ情報は随時更新される、請求項1記載の手術支援システム。
【請求項3】
前記演算装置は、前記3次元内部形状データから患者の移動や患者への手術器具挿入によって皮膚の表面形状が実質的に変化しない程度に骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータを抽出する手段と、前記3次元表面形状スキャナにより取得された3次元表面形状データから、前記抽出された3次元内部形状データに対応する3次元表面形状データをマッチングにより検出することにより座標変換係数を算出する手段と、前記算出した座標変換係数により前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行う手段とを有している、請求項1または2記載の手術支援システム。
【請求項4】
3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、3次元断層スキャナによる測定により取得された3次元内部形状データとの位置合わせをするプログラムであって、
前記3次元内部形状データのうち患者の移動や患者への手術器具挿入によって皮膚の表面形状が実質的に変化しない程度に骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータと、前記部位に対応する前記3次元表面形状データとにより、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行うステップを有する、位置合わせプログラム。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、3次元断層スキャナによる測定により取得された3次元内部形状データとの位置合わせ行う手段を有している手術支援システム、並びに、前記手術支援システムにおける位置合わせ方法および位置合わせプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、手術前にX線CT装置等で撮像された3次元断層画像と、体内に挿入される手術器具の先端位置等を示す画像とを合成して表示して、術者を支援する手術支援システムが知られている。2つの画像を合成するには、2つの画像の元となる座標データを同一の座標系のデータとするためのデータ処理が必要である。以後、2つの座標データを同一の座標系のデータにするデータ処理を、データの位置合わせ、と端的に表現する。例えば特許文献1および2には、本発明者らによる手術支援システムが記載されおり、3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、予め3次元断層スキャナによる測定により取得された3次元内部形状データ(3次元断層データ)とを位置合わせする技術が記載されている。また、3次元表面形状スキャナにより、手術器具に取り付けられた位置姿勢検出用の標識部を測定して、手術器具の位置姿勢を算出し、患者の3次元表面形状データと手術器具の先端位置の座標データとを位置合わせする技術も記載されている。これらの技術により、3次元内部形状データと手術器具の先端位置の座標データとを位置合わせすることができる。
【0003】
3次元断層像と体内に挿入される手術器具の特定位置を示す画像とを合成して表示することが記載された他の従来技術としては特許文献3および4が挙げられる。
特許文献3には、手術ナビゲーション装置において、使用中の硬性内視鏡の光軸方向を3次元断層画像上に表示する技術が記載されている。
特許文献4には、患者の体内に挿入される内視鏡挿入部の先端から患者体内の術部までの距離を測定する距離測定手段(スポット光照射による三角測量法や超音波センサ等)を有する内視鏡を用いて、内視鏡で観察している場所を決定し、術前CT/MRI像に表示する技術が記載されている。
上記特許文献3および4では、3次元表面形状スキャナにより患者の3次元表面形状データおよび内視鏡の位置姿勢を取得する代わりに、患者と内視鏡に発光素子などのマーカーを取り付け、これらのマーカーの座標を位置センサにより検出することを行っている。しかしながらこのシステムでは3次元断層画像の取得を患者にマーカーをつけたまま実施したり、患者に取り付けたマーカーと患者の顔面における特徴点との関係を取得する必要があるため、患者に不便を強いることになったり、システムが複雑になってしまう。また、患者につけたマーカーの位置が変化すると合成の精度も悪くなってしまう。よって特許文献1および2に示された3次元表面形状スキャナを用いた手術支援システムは簡便さ、精度のよさの点で優れていると言える。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2007-209531
【特許文献2】国際公開2008/093517
【特許文献3】特開2001-293006
【特許文献4】特開2001-204738
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2に示された3次元表面形状スキャナを用いた手術支援システムでは患者を固定していないため、手術中に患者の位置が刻一刻と変化する。したがって、3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、予め取得された3次元内部形状データ(3次元断層データ)との位置合わせはリアルタイム(所定の短い時間間隔)で行わなければならない。しかしながら皮膚は比較的柔らかく、手術器具の挿入による影響や重力による影響等により皮膚の表面形状が変化してしまった場合は、位置合わせの精度が悪くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、手術中に患者の位置に加えて患者の皮膚の表面形状が変化しても、3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと予め取得された3次元内部形状データとの位置合わせを比較的高速で精度良く行える手術支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
患者の3次元表面形状を測定し、3次元表面形状データを取得する3次元表面形状スキャナと、前記3次元表面形状スキャナからのデータを処理する演算装置と、を有する手術支援システムであって、
前記演算装置には、予め3次元断層スキャナによる測定により取得された前記患者の3次元内部形状データが記憶されており、
前記演算装置は、前記3次元内部形状データのうち骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータと、前記部位に対応する前記3次元表面形状データとにより、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行う手段を有する、手術支援システム。
3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、3次元断層スキャナによる測定により取得された3次元内部形状データとの位置合わせをする方法であって、
前記3次元内部形状データのうち骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータと、前記部位に対応する前記3次元表面形状データとにより、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行うステップを有する、位置合わせ方法。
3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、3次元断層スキャナによる測定により取得された3次元内部形状データとの位置合わせをするプログラムであって、
前記3次元内部形状データのうち骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータと、前記部位に対応する前記3次元表面形状データとにより、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行うステップを有する、位置合わせプログラム。
【0008】
上記構成により、手術中に患者の位置に加えて、患者の皮膚の表面形状が変化しても3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと、3次元断層スキャナによる測定により取得された3次元内部形状データとの位置合わせを、より高速に、より精度良く行うことができる。したがって、手術支援システムにおいて、より精度の高い手術ナビゲーションを行うことができる。
【0009】
本発明は、患者が動いたり、患者に手術器具を挿入しても、患者の頭蓋骨等の骨格はほとんど変化しないことに着目し、骨格にできるだけ近い皮膚表面部位における3次元内部形状データを抽出し、抽出した3次元内部形状データに対応する3次元表面形状データをマッチングにより検出することにより座標変換係数を算出し、この座標変換係数により、3次元表面形状データと3次元内部形状データとの位置合わせを行う。3次元内部形状データは、X線CTやMRI等の3次元断層スキャナにより測定されたデータを処理して患者の体内の3次元形状を表すデータにしたものであり、患者の3次元の内部構造及び表面形状の情報を有している。骨格に近い皮膚表面部位における3次元内部形状データを抽出する方法としては、3次元内部形状データのデータ処理により骨格と皮膚表面との距離が小さい部分を自動抽出して良いし、3次元内部形状データにより表示される患者の内部形状の画像をオペレータが見て、画像上で抽出する部分を設定することで3次元内部形状データを抽出しても良い。
位置合わせは、抽出された3次元内部形状データから得られる顔面形状と、3次元表面形状データから得られる顔面形状と、を片方のデータにおける顔面形状を座標軸の位置と向きを変化させることで動かしながらマッチングをして、双方のデータにおける顔面形状が最も一致するときの、座標軸の変化に相当する座標変換係数を算出し、算出した座標変換係数により3次元表面形状データまたは3次元内部形状データの座標変換を行うことにより行われる。
【0010】
本発明の位置合わせ技術は患者の皮膚の表面形状が変化しやすい手術中の更新位置合わせ(微小位置合わせ、座標ずれの補正)に好適に用いられるもので、手術前の初期位置合わせを行う場合は患者の表面全域の形状データを用いて位置合わせをしても良い。
【0011】
なお、本発明は、鼻孔から手術器具や内視鏡を挿入する手術の手術支援システムに好適に用いられるが、これに限られず、他の部位の手術支援システムに用いることもできる。例えば、関節部の手術支援システムにも用いることができる。頭部を対象とした手術や鼻孔から手術器具や内視鏡を挿入する手術であれば前記骨格としては頭蓋骨を用いることが好ましいが、他の部位の手術の場合はその部位に合わせた骨格を用いるようにすれば良い。また、3次元表面形状スキャナは、患者の表面形状を測定できるものであれば何でも良いが、例えば、キセノンライト等による格子縞を投影した位相シフト法による3次元表面形状スキャナを用いることができる。3次元断層スキャナは、患者の3次元内部形状データを取得できるものであれば何でも良く、例えば、X線CT装置、MRI、超音波診断装置などがを用いることができる。
【0012】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記3次元表面形状データは前記3次元表面形状スキャナにより所定の時間間隔で随時取得され、前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせ情報は随時更新される。
【0013】
3次元表面形状スキャナを用いた手術支援システムにおいては、3次元表面形状スキャナにより所定の時間間隔で随時、患者の3次元表面形状および手術器具等の3次元位置・姿勢が測定される。この3次元表面形状スキャナから送られてくる患者の3次元表面形状データと予め取得され記憶されている3次元内部形状データとの位置合わせを随時行うことにより、リアルタイムで体内に挿入される手術器具の先端位置等を3次元断層画像上に表示することができる手術ナビゲーションを行うことができる。なお、手術直前に、患者の3次元表面形状データと予め取得されている3次元内部形状データとにより初期位置合わせを行い、手術中は、患者の3次元表面形状データと予め抽出されている3次元内部形状データの一部(骨格と皮膚表面との距離が小さい部位)を用いて更新位置合わせを行うことにより更新位置合わせの際のデータ処理を高速化できるためリアルタイム性が向上する。
【0014】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記演算装置は、前記3次元内部形状データから骨格と皮膚表面との距離が小さい部位のデータを抽出する手段と、前記3次元表面形状スキャナにより取得された3次元表面形状データから、前記抽出された3次元内部形状データに対応する3次元表面形状データをマッチングにより検出することにより座標変換係数を算出する手段と、前記算出した座標変換係数により前記3次元内部形状データと前記3次元表面形状データとの位置合わせを行う手段とを有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記構成により、手術支援システムにおいて、手術中に患者の位置に加えて患者の皮膚の表面形状が変化しても、3次元表面形状スキャナによる測定により取得された3次元表面形状データと予め取得された3次元内部形状データとの位置合わせを比較的高速で精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る手術支援システムの概略図。
【図2】本発明の実施形態に係る手術支援システムのフローチャート。
【図3】変形しやすい部位の一例。
【図4】位置合わせに好適な部位の一例。
【図5】手術ナビゲーション画面の表示例1。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面とともに本発明に係る手術支援システムの好適な実施形態について説明する。

【0018】
図1は、本発明に係る手術支援システム1の実施形態を概略的に示す構成図である。手術支援システム1は、患者60に対する手術の際に、患者60の体内における手術器具の先端位置や、内視鏡観察部位などの情報を術者等に提供する装置である。本実施形態に係る手術支援システム1が用いられる手術は、例えば、耳鼻咽頭科における副鼻腔の内視鏡手術等である。

【0019】
図1に示すように、手術支援システム1は、硬性内視鏡等の手術器具11と、標識部12と、3次元表面形状スキャナ20と、X線CTやMRI等の3次元断層撮像装置(3次元内部形状スキャナ)30と、PC等の演算装置40と、モニタ等の表示装置50とを含んで構成されている。手術器具11は、術者により操作され、患者60の内部に挿入されるものである。

【0020】
標識部12は、手術器具11に対して予め定められた相対的な位置関係の位置に固定されて設けられる3つ以上の定点を定義可能な物体である。標識部12は、3次元表面形状スキャナ20によりスキャンされて、得られたデータから表面の複数点の3次元座標(3次元表面形状データ)を求められ、これらの複数点の3次元座標から球体中心座標が求められる。具体的には、標識部12は、手術器具11に対して支持部材13を介して固定される、それぞれ大きさが異なる球状の部材である。大きさが異なるようにしているのは、3次元表面形状スキャナ20により求められた表面の複数点の3次元座標(3次元表面形状データ)から球体の径を求め、それぞれを区別して球体中心座標を求めるためである。標識部12が手術器具11に設けられる位置は、患者60に挿入される部分から更に後方の、患者60に挿入されない位置である。なお、手術器具11に設けられる標識部12は、3次元表面形状スキャナ20により求められた表面の複数点の3次元座標(3次元表面形状データ)から3つ以上の定点座標を区別して求められるものであれば良いので、必ずしも本実施形態のような球状のものでなくてもよい。

【0021】
3次元表面形状スキャナ20は、患者60に手術器具11が差し込まれる手術の期間中、設定された時間間隔で随時、患者60の表面および標識部12を3次元スキャンして3次元表面形状データを算出する際の基となるデータを出力する装置である。図1に示すように、患者60の鼻の穴から手術器具11を挿入する場合には、患者60の顔面と標識部12とが撮像できるような位置に3次元表面形状スキャナ20が設けられる。3次元表面形状スキャナ20は、演算装置40と接続されており、スキャンして得られる3次元表面形状データを算出する際の基となるデータを演算装置40に送信する。

【0022】
3次元表面形状スキャナ20から送信される3次元表面形状データを算出する際の基となるデータは演算装置40にて処理され、スキャンされたものの表面の複数点の3次元座標(3次元表面形状データ)が算出される。3次元表面形状スキャナ20としては、例えば、特開2003-254732号公報に記載された位相シフト法による装置を用いることができる。これは、測定対象物に格子模様を投影し、その格子模様を移動しながら反射光を受光することにより3次元スキャンする方法である。格子模様の投影には例えばキセノンライトから発せられる自然太陽光に似た白色光を用いれば、測定対象物に対する光の影響を殆どないようにすることができる。

【0023】
なお、位相シフト法による3次元表面形状スキャナであるパルステック工業(株)製のFscanを用いれば、1秒の計測時間で、90±10cmの距離から測定対象物の3次元表面形状の測定が可能となる。また、測定対象物の3次元表面形状を測定すると共に、測定対象物を撮影することで色情報も取得することができる。即ち、1秒でカラー画像により表面形状を表示するためのデータを取得することができる。また、測定して取得された3次元表面形状データをデータ処理し、測定対象物の所定部分の長さ(例えば球体の径)を算出した場合、測定精度は0.1~0.6mmであり、測定対象物の所定部分の長さが少し異なっていれば、測定対象物を区別することができる。また、格子模様の投影に使用される光は曇りの日中(屋外)の約28%の照度の白色光であり、レーザ等を使うことがないため安全に人体の3次元表面形状データを取得できる。

【0024】
3次元断層撮像装置30は、手術器具11が挿入される患者60の3次元内部形状データ(3次元断層データ)を取得するものである。3次元断層撮像装置30は、患者の3次元内部形状データ(3次元断層データ)を取得できるものであれば何でもよく、X線CT、MRI、超音波、PETなどの既存の装置が用いられ得る。3次元断層撮像装置30で取得された3次元内部形状データは、演算装置40に取り込まれる。なお、3次元断層撮像装置30は、3次元表面形状スキャナ20および演算装置40と同じ場所に設置されている必要はなく、通常、3次元表面形状スキャナ20による3次元スキャンと、3次元断層撮像装置30による3次元内部形状データの取得とは別々に行われる。なお、3次元断
層撮像装置30により取得されるCT画像のような2次元断層画像データから3次元形状を示す情報を構成する方法には、例えば特開2005-278992号公報に記載の方法を用いることができる。

【0025】
演算装置40は、3次元表面形状スキャナ20によりスキャンされて取得された3次元表面形状データの基となるデータおよび3次元断層撮像装置30により取得された患者60の3次元内部形状データを取り込んで、これらの情報に対して情報処理を行う装置である。演算装置40は、例えばPC(Personal Computer)等により構成される。演算装置40は、予め3次元断層撮像装置30により測定され記憶されている3次元内部形状データと、3次元表面形状スキャナ20によりリアルタイム(所定の時間間隔)で計測される3次元表面形状データとの位置合わせを3次元表面形状データが入力するごとに行う。この位置合わせは、2つのデータを同一座標系のデータにするための座標変換係数を算出してこの座標変換係数によりデータの座標変換を行うことであるが、この座標変換係数は、入力した3次元表面形状データから、記憶されている抽出された3次元内部形状データに対応する3次元表面形状データをマッチングにより検出することにより算出される。この形状データのマッチングによる座標変換係数の算出の具体的な演算アルゴリズムは、従来技術である国際公開2008/093517や特開2007-209531等に記載されている。位置合わせされた結果に基づいて、患者の内部形状データ、表面形状データ、手術器具の位置姿勢データ、硬性内視鏡の光軸データなどから作成される、特に患者の内部形状を示す画像に手術器具の先端や硬性内視鏡の観察部位を示したナビゲーション画像を表示装置50に表示することにより、手術ナビゲーションを行う。

【0026】
次に、手術支援システム1の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。この動作は、例えば、患者60に対する手術の際に手術器具11を挿入して手術等を行うときの動作である。この説明においては、手術前の処理と手術時の処理とに分けて説明する。

【0027】
まず手術前に、3次元断層撮像装置30を用いた、患者60に対する術前CTスキャン撮影が行われる(S01)。この術前CTスキャン撮影は、手術器具11が挿入される患者60の部位を含む領域に対して行われる。これにより、患者60の表面である顔面と、手術器具11が挿入される患者60の3次元内部形状データが取得される。3次元断層撮像装置30によりCTスキャン撮影が行われ取得された患者60の3次元内部形状データは演算装置40に取り込まれ、演算装置40内の記憶手段に格納される。そして自動またはオペレータによる設定により、骨格と皮膚表面との距離が小さい部分の3次元内部形状データが抽出され、記憶手段の別の箇所に格納される(S02)。ここまでが手術前の処理であり、例えば、手術の前日等に行われる。

【0028】
ここで、骨格と皮膚表面との距離が小さい部位の3次元内部形状データについて説明する。顔面においては、特に図3に示されるように、鼻部分61や眼球部分62は骨格と皮膚表面との距離が大きく、患者60の移動による重力の影響や手術器具11の挿入による影響を受けやすいので、この部分を除いた顔面の一部または全部を用いて位置合わせを行うと良い。図4に、骨格と皮膚表面との距離が小さい部位の好適な例を示す。眼球周辺の頬骨や額の部分は、骨格(頭蓋骨)と皮膚表面との距離が小さく、患者の移動や手術器具の挿入による変形の影響が小さいため、位置合わせに使用する座標変換係数の計算に好適な部位である。なお、術中に、患者にシートを被せている場合には、シートで覆われた部分は3次元表面形状データが取得できないので、図4に示す部分のうちシートで覆われない部分を用いる。

【0029】
続いて、手術時の処理を説明する。まず、患者60を手術室に入室させて、図1に示すように、手術器具11を鼻の穴から挿入できるように手術台70の上に仰向けに配置する。患者60を配置した後、手術器具11を挿入する前に、3次元表面形状スキャナ20によって、配置された患者60がスキャンされる(S03)。スキャンにより得られたデータは、3次元表面形状スキャナ20から演算装置40に送信されて、演算装置40において患者60の3次元表面形状データが算出される。

【0030】
続いて、記憶されている3次元内部形状データと、スキャンされた3次元表面形状データとの初期位置合わせが行われる(S05)。この初期位置合わせは手術前に行われるものであり、最初の位置合わせであるので、患者の顔面全域の3次元内部形状データ(特に、鼻などの形状に特徴のある部分の形状データ)と3次元表面形状データを用いて位置合わせを行う。位置合わせの方法は、3次元内部形状データから得られる顔面形状と3次元表面形状データから得られる顔面形状とをマッチングをして座標変換係数を算出することにより行うものであり、例えば国際公開2008/093517や特開2007-209531等に記載されているのでここでは詳しい説明は省略する。なお、十分に位置合わせの精度を確保できるなら、後述の更新位置合わせと同様に、骨格と皮膚表面との距離が小さい(皮膚の薄い)部位の3次元内部形状データにより初期位置合わせを行っても良い。

【0031】
続いて、手術が開始され、術者によって、手術器具11が患者60に挿入される。手術器具11が患者60に挿入されてから以降継続して、3次元表面形状スキャナ20によって、患者60および標識部12がスキャンされる(S06)。スキャンにより得られたデータは、3次元表面形状スキャナ20から演算装置40に送信されて、演算装置40において3次元表面形状データが算出される(S07)。

【0032】
続いて、S07で求められた3次元表面形状データと、予め記憶されている3次元内部形状データとの更新位置合わせを行う(S08)。S05の初期位置合わせで既に位置合わせは行われているが、手術中に患者の位置が変化するため、S08の更新位置合わせによりデータの位置合わせに用いる座標変換係数を再度計算し、最新の座標変換係数によりデータの位置合わせを行う。この更新位置合わせにおいては、S07で求められた3次元表面形状データから、既に抽出されて記憶されている骨格と皮膚表面との距離が小さい部分の3次元内部形状データに対応する3次元表面形状データをマッチングにより検出することで座標変換係数が計算され、計算された座標変換係数でデータの位置合わせが行われる。患者が動いたり、患者に手術器具を挿入しても、骨格はほとんど変化せず、骨格と皮膚表面との距離が小さい部分も表面形状はほとんど変化しないため、このように計算された座標変換係数を用いればデータの位置合わせを精度がよく行うことができる。また、抽出されて記憶されている3次元内部形状データは3次元内部形状データの一部のデータであるため、マッチングにおけるデータ処理を高速で行うことができ、データの位置合わせを高速で行うことができる。なお、このデータの位置合わせは、3次元表面形状データと3次元内部形状データに加えて、手術器具11の先端座標や手術器具11が硬性内視鏡である場合の光軸位置データについても行われる。

【0033】
続いて、位置合わせされた情報に基づいて、ナビゲーション情報を作成する(S09)。ナビゲーション情報は、図5に示すように、患者の内部形状を示す画像に手術器具11の先端等を示したナビゲーション画像である。また、手術器具11が硬性内視鏡の場合の患者の内部形状を示す画像に硬性内視鏡の観察部位等を示したナビゲーション画像などである。作成されたナビゲーション情報や内視鏡画像などが、表示装置50に表示される(S10)。表示装置50への表示例を図5に示す。
S06~S10は、手術中に所定の短い時間間隔で繰り返し行われ、リアルタイムに位置合わせ及びナビゲーション情報の表示装置50への表示が行われる。

【0034】
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において各種の変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0035】
1:手術支援システム、 11:手術器具(硬性内視鏡)、 12:標識球、 13:支持部材、 20:3次元表面形状スキャナ、 30:3次元断層撮像装置、 40:演算装置、 50:表示装置、 60:患者、 61:鼻部分、 62:眼球部分、 70:手術台
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図4】
2
(In Japanese)【図3】
3
(In Japanese)【図5】
4