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Specification :(In Japanese)細胞検査用バイオアッセイ用キット

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5544474
Publication number P2011-122953A
Date of registration May 23, 2014
Date of issue Jul 9, 2014
Date of publication of application Jun 23, 2011
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)細胞検査用バイオアッセイ用キット
IPC (International Patent Classification) G01N  27/28        (2006.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
C12M   3/04        (2006.01)
G01N  27/327       (2006.01)
G01N  27/416       (2006.01)
FI (File Index) G01N 27/28 P
C12Q 1/02
C12M 3/04 A
G01N 27/30 351
G01N 27/46 341M
Number of claims or invention 15
Total pages 18
Application Number P2009-281158
Date of filing Dec 11, 2009
Date of request for substantive examination Oct 5, 2012
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】西澤 松彦
【氏名】神崎 展
【氏名】長峯 邦明
Examiner (In Japanese)【審査官】柏木 一浩
Document or reference (In Japanese)特開平08-062209(JP,A)
国際公開第97/027318(WO,A1)
特開平06-296595(JP,A)
特開平06-078889(JP,A)
特表2007-532103(JP,A)
特開2011-030574(JP,A)
特開2008-118900(JP,A)
Field of search G01N 27/28
C12M 3/04
C12Q 1/02
G01N 27/327
G01N 27/416
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシート及び細胞局所刺激計測用デバイスを含む細胞バイオアッセイ用キットであって、該ゲルシートは該デバイス上に配置され、細胞が培養されている該表面領域が該デバイスと接していることを特徴とする、前記キット。
【請求項2】
細胞が筋細胞である、請求項1記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項3】
筋細胞が筋芽細胞株から分化した筋管細胞である、請求項2記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項4】
筋細胞による任意のパターンが略平行する複数のラインパターンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項5】
ゲルシートがフィブリンゲルシートである、請求項1~4のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項6】
細胞局所刺激計測用デバイスが微小電極アレイ基板である、請求項1~5のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項7】
細胞局所刺激計測用デバイスが微小電極アレイを有するマルチウェル電極アレイチップである、請求項6記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項8】
細胞局所刺激計測用デバイスがセンサが配列されたチップである、請求項1~5のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項9】
センサが酸素センサ又はグルコースセンサを含む、請求項8記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項10】
ゲルシートが表面領域に任意のパターンで夫々異なる複数の種類の細胞が培養された複数のゲルシートが積層されたものである、請求項1~9のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項11】
表面領域に任意のパターンで神経細胞及び筋細胞がそれぞれ培養されて成る複数のゲルシートを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
【請求項12】
請求項1~11記載の細胞バイオアッセイ用キット及び刺激発生装置及び計測装置を含むバイオアッセイ系。
【請求項13】
刺激発生装置が電気パルス発生装置である、請求項12記載のバイオアッセイ系。
【請求項14】
表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシートを微小電極アレイ基板又はマルチウェル電極アレイチップ上に貼り付け、刺激発生装置を用いて複数のラインパターン中の任意の箇所へ選択的に電気刺激し、計測装置により細胞応答を計測することを含む、細胞検査方法。
【請求項15】
細胞局所刺激計測用デバイスを含む細胞バイオアッセイ用キットに用いる表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシートの製造方法であって、基板上で任意のパターンで培養された細胞をゲルシートの表面に移し取ることを含む、前記製造方法。

Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の任意個所での電気刺激及び/又は計測及び計測方法の選択を任意且つ連続的に行うことが可能な細胞バイオアッセイ用キット等に関する。この細胞バイオアッセイ用キットは細胞の各種機能、特に、電気生理学的機能の解明及び/又は細胞に対する薬剤効果の評価を目的とするような各種の細胞検査方法の実施に使用することが出来る。
【背景技術】
【0002】
製薬、医療、及び食品等の分野において、生体を模した培養細胞アッセイ系(バイオアッセイ系)は動物実験に代わる簡便かつ低コストな薬効・毒性試験法として注目されており、研究開発が活発化している。更に、最近、人工多能性幹細胞(iPS 細胞)の登場により、バイオアッセイ系の開発が一層加速し始めた。患者から樹立したiPS細胞は患者の病態をin vitroで再現可能であり、将来、各患者に合った薬剤のスクリーニングへのiPS細胞を用いたバイオアッセイ系の応用が期待されている。
【0003】
このような培養細胞を用いたバイオアッセイ系の構築には、生体内類似の機能や構造を維持した細胞組織のin vitro培養法及び適切な細胞機能計測技術の開発が求められる。
特に、薬剤の作用部位に応じ細胞への刺激及び/又は活性計測個所及び計測手法を任意に選択し、薬剤効果を部位選択的かつ複合的に解析可能なアッセイ系は有効である。そのためには、活性を保持した細胞が任意形状にデバイス上にパターン化されること、更には、刺激電極及び計測センサも細胞パターンに合わせて任意に配置されることが望まれる。
【0004】
これまでに、電極アレイ基板上で培養した細胞パターンに対する局所刺激箇所とその機能を対応付けた評価を目的として、刺激用電極や機能計測用センサアレイなどを配置したデバイス上で筋管細胞(非特許文献1)、心筋細胞(非特許文献2)、又は神経細胞(非特許文献3)をパターン培養する取り組みがなされている。
【0005】
微小電極を細胞パターンの局所へ近接させて行う局所電気刺激・計測法(非特許文献4)も開発されている。
【0006】
一方、細胞接着性領域をパターン修飾したアクリルアミドゲル上で筋管細胞を培養した例(非特許文献5)があるが、収縮弛緩制御は試みられていない。
【0007】
又、特許文献1には、実質的にゲルに包埋された細胞パターンにおいて細胞の増殖、運動及び分化からなる群から選択される少なくとも1つに関連する生物学的指標を試験することを特徴とする生物学的試験法、並びにそのためのキットに関する発明が記載されており、上記細胞パターンを、細胞パターンを形成可能な培養表面を有する培養器具上で細胞培養を行い、培養後に培養表面にゲルを被覆することにより形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2008-118900号公報
【0009】

【非特許文献1】Biotechnology in Progress, Vol.23, 265-268 (2007)
【非特許文献2】Lab on a Chip, Vol.6, 1424-1431 (2006)
【非特許文献3】Biosensors and Bioelectronics, Vol.21, 1093-1100 (2006)
【非特許文献4】JSME Int. J. Ser. C, Vol.76, 532-534 (2008)
【非特許文献5】The Journal of Cell Biology, Vol.166, 877-887 (2004)
【非特許文献6】FEBS Letters, Vol.579, 2469-2474 (2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
培養細胞を電気的に刺激し、それに伴う活性変化などを計測する細胞アッセイは神経系・筋系細胞等を中心にその電気生理学的機能解明に必須である。特に、パターン状に培養した細胞(細胞パターン)の局所に対する刺激及び/又は計測は部位特異的な細胞機能評価に有効である。
【0011】
しかしながら、上記のような従来の電極アレイ基板上で培養した細胞パターンに対する局所刺激・活性計測法においては、デバイス上では培養自体が難しく、また刺激・計測箇所は細胞パターン後に変更できないため細胞の増殖・分化状況及び構造に応じた刺激・計測個所の任意選択が不可能であった。更に、パターン細胞はデバイス上での使用に限定されるために他の評価法を利用した複合的な機能評価は困難であった。
【0012】
又、微小電極を細胞パターンの局所へ近接させて行う局所電気刺激・計測法においては、細胞から一定距離にプローブを設置して細胞と電極の位置を合わせるのが困難であり、かつそのシステム全体が煩雑であって再現性が得られない、という問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は上記課題を解決すべく、筋管細胞をモデルとして用いた研究の結果、基板上で培養した筋管細胞をゲルシートの表面に写し取り作製した筋管細胞ゲルシートを微小電極アレイ基板等の細胞局所刺激計測用デバイス上に任意に配置・再配置することにより局所電気刺激及び/又は計測個所の任意選択の連続操作が可能となることを見出した。また、ゲルシート培養法は基板上に接着した状態で行う従来の培養法と比較し筋管細胞の長期的な収縮弛緩運動の観測・評価を可能とし、デバイス上での利用に最適な培養系であることが示された。更に、筋管細胞と神経細胞のゲルシートを張り合わせるという簡便な操作で神経‐筋共培養系のin-vitro構築に成功し、局所刺激・計測デバイスと組み合わせることで神経‐筋相互作用の部位選択的かつ定量的な評価が可能となることが示された。本発明はこのような知見に基づき完成したものである。
【0014】
即ち、本発明は以下に示す各態様に係るものである。
[態様1]
表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシート及び細胞局所刺激計測用デバイスを含む、細胞バイオアッセイ用キット。
[態様2]
細胞が筋細胞である、態様1又は2記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様3]
筋細胞が筋芽細胞株から分化した筋菅細胞である、態様2記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様4]
筋細胞による任意のパターンが略平行する複数のラインパターンである、態様1~3のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様5]
表面領域に任意のパターンで筋細胞が培養されて成るゲルシートが基板上で任意のパターンで培養された筋細胞をゲルシートの表面に移し取ることによって作製されたものである、態様1~4のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様6]
ゲルシートがフィブリンゲルシートである、態様1~5のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様7]
細胞局所刺激計測用デバイスが微小電極アレイ基板である、態様1~6のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様8]
細胞局所刺激計測用デバイスが微小電極アレイを有するマルチウェル電極アレイチップである、態様7記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様9]
細胞局所刺激計測用デバイスがセンサが配列されたチップである、態様1~6のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様10]
センサが酸素センサ又はグルコースセンサを含む、態様9記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様11]
ゲルシートが表面領域に任意のパターンで夫々異なる複数の種類の細胞が培養された複数のゲルシートが積層されたものである、態様1~10のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様12]
表面領域に任意のパターンで神経細胞及び筋細胞がそれぞれ培養されて成る複数のゲルシートを含む、態様1~11のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様13]
表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシートが細胞局所刺激計測用デバイス上に配置させて成る、態様1~12のいずれか一項に記載の細胞バイオアッセイ用キット。
[態様14]
態様1~13記載の細胞バイオアッセイ用キット及び刺激発生装置及び計測装置を含むバイオアッセイ系。
[態様15]
刺激発生装置が電気パルス発生装置である、態様14記載のバイオアッセイ系。
[態様16]
態様15記載のバイオアッセイ系による細胞検査方法。
[態様17]
表面領域に任意のパターンで筋細胞が培養されて成るゲルシートを微小電極アレイ基板又はマルチウェル電極アレイチップ上に貼り付け、複数のラインパターン中に任意のものを選択的に電気刺激することを含む、態様16記載の細胞検査方法。
[態様18]
細胞検査が電気生理学的機能の解明及び/又は薬剤効果の評価を目的とするものである、態様17記載の方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の細胞検査用キットでは、ゲルシート及び細胞局所刺激計測用デバイスの相互の配置・再配置が可能である為に、従来技術では困難であった任意個所での刺激及び/又は計測及び計測方法の選択を任意且つ連続的に行うことが可能となる。このように細胞パターンの任意箇所の刺激が可能な細胞アッセイ系は、非常に良質な比較物を隣接させることが出来るため精度の高い評価を可能とする。
【0016】
又、培養細胞パターンはゲルシート表面領域に保持されているため、デバイス外の最適な条件下で培養した後にデバイス上に配置させることで高活性の細胞パターンを刺激・計測することが可能となる。
【0017】
更に、細胞パターンへの細胞ゲルシートとデバイスの位置合わせは、例えば、顕微鏡観察下で、正確かつ容易に実施することが可能である。このように、細胞パターンとデバイスは分離可能な為に、刺激計測の前・途中・後の何れにおいても別種の計測や評価をすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ガラス基板上でのMPCポリマーパターンの作成の様子を示す。
【図2】MPC ポリマーパターン基板を用いた筋管細胞のパターン培養の様子を示す。
【図3】MPCポリマーライン幅と筋管細胞の配向性の関係を示す写真である。
【図4】筋管細胞ラインパターンのフィブリンゲルへの転写の様子を示す。
【図5】フィブリンゲルへの転写前のガラス基板上(a)及びフィブリンゲルへの転写後(b)の筋管細胞ラインパターンの蛍光イメージを示す写真である。
【図6】電圧パルス印加による収縮運動能の発現誘導に関する実験の概要を示す。
【図7】筋管細胞の収縮変異量の算出手順を示す。
【図8】筋管細胞/フィブリンゲルシートへの電圧パルスの持続印加に伴う収縮変移量の時間変化を示すグラフである。
【図9】筋管細胞ゲルシートへの長期的な電圧パルス持続印加に伴う収縮変移量の時間変化を示す。
【図10】微小電極アレイ基板の顕微鏡写真を示す。
【図11】微小電極アレイ基板への筋管細胞ゲルシートの配置・再配置、及び、選択的電気刺激の様子を示す。
【図12】微小電極アレイへ配置したゲルシート内筋管細胞ラインパターンの顕微鏡写真を示す。
【図13】細胞ゲルシートの積層による共培養系構築の概要を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の細胞バイオアッセイ用キットは、その構成要素として、表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシート及び細胞局所刺激計測用デバイスを含むものである。

【0020】
細胞の種類には特に制限はなく、例えば、平滑筋細胞、心筋細胞、C2C12筋芽細胞のような培養細胞株若しくはこれら細胞株から培養して分化した筋管細胞などの筋細胞、及び神経細胞などを挙げることが出来る。

【0021】
本明細書において、「ゲルシートの表面領域」とは、少なくともゲルの表面を含み、表面から比較的浅いゲルの内部も有する三次元の領域を意味し、細胞及びゲルシートの構成成分、培養条件等にもよるが、通常、ゲルシートの表面から50~100μm程度の深さまでの領域である。

【0022】
ゲルシートの表面領域に培養細胞により形成される任意のパターンの模様・形状・大きさ等に特に制約はなく、細胞局所刺激計測用デバイスの種類・構造、該細胞バイオアッセイ用キットを用いる細胞検査方法の目的等に応じて、適宜、選択することが出来る。例えば、細胞局所刺激計測用デバイスとして微小電極アレイ基板を用いる場合には、細胞パターンとして、微小電極アレイ基板の電極の大きさ及び距離等に対応した、略平行する複数のラインパターン(各ラインの幅は、例えば、数十~数百μm)及びドットパターン等の中から任意の組み合わせを適宜選択することが出来る。

【0023】
このようなゲルシートは、当業者に公知の任意の方法で作製することが可能である。例えば、基板上で任意のパターンで培養された細胞をゲルシートの表面に移し取ることによって、表面領域に任意のパターンで該細胞が培養されて成るゲルシートを作製することが出来る。

【0024】
即ち、ガラス、金属、及び合成高分子等の適当な基板上に、2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholineポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の適当な細胞非接着性物質(細胞接着阻害物質)を塗付することによって細胞非接触領域を設け、該基板の表面露出部からなるパターン上で細胞を適当な条件下で一定期間培養することによって基板上に細胞パターンを形成させ、その後、該基板上にゲルシートを形成し、適当時間をかけて基板上の細胞をゲルシートの表面に接着させ、その結果、基板上に形成された細胞パターンをゲルシートの表面に移し取ることが出来る。

【0025】
本発明でゲルシートとして使用できるものには、その表面又は内部で細胞が増殖・分化・運動等の細胞機能を発揮できるようなものである限り、その構成成分・原料等に特に制限はない。その一例として、フィブリノーゲンをゲル化することによって得られるフィブリンゲルシート、コラーゲンゲルシート、Matrigel(商標)シート、及びPuraMatrix(商標)シート等を挙げることが出来る。

【0026】
ゲルシート自体の大きさ・形状・厚みも細胞局所刺激計測用デバイスの種類・構造、該細胞バイオアッセイ用キットを用いる細胞検査方法の目的等に応じて、適宜、選択することが出来る。通常、ゲルシート自体は縦・横が1 cm、厚さ:2 mm程度である。更に、培養細胞パターンは、通常、縦・横が5 mm程度のゲルシートの表面領域に形成されている。

【0027】
尚、表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシートは、適当な培養液を含む状態で包装して、液体窒素等で凍結保存することも可能である。

【0028】
本発明の細胞バイオアッセイ用キットに含まれる細胞局所刺激計測用デバイスは細胞に局所的刺激を与えるための手段及び/又は該刺激に対する細胞の応答を計測するための手段を含むデバイスであって、該キットを用いる本発明の細胞検査方法の目的等に応じて、当業者に公知の任意の構成をとることが可能である。ここで「刺激」とは、例えば、電気的刺激、化学物質による刺激及び伸展刺激のように、細胞の各種性質、特性及び/又は機能等に影響を与え得るような細胞外からの物理的、化学的又は機械的な刺激全般を意味する。従って、電気的刺激を細胞の局所に与える場合には、例えば、微小電極アレイ基板、微小電極アレイを有するマルチウェル電極アレイチップが挙げられる。更に、刺激に伴う細胞活性を計測する目的のため,例えば各種センサ(酸素センサ、グルコースセンサ等)を該デバイスであるチップ上に配列させることも出来る。

【0029】
このような細胞局所刺激計測用デバイスは当業者に公知の任意の方法で作製することが出来る。例えば、微小電極アレイ基板は、一般的な半導体デバイス作製技術(フォトリソグラフィ法、スパッタリング蒸着法,及びリフトオフ法)を用いて作製することが出来る。

【0030】
更に、本発明の細胞バイオアッセイ用キットは、表面領域に任意のパターンで夫々異なる複数の種類の細胞が培養された複数のゲルシートを含むことが出来る。このようにして作製したある種類の細胞が表面領域に任意のパターンで培養されて成るゲルシートを別の細胞が表面領域に任意のパターンで培養されて成るゲルシートに積層することによって異種細胞の共培養系を簡便に構築することが出来る。

【0031】
以上のようにして作製された表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシートを、細胞局所刺激計測用デバイス上に配置・再配置させることで、高活性を保持した細胞パターンに対する刺激及び/又は計測箇所、並びに計測方法を任意に選択することができる細胞バイオアッセイ用キットが構成される。このように細胞パターンの任意箇所の刺激可能な本発明の細胞バイオアッセイキットは、非常に良質な比較物を隣接させることが出来、精度の高い評価を実施することが可能となる。

【0032】
例えば、神経細胞及び筋細胞が表面領域に任意のパターンで培養されて成る夫々のゲルシートを積層して細胞局所刺激計測用デバイス上に配置・再配置させることによって、細胞局所刺激計測用デバイス上で神経・筋細胞共培養系を構築することが出来、このような細胞バイオアッセイ用キットを用いることによって、神経・筋接合を介した筋管細胞の機能制御、例えば、グルコース代謝制御等を検査・評価することが出来る。

【0033】
本発明の細胞バイオアッセイ用キットは、例えば、当業者に公知の任意の適当な電気パルス発生装置等の刺激発生装置及び/又は顕微鏡及びカメラ等の適当な計測装置と適宜組み合わせることによってバイオアッセイ系を構成することが出来る。尚、本発明の細胞バイオアッセイ用キット及びバイオアッセイ系は、上記の各要素に加えて、その使用目的等に応じて、適宜、必要なその他の物質・器具・装置類を含むことが出来る。

【0034】
こうして構成されたバイオアッセイ系によって、例えば、細胞の各種性質、特性及び/又は機能(例えば、運動、増殖、及び、分化)等、特に、筋細胞の電気生理学的機能の解明及び/又は筋細胞に対する薬剤効果の評価を目的とするような各種の細胞検査方法を実施することが出来る。

【0035】
具体的には、例えば、表面領域に任意のパターンで細胞が培養されて成るゲルシートを微小電極アレイ基板等の細胞局所刺激計測用デバイス上に貼り付け、細胞パターン中の任意個所へ電気等で選択的に刺激し、その時の細胞応答を計測することを含むような方法を挙げることが出来る。

【0036】
以下に実施例を参照して本発明を具体的に説明するが、これらは単に本発明の説明のために提供されているものである。従って、これらの実施例は、本願で開示する発明の範囲を限定し、又は制限するものではない。本発明では、特許請求の範囲の請求項に記載された技術的思想に基づく様々な実施形態が可能であることは当業者には容易に理解される。
【実施例1】
【0037】
筋管細胞ラインパターンを転写したフィブリンゲルシートの作製
(1)細胞パターニングに用いるMPC ポリマパターンガラス基板作製(図1)
細胞非接着性ポリマである2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine (MPC)ポリマーパターンの作製は、過去に実施例が報告されているマイクロモールド法により行った(Kaji H, Kawashima T, Nishizawa M. 2006. Patterning cellular motility using an electrochemical technique and a geometrically confined environment. Langmuir 22(25):10784-10787. )。まず、poly(dimethylsiloxane) (PDMS)からなる流路をスライドガラス表面に貼付けた。1% wt MPCポリマを含むエタノール溶液を流路チャネルに導入し、室温で1晩エタノール溶媒を蒸発させることでガラス基板上にMPCポリマを固定化した。その後PDMSを剥がし、細胞接着領域となるガラス表面がライン形状に露出されたMPCポリマパターニングガラス基板を得た。最後に、基板にUVを15分照射し滅菌処理を施した。
【実施例1】
【0038】
(2)MPC ポリマーパターン基板を用いた筋管細胞のパターン培養(図2)
1x105 cells/ mL 濃度のC2C12 筋芽細胞をMPC ポリマーパターニング基板上に播種し、37℃,5% CO2 環境下10 分間静置し、細胞をガラス表面露出部に接着させた。余分な細胞を洗い流した後、C2C12 筋芽細胞がガラス表面露出領域内でコンフルエントとなるまでダルベッコ改変イーグル培地+10 % 牛胎児血清を用い37℃,5% CO2 環境下で培養した(約1週間)。その後、ダルベッコ改変イーグル培地+2 % 牛血清+1 nM インスリンに培地を置換し、筋管細胞へと分化させた(約1 週間)。栄養源の供給及び老廃物除去の目的から、培地交換は分化前は1日おき、分化誘導後は毎日行った。以上の操作により基板上にライン形状の筋管細胞パターンを作製した。
【実施例1】
【0039】
図3(A)にMPC ポリマラインパターニング基板(ライン幅800 μm)で形成した筋管細胞の位相差顕微鏡写真を示す。写真の白点線はMPC ポリマとガラス露出部の境界線であり、点線で囲まれたラインの中で繊維状に見えるのが筋管細胞である。筋管細胞は約2週間の培養期間中、MPC ポリマで囲まれたガラス領域からはみ出ることなくライン形状を維持した。図3(B)-(D)は個々の筋管細胞を蛍光色素Cell Tracker Green で染めた後の蛍光イメージであり、それぞれライン幅が 800 μm(B),250 μm(C),及び100 μm(D)のパターンである。
【実施例1】
【0040】
MPC ラインに対する筋管細胞の配向角はライン幅の減少とともに減少し、幅800 μmでは12.6±4.7°,250 μm、100 μmではそれぞれ3.1±2.6°, 3.6±3.4°となった(0°に近づくほど筋管細胞がMPC ライン方向に沿って並んでいることを表す)。以上より、MPC ポリマパターン幅を狭くすることでより配向性の高い筋管細胞ラインパターンを形成可能であることが示された。
【実施例1】
【0041】
(3)筋管細胞ラインパターンのフィブリンゲルへの転写(図4)
筋管細胞パターン基板表面にフィブリノーゲン混合溶液を塗布し、37℃、5% CO2 環境下4 時間静置しフィブリノーゲンのゲル化及びゲルへの筋管細胞パターンの接着を促した。その後、丁寧にゲルを基板から剥離し、筋管細胞パターンが転写されたフィブリンゲルシート(フィブリノーゲンがゲル化したものの名称)を得た.フィブリノーゲン混合溶液の組成は15 mg/mL フィブリノーゲン,0.5 mg/mL アプロチニン、10 U/mL トロンビンを含むダルベッコ改変イーグル培地+2 % 牛血清+2% MEM アミノ酸,1% MEM 非必須アミノ酸である。
【実施例1】
【0042】
図5A にフィブリンゲルへの転写前のガラス基板上(a)及びフィブリンゲルへの転写後(b)の筋管細胞ラインパターンの蛍光イメージを示す。基板からゲルへの細胞の転写効率はライン幅に関係なくほぼ100%%であった(幅100μm から800μm の範囲で評価)。このような筋管細胞のゲルへの転写はガラス基板と比較しフィブリンゲルへの細胞の接着力が強いために起こる現象と考えられる。図5A から分かるように、転写された筋管細胞はガラス基板上での形状、位置、配向性を正確に維持していた。図5B にフィブリノーゲン混合溶液のゲル化直後及びゲル化4 時間後のゲルシート断面の蛍光イメージを示す。白く見える領域が筋管細胞ラインパターンの断面、白点線はガラス基板表面を表す。ゲル化直後、ゲル化4時間後で筋管細胞の位置はほとんど変化していないことから、筋管細胞パターンはゲルの表面に転写されていることが確認できた。
【実施例2】
【0043】
電気パルス印加による筋管細胞の収縮運動能誘導と収縮変移量計測
ゲルに転写した筋管細胞への電気刺激印加は、電圧パルス発生装置に接続した電極チャンバを用いて行った(図6)。電極チャンバはプラスティックシャーレ及びその両端に60mm 離して配置された2 枚の平板炭素電極から構成される.電極チャンバ内に筋管細胞ゲルシートを配置し、37℃,5% CO2 環境下、電圧パルス(パルス電圧, 0.7 V/mm; パルス幅,2.0 ms; 周波数, 1.0 Hz)を持続して印加することで筋管細胞の収縮運動能を誘導した。筋管細胞の収縮変移量は収縮運動時の動画を撮影・保存し、筋管細胞パターン上の特徴的構造を表す輝度の軌跡をμm 単位に変換することで評価した(図7)。筋管細胞の観察には共焦点顕微鏡を用い、その観察画像をデジタルCCD カメラで撮影しパソコン上で保存処理した。動画表示・解析ソフトはMetaMorph software (ver. 7.1.7.0)を用い、変異量解析にはフリーソフトのImageJ を用いた。
【実施例2】
【0044】
図8A に、筋管細胞/フィブリンゲルシート(ライン幅250 μm)への電圧パルスの持続印加(パルス電圧, 0.7 V/mm; パルス幅, 2.0 ms; 周波数, 1.0 Hz)に伴う収縮変移量の時間変化を示す。刺激印加1時間後に筋管細胞の収縮運動が観察され、その後、時間とともに収縮変移量が徐々に増加した。刺激印加20 時間後における、筋管細胞の収縮運動のパルス周波数依存性(図8B )及びパルス幅依存性(図8C )を示す。図8Bより筋管細胞が1Hz, 2Hzの印加周波数に同調した単収縮運動を示すことが確認できた。また、図8C よりパルス幅の増加とともに収縮変位量が増加した。これは従来の文献で報告されているように(Fujita H, Nedachi T, Kanzaki M. 2007. Accelerated de novo sarcomere assembly by electric pulse stimulation in C2C12 myotubes. Exp Cell Res 313(9):1853-1865;Melzer W, Rios E, Schneider MF.1984. Time course of calcium release and removal in skeletal-muscle fibers. Biophys J 45(3):637-641)、脱分極時間の増加により細胞質内Ca イオン濃度が増加したことで収縮変移量が増加したと考えられる。以上より、フィブリンゲル内の筋管細胞の収縮運動は外部から印加した電気刺激により人為的に制御可能であることが示された。
【実施例2】
【0045】
図9A に筋管細胞ゲルシート(ライン幅250 μm)への長期的(1 週間)な電圧パルス持続印加(パルス電圧、0.7 V/mm; パルス幅, 2.0 ms; 周波数, 1.0 Hz)に伴う収縮変移量の時間変化を示す(図9A 中の●プロット)。収縮変移量は時間とともに増加し、印加4日後で最大値を示した。図9B に刺激印加1日後,及び7日後におけるゲル中の筋管細胞の収縮運動を示す。図に示すように、ゲル中の筋管細胞は印加周波数に同調した収縮運動を1週間持続した。また図9C(位相差顕微鏡写真)より、1週間の持続した収縮運動後においても筋管細胞パターンの形状変化及びパターンのゲルからの剥離は見られなかった。
【実施例2】
【0046】
一方、図9A(◆プロット)に,従来のディッシュ培養系における筋管細胞の収縮変移量の時間変化を示す。従来ディッシュ培養系とは、筋管細胞をプラスティックシャーレ底面に接着させ、増殖・分化させたものであり、そのシャーレ両端に設置したカーボン電極で電圧パルスを印加することで収縮運動能を誘導した。筋管細胞はディッシュ底面に強く接着しているため収縮運動量が低く、また収縮運動量が大きい細胞が存在しても培養3日後あたりから次々と剥離した。
【実施例2】
【0047】
筋管細胞ゲルシートにおける長期的な収縮運動及びパターン構造の持続は、フィブリンゲルの柔軟性により達成されている。柔軟なフィブリンゲルは筋管細胞の活発な収縮運動をサポートするが、従来の堅い培養ディッシュは、その表面に接着した筋管細胞の収縮運動を抑制し、また活発に収縮するほど剥離していく。以上の結果から、フィブリンゲルシートを用いた本発明の培養系は、従来のディッシュ培養系と比較し筋管細胞の収縮運動及びパターン構造の長期維持に有効であることが示された。
【実施例3】
【0048】
ゲルに転写した C2C12 筋管細胞パターンへの選択的電気刺激
(1)選択的電気刺激用の微小電極アレイ基板作製
まず、スライドガラス表面に感光性ポジ型フォトレジストを塗布し、フォトマスクを介した露光及び現像により微小電極パターン領域に相当するガラス基板表面が露出したフォトレジストパターンを形成した。基板表面に白金薄膜をスパッタ蒸着後、アセトン溶液に浸漬してフォトレジスト及びその表面に蒸着された白金薄膜を溶解除去し(リフトオフ)、微小白金電極アレイを得た(図10)。
【実施例3】
【0049】
こうして作製した微小白金電極アレイの上下に配置された、向い合う半円弧状の電極を1対の選択的電気刺激用電極対として用い、一方の電極を作用電極、他方を対極とした。半円弧状電極間の距離は400μm、円弧電極幅は50μm、円弧の半径は150μm とした。
【実施例3】
【0050】
(2)微小電極アレイ基板へのC2C12 筋管細胞ゲルシートの配置・再配置,及び選択的電気刺激による収縮運動制御
図6で示した電極チャンバを用い、あらかじめ収縮運動能を誘導した筋管細胞ゲルシートを図10の微小電極アレイ基板に貼付け、選択的電気刺激を実施した(図11)。ゲルシートの貼り付けは顕微鏡観察下で行い、ピンセットでゲルシートを動かしながら筋管細胞ラインパターンを微小電極位置に合わせた。その後、電圧パルス発生装置を用いて目的の電極対に電圧パルス(パルス電圧, 1.8 V/400μm; パルス幅, 10.0 ms; 周波数, 1.0 Hz)を印加し、そこに配置された筋管細胞ラインパターンを選択的に刺激した。尚、選択的電気刺激後の筋管細胞ゲルシートの再配置は、ゲルシートを剥がした後に再度任意の箇所に貼付け、細胞パターンと微小電極アレイ基板の位置を合わせることで行った。
【実施例3】
【0051】
図12A に、微小電極アレイ基板へ配置したゲルシート内筋管細胞ラインパターン(ライン幅250 μm)の顕微鏡写真を示す。顕微鏡観察下での操作により3本の筋管細胞ラインパターンを微小電極対へ正確に配置させることができた。図12B に、図12A の3対の微小電極に対し電圧パルス(パルス電圧,1.8 V/400μm; 周波数, 1Hz; パルス幅, 10 ms)を印加した時の各筋管細胞パターンの収縮運動を示す。縦軸は収縮変移量[μm]、横軸は時間 [s]を表す。最初に3対の電極全てに刺激を印加したところ、全ての筋管細胞が収縮運動を開始した。次に、一旦刺激を止め,中央の電極(2)にのみ刺激を再印加したところ、中央の筋管細胞パターンのみが収縮運動を再開した。これより、微小電極アレイと組み合わせることでゲル中の任意の筋管細胞パターンへ選択的に電気刺激を印加可能であることが示された。また、その後ゲルシートを剥離し、別の筋管細胞パターンへ微小電極アレイを再配置したところ、同様の選択的電気刺激を実行できた。これより、微小電極アレイへの筋管細胞ゲルシートの配置・再配置を繰り返すことで、任意に選択した筋管細胞パターンへの電気刺激の連続操作が可能であることが示された。
【実施例4】
【0052】
細胞ゲルシートの積層による神経・筋共培養系の構築
(1)神経細胞ゲルシートの作製
神経細胞ゲルシートは筋管細胞と同様、図1、2及び4で示した手順で作製した。MPC ポリマをパターニングする基板には、神経細胞の接着性向上の目的からアミノシランコートガラス(松波硝子製)を用いた。アミノシランコートガラスへのMPC ポリマのパターニング手順は図1と同様である。1x105 cells/ mL 濃度のNG108-15 神経細胞をMPC ポリマパターニング基板上に播種し、37℃,5% CO2 環境下1 晩静置し、細胞をアミノシランコートガラス表面露出部に接着させた。余分な細胞を洗い流した後、ダルベッコ改変イーグル培地+10 % 牛胎児血清+2 mM L-グルタミン+1 mM N6,O2’-dibutyryl-adenosine 3’:5’-cyclic monophosphate を用い37℃,5% CO2 環境下で培養、分化させた。培地交換は2 日おきに行った。分化による神経突起の伸長を確認した後、図4の手順で神経細胞をフィブリンゲルへ転写し、神経細胞ゲルシートを得た。フィブリノーゲン混合溶液には,15 mg/ mL フィブリノーゲン、0.5 mg/ mL アプロチニン、10 U /mL トロンビンを含むダルベッコ改変イーグル培地+10 % 牛胎児血清+2 mM L-グルタミン+1 mM N6,O2’-dibutyryl-adenosine 3’:5’-cyclic monophosphate を用いた。
【実施例4】
【0053】
(2)ゲルシート貼り合わせによる神経・筋共培養系の構築
神経・筋共培養系は、筋管細胞及び神経細胞ゲルシートを個別に作製し、各々の細胞転写面を向かい合わせて張り合わせることで構築した(図13)。細胞パターンの位置合わせは、顕微鏡観察下、ピンセットで片方のゲルシートを動かしながら行った。位置合わせ後、ゲルシート接触面へフィブリンゲル混合溶液を流し込み、37℃、5% CO2 環境下10 分間静置し、ゲル化させることで2 枚のゲルシートを一体化させた。ゲルシート接着用フィブリノーゲン混合溶液には、15 mg/mL フィブリノーゲン、0.5 mg/mL アプロチニン、10 U/mL トロンビンを含むダルベッコ改変イーグル培地を用いた。
【実施例4】
【0054】
図13C,D に、C2C12 筋管細胞ゲルシート(A)及びNG108-15 神経細胞ゲルシート(B)の積層により構築した神経・筋共培養系の位相差顕微鏡写真(C)及び蛍光イメージ(D)を示す。各細胞の識別を容易にするため、筋管細胞はCell Tracker Green、神経細胞はCell Trackr Red で蛍光染色した。図13C,D より、神経細胞が筋管細胞パターンに向かって神経突起を伸長しているのが確認できた。このように、細胞ゲルシートを積層させることで任意に細胞が配置された共培養系を容易に構築可能であることが示された。
【実施例4】
【0055】
従来の共培養系構築法では異種細胞を培養シャーレ中で同時に混在させ同じ環境下で培養していたため、各細胞にとっての最適条件での培養ができず十分分化した筋、神経細胞からなる共培養系を構築することは困難であった。しかしながら,ゲルシートを用いた本発明による手法では、個別に最適条件下で増殖・分化させてから貼り合わせることができるため、従来と比較し、より機能の発達した細胞同士の共培養が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明を利用することによって、細胞パターンに対し使用するデバイス種、あるいはデバイスによる刺激・計測位置等の任意の組み合わせが選択可能な自由度の高いバイオアッセイ系を構築することができる。更に、その応用として、例えば、特定の細胞構造をターゲットとした薬剤効果の評価などが可能となる。開発する薬剤の作用部位に応じ刺激・活性計測個所及び計測手法を任意に選択し、薬剤効果を部位選択的に、かつ複合的に解析可能となる。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
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(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
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(In Japanese)【図7】
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(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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(In Japanese)【図11】
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(In Japanese)【図12】
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(In Japanese)【図13】
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