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Specification :(In Japanese)身体状態監視装置

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4592360
Publication number P2006-068300A
Date of registration Sep 24, 2010
Date of issue Dec 1, 2010
Date of publication of application Mar 16, 2006
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)身体状態監視装置
IPC (International Patent Classification) A61B   5/11        (2006.01)
A61B   5/107       (2006.01)
G08B  21/02        (2006.01)
FI (File Index) A61B 5/10 310A
A61B 5/10 300D
G08B 21/02
Number of claims or invention 4
Total pages 13
Application Number P2004-255617
Date of filing Sep 2, 2004
Date of request for substantive examination Aug 17, 2007
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】506301140
【氏名又は名称】公立大学法人会津大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】陳 文西
【氏名】魏 大名
Representative (In Japanese)【識別番号】110000246、【氏名又は名称】特許業務法人オカダ・フシミ・ヒラノ
Examiner (In Japanese)【審査官】冨永 昌彦
Document or reference (In Japanese)特開2002-200059(JP,A)
特開2002-328134(JP,A)
国際公開第2004/026138(WO,A1)
特開平10-165395(JP,A)
特開平10-295649(JP,A)
特開平11-042220(JP,A)
特開2001-314392(JP,A)
特開2004-157850(JP,A)
Field of search A61B 5/11
A61B 5/107
G08B 21/02
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
直交する3軸の加速度を検知して、各加速度データを測定する加速度センサと、
前記加速度センサがユーザに取り付けられた初期において、前記加速度センサから得られる3方向の信号の直流成分を用いて3軸それぞれにおける回転角度を算出し、該回転角度を用いて、実際座標系のデータを重力方向並びに該重力方向と直交する前後方向および左右方向からなる3軸の基準座標系に変換するためのアフィン変換行列を求める初期化手段と
前記初期化手段により前記アフィン変換行列が求められた後、前記加速度センサから得られる実際座標系のデータに前記アフィン変換行列を適用して前記基準座標系のデータに変換する手段と、
を有するセンサユニットを備え、ユーザの身体に取り付けられて、ユーザの動きに関する情報を収集する身体状態監視装置。
【請求項2】
前記センサユニットは、
前記基準座標系の3軸の信号の合成ベクトルを検出する手段と、
前記基準座標系の3軸のそれぞれの方向における直流成分および変動成分を求める手段と、
を備える、請求項1に記載の身体状態監視装置。
【請求項3】
前記センサユニットは、前記基準座標系の3軸のそれぞれの方向における直流成分および変動成分に基づいて、前記ユーザの姿勢、前記ユーザの転倒、および前記ユーザの歩行リズムの少なくとも一つを検出する、請求項2に記載の身体状態監視装置。
【請求項4】
前記センサユニットは、前記合成ベクトルに基づいて前記ユーザの姿勢を検出する、請求項2に記載の身体状態監視装置。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
この発明は、加速度センサを用いた身体状態の監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いに直交する3軸の加速度データを解析して、所定時間以上の転倒状態又は所定値以上の加速度を検知したとき異常信号を無線で送信する携帯型事故監視装置であると記載されている。転倒状態又は異常の検知は時間的な閾値と振幅的な閾値を用いて判断する。また、人の所在位置を検出する手段として、PHS端末機に保持されている複数の基地局からの各電界強度データに基づいて所在位置を推定する。
【0003】
特許文献2には、加速度センサなどを組み込んだ腕時計型の表示装置を備える生体情報収集装置を使用者に装着して、生体情報をこの収集装置のメモリに保存することが記載されている。加速度センサの出力を分析することにより、使用者の動きを検出し、睡眠中の動きであるか、覚醒中の動きであるかを判定することができる。PCに接続されたドッキング・ステーションにこの生体情報収集装置を接続し、PCに組み込まれたプログラムにしたがって使用者の精神状態の問診(なぜそのような動きをしたかなど)が行われる。
【0004】
特許文献3には、人体に2軸又は3軸加速度計で加速度を計測し、所定時間にわたって各方向における加速度の変化の大きさにより静的状態か動的状態かを判定し、動的状態ではさらに加速度の変化の大きさにより安定状態か危険状態かを判定する。即ち、歩行、走行、階段昇降、転倒(前後左右の転倒方向を含む)といった具体的な動的状態、及び立ち止まり、しゃがみ、上向き臥せ、横向き臥せ、下向き臥せといった具体的な静的状態を加速度の変化の大きさから波形解析により自動的に判定する。判断に使われている加速度変化の閾値は0.5Gであり、データ区間は5秒である。判定インターバルは、各個人や行動状況に応じて、30分又はより短く適宜に設定することができる。また、危険状態と判定された場合、対象者の所在地はPHSやGPSにより検出することができる。

【特許文献1】特開平10-295649号公報
【特許文献2】特開2003-290176号公報
【特許文献3】特開2004-81632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の加速度センサを用いた生体情報処理技術では、1つの装置を用いてユーザの姿勢、転倒、歩行リズムなどを同時に検出することはできなかった。また、正確に検出するための十分な信頼性のあるデータ処理手法が欠けていた。さらにセンサの取り付け位置によって適切なデータ処理ができないことと、遅い速度での歩行時に検出誤差が大きいという欠点があった。この発明は、1つのセンサ装置を用いて3つの直交方向において、加速度信号と重力ベクトルを検知し、ユーザの動き(姿勢、転倒、歩行リズム)をリアルタイムに精度良く検出することができるデータ処理方法と身体状態監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の監視装置は、直交する3軸の加速度を検知して、各加速度データを測定する加速度センサと、加速度センサからのデータを3軸座標系に変換するための初期化機能を有するデータ処理装置を有するセンサユニットと、このセンサユニットをユーザの身体に取り付けるための取り付け手段と、を備え、ユーザの身体に取り付けられて、ユーザの動きに関する情報を収集する。
【0007】
取り付け手段は、胴体との間に相対運動のないように監視装置をユーザの身体に固定する手段であり、この監視装置は、たとえば衣服のボタン、ベルトバックル、ブローチ、ブラジャー、ホットカイロのような粘着性のあるパッドなどに取り付けられる。
【0008】
データ処理装置は、具体的には、加速度センサからの検知出力を処理するためのプロセッサ、このプロセッサが実行するコンピュータ・プログラムを格納するROM(読取専用メモリ)、およびプロセッサに作業領域を提供し、プロセッサによる処理の結果を一時記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)を備える。
【0009】
この発明によると、3軸の加速度センサからの信号が内蔵のデータ処理装置によって処理されるので、ユーザの諸々の動き、姿勢、転倒などについての情報を収集することができ、健康管理やスポーツトレーニングなどに利用することができる。
【0010】
さらにこの発明の一形態においては、監視装置は、加速度センサからのz軸(垂直方向)の直流信号成分に基づいてユーザの転倒を検出するよう構成されている。加速度センサからの信号の直流成分は、ユーザの重力方向を表す。緩慢の変動成分は比較的ゆっくりした動きを表す。ユーザが転倒する場合、加速度センサの垂直方向の直流成分は、転倒前は1であったとすると、転倒後は重力方向が変わったので、直流成分が0になる。したがって、垂直方向の直流成分に基づいてユーザの転倒を検出することができる。
【0011】
この発明の一形態においては、監視装置は、3軸の加速度センサからの前後方向の軸(y軸)または左右方向の軸(x軸)の信号の直流成分に基づいてユーザの転倒の向きを検出するよう構成されている。y軸の信号は、ユーザの前後方向の動きを表す。ユーザが前方向に転倒する前にy軸の直流成分が0であったとすると、転倒後は、その値が1になる。ユーザが後ろ方向に転倒するときは、y軸の直流成分が-1となる。したがって、y軸の直流成分に基づいて転倒の前後方向を検出することができる。同様に、x軸の直流成分に基づいてユーザ転倒の左右方向を検出することができる。
【0012】
この発明の一形態においては、監視装置は、垂直方向の信号の直流成分の移動平均値の差分が所定値より大きいとき、ユーザの転倒を検出するよう構成されている。すなわち、直流成分の変化を検出するため、ある時間をおいた移動平均値の差分をとり、この値が所定の値より大きいとき、転倒の判定をする。
【0013】
この発明のさらに一形態では、監視装置は、3軸の加速度センサからの前後方向の軸(y軸)または左右方向の軸(x軸)の信号の直流成分の移動平均値の差分が所定値より大きいとき、ユーザの転倒の向きを検出する。垂直軸の信号の処理と同趣旨で、y軸およびx軸の直流成分について、ある時間をおいた移動平均値の差分をとり、この値が所定の値より大きいとき、転倒の向きを判定する。
【0014】
また、この発明の一形態においては、監視装置は、3軸の加速度センサからの3軸それぞれの信号の変動成分の移動平均値に基づいてユーザの姿勢を検出するよう構成されている。加速度センサからの信号の変動成分は、速度の変化(加速度)を表す。したがって、3軸の信号の合成ベクトルが変化し、この合成ベクトルを検出することによって、ユーザの姿勢(立っている、横に寝ている、下向きに寝ている、上向きに寝ているなど)を判定することができる。
【0015】
この発明の一実施例においては、監視装置は、ユーザの携帯電話または携帯端末装置と通信する通信手段を備え、前記プロセッサによる処理の結果、該ユーザに異常が検出されるとき、該通信手段を起動して、データを前記携帯電話または携帯端末装置を介して情報処理センタのコンピュータに送信するよう構成されている。
【0016】
さらに、この発明の一形態では、情報処理センタのコンピュータは、監視装置から送られてくるユーザの転倒に関連するデータの受信に応じて、リアルタイムでこのデータを処理してユーザの状況を判定し、ユーザに助言メッセージを送信し、またはサポータとユーザとの間の音声リンクを確立するよう構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。図1は、この発明の実施例に係るセンサの装着可能な胴体領域(網掛けの部分)と3次元座標系の定義(実際座標系Crと基準座標系Cs)を示す。監視装置10は、ユーザの衣服のボタン、ベルトバックル、ブローチ、ブラジャー、ホットカイロのような粘着性のあるパッドなどに着脱可能なセンサユニット14、およびセンサユニット14とブルートゥース(Bluetooth)または赤外線で結合して通信する携帯電話機16を有する。携帯電話機16の代わりに携帯端末装置(PDA)を用いることもできる。
【0018】
図2は、センサ装着時の実際座標系と計算時の基準座標系を定義する図面である。実際装着時の3次元座標系(実際座標系Cr)は必ずしも計算用の基準座標系Csと一致するとは限らない。後に記述する図6の初期化処理で求めたアフィン変換行列を用いて任意のCr座標系からCs座標系に変換することができるので、ユーザに装着時の軸合わせに気を配る必要はない。3次元空間の変換は6つの自由度があり、仮に原点の移動がなければ、3つの自由度(α、β、γ)になる。具体的な求め方は図6に関連して後に述べる。
【0019】
図3は、センサユニット14および2つ2軸の加速度センサ15-1、15-2の配置を示す。センサユニット14の主な構成部分は、加速度IC15の他に、CPU19、ブルートゥース(Bluetooth)チップ13、無線データ通信用アンテナ11及びバッテリ17を含んでいる。
【0020】
図4に示すように、センサユニット14は、マジックテープ、ホックまたはスナップにより、たとえばブローチ(a)、ベルトのバックル(b)、ブラジャー(c)などに取り付けることができる。また、衣服の一部分、たとえばボタンに取り付けたり、ホットカイロのように貼り付けることもできる。
【0021】
加速度IC15-1と15-2は、フィルム状の圧電素子を用いたセンサで、アナログデバイス社の2軸加速度センサADXL202(商品名)、または(株)東京センサの3軸加速度センサACH-04(商品名)などを用いて構成することができる。この実施例では、1つの2軸加速度IC 15-1を身体の横方向をx軸、上下方向をz軸として配置し、もう一つの2軸加速度IC15-2を、身体の前後方向をy軸、上下方向をz軸として配置することにより、3軸の加速度センサを構成する。すなわち、2つの加速度ICは、z軸を共通にして90度の角度で配置される。具体的には、第1の加速度IC15-1は、伏せて配置され、第2の加速度IC15-2は立てて配置される。
【0022】
図5は、センサユニット14の構成を示す機能ブロック図である。センサユニット14は、加速度センサ15、信号検出回路32、演算部(CPU)30、演算部30の演算処理に必要なメモリ領域を与えるランダムアクセス・メモリ(RAM)42、演算部30が実行するプログラムおよびデータを記憶する書き換え可能な読み出し専用メモリ(FEPROM、EEPROM)44を備える。さらにセンサユニット14は、必要に応じて携帯電話などの通信装置16と通信する通信モジュール13を備えている。この実施例では、通信モジュール13は、ブルートゥース(Bluetooth)であるが、代替的に赤外線またはFM波を用いた通信手段を用いることもできる。通信装置16は、携帯電話の他に、代替的には携帯型情報端末(PDAなど)のような無線端末装置を用いることができる。通信装置16は、ネットワーク11を介してセンタ70と通信する。
【0023】
センサユニット14は、バッテリ17を備えている。このバッテリ17は、充電式であってもよく、この場合、家庭またはオフィスの交流電源に接続された充電器により充電される。
【0024】
センサユニット14は、加速度センサからの信号を処理して、メモリに保存するとともに、処理プログラムにより体の動きを監視する。異常と判定されると、通信制御部から、ブルートゥース(Bluetooth)を起動して携帯電話16に加速度データを送り、更にこのデータをインターネットなどのネットワーク11を介してセンタ70に送信する。
【0025】
加速度センサ15からの出力は、演算部30の信号検出ブロック32で100Hzのサンプリング周波数でA/D変換され、ノイズ除去部33でノイズの除去処理を受け、3Dアフィン変換部35でアフィン変換される。アフィン変換までの処理を初期化処理と呼ぶ。
【0026】
図6は、加速度センサの初期化処理を示すフローチャート51である。この初期化処理では、ユーザが監視装置を装着する際の初期状態を立位又は座位と仮定する(401)。加速度センサ15の出力に基づいて3方向の加速度信号Axr、Ayr、Azrを取得し(403)、ローパスフィルタを通し(405)、間引き・補間処理を行って(407)、装着初期の直流成分Axr_0、Ayr_0、Azr_0を取得する(409)。理論的に任意の3次元空間の座標変換は6つの自由度があるが、問題を3軸(x、y、z)の回転だけに限定し、原点の移動がないとすると、3つの自由度(x軸回転角度α、y軸回転角度β、z軸回転角度γ)になる(図2)。
【0027】
α、β、γを求め(411)、アフィン変換行列を構成する(413)。この座標変換はアフィン変換(affine transformation)という。具体的な求め方と記号・変数定義は下記に記述する。
【0028】
基準座標系Csは下記の通り定義される。(図1参照)
1.x軸=右(+)左(-)
2.y軸=前(+)後(-)
3.z軸=上(+)下(-)
各軸の加速度信号は下記の通り定義される。
【0029】
実際座標系Crにおいて、x、y、z軸それぞれの信号を記述する変数はAxr,Ayr,Azrとする。
【0030】
基準座標系Csにおいて、x、y、z軸それぞれの信号を記述する変数はAxs,Ays,Azsとする。
【0031】
実際計測値から基準座標系へのデータ変換行列はMxyzとする。また、x軸回りの回転行列をM、y軸回りの回転行列をM、z軸回りの回転行列をMとする。
【0032】
アフィン変換における各軸回りの回転角度は下記の通り求められる。
【0033】
x軸回りの回転角度α=arctg(Ayr0/Azr0)
y軸回りの回転角度β=arctg(Axr0/Azr0)
z軸回りの回転角度γ=arctg(Ayr0/Axr0)
但し、Axr0、Ayr0、Azr0は実際装着時に、重力ベクトルが3直交計測軸へのそれぞれの投影を反映する各直流成分である。また、回転軸方向に向かって右回りが角度の正方向とする。
【0034】
x軸回り(YZ平面上)の回転行列は、次式で求められる。
【数1】
JP0004592360B2_000002t.gif

【0035】
y軸回り(XZ平面上)の回転行列は、次式で求められる。
【数2】
JP0004592360B2_000003t.gif

【0036】
z軸回り(XY平面上)の回転行列は、次式で求められる。
【数3】
JP0004592360B2_000004t.gif

【0037】
変換行列MxyzはM、M、Mから下記の式で求める。
Mxyz=M×M×M
初期化処理で求めた変換行列Mxyzを用いて実際座標系から基準座標系へのデータ変換を行うため、下記の変数を定義する。
【0038】
実際計測値から構成される変換前の行列Pr=(Axr,Ayr,Azr,1)T
基準座標系への変換データから構成される変換後の行列Ps=(Axs,Ays,Azs,1)T
但し、上付き記号Tは行列の転置演算を示す。
【0039】
座標変換は下記の演算式で行う。
【0040】
Ps=Mxyz×Pr=M×M×M×Pr
上記の初期化処理は、装着時だけに、変換行列を求める。装着し直さない限り、上記の変換関係はずっと有効であり、変換行列は下記の転倒・姿勢・歩行リズム検出に用いられる。
【0041】
図7は、加速度信号に基づく転倒検出、姿勢・体位検出、および歩行リズム検出の解析方法を示すフローチャートである。3軸の加速度センサ15から実際計測座標系におけるx、y、z軸それぞれの信号Axr,Ayr,Azrを信号検出回路32より取得し(501)、Pr=(Axr,Ayr,Azr,1)Tを構成し、それから、初期化で求めた変換行列Mxyzを用いてアフィン変換を行い、Psを求める(502)。基準座標系へ変換された行列Psより、As=(Axs,Ays,Azs)を用いてデータを解析し、転倒(518、522、526、530)、姿勢(538)、歩行リズム(549)などの判断を行う。
【0042】
まずは、雑音を含む高周波成分を除去するため、変換後の加速度データはローパスフィルタを通し(503)(ローパスフィルタのカットオフ周波数は、2Hzとする)、間引き・補間(505)処理によって信号の直流成分を取り出す(506)。サンプリング理論によると、低い周波数でサンプリングすると(間引きに相当する)、高周波成分は再現できず、落とされることになる。またキュービック補間(Cubic interpolation)で元の100Hzサンプリング周波数に戻ると、高周波成分は落とされたので、滑らかな基線(直流成分)のみ残される。一方において、ローパスフィルタ503の出力から、ステップ505の出力(直流成分As_)を減算して(510)、加速度信号の変動成分As~を取り出す(511)。
【0043】
間引き・補間処理(505)によって取り出されたx軸、y軸、z軸の直流成分Axs_、Ays_、Azs_からそれぞれの差分ΔAx_、ΔAy_、ΔAz_を求める(507)。
【0044】
生成された差分値ΔAx_、ΔAy_、ΔAz_は、それぞれ予め定められたしきい値Thx(=0.25G)、Thy(=0.25G)、Thz(=0.25G)と比較され、その結果に応じて前向き転倒(517)、後ろ向き転倒(521)、左向き転倒(525)、および右向き転倒(529)が判定される。すなわち、-ΔAz_がしきい値Thzより大きいときは、転倒の判定を行い、他の差分値ΔAx_およびΔAy_に応じてその向きを判定する。ΔAx_がThxより小さく、-ΔAy_がThyより大きいとき(517)、転倒は前向きであると判定する。同様にブロック521、525および529に示す条件に従って、後ろ向き転倒、左向き転倒、および右向き転倒を判定する。
【0045】
図8は前向き転倒のときの各軸の加速度波形を示し、図9は、後ろ向き転倒のときの各軸の加速度波形を示し、図10は、左向き転倒の時の各軸の加速度波形を、図11は、右向き転倒のときの各軸の加速度波形を示す。
【0046】
加算部510で取り出された加速度信号の変動成分Axs~、Ays~、Azs~は、3軸のそれぞれの方向における体の揺らぎ、すなわち加速度の変動成分を示す。したがって、この成分を正規化し(533)、ヨー、ピッチ、ロールの角度変動を算出し(535)、スムージング処理を通して(537)、x軸方向、y軸方向およびz軸方向のユーザの3次元空間における姿勢、動きを検出することができる。たとえば、うつ伏せに寝ている姿勢では、z軸方向の成分は、ほぼゼロであり、y軸方向の成分は最大となり、x軸方向の成分が変わらない。仰向けに寝ている場合では、z軸方向の成分は、同じくほぼゼロであり、y軸方向の成分は負の最大、即ち最小となり、x軸方向の成分が変わらない。
【0047】
また、変動成分を用いて、ユーザの歩行リズムを検出することができる。垂直方向のz軸の加速度成分Azs~を取り出し(541)、ローパスフィルタによりスムージングを経て(543)、信号の平均値をゼロになるようにセンタリング(545)を行って、ゼロクロス法(加速度波形とゼロ基線との交差点を検出する)により歩行リズムを検出することができる。
【0048】
図12はゼロクロス法による歩行リズム検出の1例を示す。図12(a)は10秒間の歩行時に収集したz軸方向の加速度波形を示す。図12(b)はローパスフィルタを通して処理した結果を示す。図12(c)はセンタリングして、ゼロクロス法で歩行リズムを検出した結果を示す。小さい丸のしるしは歩行ステップの検出点を示す。
【0049】
以上の記述から明らかになったように、3軸の加速度信号と重力ベクトルをリアルタイム分析することにより、ユーザの転倒を検出し、歩数、歩行速度、歩行距離を計測することができる。また、うつ伏せに伏せた状態(伏)、仰向けに寝た状態(仰)、横向きに寝た状態、座っている状態(座)、立っている状態(立)を判定することができる。
【0050】
さらに、得られた歩数からユーザのカロリ消費量も求められる。この演算には、歩数だけでなく歩行速度を入れて演算することもできる。
【0051】
本発明は3次元空間における人の動きと関連する静的な信号(重力ベクトル)および動的な信号(加速度データ)を収集し、解析することにより、図13に示すように、様々な用途に、例えば、高齢者転倒の検出、睡眠品質の評価、運動量の推定、酔っ払いの検出など、また、動物行動モニタリングやロボット姿勢検出にも応用することができる。
【0052】
また、任意センシング座標軸を統一された基準座標軸に変換する初期化処理により、装置の装着方向性について、ユーザの配慮を求めることは不要となる。さらに、携帯電話さえ持っていれば、図13のように、ユーザのニーズに応じて利用することができる。
【0053】
応用の一形態では、図13のように、自宅だけでなく、ケアマンションや老人ホームに入居している高齢者を対象とするリアルタイムケアサービスを提供する。ユーザはベルトバックル型の装置を着用する。データのリアルタイム解析でユーザの不意な転倒が検出されたら、直ちに情報処理センタのコンピュータへユーザの異常発生を知らせる情報(ユーザID、時間、場所、事件)および発生時点前後の関連データが送られる。
【0054】
また、運動中の人にセンサ装置を着用してもらい、データのリアルタイム解析で運動量を推定し、運動し過ぎなどが検出されたら、直ちにユーザの携帯電話に助言メッセージを表示したりアラームを出したりする。個々のユーザにとって最適の運動量に調整するように助言できるようなシステムを構成することができる。
【0055】
さらに、歩行リズムの解析により、飲みすぎで酔っぱらいになった状態の検出に応用することができる。歩行リズムから異常な乱れやランダム性が検出されたら、酔っぱらいになった可能性を推測することができる。
【0056】
以上に、この発明の代表的な具体実施例を説明したが、この発明はこのような実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】センサの装着可能な領域。
【図2】センサの座標系定義。
【図3】加速度ICの配置とセンサユニットの概念図。
【図4】色々な装着方法を示す概念図。
【図5】センサユニットの機能ブロック図。
【図6】センサの初期化処理の流れを示すフローチャート。
【図7】ユーザの姿勢、転倒、歩行リズムを検出する処理の流れを示すフローチャート。
【図8】前向き転倒時の波形を示す図。
【図9】後ろ向き転倒時の波形を示す図。
【図10】左向き転倒時の波形を示す図。
【図11】右向き転倒時の波形を示す図。
【図12】ゼロクロス法による歩行リズム検出の例。
【図13】この発明の応用例を示す図。
【符号の説明】
【0058】
14 センサユニット
15 加速度IC
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
11
(In Japanese)【図13】
12