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Specification :(In Japanese)ゲスト応答性発光材料

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5404534
Publication number P2011-256122A
Date of registration Nov 8, 2013
Date of issue Feb 5, 2014
Date of publication of application Dec 22, 2011
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)ゲスト応答性発光材料
IPC (International Patent Classification) C07D 471/06        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
B01J  20/26        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
C07F   3/06        (2006.01)
FI (File Index) C07D 471/06
G01N 21/78 C
B01J 20/26 Z
C09K 11/06 680
C07F 3/06
Number of claims or invention 5
Total pages 11
Application Number P2010-130293
Date of filing Jun 7, 2010
Date of request for substantive examination Jun 21, 2011
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】北川 進
【氏名】古川 修平
【氏名】高嶋 洋平
Representative (In Japanese)【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
Examiner (In Japanese)【審査官】小出 直也
Document or reference (In Japanese)特開2005-255651(JP,A)
米国特許出願公開第2009/0178558(US,A1)
Inorganic Chemistry,2005年,44(14),4912-4914頁
Chemical Communications,2009年 9月14日,34,5097-5099頁
Field of search C07D 201/00-521/00

CAplus/REGISTRY(STN)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
(i)Zn2+イオンと
以下の式1の蛍光原性有機配位子と
テレフタル酸とが繰り返し単位を構成する配位高分子化合物(ホスト)、及び
(ii)揮発性有機化合物(VOC)(ゲスト)
が相互作用した、蛍光を発生する複合体。
【化1】
JP0005404534B2_000004t.gif

【請求項2】
前記揮発性有機化合物が、芳香族化合物である、請求項1に記載の複合体。
【請求項3】
前記芳香族化合物が、置換基を1~5個有していてもよいベンゼン、置換基を1~5個有していてもよいピリジン、置換基を1~5個有していてもよいピロール、置換基を1~5個有していてもよいイミダゾール、置換基を1~5個有していてもよいチオフェン又は置換基を1~5個有していてもよいフランである、請求項2に記載の複合体。
【請求項4】
前記芳香族化合物が、ベンゾニトリル、ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、アニソール又はヨードベンゼンである、請求項3に記載の複合体。
【請求項5】
Zn2+イオンと、
以下の式1の蛍光原性有機配位子と、
テレフタル酸と
が繰り返し単位を構成する配位高分子化合物を、蛍光による変化に基づいて、揮発性有機化合物(VOC)の検出に用いたセンサー素子。
【化2】
JP0005404534B2_000005t.gif
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、金属イオンと有機配位子からなる配位高分子化合物及びその製造方法、並びに該配位高分子化合物を用いたセンサー素子に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者らは、ナノメートルの大きさを持つ細孔を規則正しく並べた物質を、あたかもブロックを組むようにデザインし、化学的に合成する研究をこれまで精力的に行ってきた。その研究成果として、遷移金属カチオンとそれを連結する有機架橋配位子によって多孔性3次元構造を構成して細孔内に、常温常圧で気体の分子を、収容することができる配位高分子の合成に成功している。この配位高分子は、遷移金属カチオンと有機架橋配位子が分子レベルで直接交互に結合した有機・無機の複合物質であり、その特徴としては、常に均一な構造を保つこと、自在に分子レベルから設計し、単に室温、1気圧で混ぜるだけで合成することができること(自己集合)、数グラムでバスケットボールコートからサッカーグラウンドまでの表面積を持つといったことが挙げられ、メタンや水素等のガス貯蔵材料として期待されている。また、近年はガス貯蔵材料として以外にも機能性を有する配位子の導入、柔軟な骨格構造を利用することで触媒や分離材料としての応用研究もなされている。(特許文献1)
【0003】
ところで、近年住宅の高気密化に伴い、建材、家具、塗料、接着剤などから放出されるベンゼン、トルエン、アルカン、アルコール類と言った様々な揮発性有機化合物(以下、VOCと記す)によるシックハウス症候群が問題となっており、いくつかのVOCについては、濃度測定における公定法が定められている。その為、化学物質に合わせた化学センサーについての研究がなされており、化学センサーの感応材料についてもいろいろな提案がなされている。 例えば、特許文献2には、金属フタロシアニン錯体を用いたVOCセンサーについて記載がある。特許文献3には、ポリフィリン感応膜を形成し、水素イオン、フッ酸、金属イオン濃度などを測定するイオン濃度測定用イオンセンサーについて記載がある。しかしながら、検出対象となるVOCには様々な種類があるため、感応材料には特定の分子を選択的に認識する選択性が求められるが、そのような感応材料は、見出されていない。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特許3746321号公報
【特許文献2】特開2009-216672号公報
【特許文献3】特開2004-37430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、有機化合物(ゲスト)と相互作用することによって蛍光を発生させることが可能であることを特徴とする配位高分子化合物及びその製造方法、並びに該配位高分子化合物を用いたことによる、様々な種類のVOCを選択的に認識するセンサー用材料を提供すること、またそれを用いたセンサー素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の点に鑑みて種々の検討を行った結果、配位高分子を構成する有機架橋配位子に有機化合物(ゲスト)と相互作用することによって蛍光を発生させることができる部位を導入することで、具体的には、ナフタレンジイミド誘導体を用いることによって配位高分子化合物を合成した。該配位高分子化合物は、有機化合物(ゲスト)を吸着した場合、蛍光を発することを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、以下の(1)~(9)の発明を提供するものである
(1) 金属イオンと該金属イオンに配位可能な蛍光原性有機配位子とが繰り返し単位を構成する配位高分子化合物(ホスト)であって、有機化合物(ゲスト)と相互作用することによって蛍光を発生させることが可能であることを特徴とする配位高分子化合物。
(2) 構成要素となる蛍光原性有機配位子が、ナフタレンジイミド部位を含むことを特徴とする(1)に記載の配位高分子化合物。
(3) 構成要素となる金属イオンが、Al3+、Fe3+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、からなることを特徴とする(1)又は(2)に記載の配位高分子化合物。
(4) 金属イオンに二座配位可能な二座配位子をさらに含む、(1)~(3)のいずれかに記載の配位高分子化合物
(5) 前記二座配位子が、テレフタル酸である、(4)に記載の配位高分子化合物。
(6) 溶液中で金属イオンを放出する化合物と該金属イオンに配位可能な蛍光原性有機配位子を溶液中で反応させることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の多孔性配位高分子化合物の製造方法。
(7) 蛍光原性有機配位子とともに、金属イオンに二座配位可能な二座配位子を溶液中で反応させる、(6)に記載の製造方法。
(8) (1)~(5)のいずれかに記載の配位高分子化合物からなることを特徴とするセンサー用材料。
(9) (1)~(5)のいずれかに記載の配位高分子化合物を、蛍光による変化に基づいて、揮発性有機化合物(VOC)の検出に用いたセンサー素子。
【発明の効果】
【0008】
本発明の配位高分子化合物は、電子、磁気、吸着、触媒、発光、医薬、担体、分析等をはじめとする各種分野におけるセンサー材料として好適に使用することができ、分子レベルでの検出乃至分析が可能である高性能なセンサー、取り分け揮発性有機化合物(VOC)の検出に優れるセンサー素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】〔Zn2(bdc)2(dpNDI)1(4DMF)〕nの結晶構造模式図である。
【図2】各ゲスト包摂時の発光スペクトル、発光色
【図3】白色光となる組合せ
【発明を実施するための形態】
【0010】
(配位高分子化合物:ホスト)
配位高分子化合物は、金属元素と有機配位子の反応により得られる高分子で、その主鎖の繰り返し単位が配位結合によって結合しているものをいう(「理化学事典 第4版」、久保、長倉、井口、江沢編集、岩波書店、1987)。本発明に使用される配位高分子化合物は、有機化合物(ゲスト)と相互作用することによって蛍光を発生させることが可能である配位高分子化合物である。

【0011】
(有機化合物:ゲスト)
前記有機化合物(ゲスト)は、揮発性有機化合物(VOC)であることが多いが、複数の成分から構成されるにおい、環境汚染物質、農薬、食品添加物、香料などでも良い。具体的には、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、クロロベンゼン、ベンゾニトリル、アニソール、ホルムアルデヒド等が含まれる。ゲストとなる有機化合物は、芳香族化合物であることが望ましく、ベンゼン、ピリジン、ピロール、イミダゾール、チオフェン、フランまたは、これらの5員又は6員の(ヘテロ)芳香族化合物は、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、メチル基、エチル基、メトキシ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルアミノ基、ニトロ基、アセチル基などの置換基を1~5個、好ましくは1,2又は3個、特に1又は2個有していてもよい。

【0012】
(金属イオン)Al3+、Fe3+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+
前記金属イオン(金属原子) としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、長周期型周期表における6族元素から12族元素の中から選択される元素のイオン(原子) が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2 種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記金属イオン二量体ユニットを形成可能とする観点からは、2価以上の金属イオンが好ましく、規則的な有機金属層を形成する観点からは、アルミニウムイオン、鉄イオン、コバルトイオン、銅イオン、ニッケルイオン、及び亜鉛イオンから選択される金属イオンが更に好ましく、色の変化が見やすいアルミニウムイオン及び亜鉛イオンが特に好ましい。なお、前記金属イオンは、前記有機金属錯体構造体の製造の際の原料としては、該金属イオンを含む塩等の化合物を使用してもよい。塩としては、フッ酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、過塩素酸塩などが挙げられる。

【0013】
(蛍光原性有機配位子)
前記有機配位子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属イオンに架橋可能な架橋配位子が好適に挙げられる。該有機配位子が前記架橋配位子である場合には、前記金属イオンと前記有機配位子とで前記金属錯体層を形成することができる。前記有機配位子の具体例としては、比較的安定で高強度な前記有機金属層を形成する観点からは、環状構造を有する化合物が好適に挙げられる。 前記環状構造を有する化合物としては、例えば、脂環式化合物及びその誘導体、芳香族化合物及びその誘導体、ヘテロ芳香族化合物及びその誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、蛍光を発生させる部位としてナフタレンジイミド部位を有することが更に好ましい。

【0014】
具体的な有機配位子としては、以下の式1、式2からなる配位子がより好ましい。

【0015】
【化1】
JP0005404534B2_000002t.gif

【0016】
本発明の配位高分子化合物は、金属イオンと蛍光原性有機配位子から構成することもできるが、さらに金属イオンに二座配位可能な二座配位子を反応させることで、多孔性3次元構造を構成することができる。このような二座配位子は、テレフタル酸、アセチレンジカルボン酸、4,4‘-ビフェニルジカルボン酸などの直線上に2つのカルボキシル基を有する化合物が挙げられ、テレフタル酸が好ましい。

【0017】
(多孔性材料(配位高分子化合物)の製造方法)
上述の金属化合物(金属イオン源)、蛍光原性有機配位子、任意成分としての二座配位子、溶媒を混合して拡散させるだけで得られることもあるが、ゼオライト合成と同様オートクレーブなどの耐圧容器に入れ高温・加圧下で反応させても良い。

【0018】
また反応する蛍光原性有機配位子の配位結合基は、酸のままでもアルカリ金属塩化しても良い。混合比は蛍光原性有機配位子の配位結合基に対し金属カチオンがモル比として1:1程度が好ましく、その比率よりをどちらかを過剰ないし大過剰に用いてもよい。好ましくは配位子の量を多く入れた場合の方が得られる錯体の比表面積が大きくなることもある。配位高分子化合物中のモル比は、金属イオン2モルに対し、蛍光原性有機配位子1モル、二座配位子2モルの比率となるのが好ましい。

【0019】
反応温度は、通常、常温~300℃の間である。反応温度が余りに高いときには生成物が分解する怖れがあるので、好ましくは、250℃以下である。
反応時間は、反応温度は合成のスケールによって一概には決められないが、低温であるほど長時間を要し、一般に30分~3週間である。反応を均一溶媒で実施する際は数時間程度で問題ないが、耐圧容器下、不均一条件で反応を実施する場合は長時間、具体的には1週間程度必要とする場合もある。

【0020】
(助触媒)
配位高分子化合物の合成反応をより促進させるため沸酸、塩酸、蟻酸、酢酸、硝酸など少量の酸や水酸化ナトリウムなどのアルカリを反応溶媒に加えてもよい。酸やアルカリは多量に用いると配位高分子化合物の合成を妨げる為、配位子に対して0.1~10倍モル、好ましくは1~5倍モル程度が良い。

【0021】
(溶媒)
溶媒に関しては水、アセトン、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、トルエン、ヘキサン等の有機溶剤のいずれを使用しても良く混合させても良い。溶媒の使用量に関しては特に限定はないものの、重量基準で10~2000倍程度が反応制御の容易さの点で好ましい。

【0022】
(配位高分子化合物の洗浄、単離操作)
反応終了後、沈殿物をろ過、遠心分離することによって、生成物を簡単に単離することができる。生成物単離後は、必要に応じ水や有機溶媒による洗浄を行う。単離された生成物を吸着材として使用するためには、これを速やかに減圧下で加熱することによって、脱溶媒することが特に好ましい。脱溶媒することにより配位高分子化合物が安定化して多孔質構造が維持される傾向にある。その加熱温度は、50~350℃程度が好適である。なお脱溶媒せずに長時間、例えば数日間放置すると、配位高分子化合物の結晶構造が変わり、比表面積が減少し吸着材、触媒としての性能を損ねる怖れがある。

【0023】
(多孔性材料の形状)
このような本発明の配位高分子化合物の形状は、特に制限されないが、粒子状或いは膜状であることが好ましい。形状が粒子状の場合、粒子の平均粒径は0.01~100μmであることが好ましく、0.01~50μmであることがより好ましく、0.1~50μmであることが特に好ましい。

【0024】
(センサー)
本発明の配位高分子化合物は有機化合物(ゲスト)と相互作用することによって蛍光を発生させることが可能であることから分子センサー材料として使用可能である。本発明のセンサーは、配位高分子化合物(ホスト)に有機化合物(ゲスト)が吸着した場合のセンサー素子の物理的な変化を検出する検出手段を有する。検出手段としては、電気的検出、光学的検出、化学的検出、電気化学的検出等の方法が適用できる。本発明にかかるセンサーに適用する検出手段としては、振動型質量検出センサーを用いて、ターゲット物質の吸脱着による質量変化を周波数変化として検出することが好ましい。振動型質量検出センサー上の電極を基板として本発明のセンサー用材料を配設することにより、高感度なセンサーとなる。振動型質量検出センサーとしては水晶振動子を用いたものが好ましい。またMEMS(Micro Mechanical Electrical System)技術を用いた小型振動子を用いた振動型質量検出センサーを用いることもできる。この場合、水晶振動子微量天秤(QCM)に比較して、集積化や回路との集積が容易である。
【実施例】
【0025】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
蛍光センサーの評価に関しては、以下の装置及び条件に示す方法にて実施した。
蛍光装置:HORIBA Fluorolog-3
測定セル:石英セル(外径1センチメートル)
測定条件:室温
【実施例】
【0027】
蛍光量子収率測定装置: Hamamatsu, C9920-02
測定セル: 石英セル (外径1センチメートル)
測定条件:室温
【実施例】
【0028】
蛍光寿命測定装置: Edinburgh Instruments, model FL 920
励起レーザー: PicoQuant, model LDH 370
測定セル: 石英セル (外径1センチメートル)
測定条件:室温
【実施例】
【0029】
りん光寿命測定装置:HORIBA FluoroCube
励起レーザー:SpectraLED-370
測定セル: 石英セル (外径1センチメートル)
測定条件:室温
【実施例】
【0030】
<X線単結晶構造解析>
尚、配位高分子化合物のX線回折の測定は、粉末X線回折装置を用い、ターゲットにMoを有するX線管球から発生したX線を試料に照射し、試料により回折された回折X線を検出することにより行なった。
【実施例】
【0031】
X線回折装置:極微小結晶用単結晶構造解析装置VariMax(株式会社リガク製)
使用X線:MoKα線(l = 0.71069 A)
測定温度:-50℃
結晶サイズ:0.30 x 0.20 x 0.02 ミリメートル
実施例1.多孔性配位高分子合成例
【実施例】
【0032】
[ナフタレンジイミド配位子の合成]
1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸無水物(Aldrich製:試薬)5 g、4-アミノピリジン(和光純薬社製: 試薬)3.9 gのジメチルホルムアミド(DMF)溶液250 mlを120℃で12時間加熱撹拌した。室温に冷却したのち、析出した固体をろ別、ジメチルホルムアルデヒドで洗浄したのち、乾燥させることで、N, N’ -ジ(4-ピリジル)-1,4,5,8-ナフタレンジイミド(dpNDI、式1の化合物)を収率80%で得た。
【実施例】
【0033】
[多孔性配位高分子化合物の合成]
10 mlテフロン(登録商標)容器に硝酸亜鉛六水和物14.9 mg(0.05 mmol)、テレフタル酸(H2bdc)8.3 mg(0.05 mmol)、(dpNDI)10.5 mg(0.025 mmol)のDMF溶液5 mlを加え攪拌した。これをステンレス製オートクレーブに仕込み、120℃で48時間加熱した。室温に冷却後、析出した固体を濾別、ジメチルホルムアルデヒドで洗浄したのち、乾燥させることで、透明の結晶を得た。
【実施例】
【0034】
この結晶についてX線回折を行い、構造を解析した結果、亜鉛イオンとテレフタル酸が形成する2次元レイヤー構造がdpNDIによって連結されて3次元骨格を形成し、さらにその骨格同士が相互貫入した構造をしていた。空間にはDMFがゲスト分子として導入されており、組成式は〔Zn2(bdc)2(dpNDI)1(4DMF)〕nで表されるものであることが判明した。この構造体を模式的に示したのが図1である。
【実施例】
【0035】
得られた結晶を120℃で減圧乾燥した後、目的物である多孔性配位高分子化合物〔Zn2(bdc)2(dpNDI)1nを得た。
【実施例】
【0036】
[発光測定]
上記の配位高分子化合物0.4 mgを2 mlのゲスト溶液に分散させて室温で1時間撹拌させた後、その懸濁液を石英セルに入れ、十分に分散させた状態で励起波長370 nmで発光測定を行った。今回用いたゲストは、ベンゾニトリル、ベンゼン、トルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、アニソール、ヨードベンゼンである。発光量子収率測定は、専用の石英セルに同様の懸濁液を3滴入れそのサンプルを積分球の中に導入し、測定を行った。発光寿命測定も同様の懸濁液を石英セルに入れ、十分に分散させた状態で励起波長370 nm, 検出する波長をそれぞれの発光極大波長に設定し測定を行った。(図2a.各ゲスト包摂時の発光スペクトル)
【実施例】
【0037】
ベンゼンを包摂した本多孔性配位高分子化合物は青色に、トルエンを包摂した場合は水色に、パラキシレンを包摂した場合は黄緑色に、アニソールを包摂した場合は山吹色に、ヨードベンゼンを包摂した場合は赤色にとそれぞれことなった発光色を発することがわかった。(図2b.各ゲスト包摂時の多孔性配位高分子化合物の発光色)
【実施例】
【0038】
また、導入したそれぞれのゲストのイオン化ポテンシャルを横軸に、発光極大波長を縦軸におくと直線関係にのり、発光波長はゲスト分子の電子供与性と関係していることが示唆された。(図2c.各ゲストのイオン化ポテンシャル(横軸)に対する発光極大波長(縦軸)の相関)
【実施例】
【0039】
これら各包摂するゲストを組み合わせることで白色の発光色を出すことも可能である。(図3.白色光を出すゲスト分子の組み合わせ)
【実施例】
【0040】
表1には、発光極大波長(λf1(nm))、発光量子収率(φf)、ゲストのイオン化ポテンシャル(IP(eV))および強度平均発光寿命(τ(ns))を示した。また、図2には、得られた発光スペクトルデータを示した。発光波長、発光量子収率はゲストの性質に依存し、発光波長は、紫色から赤色のすべての可視領域に及んだ。発光量子収率は、トルエンの時最大となり、22%となった。発光波長は、そのゲストのイオン化ポテンシャルに依存しており、イオン化ポテンシャルが小さいものほど、発光はレッドシフトした。ヨードベンゼンに関しては、この傾向に準じなかったが、発光寿命測定の結果、ヨードベンゼン以外は蛍光を発していたが、ヨードベンゼンはりん光を発していることが明らかになった。発光量子収率に関しては、ゲストのイオン化ポテンシャルが高い場合、低い場合の両方で低い値が得られたが、これは、発光種を考えることで理解できる。本件における発光種はゲストから配位高分子中のナフタレンジイミドへの電荷移動を伴った複合体であり、その複合体の安定性はゲストに依存する。ゲストのイオン化ポテンシャルが高い場合、十分な電荷移動がおこらず、その発光は弱くなる。一方、イオン化ポテンシャルが低いと、ゲストからナフタレンジイミドへの完全な電荷移動、つまり、電荷分離状態が有利となり、発光は弱くなっていると考えられる。
【実施例】
【0041】
本発明は、ゲストの電子状態に応じて異なる発光挙動を示す多孔性配位高分子であり、ゲストの非常に小さな電子状態の差を目で識別できるレベルの発光波長の差で検出することに成功した。これは、多孔性配位高分子が有する規則的なナノ空間での強い閉じ込め効果とそれに伴う強い相互作用が鍵となっている。このような小さな差を認識できることにより高性能なセンサーを提供することが可能となる。
【実施例】
【0042】
【表1】
JP0005404534B2_000003t.gif
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2