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Specification :(In Japanese)光共振器並びに光周波数コム発生器

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P3848883
Publication number P2003-202609A
Date of registration Sep 1, 2006
Date of issue Nov 22, 2006
Date of publication of application Jul 18, 2003
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)光共振器並びに光周波数コム発生器
IPC (International Patent Classification) G02F   2/00        (2006.01)
FI (File Index) G02F 2/00
Number of claims or invention 8
Total pages 20
Application Number P2002-038839
Date of filing Feb 15, 2002
Application number of the priority 2001334299
Priority date Oct 31, 2001
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Jan 24, 2005
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】593154414
【氏名又は名称】興梠 元伸
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】中山 義宣
【氏名】興梠 元伸
【氏名】仲本 修
【氏名】三澤 成嘉
【氏名】バンバン ウイディヤトモコ
Representative (In Japanese)【識別番号】100067736、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 晃
【識別番号】100086335、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 榮一
【識別番号】100096677、【弁理士】、【氏名又は名称】伊賀 誠司
Examiner (In Japanese)【審査官】三橋 健二
Document or reference (In Japanese)特開平08-166610(JP,A)
特開平02-183226(JP,A)
特開2000-114634(JP,A)
Field of search G02F 2/02
JSTPlus(JDream2)
IEEE
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
反射膜が形成された入射側端面を介して光を出射する入射側光ファイバと、上記入射側光ファイバから出射された光を伝搬させる光導波路と、反射膜が形成された出射側端面を有し、上記出射側端面により上記光導波路を伝搬する光を上記入射側端面と往復反射できるように、上記導波路を介して上記入射側光ファイバと対向するように配された出射側光ファイバと、所定の周波数の変調信号を発振する発振手段を備え、上記入射側端面及び上記出射側端面は、上記光導波路を伝搬する光を共振させ、上記光導波路は、電界を印加することにより屈折率が変化する電気光学結晶からなり、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記光導波路において共振された光の位相を変調し、上記入射側光ファイバから出射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光共振器であって、
上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことを特徴とする光共振器。
【請求項2】
上記入射側端面及び/又は上記出射側端面を、上記光導波路の端面に接触させて構成することを特徴とする請求項1記載の光共振器。
【請求項3】
上記入射側端面に形成された反射膜及び/又は上記出射側端面に形成された反射膜は、互いに屈折率が異なる材料を交互に積層した誘電体多層膜により構成されることを特徴とする請求項1記載の光共振器。
【請求項4】
上記入射側端面は、上記入射側光ファイバから出射された光の周波数において最大の透過率を有することを特徴とする請求項1記載の光共振器。
【請求項5】
所定の周波数の変調信号を発振する発振手段と、
互いに平行な入射側反射鏡及び出射側反射鏡から構成され、入射側反射鏡を介して入射された光を共振させる共振手段と、
電界を印加することにより屈折率が変化する電気光学結晶からなり、上記入射側反射鏡と上記出射側反射鏡間に配され、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記共振手段において共振された光の位相を変調し、上記入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光変調手段とを備え、
上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことを特徴とする光周波数コム発生器。
【請求項6】
上記入射側反射鏡及び出射側反射鏡は、上記光変調手段の入射側端面又は/及び出射側端面に形成した反射膜であることを特徴とする請求項5記載の光周波数コム発生器。
【請求項7】
上記入射側端面は、上記入射側光ファイバから出射された光の周波数において最大の透過率を有することを特徴とする請求項5記載の光周波数コム発生器。
【請求項8】
所定の周波数の変調信号を発振する発振手段と、
互いに平行な入射側反射膜及び出射側反射膜から構成され、入射側反射膜を介して入射された光を共振させる共振手段と、
電界を印加することにより屈折率が変化する電気光学結晶からなり、上記入射側反射膜と上記出射側反射膜間に配され、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記共振手段において共振された光の位相を変調し、上記入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光変調手段とを備え、
上記入射された光は、端面に高反射膜を形成した光ファイバから出射され、当該高反射膜と上記入射側反射膜との間で共振した光であり、
上記入射側反射鏡は、上記入射された光の周波数において最大の透過率を有し、
上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことを特徴とする光周波数コム発生器。
Detailed description of the invention (In Japanese)
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光共振器並びに光周波数コム発生器に関し、光通信、光CT、光周波数標準器など多波長でコヒーレンス性の高い標準光源、又は、各波長間のコヒーレンス性も利用できる光源を必要とする分野に適用される。
【0002】
【従来の技術】
光共振器は、例えば光周波数測定や、光通信における微小信号検出等、様々な光応用技術に適用される。特に近年の光エレクトロニクスの発展に伴い、周波数多重通信のためのレーザ光制御や、広範囲に分布する吸収線の周波数測定の要請に応えるべく、導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器が多用されるようになっている。
【0003】
かかる導波路型光共振器における従来の構成例について詳細に説明する。
【0004】
図17は、従来における導波路型光共振器7を示している。この導波路型光共振器7は、基板71と、導波路72と、入射側反射膜73と、出射側反射膜74とを備える。
【0005】
基板71は、例えば引き上げ法により育成された3~4インチ径のLiNbO3やGaAs等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板71上では、プロトン交換やチタン拡散等により導波路72を成長させるため、機械研磨や化学研磨等の処理が施される場合もある。
【0006】
導波路72は、入射側反射膜73を介して入射された光を伝搬させるために、基板71を含む他の層より屈折率が高めに設定される。このため、導波路72へ入射された光は、屈折率勾配による蛇行を繰り返しながら伝搬し、出射側反射膜74を介して外部へ出射する。なお、導波路72は、伝搬モードがシングルモードであることが望ましい。
【0007】
入射側反射膜73及び出射側反射膜74は、それぞれ導波路端面に形成されたいわゆる反射ミラーであり、導波路72を伝搬する光を往復反射させることにより共振させる。ちなみにこの入射側反射膜73及び出射側反射膜74は、例えば100%に近い反射率を有する誘電体多層膜であり、屈折率が大小異なる薄膜を交互に重ねて蒸着することにより得られる。なお共振させた光を外部に取り出すため、出射側反射膜74の反射率は、100%よりやや低めに設定する。
【0008】
この光共振器の外部には入射側光ファイバ8及び/又は出射側光ファイバ9が配される場合がある。
【0009】
入射側光ファイバ8は、クラッド層81の内側に形成されたコア層82を通じて光を出射する。この出射された光は、入射側反射膜73を介して導波路型光共振器7における導波路72内部を伝搬する。
【0010】
出射側光ファイバ9は、導波路型光共振器7から出射側反射膜74を介して光が入射される。出射側光ファイバ9は、該入射された光を、クラッド層91内側に形成されたコア層92を通じて伝播する。
【0011】
ちなみに、入射側光ファイバ8,出射側光ファイバ9と、導波路72との光結合は、図17に示すような間隙を介して光を入出射する場合のみならず、入射側光ファイバ8,出射側光ファイバ9と導波路72とを接触することにより構成しても良く、また図示しない非球面レンズを介して光を入出射する場合や、各光ファイバ先端に図示しない先球レンズを設けて光のスポットサイズを調整する場合もある。
【0012】
なお、この光導波路を用いた導波路型光共振器7の応用例として、光周波数コム発生器(Optical Frequency Comb Generator)等が挙げられる。この光周波数コム発生器は、周波数軸上で等間隔に配置された櫛状のサイドバンドを広帯域にわたり発生させる。そして、発生させたサイドバンドと被測定光をヘテロダイン検波することにより、数THzに亘る広帯域ヘテロダイン検波系を構築することが可能となる。
【0013】
図18は、この従来における光周波数コム発生器30の原理的な構造を示している。
【0014】
この光周波数コム発生器30は、光位相変調器311と、この光位相変調器311を介して互いに対向するように設置された反射鏡312,313を備える光共振器310が使用されている。
【0015】
この光共振器310は、反射鏡312を介して僅かな透過率で入射した光Linを、反射鏡312,313間で共振させ、その一部の光Loutが反射鏡313を介して出射する。光位相変調器311は、電界を印加することにより屈折率が変化する光位相変調のための電気光学結晶からなり、この光共振器310を通過する光に対して、電極316に印加される周波数fmの電気信号に応じて位相変調をかける。
【0016】
この光周波数コム発生器30において、光が光共振器311内を往復する時間に同期した電気信号を電極316から光位相変調器311へ駆動入力とすることにより、光位相変調器311を1回だけ通過する場合に比べ、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。これにより、高次のサイドバンドを数百本生成することができ、隣接したサイドバンドの周波数間隔fm は全て入力された電気信号の周波数fmと同等になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、導波路型光共振器7の低損失化、高効率化を図るためには、導波路72内における光損失を低減させることにより、共振器全体のフィネスを向上させる必要がある。この導波路型72内の光損失は、導波路72自体の損傷や、入射側反射膜73,出射側反射膜74の反射率や傾き等に起因する。
【0018】
しかしながら、上述の導波路72は、導波路型光共振器7の表面近傍に形成されるため、構造上損傷が生じやすい。図19は、導波路型光共振器7の各層のサイズを示しており、図19(a)は正面図、図19(b)は側面図である。導波路型光変調器7は、図19(b)に示すように、厚さ500μmのLiNbO3基板上に、厚さ約3~5μmの導波路72が形成され、更にその上に厚さ1μmのSiO2膜が形成されている。このため、図19(a)に示すように、表面の角部分等に僅かな損傷があれば、入射側反射膜やSiO2膜を介して、導波路72から光が漏洩してしまい、フィネスを向上させることができないという問題点がある。
【0019】
また、上述の導波路型光共振器7は、上述の入射側反射膜73及び出射側反射膜74の蒸着時において、各材料の熱膨張係数等に基づく内部応力が端面に生じる場合がある。これに伴い、図20(a),(b)に示すように例えば入射側反射膜73において角部分に歪みが生じるため、入射側反射膜73,出射側反射膜74の反射率特性に誤差が生じ、光損失の原因となる。
【0020】
さらに、上述した光周波数コム発生器30において、共振させる光の損失を抑えるために高反射率の反射鏡を用いる必要があるが、この高反射率の反射鏡は、外部の光源から供給される光をも反射することとなり、光の入射時の光損失が大きくなるという問題点があった。
【0021】
そこで本発明は上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、導波路内を伝搬する光の損失を低減し、フィネスを高めた高効率の光共振器を提供することを目的とする。また本発明は、入射時の光損失を低減し、フィネスを高めた高効率の光周波数コム発生器を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反射膜が形成された入射側端面を介して光を出射する入射側光ファイバと、上記入射側光ファイバから出射された光を伝搬させる光導波路と、反射膜が形成された出射側端面を有し、上記出射側端面により上記光導波路を伝搬する光を上記入射側端面と往復反射できるように、上記導波路を介して上記入射側光ファイバと対向するように配された出射側光ファイバと、所定の周波数の変調信号を発振する発振手段を備え、上記入射側端面及び上記出射側端面は、上記光導波路を伝搬する光を共振させ、上記光導波路は、電界を印加することにより屈折率が変化する電気光学結晶からなり、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記光導波路において共振された光の位相を変調し、上記入射側光ファイバから出射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光共振器であって、上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことを特徴とする。
【0023】
この光共振器は、光導波路内部を伝搬する光を、光導波路両端に配された、入射側光ファイバの先端に形成された入射側端面と、出射側光ファイバの先端に形成された出射側端面により共振させる。
【0024】
本発明に係る光周波数コム発生器は、所定の周波数の変調信号を発振する発振手段と、互いに平行な入射側反射鏡及び出射側反射鏡から構成され、入射側反射鏡を介して入射された光を共振させる共振手段と、電界を印加することにより屈折率が変化する電気光学結晶からなり、上記入射側反射鏡と上記出射側反射鏡間に配され、上記発振手段から供給された上記変調信号に基づき上記共振手段において共振された光の位相を変調して上記入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光変調手段とを備え、上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る光周波数コム発生器は、所定の周波数の変調信号を発振する発振手段と、互いに平行な入射側反射膜及び出射側反射膜から構成され、入射側反射膜を介して入射された光を共振させる共振手段と、電界を印加することにより屈折率が変化する電気光学結晶からなり、上記入射側反射膜と上記出射側反射膜間に配され、上記発振手段から供給された上記変調信号に応じて上記共振手段において共振された光の位相を変調し、上記入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の周波数の間隔で生成する光変調手段とを備え、上記入射された光は、端面に高反射膜を形成した光ファイバから出射され、当該高反射膜と上記入射側反射膜との間で共振した光であり、上記入射側反射鏡は、上記入射された光の周波数において最大の透過率を有し、上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことを特徴とする。
【0026】
これらの光周波数コム発生器は、光源から供給される光のみ透過できるように入射側反射鏡の反射率を制御することにより、電気光学結晶内部において共振する光の損失を軽減する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明を適用した導波路型光共振器1の構成を示す図である。この導波路型光共振器1は、導波路12を積層させた基板11と、この基板11を介して互いに対抗するように設置された入射側光ファイバ19と出射側光ファイバ30とを備える。
【0029】
基板11は、例えば引き上げ法により育成された3~4インチ径のLiNbO3等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板11上では、導波路12を成長させるため、機械研磨や化学研磨等の処理が施される場合もある。
【0030】
導波路12の作製プロセスは、先ず基板11として用いたLiNbO3やLiTaO3等の結晶上へパターニングを行い、Tiを蒸着後、リフトオフを行う。そして、酸素ウェット雰囲気中において、1000℃で約10時間加熱処理を行うことにより、蒸着したTiを熱拡散させて作製する。ちなみに、作製した高屈折率の導波路12を、例えばSiO2等の低屈折率材料のクラッド層13で覆うことにより、外部から入射された光を導波路12を介して伝搬させることができる。
【0031】
また作製した導波路12において、光が入射する側の端面(以下、端面Aと称する)と、光が出射させる側の端面(以下、端面Bと称する)については、導波路型光共振器1をウエハから切り出し後に、表面粗さを低減させるべく(望ましくは、使用波長がλのときに、約λ/20になるように)、例えば機械研磨や化学研磨等が施される。さらに、この端面A,Bは、導波路12に対して垂直となるように(望ましくは、誤差が±0.1°以下になるように)調整が施される。
【0032】
入射側光ファイバ19は、クラッド21の内側に形成されたコア22を通じて光を伝搬させる。また、この入射側光ファイバ19は、端面に形成された誘電体多層膜23を介して導波路12へ光を出射する。誘電体多層膜23表面は、端面Aに突き当てたときに散乱が生じない程度まで(例えば、使用波長λに対して約λ/20になるように)研磨等が施され、表面粗さを低減させる。
【0033】
出射側光ファイバ30は、端面に形成された誘電体多層膜33を介して、導波路12から光が入射される。出射側光ファイバ30は、導波路12から入射された光を、クラッド31内側に形成されたコア32を通じて伝播する。ちなみに、この誘電体多層膜33表面についても、誘電体多層膜23と同程度まで研磨が施される。
【0034】
なお、この入射側光ファイバ19,出射側光ファイバ30は、図2に示すように、各誘電体多層膜23,33の表面を凸状に研磨して仕上げても良い。これにより、入射側光ファイバ19及び出射側光ファイバ30の端面A,Bに対する突き当てが容易になる。また、この凸面を導波路上に設けることも可能である。
【0035】
ちなみに、この入射側光ファイバ19及び出射側光ファイバ30は、誘電体多層膜23,33表面が、端面A,Bに対して完全に突き当たるよう固定される。すなわち、各光ファイバ20,30と、導波路12との光結合系は、非球面レンズを介さずに直接的に光を入出射させる構成となる。
【0036】
誘電体多層膜23,33を構成する各層の厚さは、使用波長λに対して、約λ/4であり、屈折率が大小異なる薄膜を交互に重ねて蒸着することにより構成する。この誘電体多層膜23,33は、反射する光の波長に応じて、屈折率の異なる材料を交互に積層することにより、所望の反射率に制御することができる。このため積層する材料により、誘電体多層膜23,33を、導波路12内部で共振させる光の波長に対してほぼ全反射になるミラーにすることも可能となる。換言すれば、導波路12を介して一対の平行な反射鏡が対向配置されている状態にすることも可能である。これにより、導波路12内部に閉じ込められた光をファブリペロー共振させることも可能となる。
【0037】
ちなみに、本発明では誘電体多層膜23,33を、端面A,Bに突き当てることを前提としているため、所望の反射率を得るためには、導波路12に使用する材料の屈折率に応じて(例えば、LiNbO3やLiTaO3の屈折率に対して)材料が選択される。がなされる。
【0038】
また誘電体多層膜23の反射率は、100%よりやや低めになるように設定する。これにより、コア22を伝搬してきた光は、僅かな透過率によって、導波路12へ入射結合することができる。この入射結合した光は、導波路12内部を伝搬して、誘電体多層膜33により反射され、導波路12内部を逆方向へ伝搬する。この逆方向へ伝搬した光は、再度誘電体多層膜23により反射される。これを繰り返すことにより、導波路12内部に光を閉じ込め、共振させることができる。
【0039】
また誘電体多層膜33の反射率の設定如何により、導波路12内部で共振している光を僅かながら外部へ透過させ、出射側光ファイバ30へ出射結合させることも可能する。出射側光ファイバ30へ出射結合した光をコア32を介して取り出すことにより、計測等の利用に供することも可能である。
【0040】
次に、入射側光ファイバ19及び出射側光ファイバ30先端の形状について説明する。
【0041】
図3は、誘電体多層膜23が形成された入射側光ファイバ19の先端の形状を示している。この図3に示す例では、クラッド21の直径が約125μmであり、コア22の直径が約3~5μmである。また、コア22を中心に伝搬する光のビーム径は、約10μm程度である。
【0042】
すなわち、誘電体多層膜23におけるコア22周辺は、厚いクラッド21に包み込まれているため、外部からの損傷を受けにくい設計となっている。特に傷や損傷、内部応力による歪みは、図4に示すように誘電体多層膜23の角部分に生じやすい。しかしながら、厚いクラッド21によりコア層をカバーする誘電体多層膜23は、この角部分において数十μmの剥がれが生じても、コア22周辺は殆ど影響を受けない。
【0043】
このように、コア22周辺において、損傷による影響を殆ど受けない誘電体多層膜23,33を導波路12両端から突き当てることにより、導波路12から光が漏洩することがなくなるため光損失を軽減でき、導波路型光共振器1全体のフィネスを向上させることができる。
【0044】
本発明を適用した導波路型光共振器1は、導波路12内部を伝搬する光を、導波路12両端にそれぞれ配された入射側光ファイバ19の誘電体多層膜23と、出射側ファイバ30の先端に形成された誘電体多層膜33により共振させる。これにより、本発明を適用した導波路型光共振器1は、損傷による影響を殆ど受けない誘電体多層膜23,33により光を往復反射させることができるため、光を漏洩させることなくフィネスを向上させることができる。
【0045】
次に、入射時の光損失を低減し、フィネスを高めた光周波数コム発生器について説明をする。
【0046】
図5は、本発明を適用したバルク型光周波数コム発生器10の構成を示す図である。このバルク型光周波数コム発生器10は、光位相変調器111と、この光位相変調器111を介して互いに対向するように設置された入射側反射鏡112及び出射側反射鏡113からなる光共振器110と、発振器117とを備える。
【0047】
光共振器110は、入射側反射鏡112を介して僅かな透過率で入射した光Linを、入射側反射鏡112及び出射側反射鏡113間で共振させ、その一部の光Loutを出射側反射鏡113を介して出射する。
【0048】
光位相変調器111は、例えばニオブ酸リチウム(LiNbO3)等のバルク結晶からなり、供給される電気信号に基づき通過する光を位相変調する光デバイスである。この光位相変調器111は、屈折率が電界に比例して変化するポッケルス効果や、屈折率が電界の自乗に比例して変化するカー効果等の物理現象を利用し、通過する光の変調を行う。
【0049】
入射側反射鏡112及び出射側反射鏡113は、光共振器110に入射した光を共振させるため設けられたものであり、光位相変調器111を通過する光を往復反射させることにより共振させる。
【0050】
入射側反射鏡112は、光位相変調器111の光入射側に配され、図示しない光源から周波数ν1の光Linが入射される。また、この入射側反射鏡112は、出射側反射鏡113を反射して光位相変調器111を通過した光を反射する。
【0051】
出射側反射鏡113は、光位相変調器111の光出射側に配され、光位相変調器111を通過した光を反射する。またこの出射側反射鏡113は、光位相変調器を通過した光を一定の割合で外部に出射する。
【0052】
なお、この入射側反射鏡112及び出射側反射鏡113は、図5に示すように光位相変調器111の外部に配される場合のみならず、光位相変調器111の入射側端面及び出射側端面に、多層膜端面ミラーとして装着してもよい。
【0053】
電極116は、変調電界の方向が光の伝搬方向に対して直角になるように光位相変調器111の上面と底面に形成される。電極116は、発振器117から供給された電気信号を光位相変調器111へ駆動入力する。また、発振器117は、電極116に接続され、周波数fm(例えば、約10GHz)の電気信号を供給する。
【0054】
上述の構成からなるバルク型光周波数コム発生器10において、光が光共振器110内を往復する時間に同期した電気信号を電極116から光位相変調器111へ駆動入力とすることにより、光位相変調器111を1回だけ通過する場合に比べ、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。これにより、入射光の周波数を中心として、数百本ものサイドバンドを広帯域にわたり生成することができる。また、隣接したサイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数fmと同等である。
【0055】
またこのバルク型光周波数コム発生器10により発生させた多数の光周波数コムに基づき、被測定光の周波数を決定することができる。例えば、図6(a)に示すように、周波数ν1の入射光は、光位相変調器111により周波数fmで変調され、図6(b)に示すような、周波数間隔fmのサイドバンドからなる光周波数コムを発生させる。この光周波数コムは、周波数ν2の被測定光を重ね合わせ、光検出器11に入射する。被測定光の周波数ν2は、図6(b)に示すとおり、光周波数コムとして発生した第N番目のサイドバンドとの間のビート周波数Δνを周波数計数装置12により測定すれば|ν1-ν2|を決定することができ、また、これに伴って被測定光の周波数ν2を決定することも可能である。
【0056】
次に光共振器110を構成する入射側反射鏡112及び出射側反射鏡113の反射率について説明する。
【0057】
入射側反射鏡112の反射率は、図7(a)に示すように、入射光の周波数ν1において最小となるように設定されている。また、この入射側反射鏡112の反射率は、周波数ν1以外の帯域において、ν1における反射率よりも高く設定されている。反射率の分布曲線は、ν1において極小となるが、曲線の傾きは、急峻である場合のみならず、緩やかな場合であってもよい。すなわち、入射光は、入射側反射鏡をある一定の帯域幅をもって透過することも可能である。更に、ν1における反射率の大小についても、0%に漸近する場合のみならず、ほぼ100%に近い場合であってもよい。
【0058】
また、この入射側反射鏡112の透過率は、反射率と対照的な性質を示すため、入射光の周波数ν1において最大となる。また、周波数ν1以外の帯域においては、低透過率となる。すなわち、透過率がt%であり、反射率がr%であるときには、
t[%]+r[%] 100[%]
の関係が成立する。
【0059】
出射側反射鏡113は、共振光の損失を低減させるため、図8に示すように一定の高反射率を維持している。一方、生成した光周波数コムを被測定光と干渉させるところ、一定の割合で光を外部に出射する必要があり、出射側反射鏡113を全反射に設定することはできない。従って、図8に示すように、出射側反射鏡113は、反射率を100%より若干低く、例えば97%程度に設定している。
【0060】
出射側反射鏡113は、反射率の分布曲線をフラットな形状に制御することにより、生成した広帯域にわたる光周波数コム全てを外部に出射する。
【0061】
本発明を適用したバルク型光周波数コム発生器10は、入射側反射鏡112、及び出射側反射鏡113の反射率を上述のように制御することにより、光源から供給される周波数ν1の光は、容易に入射側反射鏡112を介して光位相変調器111へ入射することができる。また、光位相変調器111内部において共振する光に変調信号を駆動入力することにより、広帯域にわたり多数のサイドバンドが発生するが、入射側反射鏡112の透過率は、周波数ν1以外の帯域において低く設定されているため、図7(b)に示すとおり、発生した光周波数コムの殆どのサイドバンドは、入射側反射鏡112を介して外部に透過することはなく、光位相変調器111内部において往復反射を繰り返すこととなる。
【0062】
また、本発明を適用したバルク型光周波数コム発生器10は、入射側反射鏡112を介して入射光の透過可能な帯域幅(BW)を序々に狭めることにより、共振時における光の損失を序々に軽減させることができる。これにより各サイドバンドの光量は、図7(c)に示すように、BWを狭めるにつれて、序々に増大することとなる。
【0063】
一方、入射光の透過可能な帯域幅が、図7(c)に示すように例えば、BWが80GHzと、周波数fmの約8倍程度もあるような場合でも、本発明を全く適用していない場合と比較して、共振時の光損失を軽減させることが可能となる。すなわち、本発明は、入射側反射鏡112において、入射光の周波数ν1以外の周波数帯域を透過させることができる場合でも、周波数ν1において反射率が最小であればよい。また、本発明を適用したバルク型光周波数コム発生器10は、入射光の周波数ν1のみ透過可能とし、かつ周波数ν1における反射率が0%、周波数ν1以外の帯域における反射率が100%の場合、すなわち理想状態において、図7(c)に示すように共振時における光の損失を最低限度にまで抑え込むことが可能となり、サイドバンドの光量が最大となる。
【0064】
このバルク型光周波数コム発生器10は、入射光の周波数ν1以外の帯域のサイドバンドの外部への透過を防止することができる。これにより、光損失を軽減でき、効率よく光周波数コムを生成することができる。加えて、入射光の周波数ν1において透過率は最大となり、入射時の光損失を軽減することができるため、バルク型光周波数コム発生器10の更なる効率化を図ることができる。また、小出力の光源を使用する場合においても、このバルク型光周波数コム発生器10により、共振光出力を増大させることも可能となる。
【0065】
なお、本発明に係る光周波数コム発生器は、上述のバルク型光周波数コム発生器10の構成に限定されるものではない。例えば図9に示すように、導波路型光変調器を用いた導波路型光周波数コム発生器20にも適用可能である。
【0066】
この導波路型光周波数コム20は、導波路型光変調器200から構成される。導波路型光変調器200は、基板201と、導波路202と、電極203と、入射側反射膜204と、出射側反射膜205と、発振器206とを備える。
【0067】
基板201は、例えば引き上げ法により育成された3~4インチ径のLiNbO3やGaAs等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板201上に導波路202層をエピタキシャル成長させるため、通常、機械研磨や化学研磨等の処理を施す。
【0068】
導波路202は、光を伝搬させるために配されたものであり、導波路202を構成する層の屈折率は、基板等の他層よりも高く設定されている。導波路202に入射した光は、導波路202の境界面で全反射しながら伝搬する。
【0069】
電極203は、例えばAlやCu、Pt、Au等の金属材料からなり、外部から供給された周波数fmの電気信号を導波路202に駆動入力する。また、この電極203を設けることにより、導波路における光の伝搬方向と変調電界の進行方向は同一となる。また電極203以外の電極については接地されていることが条件となる。
【0070】
この導波路型光変調器200は、図10に示すように、導波路の両脇において対向するように電極303を設けることも可能である。この図10において、導波路における光の伝搬方向と変調電界の方向は直角となる。
【0071】
すなわち、この導波路型光変調器200は、設ける電極の種類により光の伝搬モードを制御することができる。
【0072】
入射側反射膜204及び出射側反射膜205は、導波路202に入射した光を共振させるため設けられたものであり、導波路202を通過する光を往復反射させることにより共振させる。発振器206は、電極203に接続され、周波数fmの電気信号を供給する。
【0073】
入射側反射膜204は、導波路型光変調器200の光入射側に配され、図示しない光源から周波数ν1の光が入射される。また、この入射側反射膜204は、出射側反射膜205により反射されて、かつ導波路202を通過した光を反射する。
出射側反射膜205は、導波路型光変調器200の光出射側に配され、導波路202を通過した光を反射する。またこの出射側反射膜205は、導波路202を通過した光を一定の割合で外部に出射する。
【0074】
上述の構成からなる導波路型光周波数コム発生器20において、光が導波路202内を往復する時間に同期した電気信号を電極203から導波路型光変調器200へ駆動入力とすることにより、光位相変調器111を1回だけ通過する場合に比べ、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。これにより、バルク型光周波数コム発生器10と同様に、広帯域にわたるサイドバンドを有する光周波数コムを生成することができ、隣接したサイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数fmと同等になる。
【0075】
また、この導波路型光周波数コム発生器20は、バルク型光周波数コム発生器10と比較して、光を狭小な光導波路に押し込めて変調させることができるため、変調指数βを大きくすることができる。図11は、バルク型光周波数コム発生器10又は導波路型光周波数コム発生器20により発生させた光周波数コムと、周波数の関係を示している。変調指数βが約3radの導波路型光周波数コム発生器20は、変調指数が1rad以下であるバルク型光周波数コム発生器10と比較して発生するサイドバンド数やサイドバンドの光量が多い。すなわち、発生させたサイドバンドの全光量に対する周波数ν1の光量の占める割合は、導波路型光周波数コム発生器20の方が、バルク型光周波数コム発生器と比較して低い。
【0076】
入射側反射鏡112及び入射側反射膜204の反射率は、周波数ν1において最小に設定されているため、周波数ν1の光は、入射側反射鏡112又は入射側反射鏡204を介して外部へ出射する。すなわち、周波数ν1の光量の割合が低い導波路型光周波数コム発生器20は、バルク型光周波数コム発生器10と比較して入射側反射膜を通して外部に出射する光量を低く抑えることが可能となる。これにより、導波路型光周波数コム発生器20は、バルク型光周波数コム発生器10と比較して、変調時の光損失をより軽減させることができる。
【0077】
更に、この導波路型光周波数コム発生器20は、バルク結晶を用いるバルク型光周波数コム発生器10と比較して、小型化を図ることができ、寄生容量や寄生インダクタンスを抑えることが可能となる。これにより、印加電圧を低減できることから、デバイスの高速化を図ることができ、また他の超高速光デバイスとの集積化も可能となる。
【0078】
次に導波路型光周波数コム発生器20を構成する入射側反射膜204及び出射側反射膜205の反射率について説明する。
【0079】
入射側反射膜204の反射率は、バルク型光周波数コム10における入射側反射鏡112の反射率と同様であり、図7に示すように入射光の周波数ν1において最小となるように制御される。また、周波数ν1以外の帯域においては、高反射率となるように制御される。
【0080】
また、この入射側反射膜204の透過率も同様に、反射率と対照的な性質を示すため、入射光の周波数ν1において最大となる。
【0081】
出射側反射膜205は、共振光の損失を低減させるため、バルク型光周波数コム10における出射側反射鏡113と同様に 一定の高反射率を維持している。
【0082】
また、本発明を適用した導波路型光周波数コム発生器は、更に以下に説明する構成を採用することも可能である。
【0083】
図12は、ファブリペロー共振した光が入射される導波路型光周波数コム発生器50の入射側結合系4の側面図を示している。この入射側結合系4は、光ファイバコア602から光を出射する光ファイバ60と、導波路型光周波数コム発生器50から構成される。またこの入射側結合系4において、光ファイバコア602から出射された光は、導波路型光周波数コム発生器50における入射側反射膜501と、光ファイバ60の端面に施されたファイバ反射膜601との間でファブリペロー共振する。すなわち、この入射側反射膜501とファイバ反射膜601とのギャップの長さと、光の周波数から求まる共振条件を満たした光のみが入射側反射膜501を透過し、導波路202へ高効率で入射結合できる。
【0084】
図13(a)(b)は、入射側反射膜501-ファイバ反射膜601間のギャップに対する、周波数ν1の入射光の入射側反射膜501における反射率、透過率の関係を示している。このギャップを変化させることにより周波数ν1における共振条件を満たすと、反射率が低くなり、透過率が高くなる。すなわち、共振条件を満たし、光の群速度に対応する長さにギャップを制御すれば、周波数ν1の入射光のみ入射側反射膜501を効率よく透過させることが可能となる。
【0085】
なお、このギャップの長さは、なるべく短い方が望ましく、またギャップの光路長は、ギャップ部に接着剤等を充填する場合も含めて、波長の10倍程度に制御することが望ましい。
【0086】
図14(a)(b)は、入射側反射膜-ファイバ反射膜間のギャップの長さがaであるときの、入射側反射膜501における、各周波数に対する反射率、透過率の関係を示している。周波数ν1以外の帯域においては、透過率が低く、反射率が高くなるため、発生したサイドバンドの外部透過を防止することができる。これにより、導波路型光周波数コム発生器50内に光を効率よく閉じ込めることができ、光損失を軽減することができる。
【0087】
なお、入射側反射膜501において設定されている反射率は、入射光の周波数ν1において最小となるように設定されている場合のみならず、全ての周波数帯域において自由に設定しても本発明の効果を得ることは可能である。なお、全ての周波数帯域において反射率が100%に漸近する場合に、ν1以外の帯域において発生したサイドバンドを最も効率よく反射させて導波路型光周波数コム発生器50内部に閉じ込めることができる。
【0088】
本発明を適用した導波路型光周波数コム発生器20は、入射側反射膜204及び出射側反射膜205の反射率を上述のように制御することにより、光源から供給される周波数ν1の光は、容易に入射側反射膜204を介して導波路型光変調器へ入射することができる。また、導波路202内部において共振する光に変調信号を駆動入力することにより、広帯域にわたり多数のサイドバンドが発生するが、入射側反射膜204の透過率は、周波数ν1以外の帯域において低く設定されている。これにより、発生した光周波数コムの殆どのサイドバンドは、入射側反射膜204を介して外部に透過することはなく、導波路202内部において往復反射を繰り返すこととなる。
【0089】
すなわち、入射側反射膜204を備える導波路型光周波数コム発生器20は、デバイスの高速化を図ることができ、またバルク型光周波数コム10と同様に、光損失を軽減でき、フィネスを向上させることができることから、効率よく光周波数コムを生成することができる。また、この導波路型光周波数コム発生器20は、入射光の周波数ν1において透過率は最大となるため、入射時に光損失を軽減することができ、更なる高効率化を図ることができる。また、小出力の光源を使用する場合においても、この導波路型光周波数コム発生器20により、共振光出力を増大させることも可能になる。
【0090】
なお、本発明に係る導波路型光周波数コム発生器20及び導波路型光共振器1は、更に以下に説明する導波路型光周波数コム発生器5に応用することができる。
【0091】
この導波路型光周波数コム発生器5は、図15に示すように、導波路型光変調器6と、入射側光ファイバ19と、出射側光ファイバ30から構成される。
【0092】
導波路型光変調器6は、基板11と、導波路12と、クラッド層13と、電極51とを備える。なお、上述の導波路型光共振器1と同一の構成要素、部材は、導波路型光共振器1の説明を引用する。
【0093】
電極51は、クラッド層13の上に設けられ、例えばAlやCu、Pt、Au等の金属材料からなり、発振器から供給された周波数fmの電気信号を導波路12に駆動入力する。
【0094】
入射側光ファイバ19,出射側光ファイバ30は、先端に形成された誘電体多層膜23,33を、端面A,Bに完全に突き当たるように固定される。これにより、導波路型光共振器1と同様に、導波路12内部に閉じ込められた光を誘電体多層膜23,33を介して往復反射することができる。
【0095】
上述の構成からなる導波路型光周波数コム発生器5において、光が導波路12内を往復する時間に同期した電気信号を電極51から導波路型光変調器6へ駆動入力とすることにより、導波路12内部を1回だけ通過する場合に比べ、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。これにより、入射光の周波数を中心として、数百本ものサイドバンドを広帯域にわたり生成することができる。また、隣接したサイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数fmと同等である。導波路型光周波数コム発生器5により発生させた多数のサイドバンドに基づき、被測定光の周波数を決定することができる。
【0096】
この導波路型光周波数コム発生器5においても、コア22周辺において殆ど損傷のない誘電体多層膜23,33を導波路12両端から突き当てるため、導波路12から光が漏洩することがなくなり、光損失を軽減でき、効率よくサイドバンドを発生させることが可能となる。
【0097】
さらにこの導波路型光周波数コム発生器5において、誘電体多層膜23の積層材料を制御することにより、誘電体多層膜23の反射率を、例えば図7(a)に示すように、入射側光ファイバから出射された光の周波数ν1において最小となるように設定することも可能である。
【0098】
これにより、周波数ν1の光は、容易に誘電体多層膜23を介して導波路12へ入射することができる。また、導波路12内部において共振する光に変調信号を駆動入力することにより、広帯域にわたり多数のサイドバンドが発生するが、誘電体多層膜23の透過率は、周波数ν1以外の帯域において低く設定されているため、図7(b)に示すとおり、発生した光周波数コムの殆どのサイドバンドは、誘電体多層膜23を介して外部に透過することはなく、誘電体多層膜33内部において往復反射を繰り返すこととなる。このため、共振時における光損失をさらに抑え込むことが可能となりサイドバンドの光量を増加させることができる。
【0099】
また、この導波路型光周波数コム発生器5は、周波数ν1との周波数差Δfに応じて指数関数的に変化する光強度に着目し、指数関数的に透過率を変化させてフィルタから出射する光の光強度分布を平坦化させることも可能である。
【0100】
例えば、誘電体多層膜33から出射する光の強度Poutは、群屈折率分散の影響しない範囲において、近似的に式(11)で表すことができる。
Pout=TinTout×exp{-|Δf|Los/(βfm)}Pin (11)
この(11)式において、Tinは、誘電体多層膜23の透過率、Toutは、誘電体多層膜33の透過率であり、βは、βは導波路12内を往復する間における変調指数、Losは導波路12内を往復する光の損失レートであり、この式(11)において定数で表される。
【0101】
この(11)式に基づき、誘電体多層膜33の透過率を制御することにより、発生するサイドバンドの平坦化を行う。
【0102】
誘電体多層膜33は、生成したサイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定する。換言すれば、周波数に応じて光強度が増減するサイドバンドの物理的性質に着目し、誘電体多層膜33の透過率を設定する。
【0103】
Δfに対する導波路12内部のサイドバンドの光強度Pinsideは、以下の式で表すことができる。
dPinside/dΔf=-Los/(βfm)Pinside Δf>0の場合 (12)
dPinside/dΔf=Los/(βfm)Pinside Δf<0の場合 (13)
この式(12)は、Δf>0の場合、すなわち周波数ν1よりも高い帯域における光強度の変化率を表し、また式(13)は、Δf<0の場合、すなわち周波数ν1よりも低い帯域における光強度の変化率を表す。
【0104】
この式(12)~(13)により計算したPinsideから、式(14)に基づき、出射光の光強度Poutを算出することができる。
Pout=Tout×Pinside (14)
上述の式で示すことができる導波路12内のサイドバンドの光強度Pinsideを各スペクトル毎に平坦化処理を施して外部に出射する。換言すれば、誘電体多層膜33において各周波数帯域毎に透過率Toutを設定することにより、外部へ出射する光強度をコントロールする。
【0105】
かかる誘電体多層膜33の透過率Toutの条件は、dPout/dΔf=0として、式(12)~(14)に代入して計算することにより、以下に示す式(41)、(42)で表すことができる。
dTout/dΔf=Los/(βfm)Tout (41)
dTout/dΔf=-Los/(βfm)Tout (42)
この式(41)、(42)に基づき、誘電体多層膜22の透過率Toutを、例えば図16に示すように決定することができる。
【0106】
すなわち、誘電体多層膜33の透過率を上述のように制御することにより、光周波数コム発生器5のフィネスを向上させつつ、発生させたサイドバンドを平坦化させることができる。
【0107】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明を適用した光共振器は、光導波路内部を伝搬する光を、光導波路両端に配された、入射側光ファイバの先端に形成された入射側端面と、出射側光ファイバの先端に形成された出射側端面により共振させる。上記出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことにより、本発明を適用した光共振器は、損傷による影響を殆ど受けない入射側端面,出射側端面により光を往復反射させることができ、光を漏洩させることなくフィネスを向上させつつ、発生させたサイドバンドを平坦化させることができる。
【0108】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光周波数コム発生器では、出射側端面は、生成したサイドバンドを平坦化させるように、サイドバンドの光強度に応じて、各周波数毎に透過率を設定したことにより、光を漏洩させることなくフィネスを向上させつつ、発生させたサイドバンドを平坦化させることができる。
【0109】
従って、本発明に係る光周波数コム発生器は、共振させる光の損失を抑えつつ、入射時の光損失を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】導波路型光共振器の構成例を説明するための図である。
【図2】誘電体多層膜の表面を凸状に研磨して仕上げた場合について説明するための図である。
【図3】誘電体多層膜が形成された入射側光ファイバの先端形状を説明するための図である。
【図4】傷や損傷が誘電体多層膜の角部分に生じる場合について説明するための図である。
【図5】バルク型光周波数コム発生器の具体的な構成例を説明するための図である。
【図6】光周波数コムによる被測定光の周波数測定の原理を説明するための図である。
【図7】入射側反射鏡の反射率を説明するための図である。
【図8】出射側反射鏡の反射率を説明するための図である。
【図9】導波路型光周波数コム発生器の具体的な構成例を説明するための図である。
【図10】導波路の両脇において対向するように電極を設けた導波路型光周波数コム発生器を説明するための図である。
【図11】バルク型光周波数コム発生器又は導波路型光周波数コム発生器により発生させた光周波数コムと、周波数の関係を示した図である。
【図12】ファブリペロー共振した光が入射される導波路型光周波数コム発生器の入射側結合系の側面図である。
【図13】入射側反射膜-ファイバ反射膜間のギャップに対する、周波数ν1の入射光の入射側反射膜における反射率、透過率の関係を示した図である。
【図14】入射側反射膜-ファイバ反射膜間のギャップの長さがaであるときの、入射側反射膜における、各周波数に対する反射率、透過率の関係を示す図である。
【図15】導波路型光共振器及び導波路型光周波数コム発生器の応用例を説明するための図である。
【図16】誘電体多層膜の反射率について説明するための図である。
【図17】従来における導波路型光共振器の構成例について説明するための図である。
【図18】従来における光周波数コム発生器の具体的な構成例を説明するための図である。
【図19】従来における導波路型光共振器の各層のサイズについて説明するための図である。
【図20】従来における導波路型光共振器において、入射側反射膜に歪みが生じる場合について説明するための図である。
【符号の説明】
1 導波路型光共振器1、11 基板、12 導波路、13 クラッド層、19 入射側光ファイバ、21,31 クラッド層、22,32 コア層、23,33 誘電体多層膜、30 出射側光ファイバ、10 バルク型光周波数コム発生器、
5,20 導波路型光周波数コム発生器
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
11
(In Japanese)【図13】
12
(In Japanese)【図14】
13
(In Japanese)【図15】
14
(In Japanese)【図16】
15
(In Japanese)【図17】
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(In Japanese)【図18】
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(In Japanese)【図19】
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(In Japanese)【図20】
19