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Specification :(In Japanese)電気化学セル及び電気化学セルの製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4977621
Date of registration Apr 20, 2012
Date of issue Jul 18, 2012
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)電気化学セル及び電気化学セルの製造方法
IPC (International Patent Classification) H01M   8/02        (2006.01)
H01M   8/12        (2006.01)
G01N  27/406       (2006.01)
G01N  27/416       (2006.01)
FI (File Index) H01M 8/02 E
H01M 8/12
H01M 8/02 K
G01N 27/58 Z
G01N 27/46 311H
Number of claims or invention 9
Total pages 15
Application Number P2007-546438
Date of filing Nov 21, 2006
International application number PCT/JP2006/323152
International publication number WO2007/060925
Date of international publication May 31, 2007
Application number of the priority 2005339357
Priority date Nov 24, 2005
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination May 1, 2008
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】松本 広重
【氏名】高村 仁
【氏名】石原 達己
Representative (In Japanese)【識別番号】100107490、【弁理士】、【氏名又は名称】杉原 鉄郎
Examiner (In Japanese)【審査官】井上 能宏
Document or reference (In Japanese)特開2000-019152(JP,A)
特開2002-083611(JP,A)
Field of search H01M 8/00~ 8/24
G01N 27/00~27/92
C04B 35/00~35/84
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
ジルコニウム(Zr)を含有するプロトン導電体から成る電解質を用いた電気化学セルであって、少なくとも一方の電極側の電解質と電極との間に、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含んで成る中間層を介在させて成り、
前記中間層が、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体と電極材料の混合粉とを含んで成る、ことを特徴とする電気化学セル。
【請求項2】
ジルコニウム(Zr)を含有するプロトン導電体から成る電解質を用いた電気化学セルであって、少なくとも一方の電極側の電解質と電極との間に、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含んで成る中間層を介在させて成り、
前記ジルコニウムを含有しないプロトン導電体が、
一般式AxCe1-yMyO3-δ(AはCa(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の少なくとも1種類からなり、xの範囲は0.8≦x≦1.2であり、yの範囲は0.01≦y≦0.4であり、Mは、Al(アルミニウム)、Sc(スカンジウム)、Ga(ガリウム)、Y(イットリウム)、In(インジウム)および希土類金属のうちセリウムをのぞく原子番号57および59から71の元素の少なくとも1種類からなる。)であることを特徴とする電気化学セル。
但し、δは、電荷中性条件を満たすように定まる値である。
【請求項3】
ジルコニウム(Zr)を含有するプロトン導電体から成る電解質を用いた電気化学セルであって、少なくとも一方の電極側の電解質と電極との間に、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含んで成る中間層を介在させて成り、
前記ジルコニウムを含有しないプロトン導電体が、
SrCe0.95Yb0.05O3-δであることを特徴とする電気化学セル。
但し、δは、電荷中性条件を満たすように定まる値である。
【請求項4】
前記中間層を介在させた電極側に、二酸化炭素(CO2)を含むガスを導入するように構成して成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学セル。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学セルを備えて成ることを特徴とする水素ポンプ装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学セルを備えて成ることを特徴とする燃料電池装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学セルの製造方法であって、ジルコニウムを含有するプロトン導電体から成る電解質の少なくとも一方の電極側に、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含んで成る中間層を固定し、次いで中間層表面に電極を固定することを特徴とする電気化学セルの製造方法。
【請求項8】
前記中間層を固定する過程において、温度1450℃乃至1550℃で焼き付けを行う工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の電気化学セルの製造方法。
【請求項9】
前記中間層膜厚が、約10μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学セル。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質としてプロトン導電体を用いた電気化学セルに係り、特に二酸化炭素を含有するガスに対する安定性に優れた電気化学セルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保全及び省エネルギーの見地から、燃料電池等のエネルギー源として水素が脚光を浴びている。これに伴い、水素製造に不可欠な技術である水素分離や燃料電池のための有用な電気化学デバイスとして、プロトン導電体の研究が広く進められている。プロトン導電体は、典型的にはペロブスカイト構造を有する結晶性の材料であり、水素の陽イオンであるプロトンを含有する固体材料である。プロトン導電体中で、プロトンはある程度高い温度において比較的に自由に動くことができる。典型的な作動温度範囲は600℃から1000℃程度である。
イオンのみを選択的に流す材料を電解質と呼び、プロトン導電体は固体状の一種の電解質である。また、電解質に二つの電極を取り付け、これを隔壁として二つの電極室を持つ構造としたものを電気化学セルと呼ぶ。上述の性質をもつプロトン導電体を電解質として、これに二つの電極を取り付けることにより電気化学セルを構成することができる。
【0003】
プロトン導電体を電解質とした電気化学セルは、様々な機能を有する。まず、電流の印加により水素をプロトンの形で輸送する働きをもつ。プロトン導電体を用いた電気化学セルが有するこのような機能を水素ポンプ機能と称し、あるいはこのような働きに用いる電気化学セルを水素ポンプと呼ぶ。具体的には、アノード(陽極)では、
H2→2e+2H (1)
なる電極反応により水素が電解質へと取り込まれる。また、カソード(陰極)においては、
2e+2H→H2 (2)
なる電極反応により、プロトンが水素となって発生する。以上の(1)および(2)の電極反応は、電気化学セルに電流を送ることにより同時に進行し、結果として水素がアノード室からカソード室へと輸送される。
また、プロトン導電体を用いた電気化学セルは、燃料電池として作動する。すなわち、一つの電極室にいわゆる燃料ガスを、他方の電極室に空気に代表される酸化性ガスを導入すると、両電極間には燃料ガスの化学エネルギーに由来する起電力を生じ、この両電極を外部負荷に接続すれば電力を取り出すことができる。燃料として水素を用いた場合を例にとれば、アノードで起きる電極反応は(1)式に等しい。カソードでは、
2e+2H+1/2O2→H2O (3)
なる電極反応によりプロトンが酸素と反応して水を生じる。上記(1)および(3)式の反応は、電気化学セルを外部負荷に接続することにより自発的に行われ、これにより電力を作ることができる。
【0004】
さらに、プロトン導電体を電解質とした電気化学セルは、ガルバニ電池式の水素センサとして作動する。このほかにもプロトン導電体を電解質とした電気化学セルは膜反応器や水蒸気電解装置などとしても作動する。
プロトン導電体は、上述の通り典型的にはペロブスカイト型構造の酸化物であるが、構成元素としてジルコニウムを含むものと含まないものに大別できる。ジルコニウムを含まないセレート系ペロブスカイト型酸化物としては、BaCe1-xMxO3-δ、SrCe1-xMxO3-δ などが挙げられる。ここに、MはYやInなどの+3価以下の価数を取る金属である。また、ジルコニウムを含むものとしては、BaZr1-xMxO3-δ、SrZr1-xMxO3-δ、BaZr1-x—yCeyMxO3-δ、SrZr1-x—yCeyMxO3-δ などが挙げられる。
【0005】
プロトン導電体を電解質として用いる電気化学セルにおいては、(1)式や(2)式、あるいは(3)式に示したような電極反応が円滑に進むことが望ましい。この点、セレート系電解質は、導電率は高いが雰囲気中の二酸化炭素と反応しやすいという欠点がある。これに対してジルコニウムは、プロトン導電体の化学的安定性を高める働きがあり、ジルコニウムの添加は二酸化炭素との反応性を抑制する効果がある。従来、二酸化炭素の生成が不可避な燃料電池等への応用のため、ジルコニウム系電解質を用いた電解質の研究開発が進んでいた(例えば特許文献1)。
しかしながら、ジルコニウムの添加は、例えば白金電極に代表される電極の活性を低下させるという問題がある。発明者らは、ジルコニウムを含む電解質にも有効な電極として、パラジウム合金や高温型プロトン電子混合導電体に関する技術を提案しているが(例えば特許文献2)、このような電極を用いても十分でない場合も存在する。
【0006】
また、ペロブスカイト型固体電解質と両電極の間に中間層を介在させる技術が開示されている(例えば特許文献3)。しかしながらこの技術は、LaGaO3系電解質について混合伝導を防止し、酸素イオンの輸率を向上させることを目的とするものであり、二酸化炭素を含むガスとの反応性を抑制するための、ジルコニウム系電解質の採用を前提とする技術に関するものではない。

【特許文献1】特開平9-52764号公報
【特許文献2】PCT/JP2004/017100
【特許文献3】特開2002-83611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためのものであって、電極室に二酸化炭素を含むガスが導入されるためジルコニウム系電解質を採用せざるを得ない場合に適用可能な、電気化学セル及びその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは鋭意研究の結果、電極と電解質間に電極反応を活性化させる中間層を介在させることによって、電極反応駆動力の評価指標となる電極過電圧を小さく、電流密度を大きくできることを見出し、試験により確認して以下の発明を完成した。すなわち、
【0009】
1の発明は、ジルコニウム(Zr)を含有するプロトン導電体から成る電解質を用いた電気化学セルであって、少なくとも一方の電極側の電解質と電極との間に、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含んで成る中間層を介在させて成ることを特徴とする。

【0010】
2の発明は、前記プロトン導電体が、ペロブスカイト構造のプロトン導電体であることを特徴とする。

【0011】
3の発明は、前記ジルコニウムを含有しないプロトン導電体が、セリウム(Ce)を含有するプロトン導電体であることを特徴とする。

【0012】
4の発明は、前記中間層が、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体と電極材料の混合粉とを含んで成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学セル。
一般に、電極反応は「プロトン導電体と電極材料」の界面で起こりうるので、その混合粉を中間層として用いることにより、電極反応が起きる場所の面積を大きくすることができる。加えて、混合粉とすることで電極材料同士の焼結を押さえることができ、焼結に伴う電極活性の低下を防止することができる。

【0013】
5の発明は、前記ジルコニウムを含有しないプロトン導電体が、
一般式AxCe1-yMyO3-δであることを特徴とする。ここに、AはCa(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の少なくとも1種類からなり、xの範囲は0.8≦x≦1.2であり、yの範囲は0.01≦y≦0.4であり、Mは、Al(アルミニウム)、Sc(スカンジウム)、Ga(ガリウム)、Y(イットリウム)、In(インジウム)および希土類金属のうちセリウムを除く原子番号57および59から71の元素の、少なくとも1種類からなる。

【0014】
プロトン導電体は典型的にABO3の組成の酸化物を母体とし、Bにセリウムを選択することが導電特性や電極との適合性に優れることは、上述のとおりである。プロトン導電性を生じさせるためには、このほかに価数が4価であるBを3価のMで部分置換することが不可欠である。プロトン濃度は、置換するMの量とともに増大するので、Mの量が多い方が好ましいが、多すぎてもプロトン導電性を低下させることが知られており、本発明の範囲が適量である。さらに、CeとMからなるBに対して、Aの量論は1でなくてもよくA/Bが0.8~1.2の範囲でプロトン導電体として働く。
【0015】
6の発明は、前記ジルコニウムを含有しないプロトン導電体が、
SrCe0.95Yb0.05O3-δであることを特徴とする。
7の発明は、前記中間層を介在させた電極側に、二酸化炭素(CO2)を含むガスを導入するように構成して成ることを特徴とする。

【0016】
プロトン導電体を用いた電気化学セルを利用する場合に、どちらかの電極室に二酸化炭素が含まれる場合が少なくない。このときには、ジルコニウムを含む電解質を使わざるを得ないが、その場合、パラジウム合金や高温型プロトン電子混合導電体を電極として用いることができるが、その他に、炭酸ガスの存在しない方の電極室には、電極と電解質との間にジルコニウムを含む電解質を存在させることにより、円滑な電極反応が可能となる。

【0017】
8の発明は、上記各発明による電気化学セルを搭載して成ることを特徴とする水素ポンプ装置である。
【0018】
9の発明は、上記各発明による電気化学セルを搭載して成ることを特徴とする燃料電池装置である。

【0019】
10の発明は、上記記載の各電気化学セルの製造方法であって、ジルコニウムを含有するプロトン導電体から成る電解質の少なくとも一方の電極側に、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含んで成る中間層を固定し、次いで中間層表面に電極を固定することを特徴とする。
本発明において「固定」とは、ジルコニウムを含有しないプロトン導電体を含む材料を、粉末状にして室温でペーストとして練ったものを塗りつけ、これを焼成して形成するものや、室温で蒸着法によって形成するものを含む概念である。

【0020】
11の発明は、前記中間層表面への電極を固定する過程において、温度1450℃乃至1550℃で焼き付けを行う工程を含むことを特徴とする。
12の発明は、上記各電気化学セルにおいて中間層膜厚が約10μmであることを特徴とする。
中間層膜厚は電解質膜厚に対応して選択することができるが、電解質膜厚として1μm程度とすることが可能であるため、中間層膜厚としては0.5μm以上であることが望ましい。また、電気抵抗を低く抑える観点から15μm程度以下であることが望ましい。

【発明の効果】
【0021】
上記各発明により、二酸化炭素を含む反応ガスに対しても電極過電圧が小さく、電流密度が大きく、材料化学的安定性の高い電気化学セルを実現することが可能となった。これにより、例えば改質ガス反応等により二酸化炭素を含むガスが電極室に導入されるため、ジルコニウム系電解質を採用せざるを得ない場合にも適用可能な電気化学セルが実現できた。
【0022】
本発明による電気化学セルを燃料電池装置、水素ポンプ装置に搭載することにより、小型、高性能の装置が実現可能となった。すなわち、水素ポンプ装置については、本発明により電極で生じるエネルギーの損失を減少させることができ、より少ない電力で水素をポンプすることができるようになった。燃料電池装置についても同様に、本発明により電極で生じるエネルギーの損失を減少させることができ、より効率の高い発電が可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明による電気化学セルを用いて水素分離性能及び燃料電池としての発電特性を評価した結果について説明する。評価は、本発明による中間層を設けた電気化学セルと、従来の中間層を持たない電気化学セルについて、水素発生速度及び過電圧特性を比較することにより行った。評価原理は以下の通りである。
【0024】
(a)水素発生速度
水素のポンピングは,それが良好に進行している状態においては,以下の電極反応により進行する。
【0025】
アノード H2→2H++2e-
【0026】
カソード 2H++2e-→H2
単位電極面積あたりにJ [mA/cm2]の電流密度で電流が通電されたときには、1 A=1 C/sec(クーロン毎秒)であるので、カソードにはJ×10-3×60 [C/min・cm2]の速度で電子が供給される。一方、上記の電極反応の通り、2電子により1分子の水素が生じることから、1 molの水素が発生するためには2F [C/mol]の電子が必要である。ここで、Fはファラデー定数であり96485
C/molに等しい。以上より、単位電極面積あたりにJ
[mA/cm2]の電流密度で電流が通電されたときの水素の理論発生速度は以下のようになる。
【0027】
(水素の理論発生速度)=(J×10-3×60)/2F mol/min・cm2]
【0028】
試験により得られる水素発生速度が理論水素発生速度に一致するときには、直流電源により供給された電気の全てが水素のポンプに使われたことになり、電流効率が1であることに他ならない。しかし、実際には様々な要因により、ある量以上の電流を通電すると実際の水素発生速度が理論値に満たなくなる状態が生じる。このような状態は、水素のポンピングが正常に行われているとは言えない。したがって、電流効率を1に保ってどれだけの電流密度の電流を流すことができるかは、重要な性能であるが、電極はこの量を支配する一つの要因である。したがって、できるだけ多くの電流を流せる電極が性能の高い電極であると評価できる。
【0029】
(b)過電圧特性
電気化学セルは、電気エネルギーとその他の形態のエネルギー(例えば化学エネルギー)のやりとりを介在する装置と捉えることができる。例えば水素分離においては、電気エネルギーにより水素を分離する仕事が行われ、また、燃料電池においては水素に潜在する化学エネルギーが電気エネルギーに変換される。これらのエネルギー変換は電気化学セルに電流が流れることで初めて進行する。そのためには電極反応がある方向に進行し、かつ、電解質にイオン電流が流れなければならないが、このとき電極および電解質には、余分の電圧、つまり、過電圧が必要となる。それぞれの過電圧は電極過電圧(アノード過電圧およびカソード過電圧)および電解質抵抗過電圧と称される。過電圧により消費される電気エネルギーは熱として散逸するために、前記のエネルギーのやりとりに関してエネルギーの損失となる。したがって、電極に関する過電圧、すなわちアノード過電圧およびカソード過電圧ができるだけ低減されることがエネルギー効率の向上につながる。
【0030】
前記の過電圧は電流遮断法(カレントインタラプト法)により定量することができる。すなわち、参照極を基準として測定されるアノードおよびカソードの電位は、ある電流が流れている状態では、開回路状態におけるそれらに比べて過電圧の分高く、あるいは低くなっている。電流を遮断すると、それぞれの電極の電位は開回路時の電位に戻ろうとする、言い換えれば過電圧がゼロに戻ろうとするが、電解質抵抗過電圧の復帰が極めて速いのに比べ、電極過電圧の緩和は比較的遅い。この差により、電流遮断時の電位変化においては、電解質抵抗過電圧が測定される。各電極の電位の通電時と開回路時との差から、電流遮断法により測定した電解質抵抗による過電圧(オーム損)を差し引くことによりアノード過電圧およびカソード過電圧が求められる。
【実施例1】
【0031】
本実施例はプロトン導電体セルを用い、水素分離を模擬して水素のポンピングを行い、評価するものである.
【0032】
(試料)
図2(a)、(b)は評価に用いた電気化学セル10A、10Bを示した図である。同図において、電解質11としてはSrZr0.9Y0.1O3-δを用いた。電気化学セル10Aは、アノード極13a、カソード極13cともに多孔質白金電極を上記電解質11に直接取り付けている。電気化学セル10Bでは、電解質11両面上にSrCe0.95Yb0.05O3-δなる組成のプロトン導電体を薄膜状に中間層12として取り付け、その上に電気化学セル10Aと同様に多孔質白金電極13a、13cを取り付けた。電解質11の形状はディスク状(円盤状)であり,直径は約13.5 mm,厚さは0.5 mmである。このディスク状試料の両面の中央に、電気化学セル10Aでは、白金ペーストを直径8 mmの円状に塗布し、950℃で30分焼き付けた。電気化学セル10Bでは、ディスク状電解質の両面にSrCe0.95Yb0.05O3-δの粉末をペースト状にしてこれを塗布し、直径8 mmの円状に塗布し、1500℃で5時間焼き付けた後、電気化学セル10Aと同様に白金ペーストを直径8 mmの円状に塗布し、950℃で30分焼き付けた。多孔質白金電極13a、13cの厚さは約5ミクロンであり、SrCe0.95Yb0.05O3-δ中間層12の厚さは約10ミクロンである。
【0033】
(評価装置)
図1に電気化学セル10Aの性能評価装置1の構成を示す。同図において、アノード極13aおよびカソード極13bは、集電用の白金ネット及び白金ペースト(いずれも不図示)を介してリード線18a、18bに接続されている。ディスク状電解質11の外周には、参照極として白金電極(図示せず)を取り付けた。このようにして電解質11及びアノード極13a、カソード極13bよりなる電気化学セル10Aを構成した。なお、参照極は、アノード極及びカソード極の電位を測定するための基準として設けたものであり、セルの電気化学的機能に直接影響を与えるものではない。電気化学セル10Aを、リング状のシール部材19を介してセラミックス管16、17で上下から挟み、アノード室16a及びカソード室17aを構成した。なお、セラミックス管16、17は、それぞれガス導入管16b、17b及びガス排出口16c、17cを備えている。なお、評価装置の構成は、以下の電気化学セル10B他、他の実施例の電気化学セルについても同様である。
【0034】
以上の構成の電気化学セルを電気炉により800℃に保ち,以下に示す水素のポンピング試験を行った。アノード室16aに純水素を,カソード室17aに1%水素を含むアルゴンガスをそれぞれ30mL/minのガス流速にて導入した。これらのガスは電解質試料の還元を防ぐ目的で17℃の飽和水蒸気(水蒸気分圧は約1900 Pa)にて湿潤させた。アノードガスはポンピングするための水素を電気化学セルに供給するものである。カソードガスは,水素のポンピングによりカソード室に発生する水素をスィープするものである。なお,カソードスィープガス中に1%の濃度で水素が混入されているのは電位測定の都合によるものである。
以上のようにガスを導入した状態で,図2(a)、(b)においてリード線18a、18bに直流電源24を接続し,アノードからカソードに向かって所定の電流を通電した(同図においてリード線上の矢印は電子の流れを示す)。通電によりアノード室からカソード室へポンプされる水素のポンプ速度,すなわちカソードでの水素発生速度は,カソード出口ガス中の水素濃度をガスクロマトグラフで定量することにより求めた。アノードおよびカソードの電極特性は,電流遮断法(カレントインタラプト法)により測定した。その測定手順は以下のようである。開回路条件(電流を流していない状態)および所定の電流を通電した状態でのアノードおよびカソードの参照極に対する電位を測定した。各電極の電位の通電時と開回路時との差から,電流遮断法により測定した電解質抵抗による過電圧(オーム損)を差し引くことによりアノード過電圧およびカソード過電圧を評価した。
【0035】
(評価結果) アノード、カソードにおける過電圧をそれぞれ図3及び図4に示す。水素の発生速度は、試験を行った範囲でいつでもファラデー則に従っていた(電流効率が1であった)。中間層がないセル(10A)にあっては、アノード、カソードともに20 mA/cm2の低い電流密度において1Vを超える大きな過電圧を生じているのに対して、中間層を設けたセル(10B)にあっては、110 mA/cm2の電流密度においてもどちらの過電圧ともに200 mV程度と非常に小さくなっていることが判る。これにより中間層の有効性が確かめられた。
【実施例2】
【0036】
本実施例は、実施例1と同様にプロトン導電体セルを用いて水素分離を模擬して,水素のポンピング評価を行ったものである.
(試料)
図5(a)乃至(c)に、評価に用いた電気化学セル20A乃至20Cを示す。同図において、電気化学セル20Aはプロトン導電性電解質21として、SrZr0.5Ce0.4Y0.1O3-δの組成を有するセラミックスを用いた。カソードとしては、電気化学セル20Aは多孔質白金電極23cを電解質21に直接取り付けたものを用いた。電気化学セル20Bは、電解質21の上にSrCe0.95Yb0.05O3-δなる組成のプロトン導電体を薄膜状に中間層22として取り付け、その上に電気化学セル20Aと同様に多孔質白金電極23cを取り付けた。さらに電気化学セル20Cにおいては、電気化学セル20Bと同様に電解質21の上にSrCe0.95Yb0.05O3-δなる組成のプロトン導電体を薄膜状に中間層22として取り付け、これに酸化ニッケルを焼き付けた後、セル中で1%の濃度の水素で還元することにより多孔質の金属ニッケル電極24cとしたものを用いた。アノードは、全てパラジウム電極23aを用いた。
【0037】
電解質21の形状はディスク状(円盤状)であり,直径は約13.5 mm,厚さは0.5 mmであった.電気化学セル20Aでは、まず、このディスク状試料の片面(アノード面)の中央に、パラジウムペーストを直径8 mmの円状に塗布し、1400℃で2時間焼き付け、その後、反対側の面(カソード面)に白金ペーストを直径8 mmの円状に塗布し、950℃で30分焼き付けた。電気化学セル20B、20Cでは、まず、ディスク状電解質21の片面(カソード面)にSrCe0.95Yb0.05O3-δの粉末をペースト状にしてこれを塗布し、直径8 mmの円状に塗布し、1500℃で5時間焼き付けた後、反対の面(アノード面)の中央に、パラジウムペーストを直径8 mmの円状に塗布し、1400℃で2時間焼き付けた。さらに電気化学セル20Bでは、SrCe0.95Yb0.05O3-δ膜が焼き付けられたカソード面に白金ペーストを直径8 mmの円状に塗布し、950℃で30分焼き付けた。電気化学セル20Cでは、SrCe0.95Yb0.05O3-δ膜が焼き付けられたカソード面に酸化ニッケルペーストを直径8 mmの円状に塗布し、950℃で30分焼き付けた。多孔質白金電極23c、多孔質ニッケル電極24cの厚さは約5ミクロンであり、SrCe0.95Yb0.05O3-δ中間層22の厚さは約10ミクロンであった。
【0038】
(評価結果)
評価装置、評価方法は実施例1と同一である。電気化学セル20A乃至20Cのカソード過電圧測定結果を図6に示す。中間層22がないセル20Aでは、70mA/cm2の低い電流密度において600mV近い大きな過電圧を生じている。これに対して、中間層21を設けたセルにあっては、白金を電極としたセル20Bでは680mA/cm2の電流密度において約170mV、ニッケルを電極としたセル20Cでは100mA/cm2において約165mVの小さな過電圧を示した。
【実施例3】
【0039】
本実施例は、プロトン導電体セルを用い,水素を燃料とした燃料電池の発電特性を評価したものである。
(試料)
図7(a)、(b)に、評価に用いた電気化学セル30A、30Bを示す。同図において、プロトン導電性電解質31として、SrZr0.9Y0.1O3-δの組成を有するセラミックスを用いた。また、電気化学セル30Aにおいては、カソードとして直径8mmの多孔質白金電極33cを電解質31に直接取り付け、電気化学セル30Bにおいては電解質31の上にSrCe0.95Yb0.05O3-δなる組成のプロトン導電体を薄膜状に中間層32として取り付け、その上に電気化学セル30Aと同様に多孔質白金電極33cを取り付けカソードとした。アノードはパラジウム電極33aを用いた。試料の加工・処理と形状、さらに評価装置は上述の実施例と同じである。但し、評価装置1において、カソード極にはスイープガスに替えて含酸素ガスを導入している。
【0040】
(評価方法)
上記構成の電気化学セルを電気炉により800℃に保ち,以下に示す燃料電池の発電試験を行った。アノード室16aに純水素を、カソード室17aに純酸素をそれぞれ30mL/minのガス流速にて導入した.これらのガスは17℃の飽和水蒸気(水蒸気分圧は約1900
Pa)にて湿潤させた.アノードガスは燃料であり、カソードガスは燃料を酸化して水を生じる酸化剤である。以上のようにガスを導入した状態で,リード線18a、18bに外部負荷34を接続し,アノードからカソードに向かって所定の電流を取り出した。アノードおよびカソードの電極特性は,電流遮断法(カレントインタラプト法)により測定した。その測定手順は実施例1に同じである。
【0041】
(評価結果)
両試験でのカソードの過電圧を下図に示す。中間層32がないセル30Aでは、カソード過電圧は12 mA/cm2の低い電流密度において170mV程度の過電圧を生じているのに対して、中間層を設けたセル30Bにあっては、100 mA/cm2の電流密度においても過電圧が60 mV程度と非常に小さくなっていることが判る。これに伴い、端子間電圧が0.4 V時の電流密度は、セル30Aでは12
mA/cm2程度であるのに対して、セル30Bでは100 mA/cm2と多くの電流を取り出すことができた。この結果から中間層の有効性が確かめられた。
【0042】
さらに、アノード室に二酸化炭素を含むガスが存在する場合の電気化学セルの安定性を評価するため、以下(実施例4・5)の評価を行った。
【実施例4】
【0043】
メタンなどの炭化水素ガスを部分酸化すると水素と一酸化炭素の混合ガスが得られるが、その際、水蒸気が加えられるため、(4)式の反応により二酸化炭素が生じる。
CO+H2O→CO2+H2 (4)
本実施例では、炭化水素ガスの部分酸化により発生する二酸化炭素を想定して、水蒸気添加された水素と一酸化炭素の混合ガスから水素を分離する試験を行った。
(試料)
図10に、評価に用いた電気化学セル40を示す。同図において、プロトン導電性電解質41としてSrZr0.9Y0.1O3-δの組成を有するセラミックスを用いた。電解質の上に、水素が発生するカソード側においてのみ、SrCe0.95Yb0.05O3-δなる組成のプロトン導電体を薄膜状に中間層42として取り付け、その上に多孔質白金電極43cを取り付けた。アノードはパラジウム電極43aを用いた。
電解質試料の形状はディスク状(円盤状)であり,直径は約13.5mm,厚さは0.5mmであった.まず、ディスク状電解質の片面(カソード面)にSrCe0.95Yb0.05O3-δの粉末をペースト状にしてこれを塗布し、直径8mmの円状に塗布し、1500℃で5時間焼き付けた後、反対の面(アノード面)の中央に、パラジウムペーストを直径8mmの円状に塗布し、1400℃で2時間焼き付けた。さらにSrCe0.95Yb0.05O3-δ膜が焼き付けられたカソード面に白金ペーストを直径8 mmの円状に塗布し、950℃で30分焼き付けた。
多孔質白金電極43c、パラジウム電極43aの厚さは約5ミクロンであり、SrCe0.95Yb0.05O3-δ中間層42の厚さは約10ミクロンであった。
【0044】
(評価方法)
実施例1と同じ性能評価装置1を用いた。電気化学セル40を電気炉により700℃に保ち,以下に示す試験を行った。まず、アノード室16aに純水素を100mL/minのガス流速で,カソード室17aに1%水素を含むアルゴンガスをそれぞれ30mL/minのガス流速にて導入した.これらのガスは電解質試料の還元を防ぐ目的で17℃の飽和水蒸気(水蒸気分圧は約1900Pa)にて湿潤させた。以上のようにガスを導入した状態で,リード線18a、18bに直流電源を接続し,アノードからカソードに向かって20 mAの電流(電流密度で40
mA/cm2)を通電し、4時間保持した。その後、アノード室16aに100mL/minの水素に加えて、一酸化炭素50mL/minを混合し、水素と一酸化炭素が2:1の混合ガスを導入した(混合比については、メタン(CH4)の部分酸化反応((5)式)によって得られるガスを想定し、CO:H2=1:2(体積比)とした)。
CH4+1/2O2→CO+2H2 (5)
引き続き、40mA/cm2の電流密度で電流を印加し続け、これを7時間保持した。通電によりアノード室16aからカソード室17aへポンプされる水素のポンプ速度,すなわちカソードでの水素発生速度は,カソード出口ガス中の水素濃度をガスクロマトグラフで定量することにより求めた。アノードおよびカソードの電極特性は,電流遮断法(カレントインタラプト法)により測定した。その測定手順は実施例1と同様である。
【0045】
(評価結果)
アノードガスに水素を用いた試験、および水素と一酸化炭素の混合ガスを用いた試験にわたって水素のポンプ量は理論値の97%以上であり、ほぼ1に近い電流効率であった。このときの電極および電解質抵抗の過電圧の経時変化を図11に示す。アノードガスに水素と一酸化炭素の混合ガスを用いた試験では、アノードおよびカソードの電極過電圧および電解質の抵抗過電圧ともに大きな経時的変化は見られず、ほぼ一定であった。また、それらの値は、アノードガスが一酸化炭素を含まない場合からもほとんど変化が見られなかった。これらの結果は、本電気化学セルが、(5)の反応によって生じる二酸化炭素によっても劣化せず、天然ガス等の炭化水素の改質ガスから安定的に水素を分離できることを示したものである。
【実施例5】
【0046】
本実施例では、二酸化炭素の影響をよりはっきりと見るために、水素と二酸化炭素の混合ガスから水素を分離する試験を行った。
(試料)
実施例4の電気化学セル40と同一試料を用いた。
【0047】
(評価方法)
実施例1と同じ性能評価装置1を用い、電気化学セル40を電気炉により700℃に保ち,以下に示す評価試験を行った。まず、アノード室16aに純水素を100mL/minのガス流速で,カソード室17aに1%水素を含むアルゴンガスをそれぞれ30mL/minのガス流速にて導入した。これらのガスは電解質試料の還元を防ぐ目的で17℃の飽和水蒸気(水蒸気分圧は約1900 Pa)にて湿潤させた。以上のようにガスを導入した状態で,装置図においてリード線18a、18bに直流電源を接続し,アノードからカソードに向かって20 mAの電流(電流密度で40
mA/cm2)を通電し、2時間保持した。その後、アノード室に100mL/minの水素に加えて、二酸化炭素50mL/minを混合し、水素と二酸化炭素が2:1の混合ガスを導入した。引き続き、40mA/cm2の電流密度で電流を印加し続け、これを3時間保持した。
通電によりアノード室16aからカソード室17aへポンプされる水素のポンプ速度,すなわちカソードでの水素発生速度は,カソード出口ガス中の水素濃度をガスクロマトグラフで定量することにより求めた。アノードおよびカソードの電極特性は,電流遮断法(カレントインタラプト法)により測定した。その測定手順は実施例1と同様である。
【0048】
(評価結果)
アノードガスに水素を用いた試験、および水素と二酸化炭素の混合ガスを用いた試験にわたって水素のポンプ量は理論値の98%以上であり、ほぼ1に近い電流効率であった。このときの電極および電解質抵抗の過電圧の経時変化を図12に示す。アノードガスに水素(67%)と二酸化炭素(33%)の混合ガスを用いた試験では、アノードおよびカソードの電極過電圧および電解質の抵抗過電圧ともに大きな経時的変化は見られず、ほぼ一定であった。なお、アノード過電圧は本来正の値であるべきであり、図中で負の値を示しているのは試験誤差によるものである。また、過電圧の値は、アノードガスが二酸化炭素を含まない場合と比較して、ほとんど変化が見られなかった。これらの結果は、本発明に係る電気化学セルが33%の二酸化炭素によっても劣化せず、安定的に水素を分離できることを示したものである。

【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、水素製造のための水素分離や燃料電池等に用いる電気化学デバイスとして広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る電気化学セル性能評価装置1を示す図である。
【図2】電気化学セル10A、10Bを示す図である。
【図3】電気化学セル10A、10Bのアノードにおける過電圧特性を示す図である。
【図4】電気化学セル10A、10Bのカソードにおける過電圧特性を示す図である。
【図5】電気化学セル20A乃至20Cを示す図である。
【図6】電気化学セル20A乃至20Cのカソードにおける過電圧特性を示す図である。
【図7】電気化学セル30A、30Bを示す図である。
【図8】電気化学セル30A、30Bのカソードにおける過電圧特性を示す図である。
【図9】電気化学セル30A、30Bの端子間電圧特性を示す図である。
【図10】電気化学セル40を示す図である。
【図11】アノード室に水素と一酸化炭素の混合ガスを導入したときの過電圧特性を示す図である。
【図12】アノード室に水素と二酸化炭素の混合ガスを導入したときの過電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・性能評価装置
10A、10B、20A、20B、20C、30A、30B、40・・・電気化学セル
11、21、31、40・・・プロトン導電性電解質
12、22,32、40・・・中間層
13a・・・アノード極
13b、13c・・・カソード極
16・・・セラミックス管
16a・・・アノード室
17a・・・カソード室
18a、18b・・・リード線
19・・・シール部材
23a、33a、43a・・・パラジウム電極
23c、33c、43c・・・多孔質白金電極
24・・・・直流電源
24c・・・多孔質ニッケル電極
34・・・・外部負荷


Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
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(In Japanese)【図7】
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(In Japanese)【図8】
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(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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(In Japanese)【図11】
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(In Japanese)【図12】
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