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Specification :(In Japanese)フラーレン誘導体の製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5142221
Publication number P2010-202611A
Date of registration Nov 30, 2012
Date of issue Feb 13, 2013
Date of publication of application Sep 16, 2010
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)フラーレン誘導体の製造方法
IPC (International Patent Classification) C07F   7/18        (2006.01)
C07C  29/09        (2006.01)
C07C  33/34        (2006.01)
C07B  49/00        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI (File Index) C07F 7/18 D
C07C 29/09
C07C 33/34 B
C07B 49/00
C07B 61/00 300
Number of claims or invention 14
Total pages 27
Application Number P2009-051894
Date of filing Mar 5, 2009
Exceptions to lack of novelty of invention (In Japanese)特許法第30条第1項適用 ScienceDirectのホームページ、掲載アドレス「http://dx.doi.org/10.1016/j.tetlet.2009.02.155」、2009年2月25日掲載
Date of request for substantive examination Feb 26, 2010
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】中村 栄一
【氏名】松尾 豊
【氏名】岩下 暁彦
Representative (In Japanese)【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100114409、【弁理士】、【氏名又は名称】古橋 伸茂
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
Examiner (In Japanese)【審査官】小久保 敦規
Document or reference (In Japanese)特開2008-222583(JP,A)
特開2003-212881(JP,A)
特開平07-089972(JP,A)
Angewandte Chemie,Vol.106, No.2,p.227-229 (1994).
Chemical Abstracts,Vol.144, No.20,p.824 (2006).,abs.no.369761
Field of search C07B 31/00-63/04
C07C 1/00-409/44
C07F 7/18
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
フラーレン誘導体の製造方法であって、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと、
工程1Aで得られた反応生成物と、式(1)
【化1】
JP0005142221B2_000024t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを、式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aとを含む、
式(5)
Cm(RBp(RA) (5)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、当該mはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、pは1~10の整数を示し、RAは下記式(5A)
【化2】
JP0005142221B2_000025t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F1)を製造する方法。
【請求項2】
pが5であり、mが60である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
フラーレン誘導体(F1)が、下記式(51)
【化3】
JP0005142221B2_000026t.gif

(式中、RAは下記式(5A)
【化4】
JP0005142221B2_000027t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である)
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】

グリニャール試薬(D)が、下記式(4)
R40MgX (4)
(式中、R40は有機基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
【請求項5】
銅化合物(E)がCuBr・S(CH32である請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
式(52)
Cm(RDpH (52)
(式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、pは1~10の整数を示し、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体(F2)に式(6)
MH (6)
(式中、Mはアルカリ金属である)
で表されるアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1B、
式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下、工程1Bで得られた反応生成物と、式(1)
【化5】
JP0005142221B2_000028t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを反応させる工程2Bとを含む、
式(53)
Cm(RFq(RE) (53)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、REは下記式(5A)
【化6】
JP0005142221B2_000029t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(1)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F3)を製造する方法。
【請求項7】
pとqが5であり、mが60である請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
フラーレン誘導体(F2)が、下記式(54)
【化7】
JP0005142221B2_000030t.gif

(式中、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体であり、
フラーレン誘導体(F3)が、下記式(55)
【化8】
JP0005142221B2_000031t.gif

[式中、REは下記式(5A)
【化9】
JP0005142221B2_000032t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
フラーレン誘導体の製造方法であって、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと、
工程1Aで得られた反応生成物と、式(1)
【化10】
JP0005142221B2_000033t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを、式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aと、
工程2Aで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Aとを含む、
式(56)
Cm(RBp(RA) (56)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、当該mはフラーレンF0の炭素数mと同一であり、pは1~10の整数を示し、RAは下記式(5B)
【化11】
JP0005142221B2_000034t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(1)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F4)を製造する方法。
【請求項10】
フラーレン(F0)がフラーレンC60であり、
pが5であり、mが60である請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
フラーレン(F0)がフラーレンC60であり、
フラーレン誘導体(F4)が、下記式(57)
【化12】
JP0005142221B2_000035t.gif

(式中、RAは下記式(5B)
【化13】
JP0005142221B2_000036t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である)
で表されるフラーレン誘導体である、請求項9に記載の製造方法。
【請求項12】
式(52)
Cm(RDpH (52)
(式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、pは1~10の整数を示し、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体(F2)に式(6)
MH (6)
(式中、Mはアルカリ金属である)
で表されるアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1B、
式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下、工程1Bで得られた反応生成物と、式(1)
【化14】
JP0005142221B2_000037t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを反応させる工程2Bと
工程2Bで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Bとを含む、
式(58)
Cm(RFq(RE) (58)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、REは下記式(5B)
【化15】
JP0005142221B2_000038t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F5)を製造する方法。
【請求項13】
フラーレン誘導体(F2)がフラーレンC60誘導体であり、
pとqが5であり、mが60である請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
フラーレン誘導体(F2)が、下記式(54)
【化16】
JP0005142221B2_000039t.gif

(式中、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体であり、
フラーレン誘導体(F5)が、下記式(59)
【化17】
JP0005142221B2_000040t.gif

[式中、REは下記式(5B)
【化18】
JP0005142221B2_000041t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
請求項12に記載の製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は新規なフラーレン誘導体の製造方法に関する。また本発明は、ハロゲン化シリル化合物の存在下、フラーレンまたはフラーレン誘導体に環状エーテル化合物を反応させる工程を含むフラーレン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。
【0003】
このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[たとえば、特開平10-167994号公報(特許文献1)、特開平11-255509号公報(特許文献2)、特開2008-222583号公報(特許文献3)、J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996(非特許文献1)、Org. Lett., 2, 1919 (2000) (非特許文献2)、Chem. Lett., 1098 (2000) (非特許文献3)、Organic Lett., 10, 1251 (2008) (非特許文献4)]。
【0004】
5重付加フラーレン誘導体の製造方法としては、たとえば、フェニルグリニヤール試薬とCuBr・S(CH32とから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フェニルグリニヤール試薬を構成するフェニル基がフラーレンC60の一つの5員環の周囲を取り囲むように位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60Ph5H)が定量的に得られることが知られている[たとえば、特開平10-167994号公報(特許文献1)]。また、フラーレンにテトラヒドロフランなどの環状エーテルが直接付加したフラーレン誘導体およびその製造方法についても提案されている[たとえば、特開2008-222583号公報(特許文献3)、Organic Lett., 10, 1251 (2008) (非特許文献4)]。
【0005】
しかしながら、これらの製造方法では、フラーレンに付加させることができる基としては、フェニル基や環状エーテル構造を有する基等に限定されていた。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開平10-167994号公報
【特許文献2】特開平11-255509号公報
【特許文献3】特開2008-222583号公報
【0007】

【非特許文献1】J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996)
【非特許文献2】Org. Lett., 2, 1919 (2000)
【非特許文献3】Chem. Lett., 1098 (2000)
【非特許文献4】Organic Lett., 10, 1251 (2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような状況の中で、たとえば、フラーレンに環状エーテル構造を有する基やフェニル基以外の基を付加できるフラーレン誘導体の製造方法が求められている。また、フラーレンに環状エーテル構造を有する基やフェニル基以外の基が付加しているフラーレン誘導体が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ハロゲン化シリル化合物の存在下、フラーレンまたはフラーレン誘導体に環状エーテル化合物を反応させる工程を含むフラーレン誘導体の製造方法を見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は以下のようなフラーレン誘導体の製造方法等を提供する。
【0010】
[1] フラーレン誘導体の製造方法であって、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと、
工程1Aで得られた反応生成物と、式(1)
【化1】
JP0005142221B2_000002t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルキニレン、または、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12である)
で表される環状エーテル化合物(B)とを、式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aとを含む、
式(5)
Cm(RBp(RA) (5)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、当該mはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、pは1~10の整数を示し、RAは下記式(5A)
【化2】
JP0005142221B2_000003t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F1)を製造する方法。
[2] pが5であり、mが60である[1]に記載の製造方法。
[3] フラーレン誘導体(F1)が、下記式(51)
【化3】
JP0005142221B2_000004t.gif

(式中、RAは下記式(5A)
【化4】
JP0005142221B2_000005t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である)
で表されるフラーレン誘導体である、[1]に記載の製造方法。
[4] グリニャール試薬(D)が、下記式(4)

R40MgX (4)
(式中、R40は有機基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。[5]銅化合物(E)がCuBr・S(CH32である[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
【0011】
[6] 式(52)
Cm(RDpH (52)
(式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、pは1~10の整数を示し、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体(F2)に式(6)
MH (6)
(式中、Mはアルカリ金属である)
で表されるアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1B、
式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下、工程1Bで得られた反応生成物と、式(1)
【化5】
JP0005142221B2_000006t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルキニレン、または、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12である)
で表される環状エーテル化合物(B)とを反応させる工程2Bとを含む、
式(53)
Cm(RFq(RE) (53)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、REは下記式(5A)
【化6】
JP0005142221B2_000007t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(1)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F3)を製造する方法。
[7] pとqが5であり、mが60である[6]に記載の製造方法。
[8] フラーレン誘導体(F2)が、下記式(54)
【化7】
JP0005142221B2_000008t.gif

(式中、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体であり、
フラーレン誘導体(F3)が、下記式(55)
【化8】
JP0005142221B2_000009t.gif

[式中、REは下記式(5A)
【化9】
JP0005142221B2_000010t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
[6]に記載の製造方法。
[9] グリニャール試薬(D)が、下記式(4)

R40MgX (4)
(式中、R40は有機基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される、[6]~[8]のいずれかに記載の製造方法。[10]銅化合物(E)がCuBr・S(CH32である[6]~[9]のいずれかに記載の製造方法。
【0012】
[11] フラーレン誘導体の製造方法であって、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと、
工程1Aで得られた反応生成物と、式(1)
【化10】
JP0005142221B2_000011t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルキニレン、または、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12である)
で表される環状エーテル化合物(B)とを、式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aと、
工程2Aで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Aとを含む、
式(56)
Cm(RBp(RA) (56)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、当該mはフラーレンF0の炭素数mと同一であり、pは1~10の整数を示し、RAは下記式(5B)
【化11】
JP0005142221B2_000012t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(1)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F4)を製造する方法。
[12] フラーレン(F0)がフラーレンC60であり、
pが5であり、mが60である[11]に記載の製造方法。
[13] フラーレン(F0)がフラーレンC60であり、
フラーレン誘導体(F4)が、下記式(57)
【化12】
JP0005142221B2_000013t.gif

(式中、RAは下記式(5B)
【化13】
JP0005142221B2_000014t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
R14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RBはそれぞれ独立して有機基である)
で表されるフラーレン誘導体である、[11]に記載の製造方法。
【0013】
[14] 式(52)
Cm(RDpH (52)
(式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、pは1~10の整数を示し、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体(F2)に式(6)
MH (6)
(式中、Mはアルカリ金属である)
で表されるアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1B、
式(2)
(R43Si(X) (2)
(式中、R4はそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下、工程1Bで得られた反応生成物と、式(1)
【化14】
JP0005142221B2_000015t.gif

(式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルキニレン、または、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12である)
で表される環状エーテル化合物(B)とを反応させる工程2Bと
工程2Bで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Bとを含む、
式(58)
Cm(RFq(RE) (58)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、REは下記式(5B)
【化15】
JP0005142221B2_000016t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F5)を製造する方法。
[15] フラーレン誘導体(F2)がフラーレンC60誘導体であり、
pとqが5であり、mが60である[14]に記載の製造方法。
[16] フラーレン誘導体(F2)が、下記式(54)
【化16】
JP0005142221B2_000017t.gif

(式中、RDはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体であり、
フラーレン誘導体(F5)が、下記式(59)
【化17】
JP0005142221B2_000018t.gif

[式中、REは下記式(5B)
【化18】
JP0005142221B2_000019t.gif

(式中、R11は上記式(1)中のR1と同一であり、
R12は上記式(1)中のR2と同一であり、
R13は上記式(1)中のR3と同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、RFはそれぞれ独立して有機基である]
[14]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法は、たとえば、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテルが開環した基(任意に置換基を有する)が付加されたフラーレン誘導体を高い収率で簡便に製造できる。
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法は、たとえば、テトラヒドロフラン(THF)等の環状エーテルが開環した基(任意に置換基を有する)がフラーレン5重付加体に位置選択的に付加されたフラーレン誘導体を高い収率で簡便に製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のフラーレン誘導体の製造方法等について詳細に説明する。
本発明は出発物質として、付加基が付加されていないフラーレンまたは付加基が付加されているフラーレン誘導体を用いることができる。
そこで、「出発物質としてフラーレンを用いた場合のフラーレン誘導体の製造方法A」と「出発物質としてフラーレン誘導体を用いた場合のフラーレン誘導体の製造方法B」に分けて説明する

【0016】
1 出発物質としてフラーレンを用いた場合のフラーレン誘導体の製造方法A
フラーレン誘導体の製造方法Aは、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと
工程1Aで得られた反応生成物と環状エーテル化合物(B)とをハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aを含み、
任意に、さらに、工程2Aで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Aを含むフラーレン誘導体の製造方法である。

【0017】
1.1 工程1A
工程1Aは、炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程である。

【0018】
(1) フラーレン(F0)
本発明のフラーレン誘導体の製造方法において、フラーレンを出発物質として用いることができる。
ここで、フラーレンとは、炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターの総称であり(現代化学2000年6月号46頁,Chemical Reviews, 98, 2527(1998)参照)、たとえば、フラーレンC60(いわゆるバックミンスター・フラーレン)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。これらのフラーレンの中でも、入手の容易性から、本製造工程においてはC60を用いることが好ましい。

【0019】
(2) グリニャール試薬(D)
工程1Aで用いられるグリニャール試薬(D)は、下記式(4)

R40MgX (4)
(式中、R40は有機基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)(4)式中、R40はグリニャール試薬の調整が可能な不活性置換基を有する有機基であれば、特に限定されるものではない。上記置換基としては、たとえば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基またはアリール基が挙げられる。
(4)式中、Xはハロゲン原子を示すが、ハロゲン原子の中でも、Cl、BrまたはIが好ましい。

【0020】
(3) 銅化合物(E)
工程1Aで用いられる銅化合物は、有機基と銅原子を含む化合物であれば特に限定されるものではないが、1価または2価の銅化合物であることが好ましい。これらの中でも、精製が容易で純度を高めることができる点から、銅化合物としてCuBr・S(CH32を用いることが好ましい。
また、銅化合物(E)の安定化や溶解度を向上させること等を目的として、場合により、N,N-ジメチルイミダゾリジノン(DMI)や、N-ブチルピロリドン(NBT)などの添加剤を適時用いることもできる。

【0021】
工程1Aにおいて、用いられる銅化合物(E)の量は特に限定されるものではない。用いられる銅化合物(E)の好ましい量は、共に用いられるグリニャール試薬(D)中に含まれる有機基の種類によって依存するが、一般的に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(C)との混合比(モル比)が、3:1~1:3が好ましく、2:1~1:2がさらに好ましい。

【0022】
(4) 反応条件
工程1Aおける、炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)との反応は、一般的には、トルエン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、THFまたはそれらの混合溶媒などの不活性溶媒中で行われる。また、炭素数mのフラーレン(F0)、グリニャール試薬(D)および銅化合物(E)をそれぞれ異なる溶媒に溶解させてから、得られた溶液を混合させてもよい。たとえば、フラーレン(F0)はTHF等の有機溶媒に溶解し、他方、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)は、ジクロロベンゼン等の有機溶媒に溶解させた上で、これらの溶媒を混合させてもよい。

【0023】
工程1Aで用いられるグリニャール試薬(D)と銅化合物(E)の量は、フラーレン(F0)よりも過剰であれば特に制限されるものではないが、フラーレン(F0)に対して5当量以上が好ましく、10~20当量用いるのがさらに好ましい。

【0024】
工程1Aにおけるフラーレンと化合物(B)との反応は常圧下で、-20℃~70℃の温度範囲で行われることが好ましく、0℃~50℃の温度範囲で行われることがさらに好ましい。
また、反応時間は用いられる溶媒や温度等に依存するが、一般的には、通常、数分~24時間、好ましくは10分~12時間程度で行われる。

【0025】
1.2 工程2A
工程2Aは、工程1Aで得られた反応生成物と環状エーテル化合物(B)とをハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程である。

【0026】
(1) 環状エーテル化合物(B)
工程2Aで用いられる環状エーテル化合物(B)は上記式(1)で表される化合物である。

【0027】
式(1)中、R1~R3はそれぞれ独立して水素または有機基である。有機基の中でも、R1~R3はそれぞれ独立して、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C30アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C30アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)が好ましい。
これらの中でも、R1~R3はそれぞれ独立して水素またはC1~C5のアルキレンが好ましく、水素が特に好ましい。

【0028】
式(1)中、Wは単結合、置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルキニレン、または、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC1~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C12のアルケニレンもしくは置換基を有してもよいC2~C12である。
これらの中でも、Wは置換基を有してもよいC1~C6のアルキレン、置換基を有してもよいC2~C6のアルケニレン、置換基を有してもよいC2~C6のアルキニレンが好ましく、C1~C5のアルキレンが特に好ましい。

【0029】
「置換基を有してもよいアルキレン」とは、たとえば、アルキレン中の1以上の水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルキレンをいう。
「置換基を有してもよいアルケニレン」とは、たとえば、アルケニレン中の1以上の水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルケニレンをいう。
「置換基を有してもよいアルキニレン」とは、たとえば、アルキニレン中の1以上の水素がフッ素または塩素で置き換えられたアルキニレンをいう。

【0030】
また、環状エーテル化合物(B)として特に好ましいのは、テトラヒドロフラン(THF)である

【0031】
本明細書において、「置換基を有してもよい基」とは、たとえば、置換基を有さない基、および、1以上の水素がフッ素または塩素で置き換えられた基等が含まれる。

【0032】
本明細書において、「C1~C30炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C30炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C30炭化水素基」には、C1~C30アルキル基、C2~C30アルケニル基、C2~C30アルキニル基、C4~C30アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C7~C30アルキルアリール基、C7~C30アリールアルキル基、C4~C30シクロアルキル基、C4~C30シクロアルケニル基、(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基などが含まれる。

【0033】
本明細書において、「C1~C30アルキル基」は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。

【0034】
本明細書において、「C2~C30アルケニル基」は、C2~C10アルケニル基であることが好ましく、C2~C6アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。

【0035】
本明細書において、「C2~C30アルキニル基」は、C2~C10アルキニル基であることが好ましく、C2~C6アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。

【0036】
本明細書において、「C4~C30アルキルジエニル基」は、C4~C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C4~C6アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。

【0037】
本明細書において、「C6~C18アリール基」は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。

【0038】
本明細書において、「C7~C30アルキルアリール基」は、C7~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。

【0039】
本明細書において、「C7~C30アリールアルキル基」は、C7~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。

【0040】
本明細書において、「C4~C30シクロアルキル基」は、C4~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。

【0041】
本明細書において、「C4~C30シクロアルケニル基」は、C4~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。

【0042】
本明細書において、「C1~C30アルコキシ基」は、C1~C10アルコキシ基であることが好ましく、C1~C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。

【0043】
本明細書において、「C6~C30アリールオキシ基」は、C6~C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。

【0044】
本明細書において、「アルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C30アルキル基を示す。)」及び「アルキルスルホニル基(-SO2Y3、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C30アルキル基を示す。)」において、Y1及びY3は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。

【0045】
本明細書において、「アリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)」及び「アリールスルホニル基(-SO2Y4、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)」において、Y2及びY4は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。

【0046】
(2)ハロゲン化シリル化合物(C)
工程2Aで用いられるハロゲン化シリル化合物(C)は上記式(2)で表される化合物である。
式(2)中、R4はそれぞれ独立して有機基である。R4は、これらの有機基の中でも、たとえば、置換基を有していてもよいC1~C6炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C6アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基、C1~C20アリール基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(-SO2Y3、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1~C6アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(-SO2Y4、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6~C18アリール基を示す。)が好ましい。これらの有機基に含まれてもよい置換基として、たとえば、水酸基、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基等の官能基をが上げられる。
環状エーテル化合物(B)との反応を促進する点から、R4は、C1~C6アルキル基やC1~C20アリール基が好ましく、メチル基やフェニ基などが特に好ましい。

【0047】
式(2)中、Xはハロゲン原子であり、ハロゲン原子として、たとえばCl、Br、I等が挙げられる。これらの中でもClが最も好ましい。

【0048】
(4) 反応条件
工程2Aおける、工程1Aで得られた反応生成物と環状エーテル化合物(B)とをハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させることは、一般的には、トルエン、ジクロロベンゼン、または、それらの混合溶媒などの不活性溶媒中で行われる。

【0049】
工程2Aで用いられる環状エーテル化合物(B)はフラーレン(F0)よりも過剰であれば特に制限されるものではないが、フラーレンに対して20当量以上が好ましく、100~600当量用いるのがさらに好ましい。

【0050】
工程2Aにおけるフラーレンと化合物(B)との反応は常圧下で、-20℃~70℃の温度範囲で行われることが好ましく、0℃~60℃の温度範囲で行われることがさらに好ましい。
また、反応時間は用いられる溶媒や温度等に依存するが、一般的には、通常、数分~30時間、好ましくは10分~20時間程度で行われる。

【0051】
(5) 合成されるフラーレン誘導体
工程2Aで合成されるフラーレン誘導体(F1)は式(5)で表されるフラーレン誘導体である。
工程2Aでは、工程1Aで得られた反応生成物に、環状エーテル化合物(B)が開環した基が付加されたフラーレン誘導体が合成される。式(5)中、RAは、環状エーテル化合物(B)が開環した基に由来する基である。
したがって、mはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、RA中のR11は上記式(1)中のR1と同一であり、R12は上記式(1)中のR2と同一であり、R13は上記式(1)中のR3と同一であり、Yは上記式(1)中のWと同一である。また、RA中のR14はハロゲン化シリル化合物(C)に由来する部分であるからR14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一である。

【0052】
RBはそれぞれ独立して有機基である。工程2Aにおいて、工程1Aで用いたグリニャール試薬(D)の有機基R40がフラーレン骨格に付加しやすいことから、R40とRBはそれぞれ独立して同一であることが好ましい。

【0053】
工程1Aで用いられたフラーレン(F0)がフラーレンC60の場合、上記式(51)に示される、RAとRBがフラーレC60骨格に位置選択的に付加したフラーレン誘導体(F1)が高収率で合成される。

【0054】
1.3 工程3A
工程3Aは、工程2Aで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程である。

【0055】
工程3Aは、工程2Aで得られたフラーレン誘導体(F1)を表す式(5)または式(51)におけるRA中の
【化19】
JP0005142221B2_000020t.gif

部分を-OHに置き換える工程である。
したがって、工程3Aを経て得られるフラーレン誘導体(F4)の中のmはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、RA中のR11は上記式(1)中のR1と同一であり、R12は上記式(1)中のR2と同一であり、R13は上記式(1)中のR3と同一であり、Yは上記式(1)中のWと同一である。

【0056】
無機酸(G)は特に限定されないが、HCl、H2SO4、HNO3等が好ましい。

【0057】
工程1Aで用いられたフラーレン(F0)がフラーレンC60の場合、上記式(57)に示される、RAとRBがフラーレC60骨格に位置選択的に付加したフラーレン誘導体(F4)が高収率で合成される。

【0058】
2 出発物質としてフラーレン誘導体を用いた場合のフラーレン誘導体の製造方法B
フラーレン誘導体の製造方法Bは、
炭素数mのフラーレン誘導体(F2)にアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1Bと
工程1Bで得られた反応生成物と環状エーテル化合物(B)とをハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Bを含み、
任意に、さらに、工程2Bで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Bを含むフラーレン誘導体の製造方法である。

【0059】
2.1 工程1B
工程1Bは、炭素数mのフラーレン誘導体(F2)にアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程である。

【0060】
(1) フラーレン誘導体(F2)
本発明のフラーレン誘導体の製造方法において、フラーレン誘導体(F2)を出発物質として用いることができる。
フラーレン誘導体(F2)は式(52)で表されるフラーレン誘導体である。式(52)に示されるように、RDはそれぞれ独立して有機基である。有機基の説明は上述のとおりである。

【0061】
これらのフラーレン誘導体(F2)の中でも、合成法が公知である上記式(54)のフラーレン誘導体を用いることが好ましい。

【0062】
(2) アルカリ金属化合物(H)
工程1Bで用いられるアルカリ金属化合物(H)は式(6)で表される化合物であればとくに限定されるものではないが、KHおよびNaHを用いることが好ましい。

【0063】
(3) 反応条件
工程1Bおける、炭素数mのフラーレン誘導体(F2)にアルカリ金属化合物(H)を反応させることは、一般的には、トルエン、ジクロロベンゼン、THF、または、それらの混合溶媒などの不活性溶媒中で行われる。

【0064】
工程1Bにおいて、用いられるアルカリ金属化合物(H)の量は特に限定されるものではないが、アルカリ金属化合物(H)の好ましい量は、フラーレン誘導体(F2)に対して1当量以上が好ましく、1~2当量用いるのがさらに好ましい。

【0065】
工程1Bにおける反応は常圧下で、-20℃~70℃の温度範囲で行われることが好ましく、0℃~60℃の温度範囲で行われることがさらに好ましい。
また、反応時間は用いられる溶媒や温度等に依存するが、一般的には、通常、数分~30時間、好ましくは10分~20時間程度で行われる。

【0066】
2.2 工程2B
工程2Bは、工程1Bで得られた反応生成物と環状エーテル化合物(B)とをハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程である。
工程2Bは、工程1Aにおいて工程1Aで得られた反応生成物の代わりに、工程1Bで得られた反応生成物を用いる以外は、工程2Aと実質的に同一である。
したがって、工程2Bにおける、環状エーテル化合物(B)、ハロゲン化シリル化合物(C)および反応条件は、工程2Aと実質的に同一である。

【0067】
工程2Bで合成されるフラーレン誘導体(F3)は式(53)で表されるフラーレン誘導体である。
工程2Bでは、工程1Bで得られた反応生成物に、環状エーテル化合物(B)が開環した基が付加されたフラーレン誘導体が合成される。式(53)中、REは、環状エーテル化合物(B)が開環した基に由来する基である。
したがって、mはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、RE中のR11は上記式(1)中のR1と同一であり、R12は上記式(1)中のR2と同一であり、R13は上記式(1)中のR3と同一であり、Yは上記式(1)中のWと同一である。また、RA中のR14はハロゲン化シリル化合物(C)に由来する部分であるからR14はそれぞれ上記式(2)中のR4と同一である。

【0068】
RBは、RBはそれぞれ独立して有機基である。工程1Bと工程2Bにおいて、フラーレン誘導体(F2)に付加しているRDは反応に寄与しない、または、置換や脱離等しにくいことから、式(52)中のRDと式(53)中のRFはそれぞれ独立して同一であることが好ましい。

【0069】
工程1Bで用いられたフラーレン誘導体(F2)が上記式(54)で表されるフラーレン誘導体の場合、上記式(55)に示される、REとRFがフラーレC60骨格に位置選択的に付加したフラーレン誘導体(F3)が高収率で合成される。

【0070】
2.2 工程3B
工程3Bは、工程2Bで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程である。

【0071】
フラーレン誘導体の製造方法Bにおける工程3Bは、フラーレン誘導体の製造方法Aにおける工程3Aと実質的に同一である。
したがって、工程3Bにおける、無機酸(G)および反応条件は工程3Aと実質的に同一である。

【0072】
工程3Bで合成されるフラーレン誘導体(F5)は式(58)で表されるフラーレン誘導体である。
したがって、工程3Bを経て得られるフラーレン誘導体(F5)を表す式(58)中のmはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、RE中のR11は上記式(1)中のR1と同一であり、R12は上記式(1)中のR2と同一であり、R13は上記式(1)中のR3と同一であり、Yは上記式(1)中のWと同一である

【0073】
工程1Bで用いられたフラーレン誘導体(F2)が上記式(54)のフラーレン誘導体の場合、上記式(59)に示される、REとRFがフラーレC60骨格に位置選択的に付加したフラーレン誘導体(F5)が高収率で合成される。

【0074】
3 フラーレン誘導体の単離
本発明のフラーレン誘導体の合成反応の反応系からフラーレン誘導体を単離する方法は特に限定されないが、たとえば反応液をそのままシリカゲルカラムに通すことによって、無機物等の副生成物を除くことによって行われる。必要に応じて、単離した物質について、HPLCや通常のカラムクロマトグラフィー等で更に精製し、フラーレン誘導体の純度を向上させてもよい。

【0075】
4 フラーレン骨格に付加された置換基の変換
本発明のフラーレン誘導体製造方法によって得られたフラーレン誘導体(F4)をあらわす式(56)もしくは式(57)、または、フラーレン誘導体(F5)をあらわす式(58)もしくは式(59)における式(5B)に含まれる-OHは、既知の方法によって容易に他の置換基に変換することができる。たとえば、メタアクリルクロライドと反応させることによってメタアクリレート基に、あるいはノルボルネンカルボニルクロライドと反応せることによって、ノルボルネンカルボニル基に容易に変換できる。
【実施例】
【0076】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれらに制限されるものではない。
【実施例】
【0077】
[実施例1] 化合物1bC60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)の製造
【化20】
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CuBr・S(CH32(3.43g,16.7mmol)とグリニヤール試薬(C6H4-nBu)MgBr(0.98MのTHF溶液17.2mL,16.7mmol)を溶解したTHF(25mL)溶液に、アルゴン下、C60 (1g, 1.39mmol) をオルトジクロロベンゼン(45 mL)に溶解した液を加え室温で1時間撹拌後、(CH33SiCl(0.881mL,6.94mmol)を滴下した.50℃で12時間攪拌後,1Mの塩酸水溶液(1mL)を加え、さらに室温で1時間攪拌して反応を停止した。反応生成液は、トルエンを溶媒として用いてシリカゲルカラムにより濾過し、固体が析出するまで溶液を濃縮した。その後、トルエン/ヘキサン(4/1)の混合液を溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。エバポレータで濃縮後、溶液が透明になるまでメタノールを加えて固体を濾取し、減圧下数時間乾燥することにより化合物(1b)C60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)(1.84g,収率92%)を得た。
得られたフラーレン誘導体について、NMRの測定を行った、測定結果は以下のとおりであった。
【実施例】
【0078】
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.66 (d, 4H), 7.55 (d, 4H), 7.24 (t, 2H), 7.10-7.08 (m, 8H), 6.93 (d, 2H), 3.23 (t, 2H), 2.68-2.60 (m, 8H), 2.50 (t, 2H), 1.65-1.57 (m, 8H), 1.51-1.47 (m, 4H), 1.40-1.33 (m, 8H), 1.30-1.26 (m, 4H), 1.02 (t, 2H), 0.98-0.92 (m, 12H), 0.87 (t, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3): δ156.99, 156.62, 153.58, 151.55, 148.71, 148.60, 148.45, 148.39, 148.18, 148.10, 147.95, 147.75, 147.69, 147.29, 147.22, 147.00, 145.52, 145.44, 144.78, 144.33, 144.29, 144.24, 144.13, 144.04, 143.98, 143.93, 143.68, 142.56, 142.37, 142.25, 141.52, 140.18, 137.82, 136.29, 130.59, 128.72, 128.69, 128.49, 127.99, 127.80, 65.27, 63.09, 62.82, 60.97, 58.33, 40.48, 35.32, 35.17, 35.04, 33.60, 33.42, 33.28, 32.21, 22.34, 22.26, 22.12, 21.65, 14.00, 13.97, 13.90. Calcd. for C114H74O: C, 93.79: H, 5.11. Found: C, 93.69: H, 5.14.
【実施例】
【0079】
[実施例2]
(CH33SiClをフラーレンC60に対して10当量(1.76mL,13.9mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、化合物(1b)C60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)(1.84g, 収率92%)を得た。
【実施例】
【0080】
[実施例3]
(CH33SiClをフラーレンC60に対して3当量(0.528mL,4.17mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、化合物(1b)C60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)(1.54g, 収率77%)を得た。
【実施例】
【0081】
[実施例4]
(CH33SiClをフラーレンC60に対して1当量(0.176mL,1.39mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、化合物(1b)C60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)(1.30g, 収率65%)を得た。
【実施例】
【0082】
[実施例5]
(CH33SiClの代わりに(CH33SiBrをフラーレンC60に対して5当量(0.88mL, 6.95mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、化合物(1b)C60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)(1.44g,収率72%)を得た。
【実施例】
【0083】
[実施例6]
(CH33SiClの代わりに(CH33SiIをフラーレンC60に対して5当量(0.88mL, 6.95mmol)用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、化合物(1b)C60(C6H4-nBu)5(C4H8OH)(1.14g,収率57%)を得た。
【実施例】
【0084】
[実施例7] 化合物1a C60(CH35(C4H8OH) の製造
【化21】
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グリニヤール試薬(C6H4-nBu)MgBrの代わりに(CH3)MgBrを用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、化合物(1a)C60(CH35(C4H8OH)(1.10g,収率91%)を得た。
【実施例】
【0085】
[実施例8] 化合物3a C60(CH35(C4H8OSi(CH33)の製造
【化22】
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化合物4C60(CH35H(5 g, 6.94 mmol)と過剰量(1.2 当量)の水素化カリウムをTHF(500 mL)中室温で30分間反応させ、濃い赤褐色の液体KC60(CH35を得た。この溶液に、5当量のSi(CH33Cl(3.77 g, 34.7 mmol)を加え、50℃に加温して16時間加熱撹拌した。THFをエバポレータで除去した後トルエンに溶解させ、シリカゲルで濾過して不溶物および塩を除去した。得られた濾液を濃縮し、メタノールで再沈殿を行うことにより、化合物(3a)(5.76 g,収率88%)を得た。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明のフラーレン誘導体は、たとえば、電子材料、光機能材料、生理活性物質等に用いることができる。本発明のフラーレン誘導体合成反応を用いて得られたフラーレン誘導体は、従来のフラーレン誘導体と比べて異なる電気的性質および溶媒溶解性を示す誘導体も含まれ、今までとは異なる電子材料、光機能材料、生理活性物質等に用いることもできる。
また、本発明で得られたフラーレン誘導体は、さらなる転換反応を加えて、様々な種類のフラーレン誘導体を合成するための中間体として用いることができる。