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Specification :(In Japanese)化学・物理現象検出装置及びその制御方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5077799
Publication number P2009-236502A
Date of registration Sep 7, 2012
Date of issue Nov 21, 2012
Date of publication of application Oct 15, 2009
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)化学・物理現象検出装置及びその制御方法
IPC (International Patent Classification) G01N  27/00        (2006.01)
G01N  27/414       (2006.01)
FI (File Index) G01N 27/00 Z
G01N 27/30 301X
G01N 27/30 301R
Number of claims or invention 5
Total pages 12
Application Number P2008-079306
Date of filing Mar 25, 2008
Date of request for substantive examination Mar 25, 2011
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】澤田 和明
【氏名】松尾 純一
Representative (In Japanese)【識別番号】100095577、【弁理士】、【氏名又は名称】小西 富雅
【識別番号】100100424、【弁理士】、【氏名又は名称】中村 知公
【識別番号】100114362、【弁理士】、【氏名又は名称】萩野 幹治
Examiner (In Japanese)【審査官】土岐 和雅
Document or reference (In Japanese)特開平11-201775(JP,A)
特開2004-028723(JP,A)
国際公開第2006/095903(WO,A1)
特開2002-221435(JP,A)
特開2002-098667(JP,A)
特開2006-284225(JP,A)
特開2006-189416(JP,A)
特開昭55-129741(JP,A)
特開昭55-129740(JP,A)
特開昭55-129739(JP,A)
Field of search G01N27/00~27/49,H01L27/14,H04N5/30~5/335
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置であって、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、該電荷蓄積部の第1の電位を検出して保存する手段と、
前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷の供給がなされた状態で、前記電荷転送調節部の電位を調節して、前記センシング部の電荷を前記電荷蓄積部へ転送し、該電荷蓄積部の第2の電位を検出して保存する手段と、
前記第2の電位と前記第1の電位との差を演算し、得られた電位差を出力する手段と、を更に備える、ことを特徴とする化学・物理現象検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の化学・物理現象検出装置であって、前記化学・物理現象は水素イオン濃度であり、前記センシング部は外部の光に感応して電荷を生成する化学・物理現象検出装置と、
前記センシング部へ入射された光に基づきイメージ信号を出力する光検装置と、
を備えてなる融合型化学・物理現象検出装置。
【請求項3】
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置であって、
前記電荷蓄積部をリセットした後の該電荷蓄積部の第3の電位を検出して保存する手段と、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、該電荷蓄積部の第4の電位を検出して保存する手段と、
前記第4の電位と前記第3の電位との差を演算して、得られた電位差を第5の電位として保存する手段と、
前記第4の電位を検出して保存した後、前記電荷蓄積部内の電荷をリセットし、前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷を供給した後であって、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされる前に、前記電荷蓄積部の第6の電位を検出して保存する手段と、
前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされた後の前記電荷蓄積部の第7の電位を検出して保存する手段と、
前記第7の電位と、前記第6の電位及び前記第5の電位の和の電位との差を演算して、得られた電位差を出力する手段と、を更に備える、ことを特徴とする化学・物理現象検出装置。
【請求項4】
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置の制御方法であって、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、前記電荷蓄積部の第1の電位を検出して保存し、その後、
前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷の供給がなされた状態で、前記電荷転送調節部の電位を調節して、前記センシング部の電荷を前記電荷蓄積部へ転送して該電荷蓄積部の第2の電位を保存し、
前記第2の電位と前記第1の電位との差を演算し、得られた電位差を出力する、ことを特徴とする化学・物理現象検出装置の制御方法。
【請求項5】
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置の制御方法であって、
前記電荷蓄積部をリセットした後の該電荷蓄積部の第3の電位を検出し、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、該電荷蓄積部の第4の電位を検出して保存し、
前記第4の電位と前記第3の電位との差を演算して、得られた電位差を第5の電位として保存し、
前記第4の電位を検出して保存した後、前記電荷蓄積部内の電荷をリセットし、前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷を供給した後であって、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされる前に、前記電荷蓄積部の第6の電位を検出して保存し、
前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされた後の前記電荷蓄積部の第7の電位を検出して保存し、
前記第7の電位と、前記第6の電位及び前記第5の電位の和の電位との差を演算して、得られた電位差を出力する、ことを特徴とする化学・物理現象検出装置の制御方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は化学・物理現象検出装置及びその制御方法に関する。この発明の化学・物理現象検出装置は例えばpHセンサとして好適である。
【背景技術】
【0002】
化学・物理現象検出装置の一例としてpHセンサを図1に示す。
このpHセンサ1は水溶液の水素イオン濃度に応じてポテンシャルが変化するセンシング部2と、このセンシング部2へ電荷を供給する電荷供給部3と、センシング部2と電荷供給部3との間に形成される電荷供給調節部4と、センシング部2から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部5と、センシング部2と電荷蓄積部5との間に形成される電荷転送調節部6とを備えている。
【0003】
上記において、センシング部2はp型化されたシリコン基板表面からなり、電荷供給部3はシリコン基板へn型不純物をドープして形成される。電荷蓄積部5もシリコン基板へn型不純物をドープして形成される。
センシング部2の上にはシリコン酸化膜からなる絶縁膜7を介してSi3N4からなるpH感応膜8が積層されている。pH感応膜8の上側には溶液槽が設けられ、参照電極9が溶液に浸漬されている。
電荷蓄積部5は図示しないリセット部に接続されており、
【0004】
かかる構成のpHセンサ1の動作は図1(B)のタイミングチャートで示される。
(T1)
電荷蓄積部5の電荷をリセットすると同時に、電荷供給部3の電位を電荷供給調節部4の電位より低くして、電荷供給部3の電荷をセンシング部2へ供給する。このとき、電荷転送調節部6の電位は低く保たれているので、センシング部2のポテンシャル深さ応じた(即ち、溶液のpHの値に応じた)量の電荷がセンシング部2に保存される。
その後、電荷供給部4の電位を上げてセンシング部2への電荷の供給を止めるとともに、電荷蓄積部5のリセットをオフとする。
(T4)
この状態で電荷蓄積部5の電位を検出する。T1において電荷蓄積部5はリセットされているので、ここで検出された電位は電荷蓄積部5のリセットレベルを示す。この第1の電位は、差動アンプ10に一旦保存される。
【0005】
(T6)
電荷転送調節部6の電位をあげることにより、センシング部2の電荷を電荷蓄積部5へ転送する。図1のポテンシャル図はこの状態を示している。
(T10)
センシング部2から転送された電荷を蓄積した電荷蓄積部5の電位(第2の電位)を検出し、差動アンプ10へ送る。
差動アンプ10は第2の電位と第1の電位との差を演算し、当該電位差を出力信号とする。
【0006】
この発明に関連する技術を開示する文献として、特許文献1~特許文献4を参照されたい。

【特許文献1】特開2002-221435号公報
【特許文献2】特開2002-098667号公報
【特許文献3】特開2004-028723号公報
【特許文献4】特開平11-201775号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のpHセンサは暗所で使用する必要があった。明所で使用をすると、センシング部が光に感応し、pHの値に起因する信号に光の強さに起因する信号が重畳されてしまう。つまり、明所ではpHを正確に測定することができない。
かかる課題は、明所での使用が本来的な使用となる融合型光・pH検出装置において顕著となる。この融合型光・pH検出装置は光学イメージとpHイメージを実質的に同時に表示する(特許文献3及び特許文献4参照)。
そこでこの発明は、そのセンシング部が光に感応する累積型化学・物理現象検出装置を明所でも高い精度で使用可能とすることを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた結果、本願発明に想到した。即ち、この発明の第1の局面は次のように規定される。
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置であって、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、該電荷蓄積部の第1の電位を検出して保存する手段と、
前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷の供給がなされた状態で、前記電荷転送調節部の電位を調節して、前記センシング部の電荷を前記電荷蓄積部へ転送し、該電荷蓄積部の第2の電位を検出して保存する手段と、
前記第2の電位と前記第1の電位との差を演算し、得られた電位差を出力する手段と、を更に備える、ことを特徴とする化学・部対現象検出装置。
【0009】
このように規定される第1の局面の発明によれば、電荷供給部からセンシング部へ電荷供給が無い状態で、センシング部から電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように電荷転送調節部の電位が調節され、電荷蓄積部の電位(第1の電位)が検出される。これは、本来の測定対象であるpH等の化学・物理量を測定するに先立ち、当該化学・物理量の影響がない状態(換言すれば、光の影響のみが現れる状態に)において、いわゆる空うちを実行し、光のみの影響によりセンシング部から電荷蓄積部へ転送される電荷量に起因する電位(第1の電位)を予め検出・保存しておくものである。
その後、通常通り化学・物理量を測定(その出力には光の影響が含まれている、第2の電位)し、その測定結果から先に保存しておいた光の影響分を差し引くことにより、化学・物理量を正確に反映した出力信号を得ることができる。
【0010】
このように構成された化学・物理現象検出装置は、光の影響が排除されるので、明所においてもそのまま使用でき、高精度な検出を実現できる。かかる検出装置をpHセンサとした場合、当該pHセンサはpHセンサとイメージセンサとが結合された融合型検出装置に好適となる。イメージセンサが稼動するためには光が必要であり、イメージセンサとpHセンサとを実質的に同時に作動させるので、センシング部をpHセンサとして作動させるときにも当該センシング部へ必然的に光が照射されるからである。
【0011】
この発明の第2の局面は当該融合型化学・物理現象検出装置を規定する。即ち、
第1の局面に記載の化学・物理現象検出装置であって、前記化学・物理現象は水素イオン濃度であり、前記センシング部は外部の光に感応して電荷を生成する化学・物理現象検出装置と、
前記センシング部へ入射された光に基づきイメージ信号を出力する光検装置と、
を備えてなる融合型化学・物理現象検出装置。
【0012】
化学量若しくは物理量のより正確に検出を実行するため、電荷蓄積層におけるリセット雑音の除去の有効性が特許文献1に説明されている。
この発明の第3の局面は当該リセット雑音を除去しつつ、光の影響も除去することを目的として規定された。即ち、
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置であって、
前記電荷蓄積部をリセットした後の該電荷蓄積部の第3の電位を検出して保存する手段と、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、該電荷蓄積部の第4の電位を検出して保存する手段と、
前記第4の電位と前記第3の電位との差を演算して、得られた電位差を第5の電位として保存する手段と、
前記第4の電位を検出して保存した後、前記電荷蓄積部内の電荷をリセットし、前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷を供給した後であって、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされる前に、前記電荷蓄積部の第6の電位を検出して保存する手段と、
前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされた後の前記電荷蓄積部の第7の電位を検出して保存する手段と、
前記第7の電位と、前記第6の電位及び前記第5の電位の和の電位との差を演算して、得られた電位差を出力する手段と、を更に備える、ことを特徴とする化学・物理現象検出装置。
【0013】
このように規定された第3の局面の化学・物理現象検出装置によれば、第4の電位と第3の電位の差を演算することにより、電荷蓄積層におけるリセット電位と光の影響により転送された電荷による電位との差(第5の電位)が、化学・物理量を検出する毎に前もって特定される。
従って、通常通り化学・物理量を測定(その出力には光の影響が含まれている、第7の電位-第6の電位)し、その測定結果から先に特定しておいた第5の電位を差し引くことにより、光の影響が排除できるとともに、リセット電位の変動による影響を排除できる。よって、化学・物理量を正確に反映した出力信号が得られる。
【0014】
この発明の第4の局面は次のように規定される。
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置の制御方法であって、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、前記電荷蓄積部の第1の電位を検出して保存し、その後、
前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷の供給がなされた状態で、前記電荷転送調節部の電位を調節して、前記センシング部の電荷を前記電荷蓄積部へ転送して該電荷蓄積部の第2の電位を保存し、
前記第2の電位と前記第1の電位との差を演算し、得られた電位差を出力する、ことを特徴とする化学・部対現象検出装置の制御方法。
このように規定される第4の局面の発明によれば、第1の局面の発明と同様の効果が得られる。
【0015】
この発明の第5の局面は次のように規定される。
化学・物理現象に対応してポテンシャルが変化するセンシング部と、
前記センシング部へ電荷を供給する電荷供給部と、
前記センシング部と前記電荷供給部との間に形成される電荷供給調節部と、
前記センシング部から転送された電荷を蓄積する電荷蓄積部と、
前記センシング部と前記電荷蓄積部との間に形成される電荷転送調節部とを備えてなる、化学・物理現象検出装置の制御方法であって、
前記電荷蓄積部をリセットした後の該電荷蓄積部の第3の電位を検出し、
前記電荷供給部から前記センシング部への電荷供給が無い状態で、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷が転送可能なように前記電荷転送調節部の電位を調節し、該電荷蓄積部の第4の電位を検出して保存し、
前記第4の電位と前記第3の電位との差を演算して、得られた電位差を第5の電位として保存し、
前記第4の電位を検出して保存した後、前記電荷蓄積部内の電荷をリセットし、前記電荷供給部から前記センシング部へ電荷を供給した後であって、前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされる前に、前記電荷蓄積部の第6の電位を検出して保存し、
前記センシング部から前記電荷蓄積部へ電荷の転送がされた後の前記電荷蓄積部の第7の電位を検出して保存し、
前記第7の電位と、前記第6の電位及び前記第5の電位の和の電位との差を演算して、得られた電位差を出力する、ことを特徴とする化学・物理現象検出装置の制御方法。
このように規定される第5の局面の発明によれば、第3の局面の発明と同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施例について説明する。実施例のpHセンサの構成は従来例のそれ(図1(A)参照)と同一であるので、その説明は省略する。
従来例と実施例の違いはそのデータのサンプリングのタイミングにある。実施例のタイミングチャートを図2に示す。
なお、図示しないコントローラが備えられ、このコントローラにより各要素へ所定の電位が所定のタイミングで印加され、また、スイッチング素子を開平して電荷のリセットが行われ、もって図2に示すタイミングでのデータサンプリングが実行される。
【0017】
(T1)
電荷蓄積部5の電荷をリセットする。このとき、電荷供給部3からセンシング部2へは何ら電荷は供給されていない。しかしながら、センシング部2では光の影響により電荷が生成されている。
(T2)
電荷転送調節部6の電位を上げて、センシング部2の電荷を電荷蓄積部5へ転送可能な状態とする。既述のように、センシング部2には光に起因した電荷が生成されているので、その電荷が電荷蓄積部5へ転送されてそこに蓄積する。
(T4)
電荷蓄積部5の電位(第1の電位)を検出する。この第1の電位は光の影響により生成された電荷を反映したものである。
【0018】
(T5)
電荷蓄積部5の電荷をリセットすると同時に、電荷供給部3の電位を電荷供給調節部4の電位より低くして、電荷供給部3の電荷をセンシング部2へ供給する。このとき、電荷転送調節部6の電位は低く保たれているので、センシング部2のポテンシャル深さに応じた(即ち、溶液のpHの値に応じた)量の電荷がセンシング部2に保存される。
その後、電荷供給部4の電位を上げてセンシング部2への電荷の供給を止めるとともに、電荷蓄積部5のリセットをオフとする。
(T8)
電荷転送調節部6の電位をあげることにより、センシング部2の電荷を電荷蓄積部5へ転送する。このとき転送される電荷には、pHの値に起因するものと光に起因するものとが混在する。
(T10)
センシング部2から転送された電荷を蓄積した電荷蓄積部5の電位(第2の電位)を検出し、差動アンプ10へ送る。
差動アンプ10は第2の電位と第1の電位との差を演算し、当該電位差を出力信号とする。
ここに、第2の電位及び第1の電位には共に光の影響分が含まれているので、第2の電位から第1の電位を減算すれば、当該光の影響が相殺される。これにより、pHの値を精度よく検出できる。
【0019】
実施例のpHセンサのアレイ(32×32個)を準備して、pH9.18の標準バッファ液に樹脂ピペットの先端を挿入したときのpHセンサアレイにより観察されたpH分布(pHイメージ)を図3に示す。当該観察は部屋内で、特に暗所とすることなく、行われた。図3(A)は実施例で説明したサンプリングのタイミングを実行したときのpHセンサアレイにより得られた画像であり、図3(B)は同じ装置を用いて従来例のサンプリングのタイミングを実行したときのpHセンサアレイにより得られた画像である。
図3の結果から、実施例によれば、検査対象のpHを正確に、かつ感度よく検出できることがわかる。
【0020】
なお、実施例及び従来例ともpHの計測条件は同じである(下記参照)。
pH: 9.18
光強度[μW/cm3]: 0~330(10点)
光源: 青色LED(470nm)
参照電極Vref[V]: 0V
動作周波数[kHz]: 5

【0021】
上記の条件を維持して、T4(実施例及び従来例)のタイミングで得られる電位V1(リセット電位を0とする)と光の強度との関係を図4に示す。図4(A)からわかるとおり、実施例では光の影響が出力に殆ど関係しないことがわかる。他方、従来例では光が強くなればなるなるほど光の影響がpHの測定に影響を及ぼすことがわかる。
【0022】
この発明の他の実施例のサンプリングの方法について、図5を参照しながら説明する。なお、pHセンサ自体の構成は従来例のそれ(図1(A)参照)と同一である。なお、この実施例で用いる信号処理回路を図6に示した。
(T1)
電荷蓄積部5の電荷をリセットする。このとき、電荷供給部3からセンシング部2へは何ら電荷は供給されていない。しかしながら、センシング部2では光の影響により電荷が生成されている。
(T2)
電荷蓄積部5の電位(第3の電位V3)を検出する。この第3の電位V3はリセットされた直後の電荷蓄積部5の基底部の電位(リセット電位)である。このリセット電位は、pHセンサの環境温度や他の電子機器の影響により変動することがある。当該第3の電位V3は差動アンプ21へ送られて一旦保存される。
【0023】
(T4)
電荷転送調節部6の電位を上げて、センシング部2の電荷を電荷蓄積部5へ転送可能な状態とする。既述のように、センシング部2には光に起因した電荷が生成されているので、その電荷が電荷蓄積部5へ転送されてそこに蓄積する。
(T7)
電荷蓄積部5の電位(第4の電位V4)を検出する。この第1の電位は光の影響により生成された電荷を反映したものである。この第4の電位V4を差動アンプ21へ送り、当該第4の電位V4と第3の電位V3との差をとって、第5の電位V5を出力する。この第5の電位V5は差動アンプ22に一旦保存される。
この第5の電位V5は、光に起因してセンシング部2から電荷蓄積層5へ転送された電荷による電位(第4の電位V4)とリセット電位(第3の電位V3)との差の絶対値である。
【0024】
(T9~T15)
このタイミングは、従来例のタイミング(図1参照)と同一である。
即ち、 (T9)
電荷蓄積部5の電荷をリセットすると同時に、電荷供給部3の電位を電荷供給調節部4の電位より低くして、電荷供給部3の電荷をセンシング部2へ供給する。このとき、電荷転送調節部6の電位は低く保たれているので、センシング部2のポテンシャル深さ応じた(即ち、溶液のpHの値に応じた)量の電荷がセンシング部2に保存される。
その後、電荷供給部4の電位を上げてセンシング部2への電荷の供給を止めるとともに、電荷蓄積部5のリセットをオフとする。
(T11)
この状態で電荷蓄積部5の電位(第6の電位V6)を検出する。T1において電荷蓄積部5はリセットされているので、ここで検出された電位V6は電荷蓄積部5のリセットレベルを示す。この第6の電位V6は、差動アンプ22に一旦保存される。
【0025】
(T13)
電荷転送調節部6の電位をあげることにより、センシング部2の電荷を電荷蓄積部5へ転送する。
(T15)
センシング部2から転送された電荷を蓄積した電荷蓄積部5の電位(第7の電位)を検出し、差動アンプ22へ送る。この第7の電位には測定対象であるpHの他にセンシング部2へ照射した光の影響が含まれている。
差動アンプ22は第7の電位V7と、第6の電位V6及び第5の電位V5の和との差をとり(即ち、V7-(V6+V5)を演算する)、当該電位差を出力信号とする。
この出力においては、光の影響による電位とリセット電位との差が予め求められているので(T7)、光の影響による電位(電位差)の絶対値が特定される。従って、後の測定において(T9~T15)においてリセット電位に変動があったとしても、差動アンプ22において光の影響分のみを正確に除去できる。
これにより、より正確なpHセンシングが可能となる。
【0026】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
上記の実施例では、計測対象の化学・物理現象の例として水素イオン濃度を採り上げているが、他にも磁気その他の現象を計測対象とすることができる。また、電荷井戸としてn+を用いているので、電荷の対象は電子となるが、半導体基板の材料及び不純物の導電型を調整することにより、正孔を電荷として取り扱うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来例のpHセンサの構成(図1(A))とそのデータサンプリングのタイミングチャート(図1(B))である。
【図2】この発明の実施例のデータサンプリングのタイミングチャートである。
【図3】実施例のデータサンプリングのタイミングを実行したときのpHイメージ(図3(A))と従来例のタイミングを実行したときのpHイメージ(図3(B))とを示す。
【図4】光の強さとそれによる出力電圧の影響を示すグラフであり、図4(A)は実施例のデータサンプリングのタイミングを実行したとき、図4(B)は従来例のサンプリングを実行したときの結果を示す。
【図5】他の実施例のデータサンプリングのタイミングチャートである。
【図6】図5の実施例のデータサンプリングのタイミングを実行するときに用いられる信号処理回路である。
【符号の説明】
【0028】
1 pHセンサ(化学・物理現象検出装置)
2 センシング部
3 電荷供給部
4 電荷供給調節部
5 電荷蓄積部
6 電荷転送調節部
7 絶縁膜
8 pH感応膜
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
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(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
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