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Specification :(In Japanese)基板およびその研磨方法、並びに研磨装置

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P4904506
Date of registration Jan 20, 2012
Date of issue Mar 28, 2012
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)基板およびその研磨方法、並びに研磨装置
IPC (International Patent Classification) B24B   1/00        (2006.01)
H01L  21/304       (2006.01)
FI (File Index) B24B 1/00 A
H01L 21/304 621Z
Number of claims or invention 7
Total pages 10
Application Number P2007-524633
Date of filing Jul 7, 2006
International application number PCT/JP2006/313601
International publication number WO2007/007683
Date of international publication Jan 18, 2007
Application number of the priority 2005198640
Priority date Jul 7, 2005
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Jul 7, 2009
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】渡邉 純二
Representative (In Japanese)【識別番号】100098785、【弁理士】、【氏名又は名称】藤島 洋一郎
【識別番号】100109656、【弁理士】、【氏名又は名称】三反崎 泰司
Examiner (In Japanese)【審査官】上田 真誠
Document or reference (In Japanese)特開2004-55615(JP,A)
特開2003-238941(JP,A)
特開2004-345003(JP,A)
特開平2-199832(JP,A)
特開2003-318139(JP,A)
特開2002-219635(JP,A)
Field of search B24B 1/00
B24B 37/00-37/04
H01L 21/304
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
石英からなると共に表面に格子状の溝を有する研磨定盤を用い、前記溝に固体光触媒粒子を埋め込み、炭化珪素(SiC)またはダイヤモンドの基板の被研磨面を前記研磨定盤の表面に高圧で押し付けると共に前記研磨定盤の裏面から前記研磨定盤を透過して基板の被研磨面に紫外線を照射し、前記研磨定盤の表面または前記基板の被研磨面のうち少なくとも一方を赤外光の照射によって加熱しつつ、基板を前記研磨定盤に対して相対的に摺動させることにより研磨する
ことを特徴とする研磨方法。
【請求項4】
前記固体光触媒粒子は、酸化セリウム(CeO2),二酸化チタン(TiO2),酸化クロム(Cr2O3),酸化亜鉛(ZnO),酸化タングステン(WO3)および酸化鉄(F2O3)からなる群のうちの少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項1記載の研磨方法。
【請求項5】
前記固体光触媒粒子に、酸化ジルコニウム(ZrO2)またはアルミナ(Al2O3)の少なくとも一方を含む
ことを特徴とする請求項4記載の研磨方法。
【請求項9】
紫外線を照射することにより前記基板の表面を酸化させて化学研磨を行う
ことを特徴とする請求項1記載の研磨方法。
【請求項10】
ダイヤモンド(C)により構成され、請求項1,4,5のうちいずれか1つの方法により研磨された面を有する
ことを特徴とする基板。
【請求項11】
炭化珪素(SiC)またはダイヤモンドの基板の表面を研磨するための研磨装置であって、
石英からなり、表面に格子状の溝を有すると共に前記溝に固体光触媒粒子が埋め込まれた研磨定盤と、
前記基板を保持する基板ホルダと、
前記研磨定盤の裏面側に配置され、前記研磨定盤の裏面から当該研磨定盤を透過して前記研磨定盤の固体光触媒粒子に対して紫外光を照射する紫外光源ランプと、
前記基板ホルダを介して前記基板の被研磨面を前記研磨定盤の表面に高圧で押し付けると共に、前記基板を固体光触媒粒子に対して相対的に擦動させる駆動手段と、
前記基板の被研磨面または前記研磨定盤の表面のうち少なくとも一方を赤外線の照射によって加熱する加熱手段と
を備えたことを特徴とする研磨装置。
【請求項14】
前記固体光触媒粒子は、酸化セリウム(CeO2),二酸化チタン(TiO2),酸化クロム(Cr2O3),酸化亜鉛(ZnO),酸化タングステン(WO3)および酸化鉄(F2O3)からなる群のうち少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項11記載の研磨装置。
Detailed description of the invention (In Japanese)技術分野
[0001]
本発明は、例えば炭化珪素(SiC)またはダイヤモンド(C)からなる基板の表面の研磨を行うための研磨方法およびこの方法により得られた基板、並びに研磨装置に関する。
背景技術
[0002]
SiC単結晶は、高硬度で耐熱性や耐蝕性にも優れており、化学的にも極めて安定な化合物である。また、共有結合を持つ化合物半導体であるSiCは、シリコン(Si)と比較して、バンドギャップが2倍以上、絶縁破壊電界強度が約10倍、電子飽和速度が約2倍、熱伝導率が約3倍以上という、優れた特性を有していることから、高温、高速、大電流デバイスや青色発光デバイスなどに有効な材料として注目されている(例えば特許文献1)。
特許文献1:特開平08-139140号公報
[0003]
また、ダイヤモンド単結晶は、機械的強度が最も高く、化学的、熱的にも安定しており、近年では特にワイドバンドギャップ半導体基板に好適な材料として注目されている。
発明の開示
[0004]
上述のような長所の多いSiCやダイヤモンドを基板として用いるにはその表面を極めて平滑にする必要がある。しかしながら、SiCやダイヤモンドからなる基板をその被研磨面にサブサーフェスダメージを残すことなく超精密に、かつ能率よく研磨加工することが可能な技術は、実質的には未だ提案されていなかった。
[0005]
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、炭化珪素(SiC)やダイヤモンドなどからなる基板の表面を、サブサーフェスダメージを残すことなく極めて平滑に、しかも能率よく研磨することが可能な研磨方法およびこの方法により得られた基板、並びに研磨装置を提供することにある。
[0006]
本発明の研磨方法は、石英からなると共に表面に格子状の溝を有する研磨定盤を用い、溝に固体光触媒粒子を埋め込み、炭化珪素(SiC)またはダイヤモンドの基板の被研磨面を研磨定盤の表面に高圧で押し付けると共に研磨定盤の裏面から研磨定盤を透過して基板の被研磨面に紫外線を照射し、研磨定盤の表面または基板の被研磨面のうち少なくとも一方を赤外光の照射によって加熱しつつ、基板を研磨定盤に対して相対的に摺動させることにより研磨するものである。なお、本明細書において「高圧」とは、0.1MPa以上、好ましくは0.1MPa~100MPaの範囲の圧力をいうものとする。
[0007]
すなわち、本発明の研磨方法では、例えば、ダイヤモンド基板の表面に、固体光触媒粒子が埋め込まれた格子状の溝を有する石英の研磨定盤を高圧で押し付けながら相対的に擦動し、かつ研磨定盤の裏側から基板の表面に対して紫外光を照射することにより、基板の表面が強力に酸化され、超精密な化学研磨が行われる。なお、本明細書においては、「基板」とは、一般的な意味での板状のものに限らず、その厚みや形状は任意のものである。
[0008]
本発明の研磨方法では、基板の被研磨面または研磨定盤のうち少なくとも一方に例えば赤外線を照射し、加熱する。これにより上記基板の研磨能率が向上する。
[0009]
また、研磨定盤の表面の溝に埋め込まれた酸化チタンなどの固体光触媒粒子により、研磨効率が高まる。
[0010]
本発明の基板は、炭化珪素(SiC)またはダイヤモンド(C)により構成され、上記方法により研磨された面を有するものである。
[0011]
本発明の研磨装置は、炭化珪素(SiC)またはダイヤモンドの基板の表面を研磨するためのものであって、石英からなり、表面に格子状の溝を有すると共に溝に固体光触媒粒子が埋め込まれた研磨定盤と、基板を保持する基板ホルダと、研磨定盤の裏面側に配置され、研磨定盤の裏面から当該研磨定盤を透過して研磨定盤の固体光触媒粒子に対して紫外光を照射する紫外光源ランプと、基板ホルダを介して基板の被研磨面を研磨定盤の表面に高圧で押し付けると共に、基板を固体光触媒粒子に対して相対的に擦動させる駆動手段と、基板の被研磨面または研磨定盤の表面のうち少なくとも一方を赤外線の照射によって加熱する加熱手段とを備えたものである。
[0012]
この研磨装置では、例えばダイヤモンド基板の被研磨面が研磨定盤側に保持された固体光触媒粒子に対して接触し相対的に擦動されると共に、固体光触媒粒子に対して紫外光が照射され、これにより基板の表面が酸化され、実質的に化学的な研磨が行われる。
[0013]
この研磨装置において、例えば赤外光源ランプからなる加熱手段により基板の被研磨面や研磨定盤を加熱することにより、研磨作用がより促進される。
[0014]
固体光触媒粒子は、具体的には酸化セリウム(CeO2),二酸化チタン(TiO2),酸化クロム(Cr2O3),酸化亜鉛(ZnO),酸化タングステン(WO3)および酸化鉄(F2O3)からなる群のうちの少なくとも1種であり、更にこれらに酸化ジルコニウム(ZrO2)またはアルミナ(Al2O3)などを加えた混合剤とするようにしてもよい。
[0015]
本発明の研磨方法または研磨装置によれば、SiCやダイヤモンドからなる基板の表面を、サブサーフェスダメージ等を残すことなく極めて平滑に、かつ能率よく研磨することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
[0016]
[図1]本発明の第1の実施の形態に係る研磨装置の主要部の構成を表す側面図である。
[図2]研磨定盤の表面を拡大して表す平面図である。
[図3]研磨定盤の断面構成を拡大して表す図である。
[図4]本発明の第2の実施の形態に係る研磨装置の構成を表す側面図である。
[図5]本発明の第3の実施の形態に係る研磨装置の構成を表す側面図である。
[図6]本発明の実施例の結果を表す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0017]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[0018]
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る研磨装置の構成を表すものである。この研磨装置は、研磨定盤1と、紫外光源ランプ2と、赤外光源ランプ3とを備え、例えば炭化珪素(SiC)やダイヤモンドの基板30を研磨対象とするものである。
[0019]
研磨定盤1は、紫外光に対する透明性の高い材料、例えば石英からなる、ほぼ円盤状のものであり、その中心には回転軸4が取り付けられている。研磨定盤1は、この回転軸4に対して外部の回転動力源(図示省略)から与えられる回転トルクによって、回転(または左右反復回動)するようになっている。
[0020]
研磨定盤1の表面には多数本の格子状の溝11が設けられており、これら溝11には固体光触媒粒子20が埋め込まれている。固体光触媒粒子20としては、光触媒機能を有する例えば酸化セリウム(CeO2 ),二酸化チタン(TiO2 )や酸化クロム(Cr2 O3 )、酸化亜鉛(ZnO),酸化タングステン(WO3 )または酸化鉄(F2 O3 )が挙げられ、これらのうち1種、あるいは2種以上が用いられる。更に、これらのうち例えばTiO2 に、酸化ジルコニウム(ZrO2 )またはアルミナ(Al2 O3 )などを加えた混合剤としてもよい。溝11の平面的形状は、例えば図2に一例を示したような格子状のパターンとしてもよく、あるいはそれ以外にも、例えば放射状のパターンとしてもよい。そしてこの研磨定盤1の表面に、基板ホルダ31によって機械的に支持された基板30の被研磨面30Aが、加圧板(図示せず)により高圧、具体的には0.1MPa以上、好ましくは0.1MPa~100MPaの範囲の圧力で押し付けられ、その状態で研磨が行われるようになっている。
【0021】
研磨定盤1における溝11のピッチ,深さ,幅などの諸元は、研磨されるSiCやダイヤモンドの基板30の大きさ等に依存するが、例えば、溝11のピッチ=1.5[mm]、幅=30~50[μm]、深さ=0.1~0.3[mm]と設定し、溝11内にTiO2 微粒子のペースト状物を気泡などが発生しないように圧入・充填して乾燥させて、保持させることなどが可能である。図3は溝11に固体光触媒粒子20が埋め込まれた状態を拡大して表したものである。
【0022】
ここで、固体光触媒粒子20を埋め込むのは、上記のような溝11のみには限定されなず、その他にも、例えば、ドット状のブラインド孔(図示省略)を研磨定盤1の表面に多数個、分散配置して、そのブラインド孔の各々にペースト状の固体光触媒粒子20を埋め込むようにすることなども可能である。
【0023】
紫外光源ランプ2は研磨定盤1の裏面に配置されており、石英製の研磨定盤1の裏面からこの研磨定盤1を透過して溝11内の固体光触媒粒子20へと紫外光を照射する。その紫外光の波長は、一例として、固体光触媒粒子20としてTiO2 を用いた場合には、基板30の被研磨面30Aの酸化を促進するために、例えば250[nm]などに設定することが好適である。なお、研磨定盤1の表面側にも、研磨開始前にTiO2 を励起させるために、紫外光源ランプ5を配置するようにしてもよい。
【0024】
赤外光源ランプ3は研磨定盤1の表面側に配置されており、研磨定盤1の表面に赤外光を照射することで、その研磨定盤1の表面の固体光触媒粒子20や基板30の被研磨面30Aを熱的に活性化させて、被研磨面30Aの化学的・機械的な研磨能率を促進するものである。この被研磨面30Aの好適な加熱温度としては、SiC基板を研磨する場合で100~150℃、ダイヤモンド基板を研磨する場合で300~400℃程度である。このような加熱によって、加熱をしなかった場合と比較して、3~10倍もの研磨能率を達成することが可能である。
【0025】
なお、加熱を行うためのエネルギービームとしては、赤外光の他にも、例えばYAGレーザのようなレーザ光、あるいは電子ビームなどを用いることも可能である。
【0026】
次に、この研磨装置の作用について説明する。
【0027】
まず、研磨定盤1の溝11内に固体光触媒粒子20(例えばTiO2 )を埋め込み、この固体光触媒粒子20に対して紫外光源ランプ5から紫外線を照射してTiO2 を励起させたのち、研磨定盤1の表面にSiCやダイヤモンドからなる基板30の被研磨面30Aを所定の圧力で押し付けた状態で、その研磨定盤1を回転または回動(往復回転運動)させる。このとき、研磨定盤1の石英は基板30のSiCやダイヤモンドよりも軟質であるため、研磨定盤1の表面が僅かずつ摩耗していく。しかし、研磨定盤1の表面が摩耗しても、溝11に埋め込まれている固体光触媒粒子20は、摩耗が進むと共に、その溝11から続々と研磨定盤1の表面に供給され続けるから、研磨工程が継続される間(すなわち、研磨定盤1の表面の摩耗が厚さ方向に進んで行き溝11が無くなるまでの間)は、常に、研磨定盤1の表面に固体光触媒粒子20が供給され続ける。
【0028】
他方、その機械的な研磨動作と並行して、研磨定盤1の裏面に配置された紫外光源ランプ2から、透明な研磨定盤1を透過して、研磨定盤1の表面とSiCやダイヤモンドの基板30の被研磨面30Aとの間に介在している固体光触媒粒子20へと、紫外光が照射される。その紫外光の照射によって、固体光触媒粒子20に有効な光エネルギーが与えられて、研磨面の強力な酸化が確実に行われる。
【0029】
より詳細には、固体光触媒粒子20が紫外光を受けて生成する水酸基ラジカルや酸素ラジカルの強力な酸化作用によって、SiCやダイヤモンドの基板30の被研磨面30Aが酸化される。そして、さらにその酸化された部分が一酸化炭素や二酸化炭素として除去される。このようにして、いわゆる化学的研磨が進行する。
【0030】
ここで、研磨定盤1は石英からなるものであり、石英は紫外光に対する透過性が高い。従って、このように研磨定盤1を石英からなるものとすることによって、研磨定盤1の裏面側に配置された紫外光源ランプ2からの紫外光を、効率よく(研磨定盤1を透過する際に低損失で)固体光触媒粒子20へと照射することが可能となる。
【0031】
また、研磨の際、研磨定盤1の表面や基板30の被研磨面30Aは、赤外光源ランプ3からの赤外光の照射によって加熱されるので、研磨能率がさらに高められることとなる。しかも、研磨定盤1は赤外光をよく吸収する石英により形成されているので、このときの加熱が極めて効果的に行われる。なお、この研磨装置により、SiCよりなる基板30を高純度酸化セリウム(CeO2)の固体光触媒粒子20により実際に研磨し、得られた被研磨面30Aの表面粗さを調べたところ、Ra=0.2nmと最も平滑な面に仕上げることができ、良好であった。
【0032】
以上のように本実施の形態の研磨装置では、従来のダイヤモンド砥石等では不可能であった、SiCやダイヤモンドの基板30を、サブサーフェスダメージ等を残すことなく極めて平滑に、極めて能率よく、超精密研磨することが可能となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図4は本発明の第2の実施の形態に係る研磨装置の構成を表すものである。この研磨装置は、研磨定盤110と、紫外光UVを照射する紫外光照射部120とを備え、第1の実施の形態と同様に例えば炭化珪素(SiC)やダイヤモンドの基板30を研磨対象とするものである。
【0034】
研磨定盤110は、紫外光UVに対する透明性の高い材料、例えば石英からなる、ほぼ円盤状のものであり、定盤ホルダ111により保持されている。また、研磨定盤110には回転軸(図示せず)が取りつけられており、この回転軸に対して外部の回転動力源(図示省略)から与えられる回転トルクによって、回転(または左右反復回動)するようになっている。この研磨定盤110の表面には、基板ホルダ(図示せず)によって機械的に支持された基板30の被研磨面30Aが、加圧板(図示せず)により高圧、具体的には0.1MPa以上、好ましくは0.1MPa~100MPaの範囲の圧力で押し付けられ、その状態で研磨が行われるようになっている。研磨定盤110の直径は例えば50mm、基板130は例えば3mm□ないし5mm□である。
【0035】
なお、研磨定盤110の表面には、第1の実施の形態の研磨定盤1と同様に、図2および図3に示したような多数本の格子状の溝11が設けられており、これら溝11に固体光触媒粒子20が埋め込まれていてもよい。固体光触媒粒子20としては、第1の実施の形態と同様のものを用いることができる。溝11の平面形状、ピッチ、寸法などについては、第1の実施の形態と同様である。
【0036】
紫外光照射部120は、研磨定盤110の裏面に配置されており、石英製の研磨定盤110の裏面からこの研磨定盤110を透過して基板30の被研磨面30Aに紫外光UVを照射するためのものである。紫外光UVの波長は、被加工物のバンドギャップエネルギーに相当する波長以下で、例えばダイヤモンドに対しては250nm以下が好ましい。
【0037】
紫外光照射部120は、例えば、図示しない紫外光源に連結されたファイバ121と、このファイバからの紫外光UVを集光する集光レンズ122と、ファイバ121および集光レンズ122を保持するレンズホルダ123とを有している。ファイバ121は、例えば、外径Φ1=8mm、内径Φ2=5mmであり、集光レンズ122による集光径Φは基板30の寸法に合わせて例えば3mm~5mm程度、集光レンズ122から基板30の被研磨面30Aまでの距離dは例えば10mmとされている。
【0038】
この研磨装置では、研磨定盤110の表面にSiCやダイヤモンドからなる基板30の被研磨面30Aを所定の圧力で押し付けた状態で、研磨定盤110を回転または回動(往復回転運動)させる。その際、この機械的な研磨動作と並行して、研磨定盤110の裏面から紫外光照射部120により紫外線UVが照射されるので、基板30の被研磨面30Aが酸化されて化学研磨が進行する。よって、研磨能率が向上する。
【0039】
このように本実施の形態では、紫外光UVに対して透明な研磨定盤110の裏面から紫外光照射部120により紫外線UVを照射しつつ研磨を行うようにしたので、研磨能率を高めることができ、従来のダイヤモンド砥石等では不可能であった、SiCやダイヤモンドの基板30を、サブサーフェスダメージ等を残すことなく極めて平滑に、極めて能率よく、超精密研磨することが可能となる。
【0040】
なお、上記実施の形態において、研磨定盤110の表面側に、第1の実施の形態における紫外光源ランプ5と同様な紫外光源ランプを配置してもよい。更に、研磨定盤110の表面側に、第1の実施の形態における赤外光源ランプ3と同様な赤外光源ランプを配置し、研磨定盤110の表面に赤外光を照射しながら研磨を行うようにしてもよい。
【0041】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る研磨装置の構成を表すものである。この研磨装置は、研磨定盤110が紫外光UVに対して不透明な材料により構成されていることを除いては、第2の実施の形態の研磨装置と同様に構成されている。よって、対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0042】
研磨定盤110は、樹脂などの紫外光UVに対して不透明な材料、例えばポリウレタンシートにより構成されているが、表面から裏面に向かって貫通する紫外線通過孔110Aを有しており、この紫外線通過孔110Aを介して紫外光UVを基板30の被研磨面30Aに照射することができるようになっている。紫外光照射部120は、第2の実施の形態と同様に構成されている。
【0043】
この研磨装置は、第2の実施の形態と同様に作用し、同様の効果を得ることができる。特に、被加工物がGaAsやGaNのように石英より硬度の低い材料であり、ポリウレタンシートなどの樹脂よりなる研磨定盤110を用いる場合に有効となる。
【実施例】
【0044】
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
【0045】
上記第2の実施の形態で説明した研磨装置により基板130の研磨を行った。基板130としては、ダイヤモンドピン(単結晶(100)面)を用いた。研磨前のダイヤモンドピンの直径を計測したところ、387.4μmであった。最初の9時間では、研磨定盤110のみを用い、紫外光UVの照射は行わずに研磨を行った。続いて、次の9時間では、研磨定盤110の裏面から紫外光UVを照射しながら研磨を行った。研磨中は3分毎にダイヤモンドピンの直径およびその広がりと、z軸方向加工能率とを調べた。z軸方向加工能率を調べるにあたって、傾斜は30°と仮定した。得られた結果を図6および表1に示す。
【0046】
【表1】
JP0004904506B2_000002t.gif【0047】
また、加工前粗さと研磨後の粗さをそれぞれ調べたところ、加工前粗さはRa=5nm~8nmであったのが、研磨後はRa=0.2nm~0.4nmになった。特に機械的な研磨ではダイヤモンド(111)面は不可能とされているが、本発明による紫外光を用いた研磨方法では30分でRa=5nmからRa=0.4nmになっている。
【0048】
図6および表1から分かるように、研磨定盤110の裏面側から紫外光UVを照射しながら研磨を行った9時間では、研磨定盤110のみにより研磨した最初の9時間に比べて、直径の広がり、z軸方向加工能率のいずれについても良好な結果が得られた。すなわち、研磨定盤110の裏面から基板30の被研磨面30Aに紫外光UVを照射しつつ研磨を行うようにすれば、研磨能率を高めることができることが分かった。
【0049】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、研磨対象をSiCやダイヤモンドの基板としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他例えばガリウムヒ素(GaAs)またはガリウムナイトライド(GaN)などの基板を用いるようにしてもよい。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5