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Specification :(In Japanese)無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法及び、無線通信ネットワークシステム

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P6008518
Publication number P2013-187561A
Date of registration Sep 23, 2016
Date of issue Oct 19, 2016
Date of publication of application Sep 19, 2013
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法及び、無線通信ネットワークシステム
IPC (International Patent Classification) H04W  48/16        (2009.01)
H04W  24/02        (2009.01)
FI (File Index) H04W 48/16 130
H04W 24/02
Number of claims or invention 3
Total pages 12
Application Number P2012-048570
Date of filing Mar 5, 2012
Date of request for substantive examination Feb 26, 2015
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】503360115
【氏名又は名称】国立研究開発法人科学技術振興機構
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】長谷川 幹雄
【氏名】松井 拓己
Representative (In Japanese)【識別番号】100130111、【弁理士】、【氏名又は名称】新保 斉
Examiner (In Japanese)【審査官】桑原 聡一
Document or reference (In Japanese)特開2009-055467(JP,A)
特開2008-263612(JP,A)
土谷 隆 TAKASHI TSUCHIYA,フレッシュマンのための制御講座,計測と制御 第42巻 第4号 JOURNAL OF THE SOCIETY OF INSTRUMENT AND CONTROL ENGINEERS,日本,社団法人計測自動制御学会 The Society of Instrument and Control Engineers,2003年 4月,第42巻
岸洋司(株式会社KDDI研究所),BT-2-3 線形計画法を用いたネットワーク設計の実際,電子情報通信学会2006年ソサイエティ大会,電子情報通信学会,2006年 9月21日,URL,http://www.ieice.org/~cq_ac/jpn/Kishi.pdf
松井 拓己 Takumi Matsui,B-17-29ヘテロジニアス型コグニティブ無線ネットワークにおけるRAN選択問題の厳密最適化,電子情報通信学会2012年総合大会講演論文集 通信1 PROCEEDINGS OF THE 2012 IEICE GENERAL CONFERENCE,日本,電子情報通信学会,2012年 3月20日
Field of search H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
スループットが変動するパケットベースの複数の無線アクセスネットワークと、複数の種類の無線アクセスネットワーク(以下、接続先ネットワークと呼ぶ。)に対応する端末装置とから構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、各端末装置におけるスループットのフェアネスを最適化する接続先ネットワークの選択方法であって、
端末装置kが接続する接続先ネットワークL(k)の通信容量をCL(k)、接続先ネットワークL(k)に接続している端末装置数をNL(k)、端末装置kにおけるスループットTkとしたときに、端末装置数がMであるときのスループットのフェアネスを最適化する目的関数Fを、
【数1】
JP0006008518B2_000008t.gif
と定義し、この目的関数が示す各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を最小費用流問題としてモデル化し、
該モデル化のために、
【数2】
JP0006008518B2_000009t.gif
(ただし、Pは基地局数、Njは同じ基地局jに接続している端末数、Cjは各基地局の通信容量、nは1から基地局が接続しうる最大端末数までの値をとる)
の変形を行って、コンピュータの演算手段が、各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせについての厳密解を算出することにより、コンピュータのネットワーク選択結果出力手段が、各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ結果を出力する
ことを特徴とする無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法。
【請求項2】
スループットが変動するパケットベースの複数の無線アクセスネットワークと、複数の種類の無線アクセスネットワークに対応する端末装置とから構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、各端末装置におけるスループットのフェアネスを最適化する無線アクセスネットワーク(以下、接続先ネットワーク)の選択装置であって、
最適化する各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を、最小費用流問題としてモデル化した演算式を格納するコンピュータの演算式格納手段であって、
端末kが接続する接続先ネットワークL(k)の通信容量をCL(k)、接続先ネットワークL(k)に接続している端末装置数をNL(k)、端末装置kにおけるスループットTkとしたときに、端末装置数がMであるときのスループットのフェアネスを最適化する目的関数Fを、
【数1】
JP0006008518B2_000010t.gif
と定義し、この目的関数が示す各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を最小費用流問題としてモデル化し、
該モデル化のために、
【数2】
JP0006008518B2_000011t.gif
(ただし、Pは基地局数、Njは同じ基地局jに接続している端末数、Cjは各基地局の通信容量、nは1から各基地局が接続しうる最大端末数までの値をとる)
の変形を行った時の演算式を格納する演算式格納手段と、
該変形された演算式から各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせについての厳密解を算出するコンピュータの演算手段と、
各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ結果を出力するコンピュータのネットワーク選択結果出力手段と
を備えたことを特徴とする無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択装置。
【請求項3】
スループットが変動するパケットベースの複数の無線アクセスネットワークと、複数の種類の無線アクセスネットワークに対応する端末装置とから構成される無線通信ネットワークシステムであって、
前記請求項2に記載のネットワーク選択装置を備え、
該ネットワーク選択装置の出力結果に従って各端末装置と各無線アクセスネットワークとを接続する
ことを特徴とする無線通信ネットワークシステム。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法に関し、特に各端末装置におけるスループットのフェアネスを最適化する接続先ネットワークの選択方法に係る。
【背景技術】
【0002】
限られた無線資源を効率よく利用する技術として、近年コグニティブ無線技術に係る研究が進められている。例えば非特許文献1には、異なる無線システムを切り替えるために異なる無線インターフェイスに接続可能なソフトウェア無線技術の研究が開示されている。
また、異種無線ネットワークをシームレスにハンドオーバさせる技術の研究(非特許文献2及び3参照)など、周辺技術の開発も進められている。
【0003】
異種無線に接続可能な端末を活用するヘテロジニアス型コグニティブ無線技術では、状況に応じた無線選択や、負荷分散による通信品質やフェアネスの改善が可能である。具体例として、現在コグニティブワイヤレスルーターを用いた大規模実証実験が進められている。(非特許文献4参照)
このようなシステムにおける負荷分散などの無線アクセスネットワーク選択問題は、端末や基地局の増加に従って、その組み合わせが爆発的に増加し、現実的な時間内で厳密解を得ることができないNP困難な問題となっている。
【0004】
このような問題から、従来提案されてきた手法は、無線端末が自律的に基地局を選択する手法や、さらにニューラルネットワークを導入した手法が提案されている。
例えば、非特許文献5には、複数の無線アクセス手段で様々な種類のネットワークに接続することが可能なコグニティブ無線端末が、その場で利用可能なネットワークの情報を自律的に収集し、各無線アクセスやネットワークのQoS情報もリアルタイムで取得し、ネットワーク全体のキャパシティ、エラー率を最適化にするコグニティブ無線アーキテクチャが開示されている。
また、ネットワークと端末に意思決定を分散させて無線資源を最適に利用しようとする基礎アーキテクチャと機能を定義した標準仕様であるIEEE1900.4が2009年2月27日に公開されている。(非特許文献6参照)
【0005】
特許文献1には、無線通信端末が接続する無線基地局を自律的に選択する無線通信ネットワークシステムにおいて、ニューロンの発火と無線基地局の選択とを対応付け、ニューラルネットワーク計算装置においてニューロンが発火判定された無線基地局と無線通信端末が接続する構成が開示されている。
【0006】
特許文献2には、2つのアクセスポイント間の遅延コストの差と、アクセスポイントを切り替える際のコストを比較して、後者のコストを前者が上回るときに、アクセスポイントを切り替えることで、無線ネットワークの負荷を分散する技術が開示されている。
また、非集中型の基地局選択アーキテクチャが非特許文献7に開示されている。
【0007】
一方、フローネットワークについての一般的な問題として、最大流問題、最小費用流問題、他品種流問題、循環流問題などが知られており、例えば水道管の配管をネットワークとして、これらの問題の解法により解決する技術が提案されている。
特許文献3はその一例であり、上水道の導送水系統上の各要素をノードとアークに見立て、最小費用流問題に定式化することで導水量、送水量、貯水量の動的な計画値を立案することが提案されている。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2009-55467号公報
【特許文献2】米国特許第8098637号
【特許文献3】特許第3425160号
【0009】

【非特許文献1】H. Harada, “Software defined radio prototype toward Cognitive RadioCommunication Systems,” IEEE Dyspan 2005, Vol.1, pp.539-547, 2005年
【非特許文献2】G. Wu, P. Havinga and M. Mizuno, “MIRAI Architecture for Heterogeneous Networks,” IEEE Comm. Mag., pp. 126-134, 2002年
【非特許文献3】M. Inoue, K. Mahmud, H. Murakami,M. Hasegawa and H. Morikawa, “Novel Out-Of-BandSignaling for Seamless Interworking between Heterogeneous Networks,” IEEE Wireless Commun., Vol. 11, No. 2, pp. 56-63, 2004年
【非特許文献4】K.Ishizu et al., IEICE Trans.,E93-B,3311-3322, 2010年
【非特許文献5】黒田正博, 村田嘉利,原田博司, 加藤修三, “Cognitive Wireless Cloud (1) ~アーキテクチャ~,”信学技報, ソフトウェア無線研究会, 2007年3月
【非特許文献6】“IEEE Standard for ArchitecturalBuilding Blocks Enabling Network-Device Distributed Decision Making forOptimized Radio Resource Usage in Heterogeneous Wireless Access Networks,” IEEE 1900.4-2009, 2009年2月
【非特許文献7】Y.Fukuda, Y.Oie,"Decentralized access point selection architecture for wireless LANs"IEEE VTC2004-Fall, pp.1103-1107, 2004年
【非特許文献8】A.V.Goldberg, J.Algorithms, 22,1-29, 1997年
【非特許文献9】「組合せ最適化-理論とアルゴリズム」,シュプリンガー・フェアラーク東京, 2005年11月
【非特許文献10】繁野 麻衣子,「ネットワーク最適化とアルゴリズム」, 朝倉書店, 2010年10月
【非特許文献11】藤重悟,「グラフ・ネットワーク・組合せ論」2.3節, 共立出版, 2002年4月
【非特許文献12】岩野和生,ネットワークフロー問題の最近の進展,離散構造とアルゴリズムII (藤重悟 編), pp. 79-154, 近代科学社, 1993年.
【非特許文献13】久保幹雄,松井知己,田村明久編,「応用数理計画ハンドブック」9.5節,朝倉書店, 2002年5月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来技術における問題点に鑑みて創出したものであり、無線通信ネットワークにおいて各端末装置におけるスループットのフェアネスを最適化することを目的とし、そのために各通信端末と無線アクセスネットワークの組み合わせを選択する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するために次の手段を用いる。
すなわち、本発明は複数の無線アクセスネットワークと、少なくとも2つ以上の無線アクセスネットワーク(以下、接続先ネットワークと呼ぶ。)に対応する端末装置とから構成される無線通信ネットワークシステムにおいて、各端末装置におけるスループットのフェアネスを最適化する接続先ネットワークの選択方法を提供する。
特に、複数の端末装置が異種の接続先ネットワークを切り替えながら接続できるようにしたコグニティブ無線通信ネットワークにおいて本発明を適用すると好適である。
【0012】
本方法において、最適化する各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を、最小費用流問題としてモデル化し、コンピュータの演算手段が、該最小費用流問題の厳密解を算出すると共に、コンピュータのネットワーク選択結果出力手段が、各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ結果を出力することを特徴とする。
【0013】
上記の無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法であって、端末装置kが接続する接続先ネットワークL(k)の通信容量をCL(k)、接続先ネットワークL(k)に接続している端末装置数をN L(k)としたときに、端末装置数がMであるときのスループットのフェアネスを最適化する目的関数Fを、
【0014】
【数1】
JP0006008518B2_000002t.gif
と定義し、この目的関数が示す各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を最小費用流問題としてモデル化し、
該モデル化のために、
【0015】
【数2】
JP0006008518B2_000003t.gif
の変形を行った上で、コンピュータの演算手段が、最小費用流問題の厳密解を算出することにより、コンピュータのネットワーク選択結果出力手段が、各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ結果を出力する構成でもよい。
【0016】
本発明は、上記無線通信ネットワークシステムにおいて、各端末装置におけるスループットのフェアネスを最適化する無線アクセスネットワーク(以下、接続先ネットワーク)の選択装置として提供することもできる。
すなわち、最適化する各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を、最小費用流問題としてモデル化した演算式を格納するコンピュータの演算式格納手段と、演算式に基づき、該最小費用流問題の厳密解を算出するコンピュータの演算手段と、各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ結果を出力するコンピュータのネットワーク選択結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
上記のネットワーク選択装置の演算式格納手段において、次のような演算式を用いてもよい。端末kが接続する接続先ネットワークL(k)の通信容量をCL(k)、接続先ネットワークL(k)に接続している端末装置数をN L(k)としたときに、端末装置数がMであるときのスループットのフェアネスを最適化する目的関数Fを、上記数1で定義し、この目的関数が示す各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ問題を最小費用流問題としてモデル化し、そのために数2の変形を行った時の演算式を格納する。
そして、コンピュータの演算手段が、最小費用流問題の厳密解を算出することにより、コンピュータのネットワーク選択結果出力手段が、各端末装置と接続先ネットワークとの組み合わせ結果を出力する。
【0018】
本発明は、複数の無線アクセスネットワークと、複数の種類の無線アクセスネットワークに対応する端末装置とから構成される無線通信ネットワークシステムであって、上記記載のネットワーク選択装置を備え、ネットワーク選択装置の出力結果に従って各端末装置と各無線アクセスネットワークとを接続する無線通信ネットワークシステムを提供することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上の構成を備えることにより、次の効果を奏する。
すなわち、従来NP困難な最適化問題とされてきた無線ネットワークにおける無線アクセスネットワークの選択問題に対して、最小費用流問題に適用可能なモデル化の方法を創出した。最小費用流問題は公知の厳密解を算出するアルゴリズムが存在するので、これを適用することで上記選択問題の厳密最適化が可能となった。
本方法によれば、各端末におけるスループットフェアネスの最適化を実現することができる。
【0020】
特に、最小費用流問題の公知の解法では2乗の項を用いることができないため、基地局と始点ノードとの間に異なるコストを有する複数の枝と考えることで、最小費用流問題としてのモデル化を実現した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る無線通信ネットワークシステムの構成図である。
【図2】無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法を示素フローチャートである。
【図3】本発明に係る最小費用問題の説明図である。
【図4】本発明に係る最小費用問題としてのモデル化に係る説明図である。
【図5】本発明に係るRAN選択装置と端末装置の構成図である。
【図6】本発明に係るRAN選択装置と基地局の構成図である。
【図7】本発明によるRAN選択方法の実験例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1は本発明に係る無線通信ネットワークシステムの構成図である。図示するように、複数の端末装置(10)(11)(12)(13)(14)と、基地局(20)(21)(22)、基地局が接続するインターネット等の上位ネットワーク(30)、本発明に係る無線アクセスネットワーク(以下、RANと言う。)選択装置(31)から構成される。

【0023】
無線通信ネットワークシステムにおいて、各端末装置は、通信方式等が異なっていても複数の種類のRANに接続が可能である。時機に応じて接続するRANを切り替えながら通信を行う。通信中の接続の切り替え方法については、周知の方法を用いることができる。
本発明の実施例では1つのRANと1つの基地局が対応しているものとして説明するが、1つの基地局において異なるRANを構成することもできる。すなわち、周波数や変調方式が異なる場合もあるし、チャネルごとに通信容量に差を設けたRANを用いることもできる。

【0024】
図1は、端末装置(10)(11)が基地局(20)と、端末装置(12)は基地局(22)と、端末装置(13)(14)が基地局(21)と接続する様子を示している。基地局は処理能力や上位ネットワーク(30)との回線など様々な要因によって通信容量が異なるので、通信容量の大きな基地局は同時に複数の端末装置と接続しても各端末において十分なスループットを得られる半面、通信容量が小さな基地局の場合には複数接続するとスループットが低下する問題がある。

【0025】
システム全体で見れば、各端末のスループットフェアネスを最適化することがネットワークのRAN選択最適化問題の1つの解であり、本発明ではその目的関数を定義して解を求めることを提案する。

【0026】
図2は本発明に係る無線通信ネットワークにおけるネットワーク選択方法を示すフローチャートである。以下、本フローチャートに従って説明する。
まず、RAN選択最適化の目的関数Fを定義する。各基地局jの通信容量Cjがそれぞれ与えられた時に、端末装置間のスループット差が最も小さくする説明状態を求める。ただし、各基地局は接続している全端末装置に均等に無線資源を配分すると仮定する。
即ち、同じ基地局jに接続している端末kのスループットTkは、jに接続している端末数がNj台である場合、


【0027】
【数1】
JP0006008518B2_000004t.gif
ただし、Mは端末数、L(k)は端末kが接続する基地局である。この関数Fは、Tkが全て等しくなるときに最小となる。各端末の接続先基地局を求める組み合わせ最適化問題として表される。

【0028】
以上の通りにRAN選択最適化の目的関数を定義(S10)する。
次いで、最小費用流問題としてモデル化(S11)する。これは、RAN選択問題が上述した通りNP困難な問題であるため、厳密解の解法が存在する最小費用流問題に転換することを目的としている。

【0029】
最小費用流問題とは、図3に示すようにネットワークの始点(40)から各終点(41)~(44)までフローを流す際に、総コストを最小にするような各枝へのフロー量の割り当てを求める問題である。各枝のコストcostj、各枝の容量、及び各終点kに流すべきフローの量がそれぞれ与えられた時に、コストの総和F=Σl costl×xlを最小にする各枝のフローxlを求める。

【0030】
最小費用流問題には厳密解法があるため、対象とするRAN選択問題にこれを帰着させれば、厳密解を得ることが可能になる。最小費用流問題の厳密解を求めるアルゴリズムは、 例えばA.V.Goldbergによる引用文献8に記載されており、本発明は公知の解法を適宜用いればよいので説明を省略する。
本文献では、アルゴリズムによる計算速度の違いを実験しているが、本発明では概ね最速の算出が可能であったCS(cost scaling)法を用いた。
なお、最小費用流問題に関しては、非特許文献9ないし13にも記載されている。

【0031】
本発明では、RAN選択問題を最小費用流問題としてモデル化し、厳密最適化する。各端末装置は、いずれかの基地局を選択して接続するので、基地局(49)~(51)と端末装置との間の枝(45)(46)(47)・・・(48)の容量は全て1とする。
スループット低下に対応するコストは、基地局と始点との間の各枝(52)~(54)に乗せる。数1を基地局jに関する和に変形し、整理すると数3の通りである。ここでPは基地局数である。

【0032】
【数3】
JP0006008518B2_000005t.gif

【0033】
ここで、最小費用流問題では、2乗を用いることができない。そこで、本発明では各基地局と始点との間に図4(a)に示すような基地局が接続しうる最大端末数の本数の枝(60)~(63)を用意し、各枝にはコスト(2n-1)/Cjを持たせる。この和により2乗を表現する。この変形により目的関数は次のように表される。

【0034】
【数4】
JP0006008518B2_000006t.gif
図3に示した基地局と始点との間の枝に適用すると、図4(b)に示すような枝(521)~(543)を考慮することになる。

【0035】
本発明はこのような工夫によってRAN選択最適化問題をモデル化して最小費用流問題の解法を用いることができるようにした点に大きな特徴がある。
最適化アルゴリズムによってより小さな枝から使用されるので、最小のコストとなる枝が自動的に選択される。

【0036】
図5は本発明に係るRAN選択装置(7)と端末装置(8)の構成図である。RAN選択装置(7)は図1に示すように上位ネットワークに接続され、公知のパーソナルコンピュータ等を用いて実施する。そして、演算手段である演算処理部(70)と、ネットワーク選択結果出力手段であるRAN選択結果出力部(71)と演算式格納手段である演算式格納部(72)を少なくとも備える。

【0037】
端末装置(8)はパーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなどの公知の通信端末であって、RANと無線通信するためのアンテナ(80)、無線通信部(81)、RAN選択結果受信部(82)、RAN切り替え部(83)を備える。周波数の異なる無線アクセスネットワークに対応する場合などには、それらに対応する複数のアンテナ(80)を備えても良い。

【0038】
そして、RAN選択装置(7)の演算式格納部(72)には最適化する各端末装置と基地局(接続先ネットワーク)との組み合わせ問題を、最小費用流問題としてモデル化した演算式を格納する。演算処理部(70)では、該演算式から上述した厳密解を求める公知のアルゴリズムに従って、最小費用流問題の厳密解を算出する。(図2、S12)

【0039】
さらに、算出された各端末装置と基地局との組み合わせ結果をRAN選択結果出力部(71)が出力する。(S13)
組み合わせ結果は、端末装置(8)のRAN選択結果受信部(82)に上位ネットワーク(30)と使用中のRANを介して送信され、その結果に従ってRAN切替部(83)が接続先の基地局を切り替える。

【0040】
以上の構成によって、本発明のRAN選択装置(7)がRAN選択問題の厳密解を算出し、その結果に従って各端末装置(8)がRANを選択することができる。この厳密解は、システム全体における各端末装置のスループットフェアネスを最適化するものであるから、各端末装置(8)の基地局の切り替えの結果、最適化状態が実現される。
本発明が採用した最小費用流問題の厳密解法は高速な処理が可能であり、高速かつ正確なRAN選択に寄与する。

【0041】
図6は上記の別実施例であり、RAN選択装置(7)がRAN選択結果を基地局(9)に送信して、基地局が接続する端末装置(8)を切り替えする構成である。
基地局(9)はアンテナ(90)、無線通信部(91)を有する通信に対応するルーター等であって、端末装置選択結果受信部(92)と、端末装置切替部(93)を備える。

【0042】
そして、RAN選択結果出力部(71)から上位ネットワーク(30)を介して上記組み合わせ結果が送信され、端末装置選択結果受信部(92)がこれを受信する。端末装置切替部(93)は、その結果に従って接続する端末装置(8)を切り替える。
本構成でも上記と同様にシステム全体における各端末装置のスループットフェアネスが最適化される。

【0043】
最後に本発明においてモデル化した負荷分散最適化問題に厳密化取得可能アルゴリズムを適用した実験例を示す。
本実験例では、4台の基地局(100)~(103)と、12台の端末装置(110)~(121)の環境で計算を行っている。
基地局A(100)と基地局B(101)の容量は54Mbps、基地局C(102)の容量は21Mbps、基地局D(103)の容量は11Mbpsとする。

【0044】
そして、各端末が接続できる基地局の中から、本発明によるRAN選択問題の厳密解法を実施して、各端末装置と基地局の組み合わせを算出した。表1はその組み合わせ結果である。

【0045】
【表1】
JP0006008518B2_000007t.gif

【0046】
表1では、通信端末1(110)は基地局AとCに接続可能であって、そのうち基地局A(100)に接続することを示している。通信端末2(111)は基地局AとBに接続可能であって、基地局A(100)に接続する。他も同様である。
全体的にみると、容量の大きな基地局A(100)と基地局B(101)にはそれぞれ4個、5個の端末装置と接続するようになっており、基地局容量が次に小さな基地局C(102)には2個、最も小さな基地局D(103)には1個が接続するようになっている。
この結果からも、各基地局に接続している通信端末におけるスループットのフェアネスが実現される組み合わせとなっていることが確認できる。

【0047】
本発明は、無線通信ネットワークシステムの負荷分散を最適化するものであり、基地局の選択問題には限定されない。無線アクセスネットワークは上述したように基地局1個と対応するものに限られず、1つの基地局でも複数の無線アクセスネットワークを構成する場合にはこれらを選択問題として使用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10~14 端末装置
20~22 基地局
30 上位ネットワーク
31 RAN選択装置
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6