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Specification :(In Japanese)フェルラ酸結合型糖質の製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5900792
Publication number P2012-187099A
Date of registration Mar 18, 2016
Date of issue Apr 6, 2016
Date of publication of application Oct 4, 2012
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)フェルラ酸結合型糖質の製造方法
IPC (International Patent Classification) C13K  13/00        (2006.01)
C08B  37/00        (2006.01)
C07H   3/06        (2006.01)
FI (File Index) C13K 13/00
C08B 37/00 Q
C07H 3/06
Number of claims or invention 5
Total pages 14
Application Number P2012-030096
Date of filing Feb 15, 2012
Exceptions to lack of novelty of invention (In Japanese)特許法第30条第1項適用 平成22年8月23日 日本応用糖質科学会発行の「JOURNAL OF APPLIED GLYCOSCIENCE 第57巻 講演要旨集 (通巻227号)」に発表
特許法第30条第1項適用 平成22年9月16日 日本応用糖質科学会主催の「日本応用糖質科学会平成22年度大会 (第59回) 第18回糖質関連酵素化学シンポジウム」において文書をもって発表
特許法第30条第1項適用 平成23年9月8日 日本応用糖質科学会発行の「日本応用糖質科学会誌「応用糖質科学」 第1巻 第3号 (通巻3号)」に発表
特許法第30条第1項適用 平成23年11月9日 インターネットアドレス「http://www.jma.or.jp/inchem/visitor/sangaku.html」に発表
特許法第30条第1項適用 平成23年11月16日~18日 「INCHEM TOKYO 2011 内特別企画 産学官 マッチングフォーラム」において発表
Application number of the priority 2011034120
Priority date Feb 21, 2011
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Feb 4, 2015
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】佐藤 伸明
【氏名】高野 陽平
【氏名】天野 良彦
【氏名】槇島 聡
Examiner (In Japanese)【審査官】原 大樹
Document or reference (In Japanese)特開2006-265170(JP,A)
特開2006-089437(JP,A)
特開2006-087390(JP,A)
特開2007-106724(JP,A)
特開2009-013087(JP,A)
国際公開第2005/049869(WO,A1)
特開平10-117800(JP,A)
特開2009-011317(JP,A)
国際公開第2010/067795(WO,A1)
特開2008-253861(JP,A)
特開2010-194081(JP,A)
特開2004-224770(JP,A)
特開2010-279305(JP,A)
特開2004-182628(JP,A)
国際公開第2004/078334(WO,A1)
特表2008-540331(JP,A)
特開2005-027541(JP,A)
特開2004-180556(JP,A)
特開平11-113600(JP,A)
特開2009-273398(JP,A)
特表2008-510803(JP,A)
米国特許第04816078(US,A)
国際公開第2008/132115(WO,A1)
特開平11-313700(JP,A)
Field of search C13B 5/00-99/00
C13K 1/00-13/00
C12P 1/00-41/00
MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/WPIDS/WPIX/CAplus/FSTA/FROSTI(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
植物細胞壁由来のペクチン含有原料を用いてフェルラ酸結合型糖質を製造する方法であって、
前記ペクチン含有原料に、飽和蒸気圧以上の水熱反応場を満足する圧力制御下において、加熱温度160~180℃、加熱時間5~15分の処理条件により水熱処理を施す水熱処理工程を備えるフェルラ酸結合型糖質の製造方法。
【請求項2】
前記水熱処理工程における処理条件を、加熱温度160~170℃、加熱時間5~10分とする請求項1記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法。
【請求項3】
前記フェルラ酸結合型糖質として、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖およびフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖とを製造する請求項1または2記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法。
【請求項4】
前記ペクチン含有原料としてビートファイバーを使用する請求項3記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項記載のフェルラ酸結合型糖質の製造方法であって、
昇温部、反応部、冷却部を連続的な配管構成とし、昇温部から原料スラリーを供給し、昇温部、反応部、冷却部の順に原料スラリーを通過させ、冷却部から製品スラリーを排出する構成とした連続式の水熱処理装置を用いることを特徴とするフェルラ酸結合型糖質の製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は食品加工残渣などのバイオマス資源に高圧水熱反応を直接作用させて、発酵や酵素反応などのバイオプロセスを経ずに、植物細胞壁を構成する有用資源を工業的に分離回収して得られるフェルラ酸基を有するアラビノオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖等のフェルラ酸結合型糖質の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
植物細胞壁を構成する多糖類、特にビートパルプやリンゴに豊富に含まれるペクチンの側鎖には、アラビノースをユニットとするアラビノオリゴ糖やガラクトースをユニットとするガラクトオリゴ糖が含まれており、そのそれぞれのオリゴマーの末端にフェルラ酸が付加していることが知られている(非特許文献1)。
【0003】
アラビノオリゴ糖は1、5-α-Lアラビナンを主鎖としてL-アラビノフラノース残基のO-3位またはO-2位に所々α-L-アラビノフラノース残基が結合した2~10糖からなるオリゴ糖である。
【0004】
アラビノオリゴ糖は、ビフィズス菌のうち、特に成人の健康維持に重要と考えられているビフィドバクテリウム アドレッセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム ロングム(B.longum)と腸内最優勢菌であるバクテロイデス属のバクテロイデス ブルガータス(B.vulgatus)にのみ資化される。
一方、高タンパク高脂肪の食生活で増加する有害菌であるクロストリジウム パーフリンジェンス(ウェルシュ菌:C.perfringens)などには資化されないという報告がある(非特許文献2)。
これはアラビノオリゴ糖がキシロオリゴ糖やフラクトオリゴ糖よりも高いビフィズス菌選択性を持つことを示し、特に、アラビノースが3個以上結合したアラビノオリゴ糖では、その選択性が極めて高いことも報告されている(非特許文献3)
【0005】
これらの報告よりアラビノオリゴ糖は、既存の選択的有用菌増殖因子(フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖など)とは異なるタイプのオリゴ糖である可能性がある。
【0006】
さらにヒト介入研究の分野ではリンゴの摂取により有用菌が増殖し、有害菌が減少するプレバイオティクスとしての効果が確認されているが、その効果はリンゴペクチン側鎖を特徴づけるアラビノオリゴ糖類に起因することが示唆されており、ペクチン由来のフェルラ酸、アラビノオリゴ糖やこれと類似するガラクトオリゴ糖のそれぞれが単独で機能性食品成分として評価される一方で、フェルラ酸基を有するオリゴ糖の生理活性に対する期待も大きい(非特許文献4)。
【0007】
一般に、フェルラ酸が結合することにより糖鎖の性質は変化する。特に腸内の発酵性および溶解度への影響が大きく、ラットにフェルラ酸を経口投与した場合、フェルラ酸は胃でその多くが吸収されるが、フェルラ酸とオリゴ糖が結合したフェルロイルオリゴ糖では胃での吸収率が低下し、胃腸管から盲腸までゆっくりと吸収が行われるため血漿中のフェルラ酸濃度がより長時間維持されると考えられている(非特許文献5)。
【0008】
従来のアラビノオリゴ糖の製造方法としては、1、5-アラビナンを原料とし、そこにバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)由来の酵素を作用させる方法が報告されている(非特許文献6)。
【0009】
またFERMP-18941として寄託されているペニシリウム・エスピー(Penicillium sp.)GALA22を培養してオリゴ糖生成酵素を調製し、ビート搾汁粕やリンゴ搾汁粕などのアラビナン含有繊維分に作用させ加水分解しアラビノオリゴ糖含有物を製造する方法が知られていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特開2004-180556号公報
【0011】

【非特許文献1】Saulnier,L.& Thibault,J.F.Ferulic acid and diferulicacids as components of sugar-beet pectins and maizebran heteroxylans. J SciFood Agr 79, 396-402 (1999).
【非特許文献2】池田義雄監修:ルミナコイドの保健機能と応用—食物繊維を超えて—、シーエムシー出版(2009).
【非特許文献3】Suzuki,Y.,Tanaka、K.,Amano、T.,Asakura、T.& Muramatsu,N. Utilization by Intestinal Bacteria andDigestibility of Arabino-oligosaccharides In Vitro.Journal of the Japanese Society for HorticulturalScience 73,574-579 (2004).
【非特許文献4】天野貴之、田中敬一、佐藤宏一、伊藤巌、石川悦夫、村松昇、立木美保:リンゴペクチン摂取による血液成分の改善効果.園学雑 71(別2).461 (2002).
【非特許文献5】Zhao,Z.,Egashira,Y.&Sanada,H. Ferulic acidsugar esters are recovered in rat plasma and urine mainly as the sulfoglucuronide of 66 ferulicacid. J Nutr 133,1355-1361 (2003).
【非特許文献6】Kaji,A.& Saheki,T. Endo-arabinanase fromBacillus subtilis F-11. Biochimicaet Biophysica Acta (BBA) - Enzymology 410,354-360 (1975).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ペクチン由来糖質を回収し人体に対してプレバイオティクスの効果を得るためには、フェルラ酸基を温存したまま糖質を回収する意義は大きい。
しかしながら1、5-アラビナンを原料にアラビノオリゴ糖を得るために、ビート搾汁粕やリンゴ搾汁粕等のペクチンを構成するアラビナン含有繊維分に酵素を作用させる方法では、高価な酵素を必要とし、反応速度が遅いという産業上の課題に加えて、フェルラ酸エステラーゼ活性の無い特殊な酵素を選択しない限り、フェルラ酸基が離脱し、フェルラ酸基を有するオリゴ糖を回収することが困難であった。
【0013】
また、酸/アルカリを作用させる方法では、中和・脱塩・精製の各プロセスに関わる環境負荷や分離精製に要するコストが大きく、酸処理では、オリゴ糖が単糖にまで分解してしまい、アルカリ処理ではフェルラ酸基が完全に遊離してしまうという課題があり、フェルラ酸基を有するオリゴ糖を工業的に回収する有効な手法がなかった。
【0014】
本発明は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、植物細胞壁を構成するペクチン由来の原料を用いてフェルラ酸基を有するアラビノオリゴ糖あるいはガラクトオリゴ糖等のフェルラ酸結合型糖質の効果的な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
水は高温高圧状態になると、密度に依存する物理化学的性質が大きく変化する。例えばイオン積は常温に比べ3~4桁大きくなり、これを加水分解反応場として種々の処理に利用されている。本発明者は、植物細胞壁を構成するペクチン含有原料であるビートファイバーに水熱処理を施すと、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖およびフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖が選択的に抽出されるという特徴的な作用を見出し、本発明に思到したものである。
すなわち、本発明は、植物細胞壁由来のペクチン含有原料を用いてフェルラ酸結合型糖質を製造する方法であって、前記ペクチン含有原料に、飽和蒸気圧以上の水熱反応場を満足する圧力制御下において、加熱温度160~180℃、加熱時間5~15分の処理条件により水熱処理を施す水熱処理工程を備えることを特徴とする。
とくに、前記水熱処理工程における処理条件を、加熱温度160~170℃、加熱時間5~10分とすることにより、フェルラ酸結合型糖質をさらに効率的に得ることができる。
【0016】
また、ペクチン含有原料としてビートファイバーあるいはビートファイバーに類似するペクチン成分を有するビート搾汁粕等の植物細胞壁由来の原料を使用することにより、フェルラ酸結合型糖質としてフェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖とフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖を選択的に得ることができる。とくにペクチン含有原料としてビートファイバーを使用することにより、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖とフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖を効率的に製造することができる。
フェルラ酸結合型糖質の製造に用いるペクチン含有原料には、ビート搾汁粕、みかんジュース粕、リンゴ搾汁粕、落花生粕などの食品工場由来の植物性食品加工残渣を利用することが可能であり、従来は廃棄処理されていたこれらの材料を有効活用することができる。
【0017】
ペクチン含有原料に水熱処理を施す際は、飽和蒸気圧以上の適宜圧力下において処理すればよいが、飽和蒸気圧以上の圧力0.1~2.0MPaを保ちながら処理することによって、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖等のフェルラ酸結合型糖質を効率的に得ることができる。また、フェルラ酸結合型糖質を効率的に得るには、フェルラ酸基の離脱を抑え、糖質が単糖に分解されることを抑えるために、水熱処理の処理条件(加熱温度、加熱時間)を精密に制御することが必要である。加熱時間を長くすればフェルラ酸結合型糖質が効率的に得られるというわけではない。
フェルラ酸結合型糖質の製造方法としては、昇温部、反応部、冷却部を連続的な配管構成とし、昇温部から原料スラリーを供給し、昇温部、反応部、冷却部の順に原料スラリーを通過させ、冷却部から製品スラリーを排出する構成とした連続式の水熱処理装置を用いる方法が好適に利用できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るフェルラ酸結合型糖質の製造方法は、従来の酵素処理法に比べて反応が速く、酵素回収や失活プロセスが必要なく、高い基質濃度が得られるため後工程における濃縮プロセスが軽減される。また、酸・アルカリ処理プロセスのような中和・脱塩・精製の各プロセスがないことから、環境への負荷を大幅に低減できる。また、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖、フェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖は、機能性食品成分として有効に利用することができる。

【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ビートファイバーの可溶化液中に含まれるオリゴ糖およびフェルラ酸濃度を示すグラフである。
【図2】バッチ式処理と連続式処理によるビートファイバーの可溶化率と可溶液のBrix濃度とpHを測定した結果を示すグラフである。
【図3】水熱処理によって得られた可溶化液の単糖、オリゴ糖、ウロン酸の濃度を示すグラフである。
【図4】ビートファイバーの可溶化液の[Water]画分と[MeOH/H2O]画分についての質量分析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ビート搾汁残渣、みかんやリンゴ搾汁残渣など食品工場由来の様々なペクチン含有原料があるが、その中でも砂糖の製造原料であるビートはL-アラビノース含量で12~20wt%と他の残渣より大量のアラビナンを含有する。ビート根部から砂糖を抽出した残渣を洗浄・脱水した後に乾燥し、粉砕・篩分したものがビートファイバーである。ビートファイバーは天然の各種食物繊維製品のなかでも80%程度の高い繊維含有率を示す。

【0021】
本発明においては、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖、フェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖等のフェルラ酸結合型糖質の製造に植物細胞壁由来のペクチン含有原料を使用し、ペクチン含有原料に水熱処理を施すことを特徴とする。本実施形態においてはペクチン含有原料としてビートファイバー微粉末(粒度100メッシュ通過物)を原料として選択したが、ペクチン含有原料としては、ビートファイバー以外の適宜原料を使用することができる。

【0022】
なお、ビートファイバーはペクチン含有原料のうちでL-アラビノースの含有量が特異的に高いので、アラビノオリゴ糖の製造原料として有効に利用できる。一般に植物原料に水熱処理を施す場合には、裁断、粉砕(微粉砕)、水との混合・分散といった前処理工程を経る。特に連続式装置を用いる場合には、均質で滑らかなスラリー状原料を調製する必要があるが、食物原料を単純に粉砕したものは繊維質で水への分散性が悪く不均質であるため、解決すべき技術的課題のひとつとされていた。今回我々は、ビートファイバーを用いると、水と混ぜるだけで均質で滑らかなスラリー状原料を高濃度条件に簡単に調整できるという利点を見出した。ビートファイバーは、衛生的な環境下で乾燥、粉砕、分級といった二次加工がされており均質で安定した原料が確保できること、加工品として一般に流通しており、加工原料でありながら安価に入手できるという利点もある。

【0023】
実施例では、ビートファイバー3.89gと蒸留水35gを50mlのステンレス製水熱反応管(反応管、ともいう)管内圧力が0.1MPaになるよう窒素ガスごと封入し、反応管を160~190℃に加熱したソルトバスに浸漬し、所定の反応時間を与えて水熱反応を行い、反応後は冷水に浸漬して反応を停止した。

【0024】
水熱反応によりフェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖と、フェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖が遊離し、加熱温度170℃、反応時間5分とすることで、70%を越える理論収率を得ることができた。得られたフェルラ酸結合型オリゴ糖の持つアラビノ基、ガラクトシル基、フェルラ酸基の含有割合は36:14:1を示し、極めて特徴的な糖質組成物を得ることができた。

【0025】
反応管の管内圧力が0.1MPa以下になり反応温度時の飽和蒸気圧を下回ると水は急激に沸騰し、水熱反応場が壊され、反応が停止してしまう。また、圧力を2.0MPa以上の高圧にしてもペクチン由来のフェルラ酸結合型糖質の収率の向上には寄与しない一方で、反応装置に要求される耐圧仕様が上がり使用する材料やシール構造がより特殊になるほか、圧力制御や運転管理が複雑になるというデメリットがある。
また、加熱温度160℃、加熱時間5分を下回ると、未反応部分が残り、収率の低下を生じる。また、加熱温度が190℃、加熱時間15分を上回ると、フェルラ酸の離脱が顕著となり、分離されるオリゴ糖も低分子化して単糖が多く発生し、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖としての収率が著しく低下する。

【0026】
また、水熱反応管はスケールが大きくなると、反応開始までの昇温時間が長くなり、また反応後の冷却効率も悪くなることから、管内での反応履歴に分布が生じ、水熱反応時の熱履歴が制御できず収率低下を招く恐れがある。これを回避するためには連続式の水熱反応装置の利用が好ましい。
【実施例1】
【0027】
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。
実験試料としてビートファイバー(日本甜菜製糖株式会社)を用いた。内容積50mLのSUS-316製反応管(耐圧硝子工業株式会社)に、ビートファイバー3.89gと蒸留水35gを仕込み、よく混合した(原料濃度10wt%相当)。その後、ビートファイバーと蒸留水をよく馴染ませるため、ビートファイバーと蒸留水を収納した反応管を超音波洗浄槽(株式会社エスエヌディ、US-2)に10minかけた。
【実施例1】
【0028】
次いで、反応管を密閉し、反応管内の圧力が0.1MPaになるよう窒素ガス(太陽日酸株式会社、純度99.9%以上)を注入し、水熱処理を施した(水熱処理工程)。
水熱処理は、試料を収納した反応管を、あらかじめ所定温度に加温したソルトバス(トーマス科学、セルシウス600H)に浸漬し、所定時間加熱した後、反応管を冷水に投入し反応を停止させる方法で行った。本実験では、反応管内の温度が、あらかじめ設定した温度の95%に達した時間を反応時間0min(反応開始時)として反応時間を設定した。
【実施例1】
【0029】
水熱処理により得られた生成物スラリーをガラス繊維ろ紙(ADVANTEC、GS-25)とブフナー漏斗を用いて吸引ろ過し、回収されたろ液を可溶化液とした。ろ紙上の残渣には可溶化液が付着しているため、ろ紙上の残渣を約50℃の蒸留水500mLで洗浄し、洗浄液のBrix糖度が0.0%になるまで洗浄した。洗浄された残渣は105℃の定温乾燥機にて恒量になるまで乾燥させた。そしてこの乾燥残渣を固体残渣とした。
【実施例1】
【0030】
水熱処理によるビートファイバーの可溶化率を以下の式より算出した。
可溶化率[wt%]={1-(固体残渣の回収量[g]/ビートファイバーの仕込量[g])}×100
【実施例1】
【0031】
可溶化液サンプルのpHおよびBrix糖度の測定はそれぞれ、pHメーター(HORIBA、F-22)およびデジタル糖度計(ATAGO、IPR-101)により測定した。
【実施例1】
【0032】
可溶化液サンプルのウロン酸濃度は3、5-ジメチルフェノール法により測定した。すなわち、試験管に可溶化液50μLと2%食塩水50μLを入れ、ボルテックスで撹拌後、濃硫酸800μLを氷冷しながら徐々に加えた。次いで、恒温水槽(EYELA、NTS-4000)により70℃で10min加熱後、水中で20~30秒冷却し室温とした。ここに0.1% 3、5-ジメチルフェノール酢酸溶液40μLを加え、10min後に400nmと450nmの2波長の吸光度を測定した。450nmの吸光度から400nmの吸光度の差を求め、あらかじめ求めておいた検量線よりガラクツロン酸として定量した。
【実施例1】
【0033】
可溶化液サンプルに含まれる糖質の分析には下記の機器で構成されたHPLCシステムおよび分析条件を使用した。
[HPLCシステム]
高圧グラジェントポンプ :LC-20AD×2台 島津製作所
オートサンプラー :SIL-20ACHT 島津製作所
カラムオーブン :CTO-20A 島津製作所
屈折率検出器 :RID-10A 島津製作所
[分析条件(A)]・・・グルコース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マンノース、フルクトースの定量用
分離カラム:BioRad製、Aminex HPX-87P(7.8mm×300mm) ガードカラム付属
カラム温度:85℃
移動相 :超純水
流量 :0.6 mL/min
[分析条件(B)]・・・5-HMF、フルフラール、酢酸の定量用
分離カラム:BioRad製、Aminex HPX-87H(7.8mm×300mm) ガードカラム付属
カラム温度:35℃
移動相 :0.004M-H2SO4
流量 :0.6 mL/min
【実施例1】
【0034】
可溶化液サンプルに含まれる単糖の測定は、可溶化液サンプルを蒸留水でBrix糖度にして1%程度に希釈した後、メンブランフィルターでろ過したものを上記HPLC分析条件(A)および分析条件(B)に供した。
【実施例1】
【0035】
可溶化液サンプルに含まれるオリゴ糖の測定は、可溶化液の硫酸加水分解操作により増加した単糖量を積算しオリゴ糖とした。すなわち、可溶化液サンプル2mLをネジ口試験管(15mL容)にとり、4N-H2SO4溶液2mLを加え密閉後、沸騰水浴中で3時間煮沸した。これを冷却後、50mL遠心管に内容物を蒸留水10mLで洗いながら移した。そして水酸化バリウムの飽和水溶液を用いてpH5.5になるよう中和をおこなった。pH値はpHメーター(HORIBA、F-23)で確認した。析出した硫酸バリウムの沈殿を12000rpm、10minの遠心分離によって固体と上清に分離した。上清は50mL容メスフラスコに全量回収し、蒸留水を加えてメスアップした。得られた溶液をメンブランフィルターでろ過し、前記HPLC分析条件(A)および分析条件(B)に供した。
【実施例1】
【0036】
可溶化液サンプルに含まれるフェルラ酸の分析には下記の機器で構成されたHPLCシステムおよび分析条件を使用した。
[HPLCシステム]
高圧グラジェントポンプ :LC-20AD×2台 島津製作所
オートサンプラー :SIL-20ACHT 島津製作所
カラムオーブン :CTO-20A 島津製作所
UV検出器 :SPD-20A 島津製作所
[分析条件(C)]・・・ 遊離型フェルラ酸、糖結合型フェルラ酸の定量用
分離カラム:GLサイエンス Inertsil
ODS-3(4.6×250mm)
カラム温度:40 ℃
移動相 :A液;50mM酢酸緩衝液(pH4.0) B液;アセトニトリル
溶出条件 :B液5% → 50%(0min → 30min、リニアグラジェント)
流量 :1.0 mL/min
検出波長 :320nm
【実施例1】
【0037】
可溶化液サンプルに含まれる遊離型フェルラ酸の測定は、可溶化液サンプル1mLをエッペンチューブにとり、12000rpm、10minの遠心分離によって沈殿物と上清に分離した。この上清をメンブランフィルターでろ過し、HPLC分析条件(C)に供した。
【実施例1】
【0038】
可溶化液サンプルに含まれる糖結合型フェルラ酸の測定は、可溶化液を2N-NaOHを用いて加水分解し、増加したフェルラ酸量を糖結合型フェルラ酸とした。すなわち、可溶化液サンプル1mLをエッペンチューブにとり、12000rpm、10minの遠心分離によって沈殿物と上清に分離した。この上清を300μL取り、2N-NaOH水溶液150μLを加えて65℃の水浴中で60min加水分解した。冷却後、2N-HCl 150μLを加え中和した溶液をメンブランフィルターでろ過し、前記HPLC分析条件(C)に供した。
【実施例1】
【0039】
【表1】
JP0005900792B2_000002t.gif
【実施例1】
【0040】
水熱処理の処理条件を変えたときのビートファイバーの可溶化率と可溶化液サンプルのBrix糖度、pH、全糖濃度、ウロン酸濃度の値を表1に示した。
ここで、全糖濃度の値はHPLC分析により求められた単糖濃度およびオリゴ糖濃度の積算値である。検討した水熱処理条件の範囲において、ビートファイバーの可溶化率は反応温度の上昇、反応時間の経過に対し大きな変化を示さなかった。可溶化率は54~59wt%でほぼ一定の値をとり、反応時間が経過しても60wt%以上の可溶化はみられなかった。
【実施例1】
【0041】
一般的なビートファイバーの成分組成は、ペクチンおよびヘミセルロースで約55%を占めており、セルロース23%、リグニン3%、残りがタンパク質や脂質や灰分である。温度200℃以下の水熱処理条件において、セルロースやリグニンは分解し難いことから、主にペクチン質とヘミセルロース成分が可溶化していると推定された。また、本実施例においてウロン酸濃度はペクチンの主鎖に含まれるガラクツロン酸の挙動を反映し、全糖濃度は主にペクチンの側鎖に含まれる中性糖の挙動を反映している。表1より、ウロン酸濃度および全糖濃度はともに170℃、5minで最大値を示し、反応温度の上昇、反応時間の経過に伴い大きく減少した。
【実施例1】
【0042】
ビートファイバーの水熱処理により得られた可溶化液中に含まれるオリゴ糖およびフェルラ酸濃度を図1に示した。全糖濃度は反応温度160℃では反応時間の経過に伴い増加し、170℃以上では反応時間の経過に伴い減少する傾向を示した。全糖濃度は170℃、5minで最大値28 g/Lを示し、180℃、5minにおいても27 g/Lと高い値を示した。
【実施例1】
【0043】
単糖およびオリゴ糖の割合に着目すると、オリゴ糖濃度は170℃、5minで最大値の22 g/Lであった。また、180℃、5minでの単糖濃度は170℃、5minの2倍近い値を示していたことから、生成したオリゴ糖の低分子化が進行していることが示された。
【実施例1】
【0044】
一方、可溶化液中に含まれるフェルラ酸は、その大部分が糖結合型フェルラ酸であることが分かった。フェルラ酸濃度の変化に着目した場合、遊離フェルラ酸の変化は単糖濃度の挙動と、糖結合型フェルラ酸の変化はオリゴ糖の挙動とそれぞれよく一致することが分かった。糖結合型フェルラ酸の最大値は、オリゴ糖と同じ170℃、5minにおいて0.5g/Lであった。すなわち、この糖結合型フェルラ酸はオリゴ糖に結合した状態でビートファイバーから可溶化していることが分かる。
【実施例1】
【0045】
【表2】
JP0005900792B2_000003t.gif
【実施例1】
【0046】
ビートファイバーの水熱処理により得られたオリゴ糖およびフェルラ酸の収率を表2に示した。ここで表2中の数値は、ビートファイバーの乾燥質量を基準とした収率である。可溶化液に含まれる単糖およびオリゴ糖の構成糖はアラビノース(Ara)を主成分とし、次いでガラクトース(Gal)であった。その他に、グルコース、キシロース、フルクトース等が微量含まれていた。すなわち、ビートファイバーの水熱処理により得られるオリゴ糖の主要成分はアラビノオリゴ糖ならびにガラクトオリゴ糖であることが分かった。このアラビノオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖の収率は共に170℃、5minで最大値を示す。
【実施例1】
【0047】
アラビノオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖は、ペクチンの主鎖であるラムノガラクツロナン部位の側鎖に主に存在している毛状領域と呼ばれるアラビナン側鎖およびガラクタン側鎖に由来すると考えられる。ビートファイバー中のアラビノース含量は約20wt%、ガラクトース含量は約5wt%と報告されており、本実施例により得られたアラビノオリゴ糖およびガラクトオリゴ糖の収率は、理論最大収率の70%から100%に近くに達することが分かった。
【実施例1】
【0048】
また、ビートファイバー中のフェルラ酸(FA)は、同様にペクチン質の毛状領域のアラビナン側鎖およびガラクタン側鎖の末端に結合していることが知られており、その含有量は1wt%未満と報告されている。本手法で得られた糖結合型フェルラ酸の最大収率は0.5 wt%であり、その回収率は50%以上に達することが分かった。
【実施例1】
【0049】
表2に示した結果より、全糖収率の高かった170℃、5minおよび180℃、5minにおいて得られたアラビノオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、糖結合型フェルラ酸の収率から、アラビノース残基、ガラクトース残基、フェルラ酸基の含有割合(モル比)を計算すると、それぞれ、36:14:1、および19:13:1という値を示し、極めて特徴的な糖質組成物が得られていることが分かる。
【実施例1】
【0050】
上述した実験結果は、フェルラ酸結合型オリゴ糖を効率的に得る方法として水熱処理が有効であることを示しており、フェルラ酸結合型オリゴ糖の収率について着目すると、水熱処理における処理条件として、加熱温度160~180℃、加熱時間5~15分の温度履歴範囲が好適に利用できる範囲であり、さらに好適には加熱温度160~170℃、加熱時間5~10分の温度履歴範囲であるということができる。いずれの場合も加熱温度、加熱時間によってフェルラ酸結合型オリゴ糖の収率が大きく変動するから、一定の収率を維持するには、水熱処理における処理条件をできるだけ高精度に制御することが必要である。
【実施例2】
【0051】
上述した実施例は、反応管に試料を収納し、バッチ式により水熱処理を施す方法によるものである。この水熱処理は、連続式の水熱処理装置を使用することにより連続処理として行うことができる。以下では、連続式の反応装置を用いてビートファイバーを水熱処理した結果について説明する。連続式の水熱処理を施す反応装置は、昇温部、反応部、冷却部を連続的な配管構成とし、昇温部の投入端からスラリーポンプにより原料スラリーを供給し、昇温部、反応部、冷却部の順に原料スラリーを通過させ、冷却部から製品スラリーを排出する構成としたものである。
【実施例2】
【0052】
本実施形態においては、反応部の温度を最適条件である170℃とし、昇温部の通過時間4~6分、反応部の通過時間7~12分、冷却部の通過時間4~6分、原料スラリーの処理流量260~470g/minとして処理を行った。
図2に、バッチ式処理と連続式処理の場合における、ビートファイバーの可溶化率と可溶液のBrix濃度、pHを測定した結果を示す。いずれも、反応温度を170℃に設定し、水熱処理時間を変えて測定した結果である。バッチ式処理ではビートファイバー濃度を10wt%とした原料スラリーを使用し、連続式処理ではビートファイバー濃度を12wt%とした原料スラリーを使用した。
バッチ式処理の場合も連続式処理の場合も、可溶化率については反応時間を変えた場合もほぼ同様の可溶化率となるという同様の傾向を示している。
【実施例2】
【0053】
図3は、水熱処理によって得られた可溶化液の単糖、オリゴ糖、ウロン酸の濃度を示す。それぞれの棒グラフの最下段が単糖、中段がオリゴ糖、最上段がウロン酸の濃度である。バッチ式にくらべて連続式処理による場合に濃度が増加しているのは、連続式処理では、バッチ式処理よりもビートファイバー濃度の高い原料スラリーを使用したためである。
【実施例2】
【0054】
【表3】
JP0005900792B2_000004t.gif
【実施例2】
【0055】
表3に、バッチ式処理の場合と連続式処理の場合における、オリゴ糖とフェルラ酸の収率を示す。オリゴ糖の収率が良い、連続式の170℃、7分の結果と、バッチ式の170℃、8分の結果を比較すると、ほぼ同等の結果が得られている。
また、表3は、連続式処理による場合もバッチ式処理による場合と同様に、可溶化液に含まれるオリゴ糖の構成糖はアラビノースを主成分とし、ガラクトースを次成分とすること、糖結合型のフェルラ酸基が得られることを示している。すなわち、連続式処理の場合もバッチ式処理による場合と同様に、ビートファイバーを原料としてフェルラ酸結合型オリゴ糖を得ることができる。
【実施例3】
【0056】
ビートファイバーに水熱処理を施して得られるオリゴ糖がフェルラ酸結合型オリゴ糖であることを確かめるため、ビートファイバー可溶化液からフェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖を分離して分析する実験を行った。
まず、実施例2で得られたビートファイバー可溶化液(40ml)に合成吸着材(40ml:オルガノ、XAD2)を投入し、60℃、1時間撹拌し、可溶化液成分を吸着材に吸着させた。
可溶化液成分を吸着させた吸着材を、はじめにMFろ過(洗浄なし)により非吸着画分を分離し、次いで、水による溶出操作を行って[Water]画分を分離し、次いで、メチルアルコールと水の混合液による溶出ろ過により[MeOH/H2O]画分を分離し、最後にメチルアルコールによる溶出操作を行って[MeOH]画分を分離した。
【実施例3】
【0057】
ろ過装置には、容量300mlの円筒容器(径47mm)の下部に、孔径0.45μmのMFフィルターを備えたものを使用した。水の溶出操作では、ろ過容器に水を200ml供給し、20分間撹拌しながらMFろ過、さらに約200mLの水で溶出して[Water]画分(約400ml)を分離した。メチルアルコールと水の混合液による溶出ろ過操作では、メチルアルコールと水の1:1で混合溶液を200ml供給し、20分間撹拌しながらMFろ過、さらに約200mLのメチルアルコール/水混液で溶出して[MeOH/H2O]画分(約400ml)を分離した。メチルアルコールによる溶出操作は、メチルアルコールを200ml供給し20分間撹拌しながらMFろ過、さらに約200mLのメチルアルコールで溶出して[MeOH]画分(約400ml)を分離した。
【実施例3】
【0058】
図4は、上記方法によって得られた[Water]画分と[MeOH/H2O]画分について、質量分析した結果を示す。分析には下記の装置を使用した。
測定装置:AXIMA-CFR Plus 島津製作所
Matrix溶液:DHBA
測定モード:reflectron,positive
レーザ強度:90
図4の[Water]画分のグラフでは、アラビノオリゴ糖(DP5-DP11)由来の規則的な分子量ピークが見られ、[MeOH/H2O]画分のグラフでは、アラビノオリゴ糖(DP5-DP11)にフェルラ酸基(ΔM=176)が結合した規則的な分子量ピークが見られる。
【実施例3】
【0059】
[Water]画分では、水に溶解するアラビノオリゴ糖が溶出されるのに対し、フェルラ酸基が結合したアラビノオリゴ糖は疎水性であることから、[Water]画分では溶出されず、[MeOH/H2O]画分ではじめて溶出され、[MeOH/H2O]画分のグラフであらわれたものである。この分析結果から、ビートファイバーに水熱処理を施して得られるオリゴ糖がフェルラ酸結合型オリゴ糖であることが確かめられた。
【実施例3】
【0060】
前述したように、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖およびフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖は、機能性食品成分として有望であると考えられている。本発明方法は、フェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖およびフェルラ酸結合型ガラクトオリゴ糖を製造する方法として有効に活用することが可能であり、これらのオリゴ糖を機能性食品成分として産業的に製造する有効な方法として利用することが可能である。
また、上述したように、本発明方法によれば、水熱処理の反応条件を的確に制御することにより、フェルラ酸基を含有する割合の異なるオリゴ糖を生成することが可能である。
【実施例3】
【0061】
上記の水熱処理工程により生成されたフェルラ酸基を有するオリゴ糖は、一般的な固液分離操作に加えて、膜分離、吸着分離、イオン交換分離、クロマト分離、濃縮などの物理化学的処理や、酵素や微生物を用いた生物化学的処理、有機溶剤や無機塩など化学薬品を用いた抽出あるいは析出など化学的処理や、その他の公知の方法を単独あるいは組わせた分離精製工程を経ることによって不純物が除去され、高純度のフェルラ酸基を有するアラビノオリゴ糖およびフェルラ酸基を有するガラクトオリゴ糖が得られる。
【実施例3】
【0062】
上記実施例は、ペクチン含有原料としてビートファイバーを使用した例であるが、ペクチン含有原料としては、ビート搾汁残渣、みかんやリンゴ搾汁残渣など種々の植物細胞壁由来の材料を使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明により、従来得られなかったフェルラ酸結合型アラビノオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖を工業スケールで生産することが可能となり、食品残差の有効利用、バイオマス利用、機能性食品、食品機能研究などの各産業分野に利用される。
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
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