【0015】 なお、本実施形態に係る生体試料200は、生体組織に対して、化学固定又は物理固定と、脱水及び包埋と、重合と、トリミング及び面出しとの各過程を経て生成される包埋試料であるが、有機重合物質で包埋されていない、生きた細胞若しくは生体組織、凍結させた細胞若しくは生体組織又は乾燥させた細胞若しくは生体組織などの無包埋試料でもよい。ここで、生きた細胞若しくは生体組織には、架橋の弱いパラフォルムアルデヒド(para form aldehyde:PFA)又はアルコール若しくはアセトンなどで化学固定した、ほぼ生の状態(免疫染色用)も含まれる。 なお、生体試料200は、トリミング過程において、包埋の際に余った樹脂をカプセルに流し込んで製作した略円柱状の台座201に、導電性両面テープ、導電性接着剤又は瞬間接着剤を用いて接着される。
【0042】 本実施形態に係る3次元電子顕微鏡100は、第1の実施形態に係るアブレーション装置10と、生体試料200の切削面を撮像する撮像手段と、アブレーション装置10及び撮像手段を交互に駆動させる制御部と、撮像手段により撮像された画像を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された連続する複数の画像に基づいて合成像を構築する演算部と、を備える。 なお、以下の説明においては、生体試料200の切削面を撮像する撮像手段として、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:以下、「SEM」と称す)を例に挙げて説明する。
【0060】 第2の応用例として、第1の実施形態に係るアブレーション装置10は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)用グリッドをトリミング前の包埋試料の厚切片に複数貼り付け、アブレーション装置10に包埋試料を裏返してセットし、その包埋試料の切削面を切削することにより、ウルトラミクロトームを用いることなく、同時に多量の超薄切片(50nm厚程度)を作製することができる。