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明細書 :プラズマ反応装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6411869号 (P6411869)
公開番号 特開2016-098383 (P2016-098383A)
登録日 平成30年10月5日(2018.10.5)
発行日 平成30年10月24日(2018.10.24)
公開日 平成28年5月30日(2016.5.30)
発明の名称または考案の名称 プラズマ反応装置
国際特許分類 C23C  16/27        (2006.01)
C23C  16/503       (2006.01)
C23C  16/505       (2006.01)
C23C  16/511       (2006.01)
H05H   1/46        (2006.01)
FI C23C 16/27
C23C 16/503
C23C 16/505
C23C 16/511
H05H 1/46 M
請求項の数または発明の数 6
全頁数 16
出願番号 特願2014-233732 (P2014-233732)
出願日 平成26年11月18日(2014.11.18)
審査請求日 平成29年11月15日(2017.11.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】800000068
【氏名又は名称】学校法人東京電機大学
発明者または考案者 【氏名】平栗 健二
【氏名】柴 圭祐
個別代理人の代理人 【識別番号】100089118、【弁理士】、【氏名又は名称】酒井 宏明
審査官 【審査官】森坂 英昭
参考文献・文献 特開2009-035819(JP,A)
特開平02-070059(JP,A)
特開平08-260157(JP,A)
特開平01-147068(JP,A)
調査した分野 C23C 16/00 - 16/56
H05H 1/46
特許請求の範囲 【請求項1】
反応ガスを導入する反応室と、
平板状に形成され相互に対向する対向面が設けられるアノード電極及びカソード電極を有し、前記反応室の内部に配置される電極部と、
前記カソード電極の前記対向面に基材と共に設置され、前記基材の周囲を包囲する筒型電極と、
電磁波を前記電極部に発生させる電源と、
を備え、
前記筒型電極が前記カソード電極に設置されている状態において、前記筒型電極の高さ寸法は、前記アノード電極と前記カソード電極との間の電極間距離に対して12.5%~50%であり、且つ、前記筒型電極の断面積は、前記カソード電極の前記対向面の面積に対して0.25%より大きく2.8%未満であり、
前記電源により前記電極部の前記アノード電極と前記カソード電極との間に前記電磁波を発生し、前記反応室内に導入される前記反応ガスを前記電磁波によりプラズマ化させることで、前記プラズマ化させた反応ガスを利用して、前記反応室内に設置され前記筒型電極に包囲される前記基材の表面を加工する、
ことを特徴とするプラズマ反応装置。
【請求項2】
前記反応室に導入される前記反応ガスが原料ガスであり、
前記電磁波により前記原料ガスをプラズマ化させ、前記原料ガスの化学反応を活性化させることで、前記反応室内に設置され前記筒型電極に包囲される前記基材の表面に薄膜を形成する、
請求項1に記載のプラズマ反応装置。
【請求項3】
前記薄膜がダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)膜である、
請求項2に記載のプラズマ反応装置。
【請求項4】
前記電極部は、前記反応室内において、前記アノード電極が鉛直方向の上方側に配置され、前記カソード電極が前記鉛直方向の下方側に配置され、
前記筒型電極は、前記カソード電極の前記対向面上に載置される、
請求項1~3のいずれか1項に記載のプラズマ反応装置。
【請求項5】
前記筒型電極は、前記電極部の前記カソード電極の前記対向面に複数個設置される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプラズマ反応装置。
【請求項6】
前記筒型電極が前記カソード電極に設置されている状態において、前記筒型電極の断面積は、前記カソード電極の前記対向面の面積に対して1%である、
請求項1~5のいずれか1項に記載のプラズマ反応装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)膜は、高硬度であり、生体適合性、耐摩耗性、耐腐食性などに優れ、物理的及び化学的に安定した特性を有することから、医療分野や工業分野などの様々な分野での応用が期待されている。例えば、切削工具や金型、建築部材などの表面をDLC膜でコーティングすることにより、製品寿命を延ばすことが期待できる。また、人工関節などの医療器具をDLC膜でコーティングすることによりこれらの医療器具の生体適合性を向上させることが期待できる。
【0003】
DLC膜は、高周波プラズマ化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)装置などのプラズマ反応装置を利用することで基材の表面に形成することができる。プラズマ反応装置によるDLC膜の成膜手法において、形成するDLC膜と基材との間の密着性の向上が望まれており、例えば基材の上にシリコンを主成分とする中間層を形成して、この中間層の上にDLC膜を形成する手法が提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2000-178737号公報
【特許文献2】特開2010-106311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に記載されている従来のプラズマ反応装置によるDLC膜の成膜手法では、中間層を形成する必要があるため、成膜プロセスの複雑化や処理時間の増大などの問題がある。このため、中間層を設けなくても、迅速にDLC膜を形成でき、かつ、形成されるDLC膜の密着性を向上できるように、簡易な構成でプラズマ反応を利用したDLC膜の成膜を促進できることが望ましい。
【0006】
ところで、プラズマ化させた反応ガスを利用して基材の表面を加工するプラズマ反応装置という括りでは、上記のDLC膜の成膜以外でも、例えば反応性イオンエッチングなどの様々な加工手法が適用されている。プラズマ反応装置を用いたこれらの多種の加工手法においても、上記のDLC膜の成膜手法と同様に、簡易な構成でもプラズマを利用した基材の加工を促進させる点でさらなる改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易な構成によって、プラズマを利用した基材の加工を促進できるプラズマ反応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るプラズマ反応装置は、反応ガスを導入する反応室と、平板状に形成され相互に対向する対向面が設けられるアノード電極及びカソード電極を有し、前記反応室の内部に配置される電極部と、前記カソード電極の前記対向面に基材と共に設置され、前記基材の周囲を包囲する筒型電極と、電磁波を前記電極部に発生させる電源と、を備え、前記筒型電極が前記カソード電極に設置されている状態において、前記筒型電極の高さ寸法は、前記アノード電極と前記カソード電極との間の電極間距離に対して12.5%~50%であり、且つ、前記筒型電極の断面積は、前記カソード電極の前記対向面の面積に対して0.25%より大きく2.8%未満であり、前記電源により前記電極部の前記アノード電極と前記カソード電極との間に前記電磁波を発生し、前記反応室内に導入される前記反応ガスを前記電磁波によりプラズマ化させることで、前記プラズマ化させた反応ガスを利用して、前記反応室内に設置され前記筒型電極に包囲される前記基材の表面を加工することを特徴とする。
【0009】
また、上記のプラズマ反応装置において、前記反応室に導入される前記反応ガスが原料ガスであり、前記電磁波により前記原料ガスをプラズマ化させ、前記原料ガスの化学反応を活性化させることで、前記反応室内に設置され前記筒型電極に包囲される前記基材の表面に薄膜を形成することが好ましい。
【0010】
また、上記のプラズマ反応装置において、前記薄膜がダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)膜であることが好ましい。
【0011】
また、上記のプラズマ反応装置において、前記電極部は、前記反応室内において、前記アノード電極が鉛直方向の上方側に配置され、前記カソード電極が前記鉛直方向の下方側に配置され、前記筒型電極は、前記カソード電極の前記対向面上に載置されることが好ましい。
【0012】
また、上記のプラズマ反応装置において、前記筒型電極は、前記電極部の前記カソード電極の前記対向面に複数個設置されることが好ましい。
【0013】
また、上記のプラズマ反応装置において、前記筒型電極が前記カソード電極に設置されている状態において、前記筒型電極の高さ寸法は、前記アノード電極と前記カソード電極との間の電極間距離に対して12.5%~50%であることが好ましい。
【0014】
また、上記のプラズマ反応装置において、前記筒型電極が前記カソード電極に設置されている状態において、前記筒型電極の断面積は、前記カソード電極の前記対向面の面積に対して1%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るプラズマ反応装置は、基材の周囲を包囲する筒型電極を設置することで、筒型電極の内部、すなわち基材の周囲のプラズマ強度を増大させることができるので、簡易な構成によって、プラズマを利用した基材の加工を促進できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ反応装置の一例としての高周波プラズマ化学気相成長(CVD)装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1中のカソード電極及び筒型電極を拡大視した図である。
【図3】図3は、図2に示すカソード電極及び筒型電極の平面図である。
【図4】図4は、筒型電極の変形例の一例を示す平面図である。
【図5】図5は、実施例1、比較例1について、形成されたDLC膜の成膜レートを示す図である。
【図6】図6は、実施例1にて成膜処理が施された前後のSUS基板表面の化学的組成評価を示す図である。
【図7】図7は、実施例1にて形成された薄膜の構造評価を示す図である。
【図8】図8は、実施例2~4、比較例2におけるDLC膜の密着性評価の結果を示す図である。
【図9】図9は、実施例2~4、比較例2におけるラマン分光法による膜の構造評価を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係るプラズマ反応装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。

【0018】
[実施形態]
プラズマ反応装置は、「反応室内に設置される平行平板電極間に電磁波を発生させ、反応室内に導入される反応ガスをこの電磁波によりプラズマ化させることで、このプラズマ化させた反応ガスを利用して反応室内に設置される基材の表面を加工するための装置」と定義できる。本実施形態では、このようなプラズマ反応装置の一例として高周波プラズマCVD装置1を挙げて説明する。

【0019】
図1~3を参照して、本実施形態に係る高周波プラズマCVD装置1の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ反応装置の一例としての高周波プラズマ化学気相成長(CVD)装置の概略構成を示す模式図である。図2は、図1中のカソード電極及び筒型電極を拡大視した図である。図3は、図2に示すカソード電極及び筒型電極の平面図である。なお、以下の説明では、図1の上下方向を「鉛直方向」と表記し、図1中のアノード電極6側を鉛直方向の「上側」と表記し、カソード電極7側を鉛直方向の「下側」と表記する。

【0020】
図1に示す高周波プラズマCVD装置1は、高周波プラズマCVD法により基材11の表面を成膜する装置である。高周波プラズマCVD法は、プラズマを援用する形式の化学気相成長の一種であり、さまざまな物質の薄膜を形成する蒸着手法の一種である。高周波プラズマCVD法は、化学反応を活性化させるため、高周波を印加することで原料ガスをプラズマ化させるのが特徴である。高周波プラズマCVD装置1は、平行平板電極(図1の電極部5)間に発生させる高周波により、反応室2内に導入される原料ガスをプラズマ化させ、原料ガスの化学反応を活性化させることで、反応室2内に設置される基材11の表面に薄膜を形成することができる。本実施形態では、高周波プラズマCVD装置1が、基材11の表面にダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)膜を形成する成膜手法を一例として挙げて説明する。

【0021】
図1に示すように、高周波プラズマCVD装置1は、反応室2と、電極部5と、整合器8と、高周波電源9(電源)と、筒型電極10と、を備える。

【0022】
反応室2(チャンバー)は、基材11を内部に装填して表面にDLC膜の成膜を行うための密閉空間を形成する。反応室2は、導入口3と排出口4とを有する。導入口3は、反応室2の内部に原料ガス(反応ガス)を供給する。なお、DLC膜を成膜する場合には、エチレン(C)、メタン(CH)、プロパン(C)などの炭化水素系ガスが原料ガスとして導入口3から反応室2に供給される。排出口4は、反応室2内の空気を排気する。排出口4には例えば真空ポンプが接続され、この真空ポンプによって排出口4を介して反応室2内の真空排気が行われる。

【0023】
電極部5は、反応室2の内部空間に設置される。電極部5は、平板状のアノード電極6及びカソード電極7を有する。アノード電極6とカソード電極7とは、反応室2内にて略平行に配置されている。アノード電極6及びカソード電極7には、それぞれに相互に対向する対向面6a,7aが設けられている。対向面6a,7aは、面積がほぼ同一であり、共に略円形状である。対向面6a,7aは、鉛直方向から視たときにほぼ重複するように配置されている。アノード電極6は接地されており、カソード電極7は、整合器8を介して高周波電源9に接続されている。

【0024】
電極部5は、反応室2内において、アノード電極6が鉛直方向の上方側に配置され、カソード電極7が鉛直方向の下方側に配置される。つまり、アノード電極6は対向面6aが鉛直下方を向いて配置され、一方、カソード電極7は対向面7aが鉛直上方を向いて配置される。本実施形態では、DLC膜が成膜される基材11は、鉛直方向下側に配置されているカソード電極7の対向面7a上に載置される。

【0025】
高周波電源9は、高周波(電磁波)を出力する電源装置である。高周波電源9から出力された高周波は、整合器8を介してカソード電極7に印加される。これにより、電極部5は、アノード電極6の対向面6aとカソード電極7の対向面7aとの間に、高周波(電磁波)を発生させることができる。高周波電源9は、例えば13.5MHzの高周波を出力する。

【0026】
筒型電極10は、筒型に形成されるステンレス製などの金属部材である。筒型電極10は、例えば図2,3に示すように円筒形状に形成することができる。筒型電極10は、カソード電極7の対向面7aに設置されるものであり、本実施形態では、カソード電極7は対向面7a上に載置されている。筒型電極10は、円筒形状の一対の開口のうち一方の基端側の開口をカソード電極7の対向面7aと対向配置させて対向面7aと接触する状態とし、他方の先端側の開口10aをアノード電極6側の先端部に配置させて、カソード電極7の対向面7aに設置されている。つまり、筒型電極10は、対向面7aから鉛直方向上方側のアノード電極6側に向けて周面を立設させ、アノード電極6側の先端部に開口10aを有するように設置されている。筒型電極10はカソード電極7と導通可能に接触している。

【0027】
ここで、上記の基材11は、この筒型電極10の内部に収容されるように載置されている。つまり、筒型電極10は、カソード電極7の対向面7a上に基材11と共に載置され、かつ、基材11の周囲を包囲するように載置されている。

【0028】
また、本実施形態では、筒型電極10は、電極部5のカソード電極7の対向面7a上に複数個が設置されており、複数の筒型電極10のそれぞれにおいて、その内部に基材11が個別に収容されている。複数の筒型電極10のそれぞれは、カソード電極7の対向面7a上において、隣接する他の筒型電極10とほぼ等間隔で配置されるのが好ましい。図2,3の例では、5個の筒型電極10が単一のカソード電極7に設置され、対向面7aの略中央に1個の筒型電極10が配置され、この筒型電極10を中心として対向面7aの半径方向に略等間隔をとって他の4個の筒型電極10が配置されている。また、これらの4個の筒型電極10は、対向面7aの周方向に沿って略等間隔に配置されている。個々の筒型電極10では、図3に示すように、基材11が筒型電極10の内側の略中央に配置されており、一方の主面が筒型電極10の開口10aからアノード電極6側に露出されている。

【0029】
上記のように筒型電極10がカソード電極7に設置されている状態において、筒型電極10の高さ寸法h(図2参照)は、アノード電極6とカソード電極7との間の電極間距離に対して12.5%~50%(電極間距離が40mmの場合h=5~20mm)であることが好ましく、25%~50%(h=10~20mm)であることがさらに好ましく、25%(h=10mm)であることがより一層好ましい。なお、筒型電極10の高さ寸法hとは、図2に示すように、筒型電極10がカソード電極7の対向面7aからアノード電極6側に立設した状態における、筒型電極10の基端側端部と先端側端部との間の距離である。

【0030】
また、上記のように筒型電極10がカソード電極7に設置されている状態において、筒型電極10の断面積A(図3参照)は、カソード電極7の対向面7aの面積に対して1%程度(対向面7aの直径が300mmの場合、筒型電極10の開口10aの直径が30mm)の面積であることが好ましい。筒型電極10の断面積Aとは、筒型電極10の鉛直方向に直交する断面の面積であり、図3に示すように、筒型電極10の開口10aの面積である。

【0031】
上記の構成を備える高周波プラズマCVD装置1を用いて基材11の表面にDLC膜を成膜する方法について説明する。まず、図1~3に示すように、反応室2内に設置されている電極部5のうち、カソード電極7の対向面7a上に複数個の筒型電極10が載置され、個々の筒型電極10の内部に1個ずつ基材11が載置される。なお、基材11の材質は、ステンレス(SUS)などの金属材料が好ましいが、例えばガラスなどの絶縁性材料を用いることもできる。

【0032】
次に、前処理が行われる。前処理では、例えば、排出口4から反応室2内の空気が排出されて反応室2内が減圧されると共に、導入口3から反応室2内に酸素ガスが導入される。その後に、高周波電源9から出力された高周波が整合器8を介してカソード電極7に印加される。これにより収容室2内で酸素プラズマ処理が行われ、基材11の表面が活性化される。

【0033】
次に、成膜処理が行われる。成膜処理では、排出口4から反応室2内の空気が排出されて反応室2内が減圧されると共に、導入口3から反応室2内にメタン(CH)などの炭化水素系ガスが導入される。この後に、高周波電源9から出力された高周波が整合器8を介してカソード電極7に印加される。これにより、図1に示すように、炭化水素系ガスがプラズマ化され、炭化水素系ガスの分子や原子が励起され、化学的に活性となる。励起された炭化水素系ガスの分子や原子は、カソード電極7の方向へ加速されて対向面7aに衝突し、これによりDLC膜が成膜される。このとき、カソード電極7の対向面7a上に載置されている筒型電極10の内部では、その外部と比較してプラズマ強度が増大しており、炭化水素系ガスの分子や原子の活性が促進されている。このため、筒型電極10の内部では、炭化水素系ガスの分子や原子の加速衝突が促進され、内部に載置されている基材11の表面には、より緻密なDLC膜が高速で堆積される。

【0034】
次に、本実施形態に係る高周波プラズマCVD装置1の効果を説明する。

【0035】
本実施形態の高周波プラズマCVD装置1は、原料ガスを導入する反応室2と、平板状に形成され相互に対向する対向面6a,7aが設けられるアノード電極6及びカソード電極7を有し、反応室2の内部に配置される電極部5と、カソード電極7の対向面7aに基材11と共に設置され、基材11の周囲を包囲する筒型電極10と、高周波を電極部5に発生させる高周波電源9と、を備える。高周波プラズマCVD装置1は、高周波電源9により電極部5のアノード電極6とカソード電極7との間に高周波を発生し、反応室2内に導入される原料ガスを高周波によりプラズマ化させることで、プラズマ化させた原料ガスを利用して、反応室2内に設置され筒型電極10に包囲される基材11の表面を加工する。より詳細には、高周波プラズマCVD装置1は、高周波により原料ガス(本実施形態では炭化水素系ガス)をプラズマ化させ、原料ガスの化学反応を活性化させることで、反応室2内に設置され筒型電極10に包囲される基材11の表面に薄膜(本実施形態ではDLC膜)を形成する。

【0036】
この構成により、既存の高周波プラズマCVD装置1のカソード電極7の対向面7a上に、基材11の周囲を包囲する筒型電極10を新たに設置するだけで、筒型電極10の内部、すなわち基材11の周囲のプラズマ強度を増大させることができるので、プラズマ反応を利用したDLC膜の成膜を促進できる。また、従来のようにDLC膜と基材との間の密着性を向上させるために中間層を設けなくても、形成されるDLC膜の密着性を向上できるので、成膜プロセスを簡略化でき、また、処理時間を低減できる。したがって、本実施形態の高周波プラズマCVD装置1によれば、簡易な構成によって、プラズマを利用した基材11の加工を促進できる。

【0037】
また、本実施形態の高周波プラズマCVD装置1において、電極部5は、反応室2内において、アノード電極6が鉛直方向の上方側に配置され、カソード電極7が鉛直方向の下方側に配置される。筒型電極10は、カソード電極7の対向面7a上に載置される。

【0038】
この構成により、鉛直方向上側に向いて設けられるカソード電極7の対向面7a上に筒型電極10を載置するだけで、筒型電極10の接着や締結を特に行わなくても、筒型電極10を対向面7a上の所望の位置に位置決めすることができるので、さらに簡易な構成によってプラズマ反応を利用したDLC膜の成膜を促進できる。

【0039】
また、本実施形態の高周波プラズマCVD装置1において、筒型電極10は、電極部5のカソード電極7の対向面7aに複数個設置される。この構成により、高周波プラズマCVD装置1の一連の動作で複数個の基材11の成膜を同時に行うことができるので、DLC膜の成膜作業の作業効率性を向上できる。また、筒型電極10の個数の増減が容易なので、生産性や汎用性も向上できる。

【0040】
また、本実施形態の高周波プラズマCVD装置1では、筒型電極10がカソード電極7に設置されている状態において、筒型電極10の高さ寸法hを、アノード電極6とカソード電極7との間の電極間距離に対して12.5%~50%とすることにより、形成されるDLC膜の密着性をさらに向上できる。同様に、筒型電極10がカソード電極7に設置されている状態において、筒型電極10の断面積Aを、カソード電極7の対向面7aの面積に対して1%とすることにより、形成されるDLC膜の密着性をさらに向上できる。

【0041】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

【0042】
上記実施形態では、電極部5のアノード電極6が鉛直方向の上方側、カソード電極7が鉛直方向の下方側に配置される構成を例示したが、アノード電極6とカソード電極7の配置を入れ替えてもよい。カソード電極7が鉛直方向の上方側に配置される場合には、筒型電極10は、鉛直方向下側を向くカソード電極7の対向面7aに固定されて吊り下げられる。

【0043】
上記実施形態では、筒型電極10の断面形状が円形のものを例示したが、これ以外の形状でもよい。図4は、筒型電極の変形例の一例を示す平面図である。図4に示すように、本実施形態の高周波プラズマCVD装置1では、円形状の筒型電極10の代わりに、例えば、四角形状の筒型電極20や、楕円形状の筒型電極30、または、六角形状の筒型電極40のように多角形状のものを適用することができる。また、基材11の形状は矩形状以外のものでもよいし、立体形状でもよい。

【0044】
また、上記実施形態では、高周波プラズマCVD法を適用する高周波プラズマCVD装置1を例示したが、高周波プラズマCVD法以外のプラズマCVD法を適用する装置でもよい。例えば、高周波以外のマイクロ波や直流(DC)を供給することでプラズマ状態を発生させるプラズマCVD法を用いる装置でもよい。

【0045】
また、上記実施形態では、プラズマCVD法を適用する装置を例示したが、プラズマCVD法以外のプラズマ反応を利用したプラズマ反応装置でもよい。このようなプラズマ反応装置としては、例えば、スパッタリング法を用いた成膜装置や、反応性イオンエッチングを行う装置が挙げられる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0047】
まず、本発明がプラズマ反応を利用した基材の加工を促進できる点、具体的には基材の表面上へのDLC膜の成膜を促進できる点について、実施例1、実施例1-2、比較例1を挙げて説明する。
【実施例】
【0048】
(実施例1)
平行平板型電極を有する高周波プラズマCVD装置(PED-401、Canon Anelva Corp.)内のカソード電極上にステンレス(SUS)製の円筒形状の筒型電極を設置し、この筒型電極中に基材としてのシリコン(Si)基板を配置して、以下の条件でDLC膜を成膜し、成膜時間に対する膜厚を計測した。
・筒型電極の断面直径:30mm
・筒型電極高さ:10mm
・Si基板寸法:20mm×20mm×1.0mm
・カソード電極直径:300mm
・電極間距離:40mm
・高周波電力:200W
・ガス圧力:10Pa
・原料ガス:CH(メタンガス)
・成膜時間:15分
【実施例】
【0049】
(実施例1-2)
実施例1と同一の高周波プラズマCVD装置において、カソード電極上にステンレス(SUS)製の円筒形状の筒型電極を設置し、この筒型電極中に基材としてのSUS基板を配置して、以下の条件でDLC膜を成膜した。そして、成膜処理後の試料表面の基礎物性を、X線光電子分光法(XPS)による表面化学組成評価、ラマン分光法による膜の構造評価にて行った。
・筒型電極の断面直径:30mm
・筒型電極高さ:10mm
・SUS基板寸法:20mm×20mm×2.0mm
・カソード電極直径:300mm
・電極間距離:40mm
・高周波電力:200W
・ガス圧力:10Pa
・原料ガス:CH(メタンガス)
・成膜時間:15分
・前処理条件(高周波電力:200W、ガス圧力:10Pa、原料ガス:Oガス、処理時間:10分)
【実施例】
【0050】
(比較例1)
実施例1及び実施例1-2と同一の高周波プラズマCVD装置において、筒型電極を設置せず、カソード電極上に基材としてのSi基板(20mm×20mm×1.0mm)を配置して、実施例1と同一条件でDLC膜を成膜し、成膜時間に対する膜厚を計測した。
【実施例】
【0051】
上記の実施例1、比較例1について、形成されたDLC膜の成膜レートを図5に示す。図5では、横軸は成膜時間(分)を表し、縦軸は形成されたDLC膜の膜厚(nm)を表す。また、図5では、実施例1、比較例1の成膜時間ごとの膜厚が、それぞれ菱形及び丸形でプロットされ、それぞれの推移が結線されている。図5に示すように、比較例1に対して実施例1の成膜レートが速く、基材の表面上へのDLC膜の成膜を促進できることが確認できた。
【実施例】
【0052】
図6は、実施例1-2にて成膜処理が施された前後のSUS基板表面の化学的組成評価を示す図である。図6では、横軸は結合エネルギー(eV)を表し、縦軸は強度(a.u.)を表す。図6では、成膜処理後の特性がグラフA1,A2,A3で示され、成膜処理前の特性がグラフB1,B2,B3で示されている。図6に示すように、成膜処理が施された前後のSUS基板表面の化学的組成に変化がみられ、特にグラフA1,B1間でピーク位置がシフトしているのを確認できた。そして、成膜処理後のSUS基板表面の化学的組成を示すグラフA1,A2,A3から、実施例1にて成膜処理が施された後のSUS基板表面にDLC膜が形成されていることを確認できた。
【実施例】
【0053】
図7は、実施例1-2にて形成された薄膜の構造評価を示す図である。図7では、横軸はラマンシフト(cm-1)を表し、縦軸はラマン強度を表す。図7に示すように、ラマン分光法による膜の構造評価では、作成された試料において1540cm-1付近にG-バンドのピークを確認でき、また、1340cm-1付近にD-バンドのピークを確認できることから、実施例1にて成膜処理が施された後のSUS基板表面には典型的なDLC膜が形成されていることを確認できた。
【実施例】
【0054】
また、実施例1による成膜処理中にカソード電極の対向面上に発生するプラズマの発光強度を観測したところ、筒型電極の上端部、すなわち基材の近傍領域におけるプラズマの発光強度は8.7μWであった。一方、比較例1でも同様の観測を行ったところ、筒型電極を設置しない場合にカソード電極の対向面上に発生するプラズマの発光強度は7.4μWであった。したがって、筒型電極を設置した場合(実施例1)では、筒型電極を設置しない場合(比較例1)と比較して、基材の近傍領域におけるプラズマの発光強度が約1.2倍程度に増大していることを確認できた。
【実施例】
【0055】
したがって、図5~7に示すように、本発明によれば、プラズマ反応を利用した基材の表面上へのDLC膜の成膜を促進できることが確認された。
【実施例】
【0056】
次に、本発明により形成されるDLC膜の密着性を向上できる点について、実施例2~4、比較例2を挙げて説明する。
【実施例】
【0057】
(実施例2)
実施例1及び実施例1-2と同一の高周波プラズマCVD装置において、実施例1-2と同一条件でDLC膜を成膜し、スクラッチ試験によりDLC膜の臨界荷重値を3回測定した。その平均値によりSUS基板とDLC膜との間の密着性を評価した。また、試料表面の基礎物性を、ラマン分光法による膜の構造評価にて行った。
【実施例】
【0058】
(実施例3)
筒型電極の高さを20mmとした点以外は実施例2と同様の条件でDLC膜を成膜し、スクラッチ試験による密着性の評価とラマン分光法による膜の構造評価を行った。
【実施例】
【0059】
(実施例4)
筒型電極の高さを5mmとした点以外は実施例2と同様の条件でDLC膜を成膜し、スクラッチ試験による密着性の評価とラマン分光法による膜の構造評価を行った。
【実施例】
【0060】
(比較例2)
筒型電極を設置せず、カソード電極上に基材としてのSUS基板を配置した点以外は実施例2と同様の条件でDLC膜を成膜し、スクラッチ試験による密着性の評価とラマン分光法による膜の構造評価を行った。
【実施例】
【0061】
図8は、実施例2~4、比較例2におけるDLC膜の密着性評価の結果を示す図である。図8では、横軸は筒型電極の高さ寸法(mm)を表し、一番左側は筒型電極が設置されていない比較例2を示している。図8の縦軸は計測した臨界荷重の平均値(N)を表す。図8では、実施例2~4、比較例2のそれぞれの臨界荷重値が棒グラフで表示されている。図8に示すように、筒型電極を用いて成膜を行った実施例2~4の試料では、筒型電極を設置しない比較例2と比較して、臨界荷重値が増加しており、密着性が向上していることを確認できた。特に、筒型電極の高さ寸法が10mmの実施例2では、平均臨界荷重値が8.5Nまで増加し、筒型電極を使用していない比較例2と比べて2倍近い値が得られた。
【実施例】
【0062】
図9は、実施例2~4、比較例2におけるラマン分光法による膜の構造評価を示す図である。図9の横軸及び縦軸は図7と同一である。図9には、実施例2~4、比較例2のそれぞれのラマン分光法による構造評価の結果が個別に示されている。図9に示すように、筒型電極の高さ寸法が増えるにつれて、Gバンドのピークが約1564cm-1から約1523cm-1へと低波数側にシフトしていることが確認された。この結果より、膜中のsp/sp比率が増加していることから、DLC膜中のダイヤモンド構造の割合が増加していることが確認された。このような膜構造の変化が、密着性の向上をもたらしたと考えられる。
【実施例】
【0063】
したがって、図8,9に示すように、本発明によれば、基材に形成されるDLC膜の密着性を向上できることが確認された。
【実施例】
【0064】
次に、本発明により、基材が金属材料の場合だけではなく絶縁性材料の場合でもその表面に形成されるDLC膜の密着性を向上できる点について、実施例5,6、比較例3,4を挙げて説明する。
【実施例】
【0065】
(実施例5)
実施例1及び実施例1-2と同一の高周波プラズマCVD装置において、実施例1-2と同一条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によりSUS基板とDLC膜との間の密着性を評価した。
【実施例】
【0066】
(実施例6)
基材をガラス基板(20mm×20mm×1.0mm)とした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0067】
(比較例3)
比較例2と同一の高周波プラズマCVD装置において、比較例2と同一条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0068】
(比較例4)
基材をガラス基板(20mm×20mm×1.0mm)とした点以外は比較例3と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0069】
実施例5,6、比較例3,4におけるDLC膜の密着性評価の結果を下記の表1に示す。表1では、密着性評価の結果を、より良好なものから順に、二重丸印(◎)、丸印(○)、三角印(△)、バツ印(×)の4段階で表わしている。ここで、二重丸印は、表面全体で剥離が見られず良好な密着性が確認されたもの、丸印は、部分的に良好な密着性が確認されたもの、三角印は、表面全体で剥離が確認されたもの、バツ印は、成膜が不可能だったもの、を密着性評価の各段階の評価基準とした。
【表1】
JP0006411869B2_000002t.gif
【実施例】
【0070】
表1に示すように、実施例5,6の評価結果は、基準の比較例3のものより良好であり、基材の材料が金属材料の場合だけではなくガラスなどの絶縁性材料の場合でも、本発明の手法によって基材の表面に成膜されるDLC膜の密着性を向上できることが確認できた。
【実施例】
【0071】
次に、筒型電極の高さ寸法h(図2参照)の調整によってDLC膜の密着性をさらに向上できる点について、上記の実施例5に加えて実施例7~9及び比較例5を挙げて説明する。
【実施例】
【0072】
(実施例7)
筒型電極の高さを5mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0073】
(実施例8)
筒型電極の高さを20mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0074】
(実施例9)
筒型電極の高さを30mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0075】
(比較例5)
筒型電極の高さを35mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0076】
実施例5,7~9、及び比較例5におけるDLC膜の密着性評価の結果を下記の表2に示す。表2では評価結果を表1と同様の印により4段階で示している。また、表2では、各実施例の筒型電極の高さ寸法を、高周波プラズマCVD装置のアノード電極とカソード電極との電極間距離(40mm)に対する割合でも示している。
【表2】
JP0006411869B2_000003t.gif
【実施例】
【0077】
表2に示すように、筒型電極の高さ寸法は、アノード電極とカソード電極との間の電極間距離に対して12.5%~50%(電極間距離が40mmの場合h=5~20mm)であることが好ましく、25%~50%(h=10~20mm)であることがさらに好ましいことが確認できた。さらに、図8に示したDLC膜の密着性評価の結果も併せて考慮すれば、筒型電極の高さ寸法は、アノード電極とカソード電極との間の電極間距離に対して25%(h=10mm)であることがより一層好ましいことが確認できた。
【実施例】
【0078】
したがって、表2及び図8に示すように、本発明では筒型電極の高さ寸法を調整することによってDLC膜の密着性をさらに向上できることが確認された。
【実施例】
【0079】
次に、筒型電極の断面積A(図3参照)の調整によってDLC膜の密着性をさらに向上できる点について、上記の実施例5に加えて実施例10~12を挙げて説明する。
【実施例】
【0080】
(実施例10)
筒型電極の断面の直径を15mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0081】
(実施例11)
筒型電極の断面の直径を50mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0082】
(実施例12)
筒型電極の断面の直径を75mmとした点以外は実施例5と同様の条件でDLC膜を成膜し、テープ試験によるDLC膜の密着性の評価を行った。
【実施例】
【0083】
実施例5,10~12におけるDLC膜の密着性評価の結果を下記の表3に示す。表3では評価結果を表1と同様の印により4段階で示している。また、表3では、各実施例の筒型電極の断面積を、高周波プラズマCVD装置のカソード電極との対向面の面積(直径300mmの円形)に対する割合でも示している。
【表3】
JP0006411869B2_000004t.gif
【実施例】
【0084】
表3に示すように、筒型電極の断面積は、カソード電極の対向面の面積に対して1%(対向面の直径が300mmの場合、筒型電極の開口の直径が30mm)の面積であることが好ましいことが確認できた。したがって、表3に示すように、本発明では筒型電極の断面積を調整することよってDLC膜の密着性をさらに向上できることが確認された。
【符号の説明】
【0085】
1 高周波プラズマCVD装置(プラズマ反応装置)
2 反応室
5 電極部
6 アノード電極
7 カソード電極
9 高周波電源(電源)
10 筒型電極
11 基材
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8