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明細書 :映像表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6256901号 (P6256901)
公開番号 特開2014-153705 (P2014-153705A)
登録日 平成29年12月15日(2017.12.15)
発行日 平成30年1月10日(2018.1.10)
公開日 平成26年8月25日(2014.8.25)
発明の名称または考案の名称 映像表示装置
国際特許分類 G02B  27/22        (2006.01)
H04N  13/30        (2018.01)
FI G02B 27/22
H04N 13/04
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2013-026398 (P2013-026398)
出願日 平成25年2月14日(2013.2.14)
審査請求日 平成28年2月10日(2016.2.10)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504171134
【氏名又は名称】国立大学法人 筑波大学
発明者または考案者 【氏名】掛谷 英紀
【氏名】石塚 脩太
【氏名】向井 拓也
個別代理人の代理人 【識別番号】100082669、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 賢三
【識別番号】100095337、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 伸一
【識別番号】100095061、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 恭介
審査官 【審査官】山本 貴一
参考文献・文献 特開2012-022155(JP,A)
特開2003-140083(JP,A)
特開2005-077437(JP,A)
国際公開第2012/125323(WO,A1)
特開2010-169976(JP,A)
特開平08-334730(JP,A)
特開2012-185275(JP,A)
米国特許出願公開第2012/0154463(US,A1)
澤田 進平 Shimpei SAWADA,映像情報メディア学会 2011年冬季大会講演予稿集 [CD-ROM] 映像情報メディア学会 2011年冬季大会講演予稿集 PROCEEDINGS OF THE 2011 ITE WINTER ANNUAL CONVENTION PROCEEDINGS OF THE 2011 ITE WINTER ANNUAL CONVENTION
石塚 脩太 Shuta ISHIZUKA,映像情報メディア学会 2012年冬季大会講演予稿集 [CD-ROM] 映像情報メディア学会 2012年冬季大会講演予稿集 PROCEEDINGS OF THE 2012 ITE WINTER ANNUAL CONVENTION PROCEEDINGS OF THE 2012 ITE WINTER ANNUAL CONVENTION
調査した分野 G02B 27/22
H04N 13/04
G02F 1/13
特許請求の範囲 【請求項1】
観察者に立体映像を提示する映像表示装置であって、
立体映像を融像するための右目用映像と左目用映像を交互に観察者に提示するための光源となり、それぞれに発光強度を調整可能な複数の輝点からなる発光器と、
上記発光器と上記観察者との間に配置され、2次元平面あるいは2次元曲面状に規則的に配列され、それぞれの横並びは所定の周期をもつが、任意の横並びは、その上または下の横並びとは、異なる位相を持つ配列である複数の要素光学系からなる集光光学系と、
上記集光光学系と上記観察者との間に配置され、上記発光器からの光を変調する光変調素子群と、
上記集光光学系と上記観察者との間に配置され光を拡散させる拡散器と、
を備え、
上記集光光学系は、光軸と中心軸がずれた偏心光学系を具備する要素光学系を含み、該要素光学系の光軸と中心軸とのずれが最大のものが、上記集光光学系の周辺部分に配置された集光光学系であり、
上記集光光学系は、凸レンズアレイと焦点補正凸レンズとを含み、
上記要素光学系は、該凸レンズアレイの要素レンズと上記焦点補正凸レンズで構成され、
上記焦点補正凸レンズは、上記観察者に向かって凸である凸レンズであって複数の上記要素光学系に共通に用いられるものであり、
上記拡散器は、上記横方向に比べて上記縦方向により拡散させる拡散器であり、
上記光変調素子群の制御によって上記立体映像の制御が行なわれる、
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
上記焦点補正凸レンズは、メニスカスレンズであることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
上記発光器は、発光素子が面状に配列されたものであって、
該発光器の表面には、上記要素光学系の各々の中心線の延長と該発光器との交点を含む各々の領域に凸レンズが各々設けられ、
該凸レンズは、上記発光素子からの光を、上記観察者に導くものである、
ことを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれかに記載の映像表示装置。
【請求項4】
上記集光光学系と上記拡散器間に相対的回転角を有するもので、その回転角については、上記集光光学系の縦の配列方向と上記拡散器の拡散方向との成す角が、
-45度から45度の範囲であって、
上記集光光学系の配列によって生じる要素光学系の境界線パターンにおける線状の重なりが無い角度範囲である、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の映像表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の要素レンズからなるレンズアレイを用いた複数観察者対応の2眼式イメージングにおいて、要素レンズ間の継ぎ目が目立つことを抑制した映像表示装置に関している。
【背景技術】
【0002】
主な立体映像表示装置としては、両眼視差を用いる2眼式のものや、多数の視点から鑑賞できる多眼式(あるいは超多眼式)やインテグラルフォトグラフィ(Integral Photography、以下IPとする)方式のものがあることはよく知られているが、本発明は、複数観察者対応の2眼式の立体映像表示装置に関するものである。
【0003】
2眼式は、右眼と左眼に一対の立体映像を与えるものである。表示された画像を右眼用と左眼用とに分離する眼鏡を用いる2眼式は、映画やテレビなどに普及しつつある。この方式における欠点は、特に目の輻輳や調節の矛盾がある点であり、観察者に対して疲労感を与えるという問題があることもよく知られている。
【0004】
また、多眼式(あるいは超多眼式)は、上記2眼式では立体視できるところ(以降、視点)が限定されているという欠点を緩和するために、多数の視点からの画像を用意して、それらをそれぞれの視点にある観察者に提示するものである。
【0005】
特許文献1(特開平7-38926)には、観察者が、移動に伴って異なる視差像を観察できるレンチキュラーレンズを用いた3次元ディスプレイ装置が開示されている。この3次元ディスプレイ装置は、複数の異なる視差像が同時に表示される表示パネル、シリンドリカルレンズのアレイで構成されるレンチキュラーレンズを有する3次元ディスプレイ装置であって、観察者の頭部の空間的位置を検出する頭部検出装置と、多眼表示を行なうための立体信号を出力する複数の立体信号源と、該頭部検出装置で検出された観察者の頭部位置に基づいて該複数の立体信号源から出力される立体信号を選択する立体信号選択装置とを備えるものである。また、この立体信号選択装置によって選択された2つの信号を、それぞれ偶数フィールドと奇数フィールドに振り分け、液晶パネル上で左目用視差像と右目用視差像を1ライン毎に交互に表示させる立体信号合成装置を備えるものである。
【0006】
また、特許文献2(特開平8-160356号公報)には、バックライト光源の発光部分を制御する立体映像表示装置が開示されている。この立体映像表示装置は、立体映像出力すべく結像手段またはアレイ状に構成された結像手段が配設され、その後方に観察者の顔面像が実質的に結像する位置またはその近傍に、観察者の左右の目にそれぞれ左目用、右目用ステレオ像を時分割に分配すべく画像出力可能なバックライト光源を配設せしめ、該観察者と該結像手段またはアレイ状に構成された該結像手段との間に該観察者の観察すべきステレオ像を時分割で表示可能な透明で電気光学的な空間変調素子群を配設し、さらに該観察者の映像または赤外映像を該結像手段またはアレイ状に構成された該結像手段を通して撮像し、得られた該観察者像の変調像を該バックライト光源に表示するものである。この開示におけるバックライト光源としては、観察者の左右の眼に各々正しいステレオ像を空間分割に分配すべく画像出力可能ものとして白黒液晶テレビを用いている。また、その空間変調素子群としては、観察者の左右の眼にそれぞれ正しいステレオ像を時分割に分配すべく画像出力可能な、カラー液晶テレビを用いている。
【0007】
従来の映像表示装置で、特に2次元アレイ状に要素レンズ配列したレンズアレイを用いる映像表示装置では、要素レンズの継ぎ目が目立っていた。このため、この継ぎ目の目立たない映像表示装置が望まれていた。このため、本発明の発明者は、先の特許出願(特願2012-25010号明細書)において、2次元アレイ状に要素レンズ配列したレンズアレイを用いる映像表示装置で、要素レンズの継ぎ目が目立たないものを出願している。
【0008】
これは、図1に示す様に、1)それぞれに発光強度を調整可能な複数の輝点からなる発光器と、2)発光器と観察者との間に設置され、2次元平面あるいは2次元曲面状に縦横に規則的に配列され、その横の配列方向は観察者の右目と左目を結ぶ方向に略平行である集光素子群と、3)集光素子群と観察者との間に設置され、発光器からの光を変調する光変調素子群と、4)集光素子群と観察者との間に光を拡散させる拡散器と、を備え、特に、図2に示す様に、集光素子群の要素素子の配列は、それぞれの横並びは所定の周期をもつが、任意の横並びは、その上または下の横並びとは、異なる位相を持つ配列であり、上記拡散器は、横方向に比べて縦方向により拡散させる拡散器であり、光変調素子群を制御して映像の表示を行うものである。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開平7-38926号公報
【特許文献2】特開平8-160356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許出願の例では、図3に示す様に、観察者5が画面の中心から横にずれた位置から観察すると、右目用のバックライトと左目用のパックライトが重なるため、クロストーク(右目用画像と左目用画像が混ざる現象)が発生するという問題があった。図3は、映像表示装置とその観察者とを上から観察した場合を示す。観察者5が観察者5から見て右にずれた場合に、左側に見える画像、例えばAで示す部分は、左右どちらの目からも見る事ができ、クロストークが発生する。また、画面が大きくなる場合、中央視点からでも画面の隅にクロストークが発生するという問題もあった。
本発明は、この問題を解決することを目的とするものであり、本発明によって、クロストークが発生しない観察位置や画面サイズを広げ、視域角と面面を大きくすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の映像表示装置は、 観察者に立体映像を提示する映像表示装置であって、
立体映像を融像するための右目用映像と左目用映像を交互に観察者に提示するための光源となり、それぞれに発光強度を調整可能な複数の輝点からなる発光器と、
上記発光器と上記観察者との間に配置され、2次元平面あるいは2次元曲面状に規則的に配列され、それぞれの横並びは所定の周期をもつが、任意の横並びは、その上または下の横並びとは、異なる位相を持つ配列である複数の要素光学系からなる集光光学系と、
上記集光光学系と上記観察者との間に配置され、上記発光器からの光を変調する光変調素子群と、
上記集光光学系と上記観察者との間に配置され光を拡散させる拡散器と、
を備え、
上記集光光学系は、光軸と中心軸がずれた偏心光学系を具備する要素光学系を含み、該要素光学系の光軸と中心軸とのずれが最大のものが、上記集光光学系の周辺部分に配置された集光光学系であり、
上記集光光学系は、凸レンズアレイと焦点補正凸レンズとを含み、
上記要素光学系は、該凸レンズアレイの要素レンズと上記焦点補正凸レンズで構成され、
上記焦点補正凸レンズは、上記観察者に向かって凸である凸レンズであって複数の上記要素光学系に共通に用いられるものであり、
上記拡散器は、上記横方向に比べて上記縦方向により拡散させる拡散器であり、
上記光変調素子群の制御によって上記立体映像の制御が行なわれるものである。
【0014】
上記焦点補正凸レンズは、例えばメニスカスレンズである。
【0015】
上記発光器は、発光素子が面状に配列されたものであって、
該発光器の表面には、上記要素光学系の各々の中心線の延長と該発光器との交点を含む各々の領域に凸レンズが各々設けられ、
該凸レンズは、上記発光素子からの光を、上記観察者に導くものである。
【0016】
上記集光光学系と上記拡散器間に相対的回転角を有するもので、その回転角については、上記集光光学系の縦の配列方向と上記拡散器の拡散方向との成す角が、
-45度から45度の範囲であって、
上記集光光学系の配列によって生じる要素光学系の境界線パターンにおける線状の重なりが無い角度範囲である。
この回転角の存在によって、上記映像表示装置の表示むらが抑制される。
【発明の効果】
【0017】
この発明により、右目用画像と左目用画像間のクロストークが発生しない観察位置領域を拡大することができ、また、視城角と面面サイズを大きくすることができる。さらに、提示映像の画質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来例を示す図である。
【図2】従来例の集光素子群の集光素子の例を示す図である。
【図3】従来例の場合に生じる右目用画像と左目用画像間のクロストークを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施形態において右目用画像と左目用画像間のクロストークが抑制されることを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、概略では、2次元アレイ状に要素レンズ配列したレンズアレイを用いるがクロストークを抑制する工夫をした要素光学系を構成した映像表示装置であって、そのレンズアレイと空間変調を行う液晶パネルとの間に、主に縦方向のみに光を拡散させる指向性拡散器を設けたものである。そのレンズアレイは、例えば6角レンズがデルタ配列された凸レンズアレイであり、その配列における横並びの空間周波数は所定の値であるが、その上または下の横並びとは位相を異にするものである。本発明は、この右目用画像と左目用画像間のクロストークを抑制したレンズアレイの配列と上記指向性拡散器の採用によって、従来技術における問題を改善するものである。

【0020】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
【実施例1】
【0021】
本発明の映像表示装置の第一の例を図4に示す。これは観察者5の側面から見た図である。発光器であるバックライト1は、それぞれに発光強度を調整可能な複数の輝点からなる。ここで言う輝点とは、光を出力することのできる点状の領域を意味する。
【実施例1】
【0022】
また、集光素子群であるレンズアレイ2は、上記バックライト1と観察者5との間に設置される。これは、例えば図2に示すように、要素レンズ6の複数を、2次元平面あるいは2次元曲面状に縦横に規則的に配列し、さらに、大口径凸レンズ7をレンズアレイ面の前に入れたものである。この大口径凸レンズ7は、たとえば平凸レンズあるいはメニスカスレンズ(凹凸レンズ)で観察者に凸となる配置のものである。これによって、像面湾曲歪を抑制する。上記の右目用画像と左目用画像間のクロストークは、幾何光学的解析によって、この像面湾曲歪によって生じることが理解できる。つまり、上記大口径凸レンズ7によって上記クロストークが抑制され、見易さが改善される。個々の要素光学系は、個々の要素レンズ6と共通の大口径凸レンズ7の一部で構成され、個々の要素光学系は偏心光学系でもある。その偏心の度合いは、集光素子群の外側ほど大きく、最大のものは外周部にある。但し、集光素子群の中心部からずれた位置で最小になるようにすることも可能であって、この場合は、上記偏心の度合いは、上記集光素子群の外周部の一部のみで最大となる。
【実施例1】
【0023】
また、光変調素子群である液晶パネル4が上記集光素子群と上記観察者との間に設置され、上記発光器からの光を変調する。また、上記液晶パネル4と観察者5との間、あるいは、上記レンズアレイ2と上記液晶パネル4との間の上記液晶パネル4の近くに、光を拡散させる拡散器である拡散器3を備える。
例えば、上記集光素子群であるレンズアレイ2の配列は、それぞれの横並びは所定の空間的な周期をもつが、任意の横並びは、その上または下の横並びとは、空間的に異なる位相を持つ配列である。また、上記拡散器である拡散器3は、上記横方向に比べて上記縦方向により広く拡散させる。また、制御器10は、上記バックライト1における発光位置や上記液晶パネル4を制御して映像表示の制御を行う。
【実施例1】
【0024】
また、図4に示す構成例で、バックライト1からレンズアレイ2までの光路を、両面ミラーで列を仕切るようにしてもよい。これによって、上下に漏れる光を遮断しつつ、観測者から見て縦方向に光源を引伸ばすことができる。
【実施例1】
【0025】
図5に図4の配置を観察者の上から見た図を示す。図5に示す例においては、レンズアレイ2に凸レンズアレイを用い、左右それぞれの目とレンズアレイ2の各要素レンズの中心を結ぶ直線がバックライト1と交わる位置でバックライトを発光させる。これにより、それぞれの目の方向にのみ光が届く指向性バックライトが実現される。この方法では、観察者の奥行き方向の立ち位置変化には、発光する部分の間隔を変化させることで対応できることになり、物理的な光学距離の制御は不要になる。また、レンズアレイ2とバックライト1間の距離は、観察者は比較的遠方に位置するので、レンズアレイ2の要素光学系(要素レンズ6と大口径凸レンズ7の一部で構成)の焦点距離とほぼ等しくすることになる。この際、大口径凸レンズ7の働きにより、レンズアレイ2の特性である像面湾曲歪が改善され、図3に示す湾曲ひずみが抑制される。つまり、バックライト1上のB点では、右目と左目にはそれぞれ別の輝点からの光が届く。また、レンズ6として焦点距離の短いものを用いれば装置の薄型化が可能である。
【実施例1】
【0026】
レンズアレイ2としては、例えば図2に示すように、6角レンズがデルタ配列された凸レンズアレイ(フライアイレンズ)を用いる。ここで、レンズアレイとしてその要素レンズにレンチキュラーレンズを用いることも原理的に可能である。
【実施例1】
【0027】
上記の場合、要素レンズの継ぎ目が目立つため、デルタ配列されたレンズアレイを用いるが、液晶パネルの裏側に、主に縦(鉛直)方向にのみ光を拡散する指向性拡散器を挿入する。横方向の拡散は、縦方向に比べて僅かであれば許容される。これにより、レンズの継ぎ目部分からきた光と中心部分からきた光がブレンドされ、観察者5は輝度が均質な画像を観察することが可能になる。この拡散器は、例えば微少レンズの複数を平面あるいは曲面状に配列させたものである。ただし、この微少レンズは、焦点距離が球面レンズの様に光軸の周りに等方的なものではなく、円筒形レンズのように異方性をもつものである。横方向の焦点距離が無限大である微小なレンチキュラーレンズの集合であってもよい。また、主な拡散を縦方向のみに限定することはバックライトの左右方向への振り分けには影響が及ばないため、これによっても立体視を維持することができる。
【実施例1】
【0028】
なお、上記指向性拡散器が充分薄い場合には、液晶パネルの表側に張り付ける配置も可能で、その場合はアンチグレアの効果を持たせることができる。ただし、通常のアンチグレアフィルムは水平方向の光拡散があるので、本発明に適用することはできない。
【実施例1】
【0029】
観察者の観察位置がディスプレイに近いことが想定される環境下では、レンズアレイと拡散器との間にディスプレイと観察者間の距離に近い焦点距離を持つ大口径凸レンズを挿入すると、観察者の右目、左目への画像の振り分けを行い易い。
【実施例1】
【0030】
複数の観察者がいる場合は、各観察者の目と要素レンズの中心を結ぶ直線がバックライトと交わる場所すべてにおいて、右目および左目に対応したバックライト位置を広義に発光させることで、複数の観察者が同時に裸眼立体視をすることが可能となる。
【実施例1】
【0031】
なお、この方式においては、バックライトとして発光させる部分が大幅に狭くなるため、自発光型のドットマトリクスバックライトを用いれば、大幅な省電力化が期待できる。省電力効果は、観察者数が少なく発光領域が狭くて済む時ほど大きくなる。
【実施例1】
【0032】
図4または図5に示す右目用の表示と左目用に表示は、図1(a)と(b)の場合と同様に、時分割で交互に行うことができる。この際、上記発光器は輝点の発光領域を左目右目毎にそれぞれ変え、また、光変調素子群は上記発光器からの光を左目右目毎にそれぞれ変調する。
【実施例2】
【0033】
上記の例では、個々の要素光学系は、個々の要素レンズ6と共通の大口径凸レンズ7の一部で構成されるが、これと同様な個々の要素光学系を、図6に示す様に、偏心レンズを個々の要素レンズに用いて構成することもできる。
【実施例3】
【0034】
図7に示す様に、上記バックライト1の表面には、上記要素光学系の各々の中心線の延長と該発光器との交点を含む各々の領域に凸レンズ9を設けて、像面湾曲歪によるクロストークをさらに抑制することができる。これは、凸レンズ9によって、さらに光跡を修正し、上記発光素子からの光を、上記観察者の左右それぞれの眼に導くものである。
【実施例4】
【0035】
また、図8(a)および(b)の鎖線で示す様に、上記集光光学系と上記拡散器間に相対的回転角を設けてもよい。図8では拡散方向を縦とし、固定している。その回転角については、繰り返しパターンの幾何学的制約から、上記集光光学系の縦の配列方向と上記拡散器の拡散方向との成す角が、-45度から45度の範囲とする。ただし、上記集光光学系の配列の境界線パターンにおける線状の重なりが無い角度範囲である。点状の重なりは避けられない場合が多い。この回転角の存在によって、上記映像表示装置の表示むらが抑制される。
また、上記のいずれの実施例においても、バックライトと画像表示の時分割を切れば、このモニターで通常の2次元映像を観察することもできる。そのときには、右目と左目方向にのみ指向性バックライトを発光させる制御を行えば、省電力2次元テレビとして機能する。この方式においては、観察者の両目の3次元位置を常に把握し続けることが望ましい。このための位置センサとしては、既によく知られた磁気式3次元センサなど、観察者にセンサの装着を強いる方法が最も信頼性が高い。しかし、テレビ放送受信などのコンシューマエレクロトニクス用途を考える場合は、センサの装着が不要になる方法が望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上記のフライアイレンズの変わりにピンホール群を用いた場合でも、上記の実施例1と同様に画素数の拡大や縮小を容易に行うことができることは明らかである。また、レンチキュラーレンズ方式と同様に、パララックスバリア方式でも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 バックライト
2 レンズアレイ
3 拡散器
4 液晶パネル
5 観察者
6 要素レンズ
7 大口径凸レンズ
8 偏心凸レンズアレイ
9 凸レンズ
10 制御器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7