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明細書 :処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6374316号 (P6374316)
公開番号 特開2016-120443 (P2016-120443A)
登録日 平成30年7月27日(2018.7.27)
発行日 平成30年8月15日(2018.8.15)
公開日 平成28年7月7日(2016.7.7)
発明の名称または考案の名称 処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置
国際特許分類 B01D  53/18        (2006.01)
B01D  53/62        (2006.01)
C01B  32/50        (2017.01)
FI B01D 53/18 150
B01D 53/62
B01D 53/18 160
C01B 32/50
請求項の数または発明の数 1
全頁数 8
出願番号 特願2014-260760 (P2014-260760)
出願日 平成26年12月24日(2014.12.24)
審査請求日 平成29年10月23日(2017.10.23)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】今井 剛
個別代理人の代理人 【識別番号】100093687、【弁理士】、【氏名又は名称】富崎 元成
【識別番号】100106770、【弁理士】、【氏名又は名称】円城寺 貞夫
【識別番号】100139789、【弁理士】、【氏名又は名称】町田 光信
審査官 【審査官】中村 泰三
参考文献・文献 国際公開第2004/071635(WO,A1)
特開平06-200735(JP,A)
特開2001-179241(JP,A)
特開2011-101827(JP,A)
特開2011-240322(JP,A)
米国特許第04239515(US,A)
調査した分野 B01D 53/18-62
B01F 1/00
C01B 32/50
特許請求の範囲 【請求項1】
密閉型容器の形状の本体部とその内部に配置されたカップ状体を備える高濃度気体溶解装置と、液体を加圧状態で給送するとともに二酸化炭素を含む処理対象ガスをあらかじめ合流させ混合させた上で前記高濃度気体溶解装置内に導入し前記カップ状体の底部に向けてノズルを介してシャワー状に噴射させ液泡を生成せしめるようにした気液混合物給送部と、前記高濃度気体溶解装置から処理後のガスと二酸化炭素を溶解させた液体とを別個に排出する回収部と、からなり、前記カップ状体の上縁側において、前記ノズルからシャワー状に噴射された気液混合物が通過する中心の導管と、その周囲において前記カップ状体の上縁側内周面に達する位置まで密接して配置された複数の細管とを一体的に取り付けてなる液膜形成部を備えていることを特徴とする処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象ガス中の二酸化炭素分離・除去・貯蔵装置に関し、より詳細には、水等の液体への気体溶解による処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年に至り人口増加、産業の発展とともに、大気中における二酸化炭素の濃度が上昇し、それによる地球温暖化、異常気象等の事態が生じ、このような被害をなくすために、二酸化炭素の排出をいかに抑制するかという対策が急務として世界的規模で求められ、検討されている。エネルギー利用に関して、二酸化炭素を発生する化石燃料から再生可能エネルギーへの転換もこのような対策の一つとして有望視されている。
【0003】
再生可能エネルギーの中でも特に有望視されているものに、バイオマスエネルギーがあり、そのうちバイオガス(バイオメタン、バイオ水素等)はすでに一部が実用化され、オイル生産微細藻類が大きな注目を集めるというように、今後さらに発展する期待が大きい。しかしながら、バイオガス生産時には二酸化炭素が生産ガス中に30~60%程度含まれるため、それを分離・回収・貯蔵する技術が必要とされる。
【0004】
また、これまでの主要エネルギーである化石燃料(石油、石炭、天然ガス等)の利用において、小さいものは工場内のボイラー設備から大きなものは火力発電設備にいたるまで、排ガスからの二酸化炭素の分離・回収・貯蔵技術は今後の地球温暖化対策における主柱となるものであり、回収した二酸化炭素を利活用して初めて循環型社会への貢献と言える。この利活用については、オイル生産微細藻類や野菜工場への応用が有望であり、そのための高効率かつ安定的な二酸化炭素の分離・回収・貯蔵技術が求められている。
【0005】
従来の二酸化炭素分離・除去技術として、化学吸収法、物理吸収法、膜分離法、酸素燃焼+深冷分離法、吸着剤による分離法などが開発されているが、これらの二酸化炭素分離・除去技術における問題点として、イニシャルコストが高いことがあげられる。特に物理吸収法や吸着剤による分離法のようにプロセスが複雑であると、イニシャルコストが高額になる。次に、ランニングコストが高額になることがあげられる。化学処理法では薬品の費用が処理量に比例したものとなり、スケールメリットが出にくく、膜分離法も定期的な膜交換が必要であり膜自体の単価が高価であることから、スケールメリットが出にくい傾向にある。
【0006】
例えば石炭火力発電所などの大型設備に導入する場合に、スケールメリットを生かしても、一番廉価な場合で13~70US$/ton-CO2程度の運転コストが必要であり、小規模の二酸化炭素分離・除去技術ではさらにコストが高まる。さらに、酸素燃焼+深冷分離法は空気から酸素を分離するプロセスで多量のエネルギーが必要であり、酸素分離膜の開発が今でも行われている。一方で、従来から用いられているスクラバー式の吸収塔の場合、イニシャルコストが比較的安価であるが、二酸化炭素の吸収効率が低いため、一定以上の吸収効率を実現するためには吸収剤としての化学薬品が必要になり、化学吸収法と同様にランニングコストが高額になるという問題点があった。
【0007】
具体的な二酸化炭素を除去するための方法、装置の特許情報として、特許文献1は排ガス中の二酸化炭素をCO2吸収塔でアミン吸収液と接触させてCO2を除去した後に処理液を加熱してアミン吸収液を回収する排ガス処理方法について開示し、特許文献2はCO2含有ガスの吸引経路中に生石灰の微粉を注入し水を噴霧して生成した水酸化カルシウムの微粉を濾布により濾過し、水酸化カルシウムを堆積させたものをパルスジェットの噴射により払い落として回収するCO2除去方法、装置について開示するものであるが、これらの方法による二酸化炭素の分離、除去のためにはアミン吸収液、生石灰等を消費することが必要とされるとともに、処理工程が煩雑、大規模になり、多大のコストを要するものになる。
【0008】
特許文献3は霧化した水を燃焼排出気体に向流させて等容量に近づくように勾配会合させ、CO2を混合した霧を露点下に冷却してもとの液状にすることによりCO2を分離抽出捕捉することを開示している。これは二酸化炭素の水溶性を利用するものであるが、水を霧化し混合気体と同相の霧状にし体積混合を近づけるように調整するための機構等は煩雑になるものである。また、特許文献4は空気導入口から取り込まれる空気が混合した水を衝突部材に衝突させ気泡を発生させた後にルーツポンプでの圧縮作用により気泡を微細化し、これを含む水を排出する二酸化炭素ガス回収装置について開示しているが、この場合の衝突部材は平板状であって気泡の発生効率は高められず、ルーツポンプにより気泡を微細化するための装置を要するというように装置構成が煩雑なものとなっている。
【0009】
特許文献5は、気体溶解器とそれを備えた水処理装置に関して開示し、これは円筒状の導入部内に気液混合液を外部からポンプを介して導入し導入部内の円周面近傍に位置するエジェクターノズルから放出して旋回流を形成し水泡を発生させて気体を溶解させるものであるが、旋回流式のものであるため強い噴流ではなく、気体溶解効率を高めるには不十分であり、また、酸素等のガスを液中に溶解するためのものであって、処理後のガスを排出するものではないので、ガス中の特定成分を分離・除去するものとはならない。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特開2011-194292号公報
【特許文献2】特開2010-194530号公報
【特許文献3】特開2010-188334号公報
【特許文献4】特開2011-240322号公報
【特許文献5】特許第4133045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、従来の二酸化炭素分離・除去技術では、イニシャルコストあるいはランニングコストが高額なものとなり、あるいはコストの面で抑制できても、二酸化炭素の吸収効率が低いというような欠点を有するものであった。本発明は、イニシャルコストとランニングコストとの双方を抑えられるとともに、二酸化炭素の吸収効率を高められるようにした処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵技術を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前述した課題を解決すべくなしたものであって、請求項1に係る発明による処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵装置は、密閉型容器の形状の本体部とその内部に配置されたカップ状体を備える高濃度気体溶解装置と、液体を加圧状態で給送するとともに二酸化炭素を含む処理対象ガスをあらかじめ合流させ混合させた上で前記高濃度気体溶解装置内に導入し前記カップ状体の底部に向けてノズルを介してシャワー状に噴射させ液泡を生成せしめるようにした気液混合物給送部と、前記高濃度気体溶解装置から処理後のガスと二酸化炭素を溶解させた液体とを別個に排出する回収部と、からなり、前記カップ状体の上縁側において、前記ノズルからシャワー状に噴射された気液混合物が通過する中心の導管と、その周囲において前記カップ状体の上縁側内周面に達する位置まで密接して配置された複数の細管とを一体的に取り付けてなる液膜形成部を備えているものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明による処理対象ガス中の二酸化炭素の分離・除去・貯蔵においては、水等の液体に二酸化炭素を含む処理対象ガスをあらかじめ混合した上で加圧状態でノズルを介して高濃度気体溶解装置内に噴射させて導入し、液胞を確実に発生させて二酸化炭素を溶解させて分離・除去した後に処理後の二酸化炭素が除去されたガスを装置上部から排出することにより、処理対象ガス中の二酸化炭素が溶解されずに装置外に排出される短絡が生じることを著しく減ずることができる。
【0016】
その際ノズルを介して気液混合物を加圧状態で高濃度気体溶解装置内に強い噴流としてシャワー状に噴射し、カップ状体の底部に衝突させることにより、噴流はカップ状体の底面から側面に沿って流れ、液胞の生成量が増大し、二酸化炭素の溶解効率が高められる。それにより、簡易な形態として二酸化炭素の水等の液体への溶解、除去の効率を高めることができる。また、カップ状体の上縁側に細管を密接して配設した液膜形成部を設けたものでは、生成した液胞をさらに細分化させ気液接触面積を増大させることができる。一方で、二酸化炭素が溶解した水等の液体は装置下部から二酸化炭素貯蔵液体として回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による高濃度気体溶解装置を用いた二酸化炭素の分離・除去に用いる装置の構成を示す図である。
【図2】本発明による高濃度気体溶解装置を用いた二酸化炭素の分離・除去を行って得られた二酸化炭素除去率の結果を示すグラフである。
【図3】比較例として処理対象ガスを液体に混合させずに直接高濃度気体溶解装置内に導入した場合について二酸化炭素除去を行ったとき時の二酸化炭素除去率の結果を示すグラフである。
【図4】(a)はカップ状体の上側縁に液膜形成部を備えるようにした高濃度気体溶解装置を示す側方から見た図であり、(b)はカップ状体の部分を上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明による二酸化炭素の分離・除去において用いる装置の概略構成を示すものである。図1において、1は液体の貯留槽であり、液体は貯留槽1から配管2-1を介して給送され、ポンプPで加圧されて配管2-2を介して給送され、さらに配管2-3から給送される二酸化炭素を含有する処理対象ガスとあらかじめ混合され気液混合液として配管2-4を介して高濃度気体溶解装置3内に供給され、配管の先端部におけるノズル2-5を介して高濃度気体溶解装置3内のカップ状体5に向けてシャワー状に噴射される。二酸化炭素が除去された処理後ガスは上部の排出用配管2-7、バルブVGを介して排出される。なお、液体は処理対象ガス中の二酸化炭素を溶解させる溶媒として用いるものであり、水または他の二酸化炭素の溶解に適合する液体としてもよい。

【0019】
高濃度気体溶解装置3は耐圧性壁部を有する密閉型容器の形状の本体部4を有し、内部にカップ状体5が上方の開口をノズル2-5に向けて配置され、ノズル2-5から噴射されるシャワー状噴流を受けるように保持固定されている。2-6は液体排出用の配管であり、VLはバルブである。PG1はポンプPから給送された液体の圧力を計測する圧力計であり、PG2は液体に処理対象ガスが混合した後の圧力を計測する圧力計、PG3は本体部4の内圧を計測する圧力計である。

【0020】
ノズル2-5は口径を任意に設定可能な(好ましくは1mm~10mm)オリフィス部を有し、加圧状態で給送された処理対象ガスを含む気液混合物をカップ状体5の底部に向けてシャワー状に噴射するものである。カップ状体5は通常のカップ形状を有し、円形の底部と略円筒形状の側面とを有し、上部が開口になっているものであるが、側面が略円筒形状のほか他の回転面形状として、例えば開口を稍小径にした全体的に壺状のものとしてもよい。

【0021】
二酸化炭素除去の過程において、液体と処理対象ガスとが混合された気液混合物は加圧状態でノズル2-5から噴射される。気液混合物としては大気圧(0.1MPa)以上3MPa以下(好ましくは1MPa以下)に設定された圧力に加圧するのがよい。ノズル2-5から噴射された気液混合物は高濃度気体溶解装置3内のカップ状体5の底部に向けて噴射されシャワー状に拡散した噴流となり、カップ状体5の底部に衝突して多量の液泡を生じる。液泡はカップ状体5の底面から側面に沿って進み、本体部4内に拡がる。

【0022】
このように多量の液泡が生成されることで、気液接触面積が増大し、気液混合物中に存在する二酸化炭素が液体により多く溶解し、その分気体として残存する二酸化炭素が減少する。これにより、より多くの二酸化炭素が液体に移行することになり、より高い二酸化炭素分離・除去効率が得られる。液泡が破裂し液体と気体に分離した後に、本体部4の上部の処理後ガス排出用の配管2-7を通してバルブVGから処理後の二酸化炭素が除去されたガスのみが排出・回収される。一方で、本体部4の下部の配管2-6を通してバルブVLから二酸化炭素を多く含む(貯蔵する)液体のみが排出・回収される。

【0023】
図2は、図1に示される高濃度気体溶解装置を用いて二酸化炭素除去を行って得られた結果を示すグラフである。なお、この場合は液体と処理対象ガスとをあらかじめ混合した上で高濃度気体溶解装置に導入したものである。高濃度気体溶解装置から排出され回収された処理後ガス中の二酸化炭素濃度を求め、これから得られた二酸化炭素除去率(%)、二酸化炭素残存率(%)を縦軸にとり、これらの処理対象ガスの気体流量(L/min)による変化を示している。低ガス流量では特に高い二酸化炭素除去率が得られ、特にガス流量1~2L/minでは90%程度の二酸化炭素除去率となる。

【0024】
二酸化炭素除去率を高める上では、「処理対象のガスの流量(L/min.)/二酸化炭素を溶解させるための液流量(L/min.)=(L-gas/L-liguid)」を指標として、おおよそ0.4(L-gas/L-liguid)程度(液流量12(L/min.)の場合でガス流量は4(L/min.)が上限(ガス流量の許容値)と考えられる。すなわち、液流量12(L/min.)に対して、4(L/min.)以下のガス流量を処理できる。実験結果からは液流量12(L/min.)に対して、2(L/min.)のガス流量でほぼ90%の二酸化炭素除去率という結果が得られた。

【0025】
上記のとおり、図2に示す結果は、液体と処理対象ガスとをあらかじめ混合した上で高濃度気体溶解装置内に導入した場合のものであるが、処理対象ガスを直接高濃度気体溶解装置内に導入するとともに液体を加圧状態で噴射するように導入し、他の条件は上記図2の実験の場合と同様にして二酸化炭素分離・除去を行った結果は、図3のグラフに示すようになった。この場合、二酸化炭素除去率は除去率が向上するはずの低ガス流量の条件でも70%程度であり、液体に処理対象ガスをあらかじめ混合した上で高濃度気体溶解装置内に導入する図2の結果には及ばない。すなわち、液体と処理対象ガスとを別々に導入した場合は、処理対象ガスが液体に十分に溶解されずに排出される短絡現象が大きく関与するものと考えられる。

【0026】
図4(a)、(b)は、高濃度気体溶解装置内に配置されるカップ状体の他の形態のものを示す図であり、図4(a)は高濃度気体溶解装置とカップ状体との内部を側方から見た状態を示し、図4(b)はカップ状体のみを上方から見た状態を示している。図1に示すものと異なるのは、カップ状体5の開口部縁側に多数の細い円筒体を密接して配置した液膜形成部を設けた点である。カップ状体5の軸心位置で上下方向に延びる円筒状の導管5-1が設けられ、その周囲でカップ状体5の内周面にまでわたって円筒状の多数の細管5-2が密接して配置されて液膜形成部をなし、最内周側の細管5-2は中心の導管5-1に接着固定され、最外周側の細管5-2はカップ状体5の上縁側内周面に接着固定されている。

【0027】
このように液膜形成部を設けたカップ状体は、中心の導管5-1がノズル2-5の直下にあるように配置され、ノズル2-5からシャワー状に噴射された気液混合物は中心の導管5-1を通ってカップ状体5の底部に衝突して側方に回り込むとともに多量の液泡を生じ、カップ状体の側面に沿って上方に向かい、多数の液膜形成部をなす細管5-2を通ってカップ状体5から溢れ出るようになる。液膜形成部を通る過程で液泡がさらに細分化されより多量に形成され、気液接触面積がさらに増大し、二酸化炭素の分離・除去効率が高められる。

【0028】
本発明による二酸化炭素の分離・除去では、液体に二酸化炭素を含む処理対象ガスをあらかじめ混合した上で加圧状態でノズルを介して高濃度気体溶解装置内にシャワー状に噴射させて導入する。処理対象ガスを直接高濃度気体溶解装置に導入したところに液体を噴射する形のものでは、処理対象ガス中の二酸化炭素が液体に十分に溶解されずに回収される「短絡」が生じる可能性が大きいが、液体に処理対象ガスをあらかじめ混合した上で高濃度気体溶解装置内に導入することにより、このような「短絡」の可能性は著しく減ぜられる。

【0029】
また、ノズルを介して気液混合物を加圧状態で高濃度気体溶解装置内に強い噴流としてシャワー状に噴射し、カップ状体の底部に衝突させることにより、例えば特許文献5に示される気体溶解器のような円筒状導入部の内周面に沿う旋回流を生ぜしめる形態に比して水泡の生成、気液接触面を遙かに増大させることができ、二酸化炭素の液体への溶解効率が高められる。

【0030】
さらに、特許文献4のように気液混合物を平板状の衝突部材に衝突させるものでは、衝突部材に衝突した噴流の多くが衝突部材面方向に逃げることにより水泡の生成量が高められず、二酸化炭素の溶解効率も十分に高められないのに対し、本発明においてはカップ状体の底面にシャワー状の噴流を衝突させることにより、噴流はカップ状体の側面に沿って流れてカップ状体上部にて多くの液泡を形成させることができ、この効果により液泡の生成量が増大し、二酸化炭素の溶解効率が高められる。また、カップ状体の上縁側に細管を密接して配設した液膜形成部を設けたものでは、生成した液泡をさらに細分化させ気液接触面積をより増大させることができ、ルーツポンプを備えるというような構成によらず簡易な形態として二酸化炭素の溶解、除去の効率を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、焼却設備、ボイラ設備、工場、プラント、火力発電設備等からの二酸化炭素を含む排ガスから二酸化炭素を効率よく分離・回収・貯蔵するための技術として利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 貯留槽
2-1 配管
2-2 配管
2-3 配管
2-4 配管
2-5 ノズル
2-6 排出用配管
2-7 排出用配管
3 高濃度気体溶解装置
4 本体部
5 カップ状体
5-1 導管
5-2 細管
VL バルブ
VG バルブ
P ポンプ
PG1 圧力計
PG2 圧力計
PG3 圧力計
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3