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Specification :(In Japanese)硫黄酸化物除去材

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5881980
Publication number P2013-006160A
Date of registration Feb 12, 2016
Date of issue Mar 9, 2016
Date of publication of application Jan 10, 2013
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)硫黄酸化物除去材
IPC (International Patent Classification) B01J  20/02        (2006.01)
B01D  53/50        (2006.01)
B01D  53/14        (2006.01)
FI (File Index) B01J 20/02 B
B01D 53/50 100
B01D 53/14 100
Number of claims or invention 2
Total pages 6
Application Number P2011-141699
Date of filing Jun 27, 2011
Date of request for substantive examination May 9, 2014
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】591141784
【氏名又は名称】学校法人大阪産業大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】濱崎 竜英
Representative (In Japanese)【識別番号】100130513、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 直也
【識別番号】100074206、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 文二
【識別番号】100112575、【弁理士】、【氏名又は名称】田川 孝由
【識別番号】100117400、【弁理士】、【氏名又は名称】北川 政徳
Examiner (In Japanese)【審査官】池田 周士郎
Document or reference (In Japanese)特開2007-275761(JP,A)
特開2005-131481(JP,A)
特開2009-073687(JP,A)
特開2005-000871(JP,A)
特開2003-112163(JP,A)
国際公開第2011/074586(WO,A1)
Field of search B01J 20/00-20/34
B01D 53/14-53/18
B01D 53/34-53/96
JSTPlus(JDreamIII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
鉄バクテリア法を用いた浄水場で得られる、鉄バクテリア法により生じる汚泥であって、鉄、マンガン、及びカルシウムの各成分を含む汚泥からなる硫黄酸化物除去材。
【請求項2】
鉄バクテリア法を用いた浄水場において、少なくとも微量の鉄成分、マンガン成分及びカルシウム成分を含む不純物を含有する水を鉄バクテリアによって処理して、鉄、マンガン、及びカルシウムの各成分を含む汚泥を回収し、
この汚泥に硫黄酸化物を含有する気体を通過させることにより、上記気体中の硫黄酸化物を除去する、気体からの硫黄酸化物除去方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
この発明は、大気や排煙等の気体からの硫黄酸化物除去材、及び大気や排煙等の気体から硫黄酸化物を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工場等からの排煙には、硫黄成分が含有されている場合が多く、大気汚染の原因となるため、排煙脱硫装置により、排煙中の硫黄成分を除去する方法が通常行われている。
【0003】
この排煙脱硫の方法としては、湿式石灰法や湿式ソーダ法、湿式水酸化マグネシウム法等の湿式法や、活性コークスを用いた吸着方式の乾式法等が知られている。また、脱硫装置をコンパクト化し、脱硫装置への充填・除去が容易で、脱硫装置の維持管理が簡単とする目的で、水酸化鉄を主成分とするリモナイト((株)日本リモナイト製脱硫化水素剤:リモニック(登録商標))を用いる方法が検討されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2009-298980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のリモナイトは、脱硫化水素剤であるので、硫化水素の除去は十分であると考えられるが、他の硫黄成分、例えば硫黄酸化物の除去能力については、明確でない。
【0006】
そこでこの発明は、脱硫装置をコンパクト化し、脱硫装置への充填・除去が容易で、脱硫装置の維持管理が簡単とすることができ、硫黄酸化物の除去能の高い脱硫剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、少なくとも微量の鉄成分を含む不純物を含有する水を鉄バクテリアによって処理する、鉄バクテリア法を採用することにより、不純物を汚泥として回収し、この汚泥を硫黄酸化物除去材として、硫黄酸化物を含有する気体を通過させることにより、この気体中の硫黄酸化物を除去することにより、上記の課題を解決したのである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によると、鉄バクテリア法により生じる汚泥を硫黄酸化物除去材として用いるので、脱硫装置への充填・除去が容易で、脱硫装置の維持管理が簡単となる。
【0009】
また、鉄バクテリア法は、微量の鉄成分及びカルシウム成分を含む不純物を含有する地下水等の水から不純物を取り除く浄水場等で使用されるが、従来、廃棄処分されていた汚泥を利用できるので、廃棄物の有効活用が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明にかかる硫黄酸化物除去材は、鉄バクテリア法により生じる汚泥からなる除去材である。

【0011】
上記鉄バクテリア法とは、水処理技術における鉄バクテリア法のことであり、水中の鉄を酸化するバクテリア(一般に、「鉄バクテリア」と称される。)を用い、微量の鉄成分等の不純物を含む地下水等の水から、これらの不純物を取り除き、浄水を得るのを目的とする水の浄化方法である。

【0012】
この鉄バクテリアとしては、レプトスリックス属(Leptothrix)、ガリオネラ属(Gallionella)等があげられる。

【0013】
この鉄バクテリア法においては、まず、地下水等の、少なくとも微量の鉄成分を含む不純物を含有する水を、上記の鉄バクテリアが生息する生物接触担体に接触させ、上記不純物を酸化させる。これにより、上記不純物の酸化物は水中で懸濁し、吸着、ろ過等の方法で、水と固形分を分離することができる。

【0014】
得られた水は、上記不純物をほとんど含有しない浄水として、使用される。そして、固形分は、汚泥として回収される。この回収された汚泥を、硫黄酸化物除去材として使用することができる。

【0015】
上記鉄バクテリア法に供される水としては、不純物として、少なくとも鉄成分を含む水であり、その他、マンガン成分等を含んでいてもよい。この不純物のうち、上記鉄成分の含有量は、一般的に、金属部分の含有量として、1ppm以上含有するのが好ましく、5ppm以上含有するのがより好ましい。1ppmより少ないと、鉄バクテリアによる鉄酸化が起きにくく、鉄分を含む汚泥が生成されないという問題点を生じる場合がある。一方、鉄成分の含有量の上限は、特に限定はなく、鉄成分の水への溶解度が上限となる。

【0016】
このような鉄バクテリア法は、日本国内において、いくつかの浄水場において用いられている。このような浄水場としては、奈良県大和郡山市の北郡山浄水場、兵庫県丹波市の母坪浄水場、京都府城陽市の第3浄水場、京都府向日市の物集女浄水場内実験施設、石川県内灘町温泉病院の実験施設等があげられる。

【0017】
上記鉄バクテリア法によって生じる汚泥に含まれる不純物の成分は、処理対象の水に含まれる不純物によっても異なるが、鉄以外に、マンガン等も含まれる。

【0018】
この汚泥(固形分)に含まれる鉄成分の含有割合は、金属部分の含有話割合として、10重量%以上含有するのが好ましく、25重量%以上含有するのがより好ましい。10重量%より少ないと、鉄による硫黄酸化物の除去性能の低下という問題点を生じる場合がある。一方、鉄成分の含有量の上限は、特に限定はなく、100%であってもよい。

【0019】
この汚泥を含水状態で硫黄酸化物除去材として使用してもよいが、硫黄酸化物を含む媒体が空気等の気体の場合、乾燥させた方が通過させやすい。そこで、これを乾燥させ、この乾燥物をカラム等の管に詰める。このようにすることにより、この管内に硫黄酸化物を含有する気体を通過させると、この乾燥物を通過する際、硫黄酸化物は、乾燥物に吸着されたり、乾燥物中の成分と反応したりし、乾燥物中に取り込まれる。これにより、この乾燥物を通過した気体中の硫黄酸化物量を、検出限界以下にまで減らすことができる。

【0020】
なお、この汚泥(固形分)適量を水に溶解又は懸濁させた水溶液又は水懸濁液を用い、硫黄酸化物を含む大気又は排煙等を水溶液又は水懸濁液に通過、または、この水溶液又は水懸濁液を、硫黄酸化物を含む大気又は排煙等に噴霧(散水)することによって、硫黄酸化物を除去することもできる。

【0021】
上記気体中の硫黄酸化物の検出方法としては、二酸化硫黄用の検知管を用いることができる。この検知管としては、検出限界が0.05ppmの検知管を用いることができる。このため、この場合、上記の検出限界以下とは、0.05ppm未満を意味することとなる。

【0022】
なお、硫黄酸化物の除去能は、汚泥中の一成分が効果を示しているのか、複数成分が相乗して効果を示しているのか、上記されていないより微量成分が何らかの効果を示しているのかは不明である。
【実施例】
【0023】
以下、この発明を、実施例を用いてより具体的に示す。
まずは、測定方法について説明する。
<二酸化硫黄濃度の測定>
測定対象のサンプルバックに取り付けたサンプル採取用のバルブから、検知管(ガステック(株)製:二酸化硫黄用検知管:No.5Lb、検出限界:0.05ppm)を使って、内部のガスを吸引し、二酸化硫黄濃度を測定した。
なお、カラムに供与する側のサンプリングバッグ1の吸引量は50ミリリットルであり、カラムを通過した後の空気を回収するサンプリングバッグ2の吸引量は800ミリリットルである。
【実施例】
【0024】
<EDX測定>
汚泥を乾燥させて圧縮固化し、これを(株)島津製作所製:エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)を用いて、鉄等の含有量を測定した。
【実施例】
【0025】
(実施例1~4)
下記表1に示す浄水場(実験場)における逆洗排水を採取・沈殿した後、1mmのふるいで通過したものを再度沈殿させ、沈殿物を40℃の乾燥庫で蒸発乾燥させた乾燥汚泥を乳鉢で粉砕し、これを硫黄酸化物除去材として、0.3gを、長さ100mm、内径10mmのプラスチック製カラム(Bio-Rad社)の中に詰めた(カラム高さ10mm)。なお、汚泥の両端には汚泥を飛散させないため、10デニールの化学繊維で挟み込んだ。
次いで、上記カラムの両端にバルブを設け、両側先端には1Lのサンプリングバッグ(テドラーバッグ1口付)1,2を取り付けた。なお、両端のバルブとサンプリングバッグ1,2の間にはサンプル採取用の3方バルブを取り付けた。
次に、硫黄酸化物を生成するため、適量のチオ硫酸ナトリウム水溶液(0.025mol/L)を500mLのビーカーに入れ、濃塩酸を適量混合撹拌させた後、液上部の空気をプラスチック注射器で採取し、別のサンプリングバッグ3に入れた。
カラムに取り付けた一方のサンプリングバッグ1に硫黄酸化物を取り込んだサンプリングバッグ3内の空気を、最終的にサンプリングバッグ1の硫黄酸化物濃度が7.4~8.0ppmとなるように入れ、その後、カラムに取り付けるサンプリングバッグに1Lになるまで、エアポンプで空気を入れた。
その後、サンプリングバッグ1を手で縮め、サンプリングバッグ1内の空気をカラムに流入させ、他方のサンプリングバッグ2に空気を移動させた(流入時間は30s程度)。空気をすべて移動させた後、移動した空気の二酸化硫黄濃度を同様に測定した。この実験を3回繰り返した。
また、汚泥内の鉄含有量を測定するため、EDX測定を行った。
これらの結果を表1及び表2に示す。
【実施例】
【0026】
(比較例1~2)
上記硫黄酸化物除去材として、表1に示す材料を用いた以外は、実施例1と同様にして硫黄酸化物の除去テストを行った。また、汚泥内の鉄含有量を測定するため、EDX測定を行った。これらの結果を表1及び表2に示す。
なお、比較例1のリモナイトは、(株)日本リモナイト製の脱硫化水素剤「リモニック」(登録商標)の原料であるリモナイトであり、これを、実施例1と同様の方法で乾燥したものを実験に供与した。
また、比較例2の火山灰は、2011年1月26日に噴火が始まった新燃岳の火山灰で、火口より10km地点に降り積もった火山灰を採取したものである。これを、実施例1と同様の方法で乾燥したものを実験に供与した。
【実施例】
【0027】
【表1】
JP0005881980B2_000002t.gif
【実施例】
【0028】
【表2】
JP0005881980B2_000003t.gif
【実施例】
【0029】
(結果)
実施例1~4から明らかなように、鉄バクテリア法により得られる汚泥は、硫黄酸化物の除去能を有することが明らかとなった。
一方、比較例1の結果より、硫化水素除去材として知られるリモナイトは、実施例1~4で用いた汚泥より、硫黄酸化物の除去能が低いことがわかった。
ところで、リモナイトは、阿蘇山から得られる褐鉄鉱である。このため、火山灰も何らかの効果を生じる可能性がある。そこで、比較例2において、火山灰を用いて実験を行った。その結果、少しの硫黄酸化物除去能を有するものの、十分ではないことが明らかとなった。