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明細書 :ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物、キットおよびその利用

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6411740号 (P6411740)
公開番号 特開2014-155485 (P2014-155485A)
登録日 平成30年10月5日(2018.10.5)
発行日 平成30年10月24日(2018.10.24)
公開日 平成26年8月28日(2014.8.28)
発明の名称または考案の名称 ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物、キットおよびその利用
国際特許分類 C12Q   1/34        (2006.01)
C12Q   1/70        (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
G01N  21/77        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
A61K  45/00        (2006.01)
A61P  31/16        (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
FI C12Q 1/34 ZNA
C12Q 1/70
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
G01N 21/77 D
G01N 21/78 C
A61K 45/00
A61P 31/16
A61P 43/00 111
請求項の数または発明の数 6
全頁数 19
出願番号 特願2014-001258 (P2014-001258)
出願日 平成26年1月7日(2014.1.7)
権利譲渡・実施許諾 特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
優先権出願番号 2013004953
優先日 平成25年1月15日(2013.1.15)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成28年11月7日(2016.11.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】黒田 章夫
【氏名】石田 丈典
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査官 【審査官】飯室 里美
参考文献・文献 米国特許出願公開第2011/0189655(US,A1)
特開2007-097577(JP,A)
国際公開第2009/139811(WO,A1)
特表2016-524127(JP,A)
特表2002-541858(JP,A)
YANG, Wei et al.,Synthesis of novel N-acetylneuraminic acid derivatives as substrates for rapid detection of influenza virus neuraminidase,Carbohydrate Research,2012年,vol. 359,page. 92-96
調査した分野 C12Q 1/00-3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルとそれぞれインキュベートする工程;
インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;
第一の発光量をコントロール発光量と比較する工程;
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を、被験体サンプルとインキュベートする工程;
インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量を測定する工程;ならびに
第二の発光量を、前記第一の発光量および前記コントロール発光量と比較する工程
を包含し、
前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、前記第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、且つ前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものである、被検体サンプルにインフルエンザウイルスが含まれているか否かを判定するとともに、インフルエンザウイルスが含まれていると判定された場合、当該インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法
ここで、上記インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法とは、
(1)被検体サンプルに、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤または第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤の何れかに対して耐性を持つインフルエンザウイルスが存在するのか、または
(2)被検体サンプルに、第一の阻害剤および第二の阻害剤の両方に対して感受性を持つインフルエンザウイルスが存在するのか、を判定する方法である。
【請求項2】
抗インフルエンザ抗体を、被験体サンプルと接触させる工程;
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分と、それぞれインキュベートする工程;
インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;
第一の発光量をコントロール発光量と比較する工程;
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を、前記被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分と、インキュベートする工程;
インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量を測定する工程;ならびに
第二の発光量を、前記第一の発光量および前記コントロール発光量と比較する工程
を包含し、
前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、前記第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、且つ前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものである、被検体サンプルにインフルエンザウイルスが含まれているか否かを判定するとともに、インフルエンザウイルスが含まれていると判定された場合、当該インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法
ここで、上記インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法とは、
(1)被検体サンプルに、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤または第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤の何れかに対して耐性を持つインフルエンザウイルスが存在するのか、または
(2)被検体サンプルに、第一の阻害剤および第二の阻害剤の両方に対して感受性を持つインフルエンザウイルスが存在するのか、を判定する方法である。
【請求項3】
前記ルシフェラーゼが、下記〔I〕、〔II〕または〔III〕のアミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の方法:
〔I〕配列番号1に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号1に示されるアミノ酸配列において下記(a)、(b)および(c)の少なくとも1つの置換が生じたアミノ酸配列:
(a)423位のイソロイシンの、ロイシン、メチオニンもしくはフェニルアラニンへの置換;
(b)436位のアスパラギン酸の、グリシン、アラニンもしくはセリンへの置換;または
(c)530位のロイシンの、アルギニン、リシンもしくはヒスチジンへの置換、
〔II〕配列番号3に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号3に示されるアミノ酸配列において下記(d)、(e)および(f)の少なくとも1つの置換が生じたアミノ酸配列;
(d)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;
(e)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または
(f)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換、
〔III〕配列番号5に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号5に示されるアミノ酸配列において下記(g)、(h)および(i)の少なくとも1つの置換が生じたアミノ酸配列;
(g)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;
(h)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または
(i)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換。
【請求項4】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬と、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬と、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬とを備えており、
前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、前記第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、且つ前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものである、被検体サンプルにインフルエンザウイルスが含まれているか否かを判定するとともに、インフルエンザウイルスが含まれていると判定された場合、当該インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するためのキット
ここで、上記インフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するためのキットとは、
(1)被検体サンプルに、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤または第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤の何れかに対して耐性を持つインフルエンザウイルスが存在するのか、または
(2)被検体サンプルに、第一の阻害剤および第二の阻害剤の両方に対して感受性を持つインフルエンザウイルスが存在するのか、を判定するためのキットである。
【請求項5】
抗インフルエンザ抗体をさらに備えている、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬、ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルとそれぞれインキュベートする工程;
インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量、インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに
第一の発光量、第二の発光量及びコントロール発光量をそれぞれ比較する工程を包含し、前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、前記第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤が、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、且つ前記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものである、インフルエンザウイルスの検出方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、インフルエンザウイルスを診断および治療する技術に関するものであり、より詳細には、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インフルエンザウイルスはコア蛋白質(核蛋白(NP蛋白)および膜蛋白(M1蛋白))の抗原性に基づき分類され、現在では、インフルエンザA、BおよびCの3つの型があることが明らかになっている。
【0003】
A型インフルエンザウイルスは、さらに、ウイルス粒子の2種類の表面糖蛋白であるヘマグルチニン(Hemagglutinin(HA)、以下、適宜HAと略記する。)とノイラミニダーゼ(Neuraminidase(NA)、以下、適宜NAと略記する。)との抗原性に基づいて、HAでH1~H16、NAでN1~N9の亜型に分類される。HAは、ヒト等の細胞に吸着および侵入する際に、細胞表面に存在するシアル酸と結合して、インフルエンザウイルス粒子が細胞内に取り込まれるときの重要な役割を果たしている。一方、NAは、ウイルス粒子が感染後期に細胞表面から離れる際にシアル酸を切断する働きを有し、感染性を獲得するのに役立っている。
【0004】
インフルエンザの確定診断のための技術には、ウイルス分離法、RT-PCR法等が用いられている。しかし、これらの方法は操作が煩雑でありかつ測定に時間を要するので迅速な診断に適していない。迅速かつ簡便な検査法として、ニトロセルロース等のメンブレンを用いたイムノクロマト法が近年用いられるようになっている。この技術は、検出対象に特異的に結合する固相(例えばメンブレン)と、検出対象(ウイルス粒子)と、検出対象に特異的に結合する標識物(標識化した抗体)との複合体を固相上に形成する方法である。検出対象と特異的に結合する抗体に、標識物として、酵素(例えばアルカリフォスファターゼ)、金属コロイド(例えば金コロイド)、着色ラテックス粒子等が結合されている。特許文献1には、イムノクロマト法に基づく技術が開示されており、この技術を用いたキットも市販されている。しかし、従来のイムノクロマト法の診断キットは、特異度が高いものの(98.2%)感度が低い(62.3%)(非特許文献1参照)。
【0005】
ノイラミニダーゼは、インフルエンザウイルスの増殖過程において、感染細胞からのインフルエンザウイルスの放出に必要である。従って、ノイラミニダーゼを阻害することにより、インフルエンザウイルスの増殖を抑制することができる。インフルエンザウイルスの新しい治療法としてノイラミニダーゼ活性阻害剤が注目されており、これまでにいくつかの化合物が開発されている。これまでに開発された薬剤としては、ザナミビル(商品名リレンザ)、オセルタミビル(商品名タミフル)、ペラミビル(商品名ラピアクタ)、ラニナミビル(登録商標イナビル)などがある。ノイラミニダーゼ活性阻害剤は、呼吸器部位における粘液中のウイルス感染を阻害し、早期治療に有効と考えられている。また、インフルエンザを検出するための、N-アセチルノイラミン酸誘導体を発光試薬として用いる検出法が知られている(特許文献2~4参照)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】WO2011/105537(2011年9月1日国際公開)
【特許文献2】特表平5-505099号(平成5年8月5日公表)
【特許文献3】米国特許公開US2008/0286758号(2008年11月20日公開)
【特許文献4】米国特許公開US2011/0189655号(2011年8月4日公開)
【0007】

【非特許文献1】Ann. Intern. Med. 156, 500-511, 2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ノイラミニダーゼ活性阻害剤は、インフルエンザの発症後の早期(48時間以内)に投与されることが必要であるため、感染したインフルエンザウイルスにノイラミニダーゼ活性阻害剤が有効であるかを迅速に判断することが求められる。しかし、従来のイムノクロマト法の診断キットを用いた場合、感度の低さに起因して発症初期での感染患者を見逃す可能性がある。また、従来のイムノクロマト法は、検出されたインフルエンザウイルスがA型であるかB型であるかを判定することができるが、ノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを判定することができない。
【0009】
また、特許文献2~4の技術は、ノイラミニダーゼ活性を検出するための技術に過ぎず、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する技術が何ら検討されていないだけでなく、検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを知るための技術について何ら検討されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、具体的には、従来のイムノクロマト法よりも高感度にてインフルエンザウイルスを検出しかつ検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを簡便に知ることができる技術を提供することにある。
【0011】
すなわち、本発明は、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定する方法を提供し、本方法は、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルとそれぞれインキュベートする工程;インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに、第一の発光量をコントロール発光量と比較する工程を包含するか、あるいは、抗インフルエンザ抗体を、被験体サンプルと接触させる工程;N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分と、それぞれインキュベートする工程;インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに、第一の発光量をコントロール発光量と比較する工程を包含することを特徴としている。なお、本方法は、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するデータを取得する方法でもあり得る。
【0012】
また、本発明は、さらにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を、被験体サンプルとインキュベートする工程;インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量を測定する工程;ならびに第二の発光量を、上記第一の発光量および上記コントロール発光量と比較する工程を包含するか、あるいは、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を、上記被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分と、インキュベートする工程;インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量を測定する工程;ならびに第二の発光量を、上記第一の発光量および上記コントロール発光量と比較する工程を包含する方法であってもよい。
【0013】
本発明において、上記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤は、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択されることが好ましい。
【0014】
本発明において、上記第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤は、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよびラニナミビルからなる群より選択され、且つ上記第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものであることが好ましい。
【0015】
本発明において、上記ルシフェラーゼは、下記〔I〕、〔II〕または〔III〕のアミノ酸配列からなることが好ましい。
〔I〕配列番号1に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号1に示されるアミノ酸配列において下記(a)、(b)および(c)の置換の少なくとも1つが生じたアミノ酸配列:
(a)423位のイソロイシンの、ロイシン、メチオニンもしくはフェニルアラニンへの置換;
(b)436位のアスパラギン酸の、グリシン、アラニンもしくはセリンへの置換;または
(c)530位のロイシンの、アルギニン、リシンもしくはヒスチジンへの置換;
〔II〕配列番号3に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号3に示されるアミノ酸配列において下記(d)、(e)および(f)の置換の少なくとも1つが生じたアミノ酸配列:
(d)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;
(e)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または
(f)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換;
〔III〕配列番号5に示されるアミノ酸配列、あるいは配列番号5に示されるアミノ酸配列において下記(g)、(h)および(i)の置換の少なくとも1つが生じたアミノ酸配列:
(g)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;
(h)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または
(i)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換。
【0016】
本発明において、上記被験体サンプルは被験体の鼻咽頭に由来するサンプルであることが好ましく、鼻咽頭または咽頭のスワブ、鼻腔または気管支の洗浄液、あるいは鼻腔の吸引液であってもよい。
【0017】
本発明は、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の生体外での使用方法を提供し、本方法は、ノイラミニダーゼ活性阻害剤がN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼと組み合わせて用いられることを特徴としており、抗インフルエンザ抗体がさらに組み合わせられてもよい。
【0018】
本発明はさらに、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物を提供し、本組成物は、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいることを特徴としている。
【0019】
本発明はまた、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するためのキットを提供し、本キットは、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を備えていることを特徴としており、抗インフルエンザ抗体をさらに備えていてもよい。好ましくは、本キットは、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬と、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とを備えている。本キットはさらにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬を備えていてもよい。
【0020】
本発明は、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬、ならびにN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬を、被験体サンプルとそれぞれインキュベートする工程;インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量、インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程;ならびに第一の発光量、第二の発光量及びコントロール発光量をそれぞれ比較する工程を包含する、インフルエンザウイルスの検出方法であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明を用いれば、イムノクロマト法よりも高感度にてインフルエンザウイルスを検出しかつ検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを簡便かつ迅速に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】イムノクロマト法に基づく従来の検査キットを用いて、インフルエンザウイルスの検出感度を検討した結果を示す図である。
【図2】本発明を用いて、インフルエンザウイルスの検出感度を検討した結果を示す図である。
【図3】異なるノイラミニダーゼに対するオセルタミビルの影響を検討した結果を示す図である。
【図4】検出されたインフルエンザウイルスがオセルタミビルに感受性であるか否かを知ることができるかどうかを検討した結果を示す図である。
【図5】異なるノイラミニダーゼに対するザナミビルの影響を検討した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。

【0024】
〔ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性の判定〕
本発明は、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の新たな用途を提供する。具体的には、本発明は、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の生体外での使用を提供し、本発明は、ノイラミニダーゼ活性阻害剤がN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼと組み合わせて用いられることを特徴としている。

【0025】
本明細書中で使用される場合、「ノイラミニダーゼ活性阻害剤」は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活性を阻害すれば特に限定されず、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼのみに特異的であることを必要としない。好ましくは、ノイラミニダーゼ活性阻害剤は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活性を特異的に阻害する化合物であり、例えば、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルまたはラニナミビルである。このようなノイラミニダーゼ活性阻害剤は、インフルエンザウイルスの治療剤として開発されたものであるが、生体外での判定、具体的にはノイラミニダーゼ活性阻害剤が有効であるか否かの判定に用いられておらず、もちろんそのような用途は想定されていない。特に、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼと組み合わせて生体外での判定に用いられることは、これまで全く記載も示唆もされていない。

【0026】
〔ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性の判定方法〕
本発明は、インフルエンザに罹患していることが疑われる被験体に対してノイラミニダーゼ活性阻害剤が有効であるか否かを判定する方法であり得る。本発明の方法は、ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性の判定を補助する方法でもあり得、具体的には、インフルエンザに罹患していることが疑われる被験体に対してノイラミニダーゼ活性阻害剤が有効であるか否かを判定するためのデータを取得する方法でもあり得る。

【0027】
本発明は、被験体サンプルを、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬とインキュベートする工程を包含する。上記インキュベートする工程は、被験体サンプルを、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とインキュベートする工程と並行して行われる。

【0028】
ヒト被験体を対象とする場合、本発明は、インフルエンザに罹患していることが疑われるヒト被験体から取得されたサンプル(被験体サンプル)が好適に用いられる。治療的診断の観点で用いられる場合、被験体サンプルは被験体の鼻咽頭に由来するサンプルであることが好ましく、例えば、鼻咽頭または咽頭のスワブ、鼻腔または気管支の洗浄液、鼻腔の吸引液(例えば鼻汁)であり得、他の呼吸組織もしくは浸出液、またはリンパ節を含む生検試料でもあり得る。あるいは、予後的診断の観点で用いられる場合は、動物(生体または死体)由来の種々の組織材料であってもよい。被験体サンプルは、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活性を妨げない限り、組織材料の組織または細胞の構造を物理的に破壊して調製されてもよく、酵素、緩衝剤、塩、界面活性剤等を含む溶液または懸濁液として調製されてもよい。

【0029】
発光試薬またはコントロール試薬と被験体サンプルとのインキュベートは、室温にて短時間行われればよく、例えば、10~40℃、好ましくは15~35℃、より好ましくは20~30℃にて、1~60分間、好ましくは5~30分間、より好ましくは10~15分間行われ得る。

【0030】
本発明において、被験体サンプルを、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬またはコントロール試薬とインキュベートした後に、発光試薬またはコントロール試薬からの発光量が測定される。すなわち、本発明は、インキュベートした後の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程を包含する。

【0031】
本発明に用いられるN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンを構成するルシフェリンはホタルルシフェリンが好ましく、一実施形態において、以下の構造を有する化合物AがN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンとして用いられる。

【0032】
【化1】
JP0006411740B2_000002t.gif

【0033】
インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼは、上記化合物Aを加水分解して下記化合物B(N-アセチルノイラミン酸)および化合物C(ホタルルシフェリン)を生成し、このホタルルシフェリンは、Mg2+およびATPの存在下にてルシフェラーゼに触媒されて酸化される際に発光する。

【0034】
【化2】
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【0035】
【化3】
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【0036】
本実施形態において、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とインキュベートする被験体サンプルにインフルエンザウイルスが含まれていると、インキュベート後のコントロール試薬が発光し、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬とインキュベートする被験体サンプルに、ノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるインフルエンザウイルスが含まれていると、インキュベート後の発光試薬は発光しない。さらに、インフルエンザウイルスが含まれていない被験体サンプルを発光試薬またはコントロール試薬とインキュベートしたとしても、インキュベート後の発光試薬もコントロール試薬も発光しない。

【0037】
発光試薬またはコントロール試薬からの発光量の測定は、ルシフェラーゼの発光を測定するために用いられる従来公知の測定手法が用いられればよく、特に限定されない。なお、被験体サンプルとのインキュベートの前に発光試薬またはコントロール試薬の発光量が測定されてもよく、その場合、インキュベート前後の発光量が比較されることが好ましい。

【0038】
また、A型インフルエンザウイルスは、ヒトだけでなく、鳥、ブタ、馬、ミンク、クジラ等の動物にも感染するので、非ヒト被験体を対象とする場合、本発明は、被験体からサンプルを取得する工程を包含してもよい。

【0039】
A型/B型インフルエンザウイルスを迅速に検査するためにイムノクロマト法を利用した簡易検査試薬が広く用いられている。上記簡易検査試薬は、被験体の鼻腔または咽頭をぬぐった固相(例えば、綿棒)を抽出液内へ入れ、抽出されたウイルス由来のタンパク質を抗原とした免疫反応によって生成した免疫複合体を可視的に発光させることによって、ウイルスを検出する。あるいは、上記簡易検査試薬は、上記免疫反応をテストストリップ上にて行う態様でもあり得、この場合、テストストリップが、被験体の鼻腔または咽頭をぬぐうための固相であり得る。ノイラミニダーゼ活性阻害剤は、インフルエンザの発症後の早期に投与されることが必要であるため、インフルエンザの感染初期にノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定することが好ましい。本発明は、このようなイムノクロマト法と組み合わせて実行されてもよい。

【0040】
すなわち、本発明は、抗インフルエンザ抗体を、被験体サンプルと接触させる工程を包含してもよい。本発明に利用可能な抗インフルエンザ抗体は、A型またはB型のインフルエンザ粒子またはノイラミニダーゼと免疫複合体を形成し得るものであれば特に限定されない。抗インフルエンザ抗体と被験体サンプルとの接触は、液体形態にて両者を混合することによって両者を接触させても、抗インフルエンザ抗体を固定化したテストストリップに液体形態の被験体サンプルを吸収~展開させることによって両者を接触させてもよい。

【0041】
本発明において、形成した免疫複合体を、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬とインキュベートする工程を包含する。液体形態にて抗インフルエンザ抗体と被験体サンプルとを接触させた場合、従来公知の手法を用いて上記抗体を回収することによって、上記抗体を含有する画分として上記免疫複合体を得ることができる。テストストリップ上にて抗インフルエンザ抗体と被験体サンプルとを接触させた場合、上記抗体を固定化した領域を切り出すことによって、上記抗体を含有する画分として上記免疫複合体を得ることができる。すなわち、上記インキュベートする工程は、被験体サンプルと接触させた抗インフルエンザ抗体を含有する画分を、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬とインキュベートする工程である。上記インキュベートする工程は、形成した免疫複合体を、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とインキュベートする工程と並行して行われる。

【0042】
上記画分と発光試薬またはコントロール試薬とのインキュベートもまた、室温にて短時間行われればよく、例えば、10~40℃、好ましくは15~35℃、より好ましくは20~30℃にて、1~60分間、好ましくは5~30分間、より好ましくは10~15分間行われ得る。

【0043】
本発明において、上記画分を、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬またはコントロール試薬とインキュベートした後に、発光試薬またはコントロール試薬からの発光量が測定される。すなわち、本発明は、インキュベートした後の発光試薬からの第一の発光量およびインキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量を測定する工程を包含する。

【0044】
発光試薬からの発光量の測定は、ルシフェラーゼの発光を測定するために用いられる従来公知の測定手法が用いられればよく、特に限定されない。なお、上記画分とのインキュベートの前に発光試薬の発光量が測定されてもよく、その場合、インキュベート前後の発光量が比較されることが好ましい。

【0045】
A型またはB型のインフルエンザがノイラミニダーゼを有している。すなわち、本発明を用いれば、検出されるインフルエンザウイルスがA型またはB型のインフルエンザであることを判定する方法を提供することにより、被験体がインフルエンザに罹患しているかどうかを判定することができるようになる。後述する実施例に示すように、本発明は、イムノクロマト法よりも高感度にてインフルエンザウイルスを検出することができる。そして、イムノクロマト法の簡易検査試薬に本発明を組み合わせて用いれば、検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを簡便かつ迅速に知ることができる。

【0046】
本明細書中にて使用される場合、「ルシフェラーゼ」はホタルルシフェラーゼが意図され、より詳細には、北米ホタルルシフェラーゼ、ヘイケホタルルシフェラーゼおよびゲンジホタルルシフェラーゼからなる群より選択されるホタルルシフェラーゼが意図される。ルシフェラーゼは野生型であっても変異型であってもよい。変異型ルシフェラーゼとしては、例えば、野生型北米ホタルルシフェラーゼの、(a)423位のイソロイシンの、ロイシン、メチオニンもしくはフェニルアラニンへの置換;(b)436位のアスパラギン酸の、グリシン、アラニンもしくはセリンへの置換;または(c)530位のロイシンの、アルギニン、リシンもしくはヒスチジンへの置換の少なくとも1つの置換が生じた変異アミノ酸配列からなるタンパク質が挙げられる。さらなる変異型ルシフェラーゼとしては、例えば、野生型ヘイケホタルルシフェラーゼの、(d)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;(e)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または(f)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換の少なくとも1つの置換が生じた変異アミノ酸配列からなるタンパク質が好ましい。なおさらなる変異型ルシフェラーゼとしては、例えば、野生型ゲンジホタルルシフェラーゼの、(g)425位のイソロイシンの、ロイシンへの置換;(h)438位のアスパラギン酸の、グリシンへの置換;または(i)532位のイソロイシンの、アルギニンへの置換の少なくとも1つの置換が生じた変異アミノ酸配列からなるタンパク質が挙げられる。これらの変異型ルシフェラーゼは、野生型と比較して発光強度が増大している。野生型北米ホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列および塩基配列は、それぞれ配列番号1および2に示され、野生型ヘイケホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列および塩基配列は、それぞれ配列番号3および4に示され、野生型ゲンジホタルルシフェラーゼのアミノ酸配列および塩基配列は、それぞれ配列番号5および6に示される。なお、本発明に利用可能な変異型ルシフェラーゼは、上述したものに限定されず、特開2007-97577号(2007(平成19)年4月19日公開)に、熱安定性が向上したもの、基質親和性が向上したもの、発光波長が変化したもの、発光の持続性が向上したもの、界面活性剤耐性を有するものとして挙げられているタンパク質であってもよい。

【0047】
また、上記ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性の判定方法は、複数(少なくとも2種類以上)のノイラミニダーゼ活性阻害剤を用いて行われてもよい。本明細書において、ノイラミニダーゼ活性阻害剤およびそれを含んでいる発光試薬を2種類以上使用してもよいことを意図して、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤、第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤、第一の発光試薬、第二の発光試薬と記載する場合もある。つまり、例えば、本発明において、(i)被験体サンプルを、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第一の発光試薬とインキュベートする工程と、(ii)被験体サンプルを、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる第二の発光試薬とインキュベートする工程と、(iii)被験体サンプルを、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とインキュベートする工程とが、並行して行われてもよい。そして、本発明は、インキュベートした後の第一の発光試薬からの第一の発光量、インキュベートした後の第二の発光試薬からの第二の発光量、および、インキュベートした後のコントロール試薬からのコントロール発光量、を測定する工程を包含してもよい。さらに、本発明は、第一の発光量、第二の発光量およびコントロール発光量を比較する工程を包含してもよい。

【0048】
ここで、第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤は、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤とは異なるものであることが好ましい。例えば、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤がオセルタミビルである場合、第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤はオセルタミビル以外のノイラミニダーゼ活性阻害剤(例えば、ザナミビル、ペラミビルまたはラニナミビル)であることが好ましい。

【0049】
これにより、被験体サンプルにおいて、いずれかのノイラミニダーゼ活性阻害剤に対して耐性を有しているインフルエンザウイルスが含まれていることを正確に判定することができる。具体的には、コントロール試薬で発光し、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を添加した第一の発光試薬で発光し、第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を添加した第二の発光試薬で発光しない場合は、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤に対して耐性を有するインフルエンザ(第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤に対しては感受性)であると判定できる。また、コントロール試薬で発光し、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤を添加した第一の発光試薬で発光せず、第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤を添加した第二の発光試薬でも発光しない場合は、第一のノイラミニダーゼ活性阻害剤に対して感受性のインフルエンザ(第二のノイラミニダーゼ活性阻害剤に対して感受性でもある)であると判定できる。

【0050】
なお、上記ノイラミニダーゼ活性阻害剤は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活性を特異的に阻害する化合物(例えば、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビルまたはラニナミビル)であることが好ましい。この場合、阻害剤の特異性によって、細菌と、阻害剤に耐性を有するインフルエンザとを確実に区別することができる。

【0051】
例えば、オセルタミビル耐性ウイルスの被験体サンプルの場合では、コントロール試薬を用いた場合に発光し、オセルタミビルを含んでいる発光試薬を用いた場合でも発光する。そのため、イムノクロマト法等によってインフルエンザであると特定できていればオセルタミビル耐性インフルエンザであると判定できるが、インフルエンザであると特定できていない場合、オセルタミビル耐性インフルエンザなのかインフルエンザ由来ではないノイラミニダーゼを持つ微生物なのか区別することができない場合がある。近年、オセルタミビル耐性インフルエンザウイルスが報告され、日本においても2008/09年のシーズンに、オセルタミビル耐性ウイルスが流行して問題となった。今後、オセルタミビル耐性ウイルスが流行する可能性は高く、その場合、確実にオセルタミビル耐性ウイルスであることを特定できれば、非常に意義のあることである。

【0052】
そこで、本発明者らは特定のノイラミニダーゼ活性阻害剤に対して耐性を有しているウイルスかどうかを判定する方法として以下のことを考えた。例えば、オセルタミビル耐性ウイルスは世界各地で報告されているが、ザナミビル耐性ウイルスの報告は極めて限られている(Clin. Infect. Dis. 52, 432-437, 2011)。そのため、オセルタミビルとザナミビルとの両方に耐性をもつインフルエンザウイルスが出現する可能性は極めて低いと考えられる。そこで、本発明者らは、例えば、オセルタミビルとザナミビルとの2種類を用いて試験を行えばオセルタミビル耐性ウイルスであるかどうか判定することができると考えた。具体的には、コントロール試薬で発光し、オセルタミビルを添加した発光試薬で発光し、ザナミビルを添加した発光試薬で発光しない場合は、オセルタミビル耐性のインフルエンザ(ザナミビル感受性)であると判定できる。また、コントロール試薬で発光し、オセルタミビルを添加した発光試薬で発光せず、ザナミビルを添加した発光試薬でも発光しない場合は、オセルタミビル感受性のインフルエンザ(ザナミビル感受性でもある)であると判定できる。なお、コントロール試薬、オセルタミビルを添加した発光試薬、ザナミビルを添加した発光試薬のいずれにおいても発光する場合は、ノイラミニダーゼを有する細菌であると判定できる。

【0053】
なお、もちろん、上述の抗インフルエンザ抗体を、被験体サンプルと接触させる工程を包含する場合においても同様に、ノイラミニダーゼ活性阻害剤を2種類以上使用してもよい。

【0054】
〔ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性の判定用の組成物〕
本発明はさらに、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための組成物を提供し、本組成物は、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいることを特徴としている。本発明の組成物は、ノイラミニダーゼ活性阻害剤が有効であるか否かを判定する方法に用いられることが好ましく、本発明の組成物を構成するN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤は、上述した特徴を有していればよい。

【0055】
本明細書中にて使用される場合、「組成物」は各種成分が一物質中に含有されている形態であることが意図されるものである。

【0056】
〔ノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性の判定用のキット〕
本発明はまた、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するためのキットを提供し、本キットは、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいる発光試薬と、N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリンおよびルシフェラーゼを含んでいるコントロール試薬とを備えていることを特徴としており、抗インフルエンザ抗体をさらに備えていてもよい。ここで、「キット」とは、組成物中に含有されるべき各種成分が容器(例えば、ボトル、プレート、チューブ、ディッシュなど)に含まれておりかつ容器の全てが全体として1つに梱包されている形態が意図されるものである。また、本キットは、2種類以上の発光試薬を備えていてもよい。つまり、本キットは例えば、発光試薬として第一の発光試薬と第二の発光試薬とを備えていてもよく、第一の発光試薬と第二の発光試薬とは互いに異なる種類のノイラミニダーゼ活性阻害剤を含んでいてもよい。

【0057】
本明細書中にてキットの局面において使用される場合、「備えた(備えている)」は、キットを構成する個々の容器のいずれかの中に成分が内包されている状態が意図される。また、キットは、複数の異なる組成物を1つに梱包した包装であってもよく、容器中に内包された溶液形態の組成物を梱包していてもよく、異なる2つ以上の成分を同一の容器に混合して備えてもよい。キットは、上記成分を使用する手順(すなわち、検出されるインフルエンザウイルスに対するノイラミニダーゼ活性阻害剤の有効性を判定するための手順)を記載した指示書を備えていることが好ましい。「指示書」は、紙またはその他の媒体に書かれていても印刷されていてもよく、あるいは磁気テープ、コンピューター読み取り可能ディスクまたはテープ、CD-ROMなどのような電子媒体に付されてもよい。キットは、上述した組成物を構成するために用いられてもよく、上述した組成物に含まれる物質を別々に備えていても、上述した組成物とさらなる成分とを別々に備えていてもよい。

【0058】
なお、本キットは、発光試薬および/またはコントロール試薬を調製するためのN-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、ルシフェラーゼおよびノイラミニダーゼ活性阻害剤を別々の容器にて備えていてもよい。

【0059】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0061】
以下の実施例では、インフルエンザウイルスの検出感度について、本発明の方法と従来のイムノクロマト法との比較を行った。具体的には、実施例1にて、市販のイムノクロマト法に基づく従来の検査キットを用いて、インフルエンザウイルスの検出感度を検討し、実施例2にて、発光試薬を用いる発光検出法を用いてインフルエンザウイルスの検出感度を検討した。また、実施例3にて、異なるノイラミニダーゼに対するオセルタミビルの影響を検討し、実施例4では、従来のイムノクロマト法によって検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを知ることができるかどうかを検討した。具体的には、イムノクロマト法によってインフルエンザウイルスを検出し、検出部を切り出した後、オセルタミビル添加または非添加の発光試薬中にて切り出した検出部をインキュベートすることによってオセルタミビルの効果を検証した。また、実施例5にて、異なるノイラミニダーゼに対するザナミビルの影響を検討した。
【実施例】
【0062】
〔実施例1〕イムノクロマト法によるインフルエンザウイルスの検出感度について
イムノクロマト法によるインフルエンザウイルス検査キットとして、ラピッドテスタカラーFLUスティック(積水メディカル社製)を使用した。インフルエンザウイルスとして、Human influenza A/PR/8/34(H1N1) UV-inactivated(Advanced Biotechnologies社製)を使用した。300μLの希釈用溶液に、10μLの水、または6.1×10~6.1×10vp(virus particle)/10μLのインフルエンザウイルス検体液を添加した後に、テストスティックを検体希釈液に浸漬した。浸漬から10分後に、検体希釈液からテストスティックを取り出して、テストスティックの判定域をスキャナーES-2200(EPSON社製)にて取り込んで画像化した。結果を図1に示す。今回使用したインフルエンザウイルスはA型なので、テストスティックの判定域において青いライン(図中、下の矢印)が検出された。図中、上の矢印はコントロールを示す。
【実施例】
【0063】
テストスティックの浸漬から10分後に、ウイルス数が6.1×10以上の場合は、青い明瞭なラインが判定域にて検出された。ウイルス数が6.1×10の場合は弱いが青いラインが検出され、ウイルス数が6.1×10の場合は青いラインが全く検出されなかった。以上の結果から、従来のイムノクロマト法に基づく方法では、6.1×10のインフルエンザウイルスの検出が可能であることがわかった。
【実施例】
【0064】
〔実施例2〕発光試薬によるインフルエンザウイルスの検出感度について
インフルエンザウイルスとして、Human influenza A/PR/8/34(H1N1) UV-inactivated(Advanced Biotechnologies社製)を使用した。発光試薬として、発光試薬A(50mMトリシン緩衝液(pH8.0)、5μg/mLホタルルシフェラーゼ(供給源:プロメガ社製またはバイオエネックス社製)、10μg/mL N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン(特許文献3に記載の手法に従って合成)、1mg/mL BSA、12mM ATP、10mM DTT、1mM 補酵素A、1mM Mg(CHCOO)、4mM CaCl、5%トレハロース、4%マンニトール、1%スクロース、0.5% TritonX-100)を使用した。40μLの発光試薬Aに、10μLの水、または6.1×10~6.1×10vp/10μLのインフルエンザウイルス検体液を添加した後に、ルミテスターC110(キッコーマン社製)を用いて混合液中の発光量を測定した。結果を図2に示す。
【実施例】
【0065】
6.1×10のインフルエンザウイルスの添加から10分後の発光量が703であり、添加前のバックグラウンドの発光量274と区別することができた。このことから、6.1×10のインフルエンザウイルスの検出が可能であることがわかった。また、この結果は、実施例1で示したイムノクロマト法と比較して10倍程度高感度であることを示す。さらに、6.1×10のインフルエンザウイルスの添加から60分後の発光量が596であり、添加前のバックグラウンドの発光量268と区別することができた。このことから、インフルエンザウイルス検出感度は6.1×10であることがわかった。
【実施例】
【0066】
〔実施例3〕ノイラミニダーゼ活性阻害剤によるインフルエンザウイルス特異的な発光抑制効果について
インフルエンザウイルスとして、Human influenza A/PR/8/34(H1N1) UV-inactivated(Advanced Biotechnologies社製)を使用した。発光試薬として、発光試薬B(50mMイミダゾール緩衝液(pH7.0)、5μg/mLホタルルシフェラーゼ、10μg/mL N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、1mg/mL BSA、12mM ATP、10mM DTT、1mM 補酵素A、15mM MgSO、4mM CaCl、4%マンニトール、1%スクロース、0.5% TritonX-100)を使用した。40μLの発光試薬Bに、0~10mM/5μL(最終濃度0~1000μM)のオセルタミビルリン酸塩(通称タミフル、LKT Laboratories社製)の添加後に、0.1U/5μLのClostridium Perfingens由来のノイラミニダーゼ(New England Biolabos社製)または、6.1×10vp/5μLのインフルエンザウイルス検体液を添加した後に、ルミテスターC110(キッコーマン社製)を用いて混合液中の発光量を測定した。結果を図3に示す。
【実施例】
【0067】
C.Perfingens由来のノイラミニダーゼを用いた場合、1000μMのオセルタミビルを添加しても混合液中の発光量の低下は見られなかった(図3(a))。しかし、インフルエンザウイルス由来のノイラミニダーゼを用いた場合、オセルタミビルの濃度に応じて混合液中の発光量の低下がみられ、1000μMのオセルタミビル存在下では発光が完全に抑制された(図3(b))。このことより、オセルタミビルはC.Perfingens由来のノイラミニダーゼを阻害せず、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを特異的に阻害することがわかった。
【実施例】
【0068】
〔実施例4〕イムノクロマト法で検出されたインフルエンザウイルスに対するオセルタミビル感受性試験
イムノクロマト法によるインフルエンザウイルス検査キットとして、ラピッドテスタカラーFLUスティック(積水メディカル社製)を使用した。インフルエンザウイルスとして、Human influenza A/PR/8/34(H1N1) UV-inactivated(Advanced Biotechnologies社製)を使用した。300μLの希釈用溶液に、3.05×10vp/5μLのインフルエンザウイルスを添加した後に、テストスティックを検体希釈液に浸漬した。浸漬から10分後に、検体希釈液からテストスティックを取り出して、テストスティックの判定域を切り出し、水で洗浄した。次に、40.5μLの発光試薬Bに対して、4.5μLの水、または10mM/4.5μL(最終濃度1mM)のオセルタミビルリン酸塩(商品名タミフル、LKT
Laboratories社製)を添加した後に、混合液中で洗浄後の判定域をインキュベートして、ルミテスターC110(キッコーマン社製)にて混合液中の発光量を測定した(図3および4参照)。
【実施例】
【0069】
オセルタミビル非存在下では発光が確認されたが、オセルタミビル存在下では発光がほぼ完全に抑制された(図4参照)。この結果は、使用したインフルエンザウイルスがオセルタミビル感受性株であることと相関している。すなわち、検出されたインフルエンザウイルスのオセルタミビルに対する感受性を知ることができることがわかった。また、この方法はオセルタミビルだけでなく他のノイラミニダーゼ活性阻害剤(例えばリレンザ)においても同様に試験することができ、検出されたインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ活性阻害剤に対する感受性を知ることができ、検出されたインフルエンザウイルスに適した治療薬を選択することができると考えられる。
【実施例】
【0070】
〔実施例5〕ノイラミニダーゼ活性阻害剤によるインフルエンザウイルス特異的な発光抑制効果について-2
インフルエンザウイルスとして、Human influenza A/PR/8/34(H1N1) UV-inactivated(Advanced Biotechnologies社製)を使用した。発光試薬として、発光試薬B(50mMイミダゾール緩衝液(pH7.0)、5μg/mLホタルルシフェラーゼ、10μg/mL N-アセチルノイラミン酸-ルシフェリン、1mg/mL BSA、12mM ATP、10mM DTT、1mM 補酵素A、15mM MgSO、4mM CaCl、4%マンニトール、1%スクロース、0.5% TritonX-100)を使用した。40μLの発光試薬Bに、0~10mM/5μL(最終濃度0~1000μM)のザナミビル(通称リレンザ、東京化成工業株式会社製)の添加後に、0.2U/5μLのClostridium Perfingens由来のノイラミニダーゼ(New England Biolabos社製)または、1.22×10vp/5μLのインフルエンザウイルス検体液を添加した後に、ルミテスターC110(キッコーマン社製)を用いて混合液中の発光量を測定した。結果を図5に示す。
【実施例】
【0071】
C.Perfingens由来のノイラミニダーゼを用いた場合、1000μMのザナミビルを添加しても混合液中の発光量の低下はほとんど見られなかった(図5(a))。しかし、インフルエンザウイルス由来のノイラミニダーゼを用いた場合、ザナミビルの濃度に応じて混合液中の発光量の低下がみられ、10μMのザナミビル存在下では発光が完全に抑制された(図5(b))。このことより、ザナミビルはC.Perfingens由来のノイラミニダーゼを阻害せず、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを特異的に阻害することがわかった。
【実施例】
【0072】
なお、実施例3および5の結果からわかるように、本発明においては、様々な種類のノイラミニダーゼ活性阻害剤を用いることができる。よって、上述のように、複数の種類のノイラミニダーゼ活性阻害剤を用いて試験を行えば、いずれかのノイラミニダーゼ活性阻害剤に対して耐性を有するインフルエンザウイルスであっても特定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によって、高感度にてインフルエンザウイルスを高感度にて検出しかつ検出されたインフルエンザウイルスがノイラミニダーゼ活性阻害剤に感受性であるか否かを簡便かつ迅速に知ることができるので、医薬分野における開発に寄与することができる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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