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Specification :(In Japanese)光パルスの強度と位相を測定する装置及び方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P6143196
Date of registration May 19, 2017
Date of issue Jun 7, 2017
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)光パルスの強度と位相を測定する装置及び方法
IPC (International Patent Classification) G01J  11/00        (2006.01)
G01J   9/02        (2006.01)
FI (File Index) G01J 11/00
G01J 9/02
Number of claims or invention 7
Total pages 11
Application Number P2014-512361
Date of filing Apr 23, 2013
International application number PCT/JP2013/002735
International publication number WO2013/161282
Date of international publication Oct 31, 2013
Application number of the priority 2012101276
Priority date Apr 26, 2012
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Apr 4, 2016
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】藤 貴夫
【氏名】野村 雄高
Representative (In Japanese)【識別番号】100081776、【弁理士】、【氏名又は名称】大川 宏
Examiner (In Japanese)【審査官】蔵田 真彦
Document or reference (In Japanese)米国特許第5754292(US,A)
特表2000-514549(JP,A)
Takao Fuji,Yutaka Nomura,Hideto Shirai,Noriaki Tsurumachi,“Frequency-resolved optical gating with electro-optic sampling”,[online],EPJ Web of Conferences,2013年 3月13日,[検索日 2013.07.25],URL,http://www.epj-conferences.org/articles/epjconf/pdf/2013/02/epjconf_up2012_12001.pdf
WU Q,ZHANG X‐C,“Free-space electro-optic sampling of terahertz beams.”,Appl Phys Lett,1995年12月11日,Vol.67 No.24,Page.3523-3525
CUNDIFF S T,“Phase stabilization of ultrashort optical pulses.”,J Phys D,2002年 4月21日,Vol.35 No.8,Page.R43-R59
Field of search G01J 11/00
G01J 9/00-9/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
時間tと共に変化する電場E0(t)をもつ被計測光パルスと電場Er(t)をもつ参照光パルスとの時間遅延τを変更する光遅延手段と、
前記光遅延手段で遅延された電場Er(t-τ)をもつ前記参照光パルスと前記被計測光パルスとを非線形混合して次式(★は一般的な非線形混合を表す演算子であり、αはその非線形混合における非線形感受率に比例する係数である。)で表される信号光パルスを作る非線形混合手段と、
Er(t-τ)+αEr(t-τ)★E0(t)
前記信号光パルスを分光して次式(Fはフーリエ変換を表す記号である。は複素共役を表す。Rは実数部(Real part)を表す記号である。)で表されるフーリエ変換信号を出力するイメージング分光装置と、
|F[Er(t-τ)]|2+|αF[Er(t-τ)★E0(t)]|2
+2R{αF[Er(t-τ)]・F[Er(t-τ)★E0(t)]}
を有し、
周波数分解光ゲート信号に相当する前記フーリエ変換信号の第2項の信号と電気光学サンプリング信号に相当する前記フーリエ変換信号の第3項の信号から前記被計測光パルスの強度と位相を求めることを特徴とする光パルスの強度と位相の測定装置。
【請求項2】
前記非線形混合手段は、4光波差周波混合手段、3光波差周波混合手段或いは和周波混合手段を含む請求項1に記載の光パルスの強度と位相の測定装置。
【請求項3】
前記4光波差周波混合手段は、非線形光学気体と非線形光学結晶をカスケードに備える請求項2に記載の光パルスの強度と位相の測定装置。
【請求項4】
前記和周波混合手段は、和周波混合光と前記参照光パルスとを合波する合波手段を備える請求項2に記載の光パルスの強度と位相の測定装置。
【請求項5】
時間tと共に変化する電場E0(t)をもつ被計測光パルスと電場Er(t)もつ参照光パルスとの時間遅延τを変更する光遅延ステップと、
前記光遅延ステップで遅延された電場Er(t-τ)をもつ前記参照光パルスと前記被計測光パルスとを非線形混合して次式(★は一般的な非線形混合を表す演算子であり、αはその非線形混合における非線形感受率に比例する係数である。)で表される信号光パルスを作る非線形混合ステップと、
Er(t-τ)+αEr(t-τ)★E0(t)
前記信号光パルスをイメージング分光装置に入力して次式(Fはフーリエ変換を表す記号である。は複素共役を表す。Rは実数部(Real part)を表す記号である。)で表されるフーリエ変換信号を出力するフーリエ変換ステップと、
|F[Er(t-τ)]|2+|αF[Er(t-τ)★E0(t)]|2
+2R{αF[Er(t-τ)]・F[Er(t-τ)★E0(t)]}
周波数分解光ゲート信号に相当する前記フーリエ変換信号の第2項の信号から前記被計測光パルスの強度と位相を求めるステップと、
電気光学サンプリング信号に相当する前記フーリエ変換信号の第3項の信号から前記被計測光パルスの強度と位相を求めるステップと、
を有することを特徴とする光パルスの強度と位相を測定する方法。
【請求項6】
前記フーリエ変換信号の第2項の信号から得られた位相を、前記フーリエ変換信号の第3項の信号から得られた位相にシフトさせるステップを有する請求項5に記載の光パルスの強度と位相を測定する方法。
【請求項7】
前記非線形混合ステップは、4光波差周波混合ステップ、3光波差周波混合ステップ或いは和周波混合ステップを含む請求項5又は6に記載の光パルスの強度と位相を測定する方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の時間幅をもつ光パルスの分光強度と分光位相を測定する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パルス時間幅がピコ秒以上の光パルスの場合は、オッシロスコープで電場振幅波形を直接測定することができる。しかし、パルス時間幅がピコ秒未満になるとオッシロスコープでは測定することができない。
【0003】
自己相関器では、超短光パルスが二つの同じパルスに分割される。その二つのパルスが非線形結晶に同時に入射されて第2高調波光が発生される。第2高調波光の強度が二つのパルスの間の遅延時間の関数として測定される。これが強度相関をもたらす。しかし、この強度相関法では光パルスの位相を求めることができない。
【0004】
超短光パルスの分光強度と分光位相を測定する方法として、電気光学サンプリング(EOS)法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。このEOS法は、電場E0(t)をもつ被測定光パルスと時間遅延制御された電場Er(t-τ)をもつプローブ光パルスとをEO(電気光学)結晶に入力して、電場E0(t)をもつ被測定光パルスでEO結晶内に誘起される複屈折によるプローブ光パルスの偏光回転量を測定するものである。すなわち、EOS法は、Er(t-τ)のプローブ光パルスとE0(t)の被測定光パルスで変調されたEr(t-τ)E0(t)の変調光との干渉を測定するものである。
【0005】
また、超短光パルスの分光強度と分光位相を測定する周波数分解光ゲート(FROG)法が最近開発された(例えば、特許文献1参照。)。このFROG法は、電場E0(t)をもつ被測定光パルスと時間遅延制御された電場Er(t-τ)をもつ参照光パルスとを非線形媒質に入射させて、非線形媒質に誘導回折格子を形成し、非線形媒質に入射された被測定光E0(t)を参照光Er(t-τ)により回折させ、回折されたパルス光を分光装置で分光して、被測定光の強度と位相を求めるものである。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】米国特許5754292号公報
【0007】

【非特許文献1】Q.Wu, X.C.Zhang, ”Free-space electrooptic sampling of terahertz beams”,Appl.Phys.Lett.Vol.67,pp3523-3525(1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した従来のEOS法は、被測定光パルスの中心周波数の周期より十分短い光パルスをプローブ光として使用すると、被測定光パルスの電場E0(t)についてのすべての情報(分光強度、分光位相)を求めることができる。分光位相の絶対値も求めることができる。しかし、そのためには被測定光パルスの中心周波数の周期より十分短い光パルスをプローブ光として使用する必要があり、被測定光パルスが超短光パルスの場合、電場情報を求めることができない。
【0009】
一方、FROG法は、参照光パルスの時間幅が被測定光パルスの時間幅より長くても分光強度と分光位相を求めることができる。しかし、求まる分光位相は相対値であり、キャリア・エンベロープ・フェーズ(CEP)の絶対値を求めることができない(S.T.Cundiff,”Phase stabilization of ultrashort optical pulses”J.Phys.D35,pp43-59(2002)参照。)。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、任意の時間幅をもつ光パルスの分光強度及び分光位相の絶対値を測定する装置及び方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
FROG法とEOS法は上記のように一長一短がある。そこで、発明者らはFROG法とEOS法とを組み合わせる方法を創出した。
【0012】
上記の課題を解決するためになされた本発明の光パルスの強度と位相を測定する装置は、時間tと共に変化する電場E0(t)をもつ被計測光パルスと電場Er(t)をもつ参照光パルスとの時間遅延τを変更する光遅延手段と、前記光遅延手段で遅延された電場Er(t-τ)をもつ前記参照光パルスと前記被計測光パルスとを非線形混合して次式(★は一般的な非線形混合を表す演算子であり、αはその非線形混合における非線形感受率に比例する係数である。)で表される信号光パルスを作る非線形混合手段と、
Er(t-τ)+αEr(t-τ)★E0(t)
前記信号光パルスを分光して次式(Fはフーリエ変換を表す記号である。は複素共役を表す。Rは実数部(Real part)を表す記号である。)で表されるフーリエ変換信号を出力するイメージング分光装置と、
|F[Er(t-τ)]|2+|αF[Er(t-τ)★E0(t)]|2+2R{αF[Er(t-τ)・F[Er(t-τ)★E0(t)]} (1)
を有し、前記フーリエ変換信号の第2項の信号(周波数分解光ゲート(FROG)信号)と前記フーリエ変換信号の第3項の信号(電気光学サンプリング(EOS)信号)から前記被計測光パルスの強度と位相を求めることを特徴とする。
【0013】
FROG信号から得られた位相を、EOS信号から得られた位相に合わせることで位相の絶対値を求めることができる。任意の時間幅をもつ光パルスの強度と位相を測定することができる。
【0014】
上記の光パルスの強度と位相を測定する装置において、前記非線形混合手段は、4光波差周波混合手段、3光波差周波混合手段或いは和周波混合手段を含むものとすることができる。
【0015】
また。前記4光波差周波混合手段は、非線形光学気体と非線形光学結晶をカスケードに備えるものとすることができる。
【0016】
また、前記和周波混合手段は、和周波混合光と前記参照光パルスとを合波する合波手段を備えるものとすることができる。
【0017】
上記の課題を解決するためになされた本発明の光パルスの強度と位相を測定する方法は、時間tと共に変化する電場E0(t)をもつ被計測光パルスと電場Er(t)をもつ参照光パルスとの時間遅延τを変更する光遅延ステップと、前記光遅延ステップで遅延された電場Er(t-τ)をもつ前記参照光パルスと前記被計測光パルスとを非線形混合して次式で表される信号光パルスを作る非線形混合ステップと、
Er(t-τ)+αEr(t-τ)★E0(t)
前記信号光パルスをイメージング分光装置に入力して式(1)で表されるフーリエ変換信号を出力するフーリエ変換ステップと、前記フーリエ変換信号の第2項の信号(周波数分解光ゲート(FROG)信号)から前記被計測光パルスの強度と位相を求めるステップと、前記フーリエ変換信号の第3項の信号(電気光学サンプリング(EOS)信号)から前記被計測光パルスの強度と位相を求めるステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
上記の光パルスの強度と位相を測定する方法において、前記周波数分解光ゲート信号から得られた位相を、前記電気光学サンプリング信号から得られた位相にシフトさせるステップを有するとよい。
【0019】
周波数分解光ゲート信号から得られた位相を、電気光学サンプリング信号から得られた位相にシフトさせるので、位相の絶対値を求めることができる。
【0020】
また、前記非線形混合ステップは、4光波差周波混合ステップを含んでもよい。
【0021】
混合された信号光パルスは互いに直交する二つの偏光成分に分割されて分光されるので、FROG信号とEOS信号とを同時に分離して得ることができる。
【0022】
また、前記非線形混合ステップは、4光波差周波混合ステップの代わりに、3光波差周波混合ステップ或いは和周波混合ステップを含んでもよい。
【発明の効果】
【0023】
FROG信号から得られた位相を、EOS信号から得られた位相に合わせることで、位相の絶対値が求まる。任意の時間幅をもつ光パルスの強度と位相を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】光パルスの強度と位相を測定する装置のブロック図である。
【図2】4光波差周波混合手段の光学系を示す図である。
【図3】参照光パルスの第2高調波と被計測光パルスを干渉させる非線形混合手段の光学系を示す図である。
【図4】実施例に係る光パルスの強度と位相を測定する装置の概略図である。
【図5】式(6)に式(7)を加算して得られるXFROG信号をスペクトル表示した図である。
【図6】式(6)から式(7)を減算して得られるEOS信号をスペクトル表示した図である。
【図7】図5のスペクトルデータからXFROG信号回復アルゴリズムを使って求めた全周波数領域の位相スペクトル(分光強度と分光位相)である。
【図8】図6のスペクトルデータを波長で積分して求めた低周波における位相の時間変化(電場振幅時間波形)である。
【図9】図8の時間変化をフーリエ変換して求めた低周波における位相スペクトル(分光強度と分光位相)である。
【図10A】図7に示す位相スペクトルに図9の分光位相(□)を重ねて示した図である。
【図10B】図10Aに実線で示す位相スペクトルを矢印B方向に平行移動させて□で示す分光位相スペクトルと一致させた図である。
【図11】図10Bの位相スペクトルを逆フーリエ変換して求めた被計測光パルスの電場振幅時間波形である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
従来のEOS法の原理は、参照光パルスEr(t)と被計測光パルスE0(t)の非線形混合信号と、参照光パルスEr(t)との干渉信号を、参照光パルスEr(t)と被計測光パルスE0(t)の間の遅延時間を掃引して測定するものである。前記非線形相互作用が(3光波)和周波混合である場合、EOS法で測定される信号は、以下のように記載される。

【0026】
〈|Er(t-τ)+αEr(t-τ)E0(t)|2〉=〈|Er(t-τ)|2
+〈|αEr(t-τ)E0(t)|2
+〈2R{αEr(t-τ)Er(t-τ)E0(t)}〉 (2)
ここで、〈〉は時間平均を示し、αは(3光波)和周波混合の非線形感受率に比例する係数である。Rは実数部(Real part)を表す記号である。

【0027】
式(2)の右辺第1項は、参照光パルスからのdc寄与である。第2項は、被計測光パルスと参照光パルスの直交相関信号強度である。第2項を分光したものは、直交相関FROG信号(XFROG)に相当する(S.Linden,H.Giessen.J.Kuhl,”XFROG-a new method for amplitude and
phase characterization of weak ultrashort pulses,”Phys. Status solidi B Vol.206,pp119-124(1998)参照)。第3項は、干渉項、すなわちEOS信号である。Er(t-τ)Er(t-τ)=Ir(t-τ)をデルタ関数とすると、第3項は被計測光パルスの電場の情報を完全に与えるEo(τ)になる。さもなければ、第3項はIr(t)のフーリエ変換で分光的にフィルターされる。

【0028】
XFROGとEOS、すなわち式(2)の右辺第2項と第3項を同時に測定できれば、EOSで得られるCEPの絶対値をXFROGで解析されるパルスのCEPの決定に使用することができる。

【0029】
本実施形態の光パルスの強度と位相を測定する装置のブロック図を図1に示す。参照光パルスEr(t)は光遅延手段1でτだけ遅延されて、被測定光パルスE0(t)と参照光パルスEr(t-τ)は非線形混合手段2で非線形混合されて式(3)で表される信号光パルス強度Is(t)になる。

【0030】
Is(t)=|Er(t-τ)+αEr(t-τ)★E0(t)|2 (3)
信号光パルス強度Is(t)はイメージング分光装置3に入力され、式(1)で表されるフーリエ変換信号が得られる。

【0031】
式(1)の第2項は式(2)の右辺第2項(XFROG)に相当し、式(1)の第3項は式(2)の右辺第3項(EOS)に相当するので、式(1)の第3項で得られる位相の絶対値で式(1)の右辺第2項で得られる位相を補正することができる。

【0032】
非線形混合手段2としては、図2に示すような4光波差周波混合手段を用いることができる。集光光学系2A1で、参照光パルスEr(t-τ)と被計測光パルスE0(t)とがアルゴンガス2A2に集光されると、3次の非線形光学効果が誘起され、アルゴンを通して4光波差周波数混合(FWM)信号、Er2(t-τ)E0(t)が出力される。アルゴンガス2A2への集光直後に非線形光学結晶2A3が配置されると、参照光パルスEr(t-τ)の第2高調波Er2(t-τ)が発生される。

【0033】
この第2高調波Er2(t-τ)の偏光は、FWM信号Er2(t-τ)E0(t)の偏光と直交しているので、1/4波長板2A5で両者は混合される。

【0034】
混合された信号光パルスは、ウォラストンプリズム4で2つの信号光(p偏光の信号光とs偏光の信号光)に分離される。2つの信号光の強度(p偏光の信号光強度Ipとs偏光の信号光強度Is)は、
【数1】
JP0006143196B2_000002t.gif
【数2】
JP0006143196B2_000003t.gif
となる。

【0035】
(3)式と(4)~(5)式を比較することで、非線形混合の演算子★が4光波差周波混合の場合、(3)式が(4)~(5)式になるように演算する記号であることがかわかる。

【0036】
これら2つの信号光をイメージング分光装置3で分光してフーリエ変換することで、被計測光パルスE0(t)の分光強度と分光位相を求めることができる。

【0037】
非線形混合手段2を、図3に示すように、参照光パルスEr(t-τ)と被計測光パルスE0(t)との和周波混合Er(t-τ)E0(t)を参照光パルスEr(t-τ)と干渉させる非線形混合手段2Bとすることもできる。被計測光パルスE0(t)と参照光パルスEr(t-τ)がレンズ2B1で非線形光学結晶2B2に集光されると、光軸方向に参照光パルスEr(t-τ)と被計測光パルスE0(t)の和周波混合光Er(t-τ)E0(t)が出力される。和周波混合光Er(t-τ)E0(t)がミラー2B3で折り曲げられて合波器2B4で参照光パルスEr(t-τ)と合波される。すると2つの光は干渉し、式(2)で表される干渉信号光が出力される。
【実施例】
【0038】
図4に、実施例に係る光パルスの分光強度と分光位相を測定する装置の概略を示す。実施形態の測定装置と同じ構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【実施例】
【0039】
1は参照光パルスEr(t)の遅延時間τを制御する遅延時間制御手段である。コーナミラーをサーボモータ等(不図示)で矢印A方向に移動させることで、光路長を変えて遅延時間τを制御することができる。
【実施例】
【0040】
5は、被計測光パルスE0(t)と参照光パルスEr(t-τ)を合波する穴あきミラーである。2A1は焦点距離が150mmの軸外し放物面鏡である。2A3は厚さ50μmのBBO結晶(β‐BaB2O4、タイプ1、θ=29°)である。
【実施例】
【0041】
Tiサファイア増幅器出力の基本波と第2高調波から、アルゴン中でのフィラメンテーションを通しての4光波混合を使って、位相が安定した準単サイクルパルスが作られた。作られた中赤外パルス(パルス幅12fs、パルスエネルギ250nJ、波長~5μm)を、被計測光パルスEo(t)とした。
【実施例】
【0042】
一方、被計測光パルスE0(t)を作る基になった基本波パルスの少量(パルス幅25fs、パルスエネルギ2μJ、波長0.8μm)を参照光パルスEr(t)とした。
【実施例】
【0043】
被計測光パルス(E0(t)、250nJ、12fs)と遅延時間τをもつ基本波パルス(Er(t-τ)、2μJ、25fs)が穴あきミラー5で合波された。合波されたビームが放物面鏡2A1でアルゴン2A2中に集光され、4光波差周波数混合(FWM)信号 Er2(t-τ)E0(t)が発生された。
【実施例】
【0044】
一方、基本波パルスである参照光パルスEr(t-τ)がBBO結晶2A3に入射されるので基本波パルスの第2高調波Er2(t-τ)が発生される。
【実施例】
【0045】
第2高調波Er2(t-τ)の偏光は、FWM信号Er2(t-τ)E0(t)の偏光と直交しているので、1/4波長板2A5で両者は混合され、式(2)で表される信号光パルスになる。
【実施例】
【0046】
混合された信号光パルスは、ウォラストンプリズム4によって式(4)、式(5)で表される2つの信号光の強度(p偏光の信号光強度Ipとs偏光の信号光強度Is)に分離される。なお、ウォラストンプリズム4を、ロッションプリズムにしてもよい。
【実施例】
【0047】
2つの信号光が2チャンネルのイメージング分光装置3に入力されると、式(1)で表されるフーリエ変換(スペクトル)信号が得られる。本実施例の場合、式(1)は以下に示すスペクトル信号SS1、SS2となる。
【実施例】
【0048】
【数3】
JP0006143196B2_000004t.gif
【数4】
JP0006143196B2_000005t.gif
【実施例】
【0049】
上記二つのスペクトル信号SS1、SS2からバックグランドとしての第1項を除去して、二つのスペクトル信号SS1、SS2を加算すると、第2項が残りXFROG信号になる。二つのスペクトル信号SS1、SS2の差分をとると、第3項が残りEOS信号になる。
【実施例】
【0050】
図5は加算して得られるXFROG信号をスペクトル表示したものであり、図6は減算して得られるEOS信号をスペクトル表示したものである。
【実施例】
【0051】
図7は図5のスペクトルデータからXFROG信号回復アルゴリズム(米国、フェムトソフト社)を使って求めた全周波数領域の位相スペクトル(分光強度と分光位相)である。
【実施例】
【0052】
図8は図6のスペクトルデータを波長で積分して求めた低周波における位相の時間変化(電場振幅時間波形)である。
【実施例】
【0053】
図9は図8の時間変化をフーリエ変換して求めた低周波における位相スペクトル(分光強度と分光位相)である。
【実施例】
【0054】
図10Aは図7に示す位相スペクトルに図9の分光位相(□)を重ねて示した図である。図10Aに示すように、実線で示す位相スペクトルを矢印B方向に平行移動させて図10Bのように□で示す位相スペクトルと一致させると、これ(図10Bの分光位相)が求める被計測光パルスの分光位相になる。
【実施例】
【0055】
図10Bの位相スペクトルを逆フーリエ変換すると図11に示す被計測光パルスの電場振幅時間波形が求まる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・・・・・・・光遅延手段
2、2A、2B・・・・非線形混合手段
3・・・・・・・・・・イメージング分光装置
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10A】
9
(In Japanese)【図10B】
10
(In Japanese)【図11】
11