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明細書 :安定性が増加したウミシイタケ(Renillareniformis)由来ルシフェラーゼ変異体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6688499号 (P6688499)
公開番号 特開2016-082975 (P2016-082975A)
登録日 令和2年4月8日(2020.4.8)
発行日 令和2年4月28日(2020.4.28)
公開日 平成28年5月19日(2016.5.19)
発明の名称または考案の名称 安定性が増加したウミシイタケ(Renillareniformis)由来ルシフェラーゼ変異体
国際特許分類 C12N  15/53        (2006.01)
C12N   9/02        (2006.01)
C12N   1/15        (2006.01)
C12N   1/19        (2006.01)
C12N   1/21        (2006.01)
C12N   5/10        (2006.01)
C12Q   1/66        (2006.01)
C12Q   1/06        (2006.01)
C12Q   1/26        (2006.01)
FI C12N 15/53
C12N 9/02 ZNA
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/10
C12Q 1/66
C12Q 1/06
C12Q 1/26
請求項の数または発明の数 7
全頁数 14
出願番号 特願2015-210963 (P2015-210963)
出願日 平成27年10月27日(2015.10.27)
優先権出願番号 2014218511
優先日 平成26年10月27日(2014.10.27)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成30年9月5日(2018.9.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】石橋 松二郎
【氏名】徳永 正雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100091096、【弁理士】、【氏名又は名称】平木 祐輔
【識別番号】100118773、【弁理士】、【氏名又は名称】藤田 節
【識別番号】100169579、【弁理士】、【氏名又は名称】村林 望
審査官 【審査官】上村 直子
参考文献・文献 国際公開第2007/030473(WO,A2)
特開2008-000073(JP,A)
特開2005-245457(JP,A)
特開2010-104377(JP,A)
特開2006-271393(JP,A)
特開2009-153444(JP,A)
特開平11-239493(JP,A)
Moscow University Chemistry Bulletin,2010年,Vol.65, No.3,p.139-143
調査した分野 C12N 15/00-15/90
C12N 9/02
C12Q 1/66
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
WPIDS/WPIX(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号2に示されるアミノ酸配列において、以下の(A)~(F)の全てのアミノ酸置換を含むアミノ酸配列から成り、ルシフェラーゼ活性を有し、且つ配列番号2に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質と比較して高い熱安定性及び有機溶媒耐性を有する、ルシフェラーゼ変異体。
(A)第75番目のイソロイシンからアラニンへの置換;
(B)第116番目のフェニルアラニンからロイシンへの置換;
(C)第137番目のイソロイシンからバリンへの置換;
(D)第178番目のアスパラギンからアスパラギン酸への置換;
(E)第264番目のアスパラギンからセリンへの置換;
(F)第287番目のセリンからプロリンへの置換。
【請求項2】
有機溶媒が-1.47~1.29のlog Powを有する有機溶媒である、請求項1記載のルシフェラーゼ変異体。
【請求項3】
有機溶媒が、酢酸エチル、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、2-プロパノール、ジメチルホルムアミド、ビスエーテル、1,2-ジメトキシエタン、DMSO、ジエチレングリコール及びエチレングリコールから成る群より選択される、請求項2記載のルシフェラーゼ変異体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載のルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子。
【請求項5】
請求項4記載の遺伝子を含む組換えベクター。
【請求項6】
請求項5記載の組換えベクターを有する形質転換体。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項記載のルシフェラーゼ変異体、請求項4記載の遺伝子、請求項5記載の組換えベクター及び請求項6記載の形質転換体から成る群より選択される構成成分を含む、ルシフェラーゼアッセイキット。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば熱安定性及び有機溶媒耐性が向上したルシフェラーゼ変異体に関する。
【背景技術】
【0002】
ウミシイタケ(レニラ・レニホルミス;Renilla reniformis)由来ルシフェラーゼ(以下、「Rluc」と称する)は、分子量約36kDaの単量体タンパク質であり、in vitroにおいて基質セレンテラジン(coelenterazine)と酸素存在下で反応し、その際に青色の発光(480nm)を生じる。Rlucは、主にバイオイメージングのために、又はレポータータンパク質として広く用いられている。
【0003】
ところで、バイオイメージングは、生きた細胞内でタンパク質間相互作用やタンパク質の構造変化を、高感度且つ定量的に測定することが可能である。生体イメージングの利点は、生体を解剖することなく生体内の状況を把握できることである。その為、基礎から臨床医学に至るまで幅広い分野で使われている。特に、分子イメージングは生命現象を理解する上で重要であると認識されている。
【0004】
また、癌細胞等のある細胞環境下で転写反応が正に制御されていることを確認する手段の1つとして、レポーター遺伝子アッセイが広く利用されている。レポーター遺伝子アッセイでは、転写調節領域の下流に特定の遺伝子配列(レポーター遺伝子配列)を導入したプラスミドを細胞に導入し、その遺伝子の産物であるタンパク質(レポータータンパク質)の発光を検出することで転写調節領域の活性を測定することができる。
【0005】
従来において、上述のバイオイメージングのために、又はレポータータンパク質として最も使われているオワンクラゲ由来緑色蛍光タンパク質(GFP)は感度に優れている。しかしながら、発光に組織外から励起光を当てる必要があり、GFPは500 nm以下の励起光を当て続けなければならないため、生きた細胞にダメージを与える可能性がある。一方、Rlucの基質であるセレンテラジンは細胞透過性を有するため、細胞外からの投入が可能で有り、また細胞に対する毒性も少ない。さらに、ルシフェラーゼの発光は酵素反応によるものなので、バックグラウンドが低く定量性が高い。
【0006】
また、現在最も使われているルシフェラーゼはホタル由来ルシフェラーゼである。しかしながら、Rlucは、ホタル由来ルシフェラーゼと比較して分子量が約0.6倍と小さく、また反応にATPを必要としないため、ホタル由来ルシフェラーゼよりもレポーターアッセイには最適である。一方で、Rlucは、熱に対して不安定なため、長時間のレポーターアッセイや臨床試薬として保存する際に失活しやすいという欠点を有する。
【0007】
また、レポーターアッセイ等の際に、細胞を溶解するためのバッファーには、有機溶剤や界面活性剤が含まれている。さらに、Rlucの基質セレンテラジンは有機溶媒に溶解する必要がある。長時間のアッセイには高濃度の基質を必要とするため、高濃度の有機溶媒を必要とする。この有機溶媒はホタル由来ルシフェラーゼやRluc活性に大きく影響する。
【0008】
例えば、特許文献1は、ホタルルシフェラーゼに由来する熱安定性ルシフェラーゼ変異体を開示する。しかしながら、特許文献1は、Rluc由来の熱安定性又は有機溶媒耐性ルシフェラーゼ変異体を記載していない。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特表2001-516585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、バイオイメージングやレポーターアッセイにおいて、Rlucは、GFPやホタル由来ルシフェラーゼよりも優れた利点を有するものの、熱に対して不安定であるという欠点を有する。また、Rlucの活性は有機溶媒により大きく影響される。
【0011】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑み、熱安定性及び有機溶媒耐性が向上したRluc変異体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、Rlucのアミノ酸配列において、特定のアミノ酸残基を置換することで、野生型Rlucと比較して熱安定性及び有機溶媒耐性が向上したRluc変異体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
【0013】
(1)以下の(a)又は(b)のタンパク質から成るルシフェラーゼ変異体。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列(Rlucのアミノ酸配列)において、第75番目のイソロイシン、第116番目のフェニルアラニン、第137番目のイソロイシン、第178番目のアスパラギン、第264番目のアスパラギン及び第287番目のセリンから成る群より選択される1以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列から成るタンパク質;
(b)(a)記載のタンパク質のアミノ酸配列において、第75番目、第116番目、第137番目、第178番目、第264番目及び第287番目のアミノ酸から成る群より選択される1以上のアミノ酸以外の位置で、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成るタンパク質であって、ルシフェラーゼ活性を有し、且つ配列番号2に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質と比較して高い熱安定性及び有機溶媒耐性を有する、前記タンパク質。
【0014】
(2)以下の(A)~(F)の1以上のアミノ酸置換を含む、(1)記載のルシフェラーゼ変異体。
(A)第75番目のイソロイシンからアラニンへの置換;
(B)第116番目のフェニルアラニンからロイシンへの置換;
(C)第137番目のイソロイシンからバリンへの置換;
(D)第178番目のアスパラギンからアスパラギン酸への置換;
(E)第264番目のアスパラギンからセリンへの置換;
(F)第287番目のセリンからプロリンへの置換。
(3)(A)~(F)の全てのアミノ酸置換を含む、(2)記載のルシフェラーゼ変異体。
【0015】
(4)有機溶媒が-1.47~1.29のlog Powを有する有機溶媒である、(1)~(3)のいずれか1記載のルシフェラーゼ変異体。
【0016】
(5)有機溶媒が、酢酸エチル、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、2-プロパノール、ジメチルホルムアミド、ビスエーテル、1,2-ジメトキシエタン、DMSO、ジエチレングリコール及びエチレングリコールから成る群より選択される、(4)記載のルシフェラーゼ変異体。
【0017】
(6)(1)~(5)のいずれか1記載のルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子。 (7)(6)記載の遺伝子を含む組換えベクター。
(8)(7)記載の組換えベクターを有する形質転換体。
【0018】
(9)(1)~(5)のいずれか1記載のルシフェラーゼ変異体、(6)記載の遺伝子、(7)記載の組換えベクター及び(8)記載の形質転換体から成る群より選択される構成成分を含む、ルシフェラーゼアッセイキット。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、熱安定性及び有機溶媒耐性が向上したRluc変異体及びそれをコードする遺伝子が提供される。本発明に係るRluc変異体は、向上した安定性を有し、長時間のバイオイメージングやレポーターアッセイにおいて好適であり、また臨床試薬や研究試薬として長期間の保存が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(A)各Rluc変異体の活性及び変性開始-失活温度並びに(B)置換の位置を示すRlucの立体構造を示す。
【図2】各Rluc変異体の(A)熱安定性及び(B)CD温度変化を示すグラフである。
【図3】Tm値に基づくRluc変異体(m6)の有機溶媒耐性を示すグラフである。
【図4】活性に基づくRluc変異体(m6)の有機溶媒耐性を示すグラフである。A)有機溶媒不在下、B)10%ジメチルホルムアミド存在下、C)20%DMSO存在下、D)10% 2-プロパノール存在下。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るルシフェラーゼ変異体は、以下の(a)又は(b)のタンパク質である。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、第75番目のイソロイシン、第116番目のフェニルアラニン、第137番目のイソロイシン、第178番目のアスパラギン、第264番目のアスパラギン及び第287番目のセリンから成る群より選択される1以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列から成るタンパク質;
(b)(a)記載のタンパク質のアミノ酸配列において、第75番目、第116番目、第137番目、第178番目、第264番目及び第287番目のアミノ酸から成る群より選択される1以上のアミノ酸以外の位置で、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成るタンパク質であって、ルシフェラーゼ活性を有し、且つ配列番号2に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質と比較して高い熱安定性及び有機溶媒耐性を有する、前記タンパク質。

【0022】
配列番号2に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質は、ウミシイタケ(レニラ・レニホルミス;Renilla reniformis)由来ルシフェラーゼ(Rluc)である。また、配列番号1に示される塩基配列は、Rlucをコードする遺伝子(cDNA)である。

【0023】
上記(a)記載のルシフェラーゼ変異体は、Rlucのアミノ酸配列において、第75番目のイソロイシン、第116番目のフェニルアラニン、第137番目のイソロイシン、第178番目のアスパラギン、第264番目のアスパラギン及び第287番目のセリンのうちの1又は複数のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列から成るタンパク質である。該タンパク質は、Rlucと同様の、又はそれ以上(例えば1.2倍以上)のルシフェラーゼ活性を示す。ところが、このアミノ酸置換により、該タンパク質は、基質セレンテラジン(coelenterazine)と酸素存在下で反応した場合、野生型Rluc(配列番号2に示されるアミノ酸配列から成るタンパク質)と比較して、熱安定性(又は耐熱性)及び有機溶媒耐性が有意に高い。

【0024】
ここで、他のアミノ酸としては、いずれのアミノ酸であってもよいが、各アミノ酸位置において下記のアミノ酸に置換されることが例示される。
(1)第75番目のイソロイシン:アラニン、非極性疎水性アミノ酸への置換;
(2)第116番目のフェニルアラニン:ロイシン、非極性疎水性アミノ酸への置換;
(3)第137番目のイソロイシン:バリン、非極性疎水性アミノ酸への置換;
(4)第178番目のアスパラギン:アスパラギン酸、酸性若しくは塩基性アミノ酸への置換;
(5)第264番目のアスパラギン:セリン、非解離極性アミノ酸への置換;
(6)第287番目のセリン:プロリン、非極性疎水性アミノ酸への置換。

【0025】
特に、以下の(A)~(F)の1以上又は全てのアミノ酸置換を含むアミノ酸置換が好ましい。
(A)第75番目のイソロイシンからアラニンへの置換(以下、「I75A」と称する場合がある);
(B)第116番目のフェニルアラニンからロイシンへの置換(以下、「F116L」と称する場合がある);
(C)第137番目のイソロイシンからバリンへの置換(以下、「I137V」と称する場合がある);
(D)第178番目のアスパラギンからアスパラギン酸への置換(以下、「N178D」と称する場合がある);
(E)第264番目のアスパラギンからセリンへの置換(以下、「N264S」と称する場合がある);
(F)第287番目のセリンからプロリンへの置換(以下、「S287P」と称する場合がある)。

【0026】
一方、上記(b)記載のルシフェラーゼ変異体は、(a)記載のルシフェラーゼ変異体のアミノ酸配列において、上記第75番目、第116番目、第137番目、第178番目、第264番目及び第287番目のうちの1又は複数のアミノ酸以外の位置で、さらに1又は数個(例えば1~10個、好ましくは1~5個、特に好ましくは1~3個)のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列から成り、ルシフェラーゼ活性を有し、且つ野生型Rlucと比較して、熱安定性及び有機溶媒耐性が有意に高いものである。第75番目、第116番目、第137番目、第178番目、第264番目及び第287番目のアミノ酸以外の位置としては、例えば、第123番目、第143番目、第253番目のアミノ酸が挙げられる。

【0027】
なお、上述したルシフェラーゼ変異体の(a)記載のタンパク質のアミノ酸配列に対して、各所定のアミノ酸置換を維持し、80%以上、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列から成り、ルシフェラーゼ活性を有し、且つ野生型Rlucと比較して、熱安定性及び有機溶媒耐性が有意に高いタンパク質も本発明に係るルシフェラーゼ変異体に含まれる。

【0028】
本発明に係るルシフェラーゼ変異体の熱安定性は、基質セレンテラジン(coelenterazine)と酸素存在下での反応において、所定の温度下で本発明に係るルシフェラーゼ変異体をインキュベートし、ルシフェラーゼ活性を指標として評価することができる。Tm値、変性開始温度及び/又は失活温度が野生型Rluc(Tm値:40.75℃、変性開始温度:35℃、失活温度:45℃)よりも有意に高い(例えば、少なくとも5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、又はそれ以上)場合、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は野生型Rlucよりも有意に高い熱安定性を有すると評価することができる。

【0029】
また、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は、高い熱安定性に加えて、野生型Rlucよりも有意に高い有機溶媒耐性を有する。ここで、有機溶媒としては、例えば-1.47~1.29の範囲のlog Pow(オクタノール/水分配係数)を有する有機溶媒が挙げられ、具体的には酢酸エチル、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、2-プロパノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ビスエーテル、1,2-ジメトキシエタン、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ジエチレングリコール及びエチレングリコールが挙げられる。本発明に係るルシフェラーゼ変異体の有機溶媒耐性は、基質セレンテラジン(coelenterazine)と酸素存在下での反応において、所定の濃度(例えば10~20%)の有機溶媒存在下で本発明に係るルシフェラーゼ変異体を所定の時間(例えば、1時間)インキュベートし、ルシフェラーゼ活性を指標として評価することができる。所定の時間のインキュベーション後の残存活性が野生型Rlucよりも有意に高い(例えば、少なくとも2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、3.6倍、3.7倍、3.8倍、又はそれ以上)場合、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は野生型Rlucよりも有意に高い有機溶媒耐性を有すると評価することができる。

【0030】
さらに、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は、外来タンパク質又はペプチドと機能的に連結した融合タンパク質として提供することもできる。ここで、外来タンパク質又はペプチドとは、本発明に係るルシフェラーゼ変異体に対して外因的なタンパク質又はペプチドを意味する。外来タンパク質又はペプチドとしては、例えばプロテインA/Gや抗菌ペプチド等が挙げられる。

【0031】
本発明に係る遺伝子は、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子である。当該遺伝子を宿主に導入することで、本発明に係るルシフェラーゼ変異体を発現させることができる。さらに、本発明に係るルシフェラーゼ変異体と外来タンパク質又はペプチドとを機能的に連結した融合タンパク質をコードする遺伝子を本発明に係る遺伝子として宿主に導入することで、当該融合タンパク質を発現させることができる。さらに、例えば解析対象の転写調節領域(プロモーター、エンハンサー等)の下流に配置した本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を宿主に形質転換することで、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をレポータータンパク質として、当該転写調節領域の活性を測定することができる。

【0032】
宿主としては、特に限定されるものではないが、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等の酵母、大腸菌(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等のバチルス属又はシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属等に属する細菌、COS細胞等の動物細胞、Sf9等の昆虫細胞、あるいはアブラナ科等に属する植物が挙げられる。

【0033】
先ず、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を準備する。当該遺伝子は、例えば、野生型遺伝子が由来するウミシイタケのゲノムDNA等を鋳型として、該領域の両端の塩基配列に相補的なプライマーを用いたPCRによって容易に得ることができる。ただし、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は、Rlucのアミノ酸配列においてアミノ酸置換を有するものであるので、上述のように得られたPCR産物に、部位特異的突然変異誘発法等によって変異をさらに導入することによって、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を得ることができる。

【0034】
一旦、塩基配列が確定されると、その後は化学合成によって、又はクローニングされたプローブを鋳型としたPCRによって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることによって、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を得ることができる。さらに、部位特異的突然変異誘発法等によって本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子の変異型であって変異前と同等の機能を有するものを合成することができる。なお、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子に変異を導入するには、公知の手法を採用することができる。

【0035】
本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子と外来タンパク質又はペプチドをコードする遺伝子とを連結し、融合タンパク質をコードする遺伝子を作製する場合、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子に外来タンパク質又はペプチドをコードする遺伝子を連結したDNAを準備する。このようなDNAは、連結したDNA自体であってもよく、当該DNAを含むベクター等であってよい。本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子に外来タンパク質又はペプチドをコードする遺伝子を連結する方法は、それぞれ精製された本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子及び外来タンパク質又はペプチドをコードする遺伝子を適当な制限酵素で切断し、連結する方法が採用される。また、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子と外来タンパク質又はペプチドをコードする遺伝子のそれぞれ一部に相同な領域を持たせることにより、PCR等を用いたin vitro法又は酵母等を用いたin vivo法によって両者を連結する方法であってもよい。

【0036】
さらに、解析対象の転写調節領域の下流に配置した本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を作製する場合、上述の融合タンパク質をコードする遺伝子の作製方法に準じて作製することができる。あるいは、転写調節領域を予め含有するベクターに、本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を当該転写調節領域の下流に機能的に導入してもよい。

【0037】
本発明に係る遺伝子を含む組換えベクターは、適当なベクターに本発明に係る遺伝子を挿入することにより得ることができる。使用するベクターは、宿主中で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミド、シャトルベクター、ヘルパープラスミド等が挙げられる。また該ベクター自体に複製能がない場合には、宿主の染色体に挿入すること等によって複製可能となるDNA断片であってもよい。

【0038】
プラスミドDNAとしては、大腸菌由来のプラスミド(例えばpBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pBluescript等)、枯草菌由来のプラスミド(例えばpUB110、pTP5等)、酵母由来のプラスミド(例えばYEp13等のYEp系、YCp50等のYCp系等)等が挙げられ、ファージDNAとしてはλファージ等が挙げられる。さらに、レトロウイルス又はワクシニアウイルス等の動物ウイルスやバキュロウイルス等の昆虫ウイルスベクターを用いることもできる。

【0039】
ベクターに本発明に係る遺伝子を挿入する方法は、上述した本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子に外来タンパク質又はペプチドをコードする遺伝子を連結する方法に準じて行うことができる。

【0040】
さらに、本発明に係る遺伝子又は本発明に係る遺伝子を含む組換えベクター(以下、「本発明に係る組換えベクター等」という)を宿主中に導入することにより形質転換体を作製する。

【0041】
酵母への本発明に係る組換えベクター等の導入方法は、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えば電気穿孔法(エレクトロポレーション法)、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。

【0042】
細菌への本発明に係る組換えベクター等の導入方法は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。

【0043】
動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞COS-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞等が用いられる。動物細胞への本発明に係る組換えベクター等の導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。

【0044】
昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞等が用いられる。昆虫細胞への本発明に係る組換えベクター等の導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。

【0045】
植物を宿主とする場合は、植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、種子等)、植物組織(例えば表皮、師部、柔組織、木部、維管束等)、植物培養細胞等が用いられる。植物への本発明に係る組換えベクター等の導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、アグロバクテリウム法、パーティクルガン法、PEG法等が挙げられる。

【0046】
本発明に係る組換えベクター等が宿主に組み込まれたか否かの確認は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。例えば、形質転換体からDNAを調製し、DNA特異的プライマーを設計してPCRを行う。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色し、そして増幅産物をバンドとして検出することにより、形質転換されたことを確認する。また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、蛍光、酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採用してもよい。

【0047】
次いで、得られた形質転換体を生育可能な条件下で培養する。形質転換体の培養物や培養上清をそのまま酵素活性の測定に供する場合には、本発明に係るルシフェラーゼ変異体が失活しない条件下で培養することとなる。例えば、本発明に係る形質転換体の培養において、形質転換体が生育し且つ本発明に係るルシフェラーゼ変異体が失活しないように、温度は、例えば4~53℃に設定する。また培地のpHは、例えばpH6~11に設定すればよい。培養時間は、例えば5~48時間である。

【0048】
以上のようにして、本発明に係るルシフェラーゼ変異体(又はその融合タンパク質)を上述の形質転換体より得ることができる。

【0049】
さらに、転写調節領域の下流に配置した本発明に係るルシフェラーゼ変異体をコードする遺伝子を有する形質転換体によれば、ルシフェラーゼ活性を指標に当該転写調節領域の活性を測定することができる。

【0050】
本発明に係るルシフェラーゼ変異体の活性の測定では、例えば、上述の形質転換体の培養後、得られる培養物又は培養物から精製したルシフェラーゼ変異体を、酸素存在下で基質セレンテラジン(coelenterazine)と接触させる。ここで、接触とは、本発明に係るルシフェラーゼ変異体と基質セレンテラジンとが近接し、酵素反応が生じる状態を意味する。基質セレンテラジンは、細胞透過性を有するため、形質転換体の培養物にセレンテラジンを添加することで、細胞内の本発明に係るルシフェラーゼ変異体とセレンテラジンとは接触することができる。接触させる条件として、温度は、例えば4~53℃に設定する。またpHは、例えばpH6~11に設定すればよい。接触時間(反応時間)は、例えば1~20秒間である。基質セレンテラジンの量は、例えば本発明に係るルシフェラーゼ変異体0.4~2.0 ngに対して、例えば50~100 pmolの量である。

【0051】
次いで、本発明に係るルシフェラーゼ変異体の酵素活性を測定する。測定方法は、例えば、本発明に係るルシフェラーゼ変異体と基質セレンテラジンとの混合物を、ルミノメーターを用いた発光測定に供し、相対発光強度(relative light unit: RLU)として酵素活性を測定する。

【0052】
また、本発明は、例えばバイオイメージングやレポーターアッセイに使用することができる、上述の本発明に係るルシフェラーゼ変異体、該変異体をコードする遺伝子、該遺伝子を含む組換えベクター及び該組換えベクターを有する形質転換体から成る群より選択される構成成分を含む、ルシフェラーゼアッセイキットに関する。当該キットは、これら構成成分に加えて、例えば基質セレンテラジン(coelenterazine)、アッセイバッファー、細胞溶解バッファー、キット取扱い説明書等を適宜含むことができる。

【0053】
以上のように説明した安定性が向上した本発明に係るルシフェラーゼ変異体によれば、長時間のバイオイメージングやレポーターアッセイを行うことができる。例えば、観察直前に基質を添加することで、数日間の観察も可能である。また、熱安定性の向上により、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は臨床・研究試薬としての保存性を改善する。さらに、有機溶媒耐性の向上により、本発明に係るルシフェラーゼ変異体は破壊アッセイや高濃度基質アッセイに使用することができる。

【0054】
一般的に、遺伝子レポーター発現はエンドポイントアッセイにより測定される。このようなアッセイの場合には、本発明に係るルシフェラーゼ変異体を含有する細胞を様々な実験条件下で所定の時間培養した後、細胞を溶解して細胞内で合成・蓄積された本発明に係るルシフェラーゼ変異体(レポーター)の活性を測定する。また、細胞を破砕せずに生きたままの状態で本発明に係るルシフェラーゼ変異体を用いてレポーターアッセイを行うことも可能である。この場合には、生細胞内の本発明に係るルシフェラーゼ変異体(レポーター)の活性(発現)を連続的にモニタリングすることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0056】
〔実施例1〕Rluc由来の安定性が増加したルシフェラーゼ変異体及びその熱安定性及び有機溶媒耐性の評価
1. 材料及び方法
1-1. Rluc由来のルシフェラーゼ変異体の作製
1-1-1. ランダム変異
Rluc遺伝子(配列番号3)を含むベクターpETlucを鋳型にして、フォワードプライマー5'-gTgCCgCgCggCAgCCATATg-3'(配列番号4)及びリバースプライマー5'-CgggCTTTgTTAgCAgCCggATCCTTA-3'(配列番号5)とGene tag (NIPPON GENE)を用いてエラープロンPCRによりRluc遺伝子領域を増幅した。配列番号3に示す塩基配列における当該Rluc遺伝子領域は、野生型Rluc遺伝子(配列番号1)と多少異なる(相同性99%)が、サイレント変異を有するものであり、同一の野生型Rluc(配列番号2)をコードするものである。
【実施例】
【0057】
得られた増幅断片を、Wizard SV Gel and the PCR clean-Up System (Promega)を用いて精製し、セカンドPCR用のメガプライマーとした。このプライマーを用い、再びベクターpETlucを鋳型としてベクター全長をPhusion DNA polymerase (NEB)を用いて増幅した。得られた増幅ベクターは20 UのDpnIで2時間37℃で処理し、大腸菌BL21 Star (DE3)に導入した。
【実施例】
【0058】
形質転換された大腸菌を、0.2 mM IPTGを含むLB-ampicillinプレート上22、30、34℃で培養し、培養後、400 nM基質セレンテラジンを含んだ濾紙をプレートにかぶせ、高い温度でも発光しているコロニーをピックアップした。それらのコロニーのベクターを回収し、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems)を用いてRluc変異体の塩基配列を決定した。
【実施例】
【0059】
1-1-2. 部位指定変異
上記ベクターpETluc 50 ngを鋳型にして、Quik Change site-Directed Mutagenesis Kit (Stratagene)を用いてフォワードプライマー5'-gCgCggTgTATTgCACCAgACCTTATTgg-3'(配列番号6)とリバースプライマー5'-CCAATAAggTCTggTgCAATACACCgCgC-3'(配列番号7)によりRluc遺伝子にI75Aに相当する変異を導入した。得られたベクターを大腸菌から抽出し、塩基配列を確認した。
また、当該部位指定変異方法に準じて、ランダム変異で得られたRluc変異体以外のその他のRluc変異体も同様に作製した。
【実施例】
【0060】
1-2. ルシフェラーゼ活性の測定
ルシフェラーゼの活性を、Luminescencer-PSN AB-2200を用いて測定した。サンプル5μl (0.4 ng)を295 μlの反応液(0.1 M リン酸カリウム緩衝液 (pH 7.6)、33 μMセレンテラジン-h、0.5 M 食塩、1.0 mM EDTA)に加え、25℃、10秒間の発光を計測した。
【実施例】
【0061】
1-3. 熱安定性の測定
サンプル (0.1 mg/ml)を、15 mMトリス緩衝液 (pH7.8)、1 mM EDTA、0.2 M食塩で透析した後、30~55℃で5分間暖めた。そのサンプルを5分間氷冷した後、活性測定を行った。コントロールとして4℃で保存した活性を100%にした。
また、Jasco J820Q4 spectropolarimeterにより円二色性スペクトロメトリーを測定した。0.2 mg/mlのサンプルを0.1 cmのセルに入れ、30℃/hの割合で温度を上昇させた。測定は220 nmで行った。
【実施例】
【0062】
1-4. 有機溶媒耐性の測定
Thermal shift assaysを、StepOnePlus Real Time PCR System (Applied Biosystems)を用いて行った。これはタンパク質の変性による疎水基の露出を蛍光色素が結合することで測定することが出来る。サンプル(2 ng)を、2.5μlの250倍に希釈したProtein Thermal Shift Dye (Applied Biosystems)、2μlの有機溶媒(DMSOのみ4μl)、~20μl 0.5 M食塩と1.0 mM EDTAを含んだ0.1 Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.6)に加え、氷上で1時間後、0.015℃/secで温度を上昇させながら測定した。
【実施例】
【0063】
また、有機溶媒中での残存活性を測定した。サンプル (0.1 mg/ml)を、10%若しくは20%有機溶媒を含む15 mMトリス緩衝液 (pH7.8)、1 mM EDTA、0.2 M食塩中に加え、35℃で~1時間の残存活性を測定した。
【実施例】
【0064】
2. 結果
図1~4において、略号は以下の通りである。WT:野生型Rluc、N264SS287P:N264S及びS287Pの置換を有するRluc変異体、F116LI137V:F116L及びI137Vの置換を有するRluc変異体、N178D:N178Dの置換を有するRluc変異体、I75A:I75Aの置換を有するRluc変異体、N264SS287PF116LI137V:N264S、S287P、F116L及びI137Vの置換を有するRluc変異体、N264SS287PF116LI137VN178D:N264S、S287P、F116L、I137V及びN178Dの置換を有するRluc変異体、m6:I75A、F116L、I137V、N178D、N264S及びS287Pの置換を有するRluc変異体。
【実施例】
【0065】
図1は、(A)得られた各Rluc変異体の活性及び変性開始-失活温度並びに(B)置換の位置を示すRlucの立体構造を示す。
【実施例】
【0066】
図1に示すように、N264SS287Pは活性及び変性温度が上昇した。これはS287P単独の変異を有するRluc変異体でもほぼ同様の結果が得られた。F116LI137Vは、変性開始温度が低くなったが、活性及び変性終了温度が上昇した。この変異はF116LとI137Vの同時の変異が必要であった。N178Dは、若干変性開始温度が低くなったが、変性温度プロフィールにほぼ変化はなかった。しかし、一方で活性が上昇した。I75Aは、活性及び変性開始温度が低くなったが、変性終了温度が上昇した。
【実施例】
【0067】
さらに、これら6つの置換(すなわち、I75A、F116L、I137V、N178D、N264S及びS287P)を有するRluc変異体(m6)を作製し、活性、熱安定性及び有機溶媒耐性について野生型Rluc(WT)と比較した。結果を下記の表1並びに図2~4に示す。
【実施例】
【0068】
【表1】
JP0006688499B2_000002t.gif
【実施例】
【0069】
図2(A)に示すように、それぞれの変異の耐熱性効果は積算されていくことが分かり、個々の変異を加えることで耐熱性効果が増すことが分かった。
【実施例】
【0070】
表1並びに図2及び図3に示すように、野生型Rluc(WT)と比較して、Rluc変異体(m6)は、Tm値、変性開始温度及び失活温度が約10℃上昇し、比活性も1.2倍上昇した。
【実施例】
【0071】
また、表1並びに図3及び図4に示すように、野生型Rluc(WT)と比較して、Rluc変異体(m6)は、示される有機溶媒存在下で高い安定性及び活性を示し、有意に高い有機溶媒耐性を有した。特に、20%DMSOに対しては、Rluc変異体(m6)は、野生型Rluc(WT)よりも約3.8倍、安定性(有機溶媒存在下での残存活性)が上昇していた。これらの事から、変異体の熱耐性の上昇は有機溶媒耐性も上昇させることが分かった。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3