TOP > 国内特許検索 > 炭化水素油の精製方法 > 明細書

明細書 :炭化水素油の精製方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6332860号 (P6332860)
公開番号 特開2016-074852 (P2016-074852A)
登録日 平成30年5月11日(2018.5.11)
発行日 平成30年5月30日(2018.5.30)
公開日 平成28年5月12日(2016.5.12)
発明の名称または考案の名称 炭化水素油の精製方法
国際特許分類 C10G  25/00        (2006.01)
C10G   3/00        (2006.01)
FI C10G 25/00
C10G 3/00 Z
請求項の数または発明の数 3
全頁数 9
出願番号 特願2014-207519 (P2014-207519)
出願日 平成26年10月8日(2014.10.8)
審査請求日 平成29年9月28日(2017.9.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】802000031
【氏名又は名称】公益財団法人北九州産業学術推進機構
発明者または考案者 【氏名】藤元 薫
【氏名】村上 弥生
【氏名】谷 春樹
【氏名】朝見 賢二
個別代理人の代理人 【識別番号】100094215、【弁理士】、【氏名又は名称】安倍 逸郎
【識別番号】100189865、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 正寛
審査官 【審査官】大島 彰公
参考文献・文献 国際公開第2010/050186(WO,A1)
特開平10-204446(JP,A)
特開昭50-145449(JP,A)
特開平10-245586(JP,A)
特開2005-171161(JP,A)
特開2014-040351(JP,A)
特表2003-519006(JP,A)
調査した分野 C10G
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
油脂から製造した炭化水素油と、
活性白土であり、前記油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.625~12.5重量部の第1処理剤と、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、活性アルミナ、ハイドロタルサイトのいずれかを含み、前記油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.0625~12.5重量部の第2処理剤と、
を、撹拌混合した後、
前記第1処理剤及び前記第2処理剤を分離除去することを特徴とする油脂から製造した炭化水素油の精製方法。
【請求項2】
前記油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して前記第1処理剤が1.25~12.5重量部、前記第2処理剤が0.125~12.5重量部である請求項1に記載の油脂から製造した炭化水素油の精製方法。
【請求項3】
前記油脂から製造した炭化水素油が、脱炭酸触媒による脱炭酸反応によって製造される請求項1又は請求項2に記載の油脂から製造した炭化水素油の精製方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化水素油の精製方法であって、例えば動植物由来の油脂を、脱炭酸触媒を用いた脱炭酸反応によって製造した炭化水素油の色品質を改善する精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイオディーゼル燃料は、地球温暖化ガスの総排出量を削減し、エネルギー循環型社会の構築のために極めて重要なものである。
生物由来油脂からバイオディーゼル燃料を製造するには、(1)脂肪あるいは脂肪酸とメタノールとのアルカリ触媒反応によって生産する脂肪酸エステル(FAME:Fatty Acid Methyl Ester)を主成分とする物質に変換する方法、(2)高圧下で水素化処理することにより、油脂中の酸素が主として水として離脱し軽質化するとともに、原料油脂由来の不飽和結合を飽和化して炭化水素油を得る方法、(3)350℃~475℃において、反応容器内で脱炭酸分解触媒と油脂が接触して、脱炭酸分解反応を利用して炭化水素油を製造する方法等が例示される。
ここで、(3)の方法では、流動点が低く、寒冷地でも使用可能であるとともに、分解反応が十分進行すれば遊離の酸がほとんど含まれず、またFAMEのように貯蔵中に遊離の酸その他の不純物を生成することもなく、酸化安定性が著しく高いという特長があり、今後の利用が見込まれる。
ところが、この方法で得られた炭化水素油、すなわち高温化で製造された炭化水素油には、原材料の油脂や脱炭酸分解触媒の活性状態によっては、製造直後に黒褐色を呈することや、保存中に黒褐色に変色することがあり、色品質に課題がある。
そこで、原材料の種類や脱炭酸分解触媒の活性状態を問わないで変色しない炭化水素油を得るには、長期安定の問題を解決するが必須となり、そのための1つの手段として、不溶成分を懸濁状態で含有する炭化水素油に、塩基性物質(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク及び塩基性イオン交換樹脂)の粉末を凝集剤として混合し、凝集した不溶成分を分離除去する炭化水素油中の懸濁不溶成分除去処理する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開平07-145389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、生物由来の油脂から炭化水素油を製造した場合の色品質に関しては、特許文献1に記載の技術では不十分であり、精製技術の改善を必要としている。
【0005】
そこで、発明者らは鋭意研究の結果、炭化水素油の精製方法について、活性白土と、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、活性アルミナもしくはハイドロタルサイトまたはこれらを併用したものとを、それぞれ所定量以上投入することにより、炭化水素油の色品質について改善することができ、上述した技術課題が解消することを知見し、この発明を完成させた。
【0006】
すなわち、この発明は、炭化水素油の色品質について改善することができる炭化水素油の精製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、油脂から製造した炭化水素油と、活性白土であり、前記油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.625~12.5重量部の第1処理剤と、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、活性アルミナ、ハイドロタルサイトのいずれかを含み、前記油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.0625~12.5重量部の第2処理剤と、を、撹拌混合した後、前記第1処理剤及び前記第2処理剤を分離除去することを特徴とする油脂から製造した炭化水素油の精製方法である。
【0008】
本発明の炭化水素油は、主にC~C24の炭化水素からなる。油脂から製造した炭化水素油は炭化水素油の精製する前のものをいい、炭化水素油は、精製後のものをいう。
油脂から製造した炭化水素油に処理剤(第1処理剤および第2処理剤)を投入し、撹拌混合することで油脂から製造した炭化水素油に処理剤を分散させることにより炭化水素油に精製し、その後、処理剤を炭化水素油から分離除去する。
【0009】
第1処理剤は、活性白土である。第1処理剤は粒状または粉末状であればよく、その粒形、粒度は油脂から製造した炭化水素油に分散できるものであれば任意である。
第1処理剤の投入量は油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.625重量部以上12.5重量部以下である。第1処理剤の投入量が炭化水素油100重量部に対して0.625重量部未満の場合、色品質の面での改善がみられない。より好ましくは油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して1.25重量部以上である。また、第1処理剤の投入量が油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して12.5重量部を超えて第1処理剤を投入しても炭化水素油の色品質に大幅な改善がみられない。
【0010】
第2処理剤は、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、活性アルミナ、ハイドロタルサイト(水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムの複合物)のいずれかを含み、粒状または粉末状であればよく、その粒形、粒度は炭化水素油に分散できるものであれば任意である。
また、第2処理剤は、酸化マグネシウムとシリカとの複合剤(例えば水澤化学工業株式会社製の商品名ミズカライフ等)も使用できる。この場合、流動性が向上し、効率よく炭化水素油から第1及び第2処理剤を分離除去することができる。
第2処理剤の投入量は油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.0625重量部以上である。第2処理剤の投入量が油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.0625重量部未満の場合、色品質の改善が不十分である。好ましくは、油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して0.125重量部以上、より好ましくは油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して6.25重量部以上である。
また、第2処理剤の投入量が油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して12.5重量部を超えて第2処理剤を投入しても炭化水素油の色品質に大幅な改善がみられない。
【0011】
上記油脂から製造した炭化水素油と上記第1及び第2処理剤の撹拌混合時の温度は50~80℃であれば、処理効率が高く、炭化水素油の色品質を改善することができる。
精製した炭化水素油から第1及び第2処理剤を分離除去する方法は特に問わない。ろ過や遠心分離による方法、カラムを使用する方法等公知の方法が用いられる。
【0012】
本発明に用いる油脂から製造した炭化水素油は、油脂を反応等させることにより製造されるものであり、原料としては、油脂あるいは油脂を含有するものであればよく、例えばアブラヤシの果肉や種子,ココヤシの胚乳,菜種,オリーブの果実,エゴマやトウゴマ等の種子,ナンヨウアブラギリ(ヤトロファ)やコウヒジュの種子等の搾油前の植物の果実や種子、これらから搾油した油(菜種油,パーム油,パーム核油,オリーブ油,大豆油,エゴマ油,ひまし油,ヤトロファ油、コーン油等)、あるいは搾油後の残渣、油脂を細胞内に蓄える藻類、さらに、廃食油、魚滓、畜産滓(内臓類)なども使用できる。
【0013】
本発明では、油脂から製造した炭化水素油として、脱炭酸触媒による脱炭酸反応によって油脂から製造した炭化水素油を適用する。
この製造における脱炭酸分解触媒は、具体的には、活性炭、コークス、活性コークス、及びそれらの複合体からなる混合物のいずれか1以上が、マグネシウムの水酸化物、酸化物、炭酸塩のいずれか1以上からなる弱アルカリ性化合物によってコーティングされたものを含み、その他にMgO、CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属酸化物、La3、Th等のランタノイド、アクチノイドの酸化物、ZrOやTiO等の金属酸化物、アルカリ土類金属等の炭酸塩、SiO-MgO、SiO-CaO等の複合酸化物、RbやCs等のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンで交換したゼオライト、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物を添加し部分的あるいは全面的に被毒したFCC触媒やFCC廃触媒、Na、K等のアルカリ金属が蒸着されたNa/MgO,K/MgO等の金属蒸着金属酸化物、KF/Al,LiCO/SiO等のアルカリ金属塩等の混合物や担持物(例えば、シリカ,コークス等に固体塩基を担持させた担持物)、ドロマイト等の鉱物も用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1処理剤と、第2処理剤とを併用することにより、油脂から製造した炭化水素油の色品質が改善でき、精製後の炭化水素油の保存安定性も改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施例における精製後の炭化水素油のグレー値の測定方法を示す模式図である。
【図2】(a)本発明の一実施例における精製後の炭化水素油の透視度の測定に使用するマークを示す図である。(b)透視度の測定方法を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。なお、この発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

【0017】
(油脂から製造した炭化水素油の製造)
活性炭(日本エンバイロケミカルズ株式会社、商品名:XS7100H、粒径0.9~1.2mm)と酸化マグネシウム(富田製薬株式会社、商品名:酸化マグネシウム、粉末)を脱炭酸触媒として用い、この脱炭酸触媒1500mlを内容積1800mlの反応容器に収容した。その後、撹拌装置を用いて脱炭酸触媒をかき混ぜながら脱炭酸触媒が430℃になるまで加熱した。その後、大気圧下において、廃食油を7.5ml/分で反応容器内に滴下して反応させた。容器内に窒素ガスを100ml/分供給することにより、反応容器内を窒素雰囲気下にするとともに、生成物(ガス状)を反応器外へ排出し、冷却して油脂から製造した炭化水素油を得、以下の精製を行った。

【0018】
(油脂から製造した炭化水素油の精製)
油脂から製造した炭化水素油80gに対して第1及び第2処理剤を投入し、75℃で30分、マグネチックスターラーを用いて撹拌した。その後、ろ過を行い、精製した炭化水素油を得た。なお、撹拌速度と撹拌時間は、反応容器及び撹拌羽根の形状、大きさ並びに油脂から製造した炭化水素油の投入量及び第1及び第2処理剤の投入量等によって適宜変更するが、第1及び第2処理剤が油脂から製造した炭化水素油中に分散できる程度である。

【0019】
(炭化水素油の色品質について評価)
精製した炭化水素油の色品質についての評価はグレー値及び透視度により行った。

【0020】
(グレー値の測定)
図1において示すように、白壁の前に水平台(テーブル)を設置し、この水平台上に黒色の用紙を載置する。その後、胴径30mmの透明のスクリュー管に40mmの高さまで精製した炭化水素油を充填し、該スクリュー管を黒色の用紙の上に載置する。そして、カメラを黒色の用紙の上に設置し、カメラにてスクリュー管の外壁を介して精製した炭化水素油を撮影する。
カメラとスクリュー管との離間距離は160mmであり、カメラからスクリュー管を経由して直線距離で210mmの場所に白壁が存在している。なお、撮影は昼光色蛍光灯(東芝ライテック株式会社製FHF23EX-N-H、メロウライン三波長形昼白色)から2.03m下で行った。使用したカメラはキャノン株式会社製のIXY DIGITAL 930ISである。
その後、撮影することにより得られた画像データを、画像処理ソフト(「Image j」ver.1.47V)を用いて48ピクセル四方におけるグレー値を求める。当該画像データにおいて、精製した炭化水素油が撮影された部分のうち、中心部48ピクセル四方におけるグレー値の平均値を精製した炭化水素油のグレー値とする。グレー値が大きい(255に近い)ということは、精製した炭化水素油の色が薄く色品質が良い(高い)ことを意味する。

【0021】
(透視度の測定)
図2(a)に示すように、直径30mmの円と、その円の中心において十字に交差するようにその円の内部に記載された2組の平行線とが黒色にて描かれた線幅0.5mmのマークが記載された白色の用紙を水平台(テーブル)上に載置する。平行線は2mmの間隔を有する2本の直線である。
次に、マークの中心にメスシリンダーの底部の中心に位置するように、そのメスシリンダーを用紙の上に載置する。メスシリンダーは柴田科学株式会社製の25mlメスシリンダーであり、内径は14.5mmである。
図2(b)に示すようにメスシリンダーを載置したとき、前記マークの中心から前方に向かって300mmの場所に卓上ライト(株式会社イトーキ製のDEL-271-C7、消費電力24W、ランプFPL27EX-N)を設ける。そして、マークの中心から後方に向かって53mm(図2(b)における符号2)及びマークの中心から左右方向にそれぞれ65mmの位置(図2(b)における符号1)にそれぞれクラフト色の厚紙を設け、この厚紙により平面視してコの字型の囲いを構成している。囲いは左右方向の長さが135mm、前後方向に125mm、高さ140mmである。
メスシリンダーを載置した後、蛍光灯にてメスシリンダーに光を当て、メスシリンダーの上方からメスシリンダーの内部を覗きながら、精製した炭化水素油をメスシリンダーに注入する。そしてメスシリンダーの上方から上記マークが見えなくなった時点における精製した炭化水素油の注入量を求め、この注入量からメスシリンダーの底壁から精製した炭化水素油の液面までの高さを求めた。そして、この高さを透視度とした。この透視度が大きければ、精製した炭化水素油の透明度が高く、精製した炭化水素油中の色品質が高いことを意味する。透視度の上限値はメスシリンダーの高さである152mmである。

【0022】
(炭化水素油の色品質についての評価基準)
グレー値が100以上でかつ透視度が100以上を優(◎)、グレー値が100以上でかつ透視度が70以上及びグレー値が60以上でかつ透視度が100以上を良(○)(ただし、優領域を除く)、グレー値が60以上100未満でかつ透視度が70mm以上100mm未満の場合を可(△)、その他の場合は不良(×)とした。

【0023】
(比較例1~3、実施例1~実施例8)
第1処理剤として、活性白土(和光純薬工業株式会社製「活性白土」、粉末)を用い、第2処理剤として、活性アルミナ(水澤化学工業株式会社製「F-200」、粒径3.3mmの球状を粉末に破砕したものを使用)を用いて油脂から製造した炭化水素油を精製した。精製後の炭化水素油について、精製直後にグレー値及び透明度を測定し評価した。また、前記の精製後の炭化水素油を室温にて30日間放置後、同様に測定して色品質を評価した。第1及び第2処理剤の量および精製直後の炭化水素油のグレー値、透視度及び色品質の評価を表1、表2に示す。また、室温で30日間放置後の炭化水素油のグレー値、透視度及び色品質の評価を表3、表4に示す。

【0024】
【表1】
JP0006332860B2_000002t.gif

【0025】
【表2】
JP0006332860B2_000003t.gif

【0026】
【表3】
JP0006332860B2_000004t.gif

【0027】
【表4】
JP0006332860B2_000005t.gif

【0028】
(実施例9)
第2処理剤として使用した活性アルミナのグレード(高活性)を変えたもの(水澤化学工業株式会社製「ネオビードGB-45」、粒径3.35~4.75mmのものを粉末状に破砕したものを使用)を用いて油脂から製造した炭化水素油を精製した。油脂から製造した炭化水素油100重量部に対し、活性白土を6.25重量部、活性アルミナ(ネオビードGB-45)を0.0625重量部投入し、撹拌混合して油脂から製造した炭化水素油を精製した。精製直後の炭化水素油について、グレー値が96.2、透視度が151.5mmであり、色品質の評価は良(○)であった。そして、精製後から30日経過後は、グレー値が63.1、透視度が152mmであり、色品質の評価は良(○)であった。色品質の改善について効果を奏する。

【0029】
実施例1乃至実施例9に示すように、活性白土と活性アルミナとを精製に使用した場合には、活性白土単独または活性アルミナ単独で使用した場合に比べて色品質が改善していることが判明した。そして、油脂から製造した炭化水素油100重量部に対し活性白土が0.625重量部以上であり、活性アルミナが0.0625重量部以上であれば、油脂から製造した炭化水素油の色品質を改善することが可能である。また、油脂から製造した炭化水素油100重量部に対し活性白土が1.25重量部以上であり、活性アルミナが0.125重量部以上であれば、油脂から製造した炭化水素油の色品質を良好に改善することができ、油脂から製造した炭化水素油100重量部に対し活性白土が6.25重量部以上であり、活性アルミナが6.25重量部以上であれば油脂から製造した炭化水素油の色品質を更に良好に改善することができる。

【0030】
(実施例10)
第2処理剤として、酸化マグネシウム(富田製薬株式会社製「酸化マグネシウム」、粉末)を用いて精製した。油脂から製造した炭化水素油100重量部に対して、活性白土および酸化マグネシウムをそれぞれ6.25重量部投入し、撹拌混合して油脂から製造した炭化水素油を精製した。精製直後の炭化水素油について、グレー値が96、透視度が152mmであり、色品質の評価は良(○)であった。そして、精製後から30日経過後は、グレー値が89、透視度が132mmであり、色品質の評価は良(○)であった。従って、第2処理剤が酸化マグネシウムであっても、色品質の改善に良好な効果を奏する。
また、金属的物質であって、カルシウムは元素周期律表で同族のマグネシウムと同様の金属的性質を持つことより、酸化カルシウムも第2処理剤に適する。

【0031】
(実施例11)
第2処理剤として酸化マグネシウムとシリカとの複合処理剤(水澤化学工業株式会社製「ミズカライフF-2G」、粒径150-200μm、以下、単に「複合処理剤」と記載する。)を用いて精製した。油脂から製造した炭化水素油100重量部に対し、活性白土を6.25重量部、複合処理剤を0.625重量部投入し、撹拌混合して油脂から製造した炭化水素油を精製した。精製直後の炭化水素油について、グレー値は115.8、透視度は151.5mmであり、色品質の評価は優(◎)であった。そして、精製後から30日経過後は、グレー値が64.0、透視度が119mmであり、色品質の評価は良(○)であった。従って、第2処理剤として複合処理剤であっても、色品質の改善に良好な効果を奏する。
ここで、ミズカライフF-2Gの酸化マグネシウムを含有率は32%であることより(カタログデータより)、複合処理剤0.625重量部は、酸化マグネシウム0.2重量部に相当する。

【0032】
(実施例12)
第2処理剤としてハイドロタルサイト(和光純薬工業株式会社製「ハイドロタルサイト」、粉末)を用いて精製した。油脂から製造した炭化水素油100重量部に対し、活性白土、ハイドロタルサイトをそれぞれ6.25重量部投入し、撹拌混合して油脂から製造した炭化水素油を精製した。精製直後の炭化水素油について、グレー値は120.3、透視度は152mmであり、評価は優(◎)であった。そして、精製後から30日経過後のグレー値が115.1、透視度が152mmであり、色品質の評価は優(◎)であった。従って、第2処理剤としてハイドロタルサイトであっても、色品質について良好な効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0033】
この発明の油脂から製造した炭化水素油の精製方法は、地球温暖化ガスの総排出量を削減し、エネルギー循環型社会の構築のための技術として有用である。
図面
【図1】
0
【図2】
1