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Specification :(In Japanese)複合構造

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P6086452
Date of registration Feb 10, 2017
Date of issue Mar 1, 2017
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)複合構造
IPC (International Patent Classification) E04B   1/30        (2006.01)
E04C   2/06        (2006.01)
FI (File Index) E04B 1/30 D
E04C 2/06
Number of claims or invention 8
Total pages 13
Application Number P2014-523763
Date of filing Jul 3, 2013
International application number PCT/JP2013/068238
International publication number WO2014/007284
Date of international publication Jan 9, 2014
Application number of the priority 2012151625
Priority date Jul 5, 2012
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Dec 11, 2014
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】田中 照久
【氏名】堺 純一
Representative (In Japanese)【識別番号】100099508、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 久
【識別番号】100182567、【弁理士】、【氏名又は名称】遠坂 啓太
【識別番号】100195327、【弁理士】、【氏名又は名称】森 博
【識別番号】100197642、【弁理士】、【氏名又は名称】南瀬 透
Examiner (In Japanese)【審査官】金高 敏康
Document or reference (In Japanese)特許第3758964(JP,B2)
特開昭64-029554(JP,A)
実公昭55-010106(JP,Y1)
特開2004-339890(JP,A)
Field of search E04C 2/06
E04C 3/00 - 3/46
E04B 1/61
E04B 1/58
E01D 19/12
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
鋼部材の端部とコンクリート系部材とを接合するための前記鋼部材の接合部の複合構造において、
前記鋼部材の接合部は貫通孔が設けられた板状のせん断抵抗材を備え、
前記せん断抵抗材は前記鋼部材の基材の表面に前記基材の長手方向に沿って衝立状に接合され、
前記貫通孔は、その内周縁から前記せん断抵抗材の少なくとも片方の面より外側に突出する突縁部を有することを特徴とする鋼部材の接合部の複合構造。
【請求項2】
板状の鋼部材とコンクリート系部材とを接合して形成される複合構造において、
互いに対向状態に配置された前記鋼部材である2枚の板状のせん断抵抗材と、前記せん断抵抗材の間に形成された前記コンクリート系部材と、を備え
前記せん断抵抗材に、貫通孔と、前記貫通孔の内周縁から前記コンクリート系部材中に突出する突縁部と、を設け
前記2枚のせん断抵抗材と前記コンクリート系部材とを接合した際に、前記貫通孔内に存在する前記コンクリート系部材の表面が、前記せん断抵抗材と前記コンクリート系部材との接触面より前記せん断抵抗材側に位置していることを特徴とする複合構造。
【請求項3】
筒状の柱部材と、前記柱部材の少なくとも一部を埋設した状態で前記柱部材の周囲に形成されたコンクリート系部材と、を備えた複合構造において、前記柱部材の前記コンクリート系部材中に埋設された部分に、貫通孔と、前記貫通孔の内周縁から前記コンクリート系部材中若しくは前記柱部材の軸心に向かって突出する突縁部の少なくとも一方を設けたことを特徴とする複合構造。
【請求項4】
前記柱部材の前記コンクリート系部材から露出した部分に、貫通孔と、前記貫通孔の内周縁から前記柱部材の軸心に向かって突出する突縁部を設け、前記柱部材の内部にコンクリート系部材を充填した請求項3記載の複合構造。
【請求項5】
前記突縁部が、前記貫通孔の内周縁に沿って連続した短円筒形状である請求項1~4のいずれかに記載の複合構造。
【請求項6】
前記せん断抵抗材若しくは前記柱部材に複数の前記貫通孔を設けた請求項1~5のいずれかに記載の複合構造。
【請求項7】
隣り合う前記貫通孔における前記突縁部の突出方向が互いに異なる請求項6記載の複合構造。
【請求項8】
前記基材の表面に複数の前記せん断抵抗材を接合した請求項1記載の複合構造。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造物や土木構造物などを構築する際に鋼部材とコンクリート系部材とを一体的に接合して形成される複合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼部材とコンクリート系部材とを一体的に接合して形成される複合構造は、従来、建築構造物や土木構造物などの分野において広く使用されているが、本発明に関連するものとして、例えば、図15,図16に示すようにスタッド181を用いた複合構造180あるいは図17,図18に示すように孔あき鋼板ジベル191を用いた複合構造190などがある。
【0003】
図15,図16に示す複合構造180においては、鋼部材である鉄骨梁182の上面に複数のスタッド181が所定間隔ごとに起立状に溶接され、これらのスタッド181を埋設した状態で鉄骨梁182の上面に層状のコンクリート系部材183が形成されている。
【0004】
図17,図18に示す複合構造190においては、複数の貫通孔191が所定間隔ごとに開設された帯板状の孔あき鋼板ジベル191が鋼部材である鉄骨梁192の上面にリブ状に溶接され、この孔あき鋼板ジベル191を埋設した状態で鉄骨梁192の上面に層状のコンクリート系部材193が形成されている。
【0005】
一方、打ち込み型枠とコンクリートとの密着性を高めるために、打ち込み型枠の素材である基板にバーリング加工によって貫通孔を開設することにより、当該貫通孔の周囲に不規則な複数の小突起を突出させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】特開平10-102503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図15,図16に示す複合構造180を構成するスタッド181は、ずれ変形を伴いながら最大せん断力を発揮するので、建築・土木構造物の分野においては好適に用いられている。しかしながら、複合構造180において高いせん断耐力及び初期剛性を得るためには、鉄骨梁182の上面に多数のスタッド181を接合しなければならないので、スタッド181を配置するために広い設置スペースを必要とする。このため、高い初期剛性を必要とする複合構造において応力が集中する接合部には不向きである。
【0008】
これに対し、図17,図18に示す複合構造190においては、孔あき鋼板ジベル191の貫通孔191aに充填されるコンクリートのせん断抵抗によって孔あき鋼板ジベル191とコンクリート系部材193とのずれが防止あるいは抑制されるので、図15,図16に示すスタッド181に比べて剛性が高く、疲労特性に優れ、施工性も良いなどの長所を備えている。しかしながら、本発明の技術分野においては、せん断耐力の更なる向上に対する要請が高く、図17,図18に示す複合構造190であっても、その要請に対応できないことがあるのが実状である。
【0009】
一方、特許文献1記載の打ち込み型枠においては、当該打ち込み型枠とコンクリートとの密着性を高める手段として、バーリング加工によって複数の小突起付きの貫通孔が設けられているが、これらの小突起は貫通孔の周囲に沿って凹凸形状をなしているため、せん断耐力を向上させる機能の有無については不明である。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、鉄骨系部材とコンクリート系部材との接合部分におけるずれ止め機能、せん断耐力及び剛性を大幅に向上させることが可能であって、施工性にも優れた複合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る第1の複合構造は、鋼部材の端部とコンクリート系部材とを接合するための前記鋼部材の接合部の複合構造において、
前記鋼部材の接合部は貫通孔が設けられた板状のせん断抵抗材を備え、
前記せん断抵抗材は前記鋼部材の基材の表面に前記基材の長手方向に沿って衝立状に接合され、
前記貫通孔は、その内周縁から前記せん断抵抗材の少なくとも片方の面より外側に突出する突縁部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る第2の複合構造は、板状の鋼部材とコンクリート系部材とを接合して形成される複合構造において、
互いに対向状態に配置された前記鋼部材である2枚の板状のせん断抵抗材と、前記せん断抵抗材の間に形成された前記コンクリート系部材と、を備え
前記せん断抵抗材に、貫通孔と、前記貫通孔の内周縁から前記コンクリート系部材中に突出する突縁部と、を設け
前記2枚のせん断抵抗材と前記コンクリート系部材とを接合した際に、前記貫通孔内に存在する前記コンクリート系部材の表面が、前記せん断抵抗材と前記コンクリート系部材との接触面より前記せん断抵抗材側に位置していることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明に係る第3の複合構造は、筒状の柱部材と、前記柱部材の少なくとも一部を埋設した状態で前記柱部材の周囲に形成されたコンクリート系部材と、を備えた複合構造において、前記柱部材の前記コンクリート系部材中に埋設された部分に、貫通孔と、前記貫通孔の内周縁から前記コンクリート系部材中若しくは前記柱部材の軸心に向かって突出する突縁部の少なくとも一方を設けたことを特徴とする。
【0014】
ここで、前記第3の複合構造において、前記柱部材の前記コンクリート系部材から露出した部分に、貫通孔と、前記貫通孔の内周縁から前記柱部材の軸心に向かって突出する突縁部を設け、前記柱部材の内部にコンクリート系部材を充填した構造とすることができる。
【0015】
また、前記突縁部は、前記貫通孔の内周縁に沿って連続した短円筒形状であることが望ましい。
【0016】
また、前記せん断抵抗材に複数の前記貫通孔を設けることができる。
【0017】
この場合、隣り合う前記貫通孔における前記突縁部の突出方向が互いに異なるようにすることができる。
【0018】
一方、前記第1の複合構造において、前記基材の表面に複数の前記せん断抵抗材を接合した構造とすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、鉄骨系部材とコンクリート系部材との接合部分におけるずれ止め機能、せん断耐力及び剛性を大幅に向上させることが可能であって、施工性にも優れた複合構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態である複合構造を示す一部切欠斜視図である。
【図2】図1中の矢線A方向から見た図である。
【図3】図2中のB-B線における断面図である。
【図4】図2中のC-C線における一部省略断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態である複合構造を示す一部省略断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態である複合構造を示す一部省略断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態である複合構造を示す一部省略断面図である。
【図8】本発明の第5実施形態である複合構造を示す一部省略断面図である。
【図9】本発明の第6実施形態である複合構造を示す一部省略断面図である。
【図10】本発明の第7実施形態である複合構造を示す一部省略正面図である。
【図11】図10中のD-D線における一部省略断面図である。
【図12】本発明の第8実施形態である複合構造を示す一部切欠正面図である。
【図13】図12中のE-E線における一部省略断面図である。
【図14】図12中のF-F線における一部省略断面図である。
【図15】従来の複合構造を示す垂直断面図である。
【図16】図15中のX-X線における断面図である。
【図17】従来の複合構造を示す垂直断面図である。
【図18】図17中のY-Y線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1~図14に基づいて本発明の第1~第8実施形態である複合構造10,20,30,40,50,60,70,80について説明する。

【0022】
図1~図4に示す複合構造10においては、平板状の基材1の表面1aに隅肉溶接2によって衝立状に接合された平板状のせん断抵抗材3と、せん断抵抗材3を埋設した状態で基材1の表面1a上に形成されたコンクリート系部材4と、を備えている。せん断抵抗材3には、複数の貫通孔5が開設され、これらの貫通孔5の内周縁から当該せん断抵抗材3の片方の面3aより外側へ突出する突縁部6が設けられている。複数の貫通孔5は円形であり、突縁部6は、貫通孔5の内周縁に沿って連続した短円筒形状をなしている。基材1及びせん断抵抗材2はいずれも鋼板で形成されているが、これに限定するものではない。

【0023】
図4は、図2中のC-C線における一部省略断面図であり、複合構造10を構成するコンクリート系部材4及び隅肉溶接2を省略した状態で示している。図4に示すように、せん断抵抗材2の長手方向に沿って4つの貫通孔5が一定間隔ごとに開設されている。また、各貫通孔5の突縁部6は、いずれもせん断抵抗材3の片方の面3aから外側へ突出している。なお、貫通孔5の内径、個数あるいは開設間隔などは限定しない。

【0024】
図1に示すように、複合構造10においては、貫通孔5に充填された状態となっているコンクリート系部材4のせん断抵抗によってせん断抵抗材3とコンクリート系部材4とのずれが防止される。また、貫通孔5に設けられた突縁部6とその近傍のコンクリート系部材4もせん断抵抗力及びずれ防止機能を発揮するので、剛性が高く、せん断耐力を大幅に向上させることができる。また、基材1の表面1aにせん断抵抗材3を接合するための隅肉溶接2は、予め工場などで行った後、施工現場に搬入することができるので、施工現場での溶接作業を回避することができ、施工性も良好である。

【0025】
また、貫通孔5に突縁部6を設けたことにより、せん断抵抗材3自体の剛性が高まり、変形し難くなるので、運搬したり保管したりする際の取り扱い性が良くなり、施工性の向上に有効であり、複合構造10の強度向上に寄与することができる。また、せん断抵抗材3の剛性が向上することにより、隅肉溶接2を行うときの熱影響による変形を防止することができる。

【0026】
なお、せん断抵抗材3に開設された貫通孔5は、せん断抵抗材3が接合された鋼材をクレーンで吊り上げる際に、ワイヤーロープやシャックルなどの挿通孔として利用することもできる。また、せん断抵抗材3の貫通孔5には鉄筋を挿通させることもできるので、建築・土木構造物の施工現場において鉄筋の配筋作業を行う際のスペーサとして活用することもできる。

【0027】
貫通孔5の突縁部6を形成する際の加工方法は特に限定しないが、本実施形態においてはバーリング加工によって形成している。バーリング加工は、せん断抵抗材3の材料である鋼板に開設された下孔の内周縁をパンチとダイを用いて当該鋼板の板厚方向に立ち上げる加工技術である。なお、複合構造10においては、せん断抵抗材3を接合する基材1は平板形状であるが、これに限定しないので、せん断抵抗材3が接合可能な材料であれば、例えば、I形鋼、H形鋼、T形鋼、山形鋼、溝形鋼あるいは鋼管などの各種鋼材を使用することもできる。

【0028】
前述したように、せん断抵抗材3の貫通孔5には鉄筋(図示せず)を挿通させることができるので、それぞれの貫通孔5に対して1本若しくは複数本の割合で鉄筋(図示せず)を挿通させ、せん断抵抗材3及び鉄筋(図示せず)を埋設した状態で基材1の表面1a上にコンクリート系部材4を形成した構造とすることもできる。このような構造とすれば、水平せん断力(基材1の表面1aと平行方向のせん断力)を前記鉄筋に分担させることができるので変形能力が向上し、コンクリート系部材4の浮き上がりに対する抵抗力も向上するなどの優れた効果を得ることができる。

【0029】
次に、図5~図9に基づいて、第2~第6実施形態である複合構造20,30,40,50,60について説明する。なお、図5~図9はいずれも前述した図4と同様の一部省略断面図であり、図1に示すコンクリート系部材4及び隅肉溶接2に相当する部分を省略して示している。また、図5~図9に示す複合構造20,30,40,50,60において、図1に示す複合構造10の構成部分と同じ形状、機能を有する部分は図1中の符号と同じ符号を付して説明を省略する。

【0030】
図5に示す複合構造20においては、平板状の基材21の表面21aに隅肉溶接(図示せず)によって衝立状に接合された2枚のせん断抵抗材3と、せん断抵抗材3を埋設した状態で基材21の表面21a上に形成されたコンクリート系部材(図示せず)と、を備えている。2枚のせん断抵抗材3は、貫通孔5の突縁部6が突出していない他方の面3b同士を対向させた状態で、互いに平行をなすように配置されている。

【0031】
複合構造20においては、2枚のせん断抵抗材3がそれぞれせん断抵抗力及びずれ防止機能を発揮するので、複合構造10よりも剛性が高く、せん断耐力をさらに向上させることができる。

【0032】
次に、図6に示す複合構造30においては、平板状の基材31の表面31aに隅肉溶接(図示せず)によって衝立状に接合された2枚のせん断抵抗材3と、せん断抵抗材3を埋設した状態で基材31の表面31a上に形成されたコンクリート系部材(図示せず)と、を備えている。2枚のせん断抵抗材3は、貫通孔5の突縁部6が突出している片方の面3a同士を対向させた状態で、互いに平行をなすように配置されている。複合構造30においては、2枚のせん断抵抗材3がそれぞれせん断抵抗力及びずれ防止機能を発揮するので、複合構造10よりも剛性が高く、せん断耐力をさらに向上させることができる。

【0033】
次に、図7に示す複合構造40においては、平板状の基材41の表面41aに隅肉溶接(図示せず)によって衝立状に接合されたせん断抵抗材43と、せん断抵抗材43を埋設した状態で基材41の表面41a上に形成されたコンクリート系部材(図示せず)と、を備えている。せん断抵抗材43には、その長手方向に沿って複数の貫通孔5が一定間隔ごとに開設され、隣り合う貫通孔5における突縁部6の突出方向が互いに180度異なるように構成されている。即ち、隣り合う貫通孔5において、一方の貫通孔5の突縁部6はせん断抵抗材43の正面43aから突出し、他方の貫通孔5の突縁部6はせん断抵抗材43の背面43bから突出している。

【0034】
このような構成とすれば、せん断抵抗材43とコンクリート系部材(図示せず)とによって発揮されるせん断抵抗力が、せん断抵抗材43の正面43a及び背面43bにおいて均等化されるので、複合構造40の強度向上に有効である。

【0035】
次に、図8に示す複合構造50においては、平板状の基材51の表面51aに隅肉溶接(図示せず)によって衝立状に接合された2枚のせん断抵抗材43と、せん断抵抗材43を埋設した状態で基材51の表面51a上に形成されたコンクリート系部材(図示せず)と、を備えている。

【0036】
複合構造50においては、基材51の表面51aに2枚のせん断抵抗材43が互いに平行をなすように接合されているため、これらのせん断抵抗材43とコンクリート系部材(図示せず)とによって発揮されるせん断抵抗力が大きく、図7に示す複合構造40の場合よりもせん断耐力を向上させることができる。

【0037】
次に、図9に示す複合構造60においては、平板状の基材61の表面61aに隅肉溶接(図示せず)によって衝立状に接合されたせん断抵抗材63と、せん断抵抗材63を埋設した状態で基材61の表面61a上に形成されたコンクリート系部材(図示せず)と、を備えている。せん断抵抗材63には、その長手方向に沿って複数の貫通孔65が一定間隔ごとに開設され、各貫通孔65には、その内周縁から当該せん断抵抗材63の正面63a及び背面63bより外側へそれぞれ突出する突縁部66が設けられている。

【0038】
複合構造60においては、貫通孔65の突縁部66がせん断抵抗材63の両面(正面63a,背面63b)に設けられたことにより、せん断抵抗材63には表裏の違いが存在しなくなるので、せん断抵抗材63とコンクリート系部材(図示せず)とによって発揮されるせん断抵抗力が、せん断抵抗材63の正面43a及び背面43bにおいて均等化され、複合構造60の強度向上に有効である。

【0039】
また、図5~図9に示す複合構造20,30,40,50,60においては、せん断抵抗材3,43,63の貫通孔5,65に対して1本若しくは複数本の割合で鉄筋(図示せず)を挿通させ、せん断抵抗材3,43,63及び鉄筋(図示せず)を埋設した状態でそれぞれの基材21,31,41,51,61の表面21a,31a,41a,51a,61a上にコンクリート系部材(図示せず)を形成した構造とすることもできる。このような構造とすれば、前述と同様、変形能力が向上し、コンクリート系部材の浮き上がりに対する抵抗力も向上するなどの効果を得ることができる。

【0040】
次に、図10,図11に示す複合構造70においては、互いに対向状態に配置された2枚の平板状のせん断抵抗材73と、せん断抵抗材73の間に形成されたコンクリート系部材74と、を備え、せん断抵抗材73には、複数の貫通孔75が開設され、それぞれの貫通孔75の内周縁からコンクリート系部材74中に突出する突縁部76が設けられている。貫通孔5の突縁部76はせん断抵抗材73の片方の面73a(コンクリート系部材74との接触面)より突出している。複数の貫通孔75は円形であり、突縁部76は、貫通孔75の内周縁に沿って連続した短円筒形状をなしている。せん断抵抗材73はいずれも平板状の鋼板で形成されているが、これに限定するものではないので、波形板材、折板材などを使用することもできる。

【0041】
複合構造70においては、貫通孔75及び突縁部76を設けたことにより、2枚の鋼板製のせん断抵抗材73とコンクリート系部材74との接合部分において強力なずれ止め機能が得られるので、せん断耐力及び剛性を大幅に向上させることが可能であり、施工性も良好である。複合構造70の用途は限定しないので、様々な鉄筋コンクリート構造体に施工可能であるが、例えば、鉄筋コンクリート建築物(図示せず)の壁体構造等に好適である。

【0042】
次に、図12~図14に示す複合構造80においては、四角筒状の柱部材81と、柱部材81の下端部81a寄りの部分を埋設した状態で柱部材81の周囲に形成されたコンクリート系部材84aと、を備え、柱部材81のコンクリート系部材84a中に埋設された部分(下端部81a寄りの部分)に、複数の貫通孔85aが開設され、それぞれの貫通孔85aの内周縁からコンクリート系部材84a中に向かって突出する突縁部86aが設けられている。

【0043】
図12,図13に示すように、複数の貫通孔85aは、四角筒状の柱部材81の周壁の4つの平面部81pにそれぞれ上下2個ずつ、合計8個開設されているが、貫通孔85aの個数や配列状態などはこれに限定されない。貫通孔85aの突縁部86aは平面部81pより外側に突出している。

【0044】
図12,図14に示すように、柱部材81のコンクリート系部材84aから露出した部分(柱部材81の上端部81b寄りの部分)に、複数の貫通孔85bが開設され、それぞれの貫通孔85bの内周縁から柱部材81の軸心81cに向かって突出する突縁部86bが設けられ、柱部材81の内部にコンクリート系部材84bが充填されている。コンクリート系部材84a,84bは貫通孔85aを通じて一体的に連続している。

【0045】
図12,図14に示すように、複数の貫通孔85bは、四角筒状の柱部材81の周壁の4つの平面部81pにそれぞれ上下2個ずつ、合計8個開設されているが、貫通孔85bの個数や配列状態などはこれに限定されない。貫通孔85bの突縁部86bは平面部81pより内側に突出している。

【0046】
複合構造80においては、貫通孔85a,85b及び突縁部86a,86bを設けたことにより、せん断抵抗材である柱部材81とコンクリート系部材84a,84bとの接合部分において強力なずれ止め機能が得られるので、せん断耐力及び剛性を大幅に向上させることが可能であり、施工性も良好である。複合構造80の用途は限定しないので、様々な鉄筋コンクリート構造体に施工可能であるが、例えば、鉄筋コンクリート建築物(図示せず)の柱体構造などに好適である。

【0047】
また、図12に示すように、柱部材81のコンクリート系部材84a中に埋設された部分の貫通孔85aに鉄筋材85を貫通させ、コンクリート系部材84aと一体化させた構造とすることにより、強度及び変形性能のさらなる向上を図ることもできる。なお、複合構造80における柱部材81は四角筒形状であるが、これに限定しないので、その他の形状、例えば、多角筒形状、円筒形状、楕円筒形状あるいは長円筒形状などとすることもできる。

【0048】
なお、前述した複合構造10,20,30,40,50,60,70,80は本発明の複合構造を例示するものであり、本発明の複合構造はこれらの実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の複合構造は、建築産業や土木建設産業などの分野において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1,21,31,41,51,61 基材
1a,21a,31a,41a,51a,61a 表面
2 隅肉溶接
3,43,63,73 せん断抵抗材
3a,3b,73a 面
4,74,84a,84b コンクリート系部材
5,65,75,85a,85b 貫通孔
6,66,76,86a,86b 突縁部
10,20,30,40,50,60,70,80 複合構造
43a 正面
43b 背面
81 柱部材
81a 下端部
81b 上端部
81c 軸心
81p 平面部
88 鉄筋材
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
11
(In Japanese)【図13】
12
(In Japanese)【図14】
13
(In Japanese)【図15】
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(In Japanese)【図16】
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(In Japanese)【図17】
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(In Japanese)【図18】
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