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明細書 :擬似的MIMO通信路の形成およびMIMO伝送方式

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-042046 (P2018-042046A)
公開日 平成30年3月15日(2018.3.15)
発明の名称または考案の名称 擬似的MIMO通信路の形成およびMIMO伝送方式
国際特許分類 H04J  99/00        (2009.01)
H04L   5/00        (2006.01)
H04B   7/04        (2017.01)
FI H04J 15/00
H04L 5/00
H04B 7/04
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 6
出願番号 特願2016-173332 (P2016-173332)
出願日 平成28年9月6日(2016.9.6)
新規性喪失の例外の表示 申請有り
発明者または考案者 【氏名】冨安 貴文
【氏名】長尾 勇平
【氏名】黒崎 正行
【氏名】尾知 博
出願人 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
審査請求 未請求
テーマコード 5K159
Fターム 5K159EE02
要約 【課題】多重化数を増やしたシステムであるMIMOシステムを適用することで通信速度の限界を向上させることにより、所望の擬似的MIMO通信路の形成およびMIMO伝送方式を提供する。
【解決手段】本発明の擬似的MIMO通信路の形成およびMIMO伝送方式は、複数の送信信号に対し、異なる通信路を形成するため、既設のTV同軸ケーブル網までの通信路を複数形成することで、TV同軸ケーブル内に複数の信号を伝搬させることができるようにする。その伝搬させることができるようになったTV同軸ケーブル内にMIMOシステムを適用する。
【選択図】 図3
特許請求の範囲 【請求項1】
インターネット情報を受信した通信装置と既設のTV同軸ケーブル網までの間に擬似的MIMO通信路を形成することを特徴とするMIMO伝送方式
【請求項2】
前記擬似的MIMO通信路は、通信路を複数形成することにより、TV同軸ケーブル内に複数の信号を伝搬させることができるようにすることを特徴とするMIMO伝送方式
【請求項3】
前記既設のTV同軸ケーブル網までに形成する複数通信路の多重化数は2であることを特徴とするMIMO伝送方式
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、既設のTV同軸ケーブル網を用いた通信システムにおけるMIMO伝送方式およびMIMO通信路の形成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの利用者が著しく増えており、それに伴い携帯電話やノートPC等の様々なデバイスが普及するにつれて通信システムの使用者が増加している。その結果、家庭内のみでなく外出先におけるインターネット接続の需要も高まっており、ホテルや旅館などの宿泊施設にインターネット設備を導入する建物が増加している。しかし、宿泊施設における現在のインターネット導入率は60%であり、高くなく、その理由として導入コストが考えられる。
【0003】
以下にインターネット導入方法を3つ挙げる。
(1) 有線LAN 接続は、一番基本的な方法であり、LAN ケーブルを全ての部屋へ配線する方法である。それゆえに通信媒体となるLANケーブルを通すため、建物に穴を開けて配線する工事費が必要となる。
(2) 無線LAN接続は、無線LAN 端末を用いることで全エリアをカバーする方法である。ゆえに無線LANアクセスポイントや中継機を複数配置する必要がある。有線LAN接続に比べ工事費は安価であるが、サーバとアクセスポイント間を有線LANケーブルで配線する必要があること、アクセスポイント/中継機費が必要となり、結果として費用が高価となる。
(3)同軸ケーブル接続は、通信媒体となる同軸ケーブルを必要とするが、それはTVが配置されている宿泊施設において、TV 信号を伝搬するために各部屋まで配線されている。つまり新たに通信媒体を導入する必要がなく、有線LAN、無線LAN 接続に比べ工事費が安価になる。
これらのことから既設のTV同軸ケーブルを使った通信システムが検討されている。
【0004】
既設の同軸ケーブルを使った通信システムは、SISO(Single Input Single Output)伝送を基本とするため、通信速度に限界が存在する。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2015-211282
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のSISO形式では限界があった通信速度を、多重化数を増やしたシステムであるMIMOシステムを適用することで通信速度の限界を向上させることにより、所望の擬似的MIMO通信路の形成およびMIMO伝送方式を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の擬似的MIMO通信路の形成およびMIMO伝送方式は、複数の送信信号に対し、異なる通信路を形成するため、既設のTV同軸ケーブル網までの通信路を複数形成することで、TV同軸ケーブル内に複数の信号を伝搬させることができるようにする。その伝搬させることができるようになったTV同軸ケーブル内にMIMOシステムを適用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既設のTV同軸ケーブル網をそのまま使用し、品質を低下させることなく、また通信速度を2倍以上に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】既設のTV同軸ケーブル網である。
【図2】SISO形式のTV同軸ケーブル網を用いた通信システムの例である。
【図3】MIMO通信装置と既設のTV同軸ケーブル網までの間に擬似的MIMO通信路を形成した通信システムである。
【図4】シミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
【0010】
100 TVアンテナ
101 TV同軸ケーブル網
102 TV同軸ケーブル(アンテナからTV同軸ケーブル網)
200 SISO通信装置
201 部屋1におけるSISO通信装置
202 部屋2におけるSISO通信装置
203 部屋3におけるSISO通信装置
204 部屋nにおけるSISO通信装置
300 変換コネクタ
301 2分配器
302 変換コネクタ
303 変換コネクタ
304 変換コネクタ
305 変換コネクタ
306 分配器
400 TV同軸ケーブル(通信装置から2分配器)
401 TV同軸ケーブル(TVアンテナから2分配器)
402 TV同軸ケーブル(2分配器からTV同軸ケーブル網)
403 404、405、406と異なる長さのTV同軸ケーブル(通信装置から分配器)
404 403、405、406と異なる長さのTV同軸ケーブル(通信装置から分配器)
405 403、404、406と異なる長さのTV同軸ケーブル(通信装置から分配器)
406 403、404、405と異なる長さのTV同軸ケーブル(通信装置から分配器)
407 複数の通信信号が重畳されたTV同軸ケーブル(分配器から2分配器)
500 MIMO通信装置
501 部屋1におけるSISO通信装置
502 部屋2におけるSISO通信装置
503 部屋3におけるSISO通信装置
504 部屋nにおけるSISO通信装置
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明を説明する。
図1に示す通信システムは、既設のTV同軸ケーブル網を示している。TVアンテナ100はTV基地局から送信されたTV信号を受信する。TV同軸ケーブル網101は各建物によって異なり、全ての部屋へTV信号が伝搬されるように配線されている。部屋では、受信したTV信号をTVへ接続することで、TVを視聴が可能にされている。TV同軸ケーブル102はTV信号をTV同軸ケーブル網へ伝搬させる。

【0012】
図2に示す通信システムは、SISO形式のTV同軸ケーブル網を用いた通信システムを示している。このシステムは通信装置200、201、202、203、204を備えており、200とそれぞれ201、202、203、204の通信装置間で通信を行う。このとき通信装置200、201、202、203、204は、それぞれ単一の信号を変調/復調するためにSISOデコーダを利用している。また部屋数nに応じて通信装置は増えていく。出力端子300はTV同軸ケーブルのインターフェースに合わせるための変換コネクタである。2分配器301は通信信号とTV信号を重畳している。TV同軸ケーブル400は通信信号を重畳するために、任意の長さの同軸ケーブルとして新規に配線されており、通信信号を2分配器301に伝搬させる。TV同軸ケーブル401は任意の長さの同軸ケーブルとして新規に配線されており、TV信号を2分配器301に伝搬させる。TV同軸ケーブル402は任意の長さの同軸ケーブルとして新規に配線されており、TV信号と通信信号の両方が重畳された信号をTV同軸ケーブル網101に伝搬させる。

【0013】
図3に示すシステムは、MIMO形式のTV同軸ケーブル網を用いた通信システムを示している。図3の点線部分を構成することで、MIMOシステムを構成している。このシステムは通信装置500を備えており、500とそれぞれ501、502、503、504の通信装置間で通信を行う。このとき通信装置500、501、502、503、504は複数の信号を変調/復調するためにMIMOデコーダを利用している。また部屋数nに応じて通信装置は増えていく。出力端子302、303、303、304、305はTV同軸ケーブルのインターフェースに合わせるための変換コネクタである。分配器306は複数の通信信号を重畳しており、その端子数は多重化数によって異なる。TV同軸ケーブル403~406は通信信号を重畳するために、任意の長さの同軸ケーブルとして新規に配線されており、それぞれの同軸ケーブルの長さは全て異なっている。また多重化数によって配線される同軸ケーブルの本数は異なり、それぞれ通信信号を分配器306に伝搬させる。TV同軸ケーブル407は通信信号を重畳するために、任意の長さの同軸ケーブルとして新規に配線されており、2分配器301に伝搬させる。
【実施例】
【0014】
本発明の「既設のTV同軸ケーブル網をそのまま使用し、品質を低下させることなく、通信速度を2倍以上に向上させることができる」効果を確認するために、以下のシミュレーションを行った。
図3は、シミュレーションを行う通信システムを示す図である。
本シミュレーションでは、多重化数は2で行ったため、図3点線部分にあたる擬似MIMO通信路を形成するTV同軸ケーブルは2本である。また図3の点線部分を構成することで、MIMOシステムが可能となっており、点線部分のTV同軸ケーブル403に約2.5m、TV同軸ケーブル404に約5.0mの長さのTV同軸ケーブルをそれぞれ使用した。また分配器306は、TV同軸ケーブルが2本であるため、2分配器を使用している。TV同軸ケーブル網上において、信号の減衰率にはバラつきが存在する。そこで、最も減衰が少ない、最も減衰が大きい、それぞれの減衰の間の3箇所を抽出する。このとき抽出した箇所は図3において、部屋1、2、3を5F、2F、1Fとして構成する。この構成の意味は、5Fは信号の減衰が最も小さく、1Fは信号の減衰が最も大きいことを示している。また信号の流れに着目した際、図3の左側から右側の部屋へ信号が伝搬されている。最後に設定した部屋全てにおいて通信が可能であるかをシミュレーションにより確認する。シミュレーションの緒元を表1に示す。
【実施例】
【0015】
【表1】
JP2018042046A_000003t.gif

【実施例】
【0016】
図4は、シミュレーション結果を示す図である。
図4は全部屋に対する提案システムの受信特性を示している。 図4よりSNRが50dBのとき全ての変調方式に対し、通信可能な指標であるBER=10-3を達していることが確認できる。この結果は、MIMOシステムが適用可能であることを示し、提案システムによる、通信速度の向上を示している。
本結果では、イタレーション回数の関係で、一部逆転した結果となっているが、シミュレーション結果はイタレーション回数を増やせば、SNRが高くなる毎にBER特性が低くなるものであり、通信速度の向上を示していることは間違いない。
【産業上の利用可能性】
【0017】
通信を利用する全ての場所に、TV同軸ケーブルが配線されているホテル等の宿泊施設やアパート等大量の部屋を有する建物へのインターネット導入の際に、安価でかつ高速な通信システムを導入可能である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3