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明細書 :電力負荷ピークカットシステム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-038225 (P2018-038225A)
公開日 平成30年3月8日(2018.3.8)
発明の名称または考案の名称 電力負荷ピークカットシステム
国際特許分類 H02J   3/32        (2006.01)
H02J   7/34        (2006.01)
FI H02J 3/32
H02J 7/34 B
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2016-171627 (P2016-171627)
出願日 平成28年9月2日(2016.9.2)
発明者または考案者 【氏名】三谷 康範
【氏名】安東 静
出願人 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
【識別番号】100176142、【弁理士】、【氏名又は名称】清井 洋平
【識別番号】100127155、【弁理士】、【氏名又は名称】来田 義弘
審査請求 未請求
テーマコード 5G066
5G503
Fターム 5G066HA15
5G066HB09
5G066JA07
5G066JB03
5G066KA06
5G066LA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503DA04
5G503FA06
要約 【課題】二次電池に蓄えられている電力が必要以上に供給されるのを抑制して電力会社から供給される最大の電力量を低減する電力負荷ピークカットシステムを提供する。
【解決手段】外部発電設備P又は二次電池11~16からの電力を出力する電力出力部18~21を有する電力負荷ピークカットシステム10であって、電力検出手段25で検出された外部発電設備Pからの外部入力電力値を基に、各電力出力部18~21を、外部発電設備Pからの電力を出力する外部電力出力状態及び二次電池11~16からの電力を出力するローカル電力出力状態の一方から他方に切り替える切替手段26を備えて、外部入力電力値が所定値まで増加した際に外部電力出力状態にある電力出力部18~21の1つをローカル電力出力状態に切り替え、外部入力電力値が所定値まで減少した際にローカル電力出力状態にある電力出力部18~21の1つを外部電力出力状態に切り替える。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
外部発電設備から供給される最大供給電力値が予め定められた電力需要家に設けられ、該外部発電設備及び二次電池が接続されたローカル送電回路を備え、前記ローカル送電回路は、前記外部発電設備からの電力及び前記二次電池からの電力のいずれか一方をそれぞれ出力する複数の電力出力部を有する電力負荷ピークカットシステムであって、
前記外部発電設備から前記ローカル送電回路に供給されている外部入力電力値を検出する電力検出手段と、
検出された前記外部入力電力値を基に、前記各電力出力部を、前記外部発電設備からの電力を出力する外部電力出力状態及び前記二次電池からの電力を出力するローカル電力出力状態のいずれか一方から他方に切り替える切替手段を備え、
前記切替手段は、前記外部入力電力値が、前記最大供給電力値以下の値であって予め定められた第1値まで増加したのをトリガーに前記外部電力出力状態にある1つの前記電力出力部を前記ローカル電力出力状態に切り替え、前記外部入力電力値が、前記第1値未満であって予め定められた第2値まで減少したのをトリガーに前記ローカル電力出力状態にある1つの前記電力出力部を前記外部電力出力状態に切り替えることを特徴とする電力負荷ピークカットシステム。
【請求項2】
請求項1記載の電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記外部電力出力状態の前記電力出力部が複数存在し、かつ、該外部電力出力状態の該複数の電力出力部の少なくとも2つは出力している電力値が異なる状態で、前記外部入力電力値が前記第1値まで増加したのをトリガーに前記ローカル電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部は、前記外部電力出力状態で出力している電力値が大きい方から数えて2番目以降であることを特徴とする電力負荷ピークカットシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記外部入力電力値が前記第1値まで増加したのをトリガーに前記外部電力出力状態から前記ローカル電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部が出力している電力値をW1として、前記切替手段は、前記外部入力電力値が前記第1値まで増加したのをトリガーに、前記ローカル電力出力状態にあって、それぞれが出力している電力値の合計がW1以下となる複数の前記電力出力部の前記外部電力出力状態への切り替えも行うことを特徴とする電力負荷ピークカットシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記ローカル電力出力状態の前記電力出力部が複数存在する状態で、前記外部入力電力値が前記第2値まで減少したのをトリガーに前記外部電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部は、前記ローカル電力出力状態で出力している電力値が大きい方から数えて2番目以降であることを特徴とする電力負荷ピークカットシステム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記外部入力電力値が前記第2値まで減少したのをトリガーに前記ローカル電力出力状態から前記外部電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部が出力している電力値をW2として、前記切替手段は、前記外部入力電力値が前記第2値まで減少したのをトリガーに、前記外部電力出力状態にあって、それぞれが出力している電力値の合計がW2以下となる複数の前記電力出力部の前記ローカル電力出力状態への切り替えも行うことを特徴とする電力負荷ピークカットシステム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、電力会社から供給される電力に加えて二次電池に蓄えた電力を供給して電力会社からの電力供給の負荷を抑制する電力負荷ピークカットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社は、電力の需要のピークに応じた大きさの発電量を確保する必要があることから、ピーク時に電力会社から供給すべき電力量を削減することで、発電設備の数を減少させることや、発電設備の発電レベルを低下することが可能となる。そして、夜間は日中に比べ電力の需要量が減少する点に着目し、夜間に電力会社から供給される電力を二次電池に蓄え、二次電池に蓄えた電力を日中に供給して、電力会社から供給すべき最大の電力量を減少させる仕組み、所謂、ピークシフトの採用が活発化しており、その具体例が例えば特許文献1、2、3に開示されている。
【0003】
特許文献1には、各電力需要家、二次電池及び電力会社をネットワークで接続し、二次電池及び電力会社から各電力需要家に電力を供給して電力会社からの電力供給の負荷を平準化するシステムが記載されている。また、特許文献2には、電力会社からの電力供給に加えて、太陽電池からの電力供給及び電力貯蔵装置からの電力供給が可能なシステムで、電力使用量に応じて、電力供給元を太陽電池又は電力貯蔵装置から選択するものが開示されている。そして、特許文献3には、電力会社及び自動車のバッテリー(二次電池)から電力が供給可能なシステムにおいて、電力会社から供給されている電力及び自動車のバッテリーから供給されている電力の合計が所定の大きさを超える際に、全ての自動車のバッテリーから電力を供給するようにするものが記載されている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2005-333751号公報
【特許文献2】特開平11-332128号公報
【特許文献3】特開2007-282383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2、3に記載のシステムは、二次電池に蓄えられていた電力が必要以上に供給されないようにする設計にはなっておらず、結果として、二次電池に蓄積されていた電荷が早期に無くなるという課題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、二次電池に蓄えられている電力が必要以上に供給されるのを抑制して電力会社から供給される最大の電力量を低減する電力負荷ピークカットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る電力負荷ピークカットシステムは、外部発電設備から供給される最大供給電力値が予め定められた電力需要家に設けられ、該外部発電設備及び二次電池が接続されたローカル送電回路を備え、前記ローカル送電回路は、前記外部発電設備からの電力及び前記二次電池からの電力のいずれか一方をそれぞれ出力する複数の電力出力部を有する電力負荷ピークカットシステムであって、前記外部発電設備から前記ローカル送電回路に供給されている外部入力電力値を検出する電力検出手段と、検出された前記外部入力電力値を基に、前記各電力出力部を、前記外部発電設備からの電力を出力する外部電力出力状態及び前記二次電池からの電力を出力するローカル電力出力状態のいずれか一方から他方に切り替える切替手段を備え、前記切替手段は、前記外部入力電力値が、前記最大供給電力値以下の値であって予め定められた第1値まで増加したのをトリガーに前記外部電力出力状態にある1つの前記電力出力部を前記ローカル電力出力状態に切り替え、前記外部入力電力値が、前記第1値未満であって予め定められた第2値まで減少したのをトリガーに前記ローカル電力出力状態にある1つの前記電力出力部を前記外部電力出力状態に切り替える。
【0007】
本発明に係る電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記外部電力出力状態の前記電力出力部が複数存在し、かつ、該外部電力出力状態の該複数の電力出力部の少なくとも2つは出力している電力値が異なる状態で、前記外部入力電力値が前記第1値まで増加したのをトリガーに前記ローカル電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部は、前記外部電力出力状態で出力している電力値が大きい方から数えて2番目以降であるのが好ましい。
【0008】
本発明に係る電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記外部入力電力値が前記第1値まで増加したのをトリガーに前記外部電力出力状態から前記ローカル電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部が出力している電力値をW1として、前記切替手段は、前記外部入力電力値が前記第1値まで増加したのをトリガーに、前記ローカル電力出力状態にあって、それぞれが出力している電力値の合計がW1以下となる複数の前記電力出力部の前記外部電力出力状態への切り替えも行うのが好ましい。
【0009】
本発明に係る電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記ローカル電力出力状態の前記電力出力部が複数存在する状態で、前記外部入力電力値が前記第2値まで減少したのをトリガーに前記外部電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部は、前記ローカル電力出力状態で出力している電力値が大きい方から数えて2番目以降であるのが好ましい。
【0010】
本発明に係る電力負荷ピークカットシステムにおいて、前記外部入力電力値が前記第2値まで減少したのをトリガーに前記ローカル電力出力状態から前記外部電力出力状態に切り替えられる前記電力出力部が出力している電力値をW2として、前記切替手段は、前記外部入力電力値が前記第2値まで減少したのをトリガーに、前記外部電力出力状態にあって、それぞれが出力している電力値の合計がW2以下となる複数の前記電力出力部の前記ローカル電力出力状態への切り替えも行うのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電力負荷ピークカットシステムは、切替手段が、外部入力電力値が、最大供給電力値以下の値で予め定められた第1値まで増加したのをトリガーに外部電力出力状態にある1つの電力出力部をローカル電力出力状態に切り替え、外部入力電力値が、第1値未満で予め定められた第2値まで減少したのをトリガーにローカル電力出力状態にある1つの電力出力部を外部電力出力状態に切り替えるので、二次電池に蓄えられている電力が必要以上に供給されるのを抑制して外部発電設備(即ち、電力会社)から供給される最大の電力量を低減可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電力負荷ピークカットシステムの説明図である。
【図2】外部入力電力値の推移の例を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る電力負荷ピークカットシステムの一の電力出力部をローカル電力出力状態に切り替えた様子を示す説明図である。
【図4】外部入力電力値の推移と負荷の消費電力の関係を示す説明図である。
【図5】(A)、(B)はそれぞれ、外部入力電力値の推移の例を示す説明図である。
【図6】外部入力電力値の推移と負荷の消費電力の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る電力負荷ピークカットシステム10は、外部発電設備Pから供給される最大供給電力値が予め定められた電力需要家に設けられ、外部発電設備P及び二次電池11~16が接続されたローカル送電回路17を備え、ローカル送電回路17は、外部発電設備Pからの電力及び二次電池11~16からの電力のいずれか一方をそれぞれ出力する複数の電力出力部18~21を有するシステムである。以下、これらについて詳細に説明する。

【0014】
二次電池11~16は充放電可能な電池であり、図1に示すように、直流を交流に変換するインバータ22を介してローカル送電回路17に接続され、放電によって、ローカル送電回路17に電力を供給する。本実施の形態において、二次電池11、12はそれぞれ電気自動車EVに搭載され、二次電池13~15はそれぞれハイブリッド自動車HVに搭載されている。二次電池11~15はローカル送電回路17が設置された敷地内あるいは同敷地外で充電される。電力需要家とは、外部発電設備から供給された電力を消費する施設であり、事業所や一般家庭の建屋等が電力需要家に該当する。

【0015】
二次電池16は、ローカル送電回路17が設置された敷地に据え付けられ、外部発電設備Pからの電力が出力される商用電源Qに、交流を直流に変換するコンバータ23を介して接続されている。二次電池16は、夜間、商用電源Qを経由して外部発電設備Pから電力を供給されて充電する。なお、ローカル送電回路17に接続される二次電池は、充放電可能でローカル送電回路17に電力供給できるものであれば、ローカル送電回路17が設置された敷地に常設されているものであってもよいし、車に搭載された二次電池のように移動するものであってもよい。

【0016】
ローカル送電回路17は、複数の電力出力部18~21、24を有し、電力出力部18~21はスイッチ素子18a~21aをそれぞれ備えている。
スイッチ素子18a~21aは、負荷R1~R4にそれぞれ接続されている出力側に、インバータ22に接続されている入力側(以下、「第1入力側」とも言う)もしくは商用電源Qに接続されている入力側(以下、「第2入力側」とも言う)のいずれかを接続する。電力出力部24は、スイッチ素子を備えておらず、商用電源Qからの電力を、電力出力部24に接続された負荷R0に供給する。

【0017】
負荷R0~R4はそれぞれ、電力を供給されて作動する電気機器である。なお、図1においては、電力出力部18、19、20、21、24に、それぞれ一つの負荷R1、R2、R3、R4、R0のみを接続した様子が記載されているが、1つの電力出力部に複数の負荷を接続することもできる。本実施の形態では、負荷R0がエレベータ、空調機、事務機器等であり、負荷R1~R4が照明、空調機もしくは換気扇等である。本実施の形態では、電力出力部18、19、20から負荷R1、R2、R3にそれぞれ出力される電力値は同じ大きさであり、電力出力部21から負荷R4に出力される電力値は、電力出力部18、19、20から負荷R1、R2、R3にそれぞれ出力される電力値の4倍の大きさであるとする。

【0018】
スイッチ素子18aが第1入力側を出力側に接続している際、電力出力部18は二次電池11~16からの電力を負荷R1に出力する状態(以下、「ローカル電力出力状態」とも言う)にあり、スイッチ素子18aが第2入力側を出力側に接続している際、電力出力部18は商用電源Qから供給される外部発電設備Pからの電力を負荷R1に出力する状態(以下、「外部電力出力状態」とも言う)にある。スイッチ素子18aと電力出力部18のこの関係は、スイッチ素子19aと電力出力部19の関係、スイッチ素子20aと電力出力部20の関係、及び、スイッチ素子21aと電力出力部21の関係でも同様である。

【0019】
また、ローカル送電回路17には、外部発電設備Pから商用電源Qを介してローカル送電回路17に供給されている電力の値(以下、「外部入力電力値」とも言う)を検出する電力検出手段25と、電力検出手段25によって検出された外部入力電力値を基にスイッチ素子18a~21aに指令信号を送ってスイッチ素子18a~21aを切り替えて、電力出力部18~21をそれぞれ外部電力出力状態及びローカル電力出力状態のいずれか一方から他方に切り替える切替手段26が接続されている。
電力検出手段25は、切替手段26に接続され、検出している外部入力電力値を切替手段26に送ることができる。

【0020】
切替手段26は、各スイッチ素子18a~21aが外部電力出力状態又はローカル電力出力状態のいずれの状態にあるか、及び、電力出力部18~21、24から負荷R1~R4、R0にそれぞれ出力されている電力値を検出することができる。
本実施の形態では、周知のデマンドコントロール装置及び電磁リレーを基に電力検出手段25及び切替手段26を設計しているがこれに限定されない。

【0021】
また、本実施の形態において、外部発電設備Pから商用電源Qを通してローカル送電回路17に供給される最大供給電力値(以下、「外部電力最大供給値」とも言う)は予め定められており、ローカル送電回路17には外部電力最大供給値以下の範囲で電力が供給される。
ここで、外部電力最大供給値以下で予め定められた値を第1値、第1値未満で予め定められた値を第2値として、切替手段26は、電力検出手段25から受信した外部入力電力値の大きさ、各電力出力部18~21、24が出力している電力値、第1値及び第2値を基に、スイッチ素子18a~21aの状態を変える指令信号を適宜発信する。

【0022】
以下、スイッチ素子18a~21aの状態と外部入力電力値の関係について、図2に示す例を参照して説明する。図2に記載のグラフは外部入力電力値の時間経過に伴う推移を表し、f3、f1はそれぞれ第1値及び第2値を意味する。図2の例では、外部発電設備Pからローカル送電回路17に与えられる電力及び二次電池11~16からローカル送電回路17に与えられる電力の合計値が、時間t4まで上昇して時間t4で最も大きくなり、時間t4以降減少する。そして、時間t1まで(即ち、外部入力電力値が第1値に上昇するまで)、スイッチ素子18a~21aは、図1に示すように、全て外部電力出力状態にあるものとする。

【0023】
切替手段26は、図2に示すように、外部入力電力値が増加して、時間t1で、外部入力電力値が第1値まで増加したのを、電力検出手段25から受信する値によって検知したタイミングで(即ち、外部入力電力値が第1値まで増加したのをトリガーに)、図3に示すように、外部電力出力状態の電力出力部18(即ち、電力出力部18~21の中で外部電力出力状態にある1つ)をローカル電力出力状態に切り替える。この切り替えによって、外部入力電力値は、図2に示すように、電力出力部18から負荷R1に出力されていた電力分、減少し(実質的に減少し)、二次電池11~16からローカル送電回路17に、電力出力部18から負荷R1に出力されていた電力値と同じ(実質的に同じ)大きさの電力が、新たに供給されるようになる。

【0024】
外部入力電力値は、時間t2、t3のそれぞれでも、第1値まで増加するため、切替手段26は、外部電力出力状態の電力出力部19、20を時間t2、t3でそれぞれローカル電力出力状態に切り替える。従って、電力負荷ピークカットシステム10は、外部入力電力値が外部電力最大供給値を超えることなく、負荷R1~R3、R0に電力を供給することができる。

【0025】
また、仮に、外部電力出力状態の電力出力部18~21をローカル電力出力状態に切り替える仕組みが無い場合、外部入力電力値は、図2の2点鎖線のように、時間t4まで継続的に増加する。外部電力最大供給値は、外部入力電力値の最大値以下である必要があることから、電力負荷ピークカットシステム10を採用することによって、外部電力出力状態の電力出力部をローカル電力出力状態に切り替える仕組みが無いシステムを採用するのに比べ、外部電力最大供給値を小さくすることができる。

【0026】
そして、切替手段26は、外部入力電力値が時間t4以降減少して時間t5で第2値まで減少したのを、電力検出手段25から受信する値によって検知したタイミングで(即ち、外部入力電力値が第2値まで減少したのをトリガーに)、ローカル電力出力状態の電力出力部20(即ち、電力出力部18~21の中でローカル電力出力状態にある1つ)を外部電力出力状態に切り替える。この切り替えによって、外部入力電力値は、電力出力部20から負荷R3に出力されていた電力分、増加して(実質的に増加して)、f2となり、二次電池11~16からローカル送電回路17に供給されていた電力は、電力出力部20から負荷R3に出力されていた電力分、減少する(実質的に減少する)。

【0027】
外部入力電力値は、時間t6、t7のそれぞれでも、第2値まで減少するため、切替手段26は、ローカル電力出力状態の電力出力部19、18を時間t6、t7でそれぞれ外部電力出力状態に切り替える。従って、電力負荷ピークカットシステム10は、二次電池11~16に蓄えられている電力が必要以上に消費(出力)されるのを抑制して、負荷R1~R3、R0に電力を供給可能である。

【0028】
本実施の形態では、第2値が、電力出力部18~20から負荷R1~R3にそれぞれ出力される電力値を第1値から差し引いた値より所定値(この所定値を、以下、αとする)小さい値である。そのため、電力出力部18~21の中で外部電力出力状態にある1つをローカル電力出力状態に切り替えた際、外部入力電力値が外部電力最大供給値を超えることはない。なお、αの値は、各電力出力部から負荷に出力される電力等によって左右されるため、αの値の定量値は存在しない。

【0029】
ここで、外部入力電力値の推移と、負荷R1~R3が消費している電力との関係について、図4を参酌して説明する。
時間t1で外部電力出力状態の電力出力部18をローカル電力出力状態に切り替えるのは、外部入力電力値が第1値を超えないようにするためであり、図4に示すように、時間t1で二次電池11~16からローカル送電回路17に供給が開始される電力値(電力の大きさ)は、負荷R1で消費されている電力値、即ち、図4において「R1」と記載した長方形の枠の高さ分の消費電力値である。時間t1~t2の間に二次電池11~16からローカル送電回路17に与えられる電力量は、時間t1~t2の間に負荷R1が消費する電力量の略半分であることが分かる。

【0030】
同様に、時間t2で電力出力部19が切り替えられて、二次電池11~16からローカル送電回路17に新たに与えられるようになった電力の時間t2~t3の間の量(電力量)は、時間t2~t3の間に負荷R2が消費する電力量の略半分であることが分かる。
そして、時間t3で電力出力部20が切り替えられて、二次電池11~16からローカル送電回路17に新たに与えられるようになった電力の時間t3~t5の間の量は、時間t3~t5の間に負荷R3で消費する電力量の半分に満たないことが分かる。

【0031】
これに対し、図5(A)、(B)は、電力出力部21がローカル電力出力状態になる例である。上述したように、電力出力部18~21から出力されている電力値は、電力出力部18、19、20が等しく、電力出力部21が電力出力部18、19、20の4倍である。
以下、スイッチ素子18a~21aの状態と外部入力電力値の関係について、図5(A)、(B)に示す例を参照して説明する。

【0032】
なお、図5(A)、(B)に示す例は、電力出力部18~21のローカル電力出力状態及び外部電力出力状態の一方から他方への切り替えに差異があり、この差異は、切替手段26の設定によって設けることができる。図5(A)、(B)に記載されたf1、f2、f3は、図2に記載されたf1、f2、f3と同じ大きさであり、図5(B)のf1’’は、f1より小さい値で、図5(B)の例における第2値である。また、図5(A)、(B)に示す例はいずれも、時間t1’あるいは時間t1’’まで(即ち、外部入力電力値が第1値に上昇するまで)、スイッチ素子18a~21aが全て外部電力出力状態にあるものとする。

【0033】
図5(A)に示す例では、時間t1’、t2’、t3’、t4’で、外部入力電力値が第1値まで増加する。そこで、切替手段26は、時間t1’、t2’、t3’で電力出力部を外部電力出力状態からローカル電力出力状態にそれぞれ切り替える。即ち、外部電力出力状態の複数の電力出力部18~21が存在する状態で、外部入力電力値が第1値まで増加したのをトリガーにローカル電力出力状態に切り替えられるのは、外部電力出力状態で出力している電力値が大きい方から数えて2番目以降の電力出力部、即ち電力出力部18~20である。

【0034】
そして、時間t4’では、外部入力電力値が第1値(f3)まで増加したのをトリガーに、切替手段26が、電力出力部21を外部電力出力状態からローカル電力出力状態に切り替えるのに加え、電力出力部18~20をローカル電力出力状態から外部電力出力状態に切り替える。ここで、時間t4’で電力出力部21が負荷R4に出力している電力値をW1として、切替手段26は、時間t4’において、外部入力電力値が第1値まで増加したのをトリガーに、ローカル電力出力状態にあって、それぞれが出力している電力値の合計がW1以下となる複数の電力出力部18~20を外部電力出力状態へ切り替えることとなる。

【0035】
これに対し、図5(B)に示す例は、外部入力電力値が第1値まで増加する時間t1’’、t2’’、t3’’、t4’’で、切替手段26が、電力出力部18、19、20、21を外部電力出力状態からローカル電力出力状態にそれぞれ切り替える点で、図5(A)に示す例と同じであるが、時間t4’’で、ローカル電力出力状態の電力出力部18、19、20を外部電力出力状態に切り替えず、この点で、図5(B)に示す例と図5(A)に示す例は異なる。

【0036】
そして、その異なる点があることによって、図5(A)に示す例の時間t4’直後の外部入力電力値は、図5(B)に示す例の時間t4’’直後の外部入力電力値より大きくなる。よって、図5(A)に示す例は、図5(B)に示す例に比べ、外部入力電力値が外部電力最大供給値を超えない範囲で、二次電池11~16から出力される電力を抑制できる。

【0037】
次に、図5(A)、(B)に示す例で、外部入力電力値が減少する際の様子を説明する。なお、図5(A)に示す例では、時間t4’の後時間t5’までの間に、電力出力部18~20が外部電力出力状態からローカル電力出力状態に切り替えられており、時間t5’の直前で、電力出力部18~21が全てローカル電力出力状態にあるとする。そして、図5(B)に示す例では、時間t5’’の直前まで、電力出力部18~21が全てローカル電力出力状態を維持されていたものとする。

【0038】
図5(A)に示す例では、時間t5’、t6’、t7’、t8’で、外部入力電力値が第2値(f1)まで減少する。そのため、切替手段26は、時間t5’、t6’、t7’で電力出力部18、19、20をローカル電力出力状態から外部電力出力状態にそれぞれ切り替える。即ち、ローカル電力出力状態の複数の電力出力部18~21が存在する状態で、外部入力電力値が第2値まで減少したのをトリガーに外部電力出力状態に切り替えられるのは、ローカル電力出力状態で出力している電力値が大きい方から数えて2番目以降の電力出力部18~20である。

【0039】
そして、時間t8’では、外部入力電力値が第2値まで減少したのをトリガーに、切替手段26が、電力出力部21をローカル電力出力状態から外部電力出力状態に切り替えるのに加え、電力出力部18~20を外部電力出力状態からローカル電力出力状態に切り替える。ここで、時間t8’で電力出力部21が負荷R4に出力している電力値をW2として、切替手段26は、時間t8’において、外部入力電力値が第2値まで減少したのをトリガーに、外部電力出力状態にあって、それぞれが出力している電力値の合計がW2以下となる複数の電力出力部18~20をローカル電力出力状態へ切り替えることとなる。

【0040】
これに対し、図5(B)に示す例は、外部入力電力値が第2値(f1’’)まで減少する時間t5’’、t6’’、t7’’、t8’’で、切替手段26が、電力出力部18、19、20、21をローカル電力出力状態から外部電力出力状態にそれぞれ切り替える点で、図5(A)に示す例と同じであるが、時間t8’’で、外部電力出力状態の電力出力部18、19、20のローカル電力出力状態への切り替えを行わない。この点で、図5(B)に示す例と図5(A)に示す例は異なる。そのため、二次電池11~16から出力される電力は、図5(A)に示す例の時間t5’~t8’の合計量が、図5(B)に示す例の時間t5’’~t8’’の合計量より多くなる。

【0041】
ここで、外部入力電力値の推移と、負荷R1~R4が消費している電力との関係について、図6を参酌して説明する。
図6に示す例では、時間T1で、外部入力電力値が第1値(F3)まで増加している。従って、時間T1で、外部電力出力状態の電力出力部18がローカル電力出力状態に切り替えられ、外部入力電力は、電力出力部18を経由して負荷R1に出力されていた電力分減少し、二次電池11~16からローカル送電回路17に対し、外部入力電力の減少した大きさと同じ大きさの電力が供給され始める。

【0042】
外部入力電力値は、時間T2、T3のそれぞれでも、第1値まで増加するため、外部電力出力状態の電力出力部19、20は、時間T2、T3でそれぞれローカル電力出力状態に切り替えられる。そして、外部入力電力値が、時間T4で、第1値まで増加した際、ローカル電力出力状態であった電力出力部18、19、20が外部出力状態に切り替えられ、外部電力出力状態であった電力出力部21がローカル電力出力状態に切り替えられる。

【0043】
負荷R4の消費電力は、負荷R1~R3の各消費電力の4倍であるため、時間T4では、負荷R1~R3の各消費電力の4倍の大きさの電力から負荷R1~R3の消費電力の総和の電力を差し引いた大きさの電力(即ち、負荷R1~R3の各消費電力の大きさと同じ大きさの電力)が、二次電池11~16からローカル送電回路17に新たに供給されることとなる。なお、二次電池11~16からローカル送電回路17に供給される電力は、時間T1~T4のそれぞれで、段階的に増加することが分かる。

【0044】
時間T5で外部入力電力値が第1値まで増加すると、外部電力出力状態に切り替えられていた電力出力部18がローカル電力出力状態に切り替えられ、負荷R1の消費電力の大きさの電力が二次電池11~16からローカル送電回路17に新たに供給される。
時間T6で外部入力電力値が第1値まで増加すると、外部電力出力状態であった電力出力部19がローカル電力出力状態となって、負荷R2の消費電力の大きさの電力が二次電池11~16からローカル送電回路17に新たに供給されることとなる。

【0045】
そして、時間T7から全体の消費電力が減少し始め、時間T8で外部入力電力値が第2値(F1)まで減少すると、ローカル電力出力状態の電力出力部19が外部電力出力状態に切り替えられ、二次電池11~16からローカル送電回路17に供給されていた電力は、負荷R2の消費電力分減少し、外部入力電力値は負荷R2の消費電力分増加する。時間T9で外部入力電力値が第2値まで減少することによって、ローカル電力出力状態の電力出力部18が外部電力出力状態に切り替えられ、二次電池11~16からローカル送電回路17に供給されていた電力は、負荷R1の消費電力分減少し、外部入力電力値は負荷R1の消費電力分減少する。
以上の説明は、同じ大きさの負荷R1、R2、R3と負荷R1等の4倍の大きさの負荷R4によって第1値と第2値との差が小さい値により電力負荷ピークカットシステム10を構成できることを説明したものであるが、電力負荷のピーク電力がもっと大きい場合には、負荷R1等の4倍の負荷R4に相当する負荷を複数設け、上記と同様の作動をさせることで対応可能である。

【0046】
外部入力電力値が時間T10で第2値まで減少した際、ローカル電力出力状態の電力出力部21は外部電力出力状態に切り替えられ、外部電力出力状態であった電力出力部18、19、20がそれぞれローカル電力出力状態に切り替えられる。負荷R4の消費電力は、負荷R1、R2、R3の各消費電力の4倍であるため、この切り替えによって、負荷R1、R2、R3の各消費電力の4倍の大きさの電力から負荷R1、R2、R3の消費電力の総和の電力が、外部発電設備Pからローカル送電回路17に供給される電力に追加されることとなる。

【0047】
時間T11、T12、T13で外部入力電力値が第2値まで減少した各タイミングで、ローカル電力出力状態の電力出力部20、19、18がそれぞれ外部電力出力状態に切り替えられる。そして、時間T13での電力出力部18の外部電力出力状態への切り替えによって、ローカル電力出力状態から外部電力出力状態への切り替え全てが完了する。
電力出力部18~21にそれぞれ接続されている負荷R1~R4の消費電力値が異なっていても、図6に示すような運用を行うことで、二次電池11~16に蓄えられた電力を必要以上に消費することなく、外部発電設備Pから供給される電力量を所定の値以下にすることができる。

【0048】
本実施の形態は、消費電力量が等しい負荷R1~R3及び消費電力量が負荷R1~R3の各消費電力量の4倍である電力需要家に適用される電力負荷ピークカットシステム10であるが、その他の組み合わせの負荷を備える電力需要家に対しても電力負荷ピークカットシステム10を応用した電力負荷ピークカットシステムを採用できることは言うまでもない。

【0049】
また、電力負荷ピークカットシステム10により、外部発電設備Pと電力需要家間の契約により決定される外部発電設備Pから電力需要家への最大供給電力値(契約電力)をどの程度下げることができるかについて検討すると、契約電力は、図4に示すf1とf3の略中間の値にすること、図6に示すF1とF3の略中間の値にすることが考えられる。この点、図4、図6に示す例では、電力需要家の消費電力の曲線が山状になっているが、実際には各電力需要家の電力消費事情によって、消費電力の曲線は必ずしも山状にはならないこともあり、契約電力の値をどの値にするのが最適かは一概に言い難い。

【0050】
一方、第1値は、各電力負荷ピークカットステムで決定される値であることから、外部入力電力値が第1値を超えないようにすることは確実にできる。
そこで、第1値に仮の値を設定し、その後、実際の外部入力電力値の推移を一定期間観察することにより、最適な第1値及び最適な契約電力の値を定めるのがよいと考えられる。

【0051】
なお、電力会社と電力需要家間の電力供給に関する契約には、以下の1)~4)で説明するデマンド契約というものが存在するため、電力負荷ピークカットシステム10は、デマンド契約の対象である電力需要家で採用するのには好適である。
1)一年を通して電力需要家の消費電力が最も高くなった値(最大消費電力値)をデマンド値として契約電力を設定し、デマンド値を基に電力需要家が電力会社に支払う月々の基本料金を決定する。
2)実際の最大消費電力値がデマンド値を超えると、電力需要家に違約金支払い義務が生じ、更に、電力需要家は、翌月からのデマンド値をアップさせるように指示を受ける。
3)翌月からはデマンド値を超過した最大消費電力値が、新たなデマンド値として定められ、基本料金が上がり、デマンド値が変更されてから一年間はデマンド値を下げることができない。
4)2)の実際の最大消費電力値がデマンド値を超えるというのは、30分間単位の平均電力がデマンド値を超えることを意味するため、瞬間的にデマンド値を超える最大消費電力値を使用しても、デマンド値を変える必要はない。

【0052】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、外部電力出力状態の電力出力部が複数存在する状態で、外部入力電力値が第1値まで増加したのをトリガーにローカル電力出力状態に切り替える電力出力部は、外部電力出力状態で出力している電力値が最大のものであってもよい。また、ローカル電力出力状態の電力出力部が複数存在する状態で、外部入力電力値が第2値まで減少したのをトリガーに外部電力出力状態に切り替えられる電力出力部は、ローカル電力出力状態で出力している電力値が最小のものであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
10:電力負荷ピークカットシステム、11~16:二次電池、17:ローカル送電回路、18:電力出力部、18a:スイッチ素子、19:電力出力部、19a:スイッチ素子、20:電力出力部、20a:スイッチ素子、21:電力出力部、21a:スイッチ素子、22:インバータ、23:コンバータ、24:電力出力部、25:電力検出手段、26:切替手段、EV:電気自動車、HV:ハイブリッド自動車、P:外部発電設備、Q:商用電源、R0~R4:負荷
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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