特表2002-542286(JP,A) 特表2008-521514(JP,A) 国際公開第2005/046702(WO,A1) 特開2001-213779(JP,A) 特表2007-532537(JP,A) International Journal of Oral-Medical Sciences,2018年,17(1),p.18-26
【非特許文献1】Apajalahti S.et al., “The in vivo levels of matrix metalloproteinase-1 and -8 in gingival crevicular fluid during initial orthodontic tooth movement.” J. Dent. Res. (2003): 82, pp.1018-22. 【非特許文献2】Madan MS et al., “Effects of human relaxin on orthodontic tooth movement and periodontal ligaments in rats.” Am. J. Orthod. Dentofac. Orthop. (2007): 131: 8., e1-10. 【非特許文献3】Kawasaki K et al., “Effects of low-energy laser irradiation on bone remodeling during experimental tooth movement in rats.” Lasers Surg. Med. (2000) 26, pp.282-291. 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 本発明は、歯の後戻りを抑制するリラキシンと同等の作用を有する代替化合物、およびそれを用いた歯科用装着具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明者はダイゼインを培養歯根膜細胞に作用させ、DNAマイクロアレイ分析を用いて、リラキシンの遺伝子に影響を与えるか、検討を行った。その結果、本発明者はダイゼインが歯根膜細胞においてリラキシンの遺伝子発現量を有意に増大させることを見出し、本願発明を完成させた。 【0013】 すなわち、本発明は、下記の構成をとる。 (1)ダイゼインを有効成分として含む、歯の後戻り抑制剤; (2)経口投与用である、請求項1に記載の歯の後戻り抑制剤; (3)上記(1)又は(2)に記載の歯の後戻り抑制剤を保持した歯科用装着具; (4)上記(1)又は(2)に記載の歯の後戻り抑制剤、並びに、薬学的に許容できる担体及び希釈剤のうち少なくともいずれかを含む、医薬組成物; (5)有効量のダイゼインを投与する、ヒトの歯の後戻りを抑制する方法; (6)歯の後戻りの抑制に用いるためのダイゼイン。 【発明の効果】 【0014】 本発明の歯の後戻り抑制剤を使用することにより、歯の矯正時、及び歯の矯正後に生じる歯の後戻りを抑制することができる。 すなわち、本発明の後戻りの抑制剤は注射による注入以外に経口投与でも効果を生じるため、リラキシンを歯の矯正時に注射で注入する従来の方法に代わり、経口投与を行うことで矯正終了後の歯の後戻りの抑制を行うことも期待できる。 またダイゼインは、リラキシンと比較して分子量が小さいため、体内や細胞への移行性が良いと考えられ、注射による注入方法以外にも、経口投与、経皮的投与方法によっても投与することが可能である。またその効き目は長く、異物として捉えられにくいために副作用が出にくいと考えられる。更に代謝・排泄もされやすいというメリットがあり、歯の後戻りの治療薬として優れた薬剤であるといえる。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】実施例において、歯の矯正装置除去時、及び除去後3日目の歯の後戻りの大きさを、歯の矯正装置除去時の歯の位置を基準として計測した結果を示す。 【図2】本発明の歯の後戻り抑制剤を保持して口腔内に装着した際に薬剤を放出するのに用いられる歯科用装着具の一例としてのマウスピースを示す。(a)は装着前の状態を示し、(b)は装着時の状態を示す。 【図3】ラットにおける歯の後戻りモデルを使った実験において、歯の移動を意図的に行った状態を示す図である。 【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。