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明細書 :両末端にパーフルオロアルキル基を有する新規アロマティック化合物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6288618号 (P6288618)
公開番号 特開2015-168638 (P2015-168638A)
登録日 平成30年2月16日(2018.2.16)
発行日 平成30年3月7日(2018.3.7)
公開日 平成27年9月28日(2015.9.28)
発明の名称または考案の名称 両末端にパーフルオロアルキル基を有する新規アロマティック化合物
国際特許分類 C07C 323/18        (2006.01)
C07C 323/20        (2006.01)
C09K   3/00        (2006.01)
B01J  20/22        (2006.01)
B01D  69/00        (2006.01)
B01D  71/06        (2006.01)
FI C07C 323/18 CSP
C07C 323/20
C09K 3/00 103H
B01J 20/22 A
B01D 69/00 500
B01D 71/06
請求項の数または発明の数 7
全頁数 32
出願番号 特願2014-043509 (P2014-043509)
出願日 平成26年3月6日(2014.3.6)
審査請求日 平成29年1月18日(2017.1.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】岡本 浩明
【氏名】森田 由紀
審査官 【審査官】福山 則明
参考文献・文献 国際公開第2010/143658(WO,A1)
特開2010-280799(JP,A)
国際公開第2007/083843(WO,A1)
特開2007-191627(JP,A)
特開2010-282728(JP,A)
国際公開第2009/116352(WO,A1)
フッ素系有機ゲル化剤を基盤とした地球温暖化ガスの固定化技術の開発,2010年度技術研究報告書,公益財団法人JFE21世紀財団,2010年,第89-97頁
調査した分野 C07C 323/18
C07C 323/20
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物。
【化1】
JP0006288618B2_000037t.gif

但し、n,mはそれぞれ2~18の整数;R,Rはそれぞれ単結合又は炭素数~6の分枝又は直鎖状アルキレン基;Rは炭素数3~18の分枝又は直鎖状アルキレン基;X,Xはいずれか一方がスルホニル基であり、他方がチオ基を表す。
【請求項2】
一般式(1)で表される化合物が、下記構造式である請求項1記載の化合物。
【化2】
JP0006288618B2_000038t.gif

但し、n,m,R,R,Rは請求項1に同じ。
【請求項3】
一般式(1)で表される化合物が下記構造式である請求項1記載の化合物。
【化3】
JP0006288618B2_000039t.gif

但し、n,m,R,R,Rは請求項1に同じ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物よりなる増粘剤。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物を0.1~5重量%含む有機液体よりなる粘性液体組成物。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の化合物と有機液体よりなる炭酸ガス収着剤。
【請求項7】
請求項6に記載の炭酸ガス収着剤を多孔質膜に塗布してなる炭酸ガス分離膜。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、両末端にパーフルオロアルキル基を有する新規アロマティック化合物に関し、有機液体の増粘やゲル化或いは炭酸ガスの収着剤や炭酸ガス分離膜として有用な化合物に係わる。
【背景技術】
【0002】
すでに、本発明者らは両末端にパーフルオロアルキル基を有する、いくつかの化合物を提案した(特許文献1、2、3)。これらは、優れたゲル化剤となる化合物や、該ゲル化剤を用いた二次電池である。
【0003】
これらの化合物は、炭化水素、分子中に酸素、窒素或いは硫黄等の異種元素を含む有機液体、中でもイオン液体等をゲル化する能力を有するものであり、接着剤、塗料、印刷インキ、化粧品、医療品、食品等の流動性を制御したり、チクソトロピー性を付与したりする目的で用いられるものであった。
【0004】
これらの用途の中には、ゼラチンや寒天のごとく比較的低い温度でゲルがゾルに転移し、形状を保てなくなると都合の悪い用途もあり、より高温、例えば100℃を越えてもゲルが保たれる必要のある用途も存在する。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2007-191627
【特許文献2】特開2010-282728
【特許文献3】特開2010-280799
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、より高温下、例えば100℃を越える温度までゲル状を保てる有機液体のゲル化に用いられる添加剤や増粘剤となり得る新規な化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、両末端にパーフルオロアルキル基を有する新規アロマティック化合物であって、次の化学構造を有することを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明の第1の態様は下記一般式(1)で表される化合物である。
【0009】
【化1】
JP0006288618B2_000002t.gif

但し、n,mはそれぞれ2~18の整数;R,Rはそれぞれ単結合又は炭素数~6の分枝又は直鎖状アルキレン基;Rは炭素数3~18の分枝又は直鎖状アルキレン基;X,Xはいずれか一方がスルホニル基であり、他方がチオ基を表す。
【0010】
また、本発明の第2の態様は一般式(1)で表される化合物が、下記構造式である第1の態様記載の化合物である。
【0011】
【化2】
JP0006288618B2_000003t.gif
但し、n,m,R,R,Rは第1の態様に同じ。
【0012】
更に、本発明第3の態様は一般式(1)で表される化合物が下記構造式である第1の態様記載の化合物である。
【0013】
【化3】
JP0006288618B2_000004t.gif
但し、n,m,R,R,Rは第1の態様に同じ。
【0014】
また、本発明の第4の態様は、(1)乃至(3)のいずれかに記載の化合物よりなる増粘剤である。
【0015】
更に、本発明の第5の態様は(1)乃至(3)のいずれかに記載の化合物を0.1~5重量%好ましくは0.2~3重量%含む有機液体よりなる粘性液体組成物である。
【0016】
更にまた本発明の第6の態様は、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の化合物と有機液体よりなる炭酸ガス収着剤である。
【0017】
また、本発明の第7の態様は、請求項6に記載の炭酸ガス収着剤を多孔膜に塗布してなる炭酸ガス分離膜である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、両末端がパーフルオロアルキル基である一般式(1)で表されるアロマティック化合物、すなわち下記(2)又は(3)式よりなる新規化合物である。
【0019】
【化4】
JP0006288618B2_000005t.gif

【0020】
【化5】
JP0006288618B2_000006t.gif

但し、n,mはそれぞれ2~18の整数であり、R,Rはそれぞれ同一又は異なる単結合又は炭素数~6の分枝又は直鎖状のアルキレン基で、Rは炭素数3~18の分枝又は直鎖状アルキレン基である。
【0022】
以上、一般式(2)又は(3)で表される、一方のパーフルオロアルキル基がアルキレン基を介するか又は介さずしてチオ基を介してビフェニレン基と結合し、他方のパーフルオロアルキル基がアルキレン基を介するか又は介さずして、スルホニル基を介してフェニレン基に結合した形態(一般式(2)の化合物)か、又はチオ基とスルホニル基とが逆に結合した形態(一般式(3)の化合物)の如く、スルホニル基とチオ基とが分子内で、それぞれ位置を変えてはいるが、共に存在する化合物とすることにより、その増粘された有機液体(又はゲル)は著しく炭酸ガスの収着能力が高くなり、また加熱や、減圧又は炭酸ガス濃度の低い気体と接触させることにより炭酸ガスを放出することができるので気体中や排ガス中の炭酸ガスの除去等、環境汚染の防止や炭酸ガスの運搬用媒体となるだけでなく、有機液体のゲル化剤や増粘剤としても有効に使用できる。特に一般式(2)で表される化合物は100℃以上、場合によっては160℃の高温下でも少量の添加により有機液体をゲル化し得るし、また一般式(3)で表される化合物は、有機液体の増粘剤として好適に使用することができる。
【0023】
なお、本明細書において、有機液体とは、炭化水素の如く、水と均一に混合されない有機物のみならず、水と均一に混合され水分を50%以下含有する例えばアルコール類の如きものを含めて有機液体と称するものとする。勿論、有機液体は単一の化合物であってもよいし、他の物質例えば金属粉その他の無機物等が懸濁したものであってもよい。水とエマルジョン状態となっていてもよい。
【0024】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、粘性液体とは、使用された有機液体の常温下における粘度が高く、水飴状態から軟性固体(所謂ゲル状態)までの状態の液体を指すものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1の(a),(b)及び(c)は、本発明の化合物(2)をゲル化剤として用いた種々の溶剤に対する添加濃度とゲル-ゾル転移温度とを表すグラフである。
【図2】図2の(a),(b)は、本発明の化合物(3)をゲル化剤として用いた種々の有機溶液に対する濃度とゲル-ゾル転移温度とを表わすグラフである。
【図3】本発明の化合物を用いたイオン液体中への炭酸ガス及び窒素ガスの収着と分圧の関係を示すグラフである。
【図4】図4の(a)及び(b)は、図3と同じ炭酸ガス収着剤をポリエーテルスルホン多孔膜に塗布した炭酸ガス分離膜による窒素ガス中の炭酸ガス分離における両ガスの透過係数(a)と炭酸ガスの分離係数(b)を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の化合物は、次の特徴を有する。
(I)分子の両末端にパーフルオロアルキル基が存在すること。
(II)分子中にビフェニレン基とフェニレン基とがアルキレン基にそれぞれエーテル結合を介して直鎖状に連なっていること。
(III)該ビフェニレン基及びフェニレン基は、一方がスルホニル基と結合し、他方がチオ基と結合する非対称であること。

【0027】
以上の特異的構造である新規化合物は、2個のアロマティック基が共にビフェニレン基であったり又は共にフェニレン基であったりした場合や、両アロマティック基に結合する硫黄元素が共にスルホニル基やチオ基である場合と異なり極めて高温下、例えば図1及び図2に示すように100℃以上、場合によっては160℃程度のゲル-ゾル転移温度を示したり、又は0.1~5重量%という少量の添加で高い増粘性を示し、粘性液体となるのである。

【0028】
本発明において、前記一般式中のn,mはパーフルオロアルキル基の長さを規定するための数値であり、少なくとも炭素数は2以上のパーフルオロアルキレン基が必要である。特に炭素数4~7の分枝又は直鎖状のパーフルオロ基であり、更に長鎖であってもよいが炭素数が18以上では合成上困難であり、また炭素数8を越えると人体に害を生ずる化合物となる場合がある。

【0029】
また、R,Rはアルキレン基であり、これは必ずしも存在しなくてもよいが、パーフルオロアルキル基とアロマティックとを容易に結合させるために炭素数6程度までのアルキレン基を分子中に存在させるのが有利となる。また、Rは少なくとも3以上であり、分枝又は直鎖状の炭素数18程度までのアルキレン基であり、好ましくは3~6である。該アルキレン基が18を越えてあまりに長大化するとゲル化能力が低下する。

【0030】
本発明の化合物は、スルホニル基がフェニレンに結合した場合(すなわち化合物(2))は、粘性液体として極めて高いゾル-ゲル転移温度を示す。また、スルホニル基がビフェニレン基に結合している化合物(化合物(3))については、高い粘度の粘性液体を与える。

【0031】
すなわち、本発明(2)及び(3)の代表的各化合物である次に示す化合物(2-a)及び(3-a)を増粘剤として用いた場合の粘性液体の状態の例を表1に示す。

【0032】
【化6】
JP0006288618B2_000007t.gif

【0033】
【化7】
JP0006288618B2_000008t.gif

【0034】
【表1】
JP0006288618B2_000009t.gif
また、いずれの化合物にあっても、炭酸ガス収着剤として有機液体、特にイオン液体中に1重量%乃至5重量%添加した場合、炭酸ガスを可逆的に収着又は蒸発させる性質を有し、特に燃焼排ガス中の炭酸ガスの減少や、炭酸ガスの運搬用に有効に用いられる。更に、本発明の化合物を用いた粘性液体組成物を例えばポリオレフィンやポリエーテルスルホン等の多孔フィルムや繊維織物又は不織布等の布状物に塗布(表面のみならず、多孔内にも充填された場合を含む)した支持膜は炭酸ガス分離膜として用いることができる。この場合、多孔膜は可及的に開孔面積が広いことが有利であるが膜強度維持の関係から開孔面積は一般に20~95%程度が好ましく、平均細孔径は0.1μ~2mm程度、好ましくは0.2μ~1mmであり、膜厚は特に重要ではないが、支持膜に塗布される粘性液体組成物が支持膜表面に厚く露出すると、使用中に脱落する虞れがあるため、塗布は支持膜厚程度が好ましい。また支持膜厚は一般に0.1mm以上程度であり、支持膜が厚いほど平均孔径は大きくできるがあまりに大孔径とすれば、支持膜厚を大きくしても、孔内に充填されている粘性液体が脱落する虞れがあり、また炭酸ガスの透過係数も低下するので、支持膜厚は10mm以下、好ましくは1mm以下とすべきである。

【0035】
分離膜の作成方法は特に限定されない。多孔質支持体に粘性液体を塗布すればよい。例えば、加熱等により粘度を下げて支持体に刷毛等で塗布するか又は粘度を下げた粘性液体中に支持体を浸漬して、多孔質支持体の孔中に十分に粘性液体を充填し、必要によりスキージ等で表面の余分の粘性液体を除去した後、これを使用時の温度以下まで放冷し、高粘性液体、好ましくはゲル状とする等が好ましく採用される。

【0036】
炭酸ガス分離手段は、特に限定されず、通常用いられるガス分離膜による分離方法が採用される。

【0037】
すなわち、分離膜を挟んで上流側に炭酸ガスを含むガスを流し、下流側は炭酸ガスを含まないガスを流すか或いは更に上流側よりも圧力を下げる。

【0038】
更に、場合によっては下流側にアルカリ性のガス又は流体を存在させることもできる。

【0039】
以下に図面について説明する。

【0040】
図1(a)は、本発明の化合物(2)を用い、種々のイオン液体をゲル化させた場合の濃度とゲル-ゾル転移温度(Tgel-sol/℃)との関係を示す例であり、該図から理解されるとおり有機液体の種類によっては120~160℃程度の高温下でもゲル状を保つことができるので、例えば、自動車用バッテリーなど過酷な条件下においても十分に使用に耐えることがわかる。また図1(b)は、プロピレンカーボネート(PC)、γ-ブチロラクトン(GBL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの炭素以外の元素を含む有機液体あるいは無機塩を含む有機液体をゲル化させることを示したものであり、図1(c)は、ポリアルファオレフィンオイル(PAO;炭化水素)をゲル化した場合の例である。

【0041】
また、図2は、本発明の化合物(3)について、添加割合とゲル-ゾル転移温度を示したグラフである。これらのグラフから、本発明の化合物が極めて少量、例えば0.1重量%好ましくは0.2~3重量%程度で、有機化合物を増粘、特にゲル化させることがわかる。

【0042】
更に、図3は、各ガスにおける圧力と収着量の変化を示すグラフであり、窒素ガスに比べて炭酸ガスが選択的に吸着されることがわかる。

【0043】
図3の測定には磁気浮遊天秤(日本ベル株式会社製、高圧ガス吸着量測定装置、MSB-AD-H)を使用した。

【0044】
図4は、図3の場合と同じ粘性液体組成物をポリエーテルスルホン薄膜に塗布し、炭酸ガス20%(vol)を含む窒素ガスから炭酸ガスを分離した場合の例を示す図であり、(a)は両ガスの透過係数を示すグラフであり、明らかに炭酸ガスが優先的に透過していることが分かる。また、(b)は、両ガスにおける分離係数を示すグラフである。

【0045】
なお、本発明の新規化合物の合成方法は特に限定されず、有機合成化学における当業者が本発明の化合物を見た時、思い付くであろう一般的方法で合成することができるが、その一例のスキームを以下に示す。
本発明の化合物(2)について、以下のスキームで合成される。
なお、反応式において、1,4-ジオキサンを「Dioxane」と略記する(以下同じ。)。

【0046】
【化8】
JP0006288618B2_000010t.gif

【0047】
【化9】
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上記反応式において、Pは0~6、Qは3~18の整数、nは一方がmであってもよいが、特許請求の範囲と同じ数である。

【0048】
本発明の化合物を増粘剤、特にゲル化剤として用いる方法は、特に限定されず、すでに公知の増粘剤やゲル化剤と同様に粘性液体を得ようとする有機液体に所定量の増粘剤を添加混合すればよい。好ましくは、溶解を促進するための該有機液体は、ゲル化温度以上に加温下に混合すればよい。

【0049】
以下に実施例を示す。
【実施例1】
【0050】
本発明の化合物2について、次の例を示す。
【実施例1】
【0051】
合成手順は次のとおりである。
【実施例1】
【0052】
【化10】
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化合物Bの合成
【実施例1】
【0053】
【化11】
JP0006288618B2_000013t.gif
窒素雰囲気下で4-ブロモアニソール(10.07g,53.84mmol)、削状マグネシウム(1.86g,76.51mmol)とドライテトラヒドロフラン50mLを200mLの二口フラスコに入れて室温で灰色の溶液となるまで撹拌を行った。そして-78℃に冷却した後にホウ酸トリメチル(6.32g,60.82mmol)とドライテトラヒドロフラン50mLを加えて2時間撹拌した。徐々に室温に戻してさらに2時間撹拌した。空気雰囲気下に戻して1N希塩酸50mLを氷冷中で加えて1時間撹拌した。反応後にフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへ酢酸エチル、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。この分液操作を3回行って得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮して化合物Bを得た。

状態:白色結晶
融点:205~206℃
収率:77%
収量:6.25g

IR(KBrdisc):
ν=3358(O-H),1601,1580(C=C),1250(>O)cm-1

1HNMR(500MHz,DMSO-d6):
δ=3.76(3H,s),6.88(2H,d,J=8.5Hz),7.73(2H,d,J=8.5Hz),7.85(2H,s)ppm

化合物Dの合成
【実施例1】
【0054】
【化12】
JP0006288618B2_000014t.gif
2-(ペルフルオロヘキシル)エチルアイオダイド(30.02g,63.33mmol)、4-ブロモベンゼンチオール(11.96g,63.29mmol)、炭酸カリウム(13.29g,96.16mmol)とアセトン100mLを200mLのナスフラスコに入れて60℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると固体が得られた。その固体をエタノールで再結晶して化合物Dを得た。

状態:白色粉末
融点:39~41℃
収率:96%
収量:32.41g

IR(KBrdisc):
ν=1580,1477(C=C),1248-1140(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.33-2.43(2H,m),3.10(2H,m),7.23(2H,d,J=8.5Hz),7.46(2H,d,J=8.5Hz)ppm

化合物Eの合成
【実施例1】
【0055】
【化13】
JP0006288618B2_000015t.gif
窒素雰囲気下で化合物D(1.93g,3.61mmol)、化合物B(0.65g,4.27mmol)、炭酸ナトリウム(0.75g,7.11mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.01g,1.2mol%)、トリフェニルホスフィン(0.03g,3.2mol%)、水10mL、1,4-ジオキサン(反応式においてDioxaneと略記する。)50mLを100mLのナスフラスコに入れて100℃で12時間還流した。反応後にフラスコを室温まで静置して空気雰囲気下に戻した。そこへ1N希塩酸30mLを加えて中和した後に吸引濾過により固体を得た。その固体を酢酸エチルで溶解させて吸引濾過した後、濾液をエバポレーターで濃縮すると固体が得られた。その固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して化合物Eを得た。

状態:白色粉末
融点:129~131℃
収率:93%
収量:1.85g

IR(KBrdisc):
ν=1601,1580(C=C),1250(>O),1248-1140(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.33-2.48(2H,m),3.14(2H,m),3.85(3H,s),6.98(2H,d,J=9.2Hz),7.41(2H,d,J=8.5Hz),7.52(2H,d,J=9.2Hz),7.52(2H,d,J=8.5Hz)ppm

化合物Fの合成
【実施例1】
【0056】
【化14】
JP0006288618B2_000016t.gif
化合物E(1.00g,1.78mmol)、三臭化ホウ素(1.20g,4.79mmol)とジクロロメタン50mLを200mLのナスフラスコに入れて氷浴中で2時間撹拌した。徐々に室温に戻してさらに12時間撹拌した。その後、氷浴中で水を加えて1時間撹拌した後に分液漏斗に移した。そこへエーテルを加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると化合物Fが得られた。

状態:白色粉末
融点:171~172℃
収率:89%
収量:0.87g

IR(KBrdisc):
ν=3445(O-H),1609,1489(C=C),1234-1188(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.37-2.48(2H,m),3.14(2H,m),4.92(1H,s),6.91(2H,d,J=8.5Hz),7.41(2H,d,J=7.9Hz),7.47(2H,d,J=8.5Hz),7.51(2H,d,J=7.9Hz)ppm

化合物Hの合成
【実施例1】
【0057】
【化15】
JP0006288618B2_000017t.gif
2-(ペルフルオロヘキシル)エチルアイオダイド(10.01g,2.11mmol)、4-メルカプトフェノール(2.67g,2.11mmol)、炭酸カリウム(3.59g,2.60mmol)とアセトン100mLを300mLのナスフラスコに入れて60℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水、1N希塩酸を加えて酸性にして有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると固体が得られた。その固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して化合物Hを得た。

状態:白色粉末
融点:69~71℃
収率:79%
収量:7.85g

IR(KBr):
ν=3431cm-1(O-H)、1591,1496cm-1(C=C)、1236-1141cm-1(C-F)

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.28-2.38(2H,m)、2.99(2H,m,J=8.2Hz)、5.00(1H,s)、6.82(2H,d,J=8.5Hz)、7.34(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Iの合成
【実施例1】
【0058】
【化16】
JP0006288618B2_000018t.gif
化合物H(3.00g,6.35mmol)、1,6-ジブロモヘキサン(4.65g,19.1mmol)、炭酸カリウム(1.11g,8.03mmol)とアセトン100mLを200mLのナスフラスコに入れて60℃で8時間還流した。HPLCで反応の進行度を1時間毎に確認した(保持時間は化合物H:4.2min、化合物I:5.1min)。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると液体が得られた。その液体にメタノールを加えて再沈殿させた。これにより析出した固体を吸引濾過で取り除いて濾液を得た。この濾液を減圧蒸留で精製して化合物Iを得た。

状態:淡黄色粘性液体から淡黄色固体
融点:32~35℃
収率:67%
収量:2.72g

IR(KRS-5):
ν=2936,2862(>CH2),1595,1495(C=C),1246-1144(C-F),640-520(C-Br)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=1.49-1.58(6H,m),1.80(2H,quin,J=6.4Hz),1.90(2H,quin,J=6.4Hz),2.28-2.38(2H,m),3.30(2H,m),3.42(2H,t,J=6.7Hz),3.95(2H,t,J=6.7Hz),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.36(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Jの合成
【実施例1】
【0059】
【化17】
JP0006288618B2_000019t.gif
化合物H(5.00g,1.06mmol)、1,6-ジブロモヘキサン(7.86g,3.22mmol)、炭酸カリウム(2.00g,1.45mmol)と3-ペンタノン100mLを200mLのナスフラスコに入れて120℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると液体が得られた。その液体にメタノールを加えて再沈殿させた。これにより析出した固体を吸引濾過で取り除いて濾液を得た。
【実施例1】
【0060】
濾液(3.40g,5.35mmol)、35%過酸化水素(1.10g,11.32mmol)、酢酸50mLを100mLのナスフラスコに入れて100℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへ水、亜硫酸水素ナトリウムを加えると白色沈澱ができた。その沈殿物を吸引濾過で取り出し、水で洗浄して固体を得た。その固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、石油エーテルで洗浄して化合物Jを得た。

状態:白色粉末
融点:64~66℃
収率:55%
収量:1.98g

IR(KBr):
ν=2939,2868cm-1(-CH2-)、1598,1496cm-1(C=C)、1246-1178cm-1(C-F)、640-520cm-1(C-Br)

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=1.52-1.58(8H,m)、1.85(2H,quin,J=6.4Hz)、1.91(2H,quin,J=6.4Hz)、2.53-2.63(2H,m)、3.28-3.31(2H,m)、3.43(2H,t,J=6.7Hz)、4.06(2H,t,J=6.4Hz)、7.05(2H,d,J=8.5Hz)、7.85(2H,d,J=8.5Hz)ppm

化合物2の合成
【実施例1】
【0061】
【化18】
JP0006288618B2_000020t.gif
化合物F(0.27g,0.50mmol)、化合物J(0.30g,0.45mmol)、炭酸カリウム(0.12g,0.87mmol)と3-ペンタノン50mLを100mLのナスフラスコに入れて120℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへ水を加えると白色沈澱が析出した。その沈殿物を吸引濾過で取り出した後、メタノールで洗浄して化合物2を得た。

状態:白色粉末
融点:167~168℃
収率:78%
収量:0.40g

IR(KBrdisc):
ν=2940,2868(>CH2),1597,1499(C=C),1252-1190(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=1.56-1.58(4H,m),1.86(2H,quin,J=6.4Hz),1.88(2H,quin,J=6.4Hz),2.37-2.48(2H,m),2.56-2.63(2H,m),3.14(2H,m),3.29(2H,tt,J=8.2,4.0Hz),4.03(2H,t,J=6.4Hz),4.07(2H,t,J=6.4Hz),6.97(2H,d,J=8.5Hz),7.05(2H,d,J=9.2Hz),7.41(2H,d,J=8.5Hz),7.51(2H,d,J=8.5Hz),7.52(2H,d,J=7.9Hz),7.84(2H,d,J=9.2Hz)ppm
【実施例2】
【0062】
本発明の化合物3について、次の化合物の合成例を示す。
【実施例2】
【0063】
【化19】
JP0006288618B2_000021t.gif
化合物Hの合成
【実施例2】
【0064】
【化20】
JP0006288618B2_000022t.gif
2-(ペルフルオロヘキシル)エチルアイオダイド(10.01g,2.11mmol)、4-メルカプトフェノール(2.67g,2.11mmol)、炭酸カリウム(3.59g,2.60mmol)とアセトン100mLを300mLのナスフラスコに入れて60℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水、1N希塩酸を加えて酸性にして有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると固体が得られた。その固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して化合物Hを得た。

状態:白色粉末
融点:69~71℃
収率:79%
収量:7.85g

IR(KBr):
ν=3431cm-1(O-H)、1591,1496cm-1(C=C)、1236-1141cm-1(C-F)

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.28-2.38(2H,m)、2.99(2H,m,J=8.2Hz)、5.00(1H,s)、6.82(2H,d,J=8.5Hz)、7.34(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Iの合成
【実施例2】
【0065】
【化21】
JP0006288618B2_000023t.gif
化合物H(3.00g,6.35mmol)、1,6-ジブロモヘキサン(4.65g,19.1mmol)、炭酸カリウム(1.11g,8.03mmol)とアセトン100mLを200mLのナスフラスコに入れて60℃で8時間還流した。HPLCで反応の進行度を1時間毎に確認した(保持時間は化合物H:4.2min、化合物I:5.1min)。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると液体が得られた。その液体にメタノールを加えて再沈殿させた。これにより析出した固体を吸引濾過で取り除いて濾液を得た。この濾液を減圧蒸留で精製して化合物Iを得た。

状態:淡黄色粘性液体から淡黄色固体
融点:32~35℃
収率:67%
収量:2.72g

IR(KRS-5):
ν=2936,2862(>CH2),1595,1495(C=C),1246-1144(C-F),640-520(C-Br)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=1.49-1.58(6H,m),1.80(2H,quin,J=6.4Hz),1.90(2H,quin,J=6.4Hz),2.28-2.38(2H,m),3.30(2H,m),3.42(2H,t,J=6.7Hz),3.95(2H,t,J=6.7Hz),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.36(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Bの合成
【実施例2】
【0066】
【化22】
JP0006288618B2_000024t.gif
窒素雰囲気下で4-ブロモアニソール(10.07g,53.84mmol)、削状マグネシウム(1.86g,76.51mmol)とドライテトラヒドロフラン50mLを200mLの二口フラスコに入れて室温で灰色の溶液となるまで撹拌を行った。そして-78℃に冷却した後にホウ酸トリメチル(6.32g,60.82mmol)とドライテトラヒドロフラン50mLを加えて2時間撹拌した。徐々に室温に戻してさらに2時間撹拌した。空気雰囲気下に戻して1N希塩酸50mLを氷冷中で加えて1時間撹拌した。反応後にフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへ酢酸エチル、トルエン、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。この分液操作を3回行って得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮して化合物Bを得た。

状態:白色結晶
融点:205~206℃
収率:77%
収量:6.25g

IR(KBrdisc):
ν=3358(O-H),1601,1580(C=C),1250(>O)cm-1

1HNMR(500MHz,DMSO-d6):
δ=3.76(3H,s),6.88(2H,d,J=8.5Hz),7.73(2H,d,J=8.5Hz),7.85(2H,s)ppm
化合物Lの合成
【実施例2】
【0067】
【化23】
JP0006288618B2_000025t.gif
2-(ペルフルオロヘキシル)エチルアイオダイド(30.02g,63.33mmol)、4-ブロモベンゼンチオール(11.96g,63.29mmol)、炭酸カリウム(13.29g,96.16mmol)とアセトン100mLを200mLのナスフラスコに入れて60℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへエーテル、水、飽和食塩水を加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると固体が得られた。その固体をエタノールで再結晶して化合物Lを得た。

状態:白色粉末
融点:39~41℃
収率:96%
収量:32.41g

IR(KBrdisc):
ν=1580,1477(C=C),1248-1140(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.33-2.43(2H,m),3.10(2H,m),7.23(2H,d,J=8.5Hz),7.46(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Mの合成
【実施例2】
【0068】
【化24】
JP0006288618B2_000026t.gif
化合物L(10.00g,18.69mmol)、35%過酸化水素水(6.30g,62.96mmol)、酢酸70mLを100mLのナスフラスコに入れて120℃で3日間還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへ亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加えると白色沈澱が析出した。その沈殿物を吸引濾過で取り出した後、水で洗浄して化合物Mを得た。

状態:白色粉末
融点:127~129℃
収率:97%
収量:10.22g

IR(KBrdisc):
ν=1578,1390(C=C),1240-1190(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.55-2.65(2H,m),3.33(2H,m),7.77(2H,d,J=8.5Hz),7.81(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Nの合成
【実施例2】
【0069】
【化25】
JP0006288618B2_000027t.gif
窒素雰囲気下で化合物M(4.67g,8.23mmol)、化合物B(1.50g,9.87mmol)、炭酸ナトリウム(1.75g,16.45mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.01g,1.4mol%)、トリフェニルホスフィン(0.03g,1.4mol%)、水20mL、1,4-ジオキサン(反応式においてDioxaneと略記する。)80mLを200mLのナスフラスコに入れて100℃で12時間還流した。反応後にフラスコを室温まで静置して空気雰囲気下に戻した。そこへ1N希塩酸50mLを加えて中和した後に吸引濾過により固体を得た。その固体をクロロホルムで溶解させて吸引濾過した後、濾液をエバポレーターで濃縮すると固体が得られた。その固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して化合物Nを得た。

状態:白色粉末
融点:187~189℃
収率:99%
収量:4.85g

IR(KBrdisc):
ν=1609,1528(C=C),1249(>O),1233-1140(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=2.58-2.69(2H,m),3.36(2H,m),3.88(3H,s),7.03(2H,d,J=8.5Hz),7.58(2H,d,J=8.5Hz),7.77(2H,d,J=8.5Hz),7.96(2H,d,J=8.5Hz)ppm
化合物Oの合成
【実施例2】
【0070】
【化26】
JP0006288618B2_000028t.gif
化合物N(2.00g,3.37mmol)、三臭化ホウ素(2.60g,10.38mmol)とジクロロメタン50mLを200mLのナスフラスコに入れて氷浴中で2時間撹拌した。徐々に室温に戻してさらに12時間撹拌した。その後、氷浴中で水を加えて1時間撹拌した後に分液漏斗に移した。そこへエーテルを加えて有機層と水層に分離した。得られた有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて1時間放置した後、有機層をひだ折り濾過して濾液をエバポレーターで濃縮すると化合物Oが得られた。

状態:白色粉末
融点:207~209℃
収率:85%
収量:1.65g

IR(KBrdisc):
ν=3445(O-H),1611,1489(C=C),1230-1190(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,DMSO-d6):
δ=2.55-2.66(2H,m),3.72(2H,m),6.90(2H,d,J=8.5Hz),7.64(2H,d,J=8.5Hz),7.90(2H,d,J=8.5Hz),7.98(2H,d,J=8.5Hz),9.82(1H,s)ppm
化合物3の合成
【実施例2】
【0071】
【化27】
JP0006288618B2_000029t.gif
化合物O(0.47g,0.810mmol)、化合物I(0.50g,0.787mmol)、炭酸カリウム(0.17g,1.23mmol)と3-ペンタノン50mLを100mLのナスフラスコに入れて120℃で一晩還流した。反応後にナスフラスコを室温まで静置して分液漏斗に移した。そこへ水を加えると白色沈澱が析出した。その沈殿物を吸引濾過で取り出した後、メタノールで洗浄して化合物3を得た。

状態:白色粉末
融点:158~160℃
収率:67%
収量:0.60g

IR(KBrdisc):
ν=2940,2868(>CH2),1597,1497(C=C),1234-1190(C-F)cm-1

1HNMR(500MHz,CDCl3):
δ=1.83(2H,quin,J=6.4Hz),1.86(2H,quin,J=6.4Hz),2.28-2.38(2H,m),2.58-2.69(2H,m),2.99(2H,m),3.35(2H,m),3.98(2H,t,J=6.4Hz),4.04(2H,t,J=6.4Hz),6.87(2H,d,J=8.5Hz),7.01(2H,d,J=8.5Hz),7.37(2H,d,J=8.5Hz),7.57(2H,d,J=8.5Hz),7.77(2H,d,J=8.5Hz),7.96(2H,d,J=8.5Hz)ppm
【実施例3】
【0072】
本発明の下記増粘剤の物性及び増粘効果について以下に示す。
【実施例3】
【0073】
【化28】
JP0006288618B2_000030t.gif
【実施例3】
【0074】
【表2】
JP0006288618B2_000031t.gif
【実施例3】
【0075】
【表3】
JP0006288618B2_000032t.gif
【実施例3】
【0076】
【表4】
JP0006288618B2_000033t.gif
なお、これら、ゲルの転移温度は図1の(a)~(c)に示す。
【実施例4】
【0077】
本発明の下記増粘剤の物性及び効果の一例について以下に示す。
【実施例4】
【0078】
【化29】
JP0006288618B2_000034t.gif
【実施例4】
【0079】
【表5】
JP0006288618B2_000035t.gif
【実施例5】
【0080】
[BMIM][TFSA](名称1-Butyl-3-methylimidazoliumbis(trifluoromethanesulfonyl)amide)97wt%及び3wt%のゲルによる炭酸ガス(本願発明)と窒素ガス(比較例)の25℃における収着状態と分圧の関係を示す。ガス収着量の測定は、高圧ガス吸収量測定装置(日本ベル株式会社製、高圧ガス吸収量測定装置、MSB-AD-H)を用いて測定した。温度制御は温度コントローラー(F25ME)、気体は純度99.9%CO2(大陽日酸株式会社製)、99.99%N2(岩谷産業株式会社製)を使用し、解析にはMessPro2を用いた。測定結果を以下に示す。
【実施例5】
【0081】
【表6】
JP0006288618B2_000036t.gif
また、これらのグラフを図3に示す。
これらのグラフから、
CO-[BMIM][TFSA]はy=0.295x、H=3.39MPa

CO-[BMIM][TFSA]gelはy=0.291x、H=3.44MPa

-[BMIM][TFSA]はy=0.01671x、H=59.84MPa

-[BMIM][TFSA]gelはy=0.01682x、H=59.45MPa
と計算され、ヘンリー定数の値から各ガスのモル分率は、粘性液体の状態にほぼ無関係のことがわかる。
【実施例6】
【0082】
炭酸ガスの分離
実施例5に用いた粘性液体組成物(ゲル)を用い、ポリエーテルスルホン(PES)膜(Pall Corporation Supor(登録商標)200;平均孔径0.2μm、膜厚145μm)を支持体として、フロー式ガス透過率測定装置(株式会社ジェイ・サイエンス)を用いて測定した。(フィルター面積22.9cm)測定ガスは、CO:N=20:80の混合ガス(岩谷産業株式会社製)、ガスフローは測定ガス50ml/min。下流側キャリアガスはHeを用い50ml/minで流した。上流側、下流側とも常圧、室温で行った。
【実施例6】
【0083】
両ガスの透過係数を図6(a)に示し、分離係数を図6(b)に示す。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3