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明細書 :T細胞活性化剤、T細胞の活性化方法、および、T細胞培養用培地

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6621171号 (P6621171)
公開番号 特開2017-007977 (P2017-007977A)
登録日 令和元年11月29日(2019.11.29)
発行日 令和元年12月18日(2019.12.18)
公開日 平成29年1月12日(2017.1.12)
発明の名称または考案の名称 T細胞活性化剤、T細胞の活性化方法、および、T細胞培養用培地
国際特許分類 A61K  39/395       (2006.01)
A61K  33/42        (2006.01)
A61P  37/04        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
C12N   5/02        (2006.01)
C12N   5/0783      (2010.01)
FI A61K 39/395 G
A61K 33/42
A61P 37/04
A61P 35/00
C12N 5/02
C12N 5/0783
請求項の数または発明の数 6
全頁数 14
出願番号 特願2015-125147 (P2015-125147)
出願日 平成27年6月22日(2015.6.22)
審査請求日 平成30年6月6日(2018.6.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
発明者または考案者 【氏名】黒田 章夫
【氏名】河本 正次
【氏名】廣田 隆一
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
審査官 【審査官】新熊 忠信
参考文献・文献 特開2011-016758(JP,A)
特開2001-314183(JP,A)
特表2003-529363(JP,A)
特開平05-219945(JP,A)
国際公開第2004/075906(WO,A1)
Haematologica,2006年,Vol.91,p.1180-1186
Annual Review of Biochemistry,1988年,Vol.57,p.235-260
調査した分野 A61K 39/00-39/44
A61K 31/00-33/44
A61P 35/00
A61P 37/04
C12N 5/00- 5/28
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)


特許請求の範囲 【請求項1】
抗TCR抗体と、ポリリン酸と、を含有し
上記ポリリン酸は、以下の一般式(1)にて示される、直鎖状ポリリン酸であることを特徴とするT細胞活性化剤。
n+2(P3n+1) ・・・一般式(1)
上記一般式(1)のnの値は、10以上1000以下の整数である。
【請求項2】
上記抗TCR抗体は、抗CD3抗体であることを特徴とする請求項1に記載のT細胞活性化剤。
【請求項3】
T細胞の増殖およびサイトカイン生産を促進させるためのものであることを特徴とする請求項1または2に記載のT細胞活性化剤。
【請求項4】
上記サイトカインは、インターロイキン-4、インターロイキン-10、および、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つのサイトカインであることを特徴とする請求項に記載のT細胞活性化剤。
【請求項5】
請求項1~の何れか1項に記載のT細胞活性化剤を含有していることを特徴とするT細胞培養用培地。
【請求項6】
採取されたT細胞に、抗TCR抗体および以下の一般式(1)にて示される、直鎖状ポリリン酸を接触させる工程を有することを特徴とするT細胞の活性化方法。
n+2(P3n+1) ・・・一般式(1)
上記一般式(1)のnの値は、10以上1000以下の整数である。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、T細胞活性化剤、T細胞の活性化方法、および、T細胞培養用培地に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、免疫において重要な役割を担うT細胞の機能を制御することによって、様々な疾患(例えば、癌、または、アレルギーなど)を治療しようとする試みがなされている。例えば、機能が制御されたT細胞を患者に投与することによって、当該患者内の癌を治療しようとする試みがなされている。
【0003】
このような治療を行うには、まず、T細胞を活性化させる必要がある。T細胞を活性化させる方法としては、(i)T細胞に抗原を作用させる方法、および、(ii)T細胞にサイトカインを作用させる方法、等を挙げることができる。例えば、非特許文献1~4には、T細胞にサイトカイン(具体的には、インターロイキン-2)を作用させることによってT細胞を活性化させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Timothy J. Eberlein et al., “Regression of a disseminated syngeneic solid tumor by systemic transfer of lymphoid cells expanded in interleukin 2” Journal of Experimental Medicine, Vol.156, August 1982, 385-397
【非特許文献2】Steven A. Rosenberg et al., “Cancer immunotherapy using interleukin-2 and interleukin-2-activated lymphocytes” Annu. Rev. Immunol., 1986, 4:681-709
【非特許文献3】Andreas Mackensen et al., “Phase I study of adoptive T-cell therapy using antigen-specific CD8+ T cells for the treatment of patients with metastatic melanoma” Journal of clinical oncology, Vol.24, No.31, November 1 2006
【非特許文献4】Heidi Ledford, “T-cell therapy extends cancer survival to years” Nature, Vol.516, 156, December 11 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、T細胞を活性化させるための従来の技術は、コストが高く、かつ、煩雑な処理を必要とするという問題点を有している。
【0006】
例えば、上述した(i)の方法では、抗原を作用させた抗原提示細胞を用いて、T細胞を活性化させる。それ故に、上述した(i)の方法は、抗原提示細胞の調製、および、抗原提示細胞の活性化などの、煩雑な処理を必要とするという問題点がある。
【0007】
上述した(ii)の方法では、サイトカインを用いてT細胞を活性化させる。サイトカインは高価であるので、上述した(ii)の方法は、多額のコストを要するという問題点がある。
【0008】
また、上述した(i)および(ii)の方法では、抗原、抗原提示細胞、および、サイトカインが患者に何らかの影響を与える可能性がある。それ故に、上述した(i)および(ii)の方法は、活性化されたT細胞を患者に投与する前に、活性化されたT細胞を含む製剤から抗原、抗原提示細胞、および、サイトカインを除去するための、煩雑な処理を必要とするという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、コストが低く、かつ、煩雑な処理を必要としない、T細胞活性化剤、T細胞の活性化方法、および、T細胞培養用培地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、様々な種類の細胞が存在する免疫細胞(例えば、抗原提示細胞、樹状細胞、B細胞、および、T細胞)の中でも、特にT細胞がポリリン酸によって活性化されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
本発明のT細胞活性化剤は、上記課題を解決するために、抗TCR抗体と、ポリリン酸と、を含有していることを特徴としている。
【0012】
本発明のT細胞活性化剤では、上記抗TCR抗体は、抗CD3抗体であることが好ましい。
【0013】
本発明のT細胞活性化剤では、上記ポリリン酸は、直鎖状ポリリン酸であることが好ましい。
【0014】
本発明のT細胞活性化剤は、T細胞の増殖およびサイトカイン生産を促進させるためのものであることが好ましい。
【0015】
本発明のT細胞活性化剤では、上記サイトカインは、インターロイキン-4、インターロイキン-10、および、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つのサイトカインであることが好ましい。
【0016】
本発明のT細胞培養用培地は、上記課題を解決するために、本発明のT細胞活性化剤を含有していることを特徴としている。
【0017】
本発明のT細胞の活性化方法は、上記課題を解決するために、抗TCR抗体およびポリリン酸を接触させる工程を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
ポリリン酸は、安価に入手可能な物質である。それ故に、本発明は、安価なT細胞活性化剤を実現できるという効果を奏する。
【0019】
ポリリン酸は、簡単に合成および精製可能である。それ故に、本発明は、簡単にT細胞活性化剤を製造できるという効果を奏する。
【0020】
ポリリン酸は、食品添加物としても使用されている、安全な物質である。それ故に、本発明は、ポリリン酸の除去等の煩雑な処理を必要としない、安全なT細胞活性化剤を実現できるという効果を奏する。
【0021】
ポリリン酸は、タンパク質(例えば、抗原およびサイトカインなど)と比較して、安定な物質である。それ故に、本発明は、様々な状況下(例えば、長期保存した後のT細胞活性化剤を用いる状況下、室温保存した後のT細胞活性化剤を用いる状況下、温度が高い条件下でT細胞活性化剤を用いる状況下、または、長時間にわたってT細胞活性化剤とT細胞とを接触させる状況下)であっても効果的にT細胞を活性化させることができる、安定なT細胞活性化剤を実現できるという効果を奏する。
【0022】
ポリリン酸を用いれば、様々なサイトカイン(例えば、インターロイキン-4、インターフェロン-γ、および、インターフェロン-10)を生産する、様々なT細胞(例えば、Th2、Th1、および、抑制型T細胞)を活性化させることができる。それ故に、本発明は、活性化された様々なT細胞(換言すれば、活性化された様々な免疫システム)によって、疾患(例えば、癌およびアレルギーなど)を多面的に治療することができるという効果を奏する。つまり、本発明は、疾患自体を様々な免疫システムによって治療することができるのみならず、当該疾患に伴って合併症が発症した場合や、治療に伴う副作用が発症した場合であっても、活性化された様々な免疫システムが、これらに対応し得るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例における、T細胞の増殖に及ぼすポリリン酸の影響を示すグラフである。
【図2】本発明の実施例における、T細胞のインターロイキン-4の生産能に及ぼすポリリン酸の影響を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例における、T細胞のインターロイキン-10の生産能に及ぼすポリリン酸の影響を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例における、T細胞のインターフェロン-γの生産能に及ぼすポリリン酸の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態や実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意図する。

【0025】
〔1.T細胞活性化剤、および、T細胞培養用培地〕
本実施の形態のT細胞活性化剤は、抗TCR(T Cell Receptor)抗体と、ポリリン酸と、を含有していることを特徴としている。抗TCR抗体は、TCRを、活性化状態に近い疑似活性化状態へと移行させることができる。そして、ポリリン酸は、疑似活性化状態にあるT細胞を、更に、特定の活性化状態(増殖し、かつ、特定のサイトカインを生産し得る活性化状態)へと移行させることができる。なお、本明細書においてT細胞の活性化とは、T細胞の増殖およびサイトカイン生産の両方が促進している状態を意図する。それ故に、本実施の形態のT細胞活性化剤は、T細胞の増殖およびサイトカイン生産を促進させるためのものであり得る。

【0026】
本実施の形態のT細胞活性化剤は、例えば、生体から採取されたT細胞に対して投与されてもよいし、生体(例えば、疾患を患っている患者)に直接投与されてもよい。

【0027】
生産が促進されるサイトカインの種類は、特に限定されないが、インターロイキン-4、インターロイキン-10、および、インターフェロン-γからなる群より選択される少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは3つ、のサイトカインである。勿論、例示した3つのサイトカインとは別のサイトカインが、例示した3つのサイトカインと共に生産、または、生産促進されてもよい。

【0028】
抗TCR抗体は、TCR(T Cell Receptor)を認識する抗体であればよく、抗TCR抗体の具体的な構成は、特に限定されない。

【0029】
例えば、抗TCR抗体は、TCRを構成するユニット(例えば、CD3、α鎖、β鎖、γ鎖、および、δ鎖)の1つを認識する抗体であってもよい。

【0030】
また、抗TCR抗体は、当該抗TCR抗体を単独でT細胞に投与した場合に(換言すれば、ポリリン酸をT細胞に投与することなく、抗TCR抗体のみをT細胞に投与した場合に)、T細胞の増殖能、および/または、T細胞のサイトカイン生産能を投与前の1.1~2.0倍、好ましくは1.2~2.0倍、更に好ましくは1.3~2.0倍、更に好ましくは1.4~2.0倍、更に好ましくは1.5~2.0倍にまで促進する抗体であってもよい。なお、各数値範囲の上限値は、「2.0倍」に限定されず、例えば「3.0倍」、「4.0倍」または「5.0倍」であってもよいし、「5.0倍」よりも大きな値であってもよい。

【0031】
また、抗TCR抗体は、TCRを構成するユニットの1つを認識する抗体であって、かつ、当該抗TCR抗体を単独でT細胞に投与した場合に(換言すれば、ポリリン酸をT細胞に投与することなく、抗TCR抗体のみをT細胞に投与した場合に)、T細胞の増殖能、および/または、T細胞のサイトカイン生産能を投与前の1.1~2.0倍、好ましくは1.2~2.0倍、更に好ましくは1.3~2.0倍、更に好ましくは1.4~2.0倍、更に好ましくは1.5~2.0倍にまで促進する抗体であってもよい。

【0032】
例えば抗体Aが、TCRを認識する抗体であるか否かは、抗体Aを用いたウエスタンブロット法によって判定することができる。

【0033】
具体的には、電気泳動によって分離したTCR(または、抗原であるTCRの部分ポリペプチド)をニトロセルロース膜に転写する。次いで、当該ニトロセルロース膜に、一次抗体として抗体Aを接触させ、かつ、当該抗体Aを認識する市販の二次抗体を接触させる。最後に、ニトロセルロース膜上で、二次抗体に結合しているマーカー(例えば、アルカリフォスファターゼ)の活性を検出する。ニトロセルロース膜上でマーカーの活性が検出されれば、抗体Aは、TCRを認識する抗体であると判定され、ニトロセルロース膜上でマーカーの活性が検出されなければ、抗体Aは、TCRを認識する抗体ではないと判定される。

【0034】
一方、例えば抗体Aが、当該抗体Aを単独でT細胞に投与した場合に、T細胞の増殖能、および/または、T細胞のサイトカイン生産能を投与前の1.1~2.0倍、好ましくは1.2~2.0倍、更に好ましくは1.3~2.0倍、更に好ましくは1.4~2.0倍、更に好ましくは1.5~2.0倍にまで促進する抗体であるか否かは、実施例に記載の方法によって判定することができる。

【0035】
具体的には、表面に抗体Aが固定化された培養皿(wellの直径は6.4mm)と、表面に抗体Aが固定化されていない培養皿(wellの直径は6.4mm)と、を準備する。次いで、各培養皿に、T細胞を2.0×10cells/well~4.0×10cells/wellの濃度にて播く。T細胞を、37℃にて30~72時間培養する。T細胞の増殖能については、T細胞によるブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込み試験にしたがって判定し、T細胞のサイトカイン生産能については、ELISA法にしたがって判定する。表面に抗体Aが固定化された培養皿における試験結果の値A(例えば、OD450の測定値、または、培地1mLあたりのサイトカインの量)と、表面に抗体Aが固定化されていない培養皿における試験結果の値B(例えば、OD450の測定値、または、培地1mLあたりのサイトカインの量)とが、A/B=1.1~2.0、好ましくはA/B=1.2~2.0、更に好ましくはA/B=1.3~2.0、更に好ましくはA/B=1.4~2.0、更に好ましくはA/B=1.5~2.0であれば、当該抗体Aを、本実施の形態のT細胞活性化剤に用いることができる抗体であると判定できる。なお、各数値範囲の上限値は、「2.0」に限定されず、例えば「3.0」、「4.0」または「5.0」であってもよいし、「5.0」よりも大きな値であってもよい。

【0036】
抗TCR抗体は、TCRを構成する様々なユニット(例えば、CD3、α鎖、β鎖、γ鎖、または、δ鎖)のうちの何れのユニットを認識する抗体であってもよいが、T細胞をより良く活性化させるという観点から、CD3を認識する抗体(抗CD3抗体)であることが好ましい。

【0037】
CD3は、4つのポリペプチド(γポリペプチド、δポリペプチド、εポリペプチド、および、ζポリペプチド)によって構成されている。抗CD3抗体は、CD3を構成する4つのポリペプチドのうちの何れのポリペプチドを認識する抗体であってもよいが、T細胞をより良く活性化させるという観点から、εポリペプチドを認識する抗体であることが好ましい。

【0038】
抗TCR抗体としては、市販の抗体を用いることも可能であるし、周知の方法に基づいて作製された抗体を用いることも可能である。

【0039】
市販の抗TCR抗体としては、BD BIOSCIENCES製の抗CD3抗体、アブカム製の抗CD3抗体、および、メルク・ミリポア製の抗CD3抗体を挙げることができるが、勿論、本発明は、これらの抗体に限定されない。

【0040】
周知の方法に基づいて作製された抗TCR抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。周知の方法にしたがって抗体を作製した後、作製された抗体が上述した抗体Aに対応する抗体であるか否かを判定することが好ましい。そして、作製された抗体が、上述した抗体Aに対応する抗体であると判定された場合には、当該作製された抗体を、本実施の形態のT細胞活性化剤に用いればよい。

【0041】
本実施の形態のT細胞活性化剤に含まれる抗TCR抗体の量は、特に限定されず、投与対象(例えば、T細胞を含む水溶液、または、生体)の体積または体重に合わせて設定すればよい。

【0042】
例えば、投与対象が水溶液である場合、投与対象の単位体積あたりの抗TCR抗体の投与量が、好ましくは0.01~100.0μg/mL、より好ましくは1.0~10μg/mL、最も好ましくは0.5~2.0μg/mLになるように、T細胞活性化剤に含まれる抗TCR抗体の量を調節すればよい。当該構成であれば、投与対象内のT細胞を、効果的に活性化させることができる。

【0043】
例えば、投与対象が生体(例えば、患者)である場合、当該生体の体重W(kg)、および、生体の体重に占める水分の量M(L/kg)などに基づいて、T細胞活性化剤に含まれる抗TCR抗体の量を設定することができる。

【0044】
M(L/kg)については、現在までに多くのデータが蓄積されており、当該Mの値は周知である。例えば、ヒトの場合、胎児におけるMの値は略0.90、新生児におけるMの値は略0.75、子供におけるMの値は略0.70、成人におけるMの値は略0.60~略0.65、老人におけるMの値は略0.50~略0.55%である(Mの値は、略0.90~0.50)。体重W(kg)の生体の場合、当該生体に含まれる水分の量は、W×M(L)と見積もることができる。

【0045】
投与対象が体重W(kg)の生体(例えば、患者)である場合、T細胞活性化剤に含まれる抗TCR抗体の量は、好ましくは0.01×W×M~100.0×W×M(mg)、より好ましくは1.0×W×M~10×W×M(mg)、最も好ましくは0.5×W×M~2.0×W×M(mg)である(Mの値は、例えば、略0.90~0.50)。当該構成であれば、投与対象内のT細胞を、効果的に活性化させることができる。

【0046】
また、本実施の形態のT細胞活性化剤に含まれる抗TCR抗体の量は、特に限定されず、例えば、T細胞活性化剤の全重量のうちの、0.001~50重量%であってもよいし、0.01~50重量%であってもよいし、0.1~50重量%であってもよいし、1~50重量%であってもよい。なお、各数値範囲の上限値は、「50重量%」に限定されず、例えば「40重量%」、「30重量%」、「20重量%」または「10重量%」であってもよいし、「50重量%」よりも大きな値であってもよい。

【0047】
本実施の形態のT細胞活性化剤に用いられるポリリン酸の具体的な構成は、特に限定されず、例えば、以下の(a)~(d)の何れかのポリリン酸、または、以下の(a)~(d)から選択される少なくとも2つのポリリン酸の混合物、であり得る。つまり、
(a)複数のPOが酸素原子を介して直鎖状に連なっている、直鎖状ポリリン酸;
(b)複数のPOが酸素原子を介して環状に連なっている、環状ポリリン酸;
(c)複数のPOが酸素原子を介して、枝分かれしながら連なっている、分岐状ポリリン酸;
(d)上述した(a)~(c)の何れかのポリリン酸の側鎖に有機基が導入されている、有機基含有ポリリン酸。

【0048】
本実施の形態のT細胞活性化剤に用いられるポリリン酸は、上述したポリリン酸のうち、直鎖状ポリリン酸が好ましい。その理由は、直鎖状ポリリン酸は、同一リン酸残基数の環状ポリリン酸または分岐状ポリリン酸に比べて分子長が長くなり、効率よくT細胞を活性化できるという有利な効果を奏するからである。

【0049】
直鎖状ポリリン酸は、以下の一般式(1)にて示され得る。つまり、
n+2(P3n+1) ・・・・・・・(1)。

【0050】
このとき、nの値は2以上の整数であればよいが、より効果的にT細胞を活性化させるという観点から、nの値は大きいほど好ましく、好ましくは10以上の整数、より好ましくは15以上の整数、より好ましくは20以上の整数、より好ましくは30以上の整数、より好ましくは40以上の整数、より好ましくは50以上の整数、より好ましくは60以上の整数、より好ましくは65以上の整数、より好ましくは70以上の整数、より好ましくは80以上の整数、より好ましくは90以上の整数、より好ましくは100以上の整数、より好ましくは200以上の整数、より好ましくは300以上の整数、より好ましくは400以上の整数、より好ましくは500以上の整数、より好ましくは600以上の整数、最も好ましくは700以上の整数である。

【0051】
nの値の上限値は、特に限定されないが、水溶液に対するポリリン酸の溶解性を高めて、これによってより効果的にT細胞を活性化させるという観点から、好ましくは1000、より好ましくは900、最も好ましくは800である。

【0052】
なお、上述した好ましいnの値(換言すれば、ポリリン酸に含まれるリン元素の数)は、直鎖状ポリリン酸のみならず、環状ポリリン酸、分岐状ポリリン酸、および、有機基含有ポリリン酸の場合にもあてはまる、好ましいnの値である。

【0053】
本実施の形態のT細胞活性化剤に用いられるポリリン酸は、ポリリン酸を構成する水酸基の水素の少なくとも一部が金属に置換されている、ポリリン酸塩であってもよい。上記金属は、特に限定されず、ナトリウム、カリウム、カルシウム、または、マグネシウムであり得る。水溶液に対するポリリン酸の溶解度を高めるという観点から、ポリリン酸塩を用いることが好ましい。

【0054】
本実施の形態のT細胞活性化剤に含まれるポリリン酸は、1種類のポリリン酸であってもよいし、複数種類のポリリン酸であってもよい。例えば、本実施の形態のT細胞活性化剤に含まれるポリリン酸は、異なる数のリン酸によって形成されている、長さの異なる複数種類のポリリン酸の混合物であってもよい。この場合には、最も含有量の多いポリリン酸のnの値が、上述した好ましいnの値であり得る。

【0055】
ポリリン酸としては、市販のものを使用してもよいし、周知の方法(例えば、リン酸を加熱する方法、または、リン酸に五酸化リンを溶解させる方法)で合成したものを使用してもよい。なお、上述したnの値が20以上のポリリン酸の作製方法の一例を以下に説明するが、本発明は、当該作製方法に限定されない。

【0056】
まず、ヘキサメタリン酸塩を、含有量が0.1~10重量%(好ましくは、10重量%)になるように、水に溶解する。当該水溶液Aと、87~100%エタノール(好ましくは、96%エタノール)とを混合する。なお、混合するエタノールの量は、水溶液Aおよびエタノールの全量の1/10~1/3の量である。換言すれば、水溶液Aの体積:エタノールの体積=2:1~9:1となるように、水溶液Aとエタノールとを混合すればよい。当該混合物を十分に撹拌することによってポリリン酸を析出させ、遠心分離またはフィルター濾過などによって、ポリリン酸を精製する。精製したポリリン酸を、70%エタノールにて洗浄した後、乾燥させる。これによって、nの平均値が略60~70であるポリリン酸を作製することができる。

【0057】
本実施の形態のT細胞活性化剤に含まれるポリリン酸の量は、特に限定されず、投与対象(例えば、T細胞を含む水溶液、または、生体)内におけるポリリン酸の濃度が所望の濃度になるように設定すればよい。

【0058】
例えば、投与対象が水溶液である場合、投与対象内におけるポリリン酸の濃度が、好ましくは10~200μM、より好ましくは10~150μM、より好ましくは50~100μM、最も好ましくは75~100μMになるように、T細胞活性化剤に含まれるポリリン酸の量を調節すればよい。投与対象内におけるポリリン酸の濃度が200μMを超えると、ポリリン酸の溶解性が低下する傾向を示し、これによって、T細胞を活性化させる効果が低くなる傾向を示す。それ故に、上述したポリリン酸の量であれば、投与対象内のT細胞を効果的に活性化させることができる。

【0059】
例えば、投与対象が生体(例えば、患者)である場合、当該生体の体重W(kg)、および、生体の体重に占める水分の量M(L/kg)などに基づいて、T細胞活性化剤に含まれる抗TCR抗体の量を調節することができる。

【0060】
M(L/kg)については、現在までに多くのデータが蓄積されており、当該Mの値は周知である。例えば、ヒトの場合、胎児におけるMの値は略0.90、新生児におけるMの値は略0.75、子供におけるMの値は略0.70、成人におけるMの値は略0.60~略0.65、老人におけるMの値は略0.50~略0.55%である(Mの値は、略0.90~0.50)。体重W(kg)の生体の場合、当該生体に含まれる水分の量は、W×M(L)と見積もることができる。

【0061】
投与対象が体重W(kg)の生体(例えば、患者)である場合、T細胞活性化剤に含まれるポリリン酸の量は、好ましくは10×W×M~200×W×M(μmol)、より好ましくは10×W×M~150×W×M(μmol)、より好ましくは50×W×M~100×W×M(μmol)、最も好ましくは75×W×M~100×W×M(μmol)である(Mの値は、例えば、略0.90~0.50)。当該ポリリン酸の量であれば、投与対象内のT細胞を効果的に活性化させることができる。

【0062】
また、本実施の形態のT細胞活性化剤に含まれるポリリン酸の量は、特に限定されず、例えば、T細胞活性化剤の全重量のうちの、0.001~50重量%であってもよいし、0.01~50重量%であってもよいし、0.1~50重量%であってもよいし、1~50重量%であってもよい。なお、各数値範囲の上限値は、「50重量%」に限定されず、例えば「40重量%」、「30重量%」、「20重量%」または「10重量%」であってもよいし、「50重量%」よりも大きな値であってもよい。

【0063】
本実施の形態のT細胞活性化剤は、抗TCR抗体およびポリリン酸以外の添加物を含んでいてもよい。添加物の例としては、pH調節剤、安定化剤、および、等張化剤などを挙げることができるが、これらに限定されない。

【0064】
本実施の形態のT細胞活性化剤を直接生体へ投与する場合、T細胞活性化剤は、様々な形態の製剤であり得る。例えば、T細胞活性化剤は、注射剤、点滴剤、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、内服用液剤、または、外用液剤の形態の製剤であり得るが、本発明は、これらに限定されない。

【0065】
本実施の形態のT細胞活性化剤は、培地中に含有(または、溶解)された状態であってもよい。本実施の形態のT細胞活性化剤と培地との混合物を、T細胞培養用培地と呼ぶ。

【0066】
本実施の形態のT細胞活性化剤と混合される培地は、特に限定されず、適宜、所望の培地を用いることができる。例えば、上記培地としては、RPMI1640培地、MEM培地、および、DME培地などを挙げることができる。また、上記培地には、血清が添加されていてもよいし、添加されていなくてもよい。

【0067】
〔2.T細胞の活性化方法〕
本実施の形態のT細胞の活性化方法は、採取されたT細胞に、抗TCR抗体およびポリリン酸を接触させる工程を有している。換言すれば、本実施の形態のT細胞の活性化方法は、採取されたT細胞に、本発明のT細胞活性化剤を接触させる工程を有している。

【0068】
本実施の形態の方法にて活性化されたT細胞は、例えば、医薬品(例えば、抗癌剤、細胞製剤)若しくは医療材料の中間段階の生産物、サイトカインの生産源、または、各種実験の材料、などとして利用することができる。

【0069】
T細胞活性化剤、抗TCR抗体、および、ポリリン酸については既に説明したので、ここでは、これらの説明を省略する。

【0070】
T細胞の由来は、特に限定されず、哺乳類(例えば、ヒト、ブタ、ヒツジ、ウシ、マウス、ラット、または、マウスなど)などから周知の方法にて採取されたT細胞であってもよいし、採取の前または後に株化されたT細胞株(例えば、Jurkat、または、MOLTなど)であってもよい。

【0071】
本実施の形態のT細胞の活性化方法では、水溶液(例えば、生理食塩水、または、細胞培養用の培地など)中で、T細胞に、抗TCR抗体およびポリリン酸を接触させてもよい。なお、細胞培養用の培地は、特に限定されず、例えば、T細胞の培養に用いられる一般的な培地であり得る。T細胞が受けるダメージを軽減するという観点、および、T細胞をより良く活性化させるという観点から、水溶液として細胞培養用の培地を用いることが好ましい。

【0072】
水溶液中における抗TCR抗体の濃度は、特に限定されないが、効果的にT細胞を活性化させるという観点から、好ましくは0.01~100.0μg/mL、より好ましくは1.0~10μg/mL、最も好ましくは0.5~2.0μg/mLである。

【0073】
水溶液中におけるポリリン酸の濃度は、特に限定されないが、効果的にT細胞を活性化させるという観点から、好ましくは10μM以上200μM以下、より好ましくは10μM以上150μM以下、より好ましくは50μM以上100μM以下、最も好ましくは75μM以上100μM以下である。水溶液中におけるポリリン酸の濃度が200μMを超えると、水溶液に対するポリリン酸の溶解性が低下する傾向を示し、これによって、T細胞を活性化させる効果が低くなる傾向を示す。

【0074】
T細胞に抗TCR抗体およびポリリン酸を接触させる時間は、特に限定されず、例えば、10~100時間であってもよいし、20~100時間であってもよいし、30~70時間であってもよい。
【実施例】
【0075】
<1.T細胞の増殖に対するポリリン酸の影響>
様々な種類の細胞を含む免疫細胞からT細胞を精製し、当該T細胞にポリリン酸を与えて、T細胞の増殖に対するポリリン酸の影響を試験した。以下に、試験方法、および、試験結果について説明する。
【実施例】
【0076】
T細胞の精製方法について説明する。まず、生理食塩水中でBALB/cマウスの脾臓をすりつぶして、様々な種類の免疫細胞(例えば、抗原提示細胞、樹状細胞、B細胞、および、T細胞など)を含む、免疫細胞群を取得した。次いで、当該免疫細胞群を、T細胞を精製するための市販のキット(Miltenyi Biotec製のPan T Cell Isolation Kit II)に供し、T細胞のみを取得した。
【実施例】
【0077】
表面上に抗TCR抗体が固定化された培養皿(wellの直径は6.4mm)の作製方法について説明する。抗TCR抗体としては、eBioscience製の抗CD3抗体を用いた。まず、抗TCR抗体を含む水溶液(2.0μg-抗CD3抗体/mL-生理食塩水)を調製した。次いで、当該抗TCR抗体を含む水溶液を用いて培養皿の表面をリンスした後、当該培養皿をラップで包み12時間静置することによって、表面上に抗TCR抗体が固定化された培養皿を作製した。なお、対照試験に用いる培養皿として、表面上に抗TCR抗体が固定化されていない培養皿も準備した。
【実施例】
【0078】
表面上に抗TCR抗体が固定化された培養皿(複数枚)、および、表面上に抗TCR抗体が固定化されていない培養皿の各々に、白血球培養用の培地(ライフテクノロジーズジャパン株式会社製のRPMI1640培地(10%ウシ血清(FBS)を含む))を加え、更に、各培養皿に対して、上述したT細胞を2.0×10cells/wellの密度にて播いた。
【実施例】
【0079】
更に、表面上に抗TCR抗体が固定化された培養皿の各々には、培地中の最終濃度が0μM、10μM、50μM、100μM、または、200μMとなるように、平均15個のリン酸によって構成されている直鎖状ポリリン酸(p15:シグマアルドリッチ株式会社製のメタリン酸ナトリウム)、または、平均700個のリン酸によって構成されている直鎖状ポリリン酸(p700:バイオエネックス製の長鎖ポリリン酸)を加えた。なお、表面上に抗TCR抗体が固定化されていない培養皿には、ポリリン酸を加えなかった。
【実施例】
【0080】
ポリリン酸を加えた後、T細胞を、37℃にて30時間培養した。
【実施例】
【0081】
30時間の培養の後、T細胞によるブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込み試験を行った。具体的には、ロシュ・ライフサイエンス製のCell Proliferation ELISA BrdUを用い、当該商品に添付のプロトコールにしたがって、BrdUを取り込んだT細胞(換言すれば、S期にあるT細胞)を検出した。まず、30時間の培養の後、10%ウシ胎児血清(FCS)を含むRPMI1640培地で100倍に希釈した上記商品に同梱されているBrdUラベリング試薬をT細胞に加え、更に、当該T細胞を、37℃にて18時間培養した。18時間の培養の後、OD450を測定することによって、BrdUを取り込んだT細胞(換言すれば、S期にあるT細胞)を検出した。
【実施例】
【0082】
上述した一連の試験を3回行い、試験結果の平均値を算出した。試験結果を図1に示す。本試験から、ポリリン酸がT細胞の増殖を促進し得ることが明らかになった。更に、本試験から、ポリリン酸が長いほど(換言すれば、ポリリン酸を構成するリン酸の数が多いほど)、T細胞の増殖をより良く促進し得ることが明らかになった。
【実施例】
【0083】
<2.T細胞のサイトカイン生産能に対するポリリン酸の影響>
様々な種類の細胞を含む免疫細胞からT細胞を精製し、当該T細胞にポリリン酸を与えて、T細胞のサイトカイン生産能に対するポリリン酸の影響を試験した。以下に、試験方法、および、試験結果について説明する。
【実施例】
【0084】
T細胞の精製方法、および、培養皿の作製方法は、上述した<1.T細胞の増殖に対するポリリン酸の影響>に記載の方法にしたがった。ここでは、これらの方法の説明を省略する。
【実施例】
【0085】
表面上に抗TCR抗体が固定化された培養皿(複数枚)、および、表面上に抗TCR抗体が固定化されていない培養皿の各々に、白血球培養用の培地(ライフテクノロジーズジャパン株式会社製のRPMI1640培地(10%ウシ血清(FBS)を含む))を加え、更に、各培養皿に対して、上述したT細胞を4.0×10cells/wellの密度にて播いた。
【実施例】
【0086】
更に、表面上に抗TCR抗体が固定化された培養皿の各々には、培地中の最終濃度が0μM、10μM、50μM、100μM、または、200μMとなるように、平均15個のリン酸によって構成されている直鎖状ポリリン酸(p15:バイオエネックス製の短鎖ポリリン酸)、または、平均700個のリン酸によって構成されている直鎖状ポリリン酸(p700:バイオエネックス製の長鎖ポリリン酸)を加えた。なお、表面上に抗TCR抗体が固定化されていない培養皿には、ポリリン酸を加えなかった。
【実施例】
【0087】
ポリリン酸を加えた後、T細胞を、37℃にて72時間培養した。
【実施例】
【0088】
72時間の培養の後、ELISA法にしたがって、培地中に分泌されたサイトカイン(例えば、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-10(IL-10)、および、インターフェロン-γ(IFN-γ))の濃度を測定した。
【実施例】
【0089】
具体的には、インターロイキン-4の濃度の測定には、R&Dシステムズ製のMouse IL-4 DuoSetを用い、インターロイキン-10の濃度の測定には、R&Dシステムズ製のMouse IL-10 DuoSetを用い、インターフェロン-γの濃度の測定には、R&Dシステムズ製のMouse IFN-gamma DuoSetを用い、各キットに添付のプロトコールにしたがって測定を行った。
【実施例】
【0090】
上述した一連の試験を3回行い、試験結果の平均値を算出した。図2に、インターロイキン-4の試験結果を、図3に、インターロイキン-10の試験結果を、図4に、インターフェロン-γの試験結果を示す。
【実施例】
【0091】
本試験から、ポリリン酸がT細胞のサイトカイン生産を促進し得ることが明らかになった。更に、本試験から、ポリリン酸が長いほど(換言すれば、ポリリン酸を構成するリン酸の数が多いほど)、T細胞のサイトカイン生産をより良く促進し得ることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、T細胞活性化剤(例えば、T細胞の増殖誘導剤、および/または、T細胞のサイトカイン生産誘導剤)に利用することができる。より具体的に、本発明は、抗癌剤、または、細胞製剤に利用することができる。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
2
【図4】
3