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明細書 :アルドール反応触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6494508号 (P6494508)
登録日 平成31年3月15日(2019.3.15)
発行日 平成31年4月3日(2019.4.3)
発明の名称または考案の名称 アルドール反応触媒
国際特許分類 B01J  31/02        (2006.01)
C07C  45/65        (2006.01)
C07C  47/36        (2006.01)
C07B  53/00        (2006.01)
C07C 311/09        (2006.01)
C07C 311/21        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07D 207/48        (2006.01)
C07D 211/22        (2006.01)
FI B01J 31/02 103Z
C07C 45/65
C07C 47/36
C07B 53/00 B
C07C 311/09
C07C 311/21
C07B 61/00 300
C07D 207/48
C07D 211/22
請求項の数または発明の数 5
全頁数 20
出願番号 特願2015-522965 (P2015-522965)
出願日 平成26年6月18日(2014.6.18)
国際出願番号 PCT/JP2014/066205
国際公開番号 WO2014/203944
国際公開日 平成26年12月24日(2014.12.24)
優先権出願番号 2013127970
優先日 平成25年6月18日(2013.6.18)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成29年6月16日(2017.6.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】古田 巧
【氏名】馬場 智明
【氏名】川端 猛夫
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査官 【審査官】岡田 隆介
参考文献・文献 国際公開第2010/047318(WO,A1)
Taichi KANO et al.,syn-Selective and Enantioselective Direct Cross-Aldol Reactions between Aldehydes Catalyzed by an Axially ChiralAmino Sulfonamide,Angew. Chem. Int. Ed.,ドイツ,2007年,Vol. 46, No.10,p.1738-1740
Taichi KANO et al.,A Designer Axially Chiral Amino Sulfonamide as an Efficient Organocatalyst for Direct Asymmetric anti-Selective MannichReactions and syn-Selective Cross-Aldol Reactions,Chem. Eur. J.,ドイツ,2009年,Vol.15, No.27,p.6678-6687
馬場智明他,アニリンアミノ基を持つ酸-塩基型軸性不斉触媒による分子内交差アルドール反応の開発,メディシナルケミストリーシンポジウム講演要旨集,日本,公益社団法人日本薬学会医薬化学部会,2013年11月 1日,Vol.31,p.141
調査した分野 B01J 21/00-38/74
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I):
【化1】
JP0006494508B2_000020t.gif
[式中、R、R、R3a、R4aは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基、アシルオキシ基、CONH2、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基(COOH)、アルコキシカルボニル基またはアシル基である。R、R、R3a、R4aのうち隣接するもの同士は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造を形成してもよく、これら環状構造は置換されてもよい。
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アミノ基又はモノアルキルアミノ基を示す。
Rは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
で表されるビアリール型アルドール反応触媒。
【請求項2】
一般式(IA)又は(IB):
【化2】
JP0006494508B2_000021t.gif
[式中、R、R、R、R、R、Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基、アシルオキシ基、CONH2、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基(COOH)、アルコキシカルボニル基またはアシル基である。R、R、R、R、R、Rのうち隣接するもの同士は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造を形成してもよく、これら環状構造は置換されてもよい。
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アミノ基又はモノアルキルアミノ基を示す。
Rは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
で表される請求項1に記載のビアリール型アルドール反応触媒。
【請求項3】
前記アルドール反応が、分子内のクロスアルドール付加である、請求項1又は2に記載のアルドール反応触媒。
【請求項4】
脂肪族多価アルデヒド化合物を請求項1~3のいずれかに記載のアルドール反応触媒の存在下に分子内の環化を伴うアルドール反応を行うことを特徴とする、立体選択的環状βヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法。
【請求項5】
分子内アルドール反応により5員環または6員環を生成する、請求項に記載の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年6月18日に出願された、日本国特許出願第2013-127970号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、アルドール反応触媒およびこの触媒を用いた、立体選択的環状βヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺治療薬オキセンドロン (1)、緑内障治療薬ラタノプロスト (2)、抗悪性腫瘍薬クリドリビン (3)、痛風治療薬として研究が進められている BCX-4208 (4) のように、置換基を有するキラルな5員環骨格を部分骨格として有する医薬品は極めて多く、環内に酸素原子や窒素原子を含んだ誘導体を含めるとその数は枚挙に暇が無い。
【0004】
【化1】
JP0006494508B2_000002t.gif

【0005】
そのため、その効率的な不斉合成法の開発はこれらの医薬品の短段階合成に向けて重要な課題となる。1,6-ヘキサンジアール類の分子内不斉アルドール反応は、さらなる分子変換に有用なβ-ヒドロキシアルデヒド部を5 員環上に立体化学を制御しつつ付与できる有用な反応であるが、その高立体選択的な反応はこれまで達成されていない。
【0006】
本発明者は、これまでビナフチル骨格に直結したアニリン型アミノ基とカルボキシル基を持つ軸性不斉アミノ酸の合成を行ってきた(特許文献1、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【0007】

【特許文献1】WO2010/047318
【0008】

【非特許文献1】Furuta, T.; Yamamoto, J,; Kitamura, Y.; Hashimoto, A.; Masu, H.; Azumaya, I.; Kan, T.; Kawabata, T. J. Org. Chem, 2010, 75, 7010-7013.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、アルドール反応触媒およびこの触媒を用いた、立体選択的環状βヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、分子内アルドール反応生成物のジアステレオ選択性の改善を目的に、塩基部としてアニリン型アミノ基を持ち、酸部としてスルホンアミド基を持つ酸性度の異なる軸性不斉触媒を合成し,その立体選択性を検討したところ、高いジアステレオ選択性とエナンチオ選択性で生成物を与えることを見出し、本発明を完成した。アルドール反応のようなエナミン機構で進行する反応においては、求核性、塩基性ともに弱いアニリン型アミノ基には触媒活性が期待されておらず、これまで検討がなされていなかった。今回、適切な分子設計を施せば、アニリン型アミノ基を持つ酸-塩基型分子もアルドール反応の有用な触媒となることを初めて明らかにした。
【0011】
すなわち、本発明は、以下のアルドール反応触媒およびこの触媒を用いた、立体選択的環状βヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法を提供するものである。
項1. 一般式(I):
【0012】
【化2】
JP0006494508B2_000003t.gif

【0013】
[式中、R、R、R3a、R4aは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基、アシルオキシ基、CONH2、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基(COOH)、アルコキシカルボニル基またはアシル基である。R、R、R3a、R4aのうち隣接するもの同士は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造を形成してもよく、これら環状構造は置換されてもよい。
【0014】
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アミノ基又はモノアルキルアミノ基を示す。
【0015】
Rは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
で表されるビアリール型アルドール反応触媒。
項2. 一般式(IA)又は(IB):
【0016】
【化3】
JP0006494508B2_000004t.gif

【0017】
[式中、R、R、R、R、R、Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基、アシルオキシ基、CONH2、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基(COOH)、アルコキシカルボニル基またはアシル基である。R、R、R、R、R、Rのうち隣接するもの同士は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造を形成してもよく、これら環状構造は置換されてもよい。
【0018】
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アミノ基又はモノアルキルアミノ基を示す。
【0019】
Rは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
で表される項1に記載のビアリール型アルドール反応触媒。
項3. 前記アルドール反応が、分子内のクロスアルドール付加である、項1又は2に記載のアルドール反応触媒。
項4. 脂肪族多価アルデヒド化合物を請求項1~3のいずれかに記載のアルドール反応触媒の存在下に分子内の環化を伴うアルドール反応を行うことを特徴とする、立体選択的環状βヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法。
項5. 分子内アルドール反応により5員環または6員環を生成する、項3に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明により環状βヒドロキシアルデヒド化合物を立体選択的に合成することが可能となる。
【0021】
陣痛促進剤として使われるジノプロスト (プロスタグランジン F2α) や緑内障治療薬ラタノプロストなどのプロスタグランジン系医薬品、前立腺治療薬オキセンドロン、高悪性腫瘍薬クリドリビンのようなキラルな5員環を部分骨格として持つ医薬品の製造工程を大幅に短縮する可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1つの好ましい実施形態において、本発明は、一般式(I):

【0023】
【化4】
JP0006494508B2_000005t.gif

【0024】
[式中、R、R、R3a、R4aは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基、アシルオキシ基、CONH2、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基(COOH)、アルコキシカルボニル基またはアシル基である。R、R、R3a、R4aのうち隣接するもの同士は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造を形成してもよく、これら環状構造は置換されてもよい。

【0025】
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アミノ基又はモノアルキルアミノ基を示す。

【0026】
Rは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
で表されるビアリール型アルドール反応触媒を提供する。

【0027】
他の好ましい実施形態において、本発明は、一般式(IA)又は(IB):

【0028】
【化5】
JP0006494508B2_000006t.gif

【0029】
[式中、R、R、R、R、R、Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノ基、アルコキシ基、水酸基、アシルオキシ基、CONH2、モノアルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アジド基、カルボキシル基(COOH)、アルコキシカルボニル基またはアシル基である。R、R、R、R、R、Rのうち隣接するもの同士は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造を形成してもよく、これら環状構造は置換されてもよい。

【0030】
は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アミノ基又はモノアルキルアミノ基を示す。

【0031】
Rは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フッ素原子、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。]
で表されるビアリール型アルドール反応触媒を提供する。

【0032】
置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテロアリール基の置換基としては、ハロゲン(F,Br,Cl,I)、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、OH,SH,ジアルキルアミノ、シアノ、ニトロ、COOH,アルコキシカルボニルなどが挙げられる。置換基の数は、3個以下、好ましくは2個以下、より好ましくは1個もしくは0個である。

【0033】
「飽和もしくは不飽和の5員もしくは6員の環状構造」としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ベンゼンなどの炭化水素系の環状構造、ピロール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、イミダゾール、フラン、ピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、チアゾール、オキサゾールなどのヘテロ原子を含む環状構造が挙げられ、炭化水素系の環状構造が好ましく例示される。環状構造の置換基としては、ハロゲン(F,Br,Cl,I)、アルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、シアノなどが挙げられる。置換基の数は、3個以下、好ましくは2個以下、より好ましくは1個もしくは0個である。

【0034】
「アルキル基」とは、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルなどのC1-10アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-4アルキル基が挙げられる。

【0035】
「シクロアルキル基」の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどのC3-7シクロアルキル基が挙げられる。

【0036】
「アルケニル基」とは、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、二重結合を少なくとも1個有するものを意味し、例えばビニル、アリル、1-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、イソプロペニル、1-、2-若しくは3-ブテニル、2-、3-若しくは4-ペンテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、5-ヘキセニル、1-シクロペンテニル、1-シクロヘキセニル、3-メチル-3-ブテニルなどのC2-10アルケニル基、好ましくはC2-6アルケニル基、より好ましくはC2-4アルケニル基が挙げられる。

【0037】
「アルキニル基」とは、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、三重結合を少なくとも1個有するものを意味し、例えばエチニル、1-若しくは2-プロピニル、1-、2-若しくは3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニルなどのC2-10アルキニル基、好ましくはC2-6アルキニル基、より好ましくはC2-4アルキニル基が挙げられる。

【0038】
「アラルキル基」とは、具体的には、ベンジルまたはフェネチルが挙げられる。

【0039】
「モノアルキルアミノ基」としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、n-ペンチルアミノ、イソペンチルアミノ、ヘキシルアミノなどのC1-6アルキルでモノ置換されたアミノ基が挙げられる。

【0040】
「ジアルキルアミノ基」としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジn-プロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジn-ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノ、ジn-ペンチルアミノ、ジイソペンチルアミノ、ジヘキシルアミノなどのC1-6アルキルでジ置換されたアミノ基が挙げられる。

【0041】
「モノアルキルアミノカルボニル基」としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、tert-ブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル、イソペンチルアミノカルボニル、ヘキシルアミノカルボニルなどのC1-6アルキルでモノ置換されたアミノカルボニル基が挙げられる。

【0042】
「ジアルキルアミノカルボニル基」としては、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジn-プロピルアミノカルボニル、ジイソプロピルアミノカルボニル、ジn-ブチルアミノカルボニル、ジイソブチルアミノカルボニル、ジtert-ブチルアミノカルボニル、ジn-ペンチルアミノカルボニル、ジイソペンチルアミノカルボニル、ジヘキシルアミノカルボニルなどのC1-6アルキルでジ置換されたアミノカルボニル基が挙げられる。

【0043】
「アシル基」とは、C1-6アルキルカルボニル、アリールカルボニル又はアリール置換C1-4アルキルカルボニルを意味する。

【0044】
1-6アルキルカルボニルの具体例としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニルが挙げられる。

【0045】
アリールカルボニルの具体例としては、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、フルオレニルカルボニル、アントリルカルボニル、ビフェニリルカルボニル、テトラヒドロナフチルカルボニル、クロマニルカルボニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルカルボニル、インダニルカルボニル及びフェナントリルカルボニルが挙げられる。

【0046】
アリール置換C1-4アルキルカルボニルの具体例としては、ベンジルカルボニル、ナフチルメチルカルボニル、フルオレニルメチルカルボニル、アントリルメチルカルボニル、ビフェニリルメチルカルボニル、テトラヒドロナフチルメチルカルボニル、クロマニルメチルカルボニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルメチルカルボニル、インダニルメチルカルボニル及びフェナントリルメチルカルボニル、フェネチルカルボニル、ナフチルエチルカルボニル、フルオレニルエチルカルボニル、アントリルエチルカルボニル、ビフェニリルエチルカルボニル、テトラヒドロナフチルエチルカルボニル、クロマニルエチルカルボニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルエチルカルボニル、インダニルエチルカルボニル及びフェナントリルエチルカルボニルが挙げられる。

【0047】
「アシルオキシ基」とは、C1-6アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ又はアリール置換C1-4アルキルカルボニルオキシを意味する。

【0048】
1-6アルキルカルボニルオキシの具体例としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ、n-ペンチルカルボニルオキシ、イソペンチルカルボニルオキシ、ヘキシルカルボニルオキシが挙げられる。

【0049】
アリールカルボニルオキシの具体例としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、フルオレニルカルボニルオキシ、アントリルカルボニルオキシ、ビフェニリルカルボニルオキシ、テトラヒドロナフチルカルボニルオキシ、クロマニルカルボニルオキシ、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルカルボニルオキシ、インダニルカルボニルオキシ及びフェナントリルカルボニルオキシが挙げられる。

【0050】
アリール置換C1-4アルキルカルボニルオキシの具体例としては、ベンジルカルボニルオキシ、ナフチルメチルカルボニルオキシ、フルオレニルメチルカルボニルオキシ、アントリルメチルカルボニルオキシ、ビフェニリルメチルカルボニルオキシ、テトラヒドロナフチルメチルカルボニルオキシ、クロマニルメチルカルボニルオキシ、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルメチルカルボニルオキシ、インダニルメチルカルボニルオキシ及びフェナントリルメチルカルボニルオキシ、フェネチルカルボニルオキシ、ナフチルエチルカルボニルオキシ、フルオレニルエチルカルボニルオキシ、アントリルエチルカルボニルオキシ、ビフェニリルエチルカルボニルオキシ、テトラヒドロナフチルエチルカルボニルオキシ、クロマニルエチルカルボニルオキシ、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルエチルカルボニルオキシ、インダニルエチルカルボニルオキシ及びフェナントリルエチルカルボニルオキシが挙げられる。

【0051】
「アルカノイルアミノ基」とは、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、tert-ブチルカルボニルアミノ、n-ペンチルカルボニルアミノ、イソペンチルカルボニルアミノ、ヘキシルカルボニルアミノが挙げられる。

【0052】
「アリール基」とは、5又は6員の芳香族炭化水素環からなる単環又は多環系の基を意味し、具体例としては、フェニル、トルイル、キシリル、ナフチル、フルオレニル、アントリル、ビフェニリル、テトラヒドロナフチル、クロマニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニル、インダニル及びフェナントリルが挙げられる。

【0053】
アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ及びヘキシルオキシなどのC1-6アルコキシ基が挙げられる。

【0054】
アルコキシカルボニル基の具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル及びヘキシルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどのC1-6アルコキシカルボニル基が挙げられる。

【0055】
本明細書において、一般式(I)は、太線で示す環構造の部分に結合したR、NHSOR、R3a及びR4aが紙面に対して手前にある立体異性体を;一般式(IA)は、太線で示す環構造の部分に結合したR、NHSOR、R及びRが紙面に対して手前にある立体異性体を;一般式(IB)は、太線で示す環構造の部分に結合したR及びNHSORが紙面に対して手前にある立体異性体をそれぞれ表す。

【0056】
本発明のアルドール反応触媒は一部公知の化合物であり、新規化合物は例えば以下のスキームに従い製造することができる。

【0057】
【化6】
JP0006494508B2_000007t.gif

【0058】
(式中、R、R、R、R、R3a、R4aは、前記に定義される通りである。)
化合物(1)は公知であるか、RがHである公知化合物とRa-X(Xは、Cl、BrまたはI)とを反応させることにより容易に合成することができる。

【0059】
式(I)の化合物は、溶媒の存在下あるいは非存在下に化合物(1)1モルに対し(RSOO、あるいはRSOX(Xは、Cl、BrまたはI)を0.9~1.5モル程度反応させることにより、容易に得ることができる。反応温度は室温から溶媒の沸点であり、反応時間は30分~24時間程度である。R=Hである化合物(1)を用いた場合でも、式(I)の化合物を選択的に得ることができ、必要であればカラムクロマトグラフィー、溶媒抽出、再結晶などにより精製することができる。

【0060】
溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどが挙げられ、これらを1種かまた2種以上を組み合わせて使用することができる。

【0061】
上記触媒及び溶媒の存在下で脂肪族多価アルデヒド化合物(例えば、1、6- ヘキサンジアールなどジアルデヒド化合物)の分子内環化アルドール反応を行うことで、環状βヒドロキシアルデヒド化合物を得ることができる。従って、本発明は、上記触媒及び溶媒の存在下で脂肪族多価アルデヒド化合物(例えば、ジアルデヒド化合物)の分子内環化アルドール反応を行うことを特徴とする、環状βヒドロキシアルデヒド化合物の製造方法をも提供する。このアルドール反応のスキームを以下に示すことができる。

【0062】
【化7】
JP0006494508B2_000008t.gif

【0063】
(式中、Yは2価の連結基を示す。)
脂肪族多価アルデヒド化合物は、上記式(A)で表される。上記では脂肪族多価アルデヒド化合物としてジアルデヒド化合物(A)を例示しているが、アルデヒド基は3個以上有していてもよい。環化反応は5員環又は6員環を形成するようにY基が選択され、好ましくは5員環を形成するようにY基が選択される。

【0064】
脂肪族多価アルデヒド化合物は、公知の合成手法により、製造することができる。

【0065】
触媒は脂肪族多価アルデヒド化合物1モルに対し、0.01~0.2モル程度使用すればよい。

【0066】
溶媒は、塩化メチレン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエステル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどの有機溶媒が挙げられ、これらを1種かまた2種以上を組み合わせて使用することができる。必要に応じて、水と混和できる有機溶媒に、1~20v/v%程度、好ましくは5~15v/v%程度の水を添加した、有機溶媒と水との混合溶媒を用いることもできる。

【0067】
反応温度は特に限定されないが、溶媒の凝固点から溶媒の沸点の間、例えば室温から溶媒の沸点である。反応時間は特に限定されないが、15分~300時間程度、例えば30分~24時間程度である。

【0068】
Y基は2つのアルデヒド基を連結する鎖部分が4原子又は5原子であり、鎖部分は炭素原子のみからなるかO,S、Nからなる群から選ばれるヘテロ原子、アミド基を1個又は2個有している。

【0069】
Yは、具体的には、-(CZ-、-(CZ-、-CZOCZ-、-CZCZOCZ-、-CZOCZCZ-、-CZSCZ-、-CZCZSCZ-、-CZSCZCZ-、-CONHCZ-、-CONHCZCZ-、-CZCONH-、-CZCONHCZ-、-CZCZCONH-、-CZNHCO-、-CZNHCOCZ-、-CZCZNHCO-、-CZCOCZ-、-CZCZCOCZ-、-CZCOCZCZ-、-CZ-NR-CH-、-CHCH-NR-CH-、-CH-NR-CHCH-などが挙げられ、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基又は保護基(ベンジル、トシル(p-トルエンスルホニル(Ts))、メシル(Ms)、アセチル、ベンゾイル、アリルオキシカルボニル(Alloc)などのアシル;Boc(tert-ブトキシカルボニル)、Cbz(ベンジルオキシカルボニル)、Fmoc(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル)などのウレタン型保護基など)を示し、Zは水素原子、メチル、エチル、OH,CN,NO,F,メトキシ、エトキシ、カルバモイル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、COOH,アルコキシカルボニルなどを示す。

【0070】
本発明のアルドール反応により、環状βヒドロキシアルデヒド化合物(B1)及び(B2)が生成物として得られる。生成物(B1)、(B2)は、さらに加熱、酸処理などを行うことにより脱水してα、β-不飽和アルデヒドに変換することができる。生成物は、カラムクロマトグラフィーなどにより分離精製できる。本発明のアルドール反応は、anti型の生成物が多く生成し、anti/syn比は触媒の構造、反応溶媒などにより影響される。従って、本発明のアルドール反応により、立体選択的に環状βヒドロキシアルデヒド化合物を製造することができる。

【0071】
本発明の好ましい実施形態である分子内不斉アルドール反応(Stereoselective intramolecular cross-aldol reaction)、分子内不斉クロスアルドール反応の具体例(分子内不斉アルドール反応による不斉非対称化(Asymmnetric desymmetrization by stereoselective intramolecular cross-aldol reaction))を以下に示す。

【0072】
【化8】
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【0073】
【化9】
JP0006494508B2_000010t.gif

【0074】
【化10】
JP0006494508B2_000011t.gif

【0075】
上記の分子内不斉アルドール反応、分子内不斉クロスアルドール反応は単なる例示であり、本発明の触媒及び種々の脂肪族多価アルデヒド化合物を使用することで、多様な環状βヒドロキシアルデヒド化合物、あるいはそれをさらに脱水させた環状α、β-不飽和アルデヒド化合物を容易に得ることができる。
【実施例】
【0076】
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1:環状アルドール反応生成物 6、7 の合成
【実施例】
【0077】
【化11】
JP0006494508B2_000012t.gif
【実施例】
【0078】
化合物 2 (42.8 mg, 0.375 mmol) の THF 溶液 (500 μL) に、触媒 (R)-1a(7.8 mg, 0.0187 mmol) を加え、20 ℃ で 30 時間撹拌した。反応液を CH2Cl2(5 mL) で希釈し、化合物 5 (327 mg, 0.94 mmol) を加え、室温で 24 時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、AcOEt で 3 回抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL) で 2 回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (Hexane : AcOEt = 5 : 1-3 : 1) で精製し、化合物 syn-(E)-(S,S)-6、anti-(E)-(R,S)-6、anti-(Z)-(R,S)-6、7 の混合物を得た。この混合物について、ジベンジルエーテルを内部標準として 1H NMR でそれぞれの収率を求めた。このsyn-(S,S)-6 の収率 (5%) をsyn-(S,R)-3 の、anti-(E)-(R,S)-6とanti-(Z)-(R,S)-6 の合計の収率 (74%) を anti-(R,R)-3 の、7 の収率 (19%) を4 の収率とした。また、syn-(S,R)-3 (12% ee) および anti-(R,R)-3 (97% ee) の光学純度は、syn-(S,S)-6 および anti-(E)-(R,S)-6のキラルカラムを用いる HPLC 分析を行い決定した。
【実施例】
【0079】
なお、触媒 (R)-1aは、文献(Taran, F.; Gauchet, C.; Mohar, B.; Meunier, S.; Valleix, A.; Renard, P. Y.; Creminon, C.; Grassi, J.; Wagner, A.; Mioskowski, C. Angew. Chem. Int. Ed. 2002, 41, 124.)に記載の化合物であるが、その物性は報告されていない。そこで、製造法1にその合成法、スペクトルデータを示した。
【実施例】
【0080】
化合物syn-(E)-(1S,2S)-6
[α]D22 -25.00 (c 0.2, CHCl3, 92% ee);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.29 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.57-2.01 (m, 6H), 2.49-2.65 (m, 1H), 4.18 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 4.23-4.33 (m, 1H), 5.90 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 8.2 Hz, 15.6 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 166.9, 148.7, 123.0, 76.1, 60.7, 49.0, 35.0, 28.3, 22.4, 14.6,. IR (CHCl3) 3612, 3017, 2967, 2875, 1709, 1652 cm-1. MS (FAB) m/z 184 (M+)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C10H16O3(M+)+ 184.1099, found 184.1098.
HPLC conditions: Chiralcel OD-H (0.46 x 25 cm), hexane-i-PrOH (95 : 5), 1.0 mL/min, 254 nm, tR= 20.1 min (1R,2R), 23.3 min (1S,2S).
【実施例】
【0081】
化合物anti-(E)-(1R,2S)-6
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.29 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.42-2.10 (m, 6H), 2.44-2.58 (m, 1H), 3.94-4.07 (m, 1H), 4.19 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 5.89 (d, J = 15.1 Hz, 1H), 6.90 (dd, J = 7.3 Hz, 15.1 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 144.2, 133.3, 130.1, 127.9, 73.2, 63.0, 54.8, 48.8, 48.6, 21.9,. IR (CHCl3) 3612, 3008, 2966, 2908, 2875, 1767, 1709, 1652 cm-1. MS (FAB) m/z 184 (M+)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C10H16O3 (M+)+ 184.1099, found 184.1101.
HPLC conditions: Chiralcel OD-H (0.46 x 25 cm), hexane-i-PrOH (95 : 5), 0.5 mL/min, 254 nm, tR= 20.8 min (1S,2R), 28.4 min (1R,2S).
【実施例】
【0082】
化合物anti-(Z)-(1R,2S)-6
[α]D22 +7.99 (c 0.6, CHCl3 98% ee); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.29 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.33-2.12 (m, 6H), 3.40-3.53 (m, 1H), 3.87-4.01 (m, 1H), 4.10-4.27 (m, 2H), 5.87 (dd, J = 0.92 Hz, 11.5 Hz, 1H), 6.15 (dd, J = 9.2 Hz, 11.5 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 167.6, 152.9, 120.8, 80.1, 60.5, 48.4, 34.8, 31.8, 22.6, 14.3. IR (CHCl3) 2962, 1703, 1229, 1199 cm-1. MS (FAB) m/z 184 (M+)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C10H16O3(M+)+ 184.1099, found 184.1101.
【実施例】
【0083】
化合物7
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.30 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.90-2.03 (m, 2H), 2.37-2.56 (m, 4H), 4.21 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 5.74 (d, J = 15.6 Hz, 1Hz), 6.10-6.21 (m, 1H), 7.50 (d, J = 15.6 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 167.8, 141.8, 141.2, 140.7, 118.5, 60.5, 33.8, 31.1, 23.4, 14.6. IR (CHCl3) 2982, 2960, 1701, 1630, 1308, 1276, 1232, 1176, 1039 cm-1. MS (FAB) m/z 167 (M+H)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C10H15O2(M+H)+ 167.1072, found 167.1067.
【実施例】
【0084】
実施例1b:実施例1の変法
化合物 2の溶媒として水を10v/v(%)添加したTHFを用い、触媒添加後の反応時間を12時間とする以外は、実施例1に準じて、化合物syn-(E)-(S,S)-6、anti-(E)-(R,S)-6、anti-(Z)-(R,S)-6、7 の混合物を得た。
【実施例】
【0085】
実施例1に準じて、収率及び光学純度を求めた。
収率:syn-(S,R)-3 (5%)、anti-(R,R)-3 (61%)、4 (14%)
光学純度:syn-(S,R)-3 (54% ee)、 anti-(R,R)-3 (98% ee)
【実施例】
【0086】
実施例1c:実施例1の変法
化合物 2の溶媒としてDMSOを、触媒として(R)-1b (8.8 mg, 0.0187 mmol)を用い、触媒添加後の反応時間を192時間とする以外は、実施例1に準じて、化合物 syn-(E)-(S,S)-6、anti-(E)-(R,S)-6、anti-(Z)-(R,S)-6、7 の混合物を得た。
【実施例】
【0087】
【化12】
JP0006494508B2_000013t.gif
【実施例】
【0088】
製造法2に触媒 (R)-1bの合成法、スペクトルデータを示した。
【実施例】
【0089】
実施例1に準じて、収率及び光学純度を求めた。
収率:syn-(S,R)-3 (5%)、anti-(R,R)-3 (80%)、4 (9%)
光学純度:syn-(S,R)-3 (29% ee)、 anti-(R,R)-3 (87% ee)
実施例2a:環状クロスアルドール反応生成物 12合成
【実施例】
【0090】
【化13】
JP0006494508B2_000014t.gif
【実施例】
【0091】
化合物 11a(化合物8) (28 mg, 0.10 mmol) の DMSO溶液 (500 μL) に、触媒 (R)-1b (2.1 mg, 0.0052 mmol) を加え、20 ℃ で 72 時間撹拌した。反応液を THF (5 mL) で希釈し、NaBH4 (12 mg, 0.31 mmol) を加え、室温で 24 時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、AcOEt で 3 回抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (CHCl3/MeOH, 8:1) で精製し、化合物 syn-12a、anti-12a を含むフラクションを得た。このフラクションについて、ジベンジルエーテルを内部標準として 1H NMR でそれぞれの収率を求めた。光学純度は、実施例1に準じて求めた。
【実施例】
【0092】
生成比:syn-12a : anti-12a = 1 : 12
光学純度:anti-12a (89% ee)
【実施例】
【0093】
化合物anti-(3S,4S)-12a
[α]D22 -10.9 (c 1.3, CHCl3, 89% ee); 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.19-2.27 (m, 1H), 2.44 (s, 3H), 3.00-3.08 (m, 1H), 3.08-3.14 (m, 1H), 3.41-3.64 (m, 4H), 4.16 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 143.9, 133.2, 129.9, 127.7, 73.0, 62.8, 54.5, 48.5, 48.4, 21.7 IR (CHCl3) 3672, 3615, 3563, 3026, 1598, 1555, 1539 cm-1. MS (FAB) m/z 272 (M+H)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C12H17N1O4S1(M+H)+ 272.0957, found 272.0969.
HPLC conditions: Chiralpak IA (0.46 x 25 cm), hexane-i-PrOH (80 : 20), 1.0 mL/min, 254 nm, tR = 11.8 min (3S,4S), 16.4 min (3R,4R).
【実施例】
【0094】
化合物syn-12a
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.21-2.35 (m, 1H), 2.43 (s, 3H), 3.23 (t, J=9.7 Hz, 1H), 3.30-3.37 (m, 1H), 3.41-3.52 (m, 2H), 3.76 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 3.84 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 4.41-4.48 (m, 1H), 7.33 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 143.7, 133.6, 130.0, 127.7, 72.4, 60.4, 56.5, 47.5, 44.6, 21.7. MS (FAB) m/z 272 (M+H)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C12H17N1O4S1(M+H)+ 272.0957, found 272.0955.
【実施例】
【0095】
実施例2b:実施例2aの変法
化合物 11aの溶媒としてDMF又はTHFを用いる以外は、実施例2aに準じて、化合物syn-12a及びanti-12aを含む混合物を得た。
【実施例】
【0096】
それぞれの場合について、実施例2aに準じて、化合物anti-12aの生成比及び光学純度を求めた。
<溶媒:DMF>
生成比:syn-12a : anti-12a = 1 : 18
光学純度:anti-12a (89% ee)
<溶媒:THF>
生成比:syn-12a : anti-12a = 1 : 4.5
光学純度:anti-12a (82% ee)
【実施例】
【0097】
実施例2c:実施例2aの変法
【実施例】
【0098】
【化14】
JP0006494508B2_000015t.gif
【実施例】
【0099】
開始物質(脂肪族多価アルデヒド化合物)及び反応時間を下記表のとおりとする以外は、実施例2aに準じて、生成物を得た。得られた生成物について、実施例1及び実施例2aに準じて、生成物の収量及び光学純度を求めた。結果を下記表に併せて示す。
【実施例】
【0100】
【表1】
JP0006494508B2_000016t.gif
【実施例】
【0101】
化合物anti-(3S,4S)-12b
[α]D22 = -21.06 (c 0.5, CHCl3, 90% ee). 1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.19-2.27 (m, 1H), 2.44 (s, 3H), 3.05 (dd, J = 4.8 Hz,11.0 Hz, 1H), 4.16 (dd, J = 4.8 Hz, 11.0 Hz, 1H), 3.41-.364 (m, 4H), 4.16 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 154.9, 133.1, 117.5, 73.7, 72.7, 66.0, 63.4, 63.2, 52.9, 52.5, 48.2, 47.5, 46.5, 46.3, 29.6. IR (CHCl3) 1689, 1215, 766, 721 cm-1.MS (FAB) m/z (rel intensity) 202 (M+H)+.
【実施例】
【0102】
化合物anti-(3S,4S)-12c
スペクトルデータは、次の文献に記載されている:K. Clinch, G. B. Evans, G. W. J. Fleet, R. H. Furneaux, S. W. Johnson, D. H. Lenz, S. P. H. Mee, P. R. Rands, V. L. Schramm, E. A. Taylor, Ringis, P. C. Tyler, Org. Biomol. Chem. 2006, 4, 1131-1139.
【実施例】
【0103】
化合物anti-(3S,4S)-12d
スペクトルデータは、次の文献に記載されている:Y. Asahina, M. Takei, T. Kimura, Y. Fukuda, J. Med. Chem. 2008, 51, 3238-3249.
【実施例】
【0104】
実施例3a:環状クロスアルドール反応生成物14aの合成
【実施例】
【0105】
【化15】
JP0006494508B2_000017t.gif
【実施例】
【0106】
化合物13a (23 mg, 0.10 mmol) の THF溶液 (500 μL) に、触媒 (R)-1a(2.1 mg, 0.0050 mmol) を加え、0 ℃ で 36 時間撹拌した。反応液を THF(5 mL) で希釈し、NaBH4 (11 mg, 0.30 mmol) を加え、室温で 24 時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、AcOEt で 3 回抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL) で 洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。室温で 24 時間撹拌した。反応液に水 (10 mL) を加え、AcOEt で 3 回抽出した。有機層を飽和食塩水 (10 mL) で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (CHCl3/MeOH, 8:1) で精製し、化合物 14a を含むフラクションを得た。このフラクションについて、1,3-ジニトロベンゼンを内部標準として 1H NMR でそれぞれの収率を求めた。
【実施例】
【0107】
化合物14aの光学純度は、N-Boc 基をN-Bn 基に付け替えた後、第一級水酸基を p-ニトロベンゾイル化した誘導体について実施例1に準じて、HPLC 分析により求めた。
HPLC conditions: Chiralpak IA (0.46 x 25 cm), hexane-i-PrOH (80 : 20), 1.0 mL/min, 254 nm, tR = 13.8 min (3R,4R), 17.1 min (3S,4S).
収率:14a (96%)
光学純度:14a (89% ee)
【実施例】
【0108】
化合物(3R,4R)-14a
1H NMR (600 MHz, CDCl3) δ 1.09-1.18 (m, 1H), 1.44 (s, 9H), 1.51-1.63 (m, 1H), 1.64-1.73 (m, 1H), 2.39-3.10 (m, 2H), 3.48-3.85 (m, 3H), 3.89-4.31 (br, 2H).
【実施例】
【0109】
製造例1:触媒の製造
【実施例】
【0110】
【化16】
JP0006494508B2_000018t.gif
【実施例】
【0111】
化合物 (R)-11 (300 mg, 1.06 mmol) にアルゴン雰囲気下 CH2Cl2(5 mL)、i-Pr2EtN (0.22 mL, 1.27 mmol) を加えた。-78 ℃で (CF3SO2)2O (0.21 mL, 1.27 mmol) をゆっくり加え、室温まで昇温し、20 時間撹拌した。反応液に 水と AcOEt を加え、3 回抽出した。有機層を飽和重曹水 (25 mL) と飽和食塩水 (30 mL) でそれぞれ 1 回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤をろ別した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (Hexane : AcOEt = 5 : 1-4 : 1) で精製し、化合物 (R)-1a (342 mg, 78%)を得た。
【実施例】
【0112】
[α]D22 = -43.0 (c 1.0, CHCl3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.69 (s, 2H), 6.83 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.18-7.38 (m, 5H), 7.46-7.55 (m, 1H), 7.83 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 8.04 (d, J = 9.2 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 142.6, 133.4, 132.6, 132.3, 131.7, 131.3, 130.3, 128.5, 128.4, 127.7, 127.6, 126.5, 126.2, 124.5, 123.4, 123.2, 120.1, 119.5 (q, JC-F = 214.5 Hz), 118.2. IR (KBr) 3563, 3408, 3331, 1622, 1422, 1219, 1145, 988, 820, 754, 592 cm-1. MS (FAB) m/z (rel intensity) 416 (M+H)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C21H16F3N2O2S1N (M+)+ 416.0806, found 416.0803.
【実施例】
【0113】
製造例2:触媒の製造
【実施例】
【0114】
【化17】
JP0006494508B2_000019t.gif
【実施例】
【0115】
化合物 (R)-11 (200 mg, 0.70 mmol) にアルゴン雰囲気下 CH2Cl2(8 mL)、pyridine (0.68 mL, 8.4 mmol) を加えた。0 ℃で化合物 12 (203 mg, 0.91 mmol) を加え、室温まで昇温し、24 時間撹拌した。反応液に 5%(v/v) 塩酸水溶液 (25 mL) を加え、AcOEt で 3 回抽出した。有機層を5% (v/v) 塩酸水溶液 (25 mL) と飽和食塩水 (30 mL) でそれぞれ 2 回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤をろ別した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (Hexane : AcOEt = 5 : 1-4 : 1) で精製し、化合物 (R)-1b (241 mg, 73%) を得た。
【実施例】
【0116】
[α]D22= -70.3 (c 0.5, CHCl3). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.65 (s, 2H), 6.15 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.71-6.81 (m, 1H), 7.01-7.14 (m, 3H), 7.17-7.24 (m, 1H), 7.31-7.40 (m, 3H), 7.41-7.49 (m, 1H), 7.62-7.71 (m, 3H), 7.80 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.91 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.00 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.7 Hz, 1H). 13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 149.6, 144.8, 141.8, 133.4, 132.8, 132.2, 132.2, 130.8, 130.1, 128.3, 128.2, 128.0, 127.6, 127.3, 126.9, 126.5, 126.3, 125.1, 123.8, 123.2, 122.8, 118.1, 111.4. IR (CHCl3) 3451, 3364, 3318, 3031, 1619, 1532, 1510, 1468, 1433, 1350, 1316 cm-1. MS (FAB) m/z 469 (M+)+. HRMS (FAB) m/z calcd for C26H19N3O4S1(M+)+ 469.1096, found 469.1094.
【産業上の利用可能性】
【0117】
医薬品や有機材料などファインケミカルの開発において、光学活性体を精密に作り分ける不斉合成の重要性は極めて大きい。軸性不斉化合物は、この不斉合成を実現する有効な不斉源として活用されてきた。他方、アミノ酸やアミノアルコール類も、重要な不斉源として大きなカテゴリーを占めている。
【0118】
これら双方の特徴をハイブリッドした本発明の軸性不斉アミノ酸およびアルドール反応触媒は、高い市場価値を持つ。
【0119】
本発明で得られるアルドール反応生成物は、キラルビルディングブロックとして医薬中間体や光学活性材料等に活用できる。