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明細書 :コード生成装置、システム、情報処理方法及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6448138号 (P6448138)
登録日 平成30年12月14日(2018.12.14)
発行日 平成31年1月16日(2019.1.16)
発明の名称または考案の名称 コード生成装置、システム、情報処理方法及びプログラム
国際特許分類 H04N   1/387       (2006.01)
G06T   1/00        (2006.01)
FI H04N 1/387
G06T 1/00 500B
請求項の数または発明の数 13
全頁数 20
出願番号 特願2015-525111 (P2015-525111)
出願日 平成26年6月5日(2014.6.5)
国際出願番号 PCT/JP2014/064984
国際公開番号 WO2015/001908
国際公開日 平成27年1月8日(2015.1.8)
優先権出願番号 2013140922
優先日 平成25年7月4日(2013.7.4)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成29年6月5日(2017.6.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
【識別番号】507092573
【氏名又は名称】A・Tコミュニケーションズ株式会社
発明者または考案者 【氏名】小野 智司
【氏名】池田 亮
【氏名】前原 武
個別代理人の代理人 【識別番号】100090273、【弁理士】、【氏名又は名称】國分 孝悦
審査官 【審査官】豊田 好一
参考文献・文献 特開2012-138724(JP,A)
特表2006-510329(JP,A)
特開2011-015431(JP,A)
小野 智司 Satoshi Ono,電子チケットで使用される2次元コードの不正な複製を検知する方式の提案 一進化計算を用いた半脆弱な電子透かしの設計一,第27回全国大会論文集 [CD-ROM] 2013年度 人工知能学会全国大会(第27回)論文集 The 27th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence,日本,社団法人人工知能学会,2013年 6月 7日,第1-4頁
調査した分野 H04N 1/387
G06T 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
電子透かしが埋め込まれたコードを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたコードが表示手段に表示された場合の前記コードを撮影することで得られる撮影されたコードと、表示手段に表示された前記生成手段により生成されたコードを撮影することで得られる複製コードを撮影することで得られる撮影された複製コードと、に基づいて、前記生成手段により生成されたコードを評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果に基づいて、前記生成手段により生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定手段と、
を有し、
前記生成手段は、前記決定手段により、前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価結果に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とするコード生成装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記決定手段により、前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記撮影されたコードに含まれる電子透かしと前記撮影された複製コードに含まれる電子透かしとの差分に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とする請求項1に記載のコード生成装置。
【請求項3】
電子透かしが埋め込まれたコードを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたコードが表示手段に表示された場合の前記コードを撮影することで撮影されたコードを取得する第1の取得手段と、
表示手段に表示された前記生成手段により生成されたコードを撮影することで複製コードを取得する第2の取得手段と、
前記第2の取得手段により取得された前記複製コードが表示手段に表示された場合の前記複製コードを撮影することで撮影された複製コードを取得する第3の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記撮影されたコードと、前記第3の取得手段により取得された前記撮影された複製コードと、に基づいて、前記コードを評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果に基づいて、前記生成手段により生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定手段と、
を有し、
前記生成手段は、前記決定手段により、前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価結果に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とするシステム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記決定手段により、前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記撮影されたコードに含まれる電子透かしと前記撮影された複製コードに含まれる電子透かしとの差分に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
コード生成装置と、第1の携帯端末装置、第2の携帯端末装置及び第1の撮影装置を含む第1の装置群とを含むシステムであって、
前記コード生成装置は、
電子透かしが埋め込まれたコードを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成されたコードを前記第1の携帯端末装置及び前記第2の携帯端末装置に送信するコード送信手段と、
前記第1の撮影装置から受信したコード及び複製コードに基づいて、前記生成手段により生成されたコードを評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果に基づいて、前記生成手段により生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定手段と、
を有し、
前記第2の携帯端末装置は、
前記生成されたコードが表示された前記第1の携帯端末装置の表示手段を撮影して複製コードを取得する第1の取得手段と、
前記生成されたコードと、前記第1の取得手段により取得された複製コードとを切り替えて表示手段に表示する第1の表示制御手段と、
を有し、
前記第1の撮影装置は、
前記第1の表示制御手段により前記第2の携帯端末装置の表示手段に切り換えて表示されるコード及び複製コードを撮影する第1の撮影手段と、
前記第1の撮影手段により撮影されたコード及び複製コードを前記コード生成装置に送信する第1の撮影結果送信手段と、
を有し、
前記生成手段は、前記決定手段により前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価手段による評価結果に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記生成手段は、前記決定手段により前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記第1の撮影装置から受信したコードに含まれる電子透かしと前記第1の撮影装置から受信した複製コードに含まれる電子透かしとの差分に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、第3の携帯端末装置、第4の携帯端末装置及び第2の撮影装置を含む第2の装置群を更に含み、
前記コード送信手段は、前記生成されたコードを前記第1の携帯端末装置、前記第2の携帯端末装置、前記第3の携帯端末装置及び前記第4の携帯端末装置に送信し、
前記評価手段は、前記第1の撮影装置から受信したコード及び複製コードと、前記第2の撮影装置から受信したコード及び複製コードに基づいて、前記生成手段により生成されたコードを評価し、
前記第4の携帯端末装置は、
前記生成されたコードが表示された前記第3の携帯端末装置の表示手段を撮影して複製コードを取得する第2の取得手段と、
前記生成されたコードと、前記第2の取得手段により取得された複製コードとを切り替えて表示手段に表示する第2の表示制御手段と、
を有し、
前記第2の撮影装置は、
前記第2の表示制御手段により前記第4の携帯端末装置の表示手段に切り換えて表示されるコード及び複製コードを撮影する第2の撮影手段と、
前記第2の撮影手段により撮影されたコード及び複製コードを前記コード生成装置に送信する第2の撮影結果送信手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記生成手段は、前記決定手段により前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記第1の撮影装置から受信したコードに含まれる電子透かしと前記第1の撮影装置から受信した複製コードに含まれる電子透かしとの差分と、前記第2の撮影装置から受信したコードに含まれる電子透かしと前記第2の撮影装置から受信した複製コードに含まれる電子透かしとの差分と、に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の携帯端末装置は、前記第1の撮影手段により撮影された複製コードから電子透かしが抽出可能である場合、無線通信を介して前記複製コードを前記第2の携帯端末装置から取得して表示手段に表示し、
前記生成手段は、前記決定手段により前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記第1の携帯端末装置と前記第2の携帯端末装置と前記第1の撮影装置とによる処理の繰り返しの回数に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
コード生成装置が実行する情報処理方法であって、
電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第1の生成ステップと、
前記第1の生成ステップで生成されたコードが表示手段に表示された場合の前記コードを撮影することで得られる撮影されたコードと、表示手段に表示された前記第1の生成ステップで生成されたコードを撮影することで得られる複製コードを撮影することで得られる撮影された複製コードと、に基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定ステップと、
を有し、
前記決定ステップで、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価結果に基づいて、電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第2の生成ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
システムが実行する情報処理方法であって、
電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第1の生成ステップと、
前記第1の生成ステップで生成されたコードが表示手段に表示された場合の前記コードを撮影することで撮影されたコードを取得する第1の取得ステップと、
表示手段に表示された前記第1の生成ステップで生成されたコードを撮影することで複製コードを取得する第2の取得ステップと、
前記第2の取得ステップで取得された前記複製コードが表示手段に表示された場合の前記複製コードを撮影することで撮影された複製コードを取得する第3の取得ステップと、
前記第1の取得ステップで取得された前記撮影されたコードと、前記第3の取得ステップで取得された前記撮影された複製コードと、に基づいて、前記コードを評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定ステップと、
前記決定ステップで、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価結果に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第2の生成ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
コード生成装置と、第1の携帯端末装置、第2の携帯端末装置及び撮影装置を含む装置群とを含むコード評価システムにおけるコード評価方法であって、
前記コード生成装置が、電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第1の生成ステップと、
前記コード生成装置が、前記第1の生成ステップで生成されたコードを前記第1の携帯端末装置及び前記第2の携帯端末装置に送信するコード送信ステップと、
前記第2の携帯端末装置が、前記生成されたコードが表示された前記第1の携帯端末装置の表示手段を撮影して複製コードを取得する取得ステップと、
前記第2の携帯端末装置が、前記生成されたコードと、前記取得ステップで取得された複製コードとを切り替えて表示手段に表示する表示制御ステップと、
記撮影装置が、前記表示制御ステップで前記第2の携帯端末装置の表示手段に切り換えて表示されるコード及び複製コードを撮影する撮影ステップと、
前記撮影装置が、前記撮影ステップにより撮影されたコード及び複製コードを前記コード生成装置に送信する撮影結果送信ステップと、
前記コード生成装置が、前記撮影結果送信ステップで送信されたコード及び複製コードに基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを評価する評価ステップと、
前記コード生成装置が、前記評価ステップでの評価結果に基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定ステップと、
前記コード生成装置が、前記決定ステップで前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価ステップでの評価結果に基づいて、電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第2の生成ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第1の生成ステップと、
前記第1の生成ステップで生成されたコードが表示手段に表示された場合の前記コードを撮影することで得られる撮影されたコードと、表示手段に表示された前記第1の生成ステップで生成されたコードを撮影することで得られる複製コードを撮影することで得られる撮影された複製コードと、に基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを評価する評価ステップと、
前記評価ステップでの評価結果に基づいて、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定ステップと、
を有し、
前記決定ステップで、前記第1の生成ステップで生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価結果に基づいて、電子透かしが埋め込まれたコードを生成する第2の生成ステップと、
を実行させるためのプログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、表示手段に表示されたコードの複製を検知するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、航空機や列車の搭乗券、イベント等の入場券、電子マネー、クーポン等、二次元コードが認証の役割を担うことが期待されている。しかしながら、その一方で、二次元コードの不正な複製が懸念されている。
【0003】
紙に印刷された二次元コードの複製を検知する方法として、赤外線を反射する等の隠蔽インクや地紋を背景に含む用紙を用いる方法が知られている。隠蔽インクは、特殊な光源を当てることで視認することが可能であり、一般的な複写機では複製されないため、二次元コードの複製の検知に利用することができる。また、地紋は、複製により浮かび上がるため、二次元コードを含むチケット全体を参照することで真贋判定を行うことができる。
【0004】
特許文献1には、紙に印刷された二次元コードに電子透かしを加えることにより、不正に複製された二次元コードを識別可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特許第4713691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
昨今では、紙に印刷された二次元コードだけではなく、携帯電話等のディスプレイに表示された二次元コードの複製を検知する技術の実現が望まれている。しかしながら、隠蔽インクや地紋は、携帯電話のディスプレイに表示された二次元コードに対しては使用することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、表示手段に表示されたコードが撮影により複製されたことを識別することが可能なコードを生成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコード生成装置、電子透かしが埋め込まれたコードを生成する生成手段と、前記生成手段により生成されたコードが表示手段に表示された場合の前記コードを撮影することで得られる撮影されたコードと、表示手段に表示された前記生成手段により生成されたコードを撮影することで得られる複製コードを撮影することで得られる撮影された複製コードと、に基づいて、前記生成手段により生成されたコードを評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果に基づいて、前記生成手段により生成されたコードを最適解とするか否かを決定する決定手段と、を有し、前記生成手段は、前記決定手段により、前記生成手段により生成されたコードを最適解としないことが決定された場合、前記評価結果に基づいて、再度、電子透かしが埋め込まれたコードを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示手段に表示されたコードが撮影により複製されたことを識別することが可能なコードを生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る二次元コード評価システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、二次元コード生成装置の機能構成を示す図である。
【図3】図3は、二次元コード生成装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態に係る二次元コード評価システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態に係る二次元コード評価システムの構成を示す図である。
【図6A】図6Aは、表示系、複製系及び撮影系の夫々に対応する空間周波数伝達関数(MTF)の取得方法を説明するための図(その1)である。
【図6B】図6Bは、表示系、複製系及び撮影系の夫々に対応する空間周波数伝達関数(MTF)の取得方法を説明するための図(その2)である。
【図6C】図6Cは、表示系、複製系及び撮影系の夫々に対応する空間周波数伝達関数(MTF)の取得方法を説明するための図(その3)である。
【図7】図7は、本発明の第3の実施形態に係るコード評価装置の機能的な構成を示す図である。
【図8】図8は、本発明の第6の実施形態に係る二次元コード評価システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【0012】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る二次元コード評価システムの構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る二次元コード評価システムは、二次元コード生成装置100、二次元コード表示装置201及び202、二次元コード複製装置203、二次元コード撮影装置204及び205、並びに、差分器206を備える。

【0013】
二次元コード生成装置100と二次元コード表示装置201及び202とは無線通信回線を介して接続される。また、二次元コード撮影装置204及び205と差分器206とは無線通信回線を介して接続される。さらに、差分器206と二次元コード生成装置100とは無線通信回線を介して接続される。なお、二次元コード撮影装置204及び205と差分器206とは有線通信回線を介して接続してもよい。また、差分器206は、二次元コード生成装置100の外部ではなく、二次元コード生成装置100内においてソフトウェアにより実現される機能構成としてもよい。

【0014】
本実施形態において、二次元コード表示装置201、202及び203は携帯電話で構成している。二次元コード表示装置201及び202である携帯電話は、少なくとも二次元コードを表示可能なTFT液晶ディスプレイを備えるものとする。二次元コード複製装置203である携帯電話は、少なくとも、二次元コード表示装置202のTFT液晶ディスプレイに表示された二次元コードを撮影可能なカメラ機能と、当該カメラ機能により撮影された二次元コードを表示可能なTFT液晶ディスプレイとを備えるものとする。二次元コード表示装置201及び202、並びに、二次元コード複製装置203は同一機種の携帯電話で構成することが好ましいが、機能面で一定の一致性があれば、二次元コード表示装置201及び202、並びに、二次元コード複製装置203をどのような携帯電話で構成してもよい。また、二次元コードを表示可能なディスプレイを備える装置であれば、携帯電話に限らず、二次元コード表示装置201及び202に適用することができる。また、二次元コードを表示可能なディスプレイ、及び、二次元コード表示装置202に表示された二次元コードを撮影可能なカメラ機能を備える装置であれば、携帯電話に限らず、二次元コード複製装置203に適用することができる。さらに、二次元コード表示装置201と二次元コード複製装置203とを同一機種とし、二次元コード表示装置201及び二次元コード複製装置203と二次元コード表示装置202とを異なる機種としてもよい。

【0015】
二次元コード生成装置100は、電子透かしが埋め込まれた二次元コードを生成する。二次元コード表示装置201及び202は、二次元コード生成装置100により生成された二次元コードを表示する。二次元コード複製装置203は、二次元コード表示装置202において表示される二次元コードを撮影することにより複製した二次元コード(以下、複製二次元コードと称す)を生成し、表示する。二次元コード撮影装置204は、二次元コード表示装置201において表示される二次元コードを撮影する。二次元コード撮影装置205は、二次元コード複製装置203において表示される複製二次元コードを撮影する。差分器206は、二次元コード撮影装置204において撮影された二次元コードと、二次元コード撮影装置205において撮影された複製二次元コードとから電子透かしを抽出し、それらの抽出率の差分を算出する。二次元コード生成装置100は、差分器206において算出された差分を評価値として用いて、生成した二次元コードを評価する。

【0016】
図2は、二次元コード生成装置100の機能構成を示す図である。図2に示すように、二次元コード生成装置100は、評価値取得部1001、解候補探索部1002及び二次元コード生成部1003を備える。

【0017】
評価値取得部1001は、二次元コード撮影装置204により撮影された二次元コードと、二次元コード撮影装置205により撮影された複製二次元コードとの差分を差分器206から取得する。解候補探索部1002は、評価値取得部1001により取得された差分(評価値)を最大化するように、解候補の探索を行う。即ち、本実施形態では、想定し得る差分(評価値)の最大値を閾値として設定し、解候補探索部1002は、評価値取得部1001により差分器206から取得される差分(評価値)が閾値以上となるまで、解候補の探索(二次元コードの生成)を行う。差分(評価値)が閾値以上となる解候補が見つかった場合、当該解候補が最適解として決定される。

【0018】
また、他の解候補の探索方法として、先ず、解候補探索部1002は、解候補の初期集団(50~1000個程度)を、パラメータをランダムに決定することで生成し、全解候補を評価する。次に、解候補探索部1002は、各解候補の評価値及び最適化アルゴリズムに従って、次の集団の解候補を生成する。例えば、遺伝的アルゴリズムを用いる場合であれば、2つの解候補の組み合わせをランダム又は評価値に基づくルーレット選択により復元抽出又は非復元抽出する。

【0019】
次に、解候補探索部1002は、抽出された2つの解候補(親個体)に対して交叉と呼ばれるようなパラメータの値組の一部を交換する操作を適用することで新たな2つの解候補(子個体)を生成する。解候補探索部1002は、交叉により生成された解候補に対して、突然変異、即ちパラメータ組の一部をある一定確率でランダムに変更する操作を行うこともある。また、解候補探索部1002は、子個体を次の集団に無条件で加えることもあれば、親個体の方が優れる場合は子個体を捨てて親個体を次の集団に加えることもある。

【0020】
解候補探索部1002は、一定回数(100回~100000回程度)又は解候補集団内の最良個体の評価値が一定回数の間(100~10000回程度)改善されない状態に収束するまで、解候補の探索を行う。探索終了後、解候補探索部1002は、最も評価値が高く(最大化され)、パラメータの値組が互いに類似しない複数の解候補組を出力とすることもある。この場合、ユーザにより最終的な解候補が選択される。

【0021】
ここでいう解候補としては、電子透かしを埋め込む対象となる二次元コードを構成する際のパラメータ(例えば、二次元コードの型番、色、モジュールパターン及び階調等)、電子透かしの種類や電子透かしを構成する際のパラメータ、及び、電子透かしを二次元コードに埋め込む際の方法(例えば、ウェーブレット変換、離散コサイン変換等)やパラメータ(例えば、マザーウェーブレット、電子透かしの埋め込み強度等)等が挙げられる。二次元コード生成部1003は、解候補探索部1002により解候補が探索される度に、当該解候補に基づいて、電子透かしを生成するとともに当該電子透かしを埋め込んだ二次元コードを生成し、二次元コード表示装置201及び202に対して送信する。

【0022】
このように、本実施形態においては、二次元コード表示装置201において表示される二次元コードと、二次元コード複製装置203において表示される複製二次元コードからそれぞれ抽出される電子透かしの一致性の差分である評価値を最大化することにより、ディスプレイに表示される二次元コードが撮影により複製された場合、複製されたことを確実に識別することが可能な二次元コードを生成することが可能となる。

【0023】
なお、差分(評価値)を最大化する手法は、例えば、一定回数の探索処理により得られた解候補のうち、最も差分(評価値)が高い解候補を最適解として決定するようにしてもよく、特に限定すべきものではない。

【0024】
また、二次元コード表示装置201及び二次元コード撮影装置204を省いた構成としてもよい。この場合、二次元コード複製装置203は、複製二次元コードだけではなく、二次元コード表示装置201において表示されるべき二次元コードを表示し、二次元コード撮影装置205は、二次元コード複製装置203において交互に表示される複製二次元コードと二次元コードとを撮影する。そして、差分器206は、二次元コード撮影装置205において撮影された複製二次元コードと二次元コードとから電子透かしを抽出し、それらの抽出率の差分を算出する。

【0025】
また、上述した解候補に、各携帯電話(二次元コード表示装置201及び202、二次元コード複製装置203)の補正パラメータ(例えば、色、輝度、ガンマ値、ぼかし等)が加えられてもよい。

【0026】
この場合、二次元コード生成装置100は、電子透かしが埋め込まれた二次元コードを生成する。二次元コード表示装置201及び202は、補正パラメータを設定して二次元コード生成装置100により生成された二次元コードを表示する。二次元コード複製装置203は、二次元コード表示装置202において表示される二次元コードを撮影することにより複製二次元コードを生成し、補正パラメータを設定して表示する。二次元コード撮影装置204は、二次元コード表示装置201において表示される二次元コードを撮影する。二次元コード撮影装置205は、二次元コード複製装置203において表示される複製二次元コードを撮影する。

【0027】
差分器206は、二次元コード撮影装置204において撮影された二次元コードと、二次元コード撮影装置205において撮影された複製二次元コードとから電子透かしを抽出し、その抽出結果から各携帯電話に上述の補正パラメータを再調整させる。以上の処理が所定の回数(例えば、5回)繰り返された後、差分器206は、図1で説明したように抽出率の差分を算出する。そして、二次元コード生成装置100は、差分器206において算出された差分を評価値として用いて、生成した二次元コードを評価する。このように、各携帯電話の特性に応じた補正を加えて画像データを表示することで、より安定的に二次元コードの真贋判定を行うことが可能となる。

【0028】
図3は、本実施形態に係る二次元コード生成装置100のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、二次元コード生成装置100は、一般的な情報処理装置によって構成することができる。

【0029】
図3において、CPU201は、システムバスに接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。ROM203又はHD(ハードディスク)209には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム、二次元コード生成装置100が実行する例えば図4のステップS101~S106に示す処理のプログラム等が記憶されている。

【0030】
なお、図3の例では、HD209は、二次元コード生成装置100の内部に配置された構成としているが、他の実施形態としてHD209に相当する構成(例えば、DBサーバや外部ストレージ装置)が二次元コード生成装置100の外部に配置された構成としてもよい。また、本実施形態に係る例えば図4のステップS101~S106に示す処理を行うためのプログラムは、CD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、それらの記録媒体から供給される構成としてもよいし、Webブラウザや電子メールといったインターネット等の通信媒体を介して供給される構成としてもよい。

【0031】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークメモリ等として機能する。CPU201は処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。

【0032】
HD209は、外部メモリとして機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。

【0033】
ディスクコントローラ207は、HD209等の外部メモリへのアクセスを制御する。通信I/Fコントローラ206は、インターネットやWAN、LANと接続し、例えばTCP/IPによって外部との通信を制御するものである。

【0034】
ディスプレイコントローラ210は、ディスプレイ211における画像表示を制御する。KBコントローラ204は、KB(キーボード)205からの操作入力を受け付け、CPU201に対して送信する。なお、図示していないが、KB205の他に、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイスもユーザの操作手段として二次元コード生成装置100に適用可能である。

【0035】
なお、図2における1001~1003の構成は、例えばHD209内に記憶され、必要に応じてRAM202にロードされるプログラム及びそれを実行するCPU201によって実現される構成である。

【0036】
また、二次元コード表示装置201及び202、二次元コード複製装置203、二次元コード撮影装置204及び205、差分器206も、各々、ハードウェアとして少なくともCPUとメモリとを備えている。そして、各々のCPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、各々の機器の機能が実現される。

【0037】
次に、図4を参照しながら、本実施形態に係る二次元コード評価システムの処理の流れについて説明する。

【0038】
ステップS101において、二次元コード生成装置100は、電子透かしが埋め込まれた二次元コードを生成する。ステップS102において、二次元コード生成装置100は、生成した二次元コードを二次元コード表示装置201及び202に対して送信する。

【0039】
ステップS111において、二次元コード表示装置201は、二次元コード生成装置100から二次元コードを受信する。ステップS112において、二次元コード表示装置201は、受信した二次元コードを表示する。ステップS121において、二次元コード表示装置202は、二次元コード生成装置100から二次元コードを受信する。ステップS122において、二次元コード表示装置202は、受信した二次元コードを表示する。

【0040】
ステップS131において、二次元コード複製装置203は、二次元コード表示装置202にて表示される二次元コードを撮影することにより複製二次元コードを生成する。ステップS132において、二次元コード複製装置203は、複製二次元コードを表示する。

【0041】
ステップS141において、二次元コード撮影装置204は、二次元コード表示装置201に表示される二次元コードを撮影する。ステップS142において、二次元コード撮影装置204は、撮影した二次元コードを差分器206に対して送信する。

【0042】
ステップS151において、二次元コード撮影装置205は、二次元コード複製装置203に表示される複製二次元コードを撮影する。ステップS152において、二次元コード撮影装置205は、撮影した複製二次元コードを差分器206に対して送信する。

【0043】
ステップS161において、差分器206は、二次元コード撮影装置204から二次元コードを受信する。ステップS162において、差分器206は、二次元コード撮影装置205から複製二次元コードを受信する。なお、ステップS161とS162とは時間的な順序が逆の場合もある。

【0044】
ステップS163において、差分器206は、ステップS161で受信した二次元コードとステップS162で受信した複製二次元コードとの差分を算出する。ステップS164において、差分器206は、算出した差分を二次元コード生成装置100に対して送信する。

【0045】
ステップS103において、二次元コード生成装置100は、差分器206から差分を受信する。ステップS104において、二次元コード生成装置100は、ステップS103にて受信した差分である評価値が閾値以上であるか否かを判定する。評価値が閾値以上である場合、処理はステップS106に移行する。一方、評価値が閾値未満である場合、処理はステップS105に移行する。ステップS106において、二次元コード生成装置100は、現在の解候補(電子透かし及び二次元コードを生成するための各種パラメータ)を最適解として決定する。ステップS105において、二次元コード生成装置100は、他の解候補を探索する。ステップS105の後、処理はステップS101に戻り、当該他の解候補に基づいて二次元コードが新たに生成される。

【0046】
なお、ステップS105における解候補の探索アルゴリズムとしては、勾配法、ニュートン法、共役勾配法、最小二乗法、タブー探索、焼き純し法等の端点探索法のほか、遺伝的アルゴリズム、蟻コロニー最適化、差分進化法、粒子群最適化等の多点探索、及び、それらのアルゴリズムのハイブリッド法を利用することができる。

【0047】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る二次元コード評価システムの構成を示す図である。図5において、201~206の構成は、図1に示した同一符号の構成と同じであるため、説明を省略する。

【0048】
図5に示すように、第2の実施形態に係る二次元コード評価システムは、201~206の構成のほかに、二次元コード生成装置400、二次元コード表示装置301及び302、二次元コード複製装置303、二次元コード撮影装置304及び305、並びに、差分器306を備える。なお、二次元コード生成装置400のハードウェア構成は、図3に示した構成と同様であるため、説明を省略する。

【0049】
二次元コード生成装置400と二次元コード表示装置301及び302とは無線通信回線を介して接続される。また、二次元コード撮影装置304及び305と差分器306とは無線通信回線を介して接続される。さらに、差分器206と二次元コード生成装置400とは無線通信回線を介して接続される。

【0050】
本実施形態において、二次元コード表示装置301、302及び303は携帯電話で構成している。二次元コード表示装置301及び302である携帯電話は、少なくとも二次元コードを表示可能な有機ELディスプレイを備えるものとする。二次元コード複製装置303である携帯電話は、少なくとも、二次元コード表示装置302の有機ELディスプレイに表示された二次元コードを撮影可能なカメラ機能と、当該カメラ機能により撮影された二次元コードを表示可能な有機ELディスプレイとを備えるものとする。二次元コード表示装置301及び302、並びに、二次元コード複製装置303は同一機種の携帯電話で構成することが好ましいが、機能面で一定の一致性があれば、二次元コード表示装置301及び302、並びに、二次元コード複製装置303をどのような携帯電話で構成してもよい。また、二次元コードを表示可能なディスプレイを備える装置であれば、携帯電話に限らず、二次元コード表示装置301及び302に適用することができる。さらに、二次元コードを表示可能なディスプレイ、及び、二次元コード表示装置302に表示された二次元コードを撮影可能なカメラ機能を備える装置であれば、携帯電話に限らず、二次元コード複製装置303に適用することができる。

【0051】
また、第1の実施形態と同様に、二次元コード表示装置201及び二次元コード撮影装置204を省いた構成としてもよい。さらに、二次元コード表示装置301及び二次元コード撮影装置304を省いた構成としてもよい。この場合、二次元コード複製装置303は、複製二次元コードだけではなく、二次元コード表示装置301において表示されるべき二次元コードを表示し、二次元コード撮影装置305は、二次元コード複製装置303において交互に表示される複製二次元コードと二次元コードとを撮影する。そして、差分器306は、二次元コード撮影装置305において撮影された複製二次元コードと二次元コードとから電子透かしを抽出し、それらの抽出率の差分を算出する。

【0052】
二次元コード表示装置201及び202、並びに、二次元コード複製装置203は、TFT液晶ディスプレイを備える第1の装置群であり、二次元コード表示装置301及び302、並びに、二次元コード複製装置303は、有機ELディスプレイを備える第2の装置群である。このように、本実施形態では、第1の装置群と第2の装置群とを異なる機種で構成し、両機種に対して最適化された二次元コードを生成する。なお、本実施形態においては、機種が異なる2つの装置群を備えるようにしたが、より多くの機種の装置群を備えるようにしてもよい。

【0053】
二次元コード表示装置301及び302は、二次元コード生成装置400により生成された電子透かしが埋め込まれた二次元コードを表示する。なお、二次元コード生成装置400から二次元コード表示装置301及び302に対して送信される二次元コードは、二次元コード生成装置400から二次元コード表示装置201及び202に対して送信される二次元コードと同一である。

【0054】
二次元コード複製装置303は、二次元コード表示装置302において表示される二次元コードを撮影することにより複製二次元コードを生成し、表示する。二次元コード撮影装置304は、二次元コード表示装置302において表示される二次元コードを撮影する。二次元コード撮影装置305は、二次元コード複製装置303において表示される複製二次元コードを撮影する。差分器306は、二次元コード撮影装置304において撮影された二次元コードと、二次元コード複製装置305において撮影された複製二次元コードとの差分を算出する。二次元コード生成装置400は、差分器206及び306夫々から差分を受信し、両機種に対応する各差分(各評価値)を最大化するように、解候補の探索を行う。即ち、本実施形態では、想定し得る両機種に対応する各差分の合計の最大値を閾値として設定し、二次元コード生成装置400は、差分器206及び306夫々から受信した各差分の合計値が閾値以上となるまで、解候補の探索を行う。

【0055】
なお、差分器206及び306夫々からの各差分(評価値)を最大化する手法は、例えば、差分器206からの差分及び差分器306からの差分毎に閾値を設け、夫々の差分毎に閾値との比較を行い、全ての差分が閾値以上となった場合、該当する解候補を最適解として決定するようにしてもよく、特に限定すべきものではない。

【0056】
ここで、第2の実施形態における解候補の評価値(Fitness)は、例えば以下の式により算出される。

【0057】
【数1】
JP0006448138B2_000002t.gif

【0058】
cor(x)は、二次元コードから抽出された電子透かしxが、電子透かしの原信号と一致する割合を示す。x_origは、二次元コード表示装置201や301に表示された二次元コードから抽出された電子透かしを示し、x^k_copyは、二次元コード複製装置203や303に表示された二次元コードから抽出された電子透かしを示す。上記は、電子透かしの一致率の差分の平均を評価値とする場合を示しているが、次のように、電子透かしの一致率の差分の最悪値を評価値(Fitness)としてもよい。

【0059】
【数2】
JP0006448138B2_000003t.gif

【0060】
このように、本実施形態においては、第1の装置群に対応する評価値(差分)と第2の装置群に対応する評価値(差分)とを最大化することにより、異なる機種間で共通して複製検知に有効な二次元コードを生成することが可能となる。

【0061】
また、二次元コード表示装置201、二次元コード複製装置203、二次元コード撮影装置204及び205の夫々に対して、モータやアクチュエータで移動が制御される土台を設置してもよい。例えば、二次元コード表示装置201に設置された土台と二次元コード撮影装置204に設置された土台とのうちの少なくとも何れか一方を制御することにより、二次元コード表示装置201のディスプレイに対して二次元コード撮影装置204が正対した状態から所定の角度ずつずらしながら、二次元コードを複数枚撮影する。同様に、二次元コード複製装置203に設置された土台と二次元コード撮影装置205に設置された土台とのうちの少なくとも何れか一方を制御することにより、二次元コード複製装置203のディスプレイに対して二次元コード撮影装置205が正対した状態から所定の角度ずつずらしながら、複製二次元コードを複数枚撮影する。差分器206は、二次元コード撮影装置204により撮影された複数枚の二次元コードからの電子透かしの抽出率の平均値を算出するとともに、二次元コード撮影装置205により撮影された複数枚の複製二次元コードからの電子透かしの抽出率の平均値を算出する。次に、差分器206は、複数枚の二次元コードに関する電子透かしの抽出率の平均値と、複数枚の複製二次元コードに関する電子透かしの抽出率の平均値との差分を算出する。そして、二次元コード生成装置100は、その差分(評価値)を最大化するように二次元コードを生成する。なお、抽出率の平均値の差分を評価値とするのではなく、複数枚の二次元コードからの電子透かしの抽出率のうちの最も低い抽出率(最悪値)と複数枚の複製二次元コードからの電子透かしの抽出率のうちの最も高い抽出率(最良値)との差分を評価値とし、その評価値を最大化するように二次元コードを生成するようにしてもよい。

【0062】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態において示した各装置の機能をシミュレーションにより仮想的に実施するものである。

【0063】
即ち、第3の実施形態では、図1における二次元コード表示装置201及び202(以下、表示系と称す)において表示される二次元コード、二次元コード複製装置203(以下、複製系と称す)において表示される二次元コード、及び、二次元コード撮影装置204及び205(以下、撮影系と称す)において撮影される二次元コードをシミュレーション(ソフトウェア)により推定するものである。なお、推定される二次元コードは、ピンボケ、収差、液晶保護フィルム等による画像データの劣化が加味されたものとなる。ピンボケ等による劣化が加味された二次元コードは、空間周波数伝達関数(MTF)を用いて推定される。なお、空間周波数伝達関数(MTF)に基づく画像データの推定は、例えば特開2010-271951号公報に開示されている。

【0064】
図6A、B、Cは、表示系、複製系及び撮影系の夫々に対応する空間周波数伝達関数(MTF)の取得方法を説明するための図である。即ち、図6Aは、撮影系に対応する空間周波数伝達関数(撮影系MTF)の取得方法を示している。図6Bは、表示系に対応する空間周波数伝達関数の取得方法(表示系MTF)を示している。図6Cは、複製系に対応する空間周波数伝達関数(複製系MTF)の取得方法を示している。

【0065】
図6Aに示すように、撮影系に対応する空間周波数伝達関数は、正弦波格子601を撮影装置602で撮影することにより取得することが可能である。また、図6Bに示すように、表示系に対応する空間周波数伝達関数は、二次元コード表示装置603の画面を撮影装置602で撮影することにより取得することが可能である。また、図6Cに示すように、複製系に対応する空間周波数伝達関数は、二次元コード複製装置604のカメラ機能により正弦波格子601を撮影し、そして当該二次元コード複製装置604のディスプレイにおいて複製した正弦波格子を表示し、それを撮影装置602で撮影することにより取得することが可能である。なお、正弦波格子の代わりに矩形格子等を用いてもよい。

【0066】
図7は、第3の実施形態に係るコード評価装置(情報処理装置)700の機能的な構成を示す図である。なお、本実施形態に係るコード評価装置700のハードウェア構成は、図3に示した構成と同様であるため、説明を省略する。

【0067】
図7に示すように、本実施形態に係るコード評価装置700は、表示系劣化画像推定部701、複製系劣化画像推定部702、撮影系劣化画像推定部703、差分器704及び二次元コード生成部705を備える。上記701~705の機能構成は、図3のCPU201がHD209やROM203から必要なプログラムやデータを読み出して実行することにより実現する構成である。なお、表示系劣化画像推定部701は、図1の二次元コード表示装置201及び202に対応する機能構成である。複製系劣化画像推定部702は、図1の二次元コード複製装置203に対応する機能構成である。撮影系劣化画像推定部703は、図1の二次元コード撮影装置204及び205に対応する機能構成である。差分器704は、図1の差分器206に対応する機能構成である。二次元コード生成部705は、図1の二次元コード生成装置100に対応する機能構成である。

【0068】
二次元コード生成部705は、電子透かしが埋め込まれた二次元コードを生成する。表示系劣化画像推定部701は、表示系MTFに基づいて、二次元コード生成部705により生成された二次元コードがディスプレイで表示された場合の画像データを推定して生成する。複製系劣化画像推定部702は、複製系MTFに基づいて、ディスプレイに表示された二次元コードを撮影することにより複製した二次元コード(複製二次元コード)をディスプレイに表示した場合の画像データを推定して生成する。撮影系劣化画像推定部703は、撮影系MTFに基づいて、表示系劣化画像推定部701により生成された二次元コードを撮影した場合の画像データを推定して生成するとともに、同じく撮影系MTFに基づいて、複製系劣化画像推定部702により生成された複製二次元コードを撮影した場合の画像データを推定して生成する。差分器704は、撮影系劣化画像推定部703により生成された二次元コード及び複製二次元コードの夫々から電子透かしを抽出し、それらの抽出率の差分を算出する。二次元コード生成部705は、差分器704において算出された差分を評価値として用いて、生成した二次元コードを評価する。

【0069】
第3の実施形態では、図1に示した全ての構成に対応する機能構成を一つの二次元コード評価装置内に備えているが、本発明はこれに限定されない。即ち、図1に示した一部の構成要素に対応する機能構成を一つの二次元コード評価装置内に備え、残りの構成要素を当該二次元コード評価装置とは別のハードウェアで構成してもよい。

【0070】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第2の実施形態における二次元コード評価システムの各装置の機能をシミュレーションにより仮想的に実施するものである。第4の実施形態に係る二次元コード生成装置は、図7に示した701~704と同様の機能構成を機種毎に備え、各差分器から一つの二次元コード生成部が機種毎の差分(評価値)を入力し、それらの合計値が閾値以上となるまで、解候補の探索を行うものである。

【0071】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態として、第1の実施形態に係るコード評価システムと第3の実施形態に係るコード評価装置とを組み合わせて使用してもよい。即ち、二次元コード表示装置201、202と二次元コード複製装置203との機種が同一である場合、二次元コードの複製は、第1の実施形態に係るコード表示システムを用いて行う。一方、二次元コード表示装置201、202と二次元コード複製装置203との機種が異なる場合、二次元コード表示装置201、202及び二次元コード複製装置203のディスプレイに液晶保護フィルムが貼付されている場合、又は、手振れ等の二次元コードの撮影に劣化が生じ得る事象が発生した場合には、二次元コードの複製は、第2の実施形態に係る二次元コード評価装置を用いて行う。なお、第2の実施形態と第4の実施形態との組み合わせて、第5の実施形態のように実施可能であることは勿論である。

【0072】
なお、上述した実施形態では、複製検知に有効な二次元コードを生成する方法について説明したが、同様の手法により、複製検知に有効な一次元コード(バーコード)も生成することができる。また、上述した実施形態では、空間周波数伝達関数(MTF)に基づいて、ピンボケ、収差、液晶保護フィルム等により劣化した画像データを推定するようにしているが、それ以外にも、MTFとPTF(Phase Transfer Function)とからなるOTF(光学的伝達関数)を用いて、手ブレにより劣化した画像データを推定するようにしてもよい。また、劣化した画像データの推定は、第3及び第4の実施形態だけではなく、第1及び第2の実施形態にも適用することが可能である。さらに、画像データの劣化要因として、ピンボケ、収差、液晶保護フィルム、手ブレ等を挙げたが、シミュレーションにおいて、これらを全て考慮しなければならないことを意味するわけではなく、それらの一部を考慮するようにしてもよいし、全く考慮しないようにしてもよい。但し、画像データの劣化要因が増加するに従って、それらの組み合わせによる画像データの劣化をシミュレーションでは容易に推定することが可能となる。

【0073】
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。上述した実施形態では、複製検知に有効な二次元コードを生成する方法について説明した。一方、繰り返し複製が行われた場合でも抽出可能な頑健な電子透かしが埋め込まれた二次元コードが要求される場合もある。本実施形態に係る二次元コード評価システムは、頑健な電子透かしを埋め込んだ二次元コードを生成する。

【0074】
図8は、本実施形態に係る二次元コード評価システムの構成を示す図である。図8において、202、203、205の構成は、図1に示した同一符号の構成と同じであるため、説明を省略する。

【0075】
図8に示すように、本実施形態に係る二次元コード評価システムは、202、203、205の構成のほかに、二次元コード生成装置800を備える。二次元コード生成装置800のハードウェア構成は、図3に示した構成と同様であるため、説明を省略する。

【0076】
二次元コード生成装置800と二次元コード表示装置202とは無線通信回線を介して接続される。また、二次元コード撮影装置205と二次元コード生成装置800とは無線通信回線を介して接続される。なお、二次元コード表示装置202、二次元コード複製装置203及び二次元コード撮影装置205は、無線通信回線を介して相互に接続されていてもよい。

【0077】
本実施形態に係る二次元コード評価システムにおいて、二次元コード生成装置800は、電子透かしが埋め込まれた二次元コードを生成する。二次元コード表示装置202は、二次元コード生成装置800により生成された二次元コードを表示する。二次元コード複製装置203は、二次元コード表示装置202において表示される二次元コードを撮影することにより複製二次元コードを生成し、表示する。二次元コード撮影装置205は、二次元コード複製装置203において表示される複製二次元コードを撮影する。

【0078】
二次元コード撮影装置205において撮影された二次元コードから電子透かしが抽出可能な場合、二次元コード表示装置202は、二次元コード複製装置203により生成された複製二次元コードを表示する。以降、同様の処理が繰り返される。なお、二次元コード表示装置202は、二次元コード複製装置203により生成された複製二次元コードを、無線通信回線を介して二次元コード複製装置203から取得することができる。

【0079】
そして、二次元コード複製装置203は、二次元コード表示装置202において表示される複製二次元コードを撮影することにより、新たに、複製二次元コードを生成し、表示する。そして、二次元コード撮影装置205は、再度、二次元コード複製装置203において表示される複製二次元コードを撮影する。このように、二次元コード撮影装置205において撮影された二次元コードから電子透かしが抽出可能な限り、上述の処理が繰り返される。

【0080】
二次元コード生成装置800は、上述の処理が繰り返された回数を評価値として用いて、生成した二次元コードを評価する。即ち、本実施形態では、想定し得る回数の最大値を閾値として設定し、二次元コード生成装置800は、上述の処理が繰り返された回数(評価値)が閾値以上となるまで、解候補の探索(二次元コードの生成)を行う。回数(評価値)が閾値以上となる解候補が見つかった場合、当該解候補が最適解として決定される。

【0081】
このように、本実施形態においては、二次元コード表示装置202において表示される二次元コードの複製の複製を生成する処理を繰り返し、その繰り返し回数である評価値を最大化するように二次元コードを最適化する。即ち、二次元コード生成装置800は、電子透かしが破壊されずに複製を行える回数が最大となる二次元コードを生成する。これにより、二次元コードの複製の複製が繰り返し生成されるような場合でも電子透かしが抽出可能な頑健な電子透かしを含む二次元コードを生成することが可能となる。

【0082】
なお、本実施形態に係る二次元コード評価システムは、上述の処理が並列で実行されるよう構成であってもよい。即ち、二次元コード表示装置202、二次元コード複製装置203、二次元コード撮影装置205から成る構成が並列に複数存在していてもよい。

【0083】
また、本実施形態に係る二次元コード評価システムの処理を、第3の実施形態で説明した、表示系劣化画像推定部701、複製系劣化画像推定部702、撮影系劣化画像推定部703、二次元コード生成部705により実現することも可能である。なお、表示系劣化画像推定部701は、図8の二次元コード表示装置202に対応する機能構成である。複製系劣化画像推定部702は、図8の二次元コード複製装置203に対応する機能構成である。撮影系劣化画像推定部703は、図8の二次元コード撮影装置205に対応する機能構成である。二次元コード生成部705は、図8の二次元コード生成装置800に対応する機能構成である。

【0084】
二次元コード生成部705は、電子透かしが埋め込まれた二次元コードを生成する。表示系劣化画像推定部701は、表示系MTFに基づいて、二次元コード生成部705により生成された二次元コードがディスプレイで表示された場合の画像データを推定して生成する。複製系劣化画像推定部702は、複製系MTFに基づいて、ディスプレイに表示された二次元コードを撮影することにより複製した二次元コード(複製二次元コード)をディスプレイに表示した場合の画像データを推定して生成する。撮影系劣化画像推定部703は、撮影系MTFに基づいて、複製系劣化画像推定部702により生成された複製二次元コードを撮影した場合の画像データを推定して生成する。更に、撮影系劣化画像推定部703により生成された画像データから電子透かしが抽出可能であれば、表示系劣化画像推定部701は、表示系MTFに基づいて、複製系劣化画像推定部702により生成された複製二次元コードをディスプレイに表示した場合の画像データを推定して生成する。以降、同様の処理が繰り返される。二次元コード生成部705は、上述の処理が繰り返された回数を評価値として用いて、生成した二次元コードを評価する。

【0085】
以上、上述した各実施形態では二次元コードを例に説明したが、これに限らず各種のコードに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0086】
100、400:二次元コード生成装置、201、202、301、302:二次元コード表示装置、203、303:二次元コード複製装置、204、205、304、305:二次元コード撮影装置、206、306:差分器、1001:評価値取得部、1002:解候補探索部、1003:二次元コード生成部
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6A】
5
【図6B】
6
【図6C】
7
【図7】
8
【図8】
9