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明細書 :酸化ストレスマーカー及びその使用

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-091649 (P2018-091649A)
公開日 平成30年6月14日(2018.6.14)
発明の名称または考案の名称 酸化ストレスマーカー及びその使用
国際特許分類 G01N  33/68        (2006.01)
G01N  33/53        (2006.01)
G01N  27/62        (2006.01)
C07K  14/47        (2006.01)
FI G01N 33/68 ZNA
G01N 33/53 D
G01N 27/62 V
C07K 14/47
請求項の数または発明の数 15
出願形態 OL
全頁数 21
出願番号 特願2016-232947 (P2016-232947)
出願日 平成28年11月30日(2016.11.30)
発明者または考案者 【氏名】小寺 義男
【氏名】七里 眞義
出願人 【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100106909、【弁理士】、【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100188558、【弁理士】、【氏名又は名称】飯田 雅人
審査請求 未請求
テーマコード 2G041
2G045
4H045
Fターム 2G041CA01
2G041FA12
2G041FA21
2G041LA07
2G041LA08
2G045DA36
2G045FB03
2G045FB06
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA75
4H045EA50
要約 【課題】生体の酸化ストレスレベルを正確に測定する技術を提供する。
【解決手段】生体試料中のタンパク質の酸化されたメチオニン残基からなる酸化ストレスマーカー。タンパク質が血清アルブミンであり、メチオニン残基が血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基である、酸化ストレスマーカー。タンパク質がイムノグロブリンであり、イムノグロブリンがイムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であり、メチオニン残基が、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基、イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基、イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基、又はイムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基である、酸化ストレスマーカー。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
生体試料中のタンパク質の酸化されたメチオニン残基からなる酸化ストレスマーカー。
【請求項2】
前記生体試料が、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗、組織、細胞培養上清又は細胞破砕物である、請求項1に記載の酸化ストレスマーカー。
【請求項3】
前記タンパク質が血清アルブミン又はイムノグロブリンである、請求項1又は2に記載の酸化ストレスマーカー。
【請求項4】
前記タンパク質が血清アルブミンであり、前記メチオニン残基が前記血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化ストレスマーカー。
【請求項5】
前記タンパク質がイムノグロブリンであり、前記イムノグロブリンがイムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であり、前記メチオニン残基が、前記イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基、又は前記イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基である、請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化ストレスマーカー。
【請求項6】
被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程を備え、
前記量比又は前記濃度が、前記被験者の酸化ストレスレベルを示す、前記被験者の酸化ストレスレベルの測定方法。
【請求項7】
前記生体試料が、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗又は生検組織である、請求項6に記載の測定方法。
【請求項8】
前記対象タンパク質が血清アルブミン又はイムノグロブリンである、請求項6又は7に記載の測定方法。
【請求項9】
前記対象タンパク質が血清アルブミンであり、前記対象メチオニン残基が前記血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基である、請求項6~8のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項10】
前記対象タンパク質がイムノグロブリンであり、前記イムノグロブリンがイムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であり、前記メチオニン残基が、前記イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基、又は前記イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基である、請求項6~8のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項11】
前記量比又は前記濃度が、質量分析、又は対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体により測定される、請求項6~10のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項12】
前記濃度が質量分析により測定され、前記測定する工程において、前記生体試料に、対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチドが添加される、請求項6~11のいずれか一項に記載の測定方法。
【請求項13】
被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定するための試薬を備える、前記被験者の酸化ストレスレベルの測定用キット。
【請求項14】
前記試薬が、対象タンパク質を質量分析するための試薬、対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチド又は対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体である、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
被験物質の投与下及び非投与下の対象からそれぞれ採取された生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程と、
前記量比又は前記濃度が、前記被験物質の投与下及び非投与下で有意に異なる場合に、前記被験物質は生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質であると判定する工程と、
を備える、生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質のスクリーニング方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化ストレスマーカー及びその使用に関する。より詳細には、酸化ストレスマーカー、酸化ストレスレベルの測定方法、酸化ストレスレベルの測定用キット及び生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質のスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化ストレスは、老化現象のみならず、癌・糖尿病・心血管病・神経変性疾患等の様々な疾患の発症・進展に関連することが明らかになりつつある。特に、罹患率が増加している糖尿病等の生活習慣病においては、酸化ストレスの亢進が重要な臓器障害の進展因子として注目されている。
【0003】
このため、生体の酸化ストレスレベルを正確に評価できるバイオマーカーの開発が求められている。従来、生体の酸化ストレスレベルを評価する方法としては、生体試料中の活性酸素種又は活性窒素種の定量、活性酸素種又は活性窒素種により傷害された生体分子の定量等が試みられてきた(例えば、非特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【0004】

【非特許文献1】Ho E., et al., Biological markers of oxidative stress: Applications to cardiovascular research and practice, Redox Biol., 1, 483-491, 2013.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、活性酸素種及び活性窒素種は、半減期が非常に短く高い化学反応性を有しているため、測定が困難な場合がある。このため、生体の酸化ストレスレベルの評価は、活性酸素種又は活性窒素種により傷害された生体分子の定量により行われる場合が多い。しかしながら、従来のバイオマーカーでは、生体の酸化ストレスレベルを正確に捉えることが困難である。そこで、本発明は、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]生体試料中のタンパク質の酸化されたメチオニン残基からなる酸化ストレスマーカー。
[2]前記生体試料が、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗、組織、細胞培養上清又は細胞破砕物である、[1]に記載の酸化ストレスマーカー。
[3]前記タンパク質が血清アルブミン又はイムノグロブリンである、[1]又は[2]に記載の酸化ストレスマーカー。
[4]前記タンパク質が血清アルブミンであり、前記メチオニン残基が前記血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基である、[1]~[3]のいずれかに記載の酸化ストレスマーカー。
[5]前記タンパク質がイムノグロブリンであり、前記イムノグロブリンがイムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であり、前記メチオニン残基が、前記イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基、又は前記イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基である、[1]~[3]のいずれかに記載の酸化ストレスマーカー。
[6]被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程を備え、前記量比又は前記濃度が、前記被験者の酸化ストレスレベルを示す、前記被験者の酸化ストレスレベルの測定方法。
[7]前記生体試料が、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗又は生検組織である、[6]に記載の測定方法。
[8]前記対象タンパク質が血清アルブミン又はイムノグロブリンである、[6]又は[7]に記載の測定方法。
[9]前記対象タンパク質が血清アルブミンであり、前記対象メチオニン残基が前記血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基である、[6]~[8]のいずれかに記載の測定方法。
[10]前記対象タンパク質がイムノグロブリンであり、前記イムノグロブリンがイムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であり、前記メチオニン残基が、前記イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基、前記イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基、又は前記イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基である、[6]~[8]のいずれかに記載の測定方法。
[11]前記量比又は前記濃度が、質量分析、又は対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体により測定される、[6]~[10]のいずれかに記載の測定方法。
[12]前記濃度が質量分析により測定され、前記測定する工程において、前記生体試料に、対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチドが添加される、[6]~[11]のいずれかに記載の測定方法。
[13]被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定するための試薬を備える、前記被験者の酸化ストレスレベルの測定用キット。
[14]前記試薬が、対象タンパク質を質量分析するための試薬、対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチド又は対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体である、[13]に記載のキット。
[15]被験物質の投与下及び非投与下の対象からそれぞれ採取された生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程と、前記量比又は前記濃度が、前記被験物質の投与下及び非投与下で有意に異なる場合に、前記被験物質は生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質であると判定する工程と、を備える、生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質のスクリーニング方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】(a)~(c)は、実験例1におけるメチオニン残基の酸化比の測定結果を示すグラフである。
【図2】(a)は、実験例2の血糖標準偏差低値群及び血糖標準偏差高値群のHbA1c(%)の測定結果を示すグラフである。(b)は、実験例2の血糖標準偏差低値群及び血糖標準偏差高値群におけるメチオニン残基の酸化比の測定結果を示すグラフである。
【図3】(a)~(d)は、実験例3の結果を示すMSクロマトグラムである。
【図4】(a)~(c)は、実験例4におけるメチオニン残基の酸化比の測定結果を示すグラフである。
【図5】(a)~(c)は、実験例5におけるメチオニン残基の酸化比の測定結果を示すグラフである。
【図6】(a)~(d)は、実験例6における酸化されたメチオニン残基の濃度の測定結果を示すMSクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[酸化ストレスマーカー]
1実施形態において、本発明は、生体試料中のタンパク質の酸化されたメチオニン残基からなる酸化ストレスマーカーを提供する。

【0010】
タンパク質のメチオニン残基の酸化は可逆的な酸化反応であり、微弱な酸化ストレスを鋭敏に反映し得る。しかしながら、血液等の生体試料中には膨大な種類と量のタンパク質がダイナミックに存在している。このため、従来、生体試料中のタンパク質のメチオニン残基の酸化レベルを定量することは、未知の多くの酵素反応等の影響により不可能であると考えられてきた。

【0011】
これに対し、実施例において後述するように、発明者らは、生体試料中のタンパク質のメチオニン残基の酸化レベルを安定的に測定することが可能であり、メチオニン残基の酸化レベルを、生体の酸化ストレスレベルを示す指標として用いることができることを明らかにした。したがって、生体試料中のタンパク質の酸化されたメチオニン残基は酸化ストレスマーカーであるということができる。

【0012】
生体試料としては、特に制限されず、生体由来の試料であってもよく、培養細胞由来の試料であってもよい。より具体的には、例えば、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗等の体液、生検組織等の組織、細胞培養上清、細胞破砕物等が挙げられる。また、生体試料は、タンパク質抽出液、組織又は細胞の薄切切片、ろ紙等の素材に吸着させたタンパク質抽出液又は体液等の形態であってもよい。また、メチオニン残基の酸化レベルを測定する対象のタンパク質としては、血清アルブミン、イムノグロブリン等を好適に用いることができるがこれらに限定されない。

【0013】
対象タンパク質が血清アルブミンである場合、酸化レベルを測定する対象のメチオニン残基は、血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基であってもよい。

【0014】
また、対象タンパク質がイムノグロブリンである場合、イムノグロブリンは、イムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であってもよい。

【0015】
また、酸化レベルを測定する対象のメチオニン残基は、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基であってもよい。

【0016】
血清アルブミンのアミノ酸配列を配列番号1に示す。また、イムノグロブリンG1の定常領域のアミノ酸配列を配列番号2に示し、イムノグロブリンG2の定常領域のアミノ酸配列を配列番号3に示し、イムノグロブリンG3の定常領域のアミノ酸配列を配列番号4に示し、イムノグロブリンG4の定常領域のアミノ酸配列を配列番号5に示す。

【0017】
実施例において後述するように、発明者らは、血清アルブミンの第111番目及び第147番目のメチオニン残基、並びにイムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基、イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基、イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基、イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基の酸化レベルを、生体の酸化ストレスレベルのマーカーとして用いることができることを明らかにした。

【0018】
メチオニン残基の酸化レベルは、例えば、対象タンパク質の酵素消化ペプチドを液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で解析し、対象メチオニン残基を含むペプチドにおいて、メチオニン残基が酸化されていないペプチドの信号強度とメチオニン残基が酸化されているペプチドの信号強度とを比較することにより求めることができる。以下、対象メチオニン残基が酸化されているペプチドと対象メチオニン残基が酸化されていないペプチドとの量比、又は酸化されていない対象メチオニン残基と酸化された対象メチオニン残基との量比のことを「酸化比」という場合がある。

【0019】
なお、質量分析計を用いてペプチドを測定する場合、ペプチドによってイオン化効率が違うため、正確なモル比を求めることが困難な場合がある。本明細書において、「量比」とは、MSクロマトグラムにおける信号強度の比(ピーク面積の比)を意味する。

【0020】
あるいは、酸化されたメチオニン残基の濃度を定量し、当該濃度を生体の酸化ストレスレベルの指標として用いることもできる。

【0021】
具体的には、まず、生体試料に、内部標準として対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチドを添加する。ここで、安定同位体標識ペプチドは、対象メチオニン残基が酸化されていても酸化されていなくてもよいが、対象メチオニン残基が酸化されたペプチドの標準であることから、対象メチオニン残基が酸化されているものであることが好ましい。続いて、生体試料を酵素消化し、対象タンパク質の酵素消化ペプチドをLC-MSで解析する。なお、安定同位体標識ペプチドを添加するタイミングはこれに限られず、試料調製のいずれかの段階で添加すればよい。例えば、生体試料の酵素消化後であってもよいし、試料をLC-MSに供する直前であってもよい。

【0022】
そして、メチオニン残基が酸化されているペプチドと内部標準の信号強度を比較することにより、メチオニン残基が酸化されているペプチドの濃度を定量することができる。

【0023】
上記の安定同位体標識ペプチドは、生体試料の酵素消化に用いる酵素と同じ酵素で得られるペプチド断片のアミノ酸配列を有しているか、あるいは、生体試料を酵素消化する時に、対象タンパク質と同時に酵素消化され、対象タンパク質の酵素消化ペプチドと同じアミノ酸配列を有するペプチド断片となるペプチドである必要がある。

【0024】
[酸化ストレスレベルの測定方法]
1実施形態において、本発明は、被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程を備え、前記量比又は前記濃度が、前記被験者の酸化ストレスレベルを示す、前記被験者の酸化ストレスレベルの測定方法を提供する。

【0025】
本実施形態の測定方法において、生体試料としては、例えば、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗、生検組織等が挙げられる。また、生体試料は、タンパク質抽出液、組織又は細胞の薄切切片、ろ紙等の素材に吸着させたタンパク質抽出液又は体液等の形態であってもよい。また、対象タンパク質は、血清アルブミン又はイムノグロブリンであってもよい。対象タンパク質が血清アルブミンである場合、対象メチオニン残基は血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基であってもよい。

【0026】
また、前記タンパク質がイムノグロブリンである場合、イムノグロブリンは、イムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であってもよい。

【0027】
また、対象メチオニン残基は、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基であってもよい。

【0028】
本実施形態の測定方法において、前記量比又は前記濃度は、質量分析、又は対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体等により測定することができる。質量分析は、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で行うことが好ましい。

【0029】
より具体的には、メチオニン残基の酸化レベルは、例えば、対象タンパク質の酵素消化ペプチドをLC-MSで解析し、対象メチオニン残基を含むペプチドにおいて、メチオニン残基が酸化されているペプチド及びメチオニン残基が酸化されていないペプチドの信号強度をそれぞれ比較し、上述した酸化比を算出することにより求めることができる。

【0030】
あるいは、被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されたメチオニン残基の濃度を定量し、被験者の酸化ストレスレベルの指標として用いることもできる。

【0031】
酸化されたメチオニン残基の濃度の定量方法は上述したものと同様である。具体的には、まず、生体試料に、内部標準として対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチドを添加する。続いて、生体試料を酵素消化し、対象タンパク質の酵素消化ペプチドをLC-MSで解析する。なお、安定同位体標識ペプチドを添加するタイミングはこれに限られず、試料調製のいずれかの段階で添加すればよい。例えば、生体試料の酵素消化後であってもよいし、試料をLC-MSに供する直前であってもよい。

【0032】
そして、メチオニン残基が酸化されているペプチドと内部標準の信号強度を比較することにより、メチオニン残基が酸化されているペプチドの濃度を定量することができる。

【0033】
被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比又は濃度を測定する場合、対象タンパク質に特異的な抗体を用いて、生体試料中の対象タンパク質を精製する工程を実施してもよい。これにより、夾雑タンパク質を除去し、より信頼性の高い測定を行うことが可能になる。

【0034】
具体的には、対象タンパク質に特異的な抗体を結合したビーズを生体試料に添加し、対象タンパク質を抗体に結合させて回収することが挙げられる。ビーズの回収は、遠心分離、又は磁気ビーズを使用した場合にはマグネティックスタンド等を用いて行うことができる。この場合、対象タンパク質に特異的な抗体は、対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体であってもよく、対象メチオニン残基が酸化されているか否かに関わらず対象タンパク質を特異的に認識する抗体であってもよい。

【0035】
あるいは、対象タンパク質を特異的に認識する抗体と、対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体を用いて、ウエスタンブロッティング法、ドットブロット法、ELISA法等を行うことにより、生体試料中の対象タンパク質の存在量と、生体試料中の、対象メチオニン残基が酸化された対象タンパク質の存在量を定量し、対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(酸化比)を求めてもよい。

【0036】
あるいは、対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体を用いて、ウエスタンブロッティング法、ドットブロット法、ELISA法等を行うことにより、生体試料中の対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基の濃度を定量し、当該濃度を生体の酸化ストレスレベルの指標として用いてもよい。

【0037】
[酸化ストレスレベルの測定用キット]
1実施形態において、本発明は、被験者由来の生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定するための試薬を備える、前記被験者の酸化ストレスレベルの測定用キットを提供する。

【0038】
本実施形態のキットにより、生体の酸化ストレスレベルを測定することができる。本実施形態のキットが備える試薬としては、例えば、タンパク質を質量分析するための試薬、内部標準物質として使用する、対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチド、対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体、対象メチオニン残基が酸化されているか否かに関わらず対象タンパク質を特異的に認識する抗体等が挙げられる。

【0039】
タンパク質を質量分析するための試薬としては、例えばタンパク質のシステイン残基の還元剤、システイン残基のアルキル化剤、タンパク質をペプチドに分解する酵素等が挙げられる。

【0040】
タンパク質のシステイン残基の還元剤としては、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩、ジチオスレイトール、β-メルカプトエタノール等が挙げられる。また、システイン残基のアルキル化剤としては、ヨードアセトアミド等が挙げられる。また、タンパク質をペプチドに分解する酵素としては、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、エンドプロテアーゼGlu-C等が挙げられる。

【0041】
すなわち、本実施形態のキットは、システイン残基の還元剤、システイン残基のアルキル化剤、及びタンパク質をペプチドに分解する酵素を備えるものであってもよい。

【0042】
本実施形態のキットは、対象タンパク質の対象メチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチドを含んでいてもよい。安定同位体としては、例えば、H、13C、15N、18O等が挙げられるがこれらに限定されない。安定同位体標識ペプチドは、配列番号6、7又は8に記載のアミノ酸配列からなるペプチドであってもよい。安定同位体標識ペプチドは、対象メチオニン残基が酸化されていても酸化されていなくてもよいが、対象メチオニン残基が酸化されたペプチドの標準であることから、対象メチオニン残基が酸化されているものであることが好ましい。上述したように、これらのペプチドは、生体の酸化ストレスレベルの測定用に好適に用いることができる。

【0043】
対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体、対象メチオニン残基が酸化されているか否かに関わらず対象タンパク質を特異的に認識する抗体としては、血清アルブミンを特異的に認識する抗体、血清アルブミンの第111番目の酸化されたメチオニン残基を特異的に認識する抗体、血清アルブミンの第147番目の酸化されたメチオニン残基を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンGを特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG1を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG2を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG3を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG4を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG1の第135番目の酸化されたメチオニン残基を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG2の第131番目の酸化されたメチオニン残基を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG3の第182番目の酸化されたメチオニン残基を特異的に認識する抗体、イムノグロブリンG4の第132番目の酸化されたメチオニン残基を特異的に認識する抗体、メチオニン残基が酸化されているか否かに関わらず、配列番号6、7又は8に記載のアミノ酸配列からなるペプチドを特異的に認識する抗体等が挙げられるがこれらに限定されない。

【0044】
すなわち、本実施形態のキットは、これらの抗体のうちのいずれか1つ以上を備えるものであってもよい。

【0045】
[酸化ストレスレベルに影響を与える物質のスクリーニング方法]
1実施形態において、本発明は、被験物質の投与下及び非投与下の対象からそれぞれ採取された生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程と、前記量比又は前記濃度が、前記被験物質の投与下及び非投与下で有意に異なる場合に、前記被験物質は生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質であると判定する工程と、を備える、生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質のスクリーニング方法を提供する。

【0046】
生体の酸化ストレスレベルに影響を与える物質としては、生体の酸化ストレスレベルを低下させる物質、生体の酸化ストレスレベルを上昇させる物質等が挙げられる。

【0047】
本実施形態のスクリーニング方法において、対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を低下させる被験物質は、生体の酸化ストレスレベルを低下させる物質であるということができる。

【0048】
また、対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を上昇させる被験物質は、生体の酸化ストレスレベルを上昇させる物質であるということができる。

【0049】
例えば、投与することにより生体の酸化ストレスレベルを低下させる物質は、老化現象、癌・糖尿病・心血管病・神経変性疾患等の様々な疾患の発症・進展を抑制又は改善する医薬として用いることができる。

【0050】
また、投与することにより生体の酸化ストレスレベルを上昇させる物質は、上述した各種疾患を憎悪させる物質であると考えられる。このため、例えば、このような物質を含む飲食物の摂取を控えるべきである等の判断の指標とすることができる。

【0051】
本実施形態のスクリーニング方法は、インビトロで細胞レベルで行ってもよいし、ヒト又は非ヒト動物に被験物質を投与して生体レベルで行ってもよい。

【0052】
本実施形態のスクリーニング方法において、生体試料としては、生検組織を含む各種組織、臓器、細胞培養上清、細胞破砕物、血液、尿、脳脊髄液、唾液、汗等が挙げられるがこれらに限定されない。また、生体試料は、タンパク質抽出液、組織又は細胞の薄切切片、ろ紙等の素材に吸着させたタンパク質抽出液又は体液等の形態であってもよい。

【0053】
また、対象タンパク質及び対象メチオニン残基としては上述したものと同様のものを用いることができる。すなわち、対象タンパク質は、血清アルブミン又はイムノグロブリンであってもよい。また、対象タンパク質が血清アルブミンである場合、対象メチオニン残基は血清アルブミンの第111番目又は第147番目のメチオニン残基であってもよい。

【0054】
また、前記タンパク質がイムノグロブリンである場合、イムノグロブリンは、イムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3又はイムノグロブリンG4であってもよい。また、対象メチオニン残基は、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン残基であってもよく、イムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン残基であってもよい。

【0055】
本実施形態のスクリーニング方法において、対象タンパク質の対象メチオニン残基について、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比、又は酸化されたメチオニン残基の濃度を測定する工程は、上述したものと同様の方法により実施することができ、例えば、質量分析、対象タンパク質の酸化された対象メチオニン残基を特異的に認識する抗体等により測定することができる。質量分析は、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS)で行うことが好ましい。
【実施例】
【0056】
次に実験例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
【実施例】
【0057】
[実験例1]
(生体試料中の対象タンパク質の対象メチオニン残基の酸化レベルの検討)
健常非喫煙者(C)18名と2型糖尿病患者(DM)23名、腎不全合併2型糖尿病患者(RF)12名、健常喫煙者(S)9名の血清を対象に、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンGの定常領域の後述するメチオニン残基における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%)、以下「酸化比」という。)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0058】
なお、イムノグロブリンGには、イムノグロブリンG1、イムノグロブリンG2、イムノグロブリンG3及びイムノグロブリンG4の4種類のアイソフォームが存在する。本実験例では、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン(Met-135)、イムノグロブリンG2の定常領域の第131番目のメチオニン(Met-131)、イムノグロブリンG3の定常領域の第182番目のメチオニン(Met-182)、及びイムノグロブリンG4の定常領域の第132番目のメチオニン(Met-132)を対象メチオニン残基とした。これらのイムノグロブリンのメチオニン残基は、後述する酵素消化後に、同一のアミノ酸配列を有するペプチド上に存在することになるため、混合物として測定した。
【実施例】
【0059】
表1に、被験者の医学的特徴を示す。実験は、北里大学医学部の倫理委員会に承認を得(B15-181)、全ての被験者から書面で同意を得たうえで行った。
【実施例】
【0060】
【表1】
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【実施例】
【0061】
(血清試料の採取)
まず、各被験者から血液試料を採取した。血液は肘正中静脈から採取し、凝血促進剤を含む容器に入れて室温で凝固させた後、2,000×gで15分間、室温で遠心した。続いて、血清を回収し、使用するまで-30℃で保存した。
【実施例】
【0062】
(血清試料の還元アルキル化)
続いて、凍結保存していた血清を融解し、融解した血清2μLに、200mM重炭酸トリエチルアンモニウム/12mMデオキシコール酸ナトリウム/12mMラウリル硫酸ナトリウムを20μL添加し、更に200mMトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩/120mM重炭酸トリエチルアンモニウムを2μL添加し、50℃で30分間インキュベートした。この結果、還元剤であるトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩により、血清試料中のタンパク質のチオール基が還元された。
【実施例】
【0063】
続いて、375mMヨードアセトアミドを2μL添加し、得られた混合液を暗所で30分間インキュベートした。この結果、アルキル化剤であるヨードアセトアミドにより、血清試料中のタンパク質のチオール基がアルキル化された。
【実施例】
【0064】
(血清試料のトリプシン消化)
続いて、100ng/μLのリシルエンドペプチダーゼを2μL及び100ng/μLのトリプシンを2μL添加し、37℃で24時間インキュベートした。この結果、血清試料中のタンパク質がペプチドに分解された。続いて、アセトニトリル50μLと5%トリフルオロ酢酸50μLを添加し、19,000×gで15分間遠心し、上清をLC-MS解析に供した。
【実施例】
【0065】
(酸化比の解析)
Met(O)/Met(%)(酸化比)を測定するためには、まず、トリプシン消化した血清試料を、HPLC装置(型式「Nanospace SI-2 HPLC system」、資生堂)に取り付けた内径2.0mm×50mmのカラム(型式「CAPCELL PACK MGIII-H S3」、資生堂)に注入した。カラム温度は45℃に維持した。
【実施例】
【0066】
移動相Aとして0.05%ギ酸を使用し、移動相Bとして0.05%ギ酸/90%アセトニトリルを使用した。移動相の流速を200μL/分とし、移動相のグラジエントを次のようにプログラムした。0%B(0~3分)、0~55.5%B(3~40分)、55.5~80%B(40~40.1分)、80%B(40.1~45分)。
【実施例】
【0067】
続いて、ペプチドを、HPLCからイオントラップ・フーリエ変換ハイブリッド質量分析装置(型式「LTQ-Orbitrap Discoverer」、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)に導入し、m/z 400における質量分解能30,000でフルスキャンMSスペクトル(m/z 300~2,000)を取得し、目的のペプチドのメチオニン残基のMet(O)/Met(%)(酸化比)を解析した。
【実施例】
【0068】
血清アルブミンの第111番目のメチオニンの酸化比は、配列番号3に記載のアミノ酸配列からなるペプチドの酸化型及び非酸化型の量比に基づいて算出した。また、血清アルブミンの第147番目のメチオニンの酸化比は、配列番号4に記載のアミノ酸配列からなるペプチドの酸化型及び非酸化型の量比に基づいて算出した。また、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニンの酸化比は、配列番号5に記載のアミノ酸配列からなるペプチドの酸化型及び非酸化型の量比に基づいて算出した。
【実施例】
【0069】
図1(a)は、各被験者の血清アルブミンの第111番目のメチオニンにおける酸化比の解析結果を示すグラフである。また、図1(b)は、各被験者の血清アルブミンの第147番目のメチオニンにおける酸化比の解析結果を示すグラフである。また、図1(c)は、各被験者のイムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニンにおける酸化比の解析結果を示すグラフである。
【実施例】
【0070】
図1中、「C」は健常非喫煙者の結果であることを表し、「DM」は2型糖尿病患者の結果であることを表し、「RF」は腎不全合併2型糖尿病患者の結果であることを表し、「S」は健常喫煙者の結果であることを表す。
【実施例】
【0071】
また、各群の酸化比のレベルを比較するために、One way ANOVA及びそれに続くMann-Whitney U post hocテストを行った。図1中、「*」は相関係数(p値)5%未満で有意差があることを表し、「**」はp値0.5%未満で有意差があることを表し、「***」はp値0.01%未満で有意差があることを表す。
【実施例】
【0072】
その結果、血清アルブミンの2種類のメチオニン残基(Met-111、Met-147)の酸化比は、健常非喫煙者群より2型糖尿病の両群(腎不全なし、腎不全合併)で有意に高値を示すことが明らかとなった。また、健常喫煙者群の酸化比も、健常非喫煙群と比較して有意に高値を示すことが明らかとなった。また、イムノグロブリンG1の定常領域のメチオニン残基(Met-135)の酸化比も、糖尿病患者群では健常者群に比べて有意に高値を示すことが明らかとなった。
【実施例】
【0073】
また、この結果から、血清アルブミンの2種類のメチオニン残基(Met-111、Met-147)及びイムノグロブリンG1の定常領域のメチオニン残基(Met-135)の酸化比を、2型糖尿病の診断に応用できることが明らかとなった。
【実施例】
【0074】
また、血清アルブミンの2種類のメチオニン残基(Met-111、Met-147)の酸化比により、糖尿病と腎不全の病態を区別できることが明らかとなった。
【実施例】
【0075】
[実験例2]
(血糖値の変動が酸化ストレスレベルに与える影響の検討)
糖尿病では血糖値の変動が大きくなると酸化ストレスレベルを上昇させることが知られている。そこで、血糖値の変動と酸化比との関連を検討した。
【実施例】
【0076】
まず、持続血糖計測装置を用いて、糖尿病患者の血糖値を48時間にわたって測定した。続いて、血糖値の変動の最も正確な指標として、全ての血糖値のデータの標準偏差(48時間血糖標準偏差)を求めた。
【実施例】
【0077】
続いて、得られた48時間血糖標準偏差の数値に基づいて、糖尿病患者を、血糖標準偏差低値群(n=11)、中間群、高値群(n=12)の3群に分類し、低値群と高値群を比較した。
【実施例】
【0078】
図2(a)は、低値群及び高値群の糖尿病患者の平均血糖値を表すHbA1c(%)を示すグラフである。また、図2(b)は、低値群及び高値群の糖尿病患者の血清アルブミン(Met-111)の酸化比の測定結果を示すグラフである。図2中、「*」は相関係数(p値)5%未満で有意差があることを表す。
【実施例】
【0079】
その結果、低値群及び高値群の糖尿病患者の間で、HbA1cの値には有意差が認められなかったにもかかわらず、高値群では血清アルブミン(Met-111)の酸化比(Met(O)/Met値)が低値群より有意に高値を示すことが明らかとなった。
【実施例】
【0080】
以上の結果から、血清アルブミン(Met-111)の酸化比(Met(O)/Met(%))を測定することにより、血糖値の変動による酸化ストレスレベルの上昇も検出することができることが明らかとなった。この結果は、実験例1の方法により、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定できることを更に支持するものである。
【実施例】
【0081】
[実験例3]
(メチオニン残基の酸化レベルの安定性の検討1)
メチオニン残基の酸化レベルは多くの実験条件下で変動しやすいと考えられている。そこで、試料中のタンパク質の還元アルキル化工程及び酵素消化工程において、メチオニン残基の酸化レベルが変動するか否かについて検討した。
【実施例】
【0082】
モニター用のペプチドとして、大腸菌由来のβ-ガラクトシダーゼのトリプシン消化物を使用し、これに含まれる、配列番号6に記載のペプチド及び配列番号7に記載のペプチドを解析の対象とした。
【実施例】
【0083】
β-ガラクトシダーゼのトリプシン消化物を、そのまま、又はヒト血清に血清1μLあたり2.5μg添加し、実験例1と同様にして還元アルキル化及びトリプシン消化した後に、それぞれLC-MS解析した。
【実施例】
【0084】
図3(a)は、β-ガラクトシダーゼのトリプシン消化物を、そのままLC-MS解析し、酸化状態及び非酸化状態の配列番号9に記載のペプチドを定量した結果を示すMSクロマトグラムである。
【実施例】
【0085】
また、図3(b)は、β-ガラクトシダーゼのトリプシン消化物を、血清に添加して還元アルキル化及びトリプシン消化した後にLC-MS解析し、酸化状態及び非酸化状態の配列番号9に記載のペプチドを定量した結果を示すMSクロマトグラムである。
【実施例】
【0086】
また、図3(c)は、β-ガラクトシダーゼのトリプシン消化物を、そのままLC-MS解析し、酸化状態及び非酸化状態の配列番号10に記載のペプチドを定量した結果を示すMSクロマトグラムである。
【実施例】
【0087】
また、図3(d)は、β-ガラクトシダーゼのトリプシン消化物を、血清に添加して還元アルキル化及びトリプシン消化した後にLC-MS解析し、酸化状態及び非酸化状態の配列番号10に記載のペプチドを定量した結果を示すMSクロマトグラムである。
【実施例】
【0088】
図3中、酸化されたメチオニン残基を「(O)」で示す。また、図3中、酸化されたメチオニン残基を含む各ペプチドのピークの上に、縦軸を10倍に拡大したピークを示す。
【実施例】
【0089】
その結果、図3(a)及び図3(b)を比較して、酸化状態と非酸化状態の配列番号9に記載のペプチドのMSクロマトグラムのピーク面積の比がほぼ同じであることが明らかとなった。
【実施例】
【0090】
また、同様に、図3(c)及び図3(d)を比較して、酸化状態と非酸化状態の配列番号10に記載のペプチドのMSクロマトグラムのピーク面積の比がほぼ同じであることが明らかとなった。
【実施例】
【0091】
この結果から、還元アルキル化工程及び酵素消化工程を含む試料調製工程では、メチオニン残基の酸化レベルがあまり変動しないことが明らかとなった。この結果は、メチオニン残基の酸化レベルは変動しやすいと考えられていることから意外なものであった。この結果は、実験例1の方法により、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定できることを更に支持するものである。
【実施例】
【0092】
[実験例4]
(メチオニン残基の酸化レベルの安定性の検討2)
試料調製時間、血清調製条件、試料の凍結融解により、メチオニン残基の酸化レベルが変動するか否かについて検討した。
【実施例】
【0093】
《試料調製時間の検討》
メチオニン残基の酸化比を正確に測定するためには、試料中のタンパク質を完全に酵素消化することが必要である。そこで、4人の健常非喫煙者由来の血清試料のトリプシン消化時間を、18、21及び24時間と変化させた以外は実験例1と同様にして、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンGの定常領域のメチオニン(イムノグロブリンG1のMet-135、イムノグロブリンG2のMet-131、イムノグロブリンG3のMet-182及びイムノグロブリンG4のMet-132の合計)における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%))(酸化比)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0094】
図4(a)は、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)及びイムノグロブリンGの定常領域のメチオニンの酸化比の測定結果を示すグラフである。
【実施例】
【0095】
その結果、酵素消化時間を変化させても、メチオニン残基の酸化レベルがあまり変動しないことが明らかとなった。
【実施例】
【0096】
《血清調製条件の検討》
血清調製時の血液凝固時間を変えることにより、血清中のタンパク質のメチオニン残基の酸化レベルが変動するか否かについて検討した。
【実施例】
【0097】
6人の健常非喫煙者由来の血液の凝固時間を、0、0.5、1、2及び6時間と変化させて血清試料を調製し、実験例1と同様にして、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンGの定常領域のメチオニン(イムノグロブリンG1のMet-135、イムノグロブリンG2のMet-131、イムノグロブリンG3のMet-182及びイムノグロブリンG4のMet-132の合計)における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%))(酸化比)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0098】
図4(b)は、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)及びイムノグロブリンGの定常領域のメチオニンの酸化比の測定結果を示すグラフである。
【実施例】
【0099】
その結果、血清調製時の血液凝固時間を変化させても、メチオニン残基の酸化レベルがあまり変動しないことが明らかとなった。
【実施例】
【0100】
《試料の凍結融解の検討》
試料を繰り返し凍結融解することにより、血清中のタンパク質のメチオニン残基の酸化レベルが変動するか否かについて検討した。
【実施例】
【0101】
4人の健常非喫煙者由来の血清試料を、0、1及び4回凍結融解し、実験例1と同様にして、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンGの定常領域のメチオニン(イムノグロブリンG1のMet-135、イムノグロブリンG2のMet-131、イムノグロブリンG3のMet-182及びイムノグロブリンG4のMet-132の合計)における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%))(酸化比)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0102】
図4(c)は、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)及びイムノグロブリンGの定常領域のメチオニンの酸化比の測定結果を示すグラフである。
【実施例】
【0103】
その結果、試料の凍結融解を繰り返しても、メチオニン残基の酸化レベルがあまり変動しないことが明らかとなった。
【実施例】
【0104】
以上の結果は、様々な条件下においても生体試料中のタンパク質のメチオニン残基の酸化レベルがあまり変動しないことを更に支持するものである。この結果は、メチオニン残基の酸化レベルは変動しやすいと考えられていることから意外なものであった。この結果は、実験例1の方法により、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定できることを更に支持するものである。
【実施例】
【0105】
[実験例5]
(メチオニン残基の酸化レベルの安定性の検討3)
採血時間、喫煙、ビタミンCの摂取により、血清試料中のメチオニン残基の酸化レベルが変動するか否かについて検討した。
【実施例】
【0106】
《採血時間の検討》
4人の健常非喫煙者から、1日に9回(午前3時、午前6時、午前7時、午前8時、午前9時、午後4時、午後6時、午後8時及び午後11時)採血して血清試料を調製し、実験例1と同様にして、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンGの定常領域のメチオニン(イムノグロブリンG1のMet-135、イムノグロブリンG2のMet-131、イムノグロブリンG3のMet-182及びイムノグロブリンG4のMet-132の合計)における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%))(酸化比)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0107】
図5(a)は、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)及びイムノグロブリンGの定常領域のメチオニンの酸化比の測定結果を示すグラフである。
【実施例】
【0108】
その結果、メチオニン残基の酸化レベルが日内であまり変動しないことが明らかとなった。
【実施例】
【0109】
《喫煙の検討》
6人の健常喫煙者から、喫煙直前、喫煙後15分、喫煙後30分及び喫煙後60分に採血して血清試料を調製し、実験例1と同様にして、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンG1の定常領域の第135番目のメチオニン(Met-135)における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%))(酸化比)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0110】
図5(b)は、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)及びイムノグロブリンGの定常領域のメチオニン(イムノグロブリンG1のMet-135、イムノグロブリンG2のMet-131、イムノグロブリンG3のMet-182及びイムノグロブリンG4のMet-132の合計)の酸化比の測定結果を示すグラフである。図5(b)中、矢印は喫煙した時間を示す。
【実施例】
【0111】
その結果、喫煙によりメチオニン残基の酸化レベルがあまり急激には変動しないことが明らかとなった。
【実施例】
【0112】
《ビタミンCの摂取の検討》
6人の健常非喫煙者に1000mgのビタミンCを含有するタブレットを1日1個、4日間摂取させ、ビタミンCの摂取開始の直前、摂取開始の2、4、6、24及び96時間後に採血して血清試料を調製し、実験例1と同様にして、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)、イムノグロブリンGの定常領域のメチオニン(イムノグロブリンG1のMet-135、イムノグロブリンG2のMet-131、イムノグロブリンG3のMet-182及びイムノグロブリンG4のMet-132の合計)における、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比(Met(O)/Met(%))(酸化比)をLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0113】
図5(c)は、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)及びイムノグロブリンGの定常領域のメチオニンの酸化比の測定結果を示すグラフである。図5(c)中、矢印はビタミンCを1000mg摂取した時間を示す。
【実施例】
【0114】
その結果、ビタミンCの摂取によりメチオニン残基の酸化レベルがあまり急激には変動しないことが明らかとなった。
【実施例】
【0115】
以上の結果は、様々な条件下においても生体試料中のタンパク質のメチオニン残基の酸化レベルがあまり変動しないことを更に支持するものである。この結果は、メチオニン残基の酸化レベルは変動しやすいと考えられていることから意外なものであった。この結果は、実験例1の方法により、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定できることを更に支持するものである。
【実施例】
【0116】
[実験例6]
(生体試料中の対象タンパク質の酸化されたメチオニン残基の定量分析)
健常非喫煙者の血清を対象に、血清アルブミンの第111番目のメチオニン(Met-111)、血清アルブミンの第147番目のメチオニン(Met-147)における、酸化されたメチオニン残基の濃度を、酸化された上記のメチオニン残基を含む安定同位体標識ペプチドを内部標準として利用してLC-MS分析により測定した。
【実施例】
【0117】
内部標準用のペプチドとして、配列番号6に記載のペプチドの第11番目のアラニン残基及び第12番目のリジン残基の全ての炭素原子並びに窒素原子を安定同位体原子(13C及び15N)に置換した安定同位体標識ペプチド、及び配列番号7に記載のペプチドに含まれる2つのフェニルアラニン残基の全ての炭素原子及び窒素原子を安定同位体原子(13C及び15N)に置換した安定同位体標識ペプチドを調製した。
【実施例】
【0118】
血清を実験例1と同様にして還元アルキル化及びトリプシン消化した後に、上述した2種類の安定同位体標識ペプチドを血清1μLあたり100pmol(配列番号6)又は200pmol(配列番号7)添加した。すなわち、血清中の濃度がそれぞれ100μM又は200μMとなるように添加し、実験例1と同様にして、界面活性剤の除去処理を行った後にLC-MS分析した。
【実施例】
【0119】
図6(a)は、血清中に存在していた、酸化されたメチオニン残基を含む配列番号6のペプチドのMSクロマトグラムである。また、図6(b)は、内部標準として血清中の濃度が100μMとなるように血清に添加した、酸化されたメチオニン残基を含む配列番号6の安定同位体標識ペプチドのMSクロマトグラムである。図6(a)のMSクロマトグラムのピークは、図6(b)のMSクロマトグラムのピークに比べて非常に強度が小さかったため、図6(a)のピークの上に、縦軸を20倍に拡大したピークを示した。
【実施例】
【0120】
また、図6(c)は、血清中に存在していた、酸化されたメチオニン残基を含む配列番号7のペプチドのMSクロマトグラムである。また、図6(d)は、内部標準として血清中の濃度が200μMとなるように血清に添加した、酸化されたメチオニン残基を含む配列番号7の安定同位体標識ペプチドのMSクロマトグラムである。図6(c)のMSクロマトグラムのピークは、図6(d)に比べて非常に強度が小さかったため、図6(c)のピークの上に、縦軸を40倍に拡大したピークを示した。
【実施例】
【0121】
その結果、図6(a)及び図6(b)を比較して、配列番号6のペプチドと配列番号6の安定同位体標識ペプチドのMSクロマトグラムのピーク面積の比から、酸化されたMet-111を含むトリプシン消化血清アルブミン由来ペプチドの血清中の濃度が、約2.7μMであることが明らかとなった。
【実施例】
【0122】
また、図6(c)及び図6(d)を比較して、配列番号7のペプチドと配列番号7の安定同位体標識ペプチドのMSクロマトグラムのピーク面積の比から、酸化されたMet-147を含むトリプシン消化血清アルブミン由来ペプチドの血清中の濃度が、約1.3μMであることが明らかとなった。
【実施例】
【0123】
この結果から、酸化されたMet-111及びMet-147を含むそれぞれのトリプシン消化血清アルブミン由来ペプチドの濃度が明らかとなった。この結果は、酸化されたメチオニン残基の絶対量を求めるものであり、実験例1~実験例5で示した、酸化されていないメチオニン残基と酸化されたメチオニン残基との量比を求める実験とは異なり、生体の酸化ストレスレベルをより直接的に測定することが可能であることを示すものである。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明により、生体の酸化ストレスレベルを正確に測定する技術を提供することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
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【図4】
3
【図5】
4
【図6】
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