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明細書 :撮影装置、撮影方法及び、画像システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6246163号 (P6246163)
公開番号 特開2017-046163 (P2017-046163A)
登録日 平成29年11月24日(2017.11.24)
発行日 平成29年12月13日(2017.12.13)
公開日 平成29年3月2日(2017.3.2)
発明の名称または考案の名称 撮影装置、撮影方法及び、画像システム
国際特許分類 H04N   5/225       (2006.01)
FI H04N 5/225 600
請求項の数または発明の数 5
全頁数 14
出願番号 特願2015-166835 (P2015-166835)
出願日 平成27年8月26日(2015.8.26)
審査請求日 平成28年3月25日(2016.3.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
発明者または考案者 【氏名】田中 宗浩
【氏名】菅谷 俊二
個別代理人の代理人 【識別番号】100177220、【弁理士】、【氏名又は名称】小木 智彦
審査官 【審査官】▲徳▼田 賢二
参考文献・文献 特開2003-000537(JP,A)
特開2011-050049(JP,A)
調査した分野 H04N 5/225
特許請求の範囲 【請求項1】
所定の有機物に特定波長の光を照射する照射手段と、
前記所定の有機物に前記照射手段からの光を照射しながら、前記所定の有機物の連続撮影を行う撮影手段と、
前記連続撮影している位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶する位置画像対応付け手段と、
前記撮影手段により連続撮影された画像のうち、
前記光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算するフレーム積算手段と、
前記フレーム積算手段が積算した複数のフレームを前記所定の有機物の積算画像として生成する積算画像生成手段と、
前記フレーム積算手段が積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する位置特定手段と、を備える撮影装置。
【請求項2】
前記照射手段は、前記特定波長の光として、紫外線又は近赤外線を照射する請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
撮影装置が実行する撮影方法であって、
所定の有機物に特定波長の光を照射する照射ステップと、
前記所定の有機物に光を照射しながら、前記所定の有機物の連続撮影を行う撮影ステップと、
当該撮影装置が連続撮影している位置を検出する位置検出ステップと、
前記位置検出ステップで検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶する位置画像対応付けステップと、
前記連続撮影された画像のうち、前記光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算するフレーム積算ステップと、
積算した複数のフレームを前記所定の有機物の積算画像として生成する積算画像生成ステップと、
前記フレーム積算ステップで積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する位置特定ステップと、を備える撮影方法。
【請求項4】
所定の有機物を撮影する撮影装置と、前記撮影されたデータを受信する画像生成装置とが互いに通信可能に接続された画像システムであって、
前記撮影装置は、
所定の有機物に特定波長の光を照射する照射手段と、
前記所定の有機物に前記照射手段からの光を照射しながら、前記所定の有機物の連続撮影を行う撮影手段と、
前記連続撮影している位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶する位置画像対応付け手段と、
連続撮影した画像を前記画像生成装置に送信する連続画像送信手段と、を備え、
前記画像生成装置は、
前記撮影装置から送信された画像を受信する連続画像受信手段と、
受信した画像のうち、前記光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算するフレーム積算手段と、を備え、
前記フレーム積算手段が積算した複数のフレームを前記所定の有機物の積算画像として生成する積算画像生成手段と、を備え、
前記撮影装置は、
前記積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する位置特定手段と、を備える画像システム。
【請求項5】
請求項1に記載の撮影装置が搭載された無線航空機であって、
間欠的に移動と撮影を繰り返すことで、前記撮影手段が所定の有機物の連続撮影を行う無線航空機。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物を有する撮影対象を画像化する撮影装置、撮影方法及び、画像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のIoT(Internet of Things)化により、農業や漁業などの一次産業においても、現場にセンサーを配置し、ビッグデータを取得する試みが行われている。これにより、実際の現場に行かずとも、農作物の品質や、農場の環境等のデータを遠隔から確認したり、データを蓄積して未来の予測に役立てることができる。
【0003】
ここで使用されるセンサーは、例えば、スチルカメラやハイパースペクトルカメラ等のカメラが用いられ、撮影された画像を解析して農作物等の状況を分析する方法が知られている。さらに、衛星画像を利用する所謂リモートセンシングを用いて分析する方法が知られている。
【0004】
例えば、非特許文献1では、撮影したスペクトル合成カラー画像を解析して、水稲の活性度の評価を行う方法が開示されている。これにより、活性度の高低を画像から簡単に把握できる。また、特許文献1では、ハイパースペクトル画像により、スペクトル強度に応じて、植物の種別を画像で識別する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】EBA Japan、“事例集 リモートセンシング分野撮影”、[online]、[平成27年8月21日検索]、インターネット<http://www.ebajapan.jp/remote.html#10>
【0006】

【特許文献1】特開2012-196167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の方法では、光を分光して測定するため、光の強度が低下し、農作物(有機物)に対して測定する際に、信号とノイズの区別が困難になるという課題がある。すなわち、撮影対象のエネルギー強度が低い場合に、ノイズとの区別がつきにくくなり、明確な信号分離が困難となってしまう。したがって、結果的に、画像から対象物の大凡の傾向は把握することはできるが、精緻な情報を抽出するのが難しい。
【0008】
さらに、ハイパースペクトルカメラは高額であり、このような特別な機器を用いないで画像を取得できることが望ましい。加えて、撮影設備が大掛かりにならないことが望ましい。
【0009】
本発明は、高感度スチルカメラやハイパースペクトルカメラ等の特別な装置を使用することなく、撮影対象物である有機物を精緻に画像化する撮影装置、撮影方法及び、画像システムを提供することを第1の目的とし、さらに、この技術により撮影された画像から、撮影対象物の位置を特定することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、
所定の有機物に特定波長の光を照射する照射手段(例えば、図3の照射ユニット150)と、
前記所定の有機物に前記照射手段からの光を照射しながら、前記所定の有機物の連続撮影を行う撮影手段(例えば、図3の連続画像撮影ユニット130)と、
前記連続撮影している位置を検出する位置検出手段(例えば、図3のGPSユニット140)と、
前記位置検出手段が検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶する位置画像対応付け手段(例えば、図3の位置画像対応付けモジュール113)と、
前記撮影手段により連続撮影された画像のうち、前記光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算するフレーム積算手段(図3のフレーム積算モジュール111)と、
前記フレーム積算手段が積算した複数のフレームを前記所定の有機物の積算画像として生成する積算画像生成手段(図3の積算画像生成モジュール112)と、
前記フレーム積算手段が積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する位置特定手段(例えば、図3の位置特定モジュール114)と、を備える撮影装置(例えば、図3の撮影装置100)を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、特定の有機物に特定波長の光を照射し、光を照射しながら、所定の有機物の連続撮影を行って、前記連続撮影している位置を検出し、検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶し、撮影された画像のうち、光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算して、積算画像を生成し、積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する。
【0015】
の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である撮影装置であって、前記照射手段が、前記特定波長の光として、紫外線又は近赤外線を照射する撮影装置を提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明は、
撮影装置が実行する撮影方法であって、
所定の有機物に特定波長の光を照射する照射ステップ(例えば、図4のステップS10)と、
前記所定の有機物に光を照射しながら、前記所定の有機物の連続撮影を行う撮影ステップ(例えば、図4のステップS12)と、
当該撮影装置が連続撮影している位置を検出する位置検出ステップ(例えば、図4のステップS11)と、
前記位置検出ステップで検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶する位置画像対応付けステップ(例えば、図4のステップS13)と、
前記連続撮影された画像のうち、前記光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算するフレーム積算ステップ(例えば、図4のステップS14)と、
積算した複数のフレームを前記所定の有機物の積算画像として生成する積算画像生成ステップ(例えば、図4のステップS15)と、
前記フレーム積算ステップで積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する位置特定ステップ(例えば、図4のステップS16)と、を備える撮影方法を提供する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、所定の有機物を撮影する撮影装置(例えば、図6の撮影装置100)と、前記撮影されたデータを受信する画像生成装置(例えば、図6の画像生成装置200)とが互いに通信可能に接続された画像システム(例えば、図6の画像システム1)であって、
前記撮影装置は、
所定の有機物に特定波長の光を照射する照射手段(例えば、図6の照射ユニット150)と、
前記所定の有機物に前記照射手段からの光を照射しながら、前記所定の有機物の連続撮影を行う撮影手段(例えば、図6の連続画像撮影ユニット130)と、
前記連続撮影している位置を検出する位置検出手段(例えば、図6のGPSユニット140)と、
前記位置検出手段が検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶する位置画像対応付け手段(例えば、図6の位置画像対応付けモジュール113)と、
前記位置画像対応付け手段が対応付けた、積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定する位置特定手段(例えば、図6の位置特定モジュール114)と、
連続撮影した画像を前記画像生成装置に送信する連続画像送信手段(例えば、図6の連続画像送信モジュール175)と、を備え、
前記画像生成装置は、
前記撮影装置から送信された画像を受信する連続画像受信手段(例えば、図6の連続画像受信モジュール275)と、
受信した画像のうち、前記光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算するフレーム積算手段(例えば、図6のフレーム積算モジュール211)と、
前記フレーム積算手段が積算した複数のフレームを前記所定の有機物の積算画像として生成する積算画像生成手段(例えば、図6の積算画像生成モジュール212)と、を備える画像システムを提供する。
【0018】
の特徴に係る発明によれば、撮影装置と画像生成装置とが互いに通信可能に接続された画像システムにおいて、撮影装置が、所定の有機物に特定波長の光を照射し、所定の有機物に光を照射しながら、連続撮影を行い、連続撮影している位置を検出し、検出した位置と、前記連続撮影した画像のフレームとを対応付けて記憶し、積算したフレームに対応する位置から、前記所定の有機物の位置を特定し、撮影された画像を画像生成装置に送信する。これに応じて、画像生成装置は、撮影装置から送信された画像を受信し、受信した画像のうち、光で照射された所定の有機物が撮影された複数のフレームを経時的に積算し、積算した複数のフレームを所定の有機物の積算画像として生成する。
【0021】
の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である撮影装置が搭載された無線航空機であって、間欠的に移動と撮影を繰り返すことで、前記撮影手段が所定の有機物の連続撮影を行う無線航空機(例えば、図9の無線航空機300)を提供する。

【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、高感度スチルカメラやハイパースペクトルカメラ等の感度の高い特別な装置を使用することなく、撮影対象物である有機物を精緻に画像化する撮影装置、撮影方法及び、画像システムを提供することが可能となる。さらに、この発明により撮影された画像から、撮影対象物の位置を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、通常のカメラで撮影した画像と、光を照射し積算した生成画像を示す図である。
【図2】図2は、従来技術と比べた本発明の原理を説明するための概念図である。
【図3】図3は、撮影装置100のハードウェア構成とソフトウェア機能ブロック図である。
【図4】図4は、撮影装置100が実行する積算画像生成処理を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施例で生成された積算画像の一例を示す図である。
【図6】図6は、他の実施例となる撮影装置100と画像生成装置200のハードウェア構成とソフトウェア機能ブロック図である。
【図7】図7は、他の実施例における撮影装置100と画像生成装置200が実行する積算画像生成処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、積算画像と有機物が特定された位置から地図を生成した場合の一例を示す図である。
【図9】図9は、撮影装置100を搭載した無線航空機300により撮影した場合を説明する概念図である。
【図10】図10は、撮影装置100を搭載した無線航空機300により樹木を撮影した場合を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。

【0025】
[概要と原理]
本発明の概要と原理について、図1、図2を参照して説明する。図1は、通常のカメラで撮影した画像と、本発明により積算される生成画像を示す。通常写真は、夜間にフラッシュ撮影した画像であり、モミジバフウの葉に、害虫であるアメリカシロヒトリが付着している写真である。しかし、アメリカシロヒトリはフラッシュに反射して認識することが容易ではない。

【0026】
一方、図1の右側の「特定波長光源+ビデオカメラ」映像のフレームは、モミジバフウの葉に、害虫であるアメリカシロヒトリが付着した状態で、特定波長の光を照射しながら連続撮影(ビデオ撮影)した画像である。ビデオ画像であるため録画された複数のフレームを経時的に積算して、下の積算画像を生成する。

【0027】
生成された積算画像は、通常写真に比べると、アメリカシロヒトリが画像内で強調され、葉の中にいるアメリカシロヒトリの存在を認識し、存在位置を容易に特定することができる。

【0028】
このような積算画像は、例えば、1秒間に30又は60フレームで録画したフレームを、10枚積算(重ねあわせ)して生成する。また、特定波長光源として照射した光は、紫外線(波長:300nm~400nm)を照射する。

【0029】
図2は、本発明の原理を説明するための概念図である。従来技術のようにスチルカメラやハイパースペクトルカメラ、リモートセンシングで取得した画像は、1枚のみの静止画像であるため1回の測定ではエネルギー強度が低い。そのため、信号とノイズの区別が困難となる。そこで、本発明では、撮影対象である有機物(上述のようなアメリカシロヒトリ)が吸収しやすい特定波長の光源で照射しながら、ビデオ撮影(連続撮影)をし、録画されたビデオ画像のフレームを積算することで、所定の波長のエネルギー強度が強くなり、信号とノイズの区別を明確とすることが可能である。

【0030】
[撮影装置100の構成]
図3は、撮影装置100のハードウェア構成とソフトウェア機能を説明するためのブロック図である。撮影装置100は、動画が撮影できる通常のビデオカメラ又は連続撮影できるスチルカメラであってよく、CCD(Charge-Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary MOS)カメラ等であってよいし、カメラが搭載されたコンピュータやスマートフォン等の通信端末等であってもよい。

【0031】
撮影装置100は、特定波長の光を照射する照射ユニット150と、カメラ・レンズや撮影した画像を記憶する連続画像撮影ユニット130と、撮影した画像データを制御する制御部110と、を備える。撮影装置100は、制御部110が制御した画像やデータを、撮影者が視聴可能な表示部等の外部出力部を備えていてよい。

【0032】
照射ユニット150は、特定波長の光を照射する装置である。ここで、特定波長の光(広義には電磁波)とは、撮影対象となる有機物がエネルギー吸収しやすい光であって、紫外線、近赤外線であってよい。例えば、タンパク質は紫外線で蛍光し、クロロフィルは近赤外線で蛍光するため、撮影対象がタンパク質であれば、紫外線を照射し、クロロフィルであれば近赤外線を照射する。また、照射ユニット150は、撮影装置100に搭載されず別体であってもよい。

【0033】
連続画像撮影ユニット130は、連続撮影するための装置であって、レンズ、CCDやCMOSを利用したイメージセンサー(広義には、フォトダイオード検出器でよい)、受信したイメージ信号を圧縮して画像記憶部120にデータを送信するデータ圧縮部等により構成される。連続画像撮影ユニット130は、ビデオ撮影の場合は、インターレース方式を採用していてよい。

【0034】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。画像記憶部120は、連続画像撮影ユニット130からのデータを受信して、画像フレームを逐次、記憶する装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。

【0035】
なお、図3の点線で示した構成と、図4の点線で示したステップは、以下で説明する構成により積算画像を生成した後に、積算画像で取得した位置を特定するための構成及び処理である。以下では、これらの構成及びステップも含めて説明するが、点線部分は、積算画像を生成するために必須の構成ではない。

【0036】
撮影装置100は、さらに、撮影装置100の位置を検出するためのGPS(Global Positioning System)ユニット140を備えてよい。GPSユニット140は、衛星からの信号を受信して位置を検出するGPS受信機である

【0037】
撮影装置100において、制御部110が所定のプログラムを読み込むことで、連続画像撮影ユニット130と協働して、フレームを経時的に積算するフレーム積算モジュール111と、複数のフレームから積算画像を生成する積算画像生成モジュール112を実現する。

【0038】
また、撮影装置100において、制御部110が所定のプログラムを読み込むことで、撮影対象の位置を特定する位置特定モジュール114を実現し、GPSユニット140と協働して、検出した位置と撮影した画像を対応付ける位置画像対応付けモジュール113を実現する。

【0039】
[積算画像生成処理]
図4は、撮影装置100が実行する積算画像生成処理のフローチャートである。上述した各ハードウェアと、ソフトウェアモジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。

【0040】
はじめに、撮影装置100の照射ユニット150が特定波長の光を、撮影対象である有機物に対して照射する(ステップS10)。特定波長の光とは、上述のように有機物が吸収しやすく、有機物からの充分な反射光を得られる光であることが望ましい。例えば、紫外線、近赤外線が一例であるが、炭水化物やタンパク質の特性吸収バンドに対応した光源を採用することが望ましい。また、撮影対象となる有機物の炭水化物やタンパク質の濃度によって、適切な特定波長の光が採用される。

【0041】
また、有機物の官能基に応じて、特性吸収バンドのエネルギー吸収が異なるため、異なる波長の光が採用されてよい。したがって、撮影対象となる有機物が複数ある場合は、照射ユニット150が、異なる波長の2種類以上の光を順番に照射して撮影してもよい。この場合は、一度の撮影で2種類の有機物の積算画像を生成することができる。

【0042】
次に、GPSユニット140が、撮影装置100の現在の位置(緯度、経度)を検出する(ステップS11)。なお、ここでは説明のために、本処理をステップS10の後に記載したが、GPSユニット140は、常時、撮影装置100の位置を検出していて、ステップS13にて位置とフレームの対応付けを行う際に、GPSユニット140から検出した位置を呼び出してもよい。

【0043】
次に、連続画像撮影ユニット130は、撮影対象物に光を照射しながら、連続撮影を行う(ステップS12)。ここで、連続撮影とは、時間的にフレームを経時的に録画するビデオ撮影であってよいし、静止画を所定時間で、複数枚撮影する場合であってもよい。以下の説明では、ビデオ撮影の場合を主に説明する。

【0044】
そして、位置画像対応付けモジュール113が、撮影された連続画像の一コマずつのフレームと、GPSユニット140が検出した位置とを対応付けて画像記憶部120に記憶する(ステップS13)。例えば、フレームが10枚ある場合に、10枚のフレーム1からフレーム10を一の緯度経度(X,Y)と対応付けて記憶しておく。ここで、静止画の場合は、撮影した静止画1枚が、一のフレームに対応する。

【0045】
そして、フレーム積算モジュール111が、撮影された複数のフレームを経時的に積算し(ステップS14)、積算画像生成モジュール112が、フレームを積算した画像(積算画像)を生成する(ステップS15)。

【0046】
図5は生成される積算画像の一例であって、上述のように、1秒間に30又は60フレームで録画したフレームを、10枚ほど積算(重ねあわせ)して生成する。また、特定波長光源として照射した光は、紫外線(波長:300nm~400nm)を照射した。また、重ねあわせる画像は、それぞれ、明るさ、コントラスト、色相の調整を行って積算してもよい。

【0047】
生成された積算画像は、アメリカシロヒトリが画像内で強調され、葉の中にいるアメリカシロヒトリの存在を認識し、存在位置を容易に特定することができる。なお、照射した特定波長の光がモミジバフウに照射され散乱光となった場合でも、散乱光を遮断したり軽減することが従来技術で可能である。

【0048】
次に、位置特定モジュール114は、ステップS13で対応付けた、積算したフレームに対応する現在の位置から、所定の有機物の位置を特定し(ステップS16)、撮影装置100は、対象物の位置を内蔵された表示部や、外部出力で通知する(ステップS17)。上述の例では、10枚のフレームの緯度経度(X,Y)を特定し、通知する。これにより、撮影対象物がどこにいるのか、撮影者に通知することが可能になる。

【0049】
[画像システムの実施例]
次に、本発明の他の実施例となる撮影装置100と画像生成装置200とからなる画像システム1について図6、図7を参照して説明する。画像システム1は、撮影装置100と画像生成装置200とから構成され、撮影装置100と画像生成装置200とは、互いにインターネット網等の公衆回線、近距離通信、専用回線のいずれか又は組合せで通信可能に接続されている。前述の実施例とは異なり、撮影装置100とは別体の画像生成装置200が、撮影装置100から連続画像を受信して、積算画像を生成する。

【0050】
本実施例における撮影装置100は、上述の実施例の撮影装置100に加えて、通信部170を備える。通信部170は、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイス又は、Bluetooth(登録商標)対応デバイス、第3世代、第4世代移動通信システム等のIMT-2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。また、赤外線通信等の近距離無線通信を実行するためのデバイスであってもよい。

【0051】
撮影装置100は、上述の実施例と同様に、照射ユニット150、連続画像撮影ユニット130、制御部110を備え、位置を特定するためにGPSユニット140をさらに備えることが望ましい。照射ユニット150、連続画像撮影ユニット130、制御部110は、前述の実施例と同様の構成、機能を有する。制御部110は、所定のプログラムを読み込むことで、位置特定モジュール114を実現し、GPSユニット140、画像記憶部120と協働することで、位置画像対応付けモジュール113を実現する。

【0052】
通信部170の連続画像送信モジュール175は、画像記憶部120に記憶された連続画像(複数のフレーム)を画像生成装置200に送信するためのモジュールである。連続画像送信モジュール175は、制御部110が所定のプログラムを読み込むことで、通信部170、画像記憶部120との協働により実現する。

【0053】
画像生成装置200は、積算画像を生成する装置であって、例えば、通常のコンピュータであってよく、コンピュータ端末やサーバであってよいし、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型端末であってもよい。画像生成装置200は、制御部210として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部270として、上述の撮影装置100の通信部170に対応して、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT-2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。また、赤外線通信等の近距離無線通信を実行するためのデバイス等を備える。

【0054】
画像生成装置200の画像記憶部220は、撮影装置100から受信した画像を記憶する装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。画像生成装置200は、撮影者が視聴可能な表示部等の出力部を備えていてよい。

【0055】
画像生成装置200の制御部210が所定のプログラムを読み込むことで、通信部270との協働で、連続画像受信モジュール275を実現し、画像記憶部220との協働で、フレーム積算モジュール211、積算画像生成モジュール212を実現する。

【0056】
本実施例における積算画像生成処理について、図7に基づいて説明する。先の実施例と同様に、撮影装置100は、ステップS20からステップS23までを実行する。本処理は、先の実施例のステップS10からステップS13までと同じなので説明を省略する。そして、その後のステップS14からステップS17までの処理を撮影装置100ではなく、画像生成装置200が実行する。

【0057】
撮影装置100の連続画像送信モジュール175は、撮影された連続画像を画像生成装置200に送信する(ステップS24)。この際に、位置画像対応付けモジュール113が対応付けた現在位置の位置情報も、画像生成装置200に送信してもよい。すなわち、位置特定モジュール114は、ステップS23で対応付けた、積算したフレームに対応する現在位置から、所定の有機物の位置を特定しておき、これを現在位置として送信する。ここで、送信される連続画像は、後で積算画像が生成できるほどのフレーム数を有することを要する。

【0058】
これに応じて、画像生成装置200の連続画像受信モジュール275は、送信された連続画像と位置情報を受信し(ステップS25)、フレーム積算モジュール211が、撮影された複数のフレームを経時的に積算し(ステップS26)、積算画像生成モジュール212が、フレームを積算した画像(積算画像)を生成する(ステップS27)。次に、受信した現在位置の位置情報から、対象物の位置を内蔵された表示部や、外部出力で通知する(ステップS28)。

【0059】
本実施例によれば、撮影装置100とは別体の画像生成装置200により積算画像を生成することが可能になる。

【0060】
[無線航空機との併用について]
次に、無線航空機(ドローン、マルチコプター)と本発明との併用について説明する。すなわち、上記の実施例での撮影装置100を無線航空機300に搭載した場合について説明する。上述の積算画像を生成するためには、可視光の照射がない状態で、特定波長の光を照射することが望ましい。すなわち、無線航空機300の夜間での飛行が望ましい。

【0061】
例えば、無線航空機300が昼間に撮影した圃場(田)の全体画像と、夜に撮影して生成した積算画像とを組合せて、図8のように、フィールド全体を可視化したマップを生成することができる。すなわち、撮影対象となる有機物(A:病気,B:肥料不足,C:虫害)に応じて(A,B,Cで異なる特定波長の光を照射してよい)、それぞれの位置を、積算画像により特定された現在位置から特定し、田の全体画像と対応付けることで、このようなマップを生成することができる。

【0062】
図8のような撮影を行うためには、無線航空機300は、間欠的に移動と撮影を繰り返す必要がある。その説明をした図が図9である。撮影対象となる田全体を、無線航空機300が移動して、2,3メートル程度の上空で、停止し、撮影をして、また、横に移動して、停止して撮影するという動作を繰り返すことで、田全体をスキャンするように、撮影することが可能となる。すなわち、停止撮影時間に撮影したフレーム数分を積算して、積算画像を生成する。

【0063】
一方、図10に示すように、撮影対象が樹木のような、高さ方向での撮影が必要な場合であっても同様に、無線航空機300が上昇、停止、撮影、上昇、停止、撮影を繰り返すことで、樹木全体を撮影して、害虫の発生箇所や害中卵が存在する箇所を知らせる画像を生成することが可能である。

【0064】
このように、積算画像を生成する際に、無線航空機300を活用することで、有機物由来の異物が、撮影対象物全体に点在して付着した場合に、可視化したマップの取得を可能として、異物の存在箇所を特定することが可能となる。結果として、このマップの生成により、病気や虫害の箇所が特定できるので、無線航空機300等でピンポイントによる対処が可能となる。すなわち、農薬使用量や農薬散布労働力を軽減できる可能性がある。

【0065】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD-ROMなど)、DVD(DVD-ROM、DVD-RAMなど)、ブルーレイ等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置又は外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ハードディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。

【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0067】
1 画像生成システム、100 撮影装置、200 画像生成装置、300 無線航空機
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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【図9】
8
【図10】
9