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明細書 :細胞の再プログラミング誘導方法、および多能性細胞の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6592846号 (P6592846)
登録日 令和元年10月4日(2019.10.4)
発行日 令和元年10月23日(2019.10.23)
発明の名称または考案の名称 細胞の再プログラミング誘導方法、および多能性細胞の製造方法
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12N   5/071       (2010.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61K  35/12        (2015.01)
A61K  47/40        (2006.01)
A61K  35/545       (2015.01)
FI C12N 15/09 Z
C12N 5/071
A61P 35/00
A61K 35/12
A61K 47/40
A61K 35/545
請求項の数または発明の数 17
全頁数 22
出願番号 特願2016-519244 (P2016-519244)
出願日 平成27年5月11日(2015.5.11)
国際出願番号 PCT/JP2015/063457
国際公開番号 WO2015/174364
国際公開日 平成27年11月19日(2015.11.19)
優先権出願番号 2014098213
優先日 平成26年5月11日(2014.5.11)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成30年5月8日(2018.5.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
発明者または考案者 【氏名】太田 訓正
【氏名】伊藤 尚文
個別代理人の代理人 【識別番号】100102015、【弁理士】、【氏名又は名称】大澤 健一
審査官 【審査官】飯室 里美
参考文献・文献 国際公開第2013/008803(WO,A1)
特表2012-519733(JP,A)
太田 訓正,乳酸菌による多能性細胞の創造,日本乳酸菌学会誌,2014年 3月17日,Vol.25 No.1,pages 13-17
調査した分野 C12N 15/00
C12N 5/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
単離された接着系細胞である哺乳類動物の体細胞またはがん細胞の再プログラミングを誘導する方法であって、以下の工程:
(a)細胞支持体上で培養または維持された該細胞を細胞支持体から剥離する工程、および
(b)工程(a)により得られた細胞を、原核生物又は真核性物から超遠心分離を含む精製手段を用いて調製された精製リボソーム分画を細胞の再プログラミングを誘導する物質として添加した培地中で培養する工程、
を含む該細胞の再プログラミングを誘導する方法、
ここで、前記精製リボソーム分画は、精製70Sリボソーム分画、精製80Sリボソーム分画、精製30Sリボソーム分画、および精製50Sリボソーム分画からなる群より選ばれる少なくとも一つの精製リボソーム分画である。
【請求項2】
前記体細胞またはがん細胞が、ヒト由来の細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記細胞を剥離する工程がトリプシン処理により行われる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞を剥離する工程が非酵素系細胞剥離液により行われる請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記精製リボソーム分画を添加した培地は、さらにメチル-β-シクロデキストリンが添加されている、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記リボソーム分画が精製80Sリボソーム分画である、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記リボソーム分画が精製30Sリボソーム分画である、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記リボソーム分画が精製50Sリボソーム分画である、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
生物由来のリボソーム分画からなる細胞再プログラミング誘導用組成物であって、前記リボソーム分画は、遠心分離を含む精製手段を用いて調製された、精製70Sリボソーム分画、精製80Sリボソーム分画、精製30Sリボソーム分画、および精製50Sリボソーム分画からなる群より選ばれる少なくとも一つのリボソーム分画である組成物。
【請求項10】
ヒト由来の体細胞またはがん細胞の再プログラミング誘導のために用いられる請求項に記載の組成物。
【請求項11】
さらにメチル-β-シクロデキストリンを含む請求項または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、精製80Sリボソーム分画を含む、請求項11のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物が、精製30Sリボソーム分画を含む、請求項11のいずれか一つに記載の組成物
【請求項14】
前記組成物が、精製50Sリボソーム分画を含む、請求項11のいずれか一つに記載の組成物
【請求項15】
請求項9~14のいずれか一つに記載の組成物を含む抗がん剤。
【請求項16】
単離された哺乳類動物由来の体細胞またはがん細胞から多能性細胞を製造するための培地に用いるための請求項9~14のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項17】
請求項9~14のいずれか一つに記載の組成物を含む、単離された哺乳類動物由来の体細胞またはがん細胞から多能性細胞を製造するための培地。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の再プログラミングを誘導する方法に関する。本発明はまた、そのような方法を用いて多能性細胞を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ES細胞は、胚性幹細胞と呼ばれ、1981年にはマウスの胚から、1998年にはヒ卜の胚から発見された。ES細胞は胎盤を構成する細胞以外のさまざまな種類の細胞に変化する能力(多能性)を持つ細胞として、それを用いた組織や器官を構築する研究が主に行われてきた。しかしながら、ES細胞は順調に成長すれば生命になる受精卵を利用しているため、倫理的に大きな問題を抱えている。もうひとつの大きな問題として、拒絶の問題がある。ES細胞をもとに作製した分化細胞や臓器を患者に移植しても、免疫系はこれらを非自己と認識し攻撃する可能性がある。
【0003】
これらES細胞の問題を解決するために、京都大学の山中伸弥教授のグループは、通常は他の機能を持つ細胞に分化しない皮膚細胞からさまざまな種類の細胞に変化する能力を持つ細胞を開発し、iPS細胞と名付けた。山中ファクターと呼ばれる4つの因子(Oct3/4,Sox2,Klf4,c-Myc)をマウスやヒ卜の皮膚細胞にレ卜ロウイルスベクターを使って導入すると、細胞の初期化がおこり、ES細胞と同じく多能性を持つ細胞が作り出せることを示した[非特許文献1、および非特許文献2]。この時に用いる細胞は、患者自身の分化した皮膚などの体細胞に由来するため、iPS細胞から分化させた細胞を患者に移植しても免疫系はその臓器を自己と認識し移植が拒絶されることはない。iPS細胞の発見によりES細胞が抱えていた「生命倫理」と「拒絶反応」という2つの問題がクリアされたが、iPS細胞を標準化するための技術は開発途上にあり、細胞の癌化の問題を完全には払拭できていない。
【0004】
また、特許文献1において、マイコバクテリウム・レプラエ菌またはその成分を用いて、再ブログラミングされた胚幹細胞(ES)様細胞を産生する方法が提案されている。特許文献1には、マイコバクテリウム・レプラエ菌そのものを、成人の分化細胞に接触・感染させることによる、再プログラミングされたES様細胞を産生する方法、この方法によって産生された細胞が記載されており、接触・感染させた菌は、産生されたES様細胞中に存在することが記載されている。しかしながら、マイコバクテリウム・レプラエ菌はらい菌であり、再生医療への応用には安全性の懸念がある。
【0005】
また、本発明者により、発酵能を有する細菌である乳酸菌や納豆菌を、体細胞に感染させて、体細胞から多能性細胞を製造する方法が報告されている(特許文献2、非特許文献3)。さらに、本発明者らにより、乳酸菌からの粗抽出成分による、体細胞から多能性細胞を製造する方法が、PCT/JP2014/056948(国際公開公報WO2014/167943号公報)として特許出願されている。
【先行技術文献】
【0006】

【特許文献1】米国特許出願公開US2006/0222636A1号明細書
【特許文献2】国際公開公報WO2013/008803号公報
【0007】

【非特許文献1】Takahashi and Yamanaka, Cell 126,663-676, 2006.
【非特許文献2】Takahashi et al, Cell 131,861-872, 2007.
【非特許文献3】Ohta et al, PLoS ONE 7(12):e51866, 2012.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、細胞の再プログラミングを誘導する物質を含む組成物を提供することである。本発明の目的はまた、再生医療への応用において安全性が高い多能性細胞、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、以前より乳酸菌や納豆菌などの発酵能を有する細菌に着目し、発酵能を有する細菌と細胞との関係を調べた結果、細胞分化を終えたヒ卜皮膚細胞に乳酸菌または納豆菌をそれぞれ感染させると、ES細胞やiPS細胞のように細胞塊を形成し、アルカリホスファターゼ染色法で染色されることを見出した。さらに、本発明者は、生きた乳酸菌ではなく、死んだ乳酸菌からの粗抽出成分であっても、細胞分化を終えたヒ卜皮膚細胞を再プログラミングし、ES細胞やiPS細胞のように細胞塊を形成できることを見出した。
そこで、本発明者らは、細胞の再プログラミングを誘導する物質を特定することにより、乳酸菌等の発酵能を有する細菌に限らず多くの生物に見出される物質が細胞の再プログラミングを誘導することを見出し、本発明を完成した。また、その物質を用いてヒト皮膚細胞やがん細胞から誘導された細胞塊を種々の細胞へと分化誘導させたところ、他の細胞への分化が確認された。
【0010】
即ち、以下の発明が提供される。
(1)(生体内または単離された)哺乳類動物(例えば、ヒト、マウス)の体細胞またはがん細胞に、生物由来のリボソーム分画を接触させることにより、該細胞の再プログラミングを誘導する方法。
(2)前記体細胞またはがん細胞が、ヒト由来の細胞である上記(1)に記載の方法。
(3)前記細胞が接着系細胞である、上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)さらに、リボソーム分画の細胞への接触の前に、前記接着系細胞を細胞支持体から剥離する工程を含む上記(3)に記載の方法。
(5)前記細胞を剥離する工程がトリプシン処理により行われる上記(4)に記載の方法。
(6)前記リボソーム分画の細胞への接触を、メチル-β-シクロデキストリンの存在下で行う、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の方法。
(7)前記リボソーム分画が、グラム陰性菌由来のリボソーム分画である上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の方法。
(8)前記リボソーム分画が、グラム陽性菌由来のリボソーム分画である上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の方法。
(9)前記リボソーム分画が、酵母由来のリボソーム分画である上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の方法。
(10)前記リボソーム分画が、哺乳類動物由来のリボソーム分画である上記(1)~(6)のいずれか一つに記載の方法。
(11)前記リボソーム分画が、30Sリボソーム分画である上記(7)または(8)に記載の方法。
(12)前記リボソーム分画が、50Sリボソーム分画である上記(7)または(8)に記載の方法。
【0011】
(13)哺乳類動物(例えば、ヒトまたはマウス)の体細胞またはがん細胞から誘導された多能性細胞であって、以下の工程:
(i)単離された体細胞またはがん細胞に、生物由来のリボソーム分画を接触させて培養または維持する工程、および
(ii)形成された細胞塊を回収する工程、
を含む工程により製造された多能性細胞。
(14)前記体細胞またはがん細胞が、ヒト由来の細胞である上記(13)に記載の多能性細胞。
(15)前記体細胞が接着系細胞である、上記(13)または(14)に記載の多能性細胞。
(16)さらに、工程(i)の前に、前記接着系細胞を細胞支持体から剥離する工程を含む上記(15)に記載の多能性細胞。
(17)前記細胞を剥離する工程がトリプシン処理により行なわれる上記(16)に記載の多能性細胞。
(18)前記工程(i)を、メチル-β-シクロデキストリンの存在下で行う、上記(13)~(17)のいずれか一つに記載の多能性細胞。
(19)前記リボソーム分画が、グラム陰性菌由来のリボソーム分画である上記(13)~(18)のいずれか一つに記載の多能性細胞。
(20)前記リボソーム分画が、グラム陽性菌由来のリボソーム分画である上記(13)~(18)のいずれか一つに記載の多能性細胞。
(21)前記リボソーム分画が、酵母由来のリボソーム分画である上記(13)~(18)のいずれか一つに記載の多能性細胞。
(22)前記リボソーム分画が、哺乳類動物由来のリボソーム分画である上記(13)~(18)のいずれか一つに記載の多能性細胞。
(23)前記リボソーム分画が、30Sリボソーム分画である上記(19)または(20)に記載の多能性細胞。
(24)前記リボソーム分画が、50Sリボソーム分画である上記(19)または(20)に記載の多能性細胞。
(25)上記(1)~(12)のいずれか一つに記載の細胞の再プログラミングを誘導する方法を用いて製造された多能性細胞。
(26)上記(13)~(25)のいずれか一つに記載の多能性細胞を分化誘導培地で培養することにより分化誘導された細胞。
(27)前記細胞が、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞、神経細胞、心筋細胞、肝細胞、膵臓細胞、または血球細胞である、上記(26)に記載の細胞。
【0012】
(28)生物由来のリボソーム分画を含む細胞再プログラミング誘導組成物。
(29)ヒト由来の体細胞またはがん細胞の再プログラミング誘導のために用いられる上記(28)に記載の組成物。
(30)さらにメチル-β-シクロデキストリンを含む上記(28)または(29)に記載の組成物。
(31)前記リボソーム分画が、グラム陰性菌由来のリボソーム分画である上記(28)~(30)のいずれか一つに記載の組成物。
(32)前記リボソーム分画が、グラム陽性菌由来のリボソーム分画である上記(28)~(30)のいずれか一つに記載の組成物。
(33)前記リボソーム分画が、酵母由来のリボソーム分画である上記(28)~(30)のいずれか一つに記載の組成物。
(34)前記リボソーム分画が、哺乳類動物由来のリボソーム分画である上記(28)~(30)のいずれか一つに記載の組成物。
(35)前記リボソーム分画が、30Sリボソーム分画である上記(31)または(32)に記載の組成物。
(36)前記リボソーム分画が、50Sリボソーム分画である上記(31)または(32)に記載の組成物。
(37)上記(28)~(36)のいずれか一つに記載の組成物を含む抗がん剤。
(38)生物由来のリボソーム分画を含む、単離された哺乳類動物由来の体細胞またはがん細胞から多能性細胞を製造するための培地。
(39)さらにメチル-β-シクロデキストリンを含む上記(38)に記載の培地。
(40)上記(28)~(36)のいずれか一つに記載の組成物を含む、単離された哺乳類動物由来の体細胞またはがん細胞から多能性細胞を製造するための培地。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、体細胞への遺伝子の導入および強制発現を用いることなく、体細胞から多能性細胞を製造することができる。本発明では、原核生物から真核生物に至るまで全ての生物において存在するリボソーム(リボソームRNAとタンパク質で構成されている)の分画またはそれから得られる成分を含む組成物を用いて多能性細胞を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1で調製した乳酸菌成分と一緒に培養したHDF細胞(培養3日後)を示す。
【図2】実施例3の3段階のクロマトグラフィーによる精製で得た活性フラクションを、SDS-PAGEで分離した結果、およびそれぞれのバンドをMALDI-TOF-MS分析してタンパク質を同定した結果を示す。
【図3】実施例4において同定されたタンパク質をグループ分けした結果である。
【図4】乳酸菌由来70Sリボソーム分画と一緒に培養したHDF細胞(培養7日後)を示す。
【図5】乳酸菌由来70Sリボソーム分画による細胞塊形成能の濃度依存性を確認した結果である。
【図6】乳酸菌由来の70Sリボソーム分画からの50Sリボソームおよび30Sリボソームの精製、および各フラクションの細胞塊形成能を示した図である。
【図7】乳酸菌由来30Sリボソーム分画または50Sリボソーム分画と一緒に培養したHDF細胞の形態(4日目、10日目)を示す。
【図8】乳酸菌由来の30リボソームまたは50Sリボソームで処理したHDF細胞を、脂肪細胞、骨細胞、または軟骨細胞へ分化誘導する培地で培養した後、それぞれの細胞を、Oil Red O染色(脂肪)、Alizarin Red S染色(骨)、またはAlcian Blue染色(軟骨)した結果を示す。
【図9】乳酸菌由来の70Sリボソーム分画の細胞塊形成能に対するエンドサイトーシス阻害剤の影響を確認した図である。左図が、細胞塊数の変化を見たものであり、右図が細胞生存率をMTTアッセイによって測定したものである。細胞生存率は、阻害剤なしを100%とした。
【図10】図9の結果を、各阻害剤について、細胞生存率と細胞塊形成能を同じグラフにプロットし直した図である。*は、t検定で0.05以下、**は、t検定で0.01以下を示す。
【図11】粗精製リボソーム分画を用いて、非酵素系の細胞剥離液によりシャーレから剥がしたHDF細胞からの細胞塊形成を確認した結果である。Aが粗精製リボソーム分画を含まない条件で培養した細胞であり、Bが粗精製リボソーム分画存在下で培養した細胞(培養3日後)である。
【図12】トランスフェクションによる細胞塊形成を確認した結果である。トリプシン処理(Tripsinization)、トランスフェクション処理(Transfection)、およびトリプシン処理なし(No treatment)のそれぞれでリボソーム分画を添加した結果を示している。
【図13】ラット小腸細胞(IEC-6)由来の粗精製リボソーム分画と精製80Sリボソーム分画による、細胞塊形成能を確認した結果である。上段が粗精製リボソーム分画、下段が80Sリボソーム分画の存在下で培養した細胞(培養3日後)である。左側がリボソーム分画を含まない条件で培養した対照である。
【図14】各種生物由来の、粗精製リボソーム分画および、70Sまたは80S精製リボソーム分画(Purified RBS)の細胞塊形成能を確認した結果である。
【図15】各種の細菌や細胞からの精製リボソーム分画(A-H:精製70S;I-K:精製80S)の添加により形成された細胞塊の写真である。(A)Lactobacillus acidophilus JCM 1021,(B)Lactobacillus reuteri JCM 1112,(C)Lactobacillus casei JCM1134,(D)Bacillus subtilis subsp. 168 JCM10629,(E)Staphylococcus epidermidis JCM2414,(F)Pseudomonas putida JCM 13063, (G) Mesorhizobium loti JCM 21590,(H)Escherichia coli JE28,(I)Saccharomyces cerevisiae BY20118,(J)Rattus norvegicus IEC-6,(K)Homo sapience dermal fibroblast。Bar indicate:0.1mm。
【図16】粗精製リボソーム分画の細胞塊形成能を浮遊細胞(マウスリンパ球:WEHIおよびBa/F3)を用いて確認した結果である。Aが粗精製リボソーム分画を含まない条件で培養した細胞であり、Bが粗精製リボソーム分画存在下で培養した細胞(培養4日後)である。
【図17】精製リボソーム分画に対する加熱処理の影響を確認した結果である。左図が100度で10分加熱後すぐ氷上に置いたリボソーム分画を用いた結果、右図が100度で10分加熱後すぐに室温にして10分間置いたリボソーム分画を用いた結果である。
【図18】各種がん細胞(A549、HepG2、MCF7)を乳酸菌70リボソーム分画で処理して形成した細胞塊を、脂肪細胞または骨細胞に分化誘導する培地で培養した後、それぞれの細胞を、Oil Red O染色(脂肪)、またはAlcian Blue染色(軟骨)した結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、例示的な実施態様を例として、本発明の実施において使用することができる好ましい方法および材料とともに説明する。
なお、文中で特に断らない限り、本明細書で用いるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるのと同じ意味をもつ。また、本明細書に記載されたものと同等または同様の任意の材料および方法は、本発明の実施において同様に使用することができる。
また、本明細書に記載された発明に関連して本明細書中で引用されるすべての刊行物および特許は、例えば、本発明で使用できる方法や材料その他を示すものとして、本明細書の一部を構成するものである。

【0016】
本発明において、「細胞を再プログラミング誘導する」とは、哺乳類動物の体細胞またはがん細胞、例えば、上皮細胞を、生物由来のリボソーム分画または分画中に含まれる成分と接触させることにより、細胞を、ES細胞やiPS細胞と同様の、種々の細胞に分化する能力を有する多能性細胞へと形質を変換させることをいう。ここで接触とは、細胞がリボソーム分画または分画中に含まれる成分(以下、特に断りがない限り、あるいは文脈からその一方を意味していると明確でない限り、合わせてリボソーム分画という)と接触できる状態におくことを意味し、その態様は特に制限されないが、好ましくは、体細胞が生存する環境(例えば、培地)中にリボソーム分画を存在させることにより、それらが体細胞に作用できる状態におくことを言う。

【0017】
哺乳類動物の体細胞へのリボソーム分画の接触においては、細胞の前処理を行うこともできる。例えば、接着系の体細胞を用いる場合は、体細胞を前処理して細胞の支持体(例えば、培養皿や細胞培養支持体)から細胞を剥離しておくのが好ましい。
リボソーム分画を接触させる前の細胞の前処理としては、例えば、消化酵素処理、具体的にはトリプシン処理、または、市販の細胞剥離液、例えば非酵素系の細胞剥離液による処理をあげることができるが、トリプシン処理が好ましい。

【0018】
本発明において「リボソーム分画」が由来する生体とは、原核生物から真核生物までのいずれであってもよい。リボソームは、教科書的には、全ての生物で構造自体に大差なく、rRNAとタンパク質で構成されており、rRNAは触媒反応の活性中心、タンパク質はリボソームの構造安定化に関係しているとされている。機能としては、タンパク質の合成を担い、原核生物では、30S(小サブユニット)がtRNAをmRNAに結合させ、50S(大サブユニット)がペプチド形成を行っている(真核生物では、それぞれ40Sと60S)。

【0019】
本発明で用いるリボソーム分画が由来する原核生物としては、グラム陽性菌およびグラム陰性菌をあげることができる。グラム陽性菌としては、例えば、乳酸菌、ブドウ球菌、ブドウ球菌近縁種、枯草菌(納豆菌)などをあげることができる。代表的な乳酸菌としては、ラク卜バシラス属(Lactobacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ラク卜コッカス属(Lactococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、リューコノストック属(Leuconostoc)、ス卜レプトコッカス属(Streptococcus)などに属する乳酸菌が挙げられる。グラム陰性菌としては、例えば、大腸菌、緑膿菌近縁種、根粒菌(植物共生菌)をあげることができる。

【0020】
本発明で用いるリボソーム分画が由来する真核生物としては、これに限定されないが、例えば、菌類、動物種をあげることができる。菌類としては、例えば、酵母、キノコ、カビをあげることができる。動物種としては、無脊椎動物と脊椎動物のいずれでもよく、脊椎動物としては、例えば哺乳類をあげることができる。動物種を用いる場合は、本発明の「生体由来のリボソーム分画」は、動物のいずれの器官、組織または細胞から由来するリボソーム分画であってもよい。

【0021】
本発明で用いる「リボソーム分画」は、リボソームの粗精製分画であっても、精製分画であってもよく、さらには、小サブユニット分画(原核生物は30S、真核生物は40S)、大サブユニット分画(原核生物は50S、真核生物は60S)のいずれでもよい。また、それらの何れかの分画に対し任意の処理を施し、細胞の再プログラミングを誘導する成分の一部を抽出または分離することも可能であり、それらも本発明の「リボソーム分画」に含まれる。すなわち、生物から調製したリボソームの粗精製分画から調製されるいずれの分画も、細胞塊形成能を有する限り本発明のリボソーム分画に含まれる。例えば、リボソームの粗精製分画を緩衝液に懸濁し、さらに(超)遠心分離を行い、リボソームの精製分画(沈殿)と上清に分画できる。本発明において好ましいのはリボソームの精製分画であるが、かかる場合用いた分離条件では上清にもリボソームが含まれる結果、上清の分画も細胞塊形成能を有する場合は、それも本発明のリボソーム分画に含まれる。加えて精製リボソーム分画、例えば精製70Sリボソーム分画を、濃度勾配(例えばスクロース濃度勾配)超遠心により、30Sリボソーム画分と50Sリボソーム分画に分離できるが、いずれも本発明のリボソーム分画に含まれる。
本発明で用いる「リボソーム分画」は、好ましくは、rRNAがその高次構造が維持された状態で含まれている分画である。
本発明における「細胞再プログラミング誘導組成物」とは、上記した生物由来のリボソーム分画のいずれかを含むものである。

【0022】
本発明で再プログラミングの誘導または多能性細胞の製造のために用いる体細胞の種類は特に限定されず、任意の体細胞を用いることができる。即ち、本発明で言う体細胞とは、生体を構成する細胞のうち生殖細胞以外の全ての細胞を包含し、分化した体細胞でもよいし、一部分化が進んだ未分化の幹細胞でもよい。例えば、これに制限されないが、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞(皮膚細胞等)、腸細胞、肝細胞、脾細胞、膵細胞、腎細胞、毛細胞、筋肉細胞、脳細胞、肺細胞、脂肪細胞、および胃粘膜細胞等の分化した細胞、神経幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、歯髄幹細胞等の一部分化が進んだ体性幹細胞、組織前駆細胞をあげることができる。これらの細胞は、一般に、接着系細胞として分類されている。体細胞の由来は、哺乳動物であれば特に限定されないが、好ましくはマウスなどのげっ歯類、またはヒ卜などの霊長類であり、特に好ましくはヒ卜またはマウスである。また、ヒ卜の体細胞を用いる場合、胎児、新生児または成人の何れの体細胞を用いてもよい。本発明の方法で製造される多能性細胞を再生医療など疾患の治療に用いる場合には、該疾患を患う患者自身から分離した体細胞を用いることが好ましい。また、本発明では細胞としてがん細胞を用いることができる。がん細胞に、リボソーム分画を接触させることによって、がん細胞から非がん細胞を製造することができる。本発明において、体細胞またはがん細胞に、リボソーム画分を接触させる工程は、インビトロでもまた生体内でも行うことができる。

【0023】
本発明で言う多能性細胞とは、所定の培養条件下において自己複製能を有し、また所定の分化誘導条件下において多種の細胞(外胚葉系の細胞、中胚葉系の細胞、または内胚葉系の細胞など)への多分化能を有する細胞(このような細胞のことは、幹細胞とも称する)のことを言う。
本発明の方法により誘導された多能性細胞は、所定の培養条件下において自己複製能を有するが、iPS細胞のように無限増殖性を有することはないという特徴を有する。
本発明の方法により誘導された多能性細胞はまた、自己の細胞と差が無く、多能性付与によってがん化のリスクが高まることはないという特徴を有する。

【0024】
本発明に従いリボソーム分画を体細胞に接触させて多能性細胞を製造する場合、メチル-β-シクロデキストリンの存在下で、リボソーム分画を体細胞に接触させることによって、細胞塊形成効率を高めることができる。

【0025】
本発明においては、細胞培養用の通常の培地を用いて、リボソーム分画の存在下において体細胞の培養を行うことにより、本発明の多能性細胞または非がん細胞(がん細胞を再プログラミングして非がん化した細胞)を製造または培養できる。このような培地は特に制限されず、ES細胞やiPS細胞等の培養に用いることができる任意の培地を用いることができ、例えば、これに制限されないが、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、イーグル最少必須(EME)培地、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、アルファ-最少必須培地(α-MEM)、RPMI 1640、Ham-F-12、MCDB、およびそれらの改変培地をあげることができる。培地は、製造した多能性細胞のその後の使用や誘導効率の観点より、無血清培地が好ましく、さらには、必要に応じて、各種の成長因子、サイト力イン、ホルモンなど、例えば、FGF-2、TGFβ-1、アクチビンA、ノギン(Nanoggin)、BDNF、NGF、NT-1、NT-2、NT-3等のヒ卜ES細胞の増殖・維持に関与する成分、を添加してもよい。リボソーム分画を含んだこのような培地も本発明の一部である。また、分離された多能性細胞の分化能および増殖能は、ES細胞について知られている確認手段を利用することにより確認することができる。

【0026】
本発明の方法で製造される多能性細胞および非がん細胞の用途は特に限定されず、各種の試験・研究や疾病の治療などに使用することができる。例えば、本発明の方法により得られた多能性細胞をレチノイン酸、EGFなどの増殖因子、またはグルココルチコイドなどで処理することにより、所望の分化細胞(例えば神経細胞、心筋細胞、肝細胞、膵臓細胞、血球細胞など)を誘導することができ、そのようにして得られた分化細胞を患者に戻すことにより自家細胞移植による幹細胞療法を達成することができる。

【0027】
本発明の多能性細胞を用いて治療を行うことができる中枢神経系の疾患としてはパーキンソン病、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳梗塞、脊髄損傷などが挙げられる。パーキンソン病の治療のためには、多能性細胞をドーパミン作動性ニューロンへと分化しパーキンソン病患者の線条体に移植することができる。ドーパミン作動性ニューロンへの分化は、例えば、マウスのストローマ細胞株であるPA6細胞と本発明の多能性細胞を無血清条件で共培養することで進めることができる。アルツイハイマー病、脳梗塞、脊髄損傷の治療においては本発明の多能性細胞を神経幹細胞に分化誘導した後に、傷害部位に移植することができる。

【0028】
また、本発明の多能性細胞は肝炎、肝硬変、肝不全などの肝疾患の治療に用いることができる。これら疾患を治療するには、本発明の多能性細胞を肝細胞あるいは肝幹細胞に分化し移植することができる。本発明の多能性細胞をアクチビンA存在下で5日間培養し、その後肝細胞増殖因子(HGF)で1週間程度培養することで肝細胞あるいは肝幹細胞を取得することができる。

【0029】
さらに本発明の多能性細胞はI型糖尿病などの膵臓疾患の治療に用いることができる。I型糖尿病の場合には、本発明の多能性細胞を膵臓β細胞に分化させ、膵臓に移植することができる。本発明の多能性細胞を膵臓β細胞に分化させる方法は、ES細胞を膵臓β細胞に分化させる方法に準じて行うことができる。

【0030】
さらに本発明の多能性細胞は虚血性心疾患に伴う心不全の治療に用いることができる。心不全の治療には、本発明の多能性細胞を心筋細胞に分化させた後に傷害部位に移植することが好ましい。本発明の多能性細胞は胚様体を形成させる3日前よりノギンを培地中に添加することで、胚様体形成後2週間程度で、心筋細胞を得ることができる。

【0031】
また、本発明によれば、がん細胞に、リボソーム分画を接触させることによって、がん細胞から非がん細胞を製造することができる。従って、本発明で用いられるリボソーム分画を含む組成物は、抗がん剤として有用である。
さらに本発明により提供されるリボソーム分画は、分化した細胞やがん細胞などの異常分化を起こした細胞を再プログラミングできるので、医薬品や化粧品への添加物として用いることができる。

【0032】
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0033】
実施例1:乳酸菌成分の調製
乳酸菌は、理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室から購入した。MRS培地を高圧蒸気殺菌後、乳酸菌(Lactobacillus acidophilus;JCM1021:以下、Lacと呼ぶ)をMRS培地20mlに植菌し、37℃で2~3日間振盪培養した。次に、滅菌済みの前記培地1Lを含んだ3L振盪フラスコに植菌し、37℃で3~4日間、振盪培養した。得られた培養液1Lから遠心分離10,000rpm、10minにより菌体を集めた。PBSに懸濁、遠心分離を3回繰り返して菌体を洗浄後、PBS(pH7.0)30mlに懸濁した。菌体懸濁液をBranson soniccator 250D超音波破砕装置(株式会社Branson)でOUTPUT 3 Duty 50%にて氷上で30分間破砕した。得られた細胞抽出液に3.42gの硫酸アンモニウム(硫安)を添加し(硫安濃度20%)、4℃で2時間冷却後、遠心分離8,000rpm、10min、4℃により菌体残渣を除いた。上清を回収後、硫酸アンモニウム8.28g追加し、一晩冷蔵庫で冷却した。サンプルを遠心分離10,000rpm、20min、4℃により硫安濃度20~60%飽和で沈殿するタンパク質画分を沈殿させた。沈殿を0.02M Triethanolamine(TEA)緩衝液(pH7.5)5mlに溶解し(全量で7.5ml前後になる)、透析膜(Thermo slide A dialyzer pore size 20,000 MW)に入れ、一晩4℃で0.02M TEA緩衝液(pH7.5)に対して透析を行い、低分子の物質を取り除いた。次いで、透析したサンプルを回収し、100KDaの限外ろ過フィルター(Millipore)でろ過し、膜を透過しなかった濃縮サンプルを回収した。タンパク質画分を、Protein Assay Kit(Bio Rad社)を用いて定量し、「乳酸菌成分」として以下の実験に用いた。タンパク濃度は、5mg/mlであった。
【実施例】
【0034】
実施例2:乳酸菌成分存在下でのHDF細胞の培養
10cmシャーレでHDF細胞(Human Dermal Fibroblasts, CELL APPLICATIONS,INC. Cat No.106-05a)をFibroblast Growth Medium(CELL APLICATION INC.)で培養した。10mlのCMF(Ca2+ Mg2+フリーバッファー)で細胞を洗浄し、0.25%トリプシン溶液(1mM EDTA含)を1ml加えて全体にいきわたらせた。細胞を、CO2インキュベーター(37℃)に5分間入れた後、トリプシン阻害溶液(CELL APLICATION INC.)3mlを加え懸濁し、細胞数をカウントした。あらかじめ24 well plateに1wellあたり実施例1で得られたLac由来の乳酸菌成分(20μl)を入れておき、1x105 のHDF細胞を加えた。細胞をそのまま34℃、5%CO2インキュベータで培養した。
その結果、数日後には細胞塊が観察できた。結果を図1に示す。この細胞塊形成アッセイを指標に、以下の実験で用いたカラムクロマトグラフィーにより分離された細胞塊形成能を有する画分を決定した。
【実施例】
【0035】
実施例3:クロマトグラフィーによる精製
実施例1で得られた濃縮乳酸菌成分(50μl、タンパク量0.25mg)をさらに陰イオン交換クロマトグラフィー(Hi Prep Q FF 16/10カラム(GEヘルスケア))で分離した。0.02M TEA緩衝液(pH7.5)で平衡化したカラム(16ml)に乳酸菌成分をチャージし、0~1Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配法により溶出を行ない、各フラクションを回収した。得られたフラクションについて、実施例2と同様にして、細胞塊形成能を確認した。
細胞塊形成能が確認されたフラクションを、次いで、ゲルろ過クロマトグラフィー(Hi Load Superdex 200 prep grade(GEヘルスケア))にかけ(20mM TEA 0.15M NaCl)、各フラクションの細胞塊形成能を実施例2と同様にして測定し、活性があるフラクションを回収した。
得られた活性フラクションをさらに、イオン交換クロマトグラフィー(RESOURCE Q(GEヘルスケア))にて、0~1Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配法により溶出を行ない、各フラクションを回収し、各フラクションの細胞塊形成能を確認した。活性が確認されたフラクションを、クロマトグラフィー精製分画とした。
【実施例】
【0036】
実施例4:SDS-PAGEおよびMALDI-TOF-MS分析
実施例3にて3段階のカラムクロマトグラフィー(陰イオン交換クロマトグラフィー-ゲルろ過クロマトグラフィー-イオン交換クロマトグラフィー)で得られた活性分画をSDS-PAGE(7.5%ゲル)で分離した。ゲルから10個のバンドを切り出し、ゲル内消化を行った後、MALDI-TOF-MS(Bruker REFLEXTM MALDI-TOF MS)を用いてアミノ酸配列解析を行い、データベース検索によってタンパク質を同定した。結果を図2に示す。
得られたタンパク質をグループ分けした結果、大きく以下の3つのグループに分けることができた。グループ1:tRNA合成に関わる遺伝子群、グループ2:タンパク質の折り込みに関わる遺伝子群、グループ3:糖代謝、解糖系に関わる遺伝子群。グループ分けの結果を図3に示す。
【実施例】
【0037】
実施例5:タンパク質の過剰発現
決定したタンパク質の中から、30~100KDa以上の分子(2量体等を含めて、100KDa限外ろ過膜を通過できない分子)であり、微生物にしか存在しないタンパク質(7番のClpEと5-2番のTrigger factor)をクローニングして、過剰発現後、His-tagを生成した。そのタンパクについて細胞塊形成能を計ったが、活性はなかった。
【実施例】
【0038】
実施例6:乳酸菌リボソームの調製および細胞塊形成能
実施例4における分析で見出されたグループはリボソームを精製する時によく検出される分子である。また、リボソームは、大腸菌の30Sサブユニットの場合、約900KDaあるので100KDa限外ろ過膜は通過できない。一方、リボソームタンパク質はMALDI-TOF-MS分析で検出されていなかったが、個々のリボソームタンパク質は15KDa以下なので、電気泳動ではゲルの外に流出していたと考えられる。そこで、乳酸菌(Lac)から、以下のようにしてリボソームを調製し、実施例2と同様にして、細胞塊形成能を測定した。
(材料)
TMA-I緩衝液(10mM Tris-HCl、pH7.8,30mM NH4Cl,10mM MgCl2,6mM 2-メルカプトエタノール)
Suc30-TMA-I(30%sucrose in TMA-I緩衝液)
(調製工程)
以下は、可能な限り4℃で行った。
1)集菌(1Lあたり2.5g~3.0g)した菌をTMA-I緩衝液40mlに懸濁し、Sonication(GTC 1時間 output 4 duty 50%)後、顕微鏡で細胞が壊れているのを確認した。
2)8,000rpmで5分間遠心し、上清を回収した。
3)0.45μmフィルターを通した。
4)4℃にて、42,000rpmで30分間遠心し、上清を回収した。
5)4℃にて、36,000rpmで6時間遠心し、上清を廃棄した。沈殿をTMA-I緩衝液500μlで溶解した(粗精製リボソーム分画)。
6)Suc30-TMA-I 3.5mlに粗精製リボソーム溶液500μlを重層した。
7)4℃にて、36,000rpmで15時間遠心し、上清を廃棄した。
8)沈殿を2ml TMA-I緩衝液に溶解して、-70℃で保存した(精製70Sリボソーム分画)。
(結果)
上記のようにして得た、精製70Sリボソーム分画を用いて、実施例2と同様にして細胞塊形成能を測定した結果、細胞塊が形成された。結果を、図4に示す。
【実施例】
【0039】
実施例7:細胞塊形成能の濃度依存性
実施例6で得た精製70Sリボソーム分画を用いて、細胞塊形成が濃度依存的に行われるかを検討した。結果を図5に示す。図5に示すように、精製70Sリボソーム分画の濃度依存的に細胞塊形成が確認された。
【実施例】
【0040】
実施例8:30Sリボソームと50Sリボソームの細胞塊形成能
実施例7において乳酸菌から精製した70Sリボソーム分画を、さらに、以下のようにして、30Sリボソーム分画と50Sリボソーム分画に分けて精製した。
(試薬)
TMA-II緩衝液(10mM Tris-HCl、pH7.8,30mM NH4Cl,0.3mM MgCl2,6mM 2-メルカプトエタノール)
Suc40-TMA-II(40% sucrose in TMA-II緩衝液)
Suc10-TMA-II(10% sucrose in TMA-II緩衝液)
(調整工程)
1)透析:TMA-II緩衝液、透析カセット(Thermo Slide-A-Lyzer dialysis cassette 20,000 MWCO 3 ml capacity)を用いて70Sサンプルを一晩透析した。
2)遠心分離
遠心チューブグラジエントを以下のようにして作製した。
ローター:スイングSW41(最大13.2ml)×6本;Rmax=15.31cm;チューブ:UCチューブ 344059(GTCで購入)。
UCチューブにSuc40-TMA-II 5mlを入れ、Suc10-TMA II 5mlをその上に重層した。パラフィルムでしっかり蓋をし、チューブを横に寝せ室温で4時間置いた。ゆっくりとチューブを立て、4℃で一晩置いた。
50% sucrose(100g sucrose/200ml Milli Q水)を当日調整した。
透析したサンプル0.3mlを前日用意したチューブに重層した。SW41ローターにサンプルをセットし、35000rpmで3時間、4℃にて、遠心した(ac9 br0)。
3)フラクションコレクターによる分取
フラコレ エッペンチューブ用をセットアップ(200μl/tube)し、遠心したチューブを固定し、上部をフラクションコレクターにつなぎ、チューブ下部に18Gニードルを刺して、ペリスタポンプで50% sucroseを入れて上部から押し出されるサンプルをフラクションコレクターで回収した。回収したサンプルのOD260/280を測定し、濃度、純度を調べた。
(結果)
結果を図6に示す。乳酸菌由来の30Sリボソーム分画と50Sリボソーム分画が精製された。
【実施例】
【0041】
実施例9:精製した乳酸菌30Sリボソーム分画と50Sリボソーム分画の細胞塊形成能
精製した乳酸菌30Sリボソーム分画または50Sリボソーム分画を用いて、実験2と同様にして、HDF細胞を用いて細胞塊形成能を調べた。
結果を図7に示す。30Sリボソーム分画、50Sリボソーム分画のいずれを用いた場合でも、細胞塊が形成された。
【実施例】
【0042】
実施例10:形成細胞塊からの分化誘導
HDF細胞に乳酸菌(Lac)由来の30Sリボソーム分画または50Sリボソーム分画を処理した後、2週間後に細胞塊をピックアップし、脂肪細胞、骨細胞、軟骨細胞に分化誘導をうながす培養液(GIBCO;A10072-01,A10070-01,A10071-01)に交換し、さらに3週間(3日間おきに培養液を半分量交換)培養した。
それぞれの分化誘導培地で培養後の細胞を、それぞれの細胞マーカーで染色した。結果を図8に示す。乳酸菌を感染させた細胞塊はOil Red O染色(脂肪)、Alizarin Red S染色(骨)、Alcian Blue染色(軟骨)により染色され、それぞれの細胞への分化誘導が確認できた。
【実施例】
【0043】
実施例11:細胞塊形成に対するエンドサイトーシス阻害剤の影響
以下の表に示したエンドサイトーシス阻害剤の存在下で、実施例6で調整した乳酸菌70Sリボソーム分画を用いて細胞塊形成能を調べた。96ウェルプレートに70Sリボソーム分画を入れ(0.5μg/50μl/well)、HDF細胞(20,000 cells/100μl)を加え、各々の阻害剤(50μl)を加えた。CO2インキュベータで2日間培養し、形成された細胞塊数を測定した。阻害剤は、表中で示された濃度を基準濃度(図9中の濃度”5”)として用いた。従って、例えば、CPの場合は、濃度”5”が10μM、濃度”10”が20μMとなる。また、MTTアッセイ(比色法による細胞死の測定)を行った。
【実施例】
【0044】
【表1】
JP0006592846B2_000002t.gif
結果を図9および図10に示す。MC存在下では濃度依存的に細胞塊の数が増加した。また、CPとNYの存在下では、細胞塊の数が減少したがこれはこれらの試薬の毒性によるものと考えられる。他の阻害剤に関しては、一概に細胞塊の数が減少したことから、細胞塊形成にはエンドサイトーシスが関わっていると考えられる。
【実施例】
【0045】
実施例12:非酵素系の細胞剥離液を用いた細胞塊形成
Muse細胞との違いを調べるために、非酵素系の細胞剥離液(Sigma,C1419)を用いて、製造者のプロトコールに従い細胞をシャーレから剥がし、次いで、実施例6に記載の粗精製リボソーム分画を用いて実施例2と同様の実験を行った。結果を図11に示す。トリプシンを使わない方法で細胞を剥がしても、細胞塊が形成された。
【実施例】
【0046】
実施例13:トリプシン処理によるエンドサイトーシス活性
トリプシン処理によってエンドサイトーシス活性があがるという報告例は存在するが、HDFで確かめられた報告はなく、また一般的に知られているエレクトロポレーションやトランスフェクションと異なり、トリプシン処理によってエンドサイトーシス活性をあげて、細胞内に巨大分子をいれる方法は報告されていない。そこで、実際にHDFで細胞の取り込み活性があがるかをリボソームとほぼ同サイズの標識ナノラテックス粒子を用いて実験した。Fluoresbrite Carboxylate Microspheres(2.5% Solids-Latex),0.05μm YG(polysciences(株)社製)を用いた。リボソーム溶液の代わりに標識ナノラテックス粒子を1μl添加した。一晩インキュベートして細胞接着させたあと表面をPBSで洗浄して観察した。その結果、トリプシン処理を行った細胞では、Microspheresの取り込みが観察され、リボソームのサイズ(20nM)と近いサイズのものが取り込まれるようになっていたが、未処理の細胞では取り込みは僅かしか観察されなかった。これにより、トリプシン処理によりエンドサイトーシス活性があがったことが判った。
【実施例】
【0047】
実施例14:トランスフェクションによる処理
トリプシン処理と同じ効果がトランスフェクションにより再現できるかLipofectAMINE2000(Invitrogen)を用いて検討した。方法は実施例2と同様にして行い、LipofectAMINE2000を用いたトランスフェクションメーカーのプロトコールに従って実施した。リボソームは、Lacの精製70Sリボソーム分画を用い、1μgリボソーム/2 x104 cells/wellとなるように加えた。結果を図12に示す。トランスフェクションでは、細胞塊の形成が起こらないことが判った。
【実施例】
【0048】
実施例15:哺乳類動物由来のリボソーム分画による細胞塊形成能
ラット小腸細胞(IEC-6)から、Angerらの報告(nature 2013, p80, vol.497)に従い粗精製リボソーム分画(濃度勾配超遠心処理前の分画)と80Sリボソーム分画を精製し、実施例2と同様にしてHDF細胞を用いて細胞塊形成能を調べた。結果を図13に示す。哺乳類動物由来の粗精製リボソーム分画と80Sリボソーム分画により細胞塊が形成された。
【実施例】
【0049】
実施例16:他の生物由来のリボソーム分画の細胞塊形成能
図14に示した細菌や細胞から、粗精製リボソーム分画と70Sリボソーム分画または80Sリボソーム分画を精製し、実施例2と同様にしてHDF細胞を用いて細胞塊形成能を調べた。原核生物からのリボソーム分画の精製は、実施例6に従って行い、また、真核生物からのリボソーム分画の精製は、Angerらの報告(上記)に記載の方法に従って行った。図中のそれぞれの略号は以下の菌または細胞を示す;Lac:Lactobacillus acidophilus JCM 1021, Lca:Lactobacillus casei JCM1134, Lre:Lactobacillus reuteri JCM 1112, Sep:Staphylococcus epidermidis JCM2414, Bsu:Bacillus subtilis subsp. 168 JCM10629, Eco:Escherichia coli JE28, Ppu:Pseudomonas putida JCM 13063, Mlo:Mesorhizobium loti JCM 21590, Sce:Saccharomyces cerevisiae BY20118, IEC-6:Rattus norvegicus IEC-6。結果を図14に示す。調べた全ての細胞腫に由来するリボソーム分画により細胞塊が形成された。また、HDFから精製したリボソーム分画を用いて同様にして細胞塊形成能を確認したところ、同様に細胞塊の形成が確認できた。それぞれの細胞塊形成の結果を図15に示す。
【実施例】
【0050】
実施例17:浮遊細胞に対するリボソーム分画の細胞塊形成能
浮遊性細胞への効果を調べるために、実施例6と同様にして、乳酸菌(Lac)から、精製リボソーム分画を調整し、トリプシン処理を施したマウスリンパ球(WEHI、Ba/F3)を用いて細胞塊形成能を調べた。
図16に示すように、細胞塊は形成されなかった。

【実施例】
【0051】
実施例18:形成された細胞塊細胞における多能性マーカーの確認
乳酸菌(Lac)の70Sリボソーム分画を用いて細胞塊を形成し、3日目(A)、7日目(B)、10日目(C)にアルカリホスファターゼ染色を行った。アルカリホスファターゼは、BM purple(Roche(株)社製)を用いて、製造元のプロトコールに従って測定した。その結果、細胞塊は3日目から継続してアルカリホスファターゼ活性を示した。
次いで、乳酸菌70Sリボソーム分画を用いて実施例2と同様にして細胞塊を形成した。培養2週間後、マウス抗α-Nanog抗体(ReproCELL)、ラット抗Oct3/4抗体(R&D)、マウス抗TRA-1-60抗体(life technologies)、マウス抗SSEA4抗体(life technologies)、ラット抗Sox2抗体(life technologies)を用い、製造元のプロトコールに従って染色した。その結果、細胞塊は、Nanog、Oct3/4、TRA-1-60、SSEA4、Sox2を認識する抗体により染色された。また、培養1日目および20日目の細胞塊を用いて、TUNEL assayを行い、細胞死を調べた。結果、培養後1日、20日後の細胞塊では細胞死は観察されなかった。
【実施例】
【0052】
実施例19:リボソームの加熱処理の影響
精製した乳酸菌70Sリボソーム分画を、100度で10分加熱後、すぐ氷上に置いた場合と室温で10分間置いた場合のそれぞれについて、実施例2と同様にしてHDF細胞を用いて細胞塊形成能を調べた。その結果を図17に示す。室温で10分間おいた場合には細胞塊は形成されたが、加熱後すぐ氷上に置いた場合には細胞塊形成能は減少した。これにより、RNAの高次構造が細胞塊形成能に寄与していると判った。
【実施例】
【0053】
実施例20:形成細胞塊細胞からの神経細胞の分化誘導
乳酸菌(Lac)から70Sリボソーム分画を調製し、実施例2と同様にして細胞塊を形成させた。培養2週間後、Human ES/iPS Neurogenesis Kit(ミリポア)を用いて神経細胞の誘導と分化を行い、マウス抗α-Tuj1抗体、ラット抗neurofilament抗体、マウス抗MAP2抗体による免疫染色法を行った。その結果、細胞塊の一部の細胞は3つの神経細胞マーカー抗体により認識された。このことから、誘導した細胞塊から神経細胞への分化が観察された。
【実施例】
【0054】
実施例21:形成細胞塊細胞からの心筋細胞の分化誘導
乳酸菌(Lac)から70Sリボソーム分画を調製し、実施例2と同様にして細胞塊を形成させた。培養2週間後、Cardiomyocyte Differentiation Kit(ミリポア)を用いて心筋細胞の誘導と分化を行い、ウサギ抗α-NKX2抗体とマウス抗TNNT2抗体による免疫染色法を行った。その結果、細胞塊の一部の細胞は2つの心筋細胞マーカー抗体により認識された。このことから、心筋細胞への分化が観察された。
【実施例】
【0055】
実施例22:上皮間葉転換の確認
HDF細胞をウサギ抗α-Snail抗体(abcam)とマウス抗α-Twist抗体(abcam)を用いて免疫染色法を行った。
乳酸菌(Lac)から70Sリボソーム分画を調製し、実施例2と同様にして細胞塊を形成させた。培養2週間後、細胞塊をウサギ抗α-Snail抗体、マウス抗α-Twist抗体、マウス抗α-E Cadherin(abcam)抗体を用いて免疫染色した。
その結果、HDF細胞は抗α-Snail抗体と抗α-Twist抗体ではほとんど染色されないが、細胞塊を形成した細胞はこれらの抗体で認識された。また、細胞塊を形成した細胞は抗α-E Cadherin抗体では、染色されなかった。これらの結果は、形成された細胞塊が上皮間葉転換(Epithelial-Mesenchymal Transition)を起こしたことを示すものである。
【実施例】
【0056】
実施例23:がん細胞への適用
乳酸菌(Lac)から70Sリボソーム分画を調製し、理化学研究所バイオリソースセンターから肺がん細胞株(A549;RBRC-RCB0098)、肝がん細胞株(HepG2;RBRC-RCB1648)、および乳がん細胞株(MCF7;RBRC-RCB1904)を入手し、実施例2と同様の実験を行い、細胞塊を形成した。その後、細胞塊を2週間培養し、脂肪細胞、骨細胞に分化誘導をうながす培養液(GIBCO;A10070-01,A10072-01)に交換し、さらに2-3週間培養した。
結果を図18に示す。図に示すように、肺がん細胞、肝がん細胞、乳がん細胞は乳酸菌由来70Sリボソーム分画を取り込むことにより再プログラミングされ、Oil Red O染色(脂肪)、Alizarin Red S染色(骨)により染色され、脂肪細胞や骨細胞へと分化したことが確認された。
【実施例】
【0057】
実施例24:形成細胞塊のゲノムDNA解析
乳酸菌(Lac)由来70Sリボソーム分画をHDF細胞に取り込ませて16日後の細胞塊を用いて、cytoscanによる染色体構造解析を行った。通常の多能性幹細胞ではQ-band あるいはG-band観察による核型解析が一般的であるが、この細胞は細胞増殖していないため、開いた構造の染色体を観察することができない。そのため、cytoscan(マイクロアレイの一種で、SNPマーカー等、染色体構造を見るために必要な遺伝子を網羅してあるチップに対してゲノムDNAをハイブリダイズして検出)解析を行った。
細胞塊からゲノムDNAをqiagen DNeasy blood & tissue kitでゲノムDNAを抽出・精製した。精製したゲノムDNAを徳島大学大学院 医歯薬学研究部 総合研究支援センター 先端医療研究部門に送付し、受託解析を行った。受託解析ではゲノムDNAの品質チェック後、マイクロアレイ反応および検出を行った。
その結果、染色体14と17にトリソミーが検出されたが、14のものはアルゴリズム上必ずでるので、17だけがトリソミーとして確認された。今回作製した多能性細胞は、シングルセルクローンではなく集合体なので、ポピュレーション全体でトリソミーが発生している可能性がある。染色体17のq21.31領域が3コピー存在するが、この領域は、ES細胞樹立時に比較的よく起きるトリソミーで特に問題にはならない。
【実施例】
【0058】
上記の記載は、本発明の目的および対象を単に説明するものであり、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。添付の特許請求の範囲から離れることなしに、記載された実施態様に対しての、種々の変更および置換は、本明細書に記載された教示より当業者にとって明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、体細胞の再プログラミングを誘導する方法として、さらには、体細胞から多能性細胞を製造する方法として有用である。また、本発明による多能性細胞の製造方法は、医療分野(創薬研究、並びに医薬品の安全性、有効性および副作用の試験)、疾患研究(難病の原因解明、治療法や予防法の開発)、再生医療(神経、血管、臓器の機能修復)、並びに食品分野において有用である。
図面
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【図2】
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【図18】
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