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明細書 :樹液捕集装置の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6548191号 (P6548191)
公開番号 特開2017-074023 (P2017-074023A)
登録日 令和元年7月5日(2019.7.5)
発行日 令和元年7月24日(2019.7.24)
公開日 平成29年4月20日(2017.4.20)
発明の名称または考案の名称 樹液捕集装置の製造方法
国際特許分類 A01G   7/00        (2006.01)
A01G  23/14        (2006.01)
B81C   1/00        (2006.01)
H01L  21/3065      (2006.01)
FI A01G 7/00 603
A01G 23/14
B81C 1/00
H01L 21/302 104C
請求項の数または発明の数 5
全頁数 18
出願番号 特願2015-204604 (P2015-204604)
出願日 平成27年10月16日(2015.10.16)
審査請求日 平成30年9月20日(2018.9.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304028346
【氏名又は名称】国立大学法人 香川大学
発明者または考案者 【氏名】下川 房男
【氏名】高尾 英邦
【氏名】寺尾 京平
【氏名】小林 剛
【氏名】片岡 郁雄
個別代理人の代理人 【識別番号】110001704、【氏名又は名称】特許業務法人山内特許事務所
審査官 【審査官】大澤 元成
参考文献・文献 特開2015-145810(JP,A)
特開平4-347650(JP,A)
特開2000-93174(JP,A)
特開2003-156504(JP,A)
特開2009-208171(JP,A)
特開2015-70819(JP,A)
特開2011-87472(JP,A)
米国特許出願公開第2002/0014037(US,A1)
特開2014-211407(JP,A)
特開平6-273434(JP,A)
調査した分野 A01G 7/00
A01G 23/14
B81C 1/00
H01L 21/302
特許請求の範囲 【請求項1】
樹液が流入する流路を有する捕集プローブを備える樹液捕集装置の製造方法であって、
半導体基板に前記流路の一対の側壁を形成する側壁形成工程と、
シート状のフォトレジストを前記一対の側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備える
ことを特徴とする樹液捕集装置の製造方法。
【請求項2】
前記側壁形成工程において、前記半導体基板にフォトレジストを塗布またはシート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の樹液捕集装置の製造方法。
【請求項3】
前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記流路に相当の部分を除去して前記側壁を形成する
ことを特徴とする請求項1記載の樹液捕集装置の製造方法。
【請求項4】
前記側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程、又は、前記天井形成工程後に前記流路中を親水化する親水化工程をさらに備える
ことを特徴とする請求項2記載の樹液捕集装置の製造方法。
【請求項5】
前記樹液捕集装置は、前記流路に接続された排出路を有する排出部をさらに備え、
前記排出部の排出路は、前記側壁形成工程において、前記流路の一対の側壁を形成するとともに、前記排出路の一対の側壁を形成し、
前記天井形成工程において、前記流路の天井部を形成するとともに、前記排出路の天井部を形成する
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の樹液捕集装置の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、樹液捕集装置の製造方法に関する。さらに詳しくは、植物の新梢末端等の細部における樹液を捕集するための樹液捕集装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作物や果樹等の生産では、生産性の観点から植物の生育状態に合わせて適切な時期に灌水や養分補給を行う必要がある。このため、植物の生育に影響を与えず、その生育状態を的確に把握することが非常に重要となる。
【0003】
一般的に、多くの農業現場では、例えば無降雨日数に基づいた経験や勘によって植物の生育状態を把握しているというのが現状である。しかし、経験等に基づく方法によって植物の生育状況を管理するには、熟練が必要であり手間や時間がかかる。また、基準となる指標が個人的な経験等に基づくものである。したがって、このような経験等に基づいて植物の生育状態を把握する方法は、誰もが簡便に実施することは難しい。
【0004】
一方、近年、植物の生体情報に基づいて作物や果樹の水分制御や施肥管理を行うための様々な技術が開発されている。その中でグラニエ法を利用した測定方法が注目を集めている。一方、ヒートパルス法により樹液の流速を測定する方法も開示されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1には、樹木の主幹にドリル等によって形成した孔の中に配置することができる棒状の3本の温度センサおよび1本の棒状ヒータを備えた装置が開示されている。そして、特許文献1には、この装置の温度センサおよび棒状ヒータを樹木の辺材部に形成した孔の中に配置し、所定の時間経過後に両センサ間における温度差に基づいて樹木中を流れる樹液の流速を測定するという技術が開示されている。
【0006】
しかし、特許文献1の装置は、そもそも茎径が比較的大きい樹木等の流速を測定するために開発されたものであり、装置に用いられる棒状のセンサも明細書等の記載から判断するとあまり小さなものではないと思われる。このため、特許文献1の装置では、茎径が数mm程度の小さい植物に適用する場合に関しては開示されていないと判断される。
【0007】
植物の生育状態を把握するには、植物の樹液流量を直接測定することが重要である。特に、作物や果樹等の生産性および品質を向上させる上では、植物の新梢末端や果柄等、作物や果樹等の近傍に位置する太さが数mm程度の植物細部中の水分の動きを測定することが非常に重要である。
【0008】
そこで、本願発明者は、新梢末端や果柄等の植物細部内を流れる水分(液体)の動態(水分動態)を測定することができる植物水分動態センサを考案している(特許文献2)。特許文献2には、新梢末端や果柄等に突き刺すことができる寸法に形成された各種のプローブを備える植物水分動態センサが開示されている。プローブを植物の細部に突き刺して配置し、グラニエ法を利用して水分動態を測定できる。
【0009】
また、特許文献2には、植物水分動態センサに植物の樹液が流入する流路が形成された捕集プローブを備えることが開示されている。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特開平6-273434号公報
【特許文献2】特開2015-145810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記捕集プローブの内部に流路を形成する方法として、例えば犠牲層エッチングが考えられる。しかし、捕集プローブは新梢末端や果柄等に突き刺すことができる寸法(例えば、長さ50μm~1mm、幅50~300μm、厚み50μm)である。犠牲層エッチングにより、このような細長い捕集プローブの内部に流路を形成するのは困難であるという問題がある。そこで、特許文献2では、ガラス基板上に流路となる溝を形成し、温度センサーを形成したシリコン基板を貼り合わせることで天井を形成しているが、このようなプロセスは工程が複雑で安価に製造することが困難であるという課題を有している。
【0012】
本発明は上記事情に鑑み、簡単なプロセスで捕集プローブの内部に流路を形成できる樹液捕集装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明の樹液捕集装置の製造方法は、樹液が流入する流路を有する捕集プローブを備える樹液捕集装置の製造方法であって、半導体基板に前記流路の一対の側壁を形成する側壁形成工程と、シート状のフォトレジストを前記一対の側壁の上端に架け渡して熱融着し、該フォトレジストの不要部分を除去して前記流路の天井部を形成する天井形成工程と、を備えることを特徴とする。
第2発明の樹液捕集装置の製造方法は、第1発明において、前記側壁形成工程において、前記半導体基板にフォトレジストを塗布またはシート状のフォトレジストを熱融着し、該フォトレジストの前記流路に相当する部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第3発明の樹液捕集装置の製造方法は、第1発明において、前記側壁形成工程において、前記半導体基板の前記流路に相当の部分を除去して前記側壁を形成することを特徴とする。
第4発明の樹液捕集装置の製造方法は、第2発明において、側壁形成工程後に前記側壁を親水化する親水化工程、又は前記天井形成工程後に流路中を親水化する親水化工程をさらに備えることを特徴とする。
第5発明の樹液捕集装置の製造方法は、第1、第2、第3または第4発明において、前記樹液捕集装置は、前記流路に接続された排出路を有する排出部をさらに備え、前記排出路は前記側壁形成工程において、前記流路の一対の側壁を形成するとともに、前記排出路の一対の側壁を形成し、前記天井形成工程において前記流路の天井部を形成するとともに、前記排出路の天井部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1発明によれば、シート状のフォトレジストを用いて流路の天井部を形成するので、捕集プローブの内部に流路を容易に形成できる。
第2発明によれば、流路の側壁をフォトレジストで形成するので、半導体基板に対して垂直な側壁を形成でき、流路の断面積を広くできる。その結果、樹液が流路に流入しやすくなる。
第3発明によれば、半導体基板により流路の底部と側壁とが一体形成されるので、捕集プローブの強度を高くできる。
第4発明によれば、側壁または天井部を含む流路中が親水化されているので、樹液が流路に流入しやすくなる。
第5発明によれば、捕集プローブを形成すると同時に排出部を形成できるので、製造工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る樹液捕集装置1の平面図である。
【図2】同樹液捕集装置1の最上部のフォトレジストR2を省略した平面図である。
【図3】同樹液捕集装置1の正面図である。
【図4】(A)は図1におけるIVa-IVa線矢視断面図であり、(B)は図1におけるIVb-IVb線矢視断面図であり、
【図5】同樹液捕集装置1の使用状態の説明図である。
【図6】準備工程における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図7】センサ部形成工程における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図8】プローブ形成工程(前半)における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図9】プローブ形成工程(後半)における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図10】側壁形成工程(前半)における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図11】側壁形成工程(後半)における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図12】天井形成工程(前半)における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図13】天井形成工程(後半)における樹液捕集装置1の(A)平面図、(B)正面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る樹液捕集装置2の使用状態の説明図である。
【図15】(A)は本発明の第3実施形態に係る樹液捕集装置3の平面図であり、(B)は(A)におけるb-b線矢視断面図である。
【図16】親水化処理効果の持続性試験における接触角の経時変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る樹液捕集装置1について説明する。
本実施形態の樹液捕集装置1は、特に師管液を捕集するのに適している。

【0017】
(樹液捕集装置1)
図1に示すように、樹液捕集装置1は、支持部10と、3つの捕集プローブ20と、一対の電気抵抗プローブ30とを備えている。なお、捕集プローブ20の数は3つに限られず、1つでもよいし、複数でもよい。

【0018】
各プローブ20、30は、それらを同一平面内で平行に並べた状態で、その基端が支持部10に支持されている。一対の電気抵抗プローブ30は、3つの捕集プローブ20を挟む位置に設けられている。これらのプローブ20、30を植物に突き刺すことで、植物に樹液捕集装置1が設置される。

【0019】
支持部10およびプローブ20、30は、フォトリソグラフィや、エッチング、スパッタ法や真空蒸着法等の薄膜形成を用いたMEMS技術を用いて、シリコン基板やSOI(Silicon on Insulator)基板等の半導体基板を加工することで形成されている。なお、本実施形態はシリコン基板を用いた例である。

【0020】
(支持部10)
支持部10は、プローブ20、30を支持する部材である。支持部10は、平面視長方形の板材であり、片方の長辺部に全てのプローブ20、30が支持されている。支持部10は、その長手方向の長さが全てのプローブ20、30を所定の間隔で配置できる長さを有していればよく、短手方向の長さは特に限定されない。

【0021】
(プローブ20、30)
各プローブ20、30は、棒状の部材であり、支持部10の縁(長辺部)に片持ち梁状に形成されている。各プローブ20、30の先端部は三角形等、尖った形に形成されているのが好ましい。プローブ20、30の先端部が尖った形に形成されていれば、プローブ20、30を植物の細部に挿入するときの挿入抵抗を小さくすることができる。これにより、プローブ20、30を植物の細部にスムースに突き刺して設置できる。また、プローブ20、30を植物の細部に突き刺す際にプローブ20、30の先端部が破損することを防止できる。

【0022】
各プローブ20、30は、植物の新梢末端や果柄等、茎径または軸径が数mm程度の植物の細部に突き刺して配置できる寸法に形成されている。各プローブ20、30の長さ(軸方向に基端から先端までの長さ)は、植物の細部に突き刺して設置した状態において、その先端部が植物の細部の導管や師管に配置され得る寸法に形成されている。例えば、各プローブ20、30の長さは100~1,000μmである。

【0023】
電気抵抗プローブ30は捕集プローブ20よりも長く形成されている。より詳細には、電気抵抗プローブ30の長さは、捕集プローブ20の長さよりも、測定対象となる植物の師管の中心と導管の中心との距離の分だけ長く形成されている。この長さの差Dは、測定対象となる植物の種類や茎の太さによるが、例えば50~300μmである。

【0024】
各プローブ20、30の幅は、特に限定されないが、例えば50~300μmである。プローブ20、30の幅が短いほど、植物に対するダメ-ジ(損傷)を小さくできる。

【0025】
図4(A)、(B)に示すように、各プローブ20、30は、シリコン基板SBの下部を除去することにより、支持部10の厚みよりも薄く形成されている。各プローブ20、30の厚みは測定対象となる植物の師管や導管の幅よりも短く形成されている。各プローブ20、30の厚みは測定対象となる植物の種類や茎の太さによるが、例えば50~300μmである。厚みが50μm以上であれば強度が十分であり、プローブ20、30を植物に挿抜する際に折れる恐れがない。また、植物の種類にもよるが導管や師管の太さは100~400μm程度であるため、厚みが300μm以下であればプローブ20、30を導管や師管に刺してもそれらを塞ぐことを抑制できる。

【0026】
(捕集プローブ20)
捕集プローブ20は師管液や導管液等の樹液が流入する流路21を有するプローブである。捕集プローブ20の内部には軸心に沿って流路21が形成されている。流路21は、捕集プローブ20の先端から基端に掛けて形成されている。そのため、捕集プローブ20は中空の針の様な形状を有している。

【0027】
図3に示すように、捕集プローブ20は先端から見た形状が矩形であり、そのほぼ中心に矩形の流路21が形成されている。より詳細には、捕集プローブ20は底部22と、底部22の両側部に立設した一対の側壁23、23と、一対の側壁23、23の上端に架け渡された天井部24とからなる。

【0028】
図1および図4(A)に示すように、支持部10の内部には液溜部11が形成されている。捕集プローブ20の流路21は液溜部11に接続されている。流路21を通して捕集された樹液は液溜部11に溜められる。液溜部11の上部には排出孔12が形成されている。この排出孔12を通して、液溜部11に溜められた樹液を回収できる。

【0029】
図2および図3に示すように、捕集プローブ20の先端部にはpH測定用素子25が設けられている。より詳細には、pH測定用素子25は流路21内であって底部22の上面に設けられている。pH測定用素子25は、植物の師管液や導管液等の樹液のpHを測定するための素子である。pH測定用素子25は、捕集プローブ20の先端部に配設することができる大きさのものであれば、特に限定されない。例えば、pH測定用素子25として、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)を採用することができる。イオン感応性電界効果トランジスタは、通常の電界効果トランジスタ(FET)のゲート酸化膜上の金属電極部がなく、その代わりに誘電体等のイオン感応膜が形成されているものである。

【0030】
支持部10の上面には、1つのpH測定用素子25ごとに、それに対応する少なくとも3つの電極パッド26が配設されている。これら3つの電極パッド26はそれぞれpH測定用素子25のゲート電極、ソース電極およびドレイン電極に対応している。pH測定用素子25のゲート電極、ソース電極およびドレイン電極は配線を介して電極パッド26と接続されている。

【0031】
イオン感応性電界効果トランジスタ25は、イオン感応膜の電位が、それに触れた樹液のイオン濃度に依存して変化する。その電位変化をゲート電極の電圧とドレイン電極の電流との関係から測定する。測定した電位変化から樹液のpHを求めることができる。

【0032】
(電気抵抗プローブ30)
図1に示すように、電気抵抗プローブ30は一対の電気抵抗測定用電極31が設けられたプローブである。一対の電気抵抗測定用電極31は、その電気抵抗測定用電極31間に存在する物質、例えば植物の師管液や導管液の電気抵抗を測定するための電極である。電気抵抗測定用電極31は、上記のごとき電気抵抗プローブ30の先端部に配設することができる大きさのものであれば、特に限定されない。例えば、アルミニウム(Al)薄膜を電気抵抗測定用電極31として採用することができる。

【0033】
支持部10の上面には、各電気抵抗測定用電極31に対応する電極パッド32が配設されている。電気抵抗測定用電極31は配線を介して電極パッド32と接続されている。

【0034】
1つの電気抵抗プローブ30に設けられた一対の電気抵抗測定用電極31に対応する一対の電極パッド32、32の間には、交流電源と電流計とが直列に接続される。交流電源で一対の電気抵抗測定用電極31、31間に電流を供給し、電流計で一対の電気抵抗測定用電極31、31間に流れる電流を測定する。オームの法則を基に、電流計で測定した電流から、一対の電気抵抗測定用電極31、31間の電気抵抗を算出することができる。

【0035】
(樹液捕集方法)
つぎに、樹液捕集装置1によって樹液を捕集する方法について説明する。
まず、測定対象となる植物の新梢末端に、樹液捕集装置1を取り付ける。
具体的には、図5に示すように、樹液捕集装置1の全てのプローブ20、30を植物の細部に突き刺して取り付ける。このとき、導管XYおよび師管PHに沿って、プローブ20、30を配置する。

【0036】
プローブ20、30を植物の細部に突き刺していくと、電気抵抗プローブ30に設けられた電気抵抗測定用電極31は、植物の皮層COおよび師管PHを通り、導管XYに達する。さらに、深く突き刺していくと、電気抵抗測定用電極31は、植物の髄PIに達する。

【0037】
ここで、導管XYに流れる導管液にはミネラルが含まれているため、その他の部分(皮層CO、師管PH、髄PI等)に含まれる水分に比べて電気抵抗が低いという性質を有する。これを利用して、電気抵抗プローブ30で測定された電気抵抗が低くなる深さまでプローブ20、30を突き刺せば、電気抵抗測定用電極31を導管XYの位置に配置することができる。

【0038】
また、前述のごとく、電気抵抗プローブ30は捕集プローブ20よりも長さDだけ長く形成されている。そのため、電気抵抗測定用電極31を導管XYの位置に配置した状態とすれば、自ずと捕集プローブ20の先端部が植物の師管PHの位置に配置される。

【0039】
以上のように、電気抵抗プローブ30は導管XYの位置検出機能を有し、電気抵抗プローブ30で測定された電気抵抗から導管XYの位置を検出できる。プローブ20、30を植物に突き刺す際に、電気抵抗プローブ30が導管XYを検出する深さまで突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を師管PHの位置に正確に配置することができる。

【0040】
電気抵抗プローブ30を1つのみ備える形態としてもよいが、本実施形態の樹液捕集装置1のように2つの電気抵抗プローブ30を備える方が好ましい。プローブ20、30を植物に突き刺す際に、2つの電気抵抗プローブ30が同時に導管XYを検出する深さまで突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を師管PHに沿って配置できるからである。

【0041】
特に、本実施形態のように、2つの電気抵抗プローブ30を、捕集プローブ20を挟む位置、すなわち、外側の位置に設ければ、2つの電気抵抗プローブ30の間の距離が長くなり、より正確に捕集プローブ20の先端部を師管PHに沿って配置することができる。

【0042】
また、捕集プローブ20に設けられたpH測定用素子25を用いて樹液のpH値を測定できる。師管液にはスクロース等の光合成産物が含まれているため、導管液に比べてpH値が高い。具体的には、一般に、導管液のpHは約6であるのに対して、師管液のpH値は約7.5~8である。pH測定用素子25により測定されたpH値に基づいて、捕集プローブ20の流路21に流入した樹液が師管液か導管液かを判断できる。pH測定用素子25で測定されたpH値が師管液のpH値となるまでプローブ20、30を突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を師管PHに配置することができる。

【0043】
電気抵抗測定用電極31とpH測定用素子25とを組み合わせて用いれば、より確実に導管XYと師管PHの位置を特定することができるため、捕集プローブ20の先端部を正確に師管PHに配置することができる。その結果、導管液等が混ざることがなく高純度な師管液を捕集することができる。

【0044】
捕集プローブ20を測定対象となる植物に突き刺して、その先端を植物の師管PHに配置すると、師管液が流路21に流入して液溜部11に導かれる。液溜部11に貯留された師管液は、排出孔12を介してシリンジ等(図示せず)により回収することができる。このように、植物の樹液を、流路21を介して捕集することができる。

【0045】
捕集された樹液は、研究室等に持ち帰って液体クロマトグラフィー等の装置で分析することにより、栄養物質等を分析することができる。このように、捕集プローブ20により樹液を捕集できるので、樹液に含まれる栄養物質の分析に用いることができる。

【0046】
(製造方法)
つぎに、図6から図13に基づき、樹液捕集装置1の製造方法を説明する。
前述のごとく、樹液捕集装置1はMEMS技術を用いて、シリコン基板SBやSOI基板等の半導体基板を加工することで形成されている。以下では、シリコン基板SBを加工する例を説明するが、SOI基板を加工する場合もほぼ同様である。

【0047】
(1)準備工程
図6に示すように、加工前のシリコン基板SBは平面視矩形の薄板である。準備工程では、まず、シリコン基板SBに対して化学薬品を用いて表面洗浄を行う。つぎに、シリコン基板SBの両面に、酸化拡散炉を用いて熱酸化膜を形成する。ここで、シリコン基板SBにおいて、予めpH測定用素子25、電気抵抗測定用電極31、電極パッド26、32および配線からなるセンサ部を形成する側の熱酸化膜を残し、その反対側の熱酸化膜は、化学溶液等により、エッチングしておく。

【0048】
(2)センサ部形成工程
つぎに、図7に示すように、シリコン基板SBに形成された熱酸化膜上に、pH測定用素子25、電気抵抗測定用電極31、電極パッド26、32および配線からなるセンサ部を形成する。

【0049】
pH測定用素子25としてのイオン感応性電界効果トランジスタは、MOS型電界効果トランジスタ(MOS-FET)を基本構造としている。イオン感応性電界効果トランジスタは以下の手順で形成される。すなわち、シリコン基板SB(p型)上にソースおよびドレインの埋め込み層(n+)を拡散工程等により形成する。ついで、それらの埋め込み層と接続する金属電極をスパッタ法や蒸着法を用いて形成する。ついで、これらの上部に、SiO2やTaOX等の誘電体膜からなるイオン感応膜(ゲート酸化膜)をスパッタ法等により形成する。

【0050】
電気抵抗測定用電極31、電極パッド26、32および配線は、例えば、スパッタ法や蒸着法を用いてシリコン基板SB上にAl薄膜を堆積させることにより形成される。

【0051】
(3)プローブ形成工程
つぎに、図8に示すように、シリコン基板SBにプローブ形状のフォトリソグラフィを行い、ICP-RIE等のドライエッチングにより不要部分を除去してプローブ形状の原形を形成する。

【0052】
また、支持部10に液溜部11用の凹部を形成する。具体的には、支持部10の表面上に液溜部11の形状のレジストパターンを形成し、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより液溜部11用の凹部を形成する。その後、不要になったレジストパターンを除去する。なお、液溜部11の容量が小さくてもよい場合には、支持部10に液溜部11用の凹部を形成しなくてもよい。

【0053】
その後、図9に示すように、プローブ20、30が片持ち梁状になるように、シリコン基板SBの裏面の一部をエッチバックする。この工程では、ICP-RIE等のドライエッチングが用いられる。

【0054】
(4)側壁形成工程
つぎに、図10に示すように、シリコン基板SB上の捕集プローブ20、液溜部11およびそれらの周囲を含む領域に、シート状のフォトレジストR1を熱融着する。シート状のフォトレジストR1としては、熱融着でき、かつ、ある程度の強度を有するものであれば特に限定されない。なお、シート状のフォトレジストR1を熱融着するのに代えて、シリコン基板SBにフォトレジストを塗布してもよい。

【0055】
つぎに、図11に示すように、フォトレジストR1に対して露光、現像することで、フォトレジストR1の不要部分を除去する。具体的には、プローブ形状からはみ出した部分と、流路21に相当する部分と、液溜部11に相当する部分とを除去する。

【0056】
フォトレジストR1の流路21に相当する部分を除去することで、シリコン基板SB上に流路21の一対の側壁23を形成できる。また、フォトレジストR1の液溜部11に相当する部分を除去することで、シリコン基板SB上に液溜部11の側壁を形成できる。

【0057】
このように、流路21の側壁23をフォトレジストR1で形成するので、シリコン基板SBに対して垂直な側壁23を形成できる。結晶異方性エッチング等によりシリコン基板SBに直接流路21を形成すると側壁23がシリコン基板SBに対して傾斜するが、この場合に比べて流路21の断面積を広くできる。その結果、樹液が流路21に流入しやすくなる。また、シート状のフォトレジストR1を用いることで側壁23の高さを十分大きくすることができ、樹液を液溜部11に容易に流すことができる。

【0058】
(5)親水化工程
以上のように、流路21の側壁23は硬化したフォトレジストR1で形成されている。一般に、フォトレジストR1は疎水性であるため、そのままでは樹液が流路21に流入しにくい。そこで、側壁23を親水化する処理を行う。側壁23を親水化することで、樹液が流路21に流入しやすくなる。

【0059】
親水化処理は、例えば、形成途中の樹液捕集装置1をプラズマエッチング(Plasama Etching)装置や反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)装置に挿入し、O2ガスを用いた酸素アッシング等の表面処理をすることで行われる。ここで、プラズマ中の酸素ラジカル(O*)は、シート状のフォトレジスト(主な元素構成はCxHy)表面で、下記化学式(1)の化学反応を起こしエッチングが進行する。
CxHy + O* → CO2↑ + H2O (1)

【0060】
この過程で、フォトレジスト表面の改質(表面の組成変成や構造変化)が行われる。最適な酸素アッシング条件を選ぶと、C-C結合に対して、C-O結合が相対的に増大したり、COOの結合が新たに発現する。このような表面状態が形成されると、大気中の水分子(H2O)とフォトレジスト表面の結合手とが反応して、C-OHやCO-OHを形成し、極性を持つOH基が水分子を引き寄せることで、親水性が付与される(疎水性から親水性に代わる)。一例として、親水化処理に用いた反応性イオンエッチングの条件は、酸素ガス流量:10sccm、酸素ガス圧力:6.5Pa、高周波電力:100W、処理時間:5min程度である。

【0061】
(6)天井形成工程
つぎに、図12に示すように、硬化したフォトレジストR1の上に別のシート状のフォトレジストR2を熱融着する。ここで、フォトレジストR2を、1つの流路21を構成する一対の側壁23の上端に架け渡して熱融着する。また、フォトレジストR2により液溜部11の開口部を閉塞する。

【0062】
つぎに、図13に示すように、フォトレジストR2に対して露光、現像することで、フォトレジストR2の不要部分を除去する。具体的には、プローブ形状からはみ出した部分と、排出孔12に相当する部分とを除去する。フォトレジストR2により流路21の天井部24を形成できる。

【0063】
このように、シート状のフォトレジストR2を用いて流路21の天井部24を形成するので、捕集プローブ20の内部に流路21を容易に形成できる。また、シート状のフォトレジストR2を用いて流路21の天井部24を形成するので、表面状態に敏感なpH測定用素子25であっても、流路21内に簡単に形成できる。

【0064】
なお、親水化工程を側壁形成工程と天井形成工程との間で行うが、それに加えて天井形成工程の後に行ってもよい。あるいは、天井形成工程後に親水化工程を行ってもよい。そうすれば、側壁23に加えて天井部24も親水化できる。ただし、天井形成工程の後は、流路21は底部22、側壁23、天井部24で囲まれており、その内壁は流路21の開口端でしか外気と繋がっていないことや、酸素ラジカルが流路中に十分侵入しにくいこともあり、親水化工程には比較的長時間を要する。天井形成工程の前であれば、天井部24がないので流路21の上部が全体に渡って外気と繋がっている。そのため、天井形成工程の前に親水化処理を行ったほうが、短時間で効率よく処理を行うことができる。

【0065】
また、流路21の底部22の素材はシリコンであり、もともと親水性を有する。側壁23を親水化すれば流路21の3面が親水性を有することになる。そのため、天井部24が疎水性のままでも、十分に樹液が流路21に流入できる。

【0066】
前記側壁形成工程では、フォトレジストR1により側壁23を形成したが、これに代えて、シリコン基板SBの流路21に相当する部分をエッチングにより除去して、シリコン基板SBにより側壁23を形成してもよい。

【0067】
この場合、シリコン基板SBにより流路21の底部22と側壁23とが一体形成されるので、捕集プローブ20の強度を高くできる。また、底部22と側壁23がもともと親水性を有するので、親水化工程を設けなくてもよい。

【0068】
捕集プローブ20にpH測定用素子25を設けなくてもよい。この場合、センサ部形成工程において、pH測定用素子25の形成を省略できる。

【0069】
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係る樹液捕集装置2について説明する。
本実施形態の樹液捕集装置2は、特に導管液を捕集するのに適している。

【0070】
(樹液捕集装置2)
図14に示すように、樹液捕集装置2は、第1実施形態に係る樹液捕集装置1において、捕集プローブ20と電気抵抗プローブ30とを同じ長さにした形態である。その余の構成は第1実施形態に係る樹液捕集装置1と同様であるので同一部材に同一符号を付して説明を省略する。

【0071】
測定対象となる植物の新梢末端に、樹液捕集装置2を取り付けるには、全てのプローブ20、30を植物の細部に突き刺せばよい。その際に、電気抵抗プローブ30が導管XYを検出する深さまで突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を導管XYの位置に正確に配置することができる。

【0072】
このように、捕集プローブ20と電気抵抗プローブ30とを同じ長さに形成することにより、プローブ20、30を植物に突き刺し、電気抵抗測定用電極31を植物の導管XYの位置に配置した状態とすれば、捕集プローブ20の先端部が植物の導管XYの位置に配置される。

【0073】
また、プローブ20、30を植物に突き刺す際に、2つの電気抵抗プローブ30が導管XYを検出する深さまで突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を導管XYに沿って配置することができる。

【0074】
さらに、pH測定用素子25で測定されたpH値が導管液のpH値となるまでプローブ20、30を突き刺せば、捕集プローブ20の先端部を導管XYに配置することができる。その結果、導管XY中の樹液を確実に捕集できる。

【0075】
捕集プローブ20の先端部を植物の導管XYに配置すると、導管液が流路21に流入して液溜部11に導かれる。液溜部11に貯留された導管液は、排出孔12を介してシリンジ等により回収することができる。このように、植物の樹液を、流路21を介して捕集することができる。

【0076】
(製造方法)
本実施形態の樹液捕集装置2は、捕集プローブ20の長さを除き、第1実施形態に係る樹液捕集装置1と同様の構成である。そのため、第1実施形態と同様の方法で製造できる。

【0077】
なお、上記第1、第2実施形態では、電気抵抗プローブ30を設けた構成としたが、これを設けない構成としてもよい。また、他の機能を有するプローブを設ける構成としてもよい。さらに、捕集プローブ20で捕集される樹液は、師管液や導管液に限定されず、他の種類の樹液でもよい。

【0078】
〔第3実施形態〕
つぎに、本発明の第3実施形態に係る樹液捕集装置3について説明する。
(樹液捕集装置3)
図15に示すように、樹液捕集装置3は、第1実施形態に係る樹液捕集装置1において、さらに排出部40を備えた構成である。排出部40は各液溜部11に対して1つ設けられている。排出部40は液溜部11に貯留された樹液を排出するために用いられる。

【0079】
排出部40は、捕集プローブ20とほぼ同様の形状であり、その基端が支持部10に支持されている。排出部40は支持部10の捕集プローブ20が設けられている縁とは反対側の縁に設けられている。

【0080】
排出部40の内部には軸心に沿って排出路41が形成されている。排出路41は、排出部40の先端から基端に掛けて形成されている。また、排出部40は先端から見た形状が矩形であり、そのほぼ中心に矩形の排出路41が形成されている。より詳細には、排出部40は底部と、底部の両側部に立設した一対の側壁と、一対の側壁の上端に架け渡された天井部とからなる。

【0081】
排出路41は液溜部11に接続されている。なお、樹液捕集装置3は、液溜部11を備えず、捕集プローブ20の流路21と排出部40の排出路41とが直接接続された形態としてもよい。特許請求の範囲に記載の「流路に接続された排出路」とは、流路21と排出路41とが直接接続された場合の他に、液溜部11などの他の経路を介して流路21と排出路41とが間接的に接続された場合を含む概念である。

【0082】
排出部40には、図示しないチューブが接続される。このチューブの他端はシリンジなどに接続される。このチューブを介して、液溜部11に貯留された樹液を排出できる。排出部40は、チューブを接続するのに適した形状、寸法に形成される。

【0083】
(製造方法)
前記排出部40は、第1実施形態における製造方法と同様の方法で、捕集プローブ20とともに形成できる。以下では、第1実施形態における製造方法との相違部分のみを説明する。

【0084】
(3)プローブ形成工程
プローブ形成工程では、シリコン基板SBにプローブ形状および排出部40の形状のフォトリソグラフィを行い、ICP-RIE等のドライエッチングにより不要部分を除去してプローブ形状および排出部40の形状の原形を形成する。その後、プローブ20、30および排出部40が片持ち梁状になるように、シリコン基板SBの裏面の一部をエッチバックする。

【0085】
(4)側壁形成工程
側壁形成工程では、シリコン基板SB上の捕集プローブ20、液溜部11、排出部40およびそれらの周囲を含む領域に、シート状のフォトレジストR1を熱融着する。なお、シート状のフォトレジストR1を熱融着するのに代えて、シリコン基板SBにフォトレジストを塗布してもよい。

【0086】
つぎに、フォトレジストR1に対して露光、現像することで、フォトレジストR1の不要部分を除去する。具体的には、プローブ形状および排出部40の形状からはみ出した部分と、流路21に相当する部分と、液溜部11に相当する部分と、排出路41に相当する部分とを除去する。フォトレジストR1の排出路41に相当する部分を除去することで、シリコン基板SB上に排出路41の一対の側壁を形成できる。

【0087】
(5)親水化工程
親水化工程では、流路21の側壁23を親水化するとともに、排出路41の側壁を親水化する。

【0088】
(6)天井形成工程
天井形成工程では、硬化したフォトレジストR1の上にシート状のフォトレジストR2を熱融着する。ここで、フォトレジストR2を、排出路41を構成する一対の側壁の上端に架け渡して熱融着する。

【0089】
つぎに、フォトレジストR2に対して露光、現像することで、フォトレジストR2の不要部分を除去する。具体的には、プローブ形状および排出路41の形状からはみ出した部分を除去する。フォトレジストR2により排出路41の天井部を形成できる。

【0090】
以上のように、捕集プローブ20を形成すると同時に排出部40を形成できる。そのため、液溜部11に貯留された樹液を排出するための構造を別途設ける場合に比べて、製造工程を簡略化できる。
【実施例】
【0091】
(親水化試験)
フォトレジストの親水化の試験を行った。
まず、試料として、シリコン基板の表面にシート状のフォトレジスト(SU-8)を貼り付けたものを用意した。
【実施例】
【0092】
この試料に対してフォトレジスト表面の接触角を測定した。その結果、接触角は86.4°であり、疎水性であることが分かった。
【実施例】
【0093】
つぎに、試料に対して親水化処理を行った。親水化処理は、RIEを用いたO2アッシングにより行った。親水化処理の後、フォトレジスト表面の接触角を測定した。その結果、接触角は5°未満であり、親水性であることが分かった。このことから、O2アッシングによりフォトレジスト(SU-8)を親水化できることが確認された。
【実施例】
【0094】
(親水化処理効果の持続性試験)
つぎに、樹液の長期モニタリングを想定し、親水化処理効果の持続性について試験を行った。
親水化処理を行った試料に対して、所定時間ごとに、フォトレジスト(SU-8)表面の接触角を測定した。その結果を図16に示す。図16より、親水化処理後少なくとも20日間は、接触角が5°未満であり、十分に親水性が維持できることが確認された。このことから、フォトレジストの親水化処理効果は樹液の長期モニタリングに耐えうることが確認された。
【符号の説明】
【0095】
1、2、3 樹液捕集装置
10 支持部
11 液溜部
12 排出孔
20 捕集プローブ
21 流路
22 底部
23 側壁
24 天井部
30 電気抵抗プローブ
40 排出部
41 排出路
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15