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Specification :(In Japanese)冷凍寿司の解凍方法および寿司の製造方法

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)公開特許公報(A)
Publication number P2017-023145A
Date of publication of application Feb 2, 2017
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)冷凍寿司の解凍方法および寿司の製造方法
IPC (International Patent Classification) A23L   7/10        (2016.01)
A23L   3/365       (2006.01)
FI (File Index) A23L 7/10 F
A23L 3/365 A
Number of claims or invention 11
Filing form OL
Total pages 18
Application Number P2016-145819
Date of filing Jul 25, 2016
Application number of the priority 2015147147
Priority date Jul 24, 2015
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】鈴木 徹
【氏名】水越 智穂
【氏名】小道 勇志
Applicant (In Japanese)【識別番号】504196300
【氏名又は名称】国立大学法人東京海洋大学
Representative (In Japanese)【識別番号】100108833、【弁理士】、【氏名又は名称】早川 裕司
【識別番号】100162156、【弁理士】、【氏名又は名称】村雨 圭介
Request for examination (In Japanese)未請求
Theme code 4B022
4B023
F-term 4B022LA01
4B022LB01
4B022LQ07
4B023LC05
4B023LE16
4B023LP07
4B023LP15
Abstract (In Japanese)【課題】 具材部の加熱変性が抑制されつつも米飯部の白蝋化が解消され、解凍後に食味の優れた寿司を得ることのできる冷凍寿司の解凍方法を提供する。
【解決手段】 冷凍寿司の解凍方法であって、冷凍寿司は、米飯部と具材部とで構成され、米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ具材部の温度が-2~20℃となるように、冷凍寿司を加熱し、当該加熱を停止することを特徴とする冷凍寿司の解凍方法。
【選択図】図3
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
冷凍寿司の解凍方法であって、
前記冷凍寿司は、米飯部と具材部とで構成され、
前記米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ前記具材部の温度が-2~20℃となるように、前記冷凍寿司を加熱し、
当該加熱を停止する
ことを特徴とする冷凍寿司の解凍方法。
【請求項2】
前記加熱は、電磁波を照射することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項3】
前記電磁波の出力が900~3000Wであることを特徴とする請求項2に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項4】
前記電磁波を12~22秒間照射することにより前記加熱が行われることを特徴とする請求項2または3に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項5】
前記米飯部が陽イオンおよび陰イオンを含有することを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項6】
前記具材部は、脂質を10~60質量%含む食材で構成されることを特徴とする請求項2~5のいずれか一項に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項7】
前記加熱を停止した後、前記米飯部の温度が19~52℃となるように、かつ前記具材部の温度が11~31℃となるように、前記加熱された寿司の温度を調整することを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項8】
前記加熱された寿司を15~30℃にて3~20分間放置することにより、前記温度の調整を行うことを特徴とする請求項7に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項9】
-18~-22℃で凍結された前記冷凍寿司を加熱することを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の冷凍寿司の解凍方法。
【請求項10】
寿司の製造方法であって、
米飯部と具材部とで構成された前記寿司を凍結し、
前記凍結された寿司を、前記米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ前記具材部の温度が-2~20℃となるように加熱し、
当該加熱を停止する
ことを特徴とする寿司の製造方法。
【請求項11】
前記凍結は急速凍結により行われることを特徴とする請求項10に記載の寿司の製造方法。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍寿司の解凍方法および寿司の製造方法に関し、特に具材部の加熱変性が抑制され、かつ米飯部の白蝋化が解消された冷凍寿司の解凍方法、および冷凍寿司を解凍したものであって解凍後に食味の優れた寿司の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、調理の手間や時間を省くことのできる冷凍食品の需要が高まっている。冷凍食品は、調理済みまたは下ごしらえ済みの状態で冷凍され、長期間の保存が可能であり、喫食時や飲食店等での提供時には単に加熱するだけで飲食可能となることから、飲食業界から一般家庭に至るまで広く普及している。このような傾向は、シャリ(米飯部)とネタ(具材部)とで構成される寿司についても同様である。しかし、米飯部と具材部とでは解凍における加熱に対し変性のしやすさが全く異なり、特に具材部は加熱により変性しやすく、これにより食味が著しく低下してしまう。
【0003】
かかる問題に対し、具材部を反射部材で覆うことで電磁波等の高周波を反射しつつ、高周波を米飯部に優先的に働かせて解凍させる冷凍寿司の解凍方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、米飯を凍結(冷凍)したり、解凍したりすると、いわゆる白蝋化と呼ばれる現象が生じ、米飯の食味を著しく低下させてしまう。これに対し、ゼラチンおよびオリゴ糖を含む添加剤を添加して米飯を炊飯することで、米の質を変化させ、白蝋化の抑制された冷凍寿司用の米飯を製造する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平9-149768号公報
【特許文献2】特開2000-316499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
具材部の加熱による変性を防ぐために、加熱することなく自然解凍により冷凍寿司を解凍することが考えられるが、自然解凍では米の白蝋化が顕著となり、米飯の食味を著しく低下させてしまう。特許文献1の方法では、解凍後に反射部材を取り除く必要があり、解凍の手順において改善の余地があった。また特許文献1の方法では、米飯部の白蝋化の問題を解決できていない。一方特許文献2の方法では、添加剤により食味が低下するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、具材部の加熱変性が抑制されつつも、米飯部の白蝋化が解消され、解凍後に食味の優れた寿司を得ることのできる冷凍寿司の解凍方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第一に本発明は、冷凍寿司の解凍方法であって、前記冷凍寿司は、米飯部と具材部とで構成され、前記米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ前記具材部の温度が-2~20℃となるように、前記冷凍寿司を加熱し、当該加熱を停止することを特徴とする冷凍寿司の解凍方法を提供する(発明1)。
【0009】
上記発明(発明1)によれば、米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ具材部の温度が-2~20℃となるように、冷凍寿司が加熱されるため、米飯部の白蝋化が解消され、かつ具材部の加熱変性が抑制され、解凍後に食味の優れた寿司を得ることができる。
【0010】
上記発明(発明1)において、前記加熱は、電磁波を照射することにより行われることが好ましい(発明2)。
【0011】
上記発明(発明2)においては、前記電磁波の出力が900~3000Wであることが好ましく(発明3)、前記電磁波を12~22秒間照射することにより前記加熱が行われることが好ましい(発明4)。
【0012】
上記発明(発明2~4)においては、前記米飯部が陽イオンおよび陰イオンを含有することが好ましい(発明5)。
【0013】
上記発明(発明2~5)において、前記具材部は、脂質を10~60質量%含む食材で構成されることが好ましい(発明6)。
【0014】
上記発明(発明1~6)においては、前記加熱を停止した後、前記米飯部の温度が19~52℃となるように、かつ前記具材部の温度が11~31℃となるように、前記加熱された寿司の温度を調整することが好ましい(発明7)。
【0015】
上記発明(発明7)においては、前記加熱された寿司を15~30℃にて3~20分間放置することにより、前記温度の調整を行うことが好ましい(発明8)。
【0016】
上記発明(発明1~8)においては、-18~-22℃で凍結された前記冷凍寿司を加熱することが好ましい(発明9)。
【0017】
第2に本発明は、寿司の製造方法であって、米飯部と具材部とで構成された前記寿司を凍結し、前記冷凍された寿司を、前記米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ前記具材部の温度が-2~20℃となるように加熱し、当該加熱を停止することを特徴とする寿司の製造方法を提供する(発明10)。
【0018】
上記発明(発明10)において、前記凍結は急速凍結により行われることが好ましい(発明11)。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る冷凍寿司の解凍方法によれば、具材部の加熱変性が抑制されつつも米飯部の白蝋化が解消され、解凍後に食味の優れた寿司を得ることができる。また、本発明に係る寿司の製造方法によれば、冷凍寿司を解凍したものでありながら、解凍後に食味の優れた寿司を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】試験例1における食べごろの温度についての評価結果を表すグラフである。
【図2】試験例2における自然解凍でのサンプルの温度履歴を表すグラフである。
【図3】試験例2における電子レンジ解凍(1000W,18秒間)後のサンプルの温度履歴を表すグラフである。
【図4】試験例3における電子レンジ解凍(600W,30秒間)後のサンプルの温度履歴を表すグラフである。
【図5】試験例3における電子レンジ解凍(800W,20秒間)後のサンプルの温度履歴を表すグラフである。
【図6】試験例3における電子レンジ解凍(1000W,18秒間)後にサーモグラフィーで測定した視覚的温度分布を表す図(カラー)である。この図において上側は具材部であり、下側は米飯部である。
【図7】試験例3における電子レンジ解凍(600W,30秒間)後にサーモグラフィーで測定した視覚的温度分布を表す図(カラー)である。この図において上側は具材部であり、下側は米飯部である。
【図8】試験例4において、電子レンジ解凍(1000W,15秒間または20秒間)後の米飯部をサーモグラフィーで測定したときの温度分布を表す図(カラー)である。
【図9】試験例4において、凍結した米飯部を載置する皿を変更して電子レンジ解凍を行い、サーモグラフィーで測定したときの温度分布を表す図(カラー)である。
【図10】試験例5において、条件1の米飯部を用いて作成した冷凍寿司を電子レンジ解凍(1000W,10秒間,15秒間または20秒間)し、縦断面についてサーモグラフィーで測定したときの温度分布および垂直温度プロファイルを表す図(カラー)である。
【図11】試験例5において、条件1の米飯部を用いて作成した冷凍寿司を電子レンジ解凍(1000W,10秒間,15秒間または20秒間)し、横断面についてサーモグラフィーで測定したときの温度分布および垂直温度プロファイルを表す図(カラー)である。
【図12】試験例5において、条件2の米飯部を用いて作成した冷凍寿司を電子レンジ解凍(1000W,10秒間,15秒間または20秒間)し、縦断面についてサーモグラフィーで測定したときの温度分布および垂直温度プロファイルを表す図(カラー)である。
【図13】試験例5において、条件2の米飯部を用いて作成した冷凍寿司を電子レンジ解凍(1000W,10秒間,15秒間または20秒間)し、横断面についてサーモグラフィーで測定したときの温度分布および垂直温度プロファイルを表す図(カラー)である。
【図14】試験例5において、条件3の米飯部を用いて作成した冷凍寿司を電子レンジ解凍(1000W,10秒間,15秒間または20秒間)し、縦断面についてサーモグラフィーで測定したときの温度分布および垂直温度プロファイルを表す図(カラー)である。
【図15】試験例5において、条件3の米飯部を用いて作成した冷凍寿司を電子レンジ解凍(1000W,10秒間,15秒間または20秒間)し、横断面についてサーモグラフィーで測定したときの温度分布および垂直温度プロファイルを表す図(カラー)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る冷凍寿司の解凍方法は、米飯部と具材部とで構成される冷凍寿司を、米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ具材部の温度が-2~20℃となるように加熱し、その後当該加熱を停止するものである。

【0022】
米飯の白蝋化は、低温を一因とするものである。米飯を凍結(冷凍)または解凍すると、米飯に含まれるデンプン分子が、分子内外の水素結合により凝集してしまう。また、米飯を低温で放置すると、米飯のデンプンの老化(β化)が進行する。米飯の白蝋化は、これらデンプンの凝集と老化とが複合的に作用して生じる現象であると考えられ、緩慢凍結・緩慢解凍において特に顕著となる。本実施形態においては、米飯を約60℃以上に加熱することで、米飯に含まれるデンプン中の水素結合が切断されて凝集が破壊され、またデンプンが糊化(α化)されるため、白蝋化を解消することができる。

【0023】
一方、具材部の加熱変性は、具材の種類にも依存するが、約35℃以上とすると変性が始まってしまう。このため、米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ具材部の温度が-2~20℃となるように加熱することで、米飯部の白蝋化を解消し、かつ具材部の加熱変性を抑制することができる。

【0024】
本実施形態において、冷凍寿司の上記加熱は、米飯部の温度が60~95℃となるように行われるものであり、63~90℃となるように行われることが好ましい。米飯部の温度が上記範囲であると、米飯部の白蝋化が効果的に解消されるとともに、解凍後の寿司の温度を後述する食べごろの温度にすることが容易となる。また、冷凍寿司の上記加熱は、具材部の温度が-2~20℃となるように行われるものであり、0~10℃となるように行われることが好ましい。具材部の温度がかかる範囲であると、具材部の加熱変性が効果的に抑制されるとともに、解凍後の寿司の温度を後述する食べごろの温度にすることが容易となる。

【0025】
ここで、従来の冷凍寿司の解凍方法においては、具材部が加熱変性しやすいことから、冷凍寿司(特にその米飯部)を60℃以上といった高温に加熱するという技術的思想が存在せず、そのため白蝋化を解消することができなかった。また、白蝋化を抑制しようとして添加剤を用いると、米飯部の食味が低下するという問題があった。しかし、本実施形態においては、米飯部と具材部とが前述した異なる温度となるように加熱することにより、米飯部の白蝋化を解消できるとともに具材部の加熱変性を抑制することができる。

【0026】
冷凍寿司の上記加熱の方法は、米飯部および具材部の温度が上記範囲となる方法であれば特に限定されず、例えば、冷凍寿司に電磁波を照射する方法でもよく、また米飯部と具材部とをそれぞれ異なる温度に設定された加熱部材に接触させる等の方法であってもよい。中でも、操作の容易さの観点から、電磁波を照射することにより加熱することが好ましい。電磁波を照射する装置としては、例えば電子レンジが挙げられる。

【0027】
ここで、従来、電磁波を照射する方法は、具材部が加熱変性してしまうため冷凍寿司の解凍方法としては適当でないと考えられていた。しかし、本発明者らの鋭意検討の結果、米飯部と具材部とでは電磁波による加熱のされ方が異なることが判明した。さらに検討を進めた結果、電磁波を所定の条件で照射することで、米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ具材部の温度が-2~20℃となるように、冷凍寿司を加熱できることを見出した。

【0028】
本実施形態において、電磁波を照射することで冷凍寿司を加熱する場合、電磁波は、加熱調理に一般的に利用されるマイクロ波(周波数:300MHz~300GHz)であればよく、電子レンジ等に規格化された2450MHz帯のマイクロ波であってよい。電磁波の出力は、900~3000Wであることが好ましく、1000~1500Wであることが特に好ましい。また、電磁波の照射時間は、加熱に供される冷凍寿司の加熱前温度、大きさ、個数等および電磁波の出力等にも依存するが、例えば、米飯部が17~21g、具材部が11~14g、加熱前温度が-18~-22℃である冷凍寿司1個を1000Wの電磁波で加熱する場合は、当該電磁波を12~22秒間照射することが好ましく、15~20秒間照射することが特に好ましい。このような照射条件で電磁波を照射することにより、前述したとおりの米飯部の温度が60~95℃となるように、かつ具材部の温度が-2~20℃となるように、冷凍寿司を加熱することが容易となる。

【0029】
本実施形態において、電磁波を照射することで冷凍寿司を加熱する場合、皿等の容器を用いることなく電磁波を照射してもよいが、容器の上に冷凍寿司を載置し、電磁波を照射することが好ましい。この場合において、冷凍寿司を載置する容器は、電磁波を部分的に吸収する材質、例えば、マイクロ波による微発熱性の素材で構成されていることが好ましい。そのような容器として、例えば、陶磁器等が挙げられる。

【0030】
また、このような容器を用いて電磁波照射により冷凍寿司を加熱する場合は、上記冷凍寿司の米飯部が具材部の下側となり、かつ上記容器に接するように、冷凍寿司が上記容器に載置されることが好ましい。上記容器も電磁波の吸収により加熱される場合には、米飯部を下側にかつ容器に接するように載置して電磁波を照射することで、米飯部が具材部に優先して加熱されるようになり、加熱後の米飯部および具材部の温度を前述した範囲内とすることが容易となる。

【0031】
冷凍寿司の上記加熱は、その後停止される。これにより、上記加熱により解凍された寿司を、食べごろの温度にすることができる。ここで、本発明者らが検討したところ、寿司の食べごろの温度とは、米飯部の温度が概ね19~52℃であることが好ましく、30~45℃であることがさらに好ましいこと、また具材部の温度が概ね11~31℃であることが好ましく、18~25℃であることがさらに好ましいことが明らかとなった。そのため、冷凍寿司を上記のように加熱し、その後当該加熱を停止することで、加熱により解凍された寿司をこのような食べごろの温度とすることができる。

【0032】
本実施形態において、冷凍寿司を上記のように加熱した後、食べごろの温度になるように調整するためには、当該加熱された寿司を室温にて放置してもよく、また米飯部が食べごろの温度(19~52℃)となるように、上記加熱した寿司を冷却してもよい。ここで、具材部については、加熱後の温度から食べごろの温度となるように加熱(加温)してもよいが、特段の加熱(加温)を行わなくとも、具材部に近接する米飯部が加熱後の60~95℃から食べごろの温度(19~52℃)に冷却されるため、その余熱を利用して加温することができる。

【0033】
上記加熱された寿司を、室温に放置する場合の条件としては、例えば、当該加熱された寿司を15~30℃の雰囲気にて、好ましくは20~25℃にて、3~20分間、好ましくは5~12分間放置する条件が例示される。

【0034】
本実施形態において解凍に供される冷凍寿司の形態としては、握り寿司、巻き寿司、押し寿司等が挙げられるが、握り寿司であると、米飯部および具材部を上記温度に調整することが容易となるため、特に好ましい。

【0035】
本実施形態において解凍に供される冷凍寿司は、一般の冷凍食品と同様の条件にて保管および流通等を行うことができる。ここで、冷凍食品とは、一般には-18℃以下で保存されている食品を指し、コーデックス規格においては、保管、輸送および流通において、製品温度を-18℃以下に維持すべきであり、輸送および流通において仮に製品温度が-18℃超に上昇した場合でも、製品が-12℃を上回らないようにすべきであると定められている。本実施形態においては、-18~-22℃で凍結された冷凍寿司を加熱することが好ましい。また、冷凍寿司を得るための凍結処理は、急速凍結により行われることが好ましい。このような条件で凍結されることにより、米飯部の白蝋化が生じるのを抑制できるとともに、冷凍条件で長期間保管された後であっても、寿司本来のおいしさを維持することができる。

【0036】
本実施形態の冷凍寿司において、米飯部の大きさは、例えば、長手方向に4.0~6.0cmであることが好ましく、4.5~5.5cmであることがより好ましい。また、米飯部の短手方向の大きさは2.0~3.5cmであることが好ましく、2.5~3.0cmであることがより好ましい。さらに、米飯部の厚さは1.5~2.5cmであることが好ましく、1.7~2.3cmであることがより好ましい。米飯部の大きさがかかる範囲にある場合、電磁波で効率的に加熱しやすくなるとともに、加熱後の米飯部の温度が上記範囲となるように加熱することが容易となり、さらには加熱停止後の米飯部の温度を上記食べごろの温度に調整することが容易となる。さらには、米飯部の大きさがかかる範囲にあると、寿司として十分な食べごたえがあるものとなる。

【0037】
冷凍寿司の米飯部の質量は、例えば、15~30gであることが好ましく、17~21gであることがより好ましい。米飯部の質量がかかる範囲にある場合、寿司として十分な食べごたえがあり、また、電磁波で効率的に加熱しやすくなるとともに、加熱後の米飯部の温度が上記範囲となるように加熱することが容易となり、また加熱停止後の米飯部の温度を上記食べごろの温度に調整することが容易となる。

【0038】
米飯部の水分含有量は、一般的な寿司の米飯部と同等であることが好ましく、例えば、凍結前における水分含有量は50~65%であることが好ましく、55~60%であることがさらに好ましい。米飯部の水分含有量が50%以上であると、例えば電磁波により加熱する場合はその加熱を効率的に行うことができ、また、得られる寿司の米飯部がボソボソとした食感とならず良好な食味となるため、好ましい。一方、米飯部の水分含有量が65%以下であると、例えば電磁波により加熱する場合に過加熱になり難く、加熱後の米飯部の温度が上記範囲となるように加熱することが容易となるとともに、ベチャベチャとした食感とならず良好な食味となるため、好ましい。なお、米飯部の凍結前の水分含有量は、米を炊飯する際の水分量、炊飯条件等により、さらには炊飯後の酢合わせに用いる合わせ酢の分量等により、適宜調整することができる。また、水分含有量は、常温加熱乾燥法で測定した値である。

【0039】
また、冷凍寿司の米飯部は、炊飯後の米飯に対し、酢、砂糖、塩等を含む合わせ酢(寿司酢)を混ぜ合わせて得られる酢飯で形成されることが好ましい。ここで、酢飯を製造する際の合わせ酢(寿司酢)の分量は、一般的な酢飯と同様であれば良く、例えば、炊飯後の米が1kg(約3合)であれば、合わせ酢は50~150mLであることが好ましく、さらには80~120mLであることが好ましい。

【0040】
本実施形態において、冷凍寿司の加熱による解凍処理を電磁波で行う場合には、米飯部は、陽イオンおよび陰イオンを含有することが好ましい。陽イオンおよび陰イオンを含有することで、誘電率が高まり、上記電磁波による加熱処理をより効率的に行うことができ、加熱において米飯部および具材部を上記温度に調整することが容易になると考えられる。ここで、米飯部に含まれる陽イオンとしては、塩分に由来するナトリウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられ、一方陰イオンとしては、塩分に由来する塩化物イオンや酢酸に由来する酢酸イオン等が挙げられる。なお、米飯部を酢合わせして酢飯とする際の合わせ酢(寿司酢)には、これら塩分に由来する陽イオンおよび陰イオンが含まれるため、米飯部に陽イオンおよび陰イオンを含ませることは比較的容易に達成することができる。また、米飯部における陽イオンおよび陰イオンの含有量は、米150g(約1合)を炊飯後に添加する塩分量に換算して0.5~6g程度であることが好ましく、1~5g程度であることがより好ましい。かかる範囲においては、塩分量にほとんど影響されず、電磁波による効率的な加熱処理が可能であることが分かっている。また、陽イオンおよび陰イオンの含有量が上記範囲である場合、酢飯に一般的に含まれる塩分量と同程度であるため米飯部が良好な食味を有するものとなる。

【0041】
本実施形態の冷凍寿司において、具材部の大きさの下限値は、例えば、長手方向および短手方向において米飯部の大きさ以上であると、具材部が米飯部からはみ出した状態となり、寿司として十分な食べごたえが得られるため好ましい。一方、具材部の大きさの上限値は、長手方向において米飯部の長手方向の大きさ+1.3cm以内であることが好ましく、+1.0cm以内であることが特に好ましい。また、具材部の短手方向の大きさの上限値は、米飯部の短手方向の大きさ+0.7cm以内であることが好ましく、+0.5cm以内であることが特に好ましい。具材部の大きさがかかる範囲にある場合、電磁波により具材部が加熱され過ぎず、加熱後の具材部の温度が上記範囲となるように加熱することが容易となり、さらには加熱停止後に上記食べごろの温度に調整することが容易となる。

【0042】
また、冷凍寿司の具材部の質量は、例えば、8~20gであることが好ましく、さらに11~14gであることが好ましい。具材部の質量がかかる範囲にある場合、寿司として十分な食べごたえがあり、また、電磁波により具材部が加熱され過ぎず、加熱後の具材部の温度が上記範囲となるように加熱することが容易となり、さらには加熱停止後に上記食べごろの温度に調整することが容易となる。

【0043】
また、本実施形態において、冷凍寿司の具材部は、脂質を10~60質量%含む食材で構成されることが好ましい。具材部を構成する食材における脂質の含有量は、特に12~50質量%であることが好ましい。このような食材は、寿司の具材としては脂質の多い(脂の乗った)食材といえるところ、脂質は誘電率が低いことから、これらの食材は、電磁波による加熱処理において過度に加熱されにくい。そのため、電磁波による加熱において米飯部および具材部を上記温度に調整することが容易となる。なお、食材における脂質の量は栄養表示基準に準拠して測定することができる。

【0044】
このような脂質の多い(脂の乗った)食材としては、サーモン、トロ、ブリ(ハマチ、カンパチ等を含む)、甘エビ、アボガド、エビ、ヒラメなどを挙げることができる。これらの中でもサーモンが特に好ましい。

【0045】
以上述べた本実施形態に係る冷凍寿司の解凍方法によれば、具材部の加熱変性が抑制されつつも米飯部の白蝋化が解消され、解凍後に食味の優れた寿司を得ることができる。

【0046】
また、本発明の他の実施形態として、米飯部と具材部とで構成される寿司を凍結し、上記条件にて解凍することにより、寿司を製造することができる(本発明に係る寿司の製造方法に該当)。かかる寿司の製造方法によれば、凍結してから長期間保管することができるとともに、喫食直前に解凍することにより、食味の優れた寿司を得ることができる。

【0047】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例】
【0048】
以下、試験例等を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
〔試験例1〕食べごろの温度の検討
冷凍寿司の解凍条件を設定するにあたり、目標とする温度を規定するために、寿司における食べごろの温度について、以下の方法により検討した。
【実施例】
【0050】
具体的には、スーパーマーケットで購入したサーモンの握り寿司を、米飯部(シャリ)および具材部(ネタ,サーモン)に分けて、それぞれの温度が評価対象の温度となるように調整した。温度を調整した米飯部および具材部を再び合わせてサンプルとし、評価パネルに対する提供の直前までT型熱電対(石川産業社製)を挿し、サンプル提供の直前の温度を記録した。
【実施例】
【0051】
回転寿司やスーパーマーケット等の持ち帰り寿司をよく利用する7名の評価パネルに対し、前述したとおりに温度を調整したサーモン握り寿司(サンプル)を提供し、米飯部および具材部のそれぞれの温度について、1(悪い)~10(良い)の10段階で評価させた。結果を図1に示す。また、米飯部および具材部のそれぞれについて、評価が8以上の温度帯および評価が5以上の温度帯を、表1に示す。
【実施例】
【0052】
【表1】
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【実施例】
【0053】
図1および表1に示すように、米飯部と具材部とでは、食べごろの温度に差があることが明らかとなった。
【実施例】
【0054】
〔試験例2〕解凍条件の検討
-20℃に凍結した冷凍寿司について、自然解凍、湯煎解凍および電子レンジ解凍の3つの方法で解凍した場合の温度履歴を、以下のように試験した。
【実施例】
【0055】
スーパーマーケットで購入したサーモン握り寿司について、米飯部および具材部のそれぞれの質量を測定した後、米飯部が18~20gとなるように、かつ具材部が12~13gとなるように成形した。かかる握り寿司を、平面上に載置した具材部の上に米飯部を載せることで米飯部と具材部との接触面積が小さくなるようにしたうえで、調理用プラスチックラップで包み、-20℃のストッカー内に静置して凍結させた。凍結後、乾燥や微生物の混入を防ぐために、凍結したサーモン握り寿司をポリプロピレン製パウチに封入し、減圧ポンプにて減圧したものをサンプルとした。
【実施例】
【0056】
自然解凍は、凍結したサンプルをパウチから取り出し、25℃のインキュベーター内に静置することにより行った。T型熱電対により測定した米飯部および具材部の温度履歴を図2に示す。図2に示されるように、米飯部および具材部が10℃になるまでには3500~4500秒という長時間を要した。また、解凍後のサンプルを目視観察したところ、いくつかのサンプルの米飯部に白蝋化が認められた。
【実施例】
【0057】
湯煎解凍は、凍結したサンプルをパウチに封入したまま、水温40℃の湯を張ったボウルにパウチごと投入し、45分間静置することにより行った。解凍後のサンプルを目視観察したところ、いくつかのサンプルの米飯部に白蝋化が認められた。また、水圧により具材部の変形が認められ、さらに具材部からのドリップが認められる等、見た目に劣っていた。
【実施例】
【0058】
電子レンジ解凍は、凍結したサンプル1個をパウチから取り出し、出力1000Wの電子レンジ(SHARP社製,製品名:RE-3000)を用い、18秒間加熱することにより行った。なお、電子レンジにおける電磁波の波長は2450GHzに規格化されており、出力に依存しない。かかる加熱後のサンプルの米飯部および具材部にT型熱電対を挿入したうえで、米飯部と具材部との接触面積が小さくなるように具材部の上に米飯部が載っている状態を維持しながら、25℃にて放置し、加熱終了後の温度履歴を測定した。結果を図3に示す。
【実施例】
【0059】
図3から示される通り、加熱終了直後のサンプルにおいては、米飯部の温度が63.6℃であり、米デンプンが糊化するために十分な温度であった。一方、具材部の温度は8.8℃であり、加熱変性が生じない温度にとどまっていた。さらに、電子レンジにて加熱したサンプルを600秒間放置した後のサンプルは、米飯部の温度が30.3℃であり、また具材部の温度が23.8℃であった。これより、具材部の温度は加熱変性が生じない範囲に保たれるとともに、米飯部および具材部の温度が前述した食べごろの温度に至ることが明らかとなった。また、600秒放置後のサンプルを目視にて観察したところ、米飯部の白蝋化は認められなかった。
【実施例】
【0060】
〔試験例3〕電子レンジを用いた解凍条件の検討-1
電子レンジによる加熱条件について、出力600Wの電子レンジ(Twin bird社製,製品名:DR-D275)を用いて30秒間、および出力800Wの電子レンジ(Panasonic社製,製品名:NE-R3300)を用いて20秒間とした以外は、試験例2における電子レンジ解凍と同様にして加熱解凍し、加熱終了後の温度履歴を測定した。600Wで加熱した後の温度履歴の一例を図4に、また800Wで加熱した後の温度履歴の一例を図5に示す。また、加熱終了直後および25℃にて600秒間放置後のサンプルの温度をまとめたものを表2に示す。
【実施例】
【0061】
さらに、600Wで30秒間加熱したサンプルと、1000Wで18秒間加熱したサンプルとについて、米飯部および具材部を分けて配置し、赤外線サーモグラフィー(FLIR社製,製品名:CPA-0170A)を用い、米飯部および具材部における視覚的温度分布を測定した。結果をそれぞれ図6および図7に示す。ここで、図6(600W30秒間加熱)および図7(1000W18秒間加熱)のいずれも、加熱後の具材部が図の上側となるように、また加熱後の米飯部が図の下側となるように配置して測定した。
【実施例】
【0062】
【表2】
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【実施例】
【0063】
図3~5および表2に示すように、1000Wで加熱した場合、加熱終了直後において米飯部の温度は米デンプンの糊化(白蝋化を解消する)に十分な温度に加熱され、一方具材部の温度は加熱変性が起こらない温度に保たれ、600秒放置後には食べごろの温度となるのに対し、600Wおよび800Wで加熱した場合は、米デンプンの糊化に十分な温度となるまで加熱できず、目視観察では米飯部の白蝋化が認められた。ただし、これ以上加熱時間を長くすると、具材部もさらに加熱され変性が認められた。
【実施例】
【0064】
さらに、600Wおよび800Wで解凍したサンプルについては、サンプルの温度にかなりのばらつきが認められたことから、サーモグラフィーにて視覚的温度分布を測定したところ、600W30秒間加熱したサンプルは、米飯部および具材部ともに、それぞれの内部において温度のばらつきが大きかったのに対し、1000W18秒間加熱したサンプルは、米飯部の内部および具材部の内部はそれぞれ比較的均一に加熱されていた。以上より、電子レンジを用いた解凍方法においては、高出力で短時間加熱することが、冷凍寿司の解凍において極めて有効であることが明らかとなった。
【実施例】
【0065】
〔試験例4〕電子レンジを用いた解凍条件の検討-2
電子レンジによる加熱条件をより詳細に検討するため、-20℃に凍結した米飯部について、酢の添加や加熱時に用いる皿の影響等を検討した。
【実施例】
【0066】
寿司用米(千葉大学園芸学部,品種名:理想郷)を計量カップで3合測りとり、炊飯器へ入れ、水を入れて研いだ。これを3回繰り返した後、ざるで水を切り炊飯器の寿司目盛り3合の位置まで水を入れ、硬めモードで炊飯した。これに寿司酢(商品名:すきやばし次郎 寿司酢)を100mL添加したもの(酢飯)と添加していないもの(白米)とを作り、シャリマシーン(MIK社製,TF-1)で均一な米飯部(長手方向:45~55mm,短手方向:25~30mm、厚さ:20mm±2mm,質量:18g)に成型し、-40℃エアーブラスト凍結(エアー温度:36℃±2℃,平均風速:3.4m/s,サンプルを網状棚に平面に並べ、網状棚と直行する方向(上下方向)にエアーを流す)で凍結した。凍結後、-20℃ストッカーにて均温化させた。
【実施例】
【0067】
得られた-20℃の米飯部について、1個ずつ陶器製の平皿に載せ、1000Wで15秒間または20秒間加熱し、加熱直後の温度分布を赤外線サーモグラフィー(FLIR社製,製品名:TA410DA)で観察した。結果を図8に示す。
また、米飯部を載せる皿について、陶器製の平皿の他、紙製の皿、プラスチック製の皿(穴あき)、および皿なし(電子レンジ付属のターンテーブルに直接載置した)についても、1000Wで20秒間加熱し、加熱直後の温度分布を図8と同様に観察した。結果を図9に示す。
【実施例】
【0068】
図8および図9に示すように、白米で作成した米飯部は中心部が強く加熱されて、両端に低温部が残っていたのに対し、酢飯で作成した米飯部は下側が加熱され、上側に低温部が残っていた。
白米と酢飯とでこのような差が生じる原因として、寿司酢には塩分(陽イオンおよび陰イオン)が含まれているため、塩分の濃度が高い部分が効率的に加熱されることなどが考えられる。また、今回使用した電子レンジにおいては、加熱対象の下側にマイクロ波が集中しやすいため下側が効率的に加熱される傾向にあることが明らかとなった。
【実施例】
【0069】
一方、図9に示すように、皿の種類を変更した場合、白米および酢飯のいずれで作成した米飯部についても、加熱後の米飯部の温度分布に違いは認められなかったが、陶器製の平皿を使用して15秒間加熱した場合は、他の皿を使用して20秒間加熱した場合と同程度に加熱されていた。
【実施例】
【0070】
〔試験例5〕電子レンジを用いた解凍条件の検討-3
電子レンジによる加熱条件をより詳細に検討するため、酢の添加量の異なる米飯部を用いて冷凍寿司を作成し、酢の添加量の影響等を検討した。
【実施例】
【0071】
試験例4と同様にして米3合を炊飯し、寿司酢(商品名:すきやばし次郎 寿司酢)を100mL添加したもの(条件1)と、寿司酢50mLおよび水50mLを添加したもの(条件2)と、水100mLを添加したもの(条件3)とをそれぞれ用い、シャリマシーン(MIK社製,TF-1)で均一な米飯部を試験例4と同様に成型し、米飯部を得た。条件1~3でそれぞれ得られた米飯部について、常温加熱乾燥法にて水分含有量を測定した。結果を表3に示す。
【実施例】
【0072】
【表3】
JP2017023145A_000005t.gif
【実施例】
【0073】
また、スーパーマーケットで購入した寿司ネタ用サーモンを11.5~12.5g、長辺6cm、短辺3cm、厚さ5mmの形状に成形し、具材部とした。得られた米飯部および具材部を用い、平面上に載置した具材部の上に米飯部を載せることで米飯部と具材部との接触面積が小さくなるようにしたうえで、調理用プラスチックラップで包み、具材部が下側になるように金属の網状棚に並べた。これを試験例4と同様に-40℃エアーブラスト凍結にて凍結させ、その後-20℃ストッカーにて均温化させた。
【実施例】
【0074】
得られた-20℃の冷凍寿司(サンプル)について、1個ずつ陶器製の平皿に載せ、1000Wで所定の時間(10秒間、15秒間または20秒間)加熱した。加熱したサンプルを長辺に平行な方向(縦断面)または短辺に平行な方向(横断面)に切断し、得られた断面の温度分布を、赤外線サーモグラフィー(optris社製,製品名:OPT PI230 O23T900)で観察した。結果を図10~15に示す。
また、得られた温度分布中の垂直線を引いた箇所について、垂直温度プロファイルを各図に合わせて示す。
【実施例】
【0075】
図10~15に示されるように、条件1のサンプルでは、米飯部が効率的に加熱され、20秒加熱では米飯部が十分に加熱されながらも具材部が低温(0~10℃)に維持されていた。これに対し、酢の分量が少ない条件2や酢を配合しなかった条件3では、10秒加熱および15秒加熱では米飯部が十分に加熱されておらず、一方で20秒加熱では米飯部に加えて具材部も加熱されており、米飯部および具材部が好ましい温度範囲となるように加熱することが困難であった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る冷凍寿司の解凍方法によれば、具材部の加熱変性が抑制されつつも米飯部の白蝋化が解消され、解凍後に食味の優れた寿司を得ることができる。昨今日本食に対する好感度は日本のみならず海外においても高まる傾向にあるが、従来は寿司を長期保存することができないため、寿司職人を派遣するか、食味の不十分な冷凍寿司を解凍して提供するしかなかった。これに対し、本発明に係る冷凍寿司の解凍方法によれば、長期保管が可能な冷凍寿司を解凍しても食味の優れた寿司を提供することができるため、その産業有用性は極めて高い。
Drawing
(In Japanese)【図1】
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(In Japanese)【図2】
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(In Japanese)【図3】
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(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
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(In Japanese)【図10】
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(In Japanese)【図11】
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(In Japanese)【図12】
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(In Japanese)【図13】
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(In Japanese)【図14】
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(In Japanese)【図15】
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