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Specification :(In Japanese)ポリマーおよびその製造方法ならびに接着組成物

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P6461001
Date of registration Jan 11, 2019
Date of issue Jan 30, 2019
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)ポリマーおよびその製造方法ならびに接着組成物
IPC (International Patent Classification) C08G  63/685       (2006.01)
C08G  63/87        (2006.01)
C09J 167/04        (2006.01)
FI (File Index) C08G 63/685
C08G 63/87
C09J 167/04
Number of claims or invention 4
Total pages 9
Application Number P2015-546347
Date of filing Oct 2, 2014
International application number PCT/JP2014/076343
International publication number WO2015/068503
Date of international publication May 14, 2015
Application number of the priority 2013229044
Priority date Nov 5, 2013
Claim of priority (country) (In Japanese)日本国(JP)
Date of request for substantive examination Sep 25, 2017
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】金子 大作
【氏名】王 思乾
Representative (In Japanese)【識別番号】100090697、【弁理士】、【氏名又は名称】中前 富士男
Examiner (In Japanese)【審査官】藤井 勲
Document or reference (In Japanese)中国特許出願公開第103159945(CN,A)
特表2007-517776(JP,A)
特開2004-175894(JP,A)
特表2007-527871(JP,A)
特開平03-294292(JP,A)
Field of search IPC C08G 63/00- 64/42
C09J 1/00- 5/10
;9/00-201/10
商用DB名:CAplus/REGISTRY(STN)
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸および3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸のうちからから選ばれるいずれか1つまたは双方と、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンおよび4-ヒドロキフェニルアラニンのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方をエステル共重合化してなるポリマー。
【請求項2】
無水酢酸およびアパタイトを触媒としてエステル共重合化することを特徴とする請求項1記載のポリマーの製造方法。
【請求項3】
前記アパタイトがヒドロキシアパタイトであることを特徴とする請求項2記載のポリマーの製造方法。
【請求項4】
請求項1記載のポリマーを含有する接着組成物。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーおよびその製造方法ならびに接着組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シアノアクリレート系の瞬間接着剤やエポキシ系接着剤等が一般的な接着剤として広く知られている。
これらの接着剤は主に化石燃料由来の原料から合成されたものであり、資源の枯渇が近年の課題となっている。このため、自然界に豊富なバイオマスを利用したポリマー組成物の検討が進められている。
【0003】
本発明者らも、生分解性、高耐熱性および高接着性を併せもつバイオプラスチック接着剤の検討を種々進めている。
この中で、ヒドロカフェ酸またはその誘導体を構成するモノマーとエステル結合可能なカルボキシル基および水酸基を有するモノマーを、エステル化触媒下で無溶媒エステル交換反応して得られる共重合体は、ホットメルトタイプで使用するときの接着強度が、ガラス・炭素・鉄を用いたずり剥離試験において、工業用最強の接着剤と言われるエポキシ樹脂を凌駕する値を示すものである(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、生体の骨の接合について、通常の骨折の場合ギブスで固定し、また複雑な骨折の場合は一度金属類で固定し、治癒後にそれらを取り除く手術が施されている。
アパタイト(人工骨)と骨の接合に有効な接着剤は無く、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂を重合させて接着する方法が主に用いられている(非特許文献1参照)。但し、この場合、約80℃の反応熱を伴うため、周辺の細胞が壊死するおそれがある。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】国際公開番号W02012/102174公報
【0006】
<nplcit num="1"> <text>カスタムメイド骨接合材料の開発ガイドライン2010、平成22年11月、経済産業省</text></nplcit>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、骨接合に用いられる従来の接着剤の生体適合性が十分でない点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るポリマーは、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸および3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸のうちからから選ばれるいずれか1つまたは双方と、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンおよび4-ヒドロキフェニルアラニンのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方をエステル共重合化してなる。
【0010】
また、本発明に係るポリマーの製造方法は、上記のポリマーの製造方法であって、無水酢酸およびアパタイトを触媒としてエステル共重合化することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るポリマーの製造方法は、好ましくは、前記アパタイトがヒドロキシアパタイトであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る接着組成物は、上記のポリマーを含有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るポリマーは、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸および3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸のうちからから選ばれるいずれか1つまたは双方と、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンおよび4-ヒドロキフェニルアラニンのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方をエステル共重合化したものであるので、高い接着力を有するとともに、アルコール溶解性、特に、エタノール溶解性を有する。
また、本発明に係るポリマーの製造方法は、無水酢酸およびアパタイトを触媒としてエステル共重合化するので、製造工程が簡易である。
また、本発明に係る接着組成物は、上記のポリマーを含有するため、接着剤として生体に用いるときに、生体適合性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1はポリマーに長鎖アルキル基を導入したポリマーの反応スキームの一例を示す図である。
【図2】図2は3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを共重合化する反応スキームの例を示す図である。
【図3】図3は3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸と4-ヒドロキフェニルアラニンを共重合化する反応スキームの例を示す図である。
【図4】図4は実施例1のPoly(DOPA-co-3HPPA) について赤外分光法で構造解析した結果を示す図である。
【図5】図5はPoly(DOPA-co-3HPPA) について赤外分光法で構造解析した結果を示す図4とは別の図である。
【図6】図6はPoly(DOPA-co-3HPPA) について赤外分光法で構造解析した結果を示す図5とはさらに別の図である。
【図7】図7はPoly(DHHCA-co-Tyrosine) について赤外分光法で構造解析した結果を示す図である。
【図8】図8はPoly(DHHCA-co-Tyrosine) について赤外分光法で構造解析した結果を示す図7とは別の図である。
【図9】図9はPoly(DHHCA-co-Tyrosine) について赤外分光法で構造解析した結果を示す図8とはさらに別の図である
【図10】図10は実施例1のポリマーについて、ガラスーガラスをホットメルトで接着した接着強度結果を示す図である。
【図11】図11は、実施例1のポリマーをエタノールに溶解したものでガラスーガラスを接着した接着強度結果を示す図である。
【図12】図12は実施例1および実施例4のポリマーについて、時間経過による分解率の変化を調べた結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、以下に説明する。

【0016】
本実施の形態例に係るポリマーは、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸および3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸のうちからから選ばれるいずれか1つまたは双方と、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンおよび4-ヒドロキフェニルアラニンのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方をエステル共重合化してなる。

【0017】
共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合およびグラフト共重合のうちのいずれであってもよい。
例えば、Poly(DOPA-co-3HPPA)と略称することができるポリマーは、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(3,4-Dihydroxyphenyl alanine:略称DOPA)と3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(3-(3-Hydroxyphenyl)propionic acid:略称3HPPA)の共重合体である。DOPAは、ムール貝などに含まれる接着性アミノ酸であり、抽出可能である。本実施の形態例において、原料モノマーとしてのDOPAは市販試薬として入手することができる。3HPPAはベリー類に豊富に含まれ、抽出可能である。本実施の形態例において、原料モノマーとしての3HPPAは市販試薬として入手することができる。

【0018】
また、例えば、Poly(DHHCA-co-Tyrosine)と略称することができるポリマーは、3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸(3,4-Dihydroxyhydrocinnamic acid:略称DHHCA)とタイロジン(Tyrosine:4-Hydroxyphenil alanine チロシンともいう)の共重合体である。DHHCAは、シナモンから抽出可能である。本実施の形態例において、原料モノマーとしてのDHHCAは市販試薬として入手することができる。タイロジンは、じゃがいもから抽出可能である。本実施の形態例において、原料モノマーとしてのタイロジンは市販試薬として入手することができる。

【0019】
また、例えば、Poly(DHHCA-co-DOPA)と略称することができるポリマーは、DHHCAとDOPAの共重合体である。また、例えば、Poly(3HPPA-co- Tyrosine)と略称することができるポリマーは、3HPPAとTyrosineの共重合体である。

【0020】
本実施の形態例に係るポリマーは、いずれも、DOPAまたはTyrosineのアミノ基の存在により、アルコール可溶性が付与される。

【0021】
また、本実施の形態例に係るポリマーに長鎖アルキル基を導入したポリマーは、芳香族の剛直な主鎖を有するため、ポリマー構造の隙間に水分子が入りやすい。また、ポリマーの隙間を疎水性のアルキル基で埋めることにより、耐水性言い換えれば分解性を制御することができ、ポリマーは毒性の低いオリゴマーやモノマーに分解される。
長鎖アルキル基原料としては、デカン酸、ラウリル酸、ステアリン酸等の長鎖カルボン酸を好適に用いることができる。
本実施の形態例に係るポリマーに長鎖アルキル基を導入したポリマーの反応スキームの一例を図1に示す。

【0022】
本実施の形態例に係るポリマーは、いずれも、接着組成物として好適に用いることができる。特に、これらのポリマーは、アルコール可溶性、特にエタノール可溶性を有するため、エタノールに溶解して、例えば骨を接合するときの接着剤として用いると、常温で取り扱うことができるため、生体へ損傷を与えるおそれが少なく、生体適合性(生体親和性といってもよい。)に優れる。

【0023】
また、本実施の形態例に係るポリマーに長鎖アルキル基を導入したポリマーは、いずれも、接着組成物として好適に用いることができる。これらのポリマーは、例えば骨を接合するときの接着剤として用いると、生体内で長期間分解されないことが期待できる。

【0024】
以上説明した本実施の形態例に係るポリマーを好適に得ることができる本実施の形態例に係るポリマーの製造方法について、以下に説明する。

【0025】
本実施の形態例に係るポリマーの製造方法は、上記のポリマーの製造方法であって、3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸および3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸のうちからから選ばれるいずれか1つまたは双方と、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンおよび4-ヒドロキフェニルアラニンうちから選ばれるいずれか1つまたは双方を、無水酢酸およびアパタイトを触媒としてエステル共重合化する。

【0026】
共重合方法は、任意の方法を採用することができるが、塊状重合法または溶液重合法が好ましく、このうち塊状重合法がより好ましい。
例えば、塊状重合法の場合、原料モノマーを必要に応じてアセチル化した後、エステル化反応する。
反応温度は、好ましくは100~300℃、より好ましくは150~200℃である。反応時間は、好ましくは3~30時間、より好ましくは12~24時間である。
3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンを共重合化する反応スキームの例を図2に、および3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸と4-ヒドロキフェニルアラニンを共重合化する反応スキームの例を図3に、それぞれ例示する。

【0027】
DOPAおよびTyrosineのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方と3HPPAおよびDHHCAののうちから選ばれるいずれか1つまたは双方の配合比率は、質量比で、好ましくは、DOPAおよびTyrosineのうちから選ばれるいずれか1つまたは双方:3HPPAおよびDHHCAののうちから選ばれるいずれか1つまたは双方=10:90~90:10である。
エステル化触媒として用いる無水酢酸およびアパタイトの量は、原料モノマーの総量100質量部に対して、好ましくは0.01~10質量部、より好ましくは0.1~1質量部である。アパタイトとしてヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)を用いることは、好適な実施態様である。

【0028】
本実施の形態例に係るポリマーの製造方法は、ポリマーをワンポイント・ツーステップのシンプルな方法で得ることができる。
【実施例】
【0029】
以下、本発明の実施例について説明する。本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
<ポリマーの製造>
(実施例1)
Poly(DOPA-co-3HPPA)の製造
3,(3、4-ジヒドロキシフェニル)—L—アラニン(DOPA)(東京化成工業株式会社製、商品コード:YBO8E)3.6gと3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(AK Scientific社製、商品コード:MFCD00002598)13.3gの混合物に無水酢酸10gおよびヒドロキシアパタイト(純正化学株式会社製、商品コード:59272-1606)0.2gを加え、常圧、150℃の温度で2時間加熱し、3,(3、4-ジヒドロキシフェニル—L—アラニン(DOPA)およびL-Tyrosineをアセチル化した。ついで、500Pa以下の真空引き条件下で180℃の温度で20時間さらに加熱し、エステル共重合化した。
(実施例2)
Poly(DHHCA-co-Tyrosine)の製造
3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸(Sigma-Aldrich社製、商品コード:102601)3.6gとL-Tyrosine(Wako社製、商品コード:WEG2496)13.3gの混合物に無水酢酸10gおよびヒドロキシアパタイト(純正化学株式会社製、商品コード:59272-1606)0.2gを加え、常圧、150℃の温度で2時間加熱し、3,4-ジヒドロキシヒドロ桂皮酸およびL-Tyrosineをアセチル化した。ついで、500Pa以下の真空引き条件下で180℃の温度で20時間さらに加熱し、エステル共重合化した。
(実施例3)
Poly(DOPA-co-Tyrosine)の製造
3,(3、4-ジヒドロキシフェニル)—L—アラニン(DOPA)(東京化成工業株式会社製、商品コード:MFCD00002598)3.6gとL-Tyrosine(Wako社製、商品コード:WEG2496)13.3gの混合物に無水酢酸10gおよびヒドロキシアパタイト(純正化学株式会社製、商品コード:59272-1606)0.2gを加え、常圧、150℃の温度で2時間加熱し、3,(3、4-ジヒドロキシフェニル—L—アラニン(DOPA)およびL-Tyrosineをアセチル化した。ついで、500Pa以下の真空引き条件下で180℃の温度で20時間さらに加熱し、エステル共重合化した。
【実施例】
【0031】
(実施例4)
アルキル基導入例
実施例1で製造した各ポリマー1gに対して、界面活性剤であるラウリル酸(純正化学株式会社製、商品コード:81071-9001)を0.05g加え、500Pa以下の真空引き条件下で180℃で5時間加熱し、エステル共重合化した。
【実施例】
【0032】
<ポリマーの構造解析>
実施例1、2で製造したポリマーについて赤外分光法で構造解析した結果を、実施例1のポリマーについて図4~図6に、実施例2のポリマーについて図7~図9に、それぞれ示す。
【実施例】
【0033】
<ポリマーの接着性能評価>
実施例1のポリマーについて、ガラスーガラスをホットメルトで接着した結果を図10に示す。また、実施例1のポリマー1gをエタノール5gに溶解したものでガラスーガラスを接着した結果を図11に示す。図10、11中、横軸のDisplacementは接着部位の変位長さを示す。
接着強度は、ホットメルトの場合で接着強度は10~15MPaの範囲であり、エタノール溶解の場合で1~10MPaの範囲である。
【実施例】
【0034】
<ポリマーの耐水性能評価>
実施例4のポリマーについて、時間経過による分解率の変化を調べた結果を図12に示す。比較として実施例1のポリマーの結果を併せて示す。実施例4のポリマーは実施例1のポリマーに比べて分解による減少率が大幅に抑制されていることが分かる。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3
(In Japanese)【図5】
4
(In Japanese)【図6】
5
(In Japanese)【図7】
6
(In Japanese)【図8】
7
(In Japanese)【図9】
8
(In Japanese)【図10】
9
(In Japanese)【図11】
10
(In Japanese)【図12】
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