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明細書 :摩擦摩耗試験機

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-119803 (P2018-119803A)
公開日 平成30年8月2日(2018.8.2)
発明の名称または考案の名称 摩擦摩耗試験機
国際特許分類 G01N  19/02        (2006.01)
FI G01N 19/02 C
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 6
出願番号 特願2017-009447 (P2017-009447)
出願日 平成29年1月23日(2017.1.23)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り 1.発行日 平成28年9月10日,「日本機械学会2016年度年次大会 DVD講演論文集 J0260102」,一般社団法人 日本機械学会 2.開催日 平成28年9月12日,「日本機械学会2016年度年次大会」,九州大学 伊都キャンパス 3.発行日 平成28年10月3日,「トライボロジー会議 2016 秋 新潟 予稿集」 第442~443頁 E39,一般社団法人 日本トライボロジー学会 4.開催日 平成28年10月14日,「トライボロジー会議 2016 秋 新潟」朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
発明者または考案者 【氏名】岩井 智昭
【氏名】赤池 豊
【氏名】西堀 淳
出願人 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
審査請求 未請求
要約 【課題】試験信頼性が高く、簡単な構造からなる摩擦摩耗試験機の提供を目的とする。
【解決手段】試験片を保持するホルダー部と、前記試験片に摺接する摩擦部材とを備え、前記試験片と前記摩擦部材とを相対的に往復運動又は回転運動させるための運動機構と、前記試験片と前記摩擦部材との摺接状態と離間状態とを機械的に切り換えるための切換機構とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
試験片を保持するホルダー部と、前記試験片に摺接する摩擦部材とを備え、
前記試験片と前記摩擦部材とを相対的に往復運動又は回転運動させるための運動機構と、
前記試験片と前記摩擦部材との摺接状態と離間状態とを機械的に切り換えるための切換機構とを有することを特徴とする摩擦摩耗試験機。
【請求項2】
前記切換機構は倣い機構又はカム機構であることを特徴とする請求項1記載の摩擦摩耗試験機。
【請求項3】
摩擦係数の計測手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の摩擦摩耗試験機。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の摩擦摩耗試験機に関し、特に摩擦面の潤滑切れ防止構造に係る。
【背景技術】
【0002】
材料の摩擦摩耗試験は、試験片を相手面に押し当て相対運動させる摩耗試験であるが、摩擦面を無潤滑で行う乾式と、摩擦面に水,油等の潤滑剤を供給して行う湿式とがある。
一般的に乾式は、摩擦面の摩耗が安定しない。
これに対して、潤滑性液体を用いた潤滑下の湿式摩擦試験では、摩擦面の異常発熱を抑え、摩耗量の再現性が高い。
しかし、従来の摩擦摩耗試験では試験片を相手面に常に接触させた状態で、相対的な往復運動又は回転運動させるために摩擦面から潤滑剤が排除され、枯渇潤滑状態になりやすく、再現性の高い正しい摩耗試験結果が得られない課題があった。
【0003】
特許文献1には、摩擦係数測定装置ではあるものの、第5図に案内板19に設けられたパターン設定カム20bを有するスライド面のパターン設定構造を開示する。
しかし、同公報の第3図を見ると明らかなように、両側の支柱16a,16bに門構え状に固定されたガイドシャフト15a,15bに固定した本体支柱14を有し、この本体支柱14に対して上下動するアーム10に、摩擦係数を測定するための工具3が固定されている。
このことから、工具3はパターン設定カム20bに沿って直接上下動するものではなく、このパターン設定カム20bの形状をセンサー等にて検出し、その電気信号によりベロフラムシリンダーが伸縮するものと認められ、機械的に直接接触パターンを制御するものではなく、電気的な複雑な制御である。
よって、上下の機械的構造も複雑となっている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】実開昭63-90148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、試験信頼性が高く、簡単な構造からなる摩擦摩耗試験機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る摩擦摩耗試験機は、試験片を保持するホルダー部と、前記試験片に摺接する摩擦部材とを備え、前記試験片と前記摩擦部材とを相対的に往復運動又は回転運動させるための運動機構と、前記試験片と前記摩擦部材との摺接状態と離間状態とを機械的に切り換えるための切換機構とを有することを特徴とする。
【0007】
ここで、摺接状態と離間状態とを機械的に切り換えるとは、電気的駆動部を有することなく、その相互の機械的要素の接触又は離間により、試験片と摩擦部材とが接触状態と離間状態とに切り換わることをいう。
例えば、切換機構は倣い機構又はカム機構である例が挙げられる。
ここで倣い機構とは、一方の機械的要素に設けた案内部(ガイド部)に沿って、他方の機械的要素が移動することをいう。
【0008】
本発明においては、摩擦係数の計測手段を有してもよく、その場合には摩擦力を測定する部位に影響がない位置に前記切換機構を有しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、試験片と摩擦部材との接触面が簡便に且つ機械的に分離(離間)と接触を繰り返すので、分離状態のときに潤滑剤がその濡れ性等により摩擦面に供給されるので、安定した摩耗試験結果が得られる。
切換機構として倣い部材,カム等を用いた場合に、これらの形状,設置位置を変えることで、潤滑剤の供給タイミングを簡便に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る摩擦摩耗試験機の構造例を示す。
【図2】摩擦部の拡大図を示す。
【図3】往復運動の動きを示し、(a)は試験片が摩擦部材に摺接した状態、(b)は離間した状態を示す。
【図4】転がり摩耗の例を示す。
【図5】ピンオンディスク摩耗の例を示す。
【図6】リングオンディスク摩耗の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明を適用した往復運動式摩擦摩耗試験機の構造例を示す。
図2は、摩擦部の拡大図を示す。
往復運動する部分は、ベース部11の上部側にスライド12を設けてある。
ベース部11とスライド12との間には、一方にLMレール,他方にLMブロック等、公知のLMガイド機構が採用されており、ベース部11内に駆動部を有する。
スライド12には、摩擦部材21を取り付けるための取付部13を有し、この取付部13の摩擦部材21の取り付け位置から離れた位置に、機械要素としての倣い部材32を固定した固定部31をこの取付部13の側面に連結してある。
ここで摩擦部材21は、試験片22の摩耗量を評価するための相手材である。

【0012】
往復運動しない部分は、2本の支柱19を立設し、この支柱19の上部に設けた左右一対のシャフト受け部19a間に架け渡すように、支持シャフト16aを回動自在に装着してある。
支持シャフト16aの中央部には、ブロック状の支持部16を固定連結してある。
支持部16の両側から水平方向に延在させた一対の弾性材からなる摩擦力検出部17を取り付け、この一対の摩擦力検出部17の他端側にホルダー部14を連結してある。
ホルダー部14の下部には、図2,3に示すように試験片装着部14aを設け、試験片22を着脱できるようになっている。
支持部16から摩擦力検出部17に影響を与えないように、ウエイト保持部15を延在させてあり、試験片22に摩擦部材21に向けて所定の押圧荷重がかかるようにウエイト15aを装着できるようになっている。
本実施例は、ピン部15bにした例になっている。
試験片22の装着位置から離れた位置に、機械要素である摺動部材としてのベアリング33を支持部16側からあるいは、ウエイト保持部15側を介して取り付けてある。
これによりホルダー部14は、支持シャフト16aを回動中心として上下方向に回動自在になっている。
そこで本実施例は、ウエイト15aを載せない状態ではホルダー部14及びウエイト保持部15が水平状態になるように、バランサー18を図1では支持部の裏面側(ホルダー部の反対側)に、バランス調整可能に取り付けた例になっている。
これにより、ウエイト15aの重さがそのまま試験片への荷重となる。
また、摩擦力検出部17には図示を省略した、歪みゲージを取り付けることで、試験片22が摩擦部材21の表面を摺接移動しはじめ、あるいは摺接移動中の水平方向の力(摩擦力)を検出することができ、ウエイト15aの値から静摩擦係数,動摩擦係数等が測定できる。

【0013】
次に、図3に基づいて摩擦摩耗試験機の動きを説明する。
図3(a)の状態では、ホルダー14の試験片装着部14aに装着した試験片22には、ウエイト15aの荷重が負荷された状態で摩擦部材21に接触し、スライド12の左右方向の往復運動により、この摩擦部材21も往復運動する。
図3では分かりやすくするために取付部13を省略して、摩擦部材21を模式的に表現してあるが、手前側に試験片22と摩擦部材21が位置し、その奥側に少し離れて倣い部材32とベアリング33とが位置している。
本実施例では、摩擦部材21の形状を逆台形にて表現してあるが、これに限定されるものではない。
図3(a)の状態から摩擦部材21が左側に移動すると、図3(b)に示すようにベアリング33が倣い部材32の外側方向が上側に位置する傾斜面(倣い面)32aに沿って上昇し、これに伴い試験片21の摩擦面が摩擦部材21の表面から離れ、この間に潤滑剤がその濡れ性により、摩擦部材21の摩擦部に供給される。
図3(b)が往路とすると、次の復路の工程にてベアリング33が倣い部材32から離れ、試験片22の摩擦面は潤滑剤が供給された摩擦部材21の表面に接触する。
よって、試験片22と摩擦部材21とが接触と離間を繰り返しながら往復運動することになり、摩耗試験の信頼性が向上する。
なお、本実施例は摩擦部材が往復運動した例になっているが、試験片側が往復運動してもよい。

【0014】
本発明は、往復運動摩擦摩耗試験に限定されるものではなく、図4は転がり摩耗試験に適用した例である。
摩擦部材121と試験片122とが回転しながら相互に接触する摩耗試験方法であるが、摩擦部材と試験片との一方に、同軸上にカム132と他方に同軸上のベアリング等の摺動部材133とを設けることで、2つの回転体が接触と離間を繰り返す。
図5は、ピンオンディスクタイプであり、ディスク側の外周部に沿ってカム232を設け、試験片222を装着したホルダー114側にカム形状に沿って上下方向に移動する摺動部材233を設けた例である。
図6は、リングオンディスクタイプを示し、回転するディスク321の表面にカム部332を取り付けることで、試験片322を摺動部材(ベアリング)333と連動させ、接触と離間を繰り返すようにした例である。
このように本発明は、各種構造の摩擦摩耗試験機に適用できる。
【符号の説明】
【0015】
11 ベース部
12 スライド
13 取付部
14 ホルダー部
15 ウエイト保持部
15a ウエイト部
16 支持部
16a 支持シャフト
17 摩擦力検出部
18 バランサー
19 支柱
19a シャフト受け部
21 摩擦部材
22 試験片
31 固定部
32 倣い部材
33 ベアリング
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5