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明細書 :MFS型の電界効果トランジスタ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-157076 (P2018-157076A)
公開日 平成30年10月4日(2018.10.4)
発明の名称または考案の名称 MFS型の電界効果トランジスタ
国際特許分類 H01L  21/336       (2006.01)
H01L  29/788       (2006.01)
H01L  29/792       (2006.01)
H01L  27/11585     (2017.01)
H01L  29/78        (2006.01)
FI H01L 29/78 371
H01L 27/11585
H01L 29/78 301B
請求項の数または発明の数 4
出願形態 OL
全頁数 6
出願番号 特願2017-052989 (P2017-052989)
出願日 平成29年3月17日(2017.3.17)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第2項適用申請有り 1.発行日:平成28年12月10日,刊行物:平成28年度応用物理学会北陸・信越支部学術講演会講演予稿集 第57頁 C07,平成28年度応用物理学会北陸・信越支部学術講演プログラム編集委員会 2.開催日:平成28年12月10日,集会名,開催場所:平成28年度応用物理学会北陸・信越支部学術講演会,富山県民会館(富山県富山市新総曲輪4-18) 3.発行日:平成29年3月1日,刊行物:2017年<第64回>応用物理学会春季学術講演会[講演予稿集]14p-412-12,公益社団法人応用物理学会 4.開催日:平成29年3月14日(開催期間:平成29年3月14~17日),集会名,開催場所:2017年第64回応用物理学会春季学術講演会,パシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい1丁目1-1)
発明者または考案者 【氏名】川江 健
【氏名】徳田 規夫
【氏名】松本 翼
【氏名】馬場 一気
【氏名】柄谷 涼太
【氏名】中嶋 宇史
出願人 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
審査請求 未請求
テーマコード 5F083
5F101
5F140
Fターム 5F083FR05
5F083GA02
5F083HA10
5F101BA62
5F101BD02
5F101BD12
5F140AA05
5F140AC02
5F140BA04
5F140BD04
要約 【課題】ドーパントとしてホウ素を用いたダイヤモンドの上に強誘電体を絶縁膜としてゲート電極を形成した電界効果トランジスタの提供を目的とする。
【解決手段】ドーパントとしてホウ素を用いたボロンドープダイヤモンドの上に、ゲート絶縁膜として強誘電体が用いられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲 【請求項1】
ドーパントとしてホウ素を用いたボロンドープダイヤモンドの上に、ゲート絶縁膜として強誘電体が用いられていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記ボロンドープダイヤモンドの表面がOH終端化されていることを特徴とする請求項1記載の電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記ボロンドープダイヤモンドの上にソース電極とドレイン電極とが形成されており、
前記OH終端化されたダイヤモンド表面に前記強誘電体の薄膜が積層されており、
前記強誘電体の薄膜上にゲート電極が形成されていること特徴とする請求項2記載の電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記強誘電体は、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体薄膜であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、強誘電体をゲート絶縁体として用いた電界効果トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンドは絶縁破壊電界、熱伝導率などにおいて非常に優れた物性を有することから次世代パワーデバイスへの応用研究が盛んに行われており、これまでに高いon/off比を有する反転層チャネルMOSFET構造等が報告されている(非特許文献1)。
しかし、ダイヤモンドは室温におけるキャリア活性化率が低いため、従来のFET構造において高いドレイン電流密度を得ることは容易ではない。
そこで我々はMISFET構造のゲート絶縁膜として強誘電体を用いることを検討し本発明に至った。
強誘電体は非常に大きな自発分極を持つことから、通常の絶縁体を上回る高濃度なキャリア誘起が期待される。
非特許文献2には、低濃度ボロンドープダイヤモンドをチャネルとしたMESFETが開示されているが最大ドレイン電流密度等のFET特性が充分とは言えないものである。
【先行技術文献】
【0003】

【非特許文献1】T.Matsumoto et al.,Sci.Rep.,6,31585(2016)
【非特許文献2】H.Umezawa et al.,IEEE Electron Device Lett.,35,6910291(2014)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ドーパントとしてホウ素を用いたダイヤモンドの上に強誘電体を絶縁膜としてゲート電極を形成した電界効果トランジスタの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電界効果トランジスタは、ドーパントとしてホウ素を用いたボロンドープダイヤモンドの上に、ゲート絶縁膜として強誘電体が用いられていることを特徴とする。
ここで、前記ボロンドープダイヤモンドの表面がOH終端化されているのが好ましい。
【0006】
例えば、前記ボロンドープダイヤモンドの上にソース電極とドレイン電極とが形成されており、前記OH終端化されたダイヤモンド表面に前記強誘電体の薄膜が積層されており、前記強誘電体の薄膜上にゲート電極が形成されている形態が例として挙げられる。
【0007】
本発明に用いる強誘電体とは、自発分極能を有するものであれば限定されないが、ダイヤモンドの表面に低温で積層できる点で、フッ素系の有機薄膜が好ましい。
例えば、フッ化ビニリデン(VDF)と三フッ化エチレン(TrFE)との共重合体薄膜が例として挙げられる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るFETはデプレッション型のpチャネルFET動作を示し、非特許文献2に記載のMESFETと比較すると、室温での観測値は約10倍の最大ドレイン電流密度を示した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るMFSFETの構造を示す。
【図2】評価に用いたFETを示す。(a)は光学顕微鏡像を示し、(b)は構造の模式図を示す。
【図3】ゲートリーク電流特性を示す。
【図4】P-V特性を示す。
【図5】C-V特性を示す。
【図6】IDS-VDS特性を示す。
【図7】IDS-V特性を示す。
【図8】インバータ特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る電界効果トランジスタ(FET)の基本構造例を図1の模式図に示し、評価に用いたサンプルの構造を図2に示す。
ダイヤモンド(111)基板の上に、大気中に存在するホウ素を不純物源として、プラズマCVD法により低濃度のボロンド-プダイヤモンドの薄膜をエピタキシャル成長させた。
次に真空蒸着法を用いてAuからなるソース電極とドレイン電極を形成した。
次にHO雰囲気,500℃,60minのアニール処理を行い、ダイヤモンドの表面をOH終端化処理した。
次にスピンコート法を用いてフッ化ビニリデン・三フッ化エチレン共重合体からなる強誘電体P(VDF-TrFE)の薄膜を形成した。
なお、窒素雰囲気、120℃,20minのアニール処理をした。
膜厚は約150nmであった。
上記にて形成したP(VDF-TrFE)薄膜の上に真空蒸着法にてAuからなるゲート電極を形成した。
なお、ゲート長さ:5μm、チャネル長さ:15μmであった。

【0011】
このようにして製作したサンプルにて各特性を評価したので以下、説明する。
図3にゲートリーク電流特性の測定結果を示し、約±20Vまではリーク電流が10-5A/cmオーダー未満であった。
図4にP-V特性の測定結果を示す。
空乏層に起因すると推定された非対称性のヒステリシスループを示した。
図5にC-V特性の測定結果を示す。
これらのことから、ボロンドープダイヤモンド上に形成したP(VDF-TrFE)薄膜が良好な強誘電体として機能していることが確認された。
なお、算出したP(VDF-TrFE)の比誘電率は6.8であった。

【0012】
次にゲート電圧を変化させたIDS-VDS特性の測定結果を図6に示し、IDS-V特性の測定結果を図7に示す。
このことからデプレッション型のpチャネルFETとして動作していることを確認できた。
最大ドレイン電流密度:0.87mA/mm,VDS=-30Vにおける最大電流on/off比は10倍であった。
また、図8に示すようにインバータとして動作していることも確認できた。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
6
【図8】
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