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明細書 :肝組織修復剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-145096 (P2018-145096A)
公開日 平成30年9月20日(2018.9.20)
発明の名称または考案の名称 肝組織修復剤
国際特許分類 A61K  35/35        (2015.01)
A61P   1/16        (2006.01)
FI A61K 35/35
A61P 1/16
請求項の数または発明の数 5
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2017-037897 (P2017-037897)
出願日 平成29年3月1日(2017.3.1)
発明者または考案者 【氏名】酒井 佳夫
【氏名】金子 周一
【氏名】餅田 初音
出願人 【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100088904、【弁理士】、【氏名又は名称】庄司 隆
【識別番号】100124453、【弁理士】、【氏名又は名称】資延 由利子
【識別番号】100135208、【弁理士】、【氏名又は名称】大杉 卓也
【識別番号】100152319、【弁理士】、【氏名又は名称】曽我 亜紀
審査請求 未請求
テーマコード 4C087
Fターム 4C087AA01
4C087AA02
4C087BB63
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZA75
4C087ZB21
要約 【課題】肝組織を修復できる肝組織修復剤を提供する。
【解決手段】脂肪組織由来間質細胞群が肝組織障害部位を修復して、さらに肝細胞に分化することを確認し、該細胞群を含む肝組織修復剤を完成した。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
内皮細胞及び血球系細胞を含む脂肪組織由来間質細胞群を含む肝組織修復剤。

【請求項2】
内皮細胞、血球系細胞、線維芽細胞、血管周囲細胞及び平滑筋細胞を含む脂肪組織由来間質細胞群を含む請求項1に記載の肝組織修復剤。

【請求項3】
前記修復は、肝組織が創生されることである請求項1又は2に記載の肝組織修復剤。

【請求項4】
前記肝組織修復剤が、急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、劇症肝不全、又は急性肝不全用である請求項1~3のいずれか1に記載の肝組織修復剤。

【請求項5】
前記脂肪組織由来間質細胞群は、非培養脂肪組織由来間質細胞群である請求項1~4のいずれか1に記載の肝組織修復剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪組織由来間質細胞群を含む肝組織修復剤に関する。
【0002】
(肝臓及びその疾患)
肝臓は、身体に必要な物質を合成し、老廃物を排泄するなど、生命活動にとって重要な臓器である。
しかし、肝臓は、ウイルス、薬物、アルコール等の原因により、急性及び慢性的に障害を受け、肝炎、肝硬変、肝癌等の肝疾患を起こす。
【0003】
(急性肝炎)
急性肝炎は、ほとんどがウイルス(特に肝炎ウイルス)の感染により起こる。ウイルスの種類により、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、及びその他のウイルスによる肝炎に分類される。
日本における急性肝炎の年間発生は、約35万人といわれており、その内訳はA型肝炎10万人、B型肝炎10万人、C型肝炎14万人であり、D型肝炎とE型肝炎は僅かである。
【0004】
(劇症肝炎)
劇症肝炎は、肝臓の肝細胞が急激かつ大量に壊れることによって、肝機能が低下していく疾患である。なお、肝機能が低下すると、血液を固めるために必要な凝固因子の産出が低下し、また、老廃物の蓄積により意識障害(肝性脳症)が出現する。
劇症肝炎の症状は、発熱、全身のだるさ、吐き気、食欲不振等の急性肝炎と同じ症状である。さらに、該症状が現れてから約8週間以内に、肝性脳症が見られ、血液中の凝固因子濃度がある一定値以下になった場合には、劇症肝炎と診断する。劇症肝炎では、肝臓の組織が大量に壊れるために、肝細胞の増殖が遅れて肝再生が十分生じない場合がある。
日本における劇症肝炎の年間発生は、約400人と推定される。
【0005】
(慢性肝疾患)
慢性肝疾患では、肝内炎症と肝細胞障害が持続し、それに伴い肝線維化が進展し、終末状態では肝硬変に至る(参照:非特許文献1)。肝硬変では、門脈圧亢進症による食道静脈瘤破裂など様々な重篤な合併症発症、さらに肝不全へ進行する。また、肝硬変は肝細胞癌発生の高危険状態である。これらのため、肝硬変では、生活の質の著しい低下、予後の悪化が大きな問題である。慢性肝疾患には、B型、C型ウイルス肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎等がある。
【0006】
(非アルコール性脂肪性肝疾患)
非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD:nonalcoholic fatty liver disease) は、アルコールの飲酒歴がないにも関わらず、アルコール性肝炎類似の大滴性の脂肪沈着を呈する疾患である。該疾患には、肝炎を伴わない単純性脂肪肝(SS:simple steatosis)と、炎症や肝細胞障害を伴い肝硬変へ進展する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:non alcoholic steatohepatitis) が含まれる。肥満・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がNASHの病態に関与していることが示唆されている。
近年、生活習慣病増加に伴い慢性肝疾患に占めるNASHの割合が増加している。現在のところNASHの発症、病態進展の機序が明らかにされておらず、NASH発症予防、NASHから肝硬変への進展の抑制や、肝発癌を抑制する確立した予防・治療法はない。
【0007】
(先行技術)
以下の先行技術が知られている。
特許文献1は、「肝細胞を含み、生体の肝臓切離面に移植して肝組織を再生するための製剤」を開示している。
特許文献2は、「肝細胞増殖因子を有効成分とする移植肝機能改善・再生促進剤」を開示している。
特許文献3は、「肝不全の治療におけるおよび/またはアポトーシスに対する肝細胞の保護のためのおよび/または肝細胞の再生のための薬剤として用いるための、配列番号1204のmRNAによってコードされるMKK4の活性の阻害剤である化合物」を開示している。
特許文献4は、「ベタインを有効成分に含む肝の再生を促進する薬学的組成物」を開示している。
しかしながら、上記いずれの文献も、脂肪組織間質細胞群を含む肝組織修復剤を開示又は示唆をしていない。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】特開2016-209303号公報
【特許文献2】特開平10-194986号公報
【特許文献3】特表2014-511690号公報
【特許文献4】特表2013-503156号公報
【0009】

【非特許文献1】Amico,G.D. et al. Natural history and prognostic indicators of survival incirrhosis: A systematic review of 118 studies.44, 217-231 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明では、肝組織を修復できる肝組織修復剤を開発することを目的とした。
【0011】
本発明者らは、上記課題を解決するために、脂肪組織由来間質細胞群に注目した。
そして、本発明者らは、脂肪組織由来間質細胞群が肝組織障害部位を修復して、さらに肝細胞に分化することを確認し、該細胞群を含む肝組織修復剤を完成した。
【0012】
本発明は以下からなる。
「1.内皮細胞及び血球系細胞を含む脂肪組織由来間質細胞群を含む肝組織修復剤。
2.内皮細胞、血球系細胞、線維芽細胞、血管周囲細胞及び平滑筋細胞を含む脂肪組織由来間質細胞群を含む前項1に記載の肝組織修復剤。
3.前記修復は、肝組織が創生されることである前項1又は2に記載の肝組織修復剤。
4.前記肝組織修復剤が、急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、劇症肝不全、又は急性肝不全用である前項1~3のいずれか1に記載の肝組織修復剤。
5.前記脂肪組織由来間質細胞群は、非培養脂肪組織由来間質細胞群である前項1~4のいずれか1に記載の肝組織修復剤。」
【発明の効果】
【0013】
本発明の肝組織修復剤は、肝組織を修復できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】各マウスの脂肪組織由来間質細胞投与後1日、7日、14日及び28日の肉眼所見
【図2】マウスの脂肪組織由来間質細胞投与後28日のHE染色
【図3】マウスの脂肪組織由来間質細胞投与後28日のGFP染色
【図4】マウスの脂肪組織由来間質細胞投与後28日のCK8染色、CK18染色及びCK19染色
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明の対象)
本発明は、肝組織修復剤を対象とする。
本発明での肝組織とは、毛細胆管、門脈、肝静脈、及び/又は肝動脈を有する複数の肝細胞の集合体を意味する。
本発明での肝組織修復とは、肝組織がなんらかの理由(例えば、肝炎、肝毒性物質等)により肝組織が有する機能、構造が欠失、欠損、喪失、消失した場合(例、肝組織障害、ネクローシス等)において、本来の機能・構造に戻す(再生)、又は本来の機能・構造を100とした場合において、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上回復(再生)することを意味するだけでなく、新しい肝組織が創生することも意味する。

【0016】
(肝組織修復剤)
本発明の肝組織修復剤は、少なくとも、内皮細胞、血球系細胞を含む脂肪組織由来間質細胞群、より好ましくは、内皮細胞、血球系細胞、線維芽細胞、血管周囲細胞、平滑筋細胞を含む脂肪組織由来間質細胞群を含む。
なお、脂肪組織由来間質細胞群は、好ましくは、自家性又は同系である。自家性脂肪組織由来間質細胞群とは、投与対象から得られた脂肪組織由来間質細胞群を意味する。また、同系脂肪組織由来間質細胞群とは、投与対象と同じ種から得られた脂肪組織由来間質細胞群を意味する。例えば、投与対象がヒトであるなら、同系脂肪組織由来間質細胞群は投与対象以外のヒトから得られる。

【0017】
(脂肪組織由来間質細胞群)
本発明の脂肪組織由来間質細胞群とは、分取した脂肪組織を酵素処理(好ましくは、コラゲナーゼ処理)して得られた細胞群を意味する。
脂肪組織由来間質細胞群は、少なくとも内皮細胞、血球系細胞を含み、好ましくは、内皮細胞、血球系細胞、線維芽細胞、血管周囲細胞、平滑筋細胞を含む。
本発明の肝組織修復剤では、取得した脂肪組織由来間質細胞群を自体公知の培養方法により培養しない非培養脂肪組織由来間質細胞群が好ましい。

【0018】
(肝組織修復剤の適用対象)
本発明の肝組織修復剤の適用対象は、急性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎(B型、C型ウイルス肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎)、劇症肝不全、急性肝不全、先天性肝代謝異常等である。
さらに、本発明の肝組織修復剤は、各種の肝炎予防にも利用できる。

【0019】
(肝組織修復剤の治療対象)
本発明の肝組織修復剤の治療対象は、哺乳動物を包括的に含む。哺乳動物の例として、ヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル等であるが、特に限定されない。

【0020】
(肝組織修復剤に含まれる生理活性物質)
本発明の肝組織修復剤には、生理活性物質が含まれていても良い。生理活性物質は、例えば、タンパク質、ポリペプチド、多糖(例えばヘパリン)、オリゴ糖、単糖、二糖、有機化合物、有機金属化合物、又は無機化合物等が挙げられるが特に限定されない。より詳しくは、生物学的に活性な分子、例えば、ホルモン、増殖因子、増殖因子産生ウイルス、増殖因子阻害薬、増殖因子受容体、抗炎症薬、代謝拮抗薬、インテグリン遮断薬、又はセンス遺伝子若しくはアンチセンス遺伝子等が挙げられる。
さらにより詳しくは、増殖因子の例としては、白血病阻害因子(LIF)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、トランスフォーミング増殖因子-ベータ(TGF-β)、インスリン様増殖因子(IGF)、および血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、ヒト成長ホルモン、血小板誘発増殖因子(PDGF)、インターロイキン、サイトカイン、又はそれらの組み合わせ等が挙げられる。

【0021】
(肝組織修復剤に含まれる免疫抑制剤)
本発明の肝組織修復剤には、免疫抑制剤が含まれていても良い。例えば、自家性ではない脂肪組織由来間質細胞群を含む肝組織修復剤の場合には、免疫拒絶反応を抑えるために、好ましくは免疫抑制剤を含める。

【0022】
(肝組織修復剤に含まれる担体)
本発明の肝組織修復剤には、担体が含まれていても良い。担体の例としては、生理食塩水、溶媒、分散培地、細胞培養液、水溶性緩衝、抗酸化剤等が挙げられるが特に限定されない。

【0023】
(肝組織修復剤の投与形態)
本発明の肝組織修復剤の投与経路は特に限定されない。例えば、静脈内注射、動脈内注射、門脈内注射、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、又は腹腔内注射等を利用することができる。
また、本発明の肝組織修復剤の投与量は、例えば、1回の1治療部位当たり約1×102~1×1015個の脂肪組織由来間質細胞群を該治療部位に投与できるが、特に限定されない。

【0024】
(脂肪組織由来間質細胞群の調製方法)
本発明の脂肪組織由来間質細胞群の調製方法を以下に記載するが、特に限定されない。
脂肪組織(皮下脂肪、内臓脂肪、筋肉内脂肪、筋肉間脂肪)を動物から切除、吸引などの手段で採取する。免疫拒絶を回避するため、治療対象と同一の個体から脂肪組織を採取することが好ましい。
採取した脂肪組織は、必要に応じて、付着した血液成分の除去及び細片化を経た後、酵素処理に供される。酵素処理は、脂肪組織をコラゲナーゼ、トリプシン、ディスパーゼ等の酵素によって消化する。
なお、脂肪組織を適当な緩衝液や培養液中で洗浄することによって血液成分等を除去することができる。
加えて、必要に応じて、初代間質細胞群を、自体公知の培養液(例、抗真菌および抗生物質を含む10%FBS添加DMEM/F12(1:1)培養液)で培養し、非選択的に継代培養増殖を行うことで、培養脂肪組織由来間質細胞群を得ることができる。

【0025】
(脂肪組織由来間質細胞群の調製方法の例)
脂肪組織由来間質細胞群の調製方法の具体例を以下に示すが、特に限定されない。
ヒトから採取した脂肪を、緩衝液を含有する培養皿に置き、洗浄し、さらに別の緩衝液を含有する培養皿に移す。該脂肪を微細な小片に刻み、2mg/mLコラゲナーゼIを用いて数時間、約30~39℃で消化する。消化済みの脂肪の懸濁液をDMEM-10(DMEM+10%FBS+1%ペニシリン/アンピリシン)中で洗浄する。そして、消化されなかった脂肪組織を除去し、細胞ペレットを5mLのDMEM-10中に懸濁させる。さらに、脂肪細胞懸濁液を、フィルターメッシュに通し、大きな粒子および凝集塊を除去して、脂肪組織由来間質細胞群を得る。

【0026】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
(脂肪組織由来間質細胞群の調製方法)
マウスの脂肪より脂肪組織由来間質細胞群を調製した。詳細は、以下の通りである。
C57Bl/6マウス(オス)を安楽死させ、鼡径部皮下脂肪組織を鈍的に剥離採取し、緩衝液を含有する培養皿に浸し洗浄し、さらに別の緩衝液を含有する培養皿に移した。該脂肪組織を細切し、0.15%コラゲナーゼIにて最大30分、37℃にて酵素処理し、10% FBS添加DMEM/F12(1:1) 溶液へ懸濁し、フィルターメッシュ(100μm)に通した後、遠心分離にて沈降させ、初代脂肪組織由来間質細胞群(非培養脂肪組織由来間質細胞群)を得た。
【実施例2】
【0028】
(肝組織障害部位修復効果の確認)
本発明の肝組織修復剤が肝組織障害部位を修復できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例2】
【0029】
(マウスの準備)
コンカナバリンA(ConcanavalinA:150μg/μl)をすべてのC57Bl/6マウス(メス、11週齢)に尾静脈投与し、肝炎モデルを作製した。さらに該投与1時間後に実施例1で調製した約100,000個の脂肪組織由来間質細胞(GFPトランスジェニックマウス由来非培養脂肪組織由来間質細胞:GFP-ADRC)を尾静脈投与した。そして、各マウスを、GFP-ADRC投与後1日、7日、14日、28日後に各日1匹麻酔下で開腹して、肝臓を確認した。
【実施例2】
【0030】
(肝組織障害部位修復効果)
各マウスの脂肪組織由来間質細胞投与後1日、7日、14日及び28日の肉眼所見を図1に示す。
脂肪組織由来間質細胞投与後1日では、コンカナバリンA投与直後によるネクローシスが広範囲に確認することができた。
脂肪組織由来間質細胞投与後7日、14日では、ネクローシスの範囲が縮小していることを確認することができた。
脂肪組織由来間質細胞投与後28日では、肝組織障害部位がほとんど確認することができなかった。
本発明の脂肪組織由来間質細胞群を含む肝組織修復剤は、肝組織障害部位を修復できることを確認した。
【実施例3】
【0031】
(肝細胞への分化の確認)
本発明の肝組織修復剤に含まれている脂肪組織由来間質細胞群が肝細胞へ分化できるかを確認した。詳細は、以下の通りである。
【実施例3】
【0032】
実施例2の脂肪組織由来間質細胞投与後28日の肝組織障害部位が修復された箇所を自体公知方法によるHE染色、自体公知方法によるGFP染色、市販のCK8抗体を使用したCK8染色、市販のCK18抗体を使用したCK18染色及び市販のCK19抗体を使用したCK19染色を行った。
【実施例3】
【0033】
(肝細胞への分化効果)
HE染色を図2に示す。図2から明らかなように、細胞組織構造が形成されていることを確認した。
GFP染色を図3に示す。図3から明らかなように、尾静脈投与した脂肪組織由来間質細胞群が、肝組織障害部位が修復された箇所に存在していることを確認した。
CK8染色、CK18染色及びCK19染色を図4に示す。図4から明らかなように、肝細胞のマーカーであるCK8及びCK18では染色を確認できたが、肝細胞のマーカーではないCK19では染色を確認することができなかった。
以上により、本発明の肝組織修復剤に含まれている脂肪組織由来間質細胞群が肝細胞へ分化していることを確認した。
【実施例3】
【0034】
(総論)
以上の実施例2及び3の結果より、本発明の肝組織修復剤は、肝炎の肝組織障害部位を修復して、さらに肝細胞に分化することにより、肝組織を修復することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明では、新規な肝組織修復剤を提供できる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3