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明細書 :超伝導リアクタンス回路

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-110290 (P2018-110290A)
公開日 平成30年7月12日(2018.7.12)
発明の名称または考案の名称 超伝導リアクタンス回路
国際特許分類 H03H   7/01        (2006.01)
H01B  12/02        (2006.01)
H01L  39/02        (2006.01)
H01F   6/06        (2006.01)
H01L  39/08        (2006.01)
FI H03H 7/01 ZAAZ
H01B 12/02
H03H 7/01 A
H01L 39/02 D
H01F 6/06 110
H01L 39/08
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 10
出願番号 特願2016-256446 (P2016-256446)
出願日 平成28年12月28日(2016.12.28)
発明者または考案者 【氏名】小川 純
出願人 【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100175019、【弁理士】、【氏名又は名称】白井 健朗
【識別番号】100195648、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 悠太
【識別番号】100104329、【弁理士】、【氏名又は名称】原田 卓治
【識別番号】100132883、【弁理士】、【氏名又は名称】森川 泰司
審査請求 未請求
テーマコード 4M113
4M114
5G321
5J024
Fターム 4M113AC33
4M113AC44
4M113AD21
4M113AD46
4M113CA34
4M113CA35
4M113CA44
4M114AA17
4M114CC02
4M114CC18
4M114DB07
5G321AA01
5G321BA03
5G321CA18
5G321CA46
5G321CA99
5J024AA01
5J024AA10
5J024BA02
5J024DA05
5J024DA25
5J024KA03
5J024KA04
要約 【課題】大電力・低周波数用で低損失の超伝導リアクタンス回路を提供する。
【解決手段】高温超伝導リアクタンス回路100は、第1の高温超伝導線11の第1の部分の巻線から構成された高温超伝導リアクトル10と、第1の高温超伝導線11の第2の部分とこの第2の部分に対向して配置された第2の高温超伝導線21との巻線から構成される高温超伝導コンデンサ20とを備え、共振回路又は反共振回路を構成する。第1の高温超伝導線11と第2の高温超伝導線21とは、可撓性を有し、長尺の帯状に形成された高温超伝導線から構成される。高温超伝導コンデンサ20は、主面が対向するように配置された第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21と誘電体層とから構成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
第1の超伝導線の第1の部分の巻線から構成された超伝導リアクトルと、
前記第1の超伝導線の第2の部分と該第2の部分に対向して配置された第2の超伝導線とから形成された超伝導コンデンサと、
を備える超伝導リアクタンス回路。
【請求項2】
前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線とは、それぞれ、一本の超伝導線から構成された請求項1に記載の超伝導リアクタンス回路。
【請求項3】
前記第1の超伝導線の第2の部分と前記第2の超伝導線とは、巻線を形成している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導リアクタンス回路。
【請求項4】
前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線とは、それぞれ、可撓性を有し、長尺の帯状に形成された超伝導線から構成され、
前記超伝導リアクトルは、主面が対向するように前記巻線に整形された前記第1の超伝導線の前記第1の部分と前記第1の超伝導線の間に配置された絶縁体とから構成され、
前記超伝導コンデンサは、主面が対向するように配置された前記第1の超伝導線の第2の部分と、前記第2の超伝導線と、前記第2の部分と前記第2の超伝導線の間に配置された誘電体層とから構成される、
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の超伝導リアクタンス回路。
【請求項5】
前記超伝導リアクトルと前記超伝導コンデンサは、直列共振回路又は並列共振回路を形成し、
その共振周波数又は反共振周波数は、10kHz以下である、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の超伝導リアクタンス回路。
【請求項6】
前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線は、それぞれ、幅1~20mm、厚さ0.1~1mmの断面サイズを有する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の超伝導リアクタンス回路。
【請求項7】
前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線は、それぞれ、可撓性を有する高温超伝導線から構成される、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の超伝導リアクタンス回路。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、超伝導リアクタンス回路に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導による電気回路は通信系の分野では既に多数提案されている。例えば、特許文献1には、超伝導固形エレメントを備える電気回路が開示されている。超伝導固形エレメントは、基板上に形成されたエピタキシャル層から構成されたコンデンサとインダクタを含む。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特表平8-510882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の超伝導による電気回路は、小電力、高周波数用のものである。例えば、特許文献1に開示されている超伝導固形エレメントは、結晶成長によって形成されたエピタキシャル層から形成されており、超伝導層の膜厚は極めて薄く大電流及び大電力での使用は困難である。また、その動作周波数は、MHz~GHzオーダーあるいはそれ以上である。
【0005】
一方で、電力系統、配電系統などの商用周波数レベルの大電流・大電力用の交流回路でも、エネルギー損失を抑えるため、高温超伝導回路の利用が期待されている。しかしながら、上述のように、従来の高温超伝導回路は、小電流、小電力、高い周波数用のものが主であり、大電流・大電力且つ低周波数用で十分な特性を有するものは提供されていない。
【0006】
また、大電流・大電力かつ低周波数用とした場合、回路は大型化する。このような場合、回路全体を1つの超伝導素子で形成することは困難となる。一方、高温超伝導回路同士をハンダ等で接続すると、電流が接続部分で常伝導体を流れることになる。すなわち、超伝導体に抵抗が直列に接続された状態となる。このため、接続部分に大きな接続抵抗が発生し、損失が生ずる。このため、超伝導回路を低損失とするためには、接続カ所の少ない回路構成を採用する必要がある。
【0007】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、大電力・低周波数用で低損失の超伝導リアクタンス回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る超伝導リアクタンス回路は、
第1の超伝導線の第1の部分の巻線から構成された超伝導リアクトルと、
前記第1の超伝導線の第2の部分と該第2の部分に対向して配置された第2の超伝導線とから形成された超伝導コンデンサと、
を備える。
【0009】
前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線とは、それぞれ、一本の超伝導線から構成されることが望ましい。
【0010】
前記第1の超伝導線の第2の部分と前記第2の超伝導線とは、巻線を形成している、ことが望ましい。
【0011】
例えば、前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線とは、それぞれ、可撓性を有し、長尺の帯状に形成された超伝導線から構成され、
前記超伝導リアクトルは、主面が対向するように前記巻線に整形された前記第1の超伝導線の前記第1の部分と前記第1の超伝導線の間に配置された絶縁体とから構成され、
前記超伝導コンデンサは、主面が対向するように配置された前記第1の超伝導線の第2の部分と、前記第2の超伝導線と、前記第2の部分と前記第2の超伝導線の間に配置された誘電体層とから構成される。
【0012】
例えば、前記超伝導リアクトルと前記超伝導コンデンサは、直列共振回路又は並列共振回路を形成し、その共振周波数又は反共振周波数は、10kHz以下である。
【0013】
例えば、前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線は、それぞれ、幅1~20mm、厚さ0.1~1mmの断面サイズを有する。
【0014】
前記第1の超伝導線と前記第2の超伝導線は、それぞれ、例えば、可撓性を有する高温超伝導線から構成される。
【発明の効果】
【0015】
上記構成によれば、超伝導リアクタンス回路は、第1の超伝導線と第2の超伝導線とから構成される。このため、大電流を流すことができる。また、その抵抗率が小さく、損失が小さい。さらに、回路の接続部分が少ないため、接続抵抗が小さく、接続損失による損失が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る共振回路の構成図である。
【図2】図1に示す第1の高温超伝導線の形状を示す斜視図である。
【図3】図1に示す超伝導リアクトル(超伝導コイル)の構造を示す拡大図である。
【図4】図1に示す超伝導コンデンサの構造を示す拡大図である。
【図5】(a)は、図1に示す共振回路を直列共振回路として使用する場合の結線図であり、(b)は、図5(a)に示す直列回路の回路図である。
【図6】(a)は、図1に示す共振回路を並列共振回路として使用する場合の結線図であり、(b)は、図6(a)に示す並列共振回路の回路図である。
【図7】(a)と(b)は、常伝導体から構成された直列共振回路と反共振回路の回路図である。
【図8】通電電流に対する77Kにおける高温超伝導線の交流損失と、同一断面積の銅の抵抗損失とを比較して示す図である。
【図9】(a)は実施の形態に係る高温超伝導リアクタンス回路の変形例の構成図、(b)は回路図である。
【図10】図1に示す高温超伝導リアクタンス回路の応用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る高温超伝導リアクタンス回路を、図1乃至図8を参照しつつ説明する。

【0018】
本発明の実施の形態に係る高温超伝導リアクタンス回路100は、図1に示すように、高温超伝導リアクトル10と高温超伝導コンデンサ20とから構成されている。高温超伝導リアクトル10は、巻線状に整形された1本の第1の高温超伝導線11の第1の部分と、巻回された第1の高温超伝導線11間に配置された図示せぬ絶縁体層から形成されている。

【0019】
第1の高温超伝導線11は、図2に示すように、帯状、即ち、平板且つ長尺状に形成された高温超伝導材料から構成される。第1の高温超伝導線11の断面サイズは、幅Wは2~20mmであり、厚さTは0.1~1.0mmである。また、第1の高温超伝導線11を構成する高温超伝導材料は、柔軟性及び可撓性を有し、巻き線状に整形できるものであれば特に限定されない。例えば、Bi(ビスマス)-Sr(ストロンチウム)-Ca(カルシウム)-Cu(銅)-O(酸素)で構成されるビスマス系超伝導材料などを使用できる。イットリウム系高温超伝導材料、REBCO超伝導体、鉄系超伝導体等でもよい。
この程度の断面サイズを有する高温超伝導線11は、液体窒素温度(77K)でおおよそ400A程度までの電流を流すことができる。

【0020】
第1の高温超伝導線11の第1の部分は、図3に示すように、絶縁紙等の絶縁体層12を介して、その主面同士が対向するように渦巻き状に巻回されて巻き線を形成し、全体として1つの高温超伝導リアクトル10を構成する。

【0021】
高温超伝導リアクトル10は、通電時に第1の高温超伝導線11間に働く斥力に抗して、その形状を維持するように、樹脂等により固定されている。

【0022】
図1に示す高温超伝導コンデンサ20は、図4に示すように、第1の高温超伝導線11の第2の部分と第1の部分の主面に主面が対向するように配置された第2の高温超伝導線21と、第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21との間に配置された誘電体層22とから構成される。

【0023】
第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21と誘電体層22とは積層された状態で、巻回され、全体として巻き線を形成している。このような構成とすることにより、第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21とは、それぞれ、最外層と最内層の巻き線を除いて、2つの主面がそれぞれ他の高温超伝導線の主面に対向してコンデンサC1とC2を構成し、巻き線にしない場合に比して、同一の線長でほぼ2倍の容量を得ることができる。

【0024】
なお、第2の高温超伝導線21は、第1の高温超伝導線11と同一の材質・同一外形であることが望ましいが、異なってもかまわない。

【0025】
また、第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21とは、対向する部分に流れる電流の向きが反対方向となるように端子及び配線を設けることが望ましい。これにより、第1の高温超伝導線11の第2の部分を流れる電流が発生する磁束と第2の高温超伝導線21を流れる電流が発生する磁束が互いに打ち消し合い、高温超伝導コンデンサ20を構成する巻き線のインダクタンスを0とすることができる。

【0026】
高温超伝導リアクタンス回路100は、構成する高温超伝導材料の臨界温度以下の温度に冷却装置により冷却されている。

【0027】
図1に示す高温超伝導リアクタンス回路100は、図5(a)に示すように、第1の高温超伝導線11の一端TAと、第2の高温超伝導線21の一端TBとを外部回路に接続することにより、図5(b)に示すように、直列共振回路となる。

【0028】
また、図1に示す高温超伝導リアクタンス回路100は、図6(a)に示すように、第1の高温超伝導線11の一端TAと第2の高温超伝導線21の一端TBとを相互に接続し、第1の高温超伝導線11の第1の部分と第2の部分の中間点と一端TAとTBとの接続ノードを外部回路に接続することにより、図6(b)に示すように、並列共振回路となる。

【0029】
次に、図5(a)に示す直列共振回路及び図6(a)に示す並列共振回路の回路特性について説明する。図5(b)、図6(b)に示すように、回路がリアクタンス成分のみにより構成される場合には、共振周波数(又は反共振周波数)f0はf0=1/2π√LCとなり、Q=無限大となる。しかし、常伝導体回路では、導体が抵抗成分を有するため、図7(a)、(b)に示すように、回路中に抵抗成分が存在し、抵抗損失が発生し、そのQ値は有限の値となり、抵抗成分が大きくなる程Q値は小さくなる。

【0030】
一方、高温超伝導回路においては、回路中の抵抗成分は0である。しかし、高温超伝導回路には、交流損失が存在する。交流損失は、周波数に比例して増加する。

【0031】
図8に抵抗損失と交流損失とを比較して示す。
図8のグラフは、断面が4.2mm×0.23mm、長さ50mの高温超伝導線の77Kにおける交流損失と同一サイズの銅線に交流を通電した時の損失を比較して示す。図示するように、銅線は周波数に対し一定の損失である。これに対し、高温超伝導線の交流損失は周波数に対し比例して増加する。図8に示すように、高温超伝導線での交流損失は、銅線の抵抗による損失に比べ小さい。例えば、交流の周波数が1kHz、電流が10Aのときで、1/100以上小さい。抵抗による損失はW=RI/2であるため、高温超伝導では常伝導と比較して、抵抗Rが1/100以下であると換算できる。よって、本実施の形態にかかる共振回路及び反共振回路のQ値は大きな値を得ることができる。
図8に示す高温超伝導線11、21の交流損失と常伝導線の抵抗損失の大小、冷却効率と電流密度の上限等に基づいて検討すると、本実施形態のリアクタンス回路100は、常伝導リアクタンス回路と比較して、共振周波数又は反共振周波数が10kHz以下の場合に特に効果が得られる。

【0032】
また、本実施の形態においては、高温超伝導リアクタンス回路100を構成する高温超伝導リアクトル10と高温超伝導コンデンサ20とは、薄膜からなる高温超伝導線ではなく、2本の帯状の高温超伝導線11、21から構成される。このため、大電流を流すことができ、大電流・大電力に対応できる。

【0033】
また、本実施の形態においては、高温超伝導リアクトル10は1本の帯状の第1の高温超伝導線11の第1の部分から構成され、回路上に接続点が存在しない。また、高温超伝導コンデンサ20は一方の電極を形成し、この一方の電極と高温超伝導リアクトル10とに接続された第1の高温超伝導線11の第2の部分と、他方の電極を形成すると共に他方の電極に接続された第2の高温超伝導線21から構成される。このように、超伝導回路同士の接続点が少ない。このため、接続抵抗が小さく、接続損失が小さく、大きなQ値を得ることができる。

【0034】
上記構成を有する高温超伝導共振回路及び高温超伝導反共振回路は、通常の共振回路及び反共振回路と同様に種々の回路の回路場面に利用することができる。

【0035】
また、例えば、図9(a)に示すように、高温超伝導コンデンサ20と高温超伝導リアクトル10と高温超伝導コンデンサ20とをシーケンシャルに接続することにより、図9(b)に示すように、いわゆるπ型のフィルタを形成することができる。このπ型フィルタを電力線間に配置してもよい。この場合、3本の高温超伝導線を使用するだけで、低損失で高Q値のπ型のフィルタを構成することができる。

【0036】
同様にして、高温超伝導リアクトル10と高温超伝導コンデンサ20とを組み合わせることにより、より複雑な高温超伝導リアクタンス回路から構成されるフィルタを形成することも可能である。これらの構成においても、高温超伝導による低抵抗と、低周波数による低交流損失と、接続カ所が少ないことによる低接続抵抗により、低損失で高Q値の共振回路を構成することができる。

【0037】
また、本実施の形態によれば、リアクタンス回路全体を超伝導回路とすることができる。従って、超伝導状態を維持するための冷却効率を高めることができる。

【0038】
上記実施の形態においては、高温超伝導リアクタンス回路100単体を示したが、例示した高温超伝導リアクタンス回路100を常伝導回路と組み合わせて使用することも可能である。

【0039】
図10に、上記共振回路を力率改善回路として使用する例を示す。
この例では、常伝導体から構成されたリアクトル(以下、区別のため、常伝導リアクトルと呼ぶ)30と低温容器101に収容された高温超伝導リアクトル10と高温超伝導コンデンサ20とを備える。低温容器101内は液体窒素などにより、高温超伝導体の臨界温度以下の温度に維持されている。

【0040】
低温容器101に収容されている高温超伝導リアクトル10は、常伝導リアクトル30が発生した磁束φと電磁界結合により磁気回路をつくることが可能である。この構成によれば、任意の常伝導リアクトル30に、低損失の高温超伝導共振回路を接続することができる。

【0041】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。

【0042】
例えば、上記実施の形態では、高温超伝導リアクトル10として、空芯構造を例示したが、コアあるいはヨークを配置してもよい。

【0043】
また、高温超伝導リアクトル10を構成する第1の高温超伝導線11の複数箇所にタップを設け、タップを切り替えることにより、リアクタンスを段階的に変更できるようにしてもよい。

【0044】
上記実施の形態においては、容量が固定の高温超伝導コンデンサ20を例示したが、容量を可変とすることも可能である。例えば、第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21との間の誘電体層22の位置を変化させることにより容量を可変とすることができる。この場合、例えば、第1の高温超伝導線11の第2の部分と第2の高温超伝導線21とを空隙を介して対向させた状態で固定し、空隙に誘電体層22を配置し、その軸方向の位置を変化させることにより容量を可変とすることができる。これにより、共振回路・反共振回路の共振周波数を調整することも可能となる。

【0045】
また、超伝導リアクトル10の中央付近に磁性体を配置すると共にこの磁性体の位置を変更する位置変更機構を配置し、位置変更機構により超伝導リアクトル10と磁性体の距離を変化させることにより、超伝導リアクトル10のインダクタンスを変更できるように構成してもよい。これにより、共振回路・反共振回路の共振周波数を調整することも可能である。

【0046】
なお、高温超伝導線に生ずる交流損失に比べ、ハンダ等による接続部分損失が小さい場合には、高温超伝導線11、21を適宜ハンダで接続してもよい。この場合、ハンダ接続を用いても、回路全体として常伝導のリアクタンス回路よりも十分に高いQ値を得ることができる。

【0047】
上記実施の形態においては、比較的高温の転移温度を有する高温超伝導線から構成される高温超伝導リアクタンス回路について説明した。この発明は高温超伝導回路に限定されない。転移温度がより低温の超伝導線を用いて、超伝導リアクトルと超伝導コンデンサを構成することにより、超伝導リアクタンス回路を形成することも可能である。
【符号の説明】
【0048】
10…高温超伝導リアクトル
11…第1の高温超伝導線
12…絶縁体層
20…高温超伝導コンデンサ
21…第2の高温超伝導線
22…誘電体層
30…常伝導リアクトル
TA、TB…端子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9