TOP > 国内特許検索 > 繊維の製造方法、モノフィラメント、及びマルチフィラメント > 明細書

明細書 :繊維の製造方法、モノフィラメント、及びマルチフィラメント

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-011521 (P2019-011521A)
公開日 平成31年1月24日(2019.1.24)
発明の名称または考案の名称 繊維の製造方法、モノフィラメント、及びマルチフィラメント
国際特許分類 D01F   1/10        (2006.01)
D01F   6/90        (2006.01)
FI D01F 1/10
D01F 6/90 321D
請求項の数または発明の数 11
出願形態 OL
全頁数 14
出願番号 特願2017-127024 (P2017-127024)
出願日 平成29年6月29日(2017.6.29)
発明者または考案者 【氏名】入澤 寿平
【氏名】田邊 靖博
【氏名】武重 一成
【氏名】土井 玄太
【氏名】島本 太介
【氏名】堀田 裕司
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
個別代理人の代理人 【識別番号】100105924、【弁理士】、【氏名又は名称】森下 賢樹
審査請求 未請求
テーマコード 4L035
Fターム 4L035AA05
4L035BB31
4L035BB91
4L035EE08
4L035JJ03
4L035KK07
4L035LC02
4L035LC08
要約 【課題】繊維を製造するための技術を向上させる。
【解決手段】繊維の製造方法は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料を含有する熱可塑性樹脂を、溶融紡糸し、延伸処理を施すことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料を含有する熱可塑性樹脂を、溶融紡糸し、延伸処理を施すことを特徴とする繊維の製造方法。
【請求項2】
カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料と、第1の熱可塑性樹脂と、前記第1の熱可塑性樹脂とは異なる種類の第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練したポリマーアロイを、溶融紡糸し、延伸処理を施すことを特徴とする繊維の製造方法。
【請求項3】
前記第1の熱可塑性樹脂と前記第2の熱可塑性樹脂は、溶融混練されることにより海島構造を形成することを特徴とする請求項2に記載の繊維の製造方法。
【請求項4】
前記カーボンナノ材料と前記第1の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、前記第2の熱可塑性樹脂と溶融混練してポリマーアロイとすることを特徴とする請求項2又は3に記載の繊維の製造方法。
【請求項5】
前記カーボンナノ材料と前記第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、前記第1の熱可塑性樹脂と溶融混練してポリマーアロイとすることを特徴とする請求項2又は3に記載の繊維の製造方法。
【請求項6】
前記カーボンナノ材料と前記第1の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物と、前記カーボンナノ材料と前記第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物とを溶融混練してポリマーアロイとすることを特徴とする請求項2又は3に記載の繊維の製造方法。
【請求項7】
製造される繊維が、モノフィラメントであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の繊維の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の製造方法によって少なくとも1種のモノフィラメントを製造し、製造されたモノフィラメントを複数合わせることによりマルチフィラメントとすることを特徴とする繊維の製造方法。
【請求項9】
熱可塑性樹脂と、
カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料と、
を含み、
前記熱可塑性樹脂に前記カーボンナノ材料が分散して存在することを特徴とするモノフィラメント。
【請求項10】
海島構造が形成されたポリマーアロイと、
カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料と、
を含み、
前記ポリマーアロイは、
第1の熱可塑性樹脂を含む海部と、
前記第1の熱可塑性樹脂とは異なる第2の熱可塑性樹脂を含む島部と、
を有し、
前記カーボンナノ材料は、前記海部及び前記島部の少なくとも一方に分散して存在することを特徴とするモノフィラメント。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載のモノフィラメントを複数含むことを特徴とするマルチフィラメント。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本開示は繊維の製造技術に関し、とくに、モノフィラメント及びマルチフィラメントの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
優れた特性を有する新規な繊維が開発されている。例えば、本発明者は、特許文献1に記載の繊維を開発している。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】国際公開第WO2015/170623号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
繊維の母材となる樹脂に、様々な特性を付与するために、様々な添加材が添加される場合があるが、繊維の製造コストを低減させるためには、添加材の種類や量は少ない方が望ましい。本発明者らは、このような観点から実験を重ね、新規な繊維の製造方法に想到した。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、繊維を製造するための技術を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の繊維の製造方法は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料を含有する熱可塑性樹脂を、溶融紡糸し、延伸処理を施す。
【0007】
本開示の別の態様も、繊維の製造方法である。この方法は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料と、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂とは異なる種類の第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練したポリマーアロイを、溶融紡糸し、延伸処理を施す。
【0008】
本発明の更に別の態様は、モノフィラメントである。このモノフィラメントは、熱可塑性樹脂と、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料とを含み、熱可塑性樹脂にカーボンナノ材料が分散して存在する。
【0009】
本発明の更に別の態様もまた、モノフィラメントである。このモノフィラメントは、海島構造が形成されたポリマーアロイと、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料とを含み、ポリマーアロイは、第1の熱可塑性樹脂を含む海部と、第1の熱可塑性樹脂とは異なる第2の熱可塑性樹脂を含む島部とを有し、カーボンナノ材料は、海部及び島部の少なくとも一方に分散して存在する。
【0010】
本発明の更に別の態様は、マルチフィラメントである。このマルチフィラメントは、上記のモノフィラメントを複数含む。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、繊維を製造するための技術を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】相対充填量減少率について説明するための図である。
【図2】実験方法を概略的に示す図である。
【図3】それぞれの試料の、蟻酸に漬ける前(上段)、蟻酸に1時間漬け置いて引き上げた時(中段)、イソプロピルアルコールで洗浄した後(下段)の状態を示す図である。
【図4】走査型電子顕微鏡で観察した繊維の位置を示す図である。
【図5】図4に示した位置における走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
繊維の母材となる熱可塑性樹脂に、耐疲労性、耐衝撃性、柔軟性、引張特性、耐摩耗性などの特性を付与するために、様々な添加材が添加される。数ある添加材の中でも、カーボンナノチューブ(CNT)は、軽量ながら高い強度と柔軟性を有する上、優れた導電性、電流密度耐性、熱伝導性、耐熱性、化学的安定性を有するので、様々な特性を母材に付与することが可能な添加材として期待されている。

【0014】
しかし、カーボンナノチューブは、凝集粉末やフレーク状などの状態として生成されるため、樹脂などの母材中に均質に分散させることが困難であるという問題があった。カーボンナノチューブが添加された材料において、カーボンナノチューブの優れた特性が十分に発揮されるようにするために、カーボンナノチューブを母材中に均質に分散する技術が求められている。

【0015】
本発明者らは、粉末やフレークなどの状態で入手されるカーボンナノチューブを解砕してから母材となる熱可塑性樹脂に混練すると、母材中のカーボンナノチューブの分散性を向上させることができるという新たな知見を得た。したがって、第1の実施の形態に係る繊維の製造方法は、相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノチューブなどのカーボンナノ材料を含有する熱可塑性樹脂を溶融紡糸し、延伸処理を施すことにより繊維を製造する。これにより、解砕されていないカーボンナノ材料を添加した熱可塑性樹脂により製造された繊維と比べて、より少ない量のカーボンナノ材料を添加することによっても同等の特性を繊維に付与することができる。また、製造される繊維が、モノフィラメントであっても良い。

【0016】
カーボンナノ材料は、炭素原子により構成されたナノサイズの材料である。本実施の形態に係る繊維の製造方法においては、カーボンナノ材料として、炭素原子が1原子の厚さの六角形格子状に結合した構造を有するグラフェン、1枚のグラフェンが円筒状になった単層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブが入れ子状になった多層カーボンナノチューブ、カップ状のカーボンナノチューブが積層した構造を有するカップスタック型カーボンナノチューブ、気相成長により生成された気相成長炭素繊維などのカーボンナノファイバー、グラフェンが円錐状になったカーボンナノホーン、カーボンナノチューブとフラーレンが結合した構造を有するカーボンナノバッド、ダイヤモンドとグラファイト(黒鉛)の両方の炭素-炭素結合を併せ持つ炭素を主成分とした物質で形成された薄膜であるダイヤモンド様カーボン(DLC)などを用いることができる。

【0017】
カーボンナノ材料を解砕する際にカーボンナノ材料を破砕してしまうと、熱可塑性樹脂中においてカーボンナノ材料の機能が効果的に発現しない場合があるので、凝集したカーボンナノチューブを破砕することなく解砕することが望ましい。このような処理としては、後述するように、カーボンナノ材料を水、有機溶剤、又は水と有機溶剤の混合溶媒に溶いたスラリーを、湿式ジェットミルを用いて渦流により高速高剪断処理するのが好適である。

【0018】
本実施の形態においては、カーボンナノ材料の解砕の度合いを評価するための指標として、解砕前後のカーボンナノ材料の充填率の減少率を表す相対充填量減少率を用いる。より具体的には、相対充填量減少率は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す。所定時間は、溶媒中に分散したカーボンナノ材料が沈降するのに十分な時間であり、例えば、2週間であってもよい。カーボンナノ材料の種類などの測定条件に応じて、静置する所定時間が定められてもよい。例えば、カーボンナノ材料の沈降の時間変化を測定し、相対充填量減少率の時間変化が所定値未満になるまでの時間を所定時間として定めてもよい。

【0019】
図1は、相対充填量減少率について説明するための図である。図1(a)は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒に加えて十分に撹拌した直後のスラリーの状態を示す。この撹拌直後のスラリーにおいて分散されたカーボンナノ材料が占める体積をAとする。スラリーを十分撹拌すれば、通常、カーボンナノ材料は混合溶媒中に均質に分散するので、スラリーの体積がAとなる。図1(b)は、図1(a)に示したスラリーを2週間静置した後の状態を示す。2週間静置したことにより、スラリー中のカーボンナノ材料が沈降する。この静置後のスラリーにおいて沈降したカーボンナノ材料が占める体積をBとする。このとき、相対充填量減少率は、次式により定義される。
(相対充填量減少率)=((A-B)/A)×100
通常は、同じ容器内に入れたまま所定期間静置して相対充填量減少率を評価するので、相対充填量減少率は、撹拌直後のカーボンナノ材料の高さaと、所定期間静置後の沈降高さbを用いて、次式によっても算出できる。
(相対充填量減少率)=((a-b)/a)×100

【0020】
カーボンナノ材料の解砕の度合いが高いほど、凝集が解かれて嵩高くなっているので、体積の減少率が小さくなる。したがって、相対充填量減少率が小さいほど、解砕の度合いが高いことになる。

【0021】
熱可塑性樹脂に添加材として添加するのに好適なカーボンナノ材料の相対充填量減少率は、4%以下であってもよい。これにより、母材に添加されたカーボンナノ材料の分散性を向上させることができ、少ないカーボンナノ材料の添加量によっても効果的にカーボンナノ材料の特性を母材に付与することができる。カーボンナノ材料の相対充填量減少率は、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、又は5%以下であってもよい。また、より好適なカーボンナノ材料の相対充填量減少率は、3%以下、2%以下、又は1%以下であってもよい。

【0022】
熱可塑性樹脂に添加する解砕されたカーボンナノ材料の量は、熱可塑性樹脂の種類、熱可塑性樹脂の量、要求される熱可塑性樹脂の特性、カーボンナノ材料の相対充填量減少率、カーボンナノ材料の粒径などに応じて、熱可塑性樹脂に付与すべき特性を発現させるために必要な量とされればよく、例えば、熱可塑性樹脂に対して10重量%以下であってもよい。上述したように、本実施の形態の繊維の製造方法においては、相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料を添加するので、解砕されていないカーボンナノ材料より少ない量でも効果的に特性を付与することができる。したがって、熱可塑性樹脂に添加する解砕されたカーボンナノ材料の量は、解砕されていないカーボンナノ材料が添加された熱可塑性樹脂より少ない添加量であってもよく、例えば、熱可塑性樹脂に対して1重量%以下であってもよい。解砕されたカーボンナノ材料の添加量を制御することにより、熱可塑性樹脂に付与される特性を適切に制御することができる。

【0023】
本実施の形態の製造方法における紡糸工程としては、任意の紡糸技術が利用されてもよく、例えば、溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸であってもよいが、本実施の形態の製造方法により製造される繊維は熱可塑性樹脂を母材としているので、溶融紡糸が好適である。また、本実施の形態の製造方法における延伸工程としては、任意の延伸技術が利用されてもよい。

【0024】
本実施の形態の製造方法において使用される熱可塑性樹脂は、任意の種類の熱可塑性樹脂であってもよく、例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド(ナイロン)、ポリイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルアルコールなどであってもよい。

【0025】
本実施の形態の製造方法において、2種類以上の熱可塑性樹脂が使用されてもよい。相溶性の低い2種類の熱可塑性樹脂を溶融混練したポリマーアロイは、一方の熱可塑性樹脂が連続的な構造を形成する「海」となり、他方の熱可塑性樹脂が「海」に浮かぶ「島」のように不連続的に存在する、海島構造と呼ばれる構造を形成する。このような海島構造を形成可能な非相溶性ポリマーブレンドが、本実施の形態の製造方法において使用されてもよい。すなわち、第2の実施の形態に係る製造方法は、相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料と、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂とは異なる種類の第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練したポリマーアロイを溶融紡糸し、延伸処理を施すことにより繊維を製造する。これによっても、ポリマーアロイ中のカーボンナノ材料の分散性を向上させることができるので、解砕されていないカーボンナノ材料が添加された繊維と同等の特性の繊維を得るために熱可塑性樹脂に添加することが必要なカーボンナノ材料の量を少なくすることができる。

【0026】
通常、海島構造のポリマーアロイにおいて、成分の含有量が多い方の熱可塑性樹脂が、連続的な構造を形成する母材、すなわち「海」となり、成分の含有量が少ない方の熱可塑性樹脂が、母材中に不連続的に存在する「島」となる。以下、海島構造のポリマーアロイにおいて、「海」となる方の熱可塑性樹脂を「第1の熱可塑性樹脂」とし、「島」となる方の熱可塑性樹脂を「第2の熱可塑性樹脂」とする。海部を形成する第1の熱可塑性樹脂と、島部を形成する第2の熱可塑性樹脂の割合は、重量比で、8:2から9.9:0.1となることが好ましい。

【0027】
第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂は、溶融混練されることにより海島構造を形成するような相溶性の低い熱可塑性樹脂の組合せであってもよい。このような熱可塑性樹脂の組合せは、例えば、ポリアミドとポリエチレン、ポリアミドとポリスチレンなどであってもよい。実施の形態に係る繊維の製造方法において、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂を溶融混練する際に、相溶化剤が添加されてもよい。例えば、第1の熱可塑性樹脂としてポリアミド、第2の熱可塑性樹脂としてポリスチレンを溶融混練する場合には、相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリスチレンが添加されてもよく、第1の熱可塑性樹脂としてポリアミド、第2の熱可塑性樹脂としてポリエチレンを溶融混練する場合には、相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリエチレンが添加されてもよい。また、熱可塑性樹脂の組合せによって、相溶化剤は、グラフト共重合体、酸、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基といった官能基を持つポリマーを用いてもよい。

【0028】
カーボンナノ材料と第1の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、第2の熱可塑性樹脂と溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。この場合、カーボンナノ材料は、第1の熱可塑性樹脂中に分散される。カーボンナノ材料と第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、第1の熱可塑性樹脂と溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。この場合、カーボンナノ材料は、第2の熱可塑性樹脂中に分散される。カーボンナノ材料と第1の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、カーボンナノ材料と第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物と溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。この場合、カーボンナノ材料は、第1の熱可塑性樹脂中にも第2の熱可塑性樹脂中にも分散される。カーボンナノ材料と、第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂とを同時に溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。この場合も、カーボンナノ材料は、第1の熱可塑性樹脂中にも第2の熱可塑性樹脂中にも分散される。

【0029】
第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂のうちいずれか一方のみにカーボンナノ材料を添加したい場合は、添加したい方の熱可塑性樹脂とカーボンナノ材料とを溶融混練してマスターバッチを作製し、作製したマスターバッチと他方の熱可塑性樹脂とを溶融混練するのが好適である。第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂の双方にカーボンナノ材料を添加したい場合は、第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂とカーボンナノ材料の全てを同時に溶融混練してもよいし、第1の熱可塑性樹脂とカーボンナノ材料とを溶融混練したマスターバッチと、第2の熱可塑性樹脂とカーボンナノ材料とを溶融混練したマスターバッチとを溶融混練してもよい。解砕されたカーボンナノ材料は嵩高いため、溶融混練機の種類によっては、必要なカーボンナノ材料の添加量を一度に添加することが困難な場合があるが、その場合は、第1の熱可塑性樹脂とカーボンナノ材料とを溶融混練したマスターバッチと、第2の熱可塑性樹脂とカーボンナノ材料とを溶融混練したマスターバッチとを溶融混練する方法が好適である。

【0030】
実施の形態の製造方法において、第1の熱可塑性樹脂と相溶可能な別の熱可塑性樹脂、又は、相溶化剤を用いて第1の熱可塑性樹脂と相溶化された別の熱可塑性樹脂を「第1の熱可塑性樹脂」として更に含んでもよい。また、第2の熱可塑性樹脂と相溶可能な別の熱可塑性樹脂、又は、相溶化剤を用いて第2の熱可塑性樹脂と相溶化された別の熱可塑性樹脂を「第2の熱可塑性樹脂」として更に含んでもよい。また、第1の熱可塑性樹脂とも第2の熱可塑性樹脂とも相溶化しない別の熱可塑性樹脂を「第2の熱可塑性樹脂」として更に含んでもよい。

【0031】
上述した製造方法により少なくとも1種のモノフィラメントを製造し、製造されたモノフィラメントを複数合わせることにより、マルチフィラメントとしてもよい。モノフィラメントを複数合わせる工程としては、任意の技術が利用されてもよく、例えば、複数のモノフィラメントを撚り合わせてもよいし、別の種類のモノフィラメントと交撚してもよい。

【0032】
以下に、本発明者らにより実施された実験の詳細について説明する。

【0033】
[実施例]
<カーボンナノチューブの解砕>
(1)Cnano製の多層カーボンナノチューブFlo Tube 9100(直径10nm、長さ10μm)1.64gを、蒸留水180mLとt-ブチルアルコール900mLに加え、スターラーを用いて400rpmにて一晩スラリーを攪拌した。
(2)湿式ジェットミル装置((株)ジーナス製、商品名:GENUS SP)を用いて、スラリーを処理圧力100MPaで3回の渦流により高速高剪断処理することで、多層カーボンナノチューブの解砕処理を行った。
(3)解砕処理後のスラリーをバイアルに取り、2週間後に沈降した多層カーボンナノチューブが処理直後のスラリーから相対的に何%低くなったかを記録することで相対充填量減少率を評価した。相対充填量減少率は1%であった。解砕処理を行っていない多層カーボンナノチューブの相対充填量減少率は、原料の多層カーボンナノチューブを、上記割合の蒸留水とt-ブチルアルコールに加えたスラリーを作製した以外、解砕処理を行った場合と同様にして、相対充填量減少率を評価した。相対充填量減少率は93%であった。解砕処理後のスラリーを3日間、凍結乾燥することで、解砕した多層カーボンナノチューブを回収した。

【0034】
<熱可塑性樹脂の溶融混練>
*解砕処理を行ったカーボンナノチューブとナイロン6(PA6+CNT解砕)の溶融混練
*未解砕処理のカーボンナノチューブとナイロン6(PA6+CNT未解砕)の溶融混練
(1)カーボンナノチューブ6gとナイロン6(ユニチカ(株)製、商品名:M1040)400gを、260℃、スクリュー回転速度30rpmに設定した一軸混練押出装置((株)井元製作所製、商品名:1AD3)を用いて溶融混練した。
(2)(1)で作製した混練物を、ペレタイザーでカットしてペレットにした。
(3)(2)で作製したペレットを、同じ条件の一軸混練押出機を用いて再度、溶融混練した。
(4)(3)で作製した混練物を、ペレタイザーでカットしてペレットにした。

【0035】
*ナイロン6(PA6)の溶融混練
これは、カーボンナノチューブを含まないナイロン6と、上記のカーボンナノチューブ含有ナイロン6との熱履歴を同じにする目的で実施した。
(1)ナイロン6400gを、260℃、スクリュー回転速度30rpmに設定した一軸混練押出装置((株)井元製作所製、商品名:1AD3)を用いて溶融混練した。
(2)(1)で作製した混練物を、ペレタイザーでカットしてペレットにした。
(3)(2)で作製したペレットを、同じ条件の一軸混練押出機を用いて再度、溶融混練した。
(4)(3)で作製した混練物を、ペレタイザーでカットしてペレットにした。

【0036】
*ポリスチレンと無水マレイン酸変性ポリスチレン(PS+PS-MAH)の溶融混練
(1)ポリスチレン(PSジャパン(株)製、商品名:HT478)150gと、無水マレイン酸変性ポリスチレン(アルマケ(株)製、商品名:18910)150gを、230℃、スクリュー回転速度20rpmに設定した一軸混練押出装置を用いて溶融混練した。
(2)(1)で作製した混練物を、ペレタイザーでカットしてペレットにした。

【0037】
*ポリマーアロイの作製
250℃に設定した二軸混練押出装置((株)テクノベル製、商品名:KZW20TW-30MG-HN(-600)-KGS)を用いて、先に作製したペレットを溶融混練することでポリマーアロイを作製した。作製した混練物を、ペレタイザーを用いてペレットにした。

【0038】
以上の手順を用いて、表1に示す条件により実施例1~4及び比較実施例1~6の樹脂のペレットを作製した。
【表1】
JP2019011521A_000003t.gif

【0039】
<PA6/(CNT)/PS+PS-MAHペレットの内部構造観察>
(1)ペレットの破断面を走査型電子顕微鏡を用いて観察した。
(2)PSが球状の島、PA6が海になっていることを確認した。
すなわち、実施例1~3、比較実施例1~3、及び比較実施例6のポリマーアロイにおいて、PA6が第1の熱可塑性樹脂であり、PSが第2の熱可塑性樹脂である。実施例1~3においては、PA6にカーボンナノチューブを溶融混練してからPSと溶融混練してポリマーアロイを作製しているので、海となる第1の熱可塑性樹脂にカーボンナノチューブが含有される。

【0040】
<ポリマーアロイペレットの溶融紡糸と延伸>
(1)溶融混練によりそれぞれ作製したペレットを、溶融紡糸装置((株)東洋精機製作所製、商品名:CAPIROGRAPH 1C)を用いて240℃に加熱し、押出速度20mm/min、引き取り速度12.3m/minにて直径1mmの口金から押し出すことで紡糸した。
(2)(1)で紡糸したフィラメントを100℃の湯煎に通して、3.5倍に延伸した。

【0041】
表2に、表1に示した樹脂を溶融紡糸した繊維を延伸した結果を示す。表2において、○は連続的に3.5倍に延伸可能であったことを示し、△は断片的に3.5倍に延伸可能であったことを示し、×は2.0倍までしか延伸できなかったことを示す。実施例2と比較実施例2、実施例3と比較実施例3を比較すると、解砕されたカーボンナノチューブを添加した繊維は、解砕されないカーボンナノチューブを添加した繊維よりも、延伸加工性が向上していることが分かる。
【表2】
JP2019011521A_000004t.gif

【0042】
<ポリマーアロイを延伸した繊維における第2の熱可塑性樹脂の観察>
ポリマーアロイを延伸した後の繊維における第2の熱可塑性樹脂の状態を観察するために、実施例3、実施例4、及び比較実施例5のペレットを溶融紡糸して延伸した後の繊維を蟻酸に1時間漬け置いて、母材となっているナイロン6を溶解させた。図2は、実験方法を概略的に示す。それぞれの繊維の試料をカプトン(登録商標)テープでガラス板に貼り付け、試料の半分程度を蟻酸に1時間漬け置いた後、繊維が切れないようにガラス板ごと蟻酸から引き上げ、イソプロピルアルコールで洗浄し、乾燥させた。

【0043】
図3は、それぞれの試料の、蟻酸に漬ける前(上段)、蟻酸に1時間漬け置いて引き上げた時(中段)、イソプロピルアルコールで洗浄した後(下段)の状態を示す。ナイロン6は蟻酸に溶解するので、ナイロン6のみで形成される比較実施例5の樹脂を原料とする繊維は、蟻酸に浸かっていた部分が溶解して何も残らない。ナイロン6にカーボンナノチューブを添加した実施例4の樹脂を原料とする繊維も、母材であるナイロン6が溶解することにより、分散していたカーボンナノチューブも失われ、蟻酸に浸かっていた部分は何も残らない。ナイロン6を第1の熱可塑性樹脂、ポリスチレンを第2の熱可塑性樹脂とし、ナイロン6のみにカーボンナノチューブが添加された実施例3のポリマーアロイを原料とする繊維は、母材であるナイロン6と、ナイロン6に分散されていたカーボンナノチューブは失われるが、ナイロン6の「海」の中に「島」として含まれていたポリスチレンは、蟻酸に溶解しないので残る。残った繊維の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。

【0044】
図4は、走査型電子顕微鏡で観察した繊維の位置を示す。図5は、図4に示した位置における走査型電子顕微鏡写真を示す。図5の上段は、低倍率の写真であり、図5の下段は、上段と同じ位置における上段よりも高倍率の写真である。(a)及び(b)の位置は、蟻酸に浸かっていなかった位置なので、ナイロン6が溶解せずに残っており、ナイロン6の表面が観察される。それ以外の位置は、蟻酸に浸かっていた位置なので、ナイロン6及びカーボンナノチューブは失われており、ポリスチレンの表面が観察される。ポリマーアロイにおいて島を形成していたポリスチレンは、溶融紡糸され、延伸されることにより、モノフィラメントの長さ方向に配列した、直径0.5~1μm程度のナノファイバーを形成していることが分かる。したがって、第2の実施の形態に係る製造方法により製造されるモノフィラメントは、第2の熱可塑性樹脂が繊維の長さ方向に配向した直径0.5~1μm程度の緻密な芯を形成し、第1の熱可塑性樹脂が外形となる鞘を形成した、極細芯鞘構造を有する。

【0045】
第2の熱可塑性樹脂と解砕されたカーボンナノ材料とを溶融混練した混練物を、第1の熱可塑性樹脂と溶融混練したポリマーアロイを溶融紡糸して延伸処理すると、解砕されたカーボンナノ材料を含む第2の熱可塑性樹脂の緻密な芯と、第1の熱可塑性樹脂の鞘を有する極細芯鞘構造の繊維を製造することができる。その後、第1の熱可塑性樹脂を溶解させて除去すると、解砕されたカーボンナノ材料が分散された第2の熱可塑性樹脂のナノファイバーを製造することができる。

【0046】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

【0047】
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の繊維の製造方法は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料を含有する熱可塑性樹脂を、溶融紡糸し、延伸処理を施す。

【0048】
この態様によると、熱可塑性樹脂中のカーボンナノ材料の分散性を向上させることができるので、解砕されていないカーボンナノ材料が添加された繊維と同等の特性の繊維を得るために熱可塑性樹脂に添加することが必要なカーボンナノ材料の量を少なくすることができる。

【0049】
本開示の別の態様も、繊維の製造方法である。この方法は、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料と、第1の熱可塑性樹脂と、第1の熱可塑性樹脂とは異なる種類の第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練したポリマーアロイを、溶融紡糸し、延伸処理を施す。

【0050】
この態様によると、ポリマーアロイ中のカーボンナノ材料の分散性を向上させることができるので、解砕されていないカーボンナノ材料が添加された繊維と同等の特性の繊維を得るために熱可塑性樹脂に添加することが必要なカーボンナノ材料の量を少なくすることができる。

【0051】
第1の熱可塑性樹脂と第2の熱可塑性樹脂は、溶融混練されることにより海島構造を形成してもよい。カーボンナノ材料と第1の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、第2の熱可塑性樹脂と溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。カーボンナノ材料と第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物を、第1の熱可塑性樹脂と溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。カーボンナノ材料と第1の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物と、カーボンナノ材料と第2の熱可塑性樹脂とを溶融混練した混練物とを溶融混練してポリマーアロイとしてもよい。

【0052】
上記の製造方法によって製造される繊維が、モノフィラメントであってもよい。上記の製造方法によって少なくとも1種のモノフィラメントを製造し、製造されたモノフィラメントを複数合わせることによりマルチフィラメントとしてもよい。この態様によっても、熱可塑性樹脂やポリマーアロイ中のカーボンナノ材料の分散性を向上させることができるので、解砕されていないカーボンナノ材料が添加された繊維と同等の特性の繊維を得るために熱可塑性樹脂に添加することが必要なカーボンナノ材料の量を少なくすることができる。

【0053】
本発明の更に別の態様は、モノフィラメントである。このモノフィラメントは、熱可塑性樹脂と、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料とを含み、熱可塑性樹脂にカーボンナノ材料が分散して存在する。

【0054】
この態様によると、熱可塑性樹脂中のカーボンナノ材料の分散性を向上させることができるので、カーボンナノ材料の特性が効果的に発揮された熱可塑性樹脂のモノフィラメントを提供することができる。

【0055】
本発明の更に別の態様もまた、モノフィラメントである。このモノフィラメントは、海島構造が形成されたポリマーアロイと、カーボンナノ材料を体積比で5:1の蒸留水とt-ブチルアルコールの混合溶媒中に分散させたときにカーボンナノ材料が占める体積を基準として、所定時間静置後に沈降したカーボンナノ材料が占める体積の減少率を表す相対充填量減少率が4%以下となるように解砕されたカーボンナノ材料とを含み、ポリマーアロイは、第1の熱可塑性樹脂を含む海部と、第1の熱可塑性樹脂とは異なる第2の熱可塑性樹脂を含む島部とを有し、カーボンナノ材料は、海部及び島部の少なくとも一方に分散して存在する。

【0056】
この態様によると、ポリマーアロイ中のカーボンナノ材料の分散性を向上させることができるので、カーボンナノ材料の特性が効果的に発揮されたポリマーアロイのモノフィラメントを提供することができる。

【0057】
本発明の更に別の態様は、マルチフィラメントである。このマルチフィラメントは、上記のモノフィラメントを複数含む。

【0058】
この態様によると、カーボンナノ材料の特性が効果的に発揮されたマルチフィラメントを提供することができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4