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明細書 :ユーシェアリライド類の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6621755号 (P6621755)
登録日 令和元年11月29日(2019.11.29)
発行日 令和元年12月18日(2019.12.18)
発明の名称または考案の名称 ユーシェアリライド類の製造方法
国際特許分類 C07F   9/655       (2006.01)
C07D 313/00        (2006.01)
A61K  31/685       (2006.01)
A61P  31/04        (2006.01)
FI C07F 9/655 CSP
C07D 313/00
A61K 31/685
A61P 31/04
請求項の数または発明の数 13
全頁数 72
出願番号 特願2016-556615 (P2016-556615)
出願日 平成27年10月28日(2015.10.28)
国際出願番号 PCT/JP2015/080469
国際公開番号 WO2016/068220
国際公開日 平成28年5月6日(2016.5.6)
優先権出願番号 2014220491
優先日 平成26年10月29日(2014.10.29)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成30年8月24日(2018.8.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
発明者または考案者 【氏名】椎名 勇
【氏名】殿井 貴之
個別代理人の代理人 【識別番号】100106002、【弁理士】、【氏名又は名称】正林 真之
審査官 【審査官】前田 憲彦
参考文献・文献 特表2007-536194(JP,A)
特開昭62-265290(JP,A)
特開昭59-141582(JP,A)
Heterocycles,2014年,88(2),p.1175-1189,2013年9月18日にオンラインで掲載
Journal of Antibiotics,2006年,59(9),p.597-600
調査した分野 C07F 9/00
A61K 31/00
C07D 313/00
CAplus/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記1~10で示される工程を含む、式(I)で表されるユーシェアリライド類の製造方法。
工程1:式(I-1)
【化1】
JP0006621755B2_000110t.gif
(式中、Pは保護基を表す。)
で表される化合物と、
式(I-2)
【化2】
JP0006621755B2_000111t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは保護基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表される化合物とを塩基の存在下にカップリングして式(I-3)
【化3】
JP0006621755B2_000112t.gif
(式中、R、P及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程2:式(I-3)で表される化合物を脱保護して式(I-4)
【化4】
JP0006621755B2_000113t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程3:式(I-4)で表される化合物を酸化して式(I-5)
【化5】
JP0006621755B2_000114t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程4:式(I-5)で表される化合物をアルドール反応に付して式(I-6)
【化6】
JP0006621755B2_000115t.gif
(式中、Rは炭化水素基を表し、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程5:式(I-6)で表される化合物をエステル交換して式(I-7)
【化7】
JP0006621755B2_000116t.gif
(式中、R、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程6:式(I-7)で表される化合物を保護、脱保護して式(I-8)
【化8】
JP0006621755B2_000117t.gif
(式中、Pは保護基を表し、R及びRは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程7:式(I-8)で表される化合物を加水分解して式(I-9)
【化9】
JP0006621755B2_000118t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程8:式(I-9)で表される化合物を環化して式(I-10)
【化10】
JP0006621755B2_000119t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程9:式(I-10)で表される化合物を脱保護して式(I-11)
【化11】
JP0006621755B2_000120t.gif
(式中、Rは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程10:式(I-11)で表される化合物をリン化合物、続いてアミンRNと反応させて式(I)
【化12】
JP0006621755B2_000121t.gif
(式中、Rは前記のとおりであり、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物を得る工程。
【請求項2】
式(Ia-11)
【化13】
JP0006621755B2_000122t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物をリン化合物、続いてアミンRNと反応させることによる、式(Ia)
【化14】
JP0006621755B2_000123t.gif
(式中、R、R、R及びRは、独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表されるユーシェアリライド類の製造方法。
【請求項3】
式(Ia-11)で表される化合物が、式(Ia-9)
【化15】
JP0006621755B2_000124t.gif
(式中、Rは前記のとおりであり、Pは保護基を表す。)
で表される化合物を2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物と反応させて式(Ia-10)
【化16】
JP0006621755B2_000125t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-10)で表される化合物を脱保護する工程により得られる、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
式(Ia-9)で表される化合物が、式(I-1)
【化17】
JP0006621755B2_000126t.gif
(式中、Pは保護基を表す。)
で表される化合物と、
式(Ia-2)
【化18】
JP0006621755B2_000127t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは保護基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表される化合物とを塩基の存在下にカップリングして式(Ia-3)
【化19】
JP0006621755B2_000128t.gif
(式中、R、P及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-3)で表される化合物を脱保護して式(Ia-4)
【化20】
JP0006621755B2_000129t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-4)で表される化合物を酸化して式(Ia-5)
【化21】
JP0006621755B2_000130t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-5)で表される化合物をアルドール反応に付して式(Ia-6)
【化22】
JP0006621755B2_000131t.gif
(式中、Rは炭化水素基を表し、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-6)で表される化合物をエステル交換して式(Ia-7)
【化23】
JP0006621755B2_000132t.gif
(式中、R、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-7)で表される化合物を保護、脱保護して式(Ia-8)
【化24】
JP0006621755B2_000133t.gif
(式中、Pは保護基を表し、R及びRは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-8)で表される化合物を加水分解する工程により得られる、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
式(Ia)で表されるユーシェアリライド化合物が、式(A)
【化25】
JP0006621755B2_000134t.gif
で表される化合物である請求項2~4いずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
式(A)、(E)、(F)又は(G)で表される化合物。
【化26】
JP0006621755B2_000135t.gif
【化27】
JP0006621755B2_000136t.gif
【化28】
JP0006621755B2_000137t.gif
【化29】
JP0006621755B2_000138t.gif

【請求項7】
下記式(A)、(B)、(C)、(E)、(F)、(G)又は(H)で表される化合物を含有する医薬組成物。
【化30】
JP0006621755B2_000139t.gif
【化31】
JP0006621755B2_000140t.gif
【化32】
JP0006621755B2_000141t.gif
【化33】
JP0006621755B2_000142t.gif
【化34】
JP0006621755B2_000143t.gif
【化35】
JP0006621755B2_000144t.gif
【化36】
JP0006621755B2_000145t.gif

【請求項8】
抗菌剤である請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
下記式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)又は(H)で表される化合物を含有する耐性菌用抗菌剤。
【化37】
JP0006621755B2_000146t.gif
【化38】
JP0006621755B2_000147t.gif
【化39】
JP0006621755B2_000148t.gif
【化40】
JP0006621755B2_000149t.gif
【化41】
JP0006621755B2_000150t.gif
【化42】
JP0006621755B2_000151t.gif
【化43】
JP0006621755B2_000152t.gif
【化44】
JP0006621755B2_000153t.gif

【請求項10】
耐性菌がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)又はバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)である請求項9に記載の耐性菌用抗菌剤。
【請求項11】
耐性菌用抗菌剤を製造するための、下記式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)又は(H)で表される化合物の使用。
【化45】
JP0006621755B2_000154t.gif
【化46】
JP0006621755B2_000155t.gif
【化47】
JP0006621755B2_000156t.gif
【化48】
JP0006621755B2_000157t.gif
【化49】
JP0006621755B2_000158t.gif
【化50】
JP0006621755B2_000159t.gif
【化51】
JP0006621755B2_000160t.gif
【化52】
JP0006621755B2_000161t.gif

【請求項12】
式(I-7)
【化53】
JP0006621755B2_000162t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは保護基を表し、Rは炭化水素基を表す。)
で表される化合物を脱保護し、次いで環化する工程を含む、式(I)
【化54】
JP0006621755B2_000163t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表されるユーシェアリライド類の製造方法。
【請求項13】
式(I-7)
【化55】
JP0006621755B2_000164t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは保護基を表し、Rは炭化水素基を表す。)
で表される化合物を脱保護して式(I-12)
【化56】
JP0006621755B2_000165t.gif
(式中、Rは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
前記式(I-12)で表される化合物を環化して式(I-11)
【化57】
JP0006621755B2_000166t.gif
(式中、Rは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程
を含む請求項12に記載の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーシェアリライド類、ユーシェアリライド類の製造方法、製造中間体、ユーシェアリライド類を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーシェアリライド(Eushearilide)は、2006年に青かびの一種であるEupenicillium shearii IMF54447より単離された天然のマクロライドであり、医薬としての応用が期待されている(非特許文献1)。
【0003】
これまでユーシェアリライドの推定構造は上記非特許文献1に提案されている。前記文献によれば、ユーシェアリライドはオレフィンを2か所、不斉炭素原子を2か所持つ24員環マクロライドであり、他のマクロライド化合物には見られない特徴的な構造を有することが分かっているが、全ての立体構造はいまだに決定されていない。
【0004】
ユーシェアリライド類縁体の全合成例は知られているが(非特許文献2)、生理活性を研究するにあたり、ユーシェアリライド及びその誘導体を効率的かつ大量に供給するためのさらなる製造方法が必要とされている。また、ユーシェアリライドをリード化合物とする医薬研究のために、様々なユーシェアリライド誘導体を供給することが必要とされている。
【先行技術文献】
【0005】

【非特許文献1】T.Hosoe,K.Fukushima,K.Takizawa,T.Itabashi,N.Kawahara,V.Vidotto,K.Kawai,The Journal of Antibiotics,2006年、第59巻、第597~600頁
【非特許文献2】T.Yamauchi,J.Takidaira,K.Okamoto,T.Sugiura,H.Horikoshi,S.Kudo,S.Sasaki,N.Mizushima,K.Higashiyama,Heterocycles,2014年、第88巻、第1175~1189頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、このような従来技術の問題点を解消することにあり、立体化学を制御することが可能であり、ユーシェアリライド及びその誘導体を大量かつ効率的に供給することのできる製造方法を提供するとともに、様々なユーシェアリライド誘導体の効率的製造を可能にする新規かつ有用な中間体を提供しようとするものである。
【0007】
また、本発明の課題は、新規ユーシェアリライド誘導体を提供するとともに、該ユーシェアリライド誘導体を含有する医薬組成物を提供しようとするものである。
さらに、本発明の課題は、前記ユーシェアリライド誘導体を含有する抗菌剤、特に耐性菌用抗菌剤を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究の結果、Wittig反応工程、向山アルドール反応工程、マクロラクトン化工程などを鍵工程とすることにより、ユーシェアリライド類を効率的に製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
また、本発明者らは、上記製造方法によって得られるいくつかの新規ユーシェリライド類が優れた抗菌活性、特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などの耐性菌に対する抗菌活性を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は以下に示されるとおりである。
【0011】
(1)下記1~10で示される工程を含む、式(I)で表されるユーシェアリライド化合物の製造方法。
工程1:式(I-1)
【化1】
JP0006621755B2_000002t.gif
(式中、Pは保護基を表す。)
で表される化合物と、
式(I-2)
【化2】
JP0006621755B2_000003t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは保護基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表される化合物とを塩基の存在下にカップリングして式(I-3)
【化3】
JP0006621755B2_000004t.gif
(式中、R、P及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程2:式(I-3)で表される化合物を脱保護して式(I-4)
【化4】
JP0006621755B2_000005t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程3:式(I-4)で表される化合物を酸化して式(I-5)
【化5】
JP0006621755B2_000006t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程4:式(I-5)で表される化合物をアルドール反応に付して式(I-6)
【化6】
JP0006621755B2_000007t.gif
(式中、Rは炭化水素基を表し、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程5:式(I-6)で表される化合物をエステル交換して式(I-7)
【化7】
JP0006621755B2_000008t.gif
(式中、R、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程6:式(I-7)で表される化合物を保護、脱保護して式(I-8)
【化8】
JP0006621755B2_000009t.gif
(式中、Pは保護基を表し、R及びRは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程7:式(I-8)で表される化合物を加水分解して式(I-9)
【化9】
JP0006621755B2_000010t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程8:式(I-9)で表される化合物を環化して式(I-10)
【化10】
JP0006621755B2_000011t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程9:式(I-10)で表される化合物を脱保護して式(I-11)
【化11】
JP0006621755B2_000012t.gif
(式中、Rは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
工程10:式(I-11)で表される化合物をリン化合物、続いてアミンRNと反応させて式(I)
【化12】
JP0006621755B2_000013t.gif
(式中、Rは前記のとおりであり、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物を得る工程。
【0012】
(2)式(Ia-11)
【化13】
JP0006621755B2_000014t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物をリン化合物、続いてアミンRNと反応させることによる、式(Ia)
【化14】
JP0006621755B2_000015t.gif
(式中、R、R、R及びRは、独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表されるユーシェアリライド化合物の製造方法。
【0013】
(3)式(Ia-11)で表される化合物が、式(Ia-9)
【化15】
JP0006621755B2_000016t.gif
(式中、Rは前記のとおりであり、Pは保護基を表す。)
で表される化合物を2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物と反応させて式(Ia-10)
【化16】
JP0006621755B2_000017t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-10)で表される化合物を脱保護する工程により得られる、上記(2)に記載の製造方法。
【0014】
(4)式(Ia-9)で表される化合物が、式(I-1)
【化17】
JP0006621755B2_000018t.gif
(式中、Pは保護基を表す。)
で表される化合物と、
式(Ia-2)
【化18】
JP0006621755B2_000019t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは保護基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
で表される化合物とを塩基の存在下にカップリングして式(Ia-3)
【化19】
JP0006621755B2_000020t.gif
(式中、R、P及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-3)で表される化合物を脱保護して式(Ia-4)
【化20】
JP0006621755B2_000021t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-4)で表される化合物を酸化して式(Ia-5)
【化21】
JP0006621755B2_000022t.gif
(式中、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-5)で表される化合物をアルドール反応に付して式(Ia-6)
【化22】
JP0006621755B2_000023t.gif
(式中、Rは炭化水素基を表し、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-6)で表される化合物をエステル交換して式(Ia-7)
【化23】
JP0006621755B2_000024t.gif
(式中、R、R及びPは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-7)で表される化合物を保護、脱保護して式(Ia-8)
【化24】
JP0006621755B2_000025t.gif
(式中、Pは保護基を表し、R及びRは前記のとおりである。)
で表される化合物を得る工程、
式(Ia-8)で表される化合物を加水分解する工程により得られる、上記(3)に記載の製造方法。
【0015】
(5)式(Ia)で表されるユーシェアリライド化合物が、式(A)
【化25】
JP0006621755B2_000026t.gif
で表される化合物である上記(2)~(4)いずれか1項に記載の製造方法。
【0016】
(6)式(II)で表される化合物。
【化26】
JP0006621755B2_000027t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは水素原子又は保護基を表す。)
ただし、前記式(II)中、Rがメチル基であり、かつ、Pが水素原子又はベンジル基である化合物を除く。
【0017】
(7)式(A)、(E)、(F)又は(G)で表される化合物。
【化27】
JP0006621755B2_000028t.gif
【化28】
JP0006621755B2_000029t.gif
【化29】
JP0006621755B2_000030t.gif
【化30】
JP0006621755B2_000031t.gif

【0018】
(8)式(I)
【化31】
JP0006621755B2_000032t.gif

(式中、R、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物(ただし、下記化合物(D)を除く。)を含有する医薬組成物。
【化32】
JP0006621755B2_000033t.gif

【0019】
(9)抗菌剤である上記(8)に記載の医薬組成物。
【0020】
(10)式(I)で表される化合物が、下記式(A)、(B)、(C)、(E)、(F)、(G)、又は(H)
【化33】
JP0006621755B2_000034t.gif
【化34】
JP0006621755B2_000035t.gif
【化35】
JP0006621755B2_000036t.gif
【化36】
JP0006621755B2_000037t.gif
【化37】
JP0006621755B2_000038t.gif
【化38】
JP0006621755B2_000039t.gif
【化39】
JP0006621755B2_000040t.gif
で表される化合物である上記(9)又は上記(10)に記載の医薬組成物。
【0021】
(11)式(I)
【化40】
JP0006621755B2_000041t.gif
(式中、R、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物を含有する耐性菌用抗菌剤。
【0022】
(12)式(I)で表される化合物が、下記式(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、又は(H)
【化41】
JP0006621755B2_000042t.gif
【化42】
JP0006621755B2_000043t.gif
【化43】
JP0006621755B2_000044t.gif
【化44】
JP0006621755B2_000045t.gif
【化45】
JP0006621755B2_000046t.gif
【化46】
JP0006621755B2_000047t.gif
【化47】
JP0006621755B2_000048t.gif
【化48】
JP0006621755B2_000049t.gif

で表される化合物である上記(11)に記載の耐性菌用抗菌剤。
【0023】
(13)耐性菌がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)又はバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)である上記(11)又は上記(12)に記載の耐性菌用抗菌剤。
【0024】
(14)式(I)
【化49】
JP0006621755B2_000050t.gif
(式中、R、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物を含有する医薬組成物の治療有効量を、それを必要としている対象に投与することを含む、耐性菌感染症の治療または予防の方法。
【0025】
(15)耐性菌用抗菌剤を製造するための、式(I)
【化50】
JP0006621755B2_000051t.gif
(式中、R、R、R及びRは独立に水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表される化合物の使用。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、立体化学を制御でき、様々な類縁体を大量かつ効率的に供給することのできるユーシェアリライド類の製造方法を提供するとともに、様々なユーシェアリライド類の効率的製造を可能にする新規かつ有用な中間体を提供することができる。
【0027】
また、本発明によれば、上記製造方法によって得られるいくつかの新規光学活性ユーシェリライド類を含有する医薬組成物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、前記光学活性ユーシェリライド類を含有する抗菌剤、特に耐性菌用抗菌剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ユーシェアリライド類は24員環マクロライドであり、以下の式
【化51】
JP0006621755B2_000052t.gif
で表される構造を基本骨格として有する。上記式中の数字は基本骨格を構成する原子の位置を表す。

【0029】
以下、本発明の実施形態について詳述する。

【0030】
本発明における「保護基」とは、ヒドロキシル保護基一般を示す。ヒドロキシル保護基としては、通常のヒドロキシル保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W.Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第3版、第17~245頁、1999年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons,INC.)に記載されている基が挙げられる。保護基としては、たとえば、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アルアルキルオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アルキル基、アルケニル基、アルアルキル基、含酸素複素環式基、含硫黄複素環式基、アルコキシアルキル基、アルアルキルオキシアルキル基、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基および置換シリル基などが挙げられる。保護基の具体例としては、tert-ジメチルシリル基等の有機ケイ素系保護基、ベンジル基、4-メトキシベンジル基等のアラルキル基、ブトキシメチル基等のアルコキシアルキル基、テトラヒドロピラン—2-イル基等が挙げられる。

【0031】
本発明における「炭化水素基」とは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基を意味する。「アルキル基」としては、炭素数1~8のアルキル基を示し、直鎖、分岐鎖、環状のものを包含し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基が例示される。「アルケニル基」、「アルキニル基」としては、炭素数2~8のアルキル基を示し、直鎖、分岐鎖、環状のものを包含し、例えば、エテニル基、エチニル基、プロペニル基、プロピニル基、シクロヘキセニル基が例示される。「アリール基」としては、炭素数6~18のアリール基を示し、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が例示される。

【0032】
本発明における「置換されていてもよい」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。

【0033】
以下、本発明の製造方法における各工程について、下記のスキームを参照して説明する。
【化52】
JP0006621755B2_000053t.gif

【0034】
工程1
本発明においては、まず、上記式(I-1)で表される化合物と式(I-2)で表される化合物とを塩基の存在下にWittig反応に付すことにより、カップリングして、式(I-3)で表される化合物を合成する。
塩基としては、ブチルリチウム等のアルキルリチウム、フェニルリチウム等のアリールリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド等のヘキサメチルジシラザンのアルキル金属塩、カリウムtert-ブトキシド等のアルコールのアルカリ金属塩を用いることが好ましい。
反応溶媒としては、上記塩基に対して安定なものであれば特に制限はない。好ましくは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒が用いられる。前記溶媒は1種でもよく、2種以上の混合溶媒も用いることができる。
反応温度としては、特に制限はないが、-78℃~室温が好ましい。
工程1では、生成する二重結合の幾何異性を作り分けることができる。Z体オレフィンが所望であれば、塩基としてナトリウムヘキサメチルジシラジド等のヘキサメチルジシラザンのアルキル金属塩を用いることが好ましい。E体オレフィンが所望であれば、式(I-2)で表される化合物に対して2当量以上のブチルリチウム等のアルキルリチウム、フェニルリチウム等のアリールリチウムを用いることが好ましい。

【0035】
工程2
工程2では、式(I-3)で表される化合物における保護基Pを脱保護して式(I-4)で表される化合物を合成する。
脱保護剤としては、保護基P及びPの化学的性質に依存し、保護基Pを損なうことなく、保護基Pを脱保護できるものであれば、特に制限なく用いることができる。

【0036】
工程3
工程3では、式(I-4)で表される化合物の1級水酸基を酸化して式(I-5)で表される化合物を合成する。
酸化剤としては、1級水酸基をアルデヒドに酸化できるものであれば特に制限はなく、例えば、三酸化硫黄ピリジン錯体、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ ラジカル、クロロクロム酸ピリジニウム、二クロム酸ピリジニウム、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オンが好ましく用いられる

【0037】
工程4
工程4では、式(I-5)で表される化合物をアルドール反応に付して式(I-6)で表される化合物を合成する。
本工程では、式(I-5)で表される化合物を求電子剤として用い、炭素鎖を2つ増加させることのできるエノラートを求核剤として用い、アルドール反応を行う。
求核剤であるエノラートとしては、酢酸エステル由来のシリルエノールエーテル等が好ましい。

【0038】
工程5
工程5では、式(I-6)で表される化合物をエステル交換反応して式(I-7)で表される化合物を合成する。
本工程では、目的物のアルコキシ基部分に対応するアルコールを反応させることにより行われる。

【0039】
工程6

【0040】
工程6では、式(I-7)で表される化合物を保護、脱保護して式(I-8)で表される化合物を合成する。
保護基PとPとしては、他の有機化合物に対する安定性等の化学的性質が異なるものであれば、特に制限なく用いることができる。

【0041】
工程7
工程7では、式(I-8)で表される化合物を加水分解して式(I-9)で表される化合物を合成する。
加水分解に用いる試薬としては、エステルの加水分解に用いられるものであれば特に制限がなく、アルカリでも酸でも好ましく用いることができる。

【0042】
工程8
工程8では、式(I-9)で表される化合物を環化して式(I-10)で表される化合物を合成する。
環化に用いる試薬としては、マクロラクトン化に用いられているものであれば特に制限はなく、例えば、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA)が好ましく用いられる。

【0043】
工程9
工程9では、式(I-10)で表される化合物を脱保護して式(I-11)で表される化合物を合成する。
脱保護剤としては、保護基Pの化学的性質に依存し、化合物の構造を損なうものでなければ、特に制限なく用いることができる。

【0044】
工程10
工程10では、式(I-11)で表される化合物から式(I)で表される化合物を合成する。
反応は、式(I-11)で表される化合物と下記式
【化53】
JP0006621755B2_000054t.gif
で表される化合物等のリン化合物を反応させ、続いてアミンRNと反応させることにより行われる。

【0045】
本発明では、前記式(I-7)で表される化合物から下記スキームにしたがって、式(I)で表されるユーシェアリライド類を製造することもできる。
【化54】
JP0006621755B2_000055t.gif

【0046】
上記スキームの方法では、式(I-7)で表される化合物の保護基Pを脱保護するとともに、エステルCOORをカルボン酸COOHに加水分解して、式(I-12)で表される化合物を合成する。脱保護に用いる試薬及び加水分解に用いる試薬は、化合物の構造を損なうものでなければ、特に制限なく用いることができる。
前記脱保護と加水分解は、1段階ずつ行ってもよいし、同時に行ってもよい。1段階ずつ行う場合には、脱保護と加水分解の順番は特に制限されない。

【0047】
次に、式(I-12)で表される化合物を環化して式(I-11)で表される化合物を合成する。
環化に用いる試薬としては、マクロラクトン化に用いられているものであれば特に制限はなく、例えば、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA)が好ましく用いられる。

【0048】
最後に、前記工程10と同様の方法により、式(I)で表されるユーシェアリライド類を合成する。

【0049】
上記製造方法は、立体化学が制御されたユーシェアリライド類を製造するのに特に有用であり、以下のスキームを参照して詳述する。
【化55】
JP0006621755B2_000056t.gif

【0050】
工程1
式(I-1)で表される化合物と式(Ia-2)で表される化合物とを塩基の存在下にWittig反応に付すことにより、カップリングして、式(Ia-3)で表される化合物を合成する。
後の工程との関係から、式(I-1)中の保護基Pとしては、tert-ブチルジメチルシリル基等の有機ケイ素系保護基、式(Ia-2)中の保護基Pとしては、ベンジルオキシメチル基(BOM)が好ましい。
反応条件としては、E体オレフィンを得るために、式(Ia-2)で表される化合物に対して2当量以上のブチルリチウム等のアルキルリチウム、フェニルリチウム等のアリールリチウムを用いるシュロッサー条件が好ましい。

【0051】
工程2
工程2では、式(Ia-3)で表される化合物における保護基Pを脱保護して式(Ia-4)で表される化合物を合成する。
脱保護剤としては、保護基P及びPの化学的性質に依存し、保護基Pを損なうことなく、保護基Pを脱保護できるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、保護基Pがtert-ブチルジメチルシリル基であり、保護基Pがベンジルオキシメチル基(BOM)である場合、脱保護剤としてテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)やフッ化水素酸等のフッ素系試薬を用いることが好ましい。

【0052】
工程3
工程3では、式(Ia-4)で表される化合物の1級水酸基を酸化して式(Ia-5)で表される化合物を合成する。
酸化剤としては、1級水酸基をアルデヒドに酸化できるものであれば特に制限はなく、例えば、三酸化硫黄ピリジン錯体が好ましく用いられる。

【0053】
工程4
工程4では、式(Ia-5)で表される化合物をアルドール反応に付して式(Ia-6)で表される化合物を合成する。
本工程は、スズ化合物及びキラルジアミン化合物の存在下に、式(Ia-5)で表される化合物と下記式
【化56】
JP0006621755B2_000057t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基、R~Rは独立に置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表されるシリルエノールエーテルを反応させる、いわゆる向山アルドール反応により行われる。

【0054】
スズ化合物としては、スズトリフラートが好ましく用いられる。
キラルジアミンとしては、例えば、以下の式
【化57】
JP0006621755B2_000058t.gif
(式中、R11は炭化水素基を表し、R12およびR13は独立に水素原子、アリール基を表し、R12およびR13は一緒になって環を形成していてもよい。)
で表される化合物が好ましく用いられ、その中でも、以下の式
【化58】
JP0006621755B2_000059t.gif
で表される化合物が特に好ましく用いられる。
なお、スズ化合物とキラルジアミンについては、予め錯体となったものを用いてもよい。

【0055】
反応温度としては、高い立体選択性を得る観点から低温が好ましく、具体的には、-78℃~室温が好ましい。反応溶媒としては、非プロトン性の非配位性溶媒が好ましく用いられ、具体的には、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒が好ましく用いられる。また、立体選択性や収率を向上させるために、フッ化トリブチルスズや二酢酸ジブチルスズなどのスズ(IV)塩をさらに添加してもよい。

【0056】
なお、立体選択性や収率を損なわない範囲で、上記の反応条件を適宜改変した条件で反応を行ってもよく、例えば、Isamu Shiina,The Chemical Record,2014年1月25日,第14巻,第144-183頁およびそこで引用される他の文献に記載される反応条件で反応を行ってもよい。

【0057】
工程5
工程5では、式(Ia-6)で表される化合物をエステル交換反応して式(Ia-7)で表される化合物を合成する。
本工程では、目的物のアルコキシ基部分に対応するアルコールを反応させることにより行われる。反応条件としては、上記アルコールの他に、トリフルオロ酢酸銀、塩基を添加することが好ましい。

【0058】
工程6
工程6では、式(Ia-7)で表される化合物を保護、脱保護して式(Ia-8)で表される化合物を合成する。
保護基PとPとしては、他の有機化合物に対する安定性等の化学的性質が異なるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、Pがベンジルオキシメチル(BOM)であり、Pが4-メトキシベンジル基(PMB)であることが好ましい。

【0059】
工程7
工程7では、式(Ia-8)で表される化合物を加水分解して式(Ia-9)で表される化合物を合成する。
加水分解に用いる試薬としては、エステルの加水分解に用いられるものであれば特に制限がなく、アルカリでも酸でも好ましく用いることができ、例えば、水酸化リチウムが好ましい。

【0060】
工程8
工程8では、式(Ia-9)で表される化合物を環化して式(Ia-10)で表される化合物を合成する。
環化に用いる試薬としては、マクロラクトン化に用いられているものであれば特に制限はない。反応性、収率などの効率性の観点から、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA)が環化の試薬として好ましく用いられる。

【0061】
工程9
工程9では、式(Ia-10)で表される化合物を脱保護して式(Ia-11)で表される化合物を合成する。
脱保護剤としては、保護基Pの化学的性質に依存し、化合物の構造を損なうものでなければ、特に制限なく用いることができる。例えば、Pが4-メトキシベンジル(PMB)である場合、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)が脱保護剤として好ましく用いられる。

【0062】
工程10
工程10では、式(Ia-11)で表される化合物から式(I)で表される化合物を合成する。
反応は、式(I-11)で表される化合物と下記式
【化59】
JP0006621755B2_000060t.gif
で表される化合物等のリン化合物を反応させ、続いてアミンRNと反応させることにより行われる。

【0063】
本発明では、前記式(Ia-7)で表される化合物から下記スキームにしたがって、式(Ia)で表されるユーシェアリライド類を製造することもできる。
【化60】
JP0006621755B2_000061t.gif

【0064】
上記スキームの方法では、式(Ia-7)で表される化合物の保護基Pを脱保護するとともに、エステルCOORをカルボン酸COOHに加水分解して、式(Ia-12)で表される化合物を合成する。脱保護に用いる試薬及び加水分解に用いる試薬は、化合物の構造を損なうものでなければ、特に制限なく用いることができる。
前記脱保護と加水分解は、1段階ずつ行ってもよいし、同時に行ってもよい。1段階ずつ行う場合には、脱保護と加水分解の順番は特に制限されない。

【0065】
次に、式(Ia-12)で表される化合物を環化して式(Ia-11)で表される化合物を合成する。
環化に用いる試薬としては、マクロラクトン化に用いられているものであれば特に制限はなく、例えば、2-メチル-6-ニトロ安息香酸無水物(MNBA)が好ましく用いられる。

【0066】
最後に、前記工程10と同様の方法により、式(Ia)で表されるユーシェアリライド類を合成する。

【0067】
式(I-1)で表される化合物は、以下の製造スキームに従って製造することができる。
【化61】
JP0006621755B2_000062t.gif

【0068】
式(Ia-12)で表される化合物を、水素化アルミニウムリチウム(LAH)等の還元剤で還元して式(Ia-13)で表される化合物を合成する。
式(Ia-13)で表される化合物において、1か所の1級水酸基のみを保護基Pで保護して式(Ia-14)で表される化合物を合成する。
式(Ia-14)で表される化合物の1級水酸基を酸化して式(I-1)で表される化合物を合成することができる。

【0069】
式(Ia-2)で表される化合物は、以下の製造スキームに従って製造することができる。
【化62】
JP0006621755B2_000063t.gif

【0070】
式(Ia-15)で表される化合物の水酸基をPで保護して式(Ia-16)で表される化合物を合成する。保護基Pとしては、水酸基の保護基として用いられるものであれば特に制限がなく、例えば、テトラヒドロピラン-2-イル基(THP)が好ましい。
式(Ia-16)で表される化合物とブチルリチウム等の塩基を反応させてアセチリドとした後に、式(Ia-17)
【化63】
JP0006621755B2_000064t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表す。)
で表されるエポキシ化合物を反応させて式(Ia-18)で表される化合物を合成する。この反応では、式(Ia-17)におけるRが置換されていてもよい炭化水素基である場合、不斉炭素が存在するが、上記化学構造式とは絶対配置の異なる光学活性エポキシ化合物を用いれば、上記式(Ia-18)で表される化合物とは絶対配置の異なる化合物を得ることができる。したがって、用いる光学活性エポキシ化合物の絶対配置によって、24員マクロライドの23位の立体化学を制御することができる。

【0071】
式(Ia-18)で表される化合物の三重結合を水素化アルミニウムリチウム等の還元剤で還元して式(Ia-19)で表される化合物を合成する。
式(Ia-19)で表される化合物の2級水酸基を保護基Pで保護して式(Ia-20)で表される化合物を合成する。
式(Ia-20)で表される化合物の保護基Pを脱保護して式(Ia-21)で表される化合物を合成する。
式(Ia-21)で表される化合物の水酸基をハロゲン化して式(Ia-22)で表される化合物を合成する。
式(Ia-22)で表される化合物をトリフェニルホスフィンと反応させて式(Ia-2)で表される化合物を合成することができる。

【0072】
創薬研究においては、一つの中間体から様々な誘導体を製造できることが時間的、経済的に重要である。そのような観点から、本発明では下記の式(II)
【化64】
JP0006621755B2_000065t.gif
(式中、Rは水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を表し、Pは水素原子又は保護基を表す。)
で表される化合物は、例えば2級アルコール部分を手掛かりにして様々な誘導体を製造することが可能であり、重要な中間体である。

【0073】
上記製造スキームに従えば、様々なユーシェアリライド類、例えば以下に示す式(A)~(H)の化合物を製造することができる。なお、式(A)及び(E)~(G)で表される光学活性ユーシェアリライド類は文献に未収載の新規化合物である。
【化65】
JP0006621755B2_000066t.gif
【化66】
JP0006621755B2_000067t.gif
【化67】
JP0006621755B2_000068t.gif
【化68】
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【化69】
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【化70】
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【化71】
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【化72】
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【0074】
本発明の製造方法に従って製造される式(I)で表される化合物は生理活性を示すので、医薬として使用することができる。

【0075】
本発明の式(I)で表される化合物を医薬として用いる場合、通常、製剤化に使用される賦形剤、担体および希釈剤などの製剤補助剤を適宜混合してもよい。これらは、常法にしたがって、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、粉体製剤、坐剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、貼付剤、軟膏剤または注射剤などの形態で、経口または非経口で投与することができる。また投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択することができる。通常、成人に対しては、経口または非経口(たとえば、注射、点滴および直腸部位への投与など)投与により、1日、0.01~1000mg/kgを1回から数回に分割して投与すればよい。
本発明の式(I)で表される化合物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌、抗酸菌等によってひきおこされる人間や動物の局所性感染症、または全身性感染症を治療するのに有用である。

【0076】
本発明の式(I)で表される化合物は、耐性菌感染症を治療または予防するのに有用である。
耐性菌としては、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、及びバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)等が挙げられる。

【0077】
本発明における「治療有効量」とは、菌感染症の発症を防止する、症状を緩和する、進行を止める、または臨床症状改善などの所望の生物学的結果をもたらす化合物の量をいう。
本発明における「対象」とは、哺乳類、植物、下等動物、または細胞培養液をいう。一つの実施形態では、対象は抗菌治療を必要とするヒトまたは他の動物患者である。
本発明における「投与」とは、本発明の化合物(例えば、式(I)で表される化合物)を、治療を必要としている対象に提供することをいう。好ましくは、該対象は哺乳類、より好ましくは、ヒトである。
【実施例】
【0078】
以下に、具体的な合成スキームとともに本発明の実施例を示すが、本発明は、特にこれにより限定されるものではない。
【化73】
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【実施例】
【0079】
製造例1
【化74】
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化合物(1)
4-ペンチン-1-オール (670mg,7.78mmol)の塩化メチレン(39mL)溶液を0℃に冷却し、PPTS(ピリジニウム-p-トルエンスルホネート)(391mg,1.56mmol)、DHP(ジヒドロピラン)(0.99mL,11.7mmol)を加えた後に室温に昇温し5時間撹拌した。反応系を0℃に冷却して飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を塩化メチレンで3回抽出した。有機相を合わせて水、および飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane/ethyl acetate=12/1)によって精製し、化合物(1)(1.22g,93%)を得た。
Rf=0.4(hexane/ethyl acetate=10/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ4.60,3.89-3.81,3.53-3.46,2.31,1.94,1.82,1.71,1.59-1.50
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ94.4,82.6,70.1,68.0,65.2,39.9,38.3,35.7,31.0,27.7
HR-MS(ESI-TOF):m/z C1016Na[M+Na] 理論値:191.1043、測定値:191.1040
IR(neat):3302,2947,2869cm-1
【実施例】
【0080】
製造例2
【化75】
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化合物(2)
化合物(1)(613mg,3.64mmol)のTHF(テトラヒドロフラン)(36mL)溶液を-78℃に冷却し、BuLi(2.6M in hexane,1.68mL,4.37mmol)を滴下した後に20分間撹拌した。BF3・OEt2(三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体)(0.59mL,4.73mmol)をゆっくりと滴下した後に10分間撹拌し、(R)-プロピレンオキシド(0.51mL,7.28mmol)を滴下し-78℃のまま1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物シリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=3/1)によって精製し、化合物(2)(663mg,81%)を得た。
Rf=0.4(hexane/ethyl acetate=3/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ4.59,3.91-3.82,3.53-3.45,2.38-2.27,2.07,1.83-1.68,1.61-1.50,1.23
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ98.8,82.4,76.6,66.5,65.9,62.3,30.7,29.4,29.0,25.4,22.2,19.5,15.6
HR-MS(ESI-TOF):m/z C1322Na[M+Na] 理論値:249.1461、測定値:249.1458
IR(neat):3471,2947cm-1
【実施例】
【0081】
製造例3
【化76】
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化合物(3)
化合物(2)(145mg,0.641mmol)の1,2-ジメトキシエタン(21mL)溶液を0℃に冷却し、LiAlH(1.0M in THF,1.9mL,1.9mmol)を加えた後に、90℃で72時間加熱還流した。反応系を0℃に冷却し、メタノール、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加えて反応を停止し有機相を分取した後に水相をジエチルエーテルで3回抽出した。有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=3/1によって精製し、化合物(3)(126mg,86%)
Rf=0.5(hexane/ethyl acetate=1/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ5.55,5.44,4.56,3.90-3.72,3.49,3.39,2.23-2.04,1.83,1.73-1.65,1.60-1.50,1.18
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ133.8,126.4(126.4),98.9,67.2,67.1,66.9,62.4,42.6(42.5),30.8,29.4(29.3),25.5,22.6,19.7
HR-MS(ESI-TOF):m/z C1324Na[M+Na] 理論値:251.1618、測定値:251.1611
IR(neat):3433,2939,2877cm-1
【実施例】
【0082】
製造例4
【化77】
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化合物(4)
化合物(3)(171mg,0.748mmol)の塩化メチレン(7.5mL)溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(0.52mL,2.98mmol)、BOMCl(ブトキシメチルクロリド)(0.31mL,2.36mmol)、TBAI(テトラブチルアンモニウムヨージド)(55mg,0.15mmol)を加えた後に22時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を塩化メチレンで3回抽出した。有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=5/1)によって精製し、化合物(4)(235mg,90%を得た。
Rf=0.7(hexane/ethyl acetate=2/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.35-7.27,5.48,4.79,4.62,4.57,3.88-3.71,3.49,3.38,2.28,2.16,2.09,1.81,1.69,1.54,1.17
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ138.0,132.5,127.8,127.6,126.5,98.8,92.8,73.0,62.3,40.0,30.7,29.5,29.3,25.5,19.9,19.6
HR-MS(ESI-TOF):m/z C2132Na[M+Na] 理論値:371.2193、測定値:371.2186
IR(neat):2988,2885cm-1
【実施例】
【0083】
製造例5
【化78】
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化合物(5)
化合物(4)(107mg,0.308mmol)のメタノール(3.1mL)溶液にPPTS(7.7mg,0.03087mmol)を加えた後に55℃に昇温し、5時間攪拌した。反応系を室温に戻し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相をクロロホルムで3回抽出した。有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=3/1)によって精製し、化合物(5)(81.3mg,84%)を得た。
Rf=0.3(hexane/ethyl acetate=3/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.35-7.26(m,5H,BOM),5.52(dt,J=15.2,6.8Hz,1H,4-H or 5-H),5.47(dt,J=15.2,6.8Hz,1H,4-H or 5-H),4.79(m,2H,BOM),4.62(m,2H,BOM),3.81(ddq,J=6.0,6.0,6.0Hzm1H,7-H),3.64(t,J=6.4Hz,2H,1-H),2.28(ddd,J=13.2,6.0,6.8Hz,1H,6-H),2.18(ddd,J=13.2,6.8,6.0Hz,1H,6-H),2.10(dt,J=6.8,6.0Hz,2H,3-H),1.63(tt,J=6.4,6.0Hz,2H,2-H),1.18(d,J=6.0Hz,3H,8-H)
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ138.1(BOM),132.4(C4),128.4(BOM),127.8(BOM),127.6(C5),126.8(BOM),92.8(BOM),72.9(BOM),69.3(C7),40.0(C6),32.3(C2),29.1(C3),19.9(C8)
IR(neat):3409,2931cm-1
[α]20+7.73(c1.17,CHCl
【実施例】
【0084】
製造例6
【化79】
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化合物(6)
化合物(5)(1.31g,4.96mmol)のトルエン(50mL)溶液にイミダゾール(440mg,6.45mmol)、PPh(トリフェニルホスフィン)(1.69g,6.45mmol)、ヨウ素(1.39g,5.46mmol)を順次加え室温で1時間攪拌した。反応系を0℃に冷却して飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相をジエチルエーテルで3回抽出した。有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=10/1)によって精製し、化合物(6)(1.67g,90%)を得た。
Rf=0.4(hexane/ethyl acetate=10/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.35-7.26(m,5H,BOM),5.52(dt,J=15.2,6.8Hz,1H,4-H or 5-H),5.42(dt,J=15.2,6.8Hz,1H,4-H or 5-H),4.79(m,2H,BOM),4,62(m,2H,BOM),3.80(ddq,J=6.4,6.2,6.0Hz,1H,7-H),3.17(t,J=6.8Hz,2H,1-H),2.28(ddd,J=14.0,6.8,6.4Hz,1H,6-H), 2.18(ddd,J=14.0,6.8,6.2Hz,1H,6-H),2.11(dt,J=6.8,6.8Hz,2H,3-H),1.87(tt,J=6.8,6.8Hz,2H,2-H),1.18(d,J=6.4Hz,3H,8-H)
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ138.0(BOM),130.6(C4),128.4(BOM),127.9(BOM),127.8(C5),127.6(BOM),92.9(BOM),72.9(BOM),79.3(C7),40.0(C6),33.2(C3),32.9(C2),20.0(C8),6.4(C1)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C1623IONa[M+Na] 理論値:397.0635、測定値:397.0646
IR(neat):3031,2962,2931,2892cm-1
[α]20+5.25(c1.27,CHCl
【実施例】
【0085】
製造例7
【化80】
JP0006621755B2_000081t.gif
化合物(7)
化合物(6)(2.89g,7.96mmol)のトルエン(8.0mL)溶液にPPh(4.17g,15.9mmol)を加え、100℃で16時間加熱還流した。減圧下、溶媒を留去した後にその混合物を少量の塩化メチレンとヘキサンの混合溶媒で10回以上洗浄し、得られた粗生成物の精製は行わずH-NMRで純度を確認し次の反応に用いた。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.82(m,9H,Ar),7.77(m,6H,Ar),7.35-7.26(m,5H,BOM),5.51(dt,J=15.2,6.8Hz,1H,4-H or 5-H),5.38(dt,J=15.2,6.8Hz,1H,4-H or 5-H),4.71(m,2H,BOM),4.54(m,2H,BOM),3.75(ddq,J=6.8,6.4,6.4Hz,1H,7-H),3.66(dt,J=12.6,3.3Hz,1H,1-H), 3.62(dt,J=12.6,3.3Hz,1H,1-H),2.39(dt,J=7.2,6.8Hz,2H,3-H),2.24(ddd,J=14.4,6.8,6.8Hz,1H,6-H),2.14(ddd,J=14.4,6.8,6.4Hz,1H,6-H),1.71(dtt,J=15.2,7.2,3.3Hz,2H,2-H),1.13(d,J=6.4Hz,3H,8-H)
【実施例】
【0086】
製造例8
【化81】
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化合物(8
LiAlH(1.73g,45.6mmol)のTHF(280mL)溶液を0℃に冷却し、テトラデカン二酸ジメチル(4.35g,15.2mmol)のTHF(20mL)溶液をゆっくりと滴下した。0℃のまま2時間撹拌し、メタノール、1N HClを用いて反応を停止した。有機相を分取した後に水相をジエチルエーテルで3回抽出した。有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、化合物(8)(3.22g,92%)を得た。
Rf=0.3(chloroform/CHOH=6/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ3.65,1.58,1.33
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ63.1,32.8,29.6,29.6,29.5,29.4,25.7
IR(film):3409,3347,2923,2854cm-1
【実施例】
【0087】
製造例9
【化82】
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化合物(9)
化合物(8)(922mg,4.00mmol)のTHF(40mL)溶液にイミダゾール(354mg,5.20mmol)を加え0℃に冷却し、TBSCl(tert-ブチルジメチルクロロシラン)(784mg,5.20mmol)を加えた。55℃に昇温し5時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて反応を停止した。有機相を分取した後に水相をジエチルエーテルで3回抽出し、有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=10/1)によって精製し、化合物(9)(743mg,56%)を得た。
Rf=0.2(hexane/ethyl acetate=5/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ3.60,2.28,1.65-1.23,0.89,0.063
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ63.4,63.1,32.9,32.8,29.6,29.6,29.6,29.4,29.4,26.0,25.8,25.7,25.6,-5.25
HR-MS(ESI-TOF):m/z C2044SiNa[M+Na] 理論値:367.3003、測定値:367.3001
IR(neat):3394,2927,2865cm-1
【実施例】
【0088】
製造例10
【化83】
JP0006621755B2_000084t.gif
化合物(10)
化合物(9)(344mg,1.0mmol)の塩化メチレン(8.0mL)とDMSO(ジメチルスルホキシド)(2.0mL)の混合溶液にEtN(トリエチルアミン)(1.1mL,8.0mmol)を加え0℃に冷却し、SO・Py錯体(三酸化硫黄ピリジン錯体)(637mg,4.0mmol)を加えた。室温に昇温し2時間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて反応を停止した。有機相を分取した後に水相を酢酸エチルで3回抽出し、有機相を合わせて水及び飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=5/1)によって精製し、化合物(10)(302mg,88%)を得た。
Rf=0.4(hexane/ethyl acetate=10/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ9.77,3.60,2.40,1.67-1.46,1.26,0.89,0.045
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ202.9,63.3,43.9,32.9,29.6,29.6,29.6,29.4,29.4,29.3,29.2,26.0,25.8,22.1,18.4,-5.26
HR-MS(ESI-TOF):m/z C2042SiNa[M+Na] 理論値:365.2846、測定値:365.2839
IR(neat):2927,2858,1724cm-1
【実施例】
【0089】
実施例1
【化84】
JP0006621755B2_000085t.gif
化合物(11)
化合物(7)(46mg,0.0723mmol)のTHF(1.4mL)溶液を-78℃に冷却し、臭化リチウム(69mg,0.0795mmol)、PhLi(フェニルリチウム)(1.6M in Butyl ether,0.05mL,0.0723mmol)を加えて30分間撹拌した。これを-78℃に冷却した化合物(10)(25mg,0.0723mmol)のジエチルエーテル(1.4mL)溶液にキャニュレーターを用いてゆっくりと滴下した。滴下終了後、PhLi(1.6M in Butyl ether,0.05mL,0.0723mmol)を加え、-78℃を維持したまま2.5時間撹拌した。HCl・EtO(塩化水素・ジエチルエーテル)(1.0M in EtO,0.08mL,0.0795mmol)、KOBu(カリウムtert-ブトキシド)(1.0M in EtO,0.09mL,0.0868mmol)を順次加え-78℃で2時間撹拌した。水を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相をジエチルエーテルで3回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗成生物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=10/1)によって精製し、化合物(11)(28mg,76%)を得た。
Rf=0.53(hexane/ethyl acetate=10/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.35-7.28(m,5H,BOM),5.50-5.34(m,4H,14-H,15-H,18-H,19-H),4.79(q,J=7.2Hz,2H,BOM),4.62(q,J=9.2Hz,2H,BOM),3.79(sx,J=6.3Hz,1H,21-H),3.59(t,J=6.30Hz,2H,1-H),2.22(ddd,J=10.0,6.9,6.3Hz,1H,20-H),2.17(ddd,J=10.0,6.9,6.3Hz,1H,20-H),2.04(m,4H,13-H,16-H),1.95(m,2H,17-H),1.50(m,2H,2-H),1.31-1.25(m,2OH,3-H~12-H),1.17(d,J=6.30Hz,3H,22-H),0.893(s,9H,TBS),0.046(s,6H,TBS)
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ138.0(BOM),132.7(C19),130.8(C14),129.5(C15),128.4(BOM),127.8(C18),127.6(BOM),126.2(BOM),92.8(BOM), 73.0(C21),69.3(BOM),63.4(C1),40.1(C20),32.9(C16 or C17),32.8(C16 or C17),32.6,32.6,29.7,29.6,29.6,29.5,29.2,26.0,25.8(C2~C13),19.9(C22),18.4(TBS),-5.23(TBS)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3664SiNa[M+Na] 理論値:595.4517、測定値:595.4494
IR(neat):2923,2854cm-1
[α]20+4.39(c1.04,CHCl
【実施例】
【0090】
実施例2
【化85】
JP0006621755B2_000086t.gif
化合物(12)
化合物(11)(860mg,1.50mL)のTHF(15mL)溶液を0℃に冷却し、TBAF(テトラブチルアンモニウムフルオリド)(1.0M in THF,4.5mL,4.5mmol)を加え室温で2時間撹拌した。反応系を0℃に冷却して飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=10/1)によって精製し、化合物(12)(577mg,84%)を得た。
Rf=0.43(hexane/ethyl acetate=3/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.36-7.27(m,5H,BOM),5.51-5.33(m,4H,14-H,15-H,18-H,19-H),4.79(q,J=7.2Hz,2H,BOM),4.61(m,2H,BOM),3.79(sx,J=6.3Hz,1H,21-H),3.64,3.51(t,J=6.30Hz,2H,1-H),2.40,2.28(ddd,J=10.0,6.9,6.3Hz,1H,20-H),2.16(ddd,J=10.0,6.9,6.3Hz,1H,20-H),2.04(m,4H,13-H,16-H),1.95(m,2H,17-H),1.56(m,2H,2-H),1.39,1.25,1.17
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ138.0(BOM),132.7(C19),130.8(C14),129.5(C15),128.4(BOM),127.9(C18),127.6(BOM),126.2(BOM),92.8(BOM),73.0(C21),69.3(BOM),63.1(C1),53.9(C2),40.1(C20),32.8(C16 or C17),32.6(C16 or C17),29.6,29.6,29.5,29.4,29.2,29.1,25.7,20.8,19.9(C3-C13),14.1(C22)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3050Na[M+Na] 理論値:481.3652、測定値:481.3659
IR(neat):3402,2923,2854cm-1
[α]20+4.29(c1.05,CHCl
【実施例】
【0091】
実施例3
【化86】
JP0006621755B2_000087t.gif
化合物(13)
化合物(12)(850mg,1.85mmol)の塩化メチレン(15.2mL)溶液とDMSO(3.8mL)の混合溶液を0℃に冷却し、EtN(2.1mL,14.8mmol)とSO・Py錯体(1.2g,7.4mmol)を加えた後に室温に昇温し2時間撹拌した。反応系を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を塩化メチレンで3回抽出した。有機相を合わせて飽和塩化食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=30/1)によって精製し、化合物(13)(698mg,82%)を得た。
Rf=0.63(hexane/ethyl acetate=3/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ9.65(s,1H,1-H),7.27-7.18(m,5H,BOM),5.43-5.30(m,4H,14-H,15-H,18-H,19-H),4.70(m,2H,BOM),4.53(m,2H,BOM),3.71(sx,J=6.3Hz,1H,21-H),2.31(m,2H,2-H),2.19(ddd,J=10.0,6.9,6.3Hz,1H,20-H),2.07(ddd,J=10.0,6.9,6.3Hz,1H,20-H),1.97(m,4H,13-H,16-H),1.88(m,2H,17-H),1.53(m,2H,3-H),1.25-1.18(m,20H,4-H~12H),1.09(d,J=6.30Hz,3H,22-H)
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ202.5(C1),137.9(BOM),132.5(C19),130.7(C14),129.4(C15),128.2(BOM),127.7(C18),127.4(BOM),126.2(BOM),92.6(BOM),72.8(C21),69.1(BOM),43.7(C2),39.9(C20),32.7(C16 or C17),32.5(C16 or C17),32.4,29.5,29.4,29.4,29.3,29.2,29.0,21.9(C3-C13),19.8(C22)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3048Na[M+Na] 理論値:479.3496、測定値:479.3514
IR(neat):2924,2854,1727cm-1
[α]20+4.78(c1.02,CHCl
【実施例】
【0092】
実施例4
【化87】
JP0006621755B2_000088t.gif
化合物(14)
Sn(OTf)(スズトリフラート)(953mg,2.29mmol)を110℃で6時間減圧乾燥を行った後、塩化メチレン(21mL)を加え、(S)-1-メチル-2-(1-ナフチルアミノメチル)ピロリジン(598mg,2.49mmol)の塩化メチレン(5mL)溶液およびBuSnF(トリブチルスズフルオリド)(708mg,2.29mmolを素早く加えた。反応系を-78℃に冷却した後、ケテンシリルアセタール(404mg,2.29mmol)の塩化メチレン(2mL)溶液および化合物(13)(698mg,1.53mmol)の塩化メチレン(2mL)溶液を加え、-78℃を維持したまま12時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、混合物をセライトを通して濾過し、有機相を分取した後に水相を塩化メチレンで3回抽出した。有機相を合わせて飽和塩化食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=10/1によって精製し、化合物(14)(538mg,63%,ジアステレオマー比=95/5)を得た。なお、上記ジアステレオマー比は高速液体クロマトグラフィー(カラム:DAICEL CHIRALPAK AD-H、展開溶媒:hexane/2-propanol=50/1(V/V)、流量:1.0mL/min、波長:254nm)により決定した。
Rf=0.3(hexane/ethyl acetate=5/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.36-7.27,5.51-5.34,4.80,4.61,4.05,3.80,2.90,2.74,2.65,2.28,2.17,2.09-2.02,1.95,1.55-1.25,1.17
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ199.7,138.0,132.7,130.8,129.4,128.4,127.8,127.6,126.2,92.8,73.0,69.2,68.7,50.6,40.0,36.5,32.8,32.6,32.5,29.6,29.6,29.5,29.5,29.5,25.4,23.3,19.9,14.6
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3456SNa[M+Na] 理論値:583.3792、測定値:583.3778
IR(neat):2924,2854,1727cm-1
[α]20-4.89(c1.01,CHCl
【実施例】
【0093】
実施例5
【化88】
JP0006621755B2_000089t.gif
化合物(15)
化合物(14)(470mg,0.84mmol)のエタノール(8.4mL)溶液を0℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(0.6mL,3.35mmol)とAgOCOCF(371mg,1.68mmol)を順次加えた後に室温に昇温し3時間撹拌した。反応系に水を加えて反応を停止し、酢酸エチルでセライト濾過を行い、有機相を分取した後に水相を酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=5/1)によって精製し、化合物(15)(419mg,92%)を得た。
Rf=0.23(hexane/ethyl acetate=5/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.35-7.27,5.52-5.34,4.80,4.61,4.17,4.00,3.80,2.94,2.51,2.48,2.28,2.15,2.04,1.95,1.63-1.25,1.17
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ173.1,138.0,132.7, 130.8,129.5,128.4,127.8,127.6,126.2,92.8,73.0,69.3,68.0,41.3,40.0,36.5,32.8,32.6,32.6,29.6,29.6,29.5,29.2,25.5,19.9,14.6
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3456Na[M+Na] 理論値:567.4020、測定値:567.4000
IR(neat):3464,2924,2854,1728cm-1
[α]20-5.16(c1.00,CHCl
【実施例】
【0094】
実施例6
【化89】
JP0006621755B2_000090t.gif
化合物(16)
(工程1) モレキュラーシーブス4A(1mg)を減圧下加熱して乾燥させた後、室温まで放冷してから化合物(15)(105mg,0.19mmol)の塩化メチレン(3.9mL)溶液を加えた。0℃に冷却し、4-methoxybenzyl-2,2,2-trichloroacetimidate(80μL,0.39mmol)とTsOH・HO(トシル酸一水和物)(13mg,77μmol)を加えた後に室温に昇温し12時間撹拌した。反応系にEtNを加えて反応を停止し、塩化メチレンでセライト濾過を行った後に減圧濃縮し、シリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=5/1)によって粗精製した。
(工程2)粗生成物を0℃に冷却し、THF/12N HCl(5/1)の混合溶液(3.8mL)を加えた後に反応系を室温に昇温し12時間撹拌した。有機相を分取した後に水相をジエチルエーテルで3回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=3/1)によって精製し、化合物(16)(75mg,71%)を得た。
Rf=0.3(hexane/ethyl acetate=3/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.25-7.23,6.86,5.58-5.34,4.46,4.14,3.88-3.76,2.58,2.44,2.23-2.17,2.13-2.04,1.96,1.63-1.49,1.43-1.24,1.18
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ172.0,159.2,134.3,131.2,130.8,129.4,126.3,113.8,75.9,71.3,67.1,60.5,56.4,42.6,40.1,34.5,32.8,32.7,32.6,29.7,29.7,29.6,29.3,25.3,22.7,14.3
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3456Na[M+Na] 理論値:567.4020、測定値:567.4000
IR(neat):3464,2924,2854,1728cm-1
[α]20-3.12(c1.02,CHCl
【実施例】
【0095】
実施例7
【化90】
JP0006621755B2_000091t.gif
化合物(17)
化合物(16)(75mg,1.138mmol)に40mM LiOH溶液 (ethanol/HO=3/1)(3.4mL)を加え室温で20時間撹拌した。1N HClを加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を酢酸エチルで5回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー (chloroform/methanol=6/1)によって精製し、化合物(17)(61mg,86%)を得た。
Rf=0.59(chloroform/methanol=6/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.35-7.27,5.52-5.34,4.79,4.61,4.17,4.00,3.80,2.93,2.51,2.48,2.40,2.13-2.04,1.97-1.94,1.63-1.25,1.17
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ174.0,159.4,134.3,131.1,129.8,129.6,129.4,126.1,113.9,75.3,71.2,67.1,60.5,55.3,42.5,39.0,33.9,32.7,32.6,32.5,29.7,29.6,29.6,29.5,29.5,29.4,29.1,25.0,22.5
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3252Na[M+Na] 理論値:539.3707、測定値:539.3727
IR(neat):3464,2924,2854,1728cm-1
[α]20-15.2(c1.01,CHCl
【実施例】
【0096】
実施例8
【化91】
JP0006621755B2_000092t.gif
化合物(18)
MNBA(19mg,52.8μmol)とDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)(30mg,0.24mmol)の塩化メチレン(16.8mL)溶液に化合物(17)(21mg,40.6μmol)の塩化メチレン(4.2mL)溶液をシリンジポンプを使用して12時間かけて滴下した。滴下終了後、塩化メチレン(1.0mL)を用いて洗い込みを行い、1時間撹拌した。反応系を0℃に冷却して飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を塩化メチレンで3回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/ethyl acetate=6/1)によって精製し、化合物(18)(13mg,68%)を得た。
Rf=0.4(hexane/ethyl acetate=6/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ7.27-7.22,6.87,5.44-5.35,4.91,4.47,3.80,2.65,2.43,2.24,2.04,1.99,1.39-1.27,1.19
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ170.9(C1),159.1(PMB),133.5(C20),130.8(C17),130.6(C16),129.8(PMB),129.3(PMB),125.2(C21),113.7(PMB),75.5(C3),70.7(C23),70.6(PMB),55.3(C2),40.0(C22),38.9(C4),33.9(C19),32.7(C18),32.4(C15),31.8(C6),28.8,28.6,28.5,28.4,28.4,28.2,27.5(C7-14),24.4(C5),19.4(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C3250Na[M+Na] 理論値:521.3601、測定値:521.3600
IR(neat):2924,2854,1728cm-1
[α]20+5.13(c1.01,CHCl
【実施例】
【0097】
実施例9
【化92】
JP0006621755B2_000093t.gif
化合物(19)
化合物(18)(38mg,0.10mmol)の塩化メチレン(1.8mL)およびリン酸緩衝溶液(0.18mL)の混合溶液を0℃に冷却し、DDQ(27mg,0.12mmol)を加えた後に室温に昇温し、2時間撹拌した。反応系を0℃に冷却して飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機相を分取した後に水相を塩化メチレンで5回抽出し、有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(hexane/diethyl ether=2/1)によって精製し、化合物(19)(31mg,82%)を得た。
Rf=0.16(hexane/diethyl ether=2/1)
H-NMR(500MHz,CDCl):δ5.52-5.34,5.00,3.94,2.54-2.39,2.31-2.17,2.05,2.00,1.34-1.27,1.25,1.24
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ172.2(C1),133.7(C20),130.7(C17),129.8(C16),124.9(C21),70.8(C23),68.2(C3),55.3(C2),41.4(C22),38.9(C4),36.1(C19),32.9(C18),32.5(C15),31.9(C6),28.6,28.4,28.2,28.2,28.1,28.1,27.9(C7-14),24.7(C5),19.6(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C2442Na[M+Na] 理論値:401.3026、測定値:401.3008
IR(neat):3410,2924,2854,1728cm-1
[α]20+14.2(c1.03,CHCl
【実施例】
【0098】
実施例10
【化93】
JP0006621755B2_000094t.gif
化合物(A)
(工程1)化合物(19)(15mg,39.6μmol)のトルエン(0.8mL)溶液を0℃に冷却し、EtN(9.4μL,67.3μmol)と2-クロロ-2-オキソ-1,3,2-ジオキサホスホラン(4.7μL,51.5μmol)を順次加え、室温に昇温し3時間撹拌した。反応によって生じたアミン塩を無水トルエンで洗浄しながら吸引濾過し、濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物は水やアルコールに不安定であるため、精製は行わずに次の反応に用いた。
(工程2)オートクレーヴを反応容器とし、粗生成物のアセトニトリル(0.8mL)溶液を-15℃に冷却し、液体のトリエチルアミンを過剰量加えた。反応系を密閉し、70℃に加熱し38時間撹拌した。反応系を室温に戻し、反応混合物をメタノールを溶媒として取り出した。アミノシリカゲルカラムクロマトグラフィー(chloroform/methanol=6/1)によって精製し、化合物(A)(9.7mg,45%)を得た。
Rf=0.27(methanol)
H-NMR(500MHz,CDOD):δ5.52-5.33(4H,m,16,17-H,20,21-H),4.54(1H,m,3-H),4.27(2H,br s,25-H),3.63(m,2H,26-H),3.22(9H,s,27-H),2.82(1H,dd,J=4.0,14.0Hz,2-H),2.54(1H,dd,J=8.6,14.0,2-H),2.31-2.19(2H,m,22-H),2.07(4H,br s,18,19-H),2.00(2H,br d,J=4.6Hz,15-H),1.65(2H,m,4-H),1.30(18H,br s,5-13H),1.19(3H,d,J=6.3Hz,24-H)
13C-NMR(125MHz,CDCl):δ171.8(C1),134.7(C-20),131.8(C16),126.5(C21),74.1(C3),72.3(C23),67.5(C26),60.4(C25),54.7(C27),41.9(C2),40.0(C22),36.1(C4),33.9(C19),33.6(C18),32.7(C15),30.1(C6),29.5(C14),29.2,29.4,29.6,29.7,29.7,29.8(C7-12),28.5(C13),25.4(C5),19.7(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z C2954NOPNa[M+Na] 理論値:566.3586、測定値:566.3592
IR(neat):3432,2954,2537,2090,1728cm-1
[α]20-10.9(c0.707,methanol)
【実施例】
【0099】
実施例11
上記化合物(A)と同様の方法により、化合物(D)~化合物(H)を製造した。
化合物(D)~化合物(H)の同定データを以下に示す。
化合物(D)
【化94】
JP0006621755B2_000095t.gif
(3S,16E,20E,23S)-(+)-Eushearilide (D)
H-NMR(500MHz,CDOD):δ5.52-5.36(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),4.87(m,1H,23-H),4.54(m,1H,3-H),4.27(br s,2H,25-H),3.63(m,2H,26-H),3.22(s,9H,27-H),2.82(dd,J=4.0,14.0Hz,1H,2-H),2.54(dd,J=8.6,14.0Hz,1H,2-H),2.31-2.19(m,2H,22-H),2.07(br s,4H,18-H,19-H),2.00(d,J=4.6Hz,2H,15-H),1.65(m,2H,4-H),1.40-1.30(m,20H,5-H to 14-H),1.19(d,J=6.3Hz,3H,24-H)
13C-NMR(125MHz,CDOD):δ171.7(C1),134.7(C20),131.8(C16),131.2(C17),126.5(C21),74.1(d,J=6.0Hz,C3),72.3(C23),67.5(C26),60.4(d,J=4.8Hz,C25),54.7(C27(NMe)),41.9(d,J=2.4Hz,C2),40.0(C22),36.1(d,J=6.0Hz,C4),33.9(C19),33.6(C18),32.7(C15),30.1(C6),29.5(C14),29.8,29.7,29.7,29.6,29.4,29.2(C7 to C12),28.5(C13),25.4(C5),19.7(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z calcd for C2954NOPNa [M+Na] 566.3586,found 566.3592
IR(neat):3432,2954,2537,2090,1728 cm-1
[α]25 +11.3(c0.85,CHOH)

化合物(E)
【化95】
JP0006621755B2_000096t.gif
(3S,16E,20E,23R)-(+)-Eushearilide (E)
H-NMR(500MHz,CDOD):δ5.51-5.36(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),4.89(m,1H,23-H),4.53(m,1H,3-H),4.25(brs,2H,25-H),3.62(m,2H,26-H),3.21(s,9H,27-H),2.81(dd,J=4.9,15.2Hz,1H,2-H),2.51(dd,J=8.6,14.3Hz,1H,2-H),2.28-2.19(m,2H,22-H),2.06(br s,4H,18-H,19-H),1.99(m,2H,15-H),1.65(dd,J=6.3Hz,2H,4-H),1.41-1.29(m,20H,5-H to 14-H),1.20(d,J=5.7Hz,3H,24-H)
13C-NMR(125MHz,CDOD):δ172.0(C1),134.6(C20),131.8(C16),131.2(C17),126.6(C21),74.1(d,J=6.0Hz,C3),72.0(C23),67.5(C26),60.3(d,J=4.7Hz,C25),54.7(C27),41.5(d,J=3.6Hz,C2),40.1(C22),36.1(d,J=4.8Hz,C4),34.0(C19),33.7(C18),32.7(C15),30.1(C6),29.5(C14),29.8,29.8,29.7,29.6,29.3,29.2(C7 to C12),28.4(C13),25.4(C5),19.8(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z calcd for C2954NOPNa [M+Na] 566.3581,found 566.3558
IR(neat):3410,2924,2854,1720cm-1
[α]27 +9.42(c0.71,CHOH)

化合物(F)
【化96】
JP0006621755B2_000097t.gif
(3R,16E,20E,23S)-(-)-Eushearilide (F)
H-NMR(500MHz,CDOD):δ5.51-5.36(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),4.88(m,1H,23-H),4.55(m,1H,3-H),4.26(brs,2H,25-H),3.63(m,2H,26-H),3.22(s,9H,27-H),2.82(dd,J=4.5,15.5Hz,1H,2-H),2.52(dd,J=8.5,14.5Hz,1H,2-H),2.28-2.19(m,2H,22-H),2.06(br s,4H,18-H,19-H),2.00(d,J=5.5Hz,2H,15-H),1.65(m,2H,4-H),1.42-1.30(m,20H,5-H to 14-H),1.20(d,J=6.3Hz,3H,24-H)
13C-NMR(125MHz,CDOD):δ172.0(C1),134.6(C20),131.8(C16),131.2(C17),126.6(C21),74.1(C3),72.0(C23),67.6(C26),60.3(d,J=6.0Hz,C25),54.7(C27),41.5(d,J=2.4Hz,C2),40.1(C22),36.2(d,J=4.8Hz,C4),34.0(C19),33.7(C18),32.7(C15),30.1(C6),29.5(C14),29.8,29.8,29.7,29.6,29.3,29.2(C7 to C12),28.4(C13),25.4(C5),19.8(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z calcd for C2954NOPNa [M+Na] 566.3581,found 566.3588
IR(neat):3433,2924,2854,1720cm-1
[α]26 -11.17(c0.73,CHOH)

化合物(G)
【化97】
JP0006621755B2_000098t.gif
(3S,16Z,20E,23S)-(+)-Eushearilide (G)
H-NMR(500MHz,CDOD):δ5.54-5.35(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),4.87(m,1H,23-H),4.53(m,1H,3-H),4.26(brs,2H,25-H),3.62(m,2H,26-H),3.21(s,9H,27-H),2.82(dd,J=4.5,14.5Hz,1H,2-H),2.53(dd,J=8.0,14.5Hz,1H,2-H),2.29-2.19(m,2H,22-H),2.08-2.03(m,6H,15-H,18-H,19-H),1.64(m,2H,4-H),1.43-1.30(m,20H,5-H to 14-H),1.20(d,J=6.3Hz,3H,24-H)
13C-NMR(125MHz,CDOD):δ171.8(C1),134.8(C20),131.3(C16),130.3(C17),126.4(C21),74.1(C3),72.2(C23),67.5(d,J=4.8Hz,C26),60.3(C25),54.7(C27),42.0(C2),40.1(C22),36.0(C4),33.8(C19),29.8(C18),29.8(C15),30.0(C6),27.5(C14),29.9,29.8,29.7,29.7,29.4,29.2(C7 to C12),28.4(C13),25.4(C5),19.7(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z calcd for C2954NOPNa [M+Na] 566.3581,found 566.3590
IR(neat):3433,2924,2862,1720cm-1
[α]29 +5.91(c0.80,CHOH)

化合物(H)
【化98】
JP0006621755B2_000099t.gif
(3R,16Z,20E,23S)-(-)-Eushearilide (H)
H-NMR(500MHz,CDOD):δ5.54-5.32(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),4.88(m,1H,23-H),4.54(m,1H,3-H),4.26(brs,2H,25-H),3.63(m,2H,26-H),3.22(s,9H,27-H),2.83(dd,J=3.4,14.9Hz,1H,2-H),2.51(dd,J=8.6,14.9Hz,1H,2-H),2.28-2.19(m,2H,22-H),2.11-2.03(m,6H,15-H,18-H,19-H),1.65(m,2H,4-H),1.43-1.31(m,20H,5-H to 13-H),1.20(d,J=6.3Hz,3H,24-H)
13C-NMR(125MHz,CDOD):δ172.0(C1),134.7(C20),131.3(C16),130.2(C17),126.5(C21),74.1(d,J=6.0Hz,C3),72.1(C23),67.6(C26),60.3(d,J=4.9Hz,C25),54.7(C27),41.6(d,J=3.6Hz,C2),40.2(C22),36.1(d,J=4.8Hz,C4),33.9(C19),29.8(C18),29.7(C15),30.0(C6),27.5(C14),29.9,29.7,29.7,29.6,29.4,29.2(C7 to C12),28.4(C13),25.4(C5),19.8(C24)
HR-MS(ESI-TOF):m/z calcd for C2954NOPNa [M+Na] 566.3581,found 566.3560
IR(neat):3448,2924,2862,1728cm-1
[α]27 -10.53(c0.81,CHOH)
【実施例】
【0100】
実施例12
以下のスキームにしたがって、化合物(E)の製造中間体を合成した。
【化99】
JP0006621755B2_000100t.gif
【実施例】
【0101】
【化100】
JP0006621755B2_000101t.gif
化合物(21)
化合物(20)(161mg,0.30mmol)に12M塩酸のエタノール溶液(HCl/EtOH=1/5,5.9mL)を加え、室温下、14時間撹拌した。反応溶液を0℃に冷却し、4M LiOH水溶液を加え塩酸を中和した。次に、水1mLを加えて溶液を希釈後、4M LiOH水溶液(0.15mL,2eq.)を加え、室温下、24時間撹拌した。TLCにより反応終了を確認した後、1M塩酸を加え(pH=2-3)、酢酸エチルで5回抽出した。得られた有機層を、再度、抽出操作により精製した。すなわち、10%水酸化ナトリウム水溶液を加え(pH=9-11)分液後、水層を分取した。この水層に1M塩酸を加え(pH=2-3)酢酸エチルで5回抽出した。最終的に得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥・減圧濃縮することで目的の化合物(21)(111mg,95%)を得た。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ5.55-5.33(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),4.04-3.99(m,1H,3-H),3.79(sx,J=6.1Hz,23-H),2.55(dd,J=2.6,16.3Hz,1H,2-H),2.45(dd,J=9.2,16.6Hz,1H,2-H),2.22-2.17(m,1H,22-H),2.11-2.04(m,5H,22-H,18-H,19-H),1.96(q,J=6.5Hz,2H,15-H),1.57-1.43(m,4H,4-H,5-H),1.31-1.25(18H,m,6-H to 14-H),1.18(d,J=6.3Hz,3H,24-H)

【化101】
JP0006621755B2_000102t.gif
化合物(22)
MNBA(24mg,0.07mol)とDMAP(40mg,0.33mmol)の塩化メチレン(22.4mL)溶液に化合物(21)(21.5mg,0.05mmol)の塩化メチレン(5.6mL)溶液をシリンジポンプを使用して12時間かけて滴下した。滴下終了後、塩化メチレン(1.0mL)を用いて洗い込みを行い、1時間撹拌した。反応系を0℃に冷却して飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、有機層を分取後、水層を塩化メチレンで3回抽出した。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濾過した後に減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane/ethylacetate=5/1)によって精製し、化合物(22)(17.1mg,83%)を得た。
H-NMR(500MHz,CDCl):δ5.51-5.33(m,4H,16-H,17-H,20-H,21-H),5.00(sx,J=6.3Hz,1H,3-H),3.96(m,1H,23-H),2.83(d,J=4.0Hz,1H,OH),2.48(dd,J=3.4,16.0Hz,1H,2-H),2.38(dd,J=8.3,15.8Hz,1H,2-H),2.31-2.18(m,2H,22-H),2.04(br s,4H,18-H,19-H),1.99(dd,J=6.6,11.2Hz,2H,15-H),1.58-1.27(m,22H,4-H to 14-H),1.24(d,J=6.3Hz,3H,24-H)
【実施例】
【0102】
薬理試験例1
本発明の製造方法により合成された化合物の抗菌活性を以下の方法で評価した。
薬理試験に用いた化合物(A)~(C)の構造式を以下に示す。
【化102】
JP0006621755B2_000103t.gif
【実施例】
【0103】
(1)試験微生物
試験微生物として、Staphylococcus aureus NBRC 12732(黄色ブドウ球菌)、Aspergillus niger NBRC 105649(黒麹カビ)、Trichophyton mentagrophytes NBRC 5466(白癬菌)を用いた。
【実施例】
【0104】
(2)試験方法
CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)で定めるディスク法に準拠して測定した。
【実施例】
【0105】
(3)試験菌液の調製
凍結保存された菌株を試験菌前培養用培地に塗布し、所定条件で前培養した。発育したコロニーを試験菌培養培地に懸濁し、所定条件で培養後、試験菌調製液に添加し、菌数を約107~8CFU/mLに調製した。また、調製した試験菌液は、10倍段階希釈し、所定条件で培養して菌数を測定した。試験菌液調製及び培養条件を表1に示す。
【実施例】
【0106】
【表1】
JP0006621755B2_000104t.gif
【実施例】
【0107】
(4)試験品希釈列の作成
各化合物を1,000μg/mLになるようにメタノールで溶解し、試料原液とした。試料原液0.75mLに大塚蒸留水0.75mLを加えて500μg/mLとし、以下同様に2倍希釈を繰り返した。試験品希釈列を合計10段階作成し、試験品濃度をそれぞれ、1,000、500、250、125、63、31、16、8、4、2μg/mLとした。
【実施例】
【0108】
(5)MIC測定
角形シャーレの各感受性測定寒天培地に試験菌液を綿棒で均等に塗り広げた後、ディスクを培地上に配置した。このとき、ディスクの間隔は24mm以上となるようにした。
ディスク上に試験品希釈液50μLを滴下した。ディスクあたりの試験品量は、50、25、12.5、6.3、3.1、1.6、0.8、0.4、0.2、0.1μgとなる。各感受性測定寒天培地を上記表1の条件で培養し、菌発育が見られない阻止体の直径をノギスを用いてmm単位で計測した。
コントロールとして、試験品の代わりにメタノールをディスクに滴下した。
【実施例】
【0109】
(6)試験結果
試験結果を表2に示す。
【実施例】
【0110】
【表2】
JP0006621755B2_000105t.gif
化合物(A)~(C)のMIC値及び阻止帯の大きさを求めたところ、黄色ブドウ球菌に対しては、化合物(A)が50μg/ディスクで2mm、化合物(B)が50μg/ディスクで2.2mm、化合物(C)が50μg/ディスクで1.5mmであった。黒麹カビに対しては、化合物Aが50μg/ディスクで3.7mm、化合物(B)が50μg/ディスクで3.7mm、化合物(C)が50μg/ディスクで1mmであった。白癬菌に対しては、化合物(A)が25μg/ディスクで2.5mm、化合物(B)が12.5μg/ディスクで3.9mm、化合物(C)が12.5μg/ディスクで5.1mmであった。
以上のことから、化合物(A)~(C)はいずれも抗菌活性を有することが明らかになった。
【実施例】
【0111】
薬理試験例2
本発明の製造方法により合成された化合物(化合物(D)~(H))の抗菌活性を以下の方法で評価した。
薬理試験に用いた化合物(D)~(H)の構造式を以下に示す。
【実施例】
【0112】
【化103】
JP0006621755B2_000106t.gif
【実施例】
【0113】
(1)試験微生物
試験微生物として、Staphylococcus aureus (MRSA) IID1677、Staphylococcus aureus (MRSA) ATCC43300、Enterococcus faecalis (VRE) ATCC51575、Enterococcus faecalis ATCC29212を用いた。
【実施例】
【0114】
(2)試験方法
CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)で定めるディスク法に準拠して測定した。
【実施例】
【0115】
(3)試験菌液の調製
凍結保存された菌株を試験菌培養培地に塗布し、所定条件で前培養(表3)した。発育したコロニーを再び前培養(表3)後、試験菌調製液に懸濁し、脱脂綿でろ過後、菌数を約107~8CFU/mLに調整して試験に供した。
また、調製した試験菌液は、10倍段階希釈し、所定条件(表4)で培養して菌数を測定した。
【実施例】
【0116】
【表3】
JP0006621755B2_000107t.gif
【実施例】
【0117】
【表4】
JP0006621755B2_000108t.gif
【実施例】
【0118】
(4)試験品希釈列の作成
各本発明化合物を1000μg/mLになるようにメタノール(和光純薬、特級、含量99.8%)で溶解し、試料原液とした。試料原液0.8mLに大塚蒸留水0.8mLを加えて、各本発明化合物の濃度を500μg/mLとし、以下同様に2倍希釈を繰り返した。試験品希釈列を合計10段階作成し、試験品濃度をそれぞれ、1000、500、250、125、63、31、16、8、4、及び2μg/mLとした。
【実施例】
【0119】
(5)MIC測定
角型シャーレ(230×80×14.5mm、栄研)の感受性測定寒天培地に試験菌液を綿棒で均等に塗り広げた後、φ8mmの厚手のディスク(抗生物質検定用、アドバンテック)を培地上に配置した。このとき、ディスクの間隔は24mm以上となるようにした。
ディスク上に試験品希釈液50μLを滴下した。ディスクあたりの試験品量は、50、25、12.5、6.3、3.1,1.6、0.8、0.4.0.2、0.1μgとなる。感受性測定寒天培地を所定条件(表4)で培養し、菌発育が観察されない阻止帯の幅をノギスを用いてmm単位で計測した。
コントロールとして、試験品の代わりにメタノールをディスクに滴下したものを用いた。
【実施例】
【0120】
(6)試験結果
試験結果を表5に示す。
【実施例】
【0121】
【表5】
JP0006621755B2_000109t.gif
【実施例】
【0122】
以上の結果から、化合物(D)~(H)はいずれも、耐性菌であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対して抗菌活性を示すことが明らかになった。
バンコマイシン耐性遺伝子は、菌種間を水平伝播することが知られているので(W.C.Noble et al.,FEMS Microbiology Letters 1992,Vol.93,p.195-198;Elena Ramos-Trujillo et al.,Int Microbiol,2003,No.6,p.113-115)、薬剤耐性獲得機構は共通であり、化合物(D)~(H)はいずれも、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)に対して抗菌活性を示すことが期待される。
【実施例】
【0123】
また、化合物(D)及び(F)~(H)は耐性菌以外の菌に対しても抗菌活性を示すことが明らかになった。