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Specification :(In Japanese)植物系材料の成形体の作製方法及び該方法により得られる成形体

Country (In Japanese)日本国特許庁(JP)
Gazette (In Japanese)特許公報(B2)
Patent Number P5327791
Publication number P2010-155394A
Date of registration Aug 2, 2013
Date of issue Oct 30, 2013
Date of publication of application Jul 15, 2010
Title of the invention, or title of the device (In Japanese)植物系材料の成形体の作製方法及び該方法により得られる成形体
IPC (International Patent Classification) B27K   5/00        (2006.01)
B27K   5/06        (2006.01)
B27K   9/00        (2006.01)
FI (File Index) B27K 5/00 F
B27K 5/06 A
B27K 9/00 Z
Number of claims or invention 7
Total pages 9
Application Number P2008-335354
Date of filing Dec 26, 2008
Date of request for substantive examination Mar 11, 2010
Patentee, or owner of utility model right (In Japanese)【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
Inventor, or creator of device (In Japanese)【氏名】杉元 宏行
【氏名】金山 公三
【氏名】三木 恒久
【氏名】松井 和歌子
【氏名】神代 圭輔
Representative (In Japanese)【識別番号】100102004、【弁理士】、【氏名又は名称】須藤 政彦
Examiner (In Japanese)【審査官】坂田 誠
Document or reference (In Japanese)特開2008-36941(JP,A)
特許第3580537(JP,B2)
Field of search B27K 1/00 - 9/00
Scope of claims (In Japanese)【請求項1】
水を溶媒とし、該溶媒に疎水化処理のための改質物質を溶質として溶かした溶液を含浸させた植物系材料を型内に投入し、常温又は加熱下で加圧を加えることにより、構成細胞の相互位置関係を変化させて変形させ、型内に流動充填させ、圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状の成形体に賦形するとともに、成形時に、植物系材料の被成形体の内部表面を疎水化処理すること、その際に、植物系材料の被成形体の内部表面を、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド、無水酢酸のいずれかの疎水化処理のための改質物質で疎水化処理すること、を特徴とする植物系材料の成形体の作製方法。
【請求項2】
成形前の植物系材料を、バルクとして、単一で又は複数に分離して、型内に投入する、請求項1に記載の植物系材料の成形体の作製方法。
【請求項3】
流動後の植物系材料における架橋ないし重縮合反応により、繊維構造を持つ材料の繊維間を接着することにより、得られる成形体の強度の増加を図る、請求項1又は2に記載の植物系材料の成形体の作製方法。
【請求項4】
成形前の植物系材料を投入した型内における材料の配置を調節することにより、成形を容易にするとともに、得られる成形体の繊維配向を制御する、請求項1から3のいずれかに記載の植物系材料の成形体の作製方法。
【請求項5】
溶媒に疎水化処理のための改質材を溶質として溶かした溶液を含浸させた植物系材料を、型内に投入し、10MPa~300MPaの圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状の成形体に賦形する、請求項1から4のいずれかに記載の植物系材料の成形体の作製方法。
【請求項6】
溶媒に疎水化処理のための改質材を溶質として溶かした溶液を含浸させた植物系材料を、型内に投入し、型内における後方押し出し成形法により成形する、請求項1から5のいずれかに記載の植物系材料の成形体の作製方法。
【請求項7】
請求項1に記載の作製方法で作製してなる、水を溶媒とし、該溶媒に疎水化処理のための改質材のフェノール樹脂を溶質として溶かした溶液を含浸させた木材の深底構造を有する圧縮成形体であって、該成形体の内部表面が疎水化処理のための上記改質物質で疎水化処理されていることを特徴とする植物系材料の圧縮成形体。
Detailed description of the invention (In Japanese)【技術分野】
【0001】
本発明は、植物系材料の成形体の作製方法及び該方法により得られる成形体に関するものであり、更に詳しくは、薬液を注入した植物系材料を、型内に投入し、加圧して変形させ、型内に流動充填させ、圧縮力を加えて圧密成形し、三次元的な形状に賦形する成形体の作製方法及び該方法により得られる成形体に関するものである。本発明は、再生産可能な資源として、その活用が高く期待されている、木材や竹などの植物系材料を、簡便な装置、及び穏やかな処理条件により、三次元形状の成形体に成形する成形体の作製方法及びその製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、木材、及び竹などの植物系の原料を用いた材料が注目されている。その理由は、植物系の原料は、再生産可能な資源であり、埋蔵資源である石油を原料とするプラスチック材料の代替材料としてのニーズが高まっているからである。植物系の原料を用いて、三次元形状の成形体に成形する従来の技術としては、例えば、圧縮木材を成形する方法として、板状の木材を、金型で加圧成形する方法が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、他の先行技術として、例えば、棒状の木材を、金型で加圧成形する方法(特許文献2)や、木質系粉末を原料として用いた方法として、粉末化した木材と、熱硬化性樹脂を混ぜることで、流動性を付与し、これを、金型に流し込むことによって、冷却・固化させる熱硬化性樹脂成形材料の成形方法(特許文献3)、などが提案されている。
【0004】
しかし、板状の木材、及び棒状の木材を、金型で加圧成形する方法では、植物系原料の木材などの細胞が、加圧により圧縮することを利用しているため、圧縮による変形量に制約があり、任意の形状の成形体への成形が困難である、という問題があった。また、植物系の原料を粉末化した木質系の粉末を原料として用いて、成形体を製造する方法では、木材系原料の粉末化に、多大なエネルギー及び時間がかかる、という問題があった。そこで、本発明者らは、先に、バルクの植物系材料を成形して成形体とする方法を開発した(特許文献4)。
【0005】
本発明者らの開発した上記特許文献4の手法により、バルク体からの植物系材料の成形が可能になったが、該手法では、成形途中において、水分の蒸発が生じ、流動条件が変化することがある。また、該手法では、例えば、蒸発による水分の変化を抑制するための過剰な水分の投入は、金型内において、パンクなどの内部圧の異常な上昇を引き起こし、成形不良や、金型の破壊を引き起こす可能性がある。更に、ある程度の強度を持った成形体を得るためには、成形に、高温・高圧を必要とし、また、その技術により得られる成形体は、その使用時に吸湿や吸水によって、成形体の形状が崩壊してしまうという問題があり、これらの問題を確実に解決することが求められていた。
【0006】

【特許文献1】特開2006-076055号公報
【特許文献2】特開2004-009567号公報
【特許文献3】特開2002-146195号公報
【特許文献4】特開2008-036941号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、成形体の品質を改善するために、得られる製品の吸脱湿、及び吸水による寸法の変化を抑制すること、薬液含浸処理のために、バルクとして、単一又は複数に分離した植物系材料に対しても適用可能であること、流動後の成形体を更に強固とするために、繊維間で接着されること、また、得られる材料の強度の異方性を任意に制御可能であること、という技術的課題を、確実に解決し得る新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた。
【0008】
その結果、本発明者らは、溶として水を使用し、該溶媒を植物系材料に含浸させて、構成細胞の相互位置関係の変化を容易にし、これを型内に投入し、加圧して変形させ、型内に流動充填させ、圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状に賦形するとともに、成形時に、植物系材料の被成形体内部表面を疎水化処理すること、また、植物系材料が持つ親水性基を改質し、複数に分離した材料を接合又は接着し、得られる成形体の繊維配向を制御すること、により所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、再生産可能な資源として、その活用が高く期待されている、木材や竹などの植物系材料を、簡便な装置、及び、穏やかな処理条件により、三次元形状の成形体に成形する成形体の作製方法及びその製品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)水を溶媒とし、該溶媒に疎水化処理のための改質物質を溶質として溶かした溶液を含浸させた植物系材料を型内に投入し、常温又は加熱下で加圧を加えることにより、構成細胞の相互位置関係を変化させて変形させ、型内に流動充填させ、圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状の成形体に賦形するとともに、成形時に、植物系材料の被成形体の内部表面を疎水化処理すること、その際に、植物系材料の被成形体の内部表面を、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド、無水酢酸のいずれかの疎水化処理のための改質物質で疎水化処理すること、を特徴とする植物系材料の成形体の作製方法。
2)成形前の植物系材料を、バルクとして、単一で又は複数に分離して、型内に投入する、前記(1)に記載の植物系材料の成形体の作製方法。
3)流動後の植物系材料における架橋ないし重縮合反応により、繊維構造を持つ材料の繊維間を接着することにより、得られる成形体の強度の増加を図る、前記(1)又は(2)に記載の植物系材料の成形体の作製方法。
4)成形前の植物系材料を投入した型内における材料の配置を調節することにより、成形を容易にするとともに、得られる成形体の繊維配向を制御する、前記(1)から(3)のいずれかに記載の植物系材料の成形体の作製方法。
5)溶媒に疎水化処理のための改質材を溶質として溶かした溶液を含浸させた植物系材料を、型内に投入し、10MPa~300MPaの圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状の成形体に賦形する、前記(1)から(4)のいずれかに記載の植物系材料の成形体の作製方法。
6)溶媒に疎水化処理のための改質材を溶質として溶かした溶液を含浸させた植物系材料を、型内に投入し、型内における後方押し出し成形法により成形する、前記(1)から(5)のいずれかに記載の植物系材料の成形体の作製方法。
7前記(1)に記載の作製方法で作製してなる、水を溶媒とし、該溶媒に疎水化処理のための改質材のフェノール樹脂を溶質として溶かした溶液を含浸させた木材の深底構造を有する圧縮成形体であって、該成形体の内部表面が疎水化処理のための上記改質物質で疎水化処理されていることを特徴とする植物系材料の圧縮成形体。
【0011】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、水を溶媒とし、該溶媒に、疎水化処理のための所定の溶質を溶かした溶液を含浸させた植物系材料を型内に投入し、常温又は加熱下で加圧を加えることにより、構成細胞の相互位置関係を変化させて変形させ、型内に流動充填させ、圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状の成形体に賦形するとともに、成形時に、植物系材料の内部表面を疎水化処理して疎水化する反応を生ぜしめることを特徴とするものである。
【0012】
発明で用いる溶媒は、水素結合能が1cm-1以上であり、凝集エネルギーが50kJ/mol以下のものである。ここで、水素結合能とは、重水素メタノールの希薄ベンゼン溶液中における-ODの伸縮振動の赤外線吸収帯の波長(波数)と対象液体の希薄溶液中での吸収帯波長(波数)との差を示す。このシフト量は、対象液体のプロトン受容力の大きさを示す指標になる。また、アセトフェノンのC=O伸縮振動の赤外線吸収帯波長のベンゼン溶液からのシフト量については、プロトン供与力を示す。
【0013】
ただし、どちらのシフト量についても、ベンゼン中での-ODの吸収波長帯を基準としているため、ベンゼンのπ電子は、ある程度のプロトン受容性を示すことから、シフト量が負を示す場合も存在する。しかし、本発明では、わずかな受容・供与力の液体を範囲に入れないため、この値を採用したものである[文献:Kagiya,T,Sumida,Y,Inoue,T,Bull.Chem.Soc.Jap.,41,767-773(1968)、Crowly,JD,Teague,GS,Lowe,JW,J.Paint Technol.,38,269-280(1966)]。凝集エネルギーは、凝集エネルギー密度(1cm3の液体を蒸発させるのに必要なエネルギー)から導いたものである[文献:Hansen,CM,J.Paint Technil.,39:505,104-117(1967)]。
【0014】
本発明では、溶媒として水が用いられるが、その場合例えば、エタノールなどのアルコール類を含むことも可能である本明細書では、これを、単に、薬液と記載することがある
【0015】
植物系材料の被成形体の内部表面の疎水化処理のための改質物質としては、フェノール樹脂などの重縮合物質、ホルムアルデヒド、グリオキザールなどの架橋物質、無水酢酸、リンゴ酸などのキャッピング物質があげられ、同様の疎水処理効果を持つものであれば、上記物質に限定されることなく、同様に使用することができる。
【0016】
また、本発明において、植物系材料とは、太陽エネルギーと、水、土、及び空気を使って、植物が合成した、再生可能な有機性資源を意味するものとして定義される。本発明の原料である植物系材料は、特に制限されるものではなく、本発明は、細胞壁を有する植物系材料全般に対して適用可能である。具体的には、例えば、木材、タケ、草本、農業廃棄物が、特に好適な材料として例示される。
【0017】
本発明の成形体の作製方法による成形過程では、植物系材料を構成する細胞の相互位置関係を変化させて変形させるため、原料は、金型などの型内に投入できる大きさであれば、その形状は、特に制限されない。また、成形前の植物系材料が、バルクとして、複数に分離していても、成形過程で、材料が細胞レベルで乖離し、これらが成形後には一体化するため、成形前の植物系材料が、バルクとして、単一である場合も、複数に分離している場合も、本発明の成形体の作製方法は、同様に適用可能である。
【0018】
本発明の成形体の作製方法を、繊維構造を持つ植物系材料に適用した場合、成形過程で、繊維がほとんど破壊することがないため、得られる成形体に、そのまま繊維構造を持たせることが可能である。また、成形前の植物系材料を金型などの型内に投入する場合、型内における材料の配置が、成形後の繊維配向に影響を与えるため、型内における成形前の植物系材料の配置により、成形体の繊維配向を制御することができる。
【0019】
植物系材料の被成形体の内部表面を前述の改質物質により疎水化処理することによって、三次元形状に賦形された成形体の吸・脱湿による寸法・強度変化が抑制され、成形時に架橋や重縮合反応が生じる場合には、繊維間の接着による強度の増加を図ることができ、また、成形と同時に、疎水化反応が生じるため、疎水化処理による寸法変化の心配は無い。本発明では、塗装と違い、成形体内部表面を改質物質で疎水化処理するため、水分の内部拡散による寸法変化と、強度の経時変化を、確実に抑制することが可能となる。
【0020】
次に、本発明における植物系材料の成形手法について説明する。本発明では、前述の溶媒を含浸した植物系材料を、型内に投入し、常温又は加熱下で、圧力を加えることにより、構成細胞の相互位置関係を変化させて変形させ、これを、型内に流動充填させ、圧縮力を加えて圧密成形し、三次元形状の成形体に賦形すること、及び、成形時に、植物系材料の被成形体の内部表面を疎水化処理すること、を最大の特徴としている。
【0021】
本発明の成形手法による場合、植物系材料の変形は、構成細胞の圧縮に加え、該細胞が移動することによっても引き起こされるため、従来、板状の木材、棒状の木材で行われていた、細胞の圧縮のみを利用した成形に比べ、構成細胞の圧縮と、該細胞の移動による非常に大きな変形が可能となる。
【0022】
成形を行う具体的な方法としては、例えば、薬液を含浸したスギ単板を、160℃程度に加熱した金型に投入し、1MPa~500MPa、好ましくは10MPa~300MPa、より好ましくは120MPa程度で加圧する。圧力を受けたスギ単板は、構成細胞の相互位置関係を変化させて変形し、金型内に流動充填させる。流動充填が完了した後、更に、被成形体を、疎水化反応のため、しばらく金型内に静置し、改質物質による疎水化処理をした後、解圧して成形体を取り出す。図1に、後方押し出し成形法による成形方法の一例を示す。
【0023】
図2に、従来の成形方法により成形した試料(左)及びその試料を100℃の熱湯によって1時間煮沸した試料(右)の写真を示す。煮沸後は、煮沸前の形態を全くとどめておらず、当然のことながら、寸法の安定性は皆無であることが分かる。一方、図3に、本発明の手法により成形された成形体(左)及びその試料を100℃の熱湯によって1時間煮沸した試料(右)の写真を示す。本発明の成形体は、煮沸によって、その形態を変化させることなく、形を留めていることが分かる。
【0024】
本発明の成形体の作製方法では、金型などの型の材質及び仕様、成形の温度、成形の圧力、原料の含水率、成形の時間、疎水化処理の時間、処理薬液などを適宜所定の条件に設定することにより、成形体の性状及び形態を高精度に設定し、作製することが可能である。例えば、図4に示すように、車型の金型を用いることにより、その形を有する三次元形状の成形体を得ることができる。本発明は、植物系材料を、簡便な装置、及び穏やかな処理条件により三次元形状を有する成形体を作製する方法及びその製品を提供するものとして有用である。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)植物系材料を高精度に圧密成形することを可能とする高精度圧密成形体の作製方法を提供することができる。
(2)本発明の成形体の作製方法を、繊維構造を持つ植物系材料に適用した場合、成形過程で繊維がほとんど破壊することがないため、成形体に繊維構造を持たせることが可能である。
(3)成形前の材料の配置が成形後の繊維配向に影響を与えるため、成形前の材料配置により成形体の繊維配向を制御できる。
(4)内部表面を疎水化によって吸・脱湿による寸法・強度変化が抑制され、架橋や重縮合反応の場合には、繊維間の接着による強度の増加も狙える。
(5)成形と同時に疎水化反応を生ぜしめるため、処理による寸法変化の心配は無い。
(6)塗装と違い、被成形体の内部表面を処理するため、水分の内部拡散による寸法と強度の経時変化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
フェノール樹脂水溶液を含浸したスギ辺材部3mm単板から、直径29mmの円形材料を切り出して、気乾状態(含水率約15%)として、実験に供した。成形には、段付ポンチ、シリンダー、及びスペーサーから構成される金型による後方押し出し成形法を用いた。図1に、後方押し出し成形法による成形方法の一例を示す。
【0028】
180℃に加熱したシリンダー内に、材料12個を投入し、段付ポンチにより、120MPaで加圧し、変形させた。その後、金型を冷却せずに、成形体を取り出して、カップ状の成形体を得た。なお、成形に要した時間は、約5分である。得られた成形体は、飴色、かつスギの繊維は切断されずに保たれたまま、マーブル状の意匠を持った材料となった。図3に、得られた成形体の外観(左図)を示す。また、この成形体は、煮沸処理後も、その形状は変化しなかった。
【実施例2】
【0029】
フェノール樹脂水溶液を含浸したスギ辺材部3mm単板から、長さ91mm、幅36mmの材料を切り出し、12枚重ねて、160℃に加熱した車状の金型内に投入し、後方押し出し成形により、成形を行なった。成形後、金型を冷却せずに、成形体を取り出した。試料は、一体化し、車状の成形体を得た。図5に、得られた成形体(車型の玩具)の外観を示す。なお、得られた成形体は、飴色、かつスギの繊維は切断されずに保たれたまま、マーブル状の意匠を持った材料となった。また、この成形体は、煮沸処理後も、その形状は変化しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上詳述したように、本発明は、植物系材料の成形体の作製方法及び該方法により得られた成形体に係るものであり、本発明の応用分野としては、粉体化することなく、任意の複雑成形が可能であることから、広範囲のプラスチックを代替する分野への展開が期待される。それにより、石油を原料として作られるプラスチック製品を、環境・資源問題に対応した形で代替することが可能となる。本発明は、植物系材料を、高精度に圧密成形することを可能とする高精度圧密成形体の新しい作製方法及びその製品を提供するものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】後方押し出し成形法による成形方法の一例を示す。
【図2】1時間の煮沸実験により、形を無くした、従来の成形体の様子(左:実験前、右:実験後)を示す。
【図3】1時間の煮沸実験後も、その形状は変化しなかった、本発明の成形体の様子(左:実験前、右:実験後)を示す。
【図4】車型の玩具の例を示す。
Drawing
(In Japanese)【図1】
0
(In Japanese)【図2】
1
(In Japanese)【図3】
2
(In Japanese)【図4】
3