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明細書 :変異KRAS関連シグナル阻害用組成物

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-019094 (P2019-019094A)
公開日 平成31年2月7日(2019.2.7)
発明の名称または考案の名称 変異KRAS関連シグナル阻害用組成物
国際特許分類 A61K  31/05        (2006.01)
C12Q   1/02        (2006.01)
A61K  31/4745      (2006.01)
A61K  31/704       (2006.01)
A61K  31/7072      (2006.01)
A61K  31/496       (2006.01)
A61K  31/336       (2006.01)
A61K  31/541       (2006.01)
A61K  31/5377      (2006.01)
A61P  43/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
G01N  33/15        (2006.01)
G01N  33/50        (2006.01)
C12N  15/09        (2006.01)
FI A61K 31/05
C12Q 1/02
A61K 31/4745
A61K 31/704
A61K 31/7072
A61K 31/496
A61K 31/336
A61K 31/541
A61K 31/5377
A61P 43/00 111
A61P 35/00
G01N 33/15 Z
G01N 33/50 Z
C12N 15/00 A
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 71
出願番号 特願2017-140139 (P2017-140139)
出願日 平成29年7月19日(2017.7.19)
発明者または考案者 【氏名】白澤 専二
【氏名】角田 俊之
出願人 【識別番号】598015084
【氏名又は名称】学校法人福岡大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100080160、【弁理士】、【氏名又は名称】松尾 憲一郎
【識別番号】100149205、【弁理士】、【氏名又は名称】市川 泰央
審査請求 未請求
テーマコード 2G045
4B063
4C086
4C206
Fターム 2G045BB20
2G045CB01
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ61
4B063QR72
4B063QS39
4B063QX01
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC43
4C086BC44
4C086CA01
4C086CB03
4C086CB05
4C086CB22
4C086EA10
4C086EA17
4C086GA02
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086NA20
4C086ZB26
4C086ZC41
4C206AA01
4C206AA10
4C206CA17
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206NA20
4C206ZB26
4C206ZC41
要約 【課題】三次元浮遊細胞培養法により、変異 KRAS が制御する微小環境への効果を阻害する変異KRAS関連シグナル阻害薬剤を提供すること。
【解決手段】本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物は、図3~図16にそれぞれ記載される下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]にそれぞれ含まれる化合物の1種またはそれ以上を有効成分として含有する。また本発明は、三次元浮遊細胞培養法により、一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を抗KRAS阻害薬剤として選別する抗KRAS阻害薬剤のスクリーニング方法を特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]から選ばれる1種もしくはそれ以上を有効成分として含有する変異KRAS関連シグナル阻害用組成物。
(1) 一般式 [I] :
【化1】
JP2019019094A_000069t.gif
(式中、R1 は、水素原子、ヒドロキシ基またはC1-C4 アルキル基意味し、
R2 は、水素原子、ヒドロキシ基またはビピペリジニルカルボニルオキシ基を意味する)
で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A];
(2) 一般式[II]:
【化2】
JP2019019094A_000070t.gif
(式中、R3 は、ヒドロキシ基、C1-C3アルキル基、C1-C2アルキルカルボニル基、ヒドロキシ-C1-C3アルキルカルボニル基またはN-(ヒドロキシ・テトラメチルピペリジニリデン)アミノ-C-メチルカルボンイミドイル基を意味し、
R4は、水素原子またはC1-C2アルコキシカルボニル基を意味し、
R5は、ヒドロキシ・アミノ-C1-C2アルキル置換トリデオキシ・ヘキソピラノシルオキシ基、ジメチル・トリメトキシ置換トリデオキシ・ヘキソピラノシルオキシ基、メチルオキソオキサノイルオキシ-メチル・ヒドロキシオキサニル置換ジメチルアミノ・メチルオキサノイルオキシ基またはジメチル・オキソ・オクタヒドロジピラノ-ジオキシニルオキシ置換(ジメチルアミノ)メチルオキサニルオキシ基を意味し、
R6は、水素原子またはヒドロキシ基をそれぞれ意味し、
R7は、水素原子またはヒドロキシ基をそれぞれ意味し、
R8は、水素原子または、R7と結合して、ジヒドロキシ・ジメチルアミノ・メチル・ジオキソオクタヒドロ-2H-エポキシオキシニル基を意味し、
R9は、ヒドロキシ基またはC1-C2アルコキシ基を意味する)
で表されるテトラセンジオン誘導体[B];
(3)一般式[III]:
【化3】
JP2019019094A_000071t.gif
(式中、R10a は、トリヒドロキシ・ヒドロキシC1-C2アルキルオキサニル基またはジメチルアミノ・ジメチル・ヒドロキシオキサニル基を意味し、
R10b は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R10cは、ヒドロキシ基またはジメチルアミノ・ヒドロキシ・メチルオキサニル基を意味し、
R11は、C1-C3アルキル基を意味し、
R12は、カルボキシル基または、R11と結合して、ジ(メチルオキシラニル)・オキソピラニル基を意味し、
R13はヒドロキシ基またはC1-C3アルキル基を意味する)
で表されるジオキソアントラセンカルボン酸誘導体[C];
(4)一般式[IV]:
【化4】
JP2019019094A_000072t.gif
(式中、R14a は、ヒドロキシ基またはオキソ基を意味し、
R14b は、ハロゲン原子、C1-C3アルキル基、ヒドロキシC1-C3 アルキル基またはカルボキシル基を意味し、
R15a は、水素原子、C1-C3 アルキル基、ヒドロキシC1-C3アルキル基またはカルバモイルオキシ・ジヒドロキシ・アミノ・ペンタノイルアミノ置換カルボキシメチル基を意味し、
R15b は、ヒドロキシ基またはアジド基を意味し、
R15cは、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシC1-C2アルキル基またはトルエンスルホン酸基を意味する)
で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D];
(5)一般式[V]:
【化5】
JP2019019094A_000073t.gif
(式中、R16 は、水素原子またはハロゲン原子を意味し、
R17aはアセチルオキシメチル基を意味し、
R17b、R17c およびR17dはいずれもアセチルオキシ基を意味する)
で表されるテトラヒドロピラニル置換ピリミジンジオン誘導体[E];
(6)一般式[VI]:
【化6】
JP2019019094A_000074t.gif
で表されるオキソラニルピリジンオン誘導体[F];
(7)一般式[VII]:
【化7】
JP2019019094A_000075t.gif
で表されるオキシラニルトリアジンジオン誘導体[G];
(8)一般式[VIII]:
【化8】
JP2019019094A_000076t.gif
(式中、R18 は、酸素原子または硫黄原子を意味し、
R19a は、水素原子、C1-C3アルキル基、C3-C4 シクロアルキル基、フェニル-C1-C2 アルキル基、フェニル基、ハロフェニル基、モノ-、ジ-もしくはトリ-メチルフェニル基、C1-C2 アルコキシフェニル基またはC4-C6 アルキルフェニル基を意味し、
R19b は、水素原子、C1-C3 アルキル基、フェニル基またはフェニル-C1-C2 アルキル基を意味し、
R20 は、水素原子、C1-C3アルキル基またはC2-C3アシル基を意味し、
R21a は、水素原子またはC1-C2 アルコキシ基を意味し、
R21bは、水素原子、C1-C2 アルコキシ基または、R21b と結合して、ジオキサニル基を意味し、
R21cは、水素原子またはC1-C2 アルコキシ基を意味する)
で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H];
(9)一般式[IX]:
【化9】
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(式中、R22 は、水素原子、ジ(C1-C2 アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、ジ(ヒドロキシ-C1-C2 アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、ジ(フェニル-C1-C2 アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、1-ピロリジル-C1-C2アルキル基、1-ピペリジニル-C1-C2アルキル基、1-メチルピペラジニル-4-C1-C2アルキル基、4-メチル-4-モルホリノ-C1-C2アルキル基、1-アゼパニル-C1-C2アルキル基、1-メチル-1-ピペリジニル-C1-C2アルキル基または8-メトキシ-2,2-ジメチル—6,7-ジオキソロ-1-テトラヒドロイソキノリウム基を意味する)
で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J];
(10)一般式[X]:
【化10】
JP2019019094A_000078t.gif
(式中、R23は2,2-ジクロロ-3,3-ジメチルシクロプロピルエチル基を意味する)
で表されるヘキサヒドロピラノクロメン誘導体[K];
(11)式[XI]:
【化11】
JP2019019094A_000079t.gif
(式中、R24 は、ヒドロキシ基、フェニルカルバメート基またはシクロヘキシルカルバメート基を意味する)
で表されるヘキサヒドロ(エポキシメタノ)キサンテン誘導体[L];
(12)一般式[XII]:
【化12】
JP2019019094A_000080t.gif
(式中、R25a は、水素原子、C1-C3アルキル基、C2-C3アシル基またはC1-C2アルコキシカルボニル基を意味し、
R25b は、C1-C4 アルキル基、ハロフェニル基、モノ-もしくはジ-C1-C2アルキル置換もしくは非置換フェニル基、またはビフェニル基を意味し、
R25cは、水素原子、ヒドロキシC1-C3アルキル基、ピペリジニル-C1-C2アルキル基、4-メチル-1-ピペラジニル-C1-C2アルキル基または4-モルホリニル-C1-C2アルキル基を意味し、
R26は、水素原子、C2-C4アルケニル基、ジ(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、ピロリジニル-C1-C2アルキル基または4-モルホリニル-1-C1-C2 アルキル基を意味する)
で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M];
(13)一般式[XIII]:
【化13】
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(式中、R27 は、C1-C2アルコキシ-C1-C3アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、フェニル・ヒドロキシC2-C4アルキル(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、アダマンチルエチルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ-C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、フラニル-C1-C4アルキル(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、4-モルホリノ-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ピロリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルキル置換もしくは非置換ピぺリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フエニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ置換もしくは非置換)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルコキシカルボニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、スピロ-1,3-ジオキソラニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、トリメチルアザビシクロオクタニル-C1-C2アルキル基、ビピペリジニル-C1-C2アルキル基、4-モノ-もしくはジ-置換もしくは非置換モルホリノ-C1-C2アルキル基またはチオモルホリノ-C1-C2アルキル基を意味し、
R28aはC1-C2アルキル基を意味し、
R28b は、C1-C2アルコキシ基または、R28aと酸素原子を介して結合してスピロオキシラニル基を意味し、
R28cは、水素原子またはヒドロキシ基を意味する)
で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N];
(14)一般式[XIV]:
【化14】
JP2019019094A_000082t.gif
(式中、R30a は、水素原子または C1-C4アルキル基を意味し、
R30b は、水素原子、ヒドロキシ基またはC1-C2 アルコキシ基を意味し、
R30c は、水素原子またはカルボキシル基を意味し、
R30d は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R31a は、水素原子または C1-C4アルキル基を意味し、
R31b は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R31c は、水素原子またはカルボキシル基を意味し、
R31d は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R32a は、水素原子またはトリフルオロメチル基を意味し、
32b は、水素原子、カルボキシル-C1-C2アルキル基、カルボキシルフェニル基もしくはトリフルオロメチル基または、32aと結合してオキソ基を意味する)
で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O];
(15)一般式[XV]:
【化15】
JP2019019094A_000083t.gif
(式中、R33a は、水素原子またはC1-C2 アルコキシ基を意味し、
R33bは、水素原子、C1-C2アルコキシ基、ハロもしくはニトロ置換もしくは非置換フェノキシ-C1-C2 アルキル基、ジ(6,7-C1-C2アルコキシ)メチルテトラヒドロイソキノリニル-C1-C2 アルキル基、フタリミド-C1-C2 アルキル基、ニトロもしくはジ(C1-C2アルキル)ピラゾリル-C1-C2 アルキル基、4-ハロフェニルピラジニル-1-C1-C2 アルキル基、モルホリノ-C1-C2 アルキル基またはベンズイミダゾリル-チア-C1-C2 アルキル基を意味し、
R33c は、水素原子、ヒドロキシ基、C1-C2 アルキル基、C1-C2 アルコキシ基またはアミドC1-C2アルキル基を意味する)
で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P);および
(16)一般式[XVI]:
【化16】
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(式中、R34 は、水素原子またはC1-C2アルキル基を意味し、
R35は、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、C1-C2アルコキシ-カルボニル基またはジ(C1-C2アルキル)アミノ基を意味する)
で表されるフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)。
【請求項2】
請求項1に記載の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物であって、前記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]に含まれる化合物(図3~図18にそれぞれ記載される化合物番号#1~#121)から選ばれる1種またはそれ以上を活性成分として含有することを特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害用組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物であって、
(a)前記一般式[I]で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]が、一般式[Ia]:
【化17】
JP2019019094A_000085t.gif
(式中、R1' は、水素原子またはC1-C2 アルキル基を意味し、
R2' は、ヒドロキシ基またはビピペリジニルカルボニルオキシ基を意味する)
で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A1]であること;
(b)前記一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]が、一般式[IIa]:
【化18】
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(式中、R3' は、C1-C2アルキルカルボニル基またはN-(ヒドロキシ・テトラメチルピペリジニリデン)アミノ-C-メチルカルボンイミドイル基を意味し、
R4' は、水素原子を意味し、
R5' は、ヒドロキシ・アミノ-C1-C2アルキル置換トリデオキシ・ヘキソピラノシルオキシ基を意味し、
R6' は、ヒドロキシ基をそれぞれ意味し、
R7' およびR8' は水素原子をそれぞれ意味し、
R9' は、ヒドロキシ基またはC1-C2アルコキシ基を意味する)
で表されるテトラセンジオン誘導体[B1]であること;
(c)前記一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]が、一般式[IVa]:
【化19】
JP2019019094A_000087t.gif
(式中、R14a' は、ヒドロキシ基またはオキソ基を意味し、
R14b' は、ハロゲン原子またはC1-C2 アルキル基を意味し、
R15a' は、C1-C2アルキル基またはヒドロキシC1-C2 アルキル基を意味し、
R15b' は、ヒドロキシ基またはアジド基を意味し、
R15c'は、水素原子またはヒドロキシ基を意味する)
で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D1]であること;
(d)前記一般式[VIII]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[H]が、一般式[VIIIa]:
【化20】
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(式中、R18 は、酸素原子または硫黄原子を意味し、
R19a' は、フェニル-C1-C2 アルキル基、フェニル基、ハロフェニル基またはC1-C2 アルコキシフェニル基を意味し、
R19b' は、水素原子またはフェニル基を意味し、
R20' は、水素原子またはC1-C2アシル基を意味し、
R21a' およびR21b' は、C1-C2 アルコキシ基をそれぞれ意味し、
R21cは、水素原子を意味する)
で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[H1]であること;
(e)前記一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]が、一般式[XIIa]:
【化21】
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(式中、R25a' は、水素原子、C1-C2アルキル基またはC2-C3アシル基を意味し、
R25b' は、C1-C4 アルキル基、ハロフェニル基またはモノ-もしくはジ-C1-C2アルキル置換もしくは非置換フェニル基を意味し、
R25c' は、水素原子、ピペリジニル-C1-C2アルキル基または4-メチル-1-ピペラジニル-C1-C2アルキル基を意味し、
R26' は、水素原子、ジ(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基またはピロリジニル-C1-C2アルキル基を意味する)
で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M1]であること;
(f)前記一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]が、一般式[XIIIa]:
【化22】
JP2019019094A_000090t.gif
(式中、R27' は、C1-C2アルコキシ-C1-C3アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ-C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、フラニル-C1-C4アルキル(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、4-モルホリノ-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ピロリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルキル置換もしくは非置換ピぺリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フエニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ置換もしくは非置換)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルコキシカルボニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、スピロ-1,3-ジオキソラニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、ビピペリジニル-C1-C2アルキル基、4-モノ-もしくはジ-置換もしくは非置換モルホリノ-C1-C2アルキル基またはチオモルホリノ-C1-C2アルキル基を意味し、
R28a'はメチル基を意味し、
R28b' は、メトキシ基または、R28a'と酸素原子を介して結合して、スピロオキシラニル基を意味し、
R28c'は、水素原子またはヒドロキシ基を意味する)
で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N1]であること;
(g)前記一般式[XIV]で表される(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]が、式[XIVa]:
【化23】
JP2019019094A_000091t.gif
で表されるビス(2,4-ジフェノキシフェニル)メタノンであること、
(h)前記一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(Pa)が、式[XVa]:
【化24】
JP2019019094A_000092t.gif
(式中、R33a' は、水素原子を意味し、
R33b'は、ジ(6,7-C1-C2アルコキシ)メチルテトラヒドロイソキノリニル-C1-C2 アルキル基、ニトロもしくはジ(C1-C2アルキル)ピラゾリル-C1-C2 アルキル基、4-ハロフェニルピラジニル-1-C1-C2 アルキル基またはモルホリノ-C1-C2 アルキル基を意味し、
R33c' は、C1-C2 アルコキシ基を意味する)
で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P1)であること;
を特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害用組成物。
【請求項4】
請求項1または3に記載の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物であって、
(ア)前記ピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A1]が、(i)式[Ia-1]:
【化25】
JP2019019094A_000093t.gif
で表される(S)-4-エチル-4,10-ジヒドロキシ-1H-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-3,14[4H,12H]-ジオン(化合物番号#1);
(ii)式[Ia-2]:
【化26】
JP2019019094A_000094t.gif
で表される [1,4'-ビピペリジン]-1'-カルボン酸 (S)-4,11-ジエチル-3,4,12,14-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-1H-ピラノ[3',4';6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-9-イルエステル 三水和物(一般名イリノテカン(Irinotecan))(化合物番号#3);または
(iii)式[Ia-3]:
【化27】
JP2019019094A_000095t.gif
で表される[1,4'-ビピペリジン]-1'-カルボン酸 (S)-4,11-ジエチル-3,4,12,14-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-1H-ピラノ[3',4';6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-9-イルエステル 三水和物モノハイドロクロライド(一般名イリノテカン塩酸化物(Irinotecan hydrochloride))(化合物番号#4)であること;
(イ)前記テトラセンジオン誘導体[B1]が、(iv)式[IIa-1]:
【化28】
JP2019019094A_000096t.gif
で表される (8S)-8-アセチル-10-((3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ- -L-lyxo-ヘキサピラノシル)オキシ)-7,8,9,10-テトラヒドロ-1,6,8,11-テトラヒドロキシ-5,12-ナフタセンジオン(化合物番号#9);または
(v)式[IIa-2]:
【化29】
JP2019019094A_000097t.gif
で表される (7S,9S)-7-[(2R,4S,5S,6S)-4-アミノ-5-ヒドロキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ-6,9,11-トリヒドロキシ-9-[(E)-N-[(1-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イリデン)アミノ]-C-メチルカルボンイミドイル)-4-メトキシ-8,10-ジヒドロ-7H-テトラセン-5,12-ジオン(一般名Ruboxyl)(化合物番号#10)であること;
(ウ)前記オキソラニルピリミジンオン誘導体[D1]が、(vi)式[IVa-1]:
【化30】
JP2019019094A_000098t.gif
で表される5-ブロモ-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(一般名5-ブロモウリジン:5-Bromouridine)(化合物番号#18);
(vii)式[IVa-2]:
【化31】
JP2019019094A_000099t.gif
で表される5-ブロモ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4-ジオン(一般名5-ブロモ-2'-デオキシウリジン:5-bromo-2'-deoxyuridine)(化合物番号#19);
(viii)式[IVa-2]:
【化32】
JP2019019094A_000100t.gif
で表される5-フルオロ-1-[(2R,3S,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-メチルテトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン(化合物番号#20);
(ix)式[IVa-3]:
【化33】
JP2019019094A_000101t.gif
で表される1-[(2R,4S,5S)-4-アジド-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン(AZT)(化合物番号#22);または
(x)式[IVa-4]:
【化34】
JP2019019094A_000102t.gif
で表される5-ブロモ-1-[(2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン(5-BROMO-2'-DEOXYURIDINE)(化合物番号#29)であること;
(エ)前記一般式[VI]で表されるオキソラニルピリジンオン誘導体[F]が、(xi)式[VIa]:
【化35】
JP2019019094A_000103t.gif
で表される4-アミノ-1-[(2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]ピリジン-2-オン(化合物番号#27)であること;
(オ)前記一般式[VII]で表されるオキシラニルトリアジンジオン誘導体[G]が、(xii)式[VIIa]:
【化36】
JP2019019094A_000104t.gif
で表される2-[(2R,3S,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-1,2,4-トノアジン-4,6-ジオン(Azauridine))(化合物番号#28)であること;
(カ)前記オキソラニルピリミジンオン誘導体[H1]が、(xiii)式[VIIIa-1]:
【化37】
JP2019019094A_000105t.gif
で表される3-(2-クロロフェニル)-6-ヒドロキシ-5-[6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンで表される(化合物番号#32);
(xiv)式[VIIIa-2]:
【化38】
JP2019019094A_000106t.gif
で表される3-(2-メトキシフェニル)-6-ヒドロキシ-5-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロピリミジン-4(1H)-オン(化合物番号#37);
(xv)式[VIIIa-3]:
【化39】
JP2019019094A_000107t.gif
で表される5-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-yl)-6-ヒドロキシ-3-フェネチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(化合物番号#41);または
(xvi)式[VIIIa-4]:
【化40】
JP2019019094A_000108t.gif
で表される5-(2-アセチル-6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-yl)-6-ヒドロキシ-1,3-ジフェニル-2-チオキソ-2,3-ジヒドロピリミジン-4(1H)-オン(化合物番号#43)であること;
(キ)前記一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M1]が、(xvii)式[XIIa-1]:
【化41】
JP2019019094A_000109t.gif
で表されるN,N-ジエチル-2-(3-メチル-2-フェニル-9H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾール-9-イル)エナンアミン(化合物番号#65);
(xviii)式[XIIa-2]:
【化42】
JP2019019094A_000110t.gif
で表される2-フェニル-9-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-9H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾール(化合物番号#66);
(xix)式[XIIa-3]:
【化43】
JP2019019094A_000111t.gif
で表される3-アセチル-9-[2-(ジエチルアミノ)エチル]-2-(2,5-ジメチルフェニル)-9-ヒドロイミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾール(化合物番号#67);
(xx)式[XIIa-4]:
【化44】
JP2019019094A_000112t.gif
で表される2-(4-クロロフェニル)-1-[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)エチル]-1H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾール(化合物番号#71);または
(xxi)式[XIIa-5]:
【化45】
JP2019019094A_000113t.gif
で表される2-tert-ブチル-1-[2-ピペリジニル)エチル]-1H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾール(化合物番号#74)であること;
(ク)前記一般式[XIIIa]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N1]が、(xxii)式[XIIIa-1]:
【化46】
JP2019019094A_000114t.gif
で表される (3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-3-(ピロリジニル-1-メチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#75);
(xxiii)式[XIIIa-2]:
【化47】
JP2019019094A_000115t.gif
で表される (3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-3-((4-メチルピペリジニル-1-メチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#76);
(xxiv)式[XIIIa-3]:
【化48】
JP2019019094A_000116t.gif
で表される (3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-3-((2-メチルピペリジニル-1-メチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#77);
(xxv)式[XIIIa-4]:
【化49】
JP2019019094A_000117t.gif
で表される (3S,3aR,5R,8aR,9aR)-3-[(3-メトキシプロピル)アミノ)メチル]-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#80);
(xxvi)式[XIIIa-5]:
【化50】
JP2019019094A_000118t.gif
で表される1-{[(3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-2-オキソデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-a]フラン-5,2'-オキシラン]-3-イル}ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステル(化合物番号#81);
(xxvii)式[XIIIa-6]:
【化51】
JP2019019094A_000119t.gif
で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-3-[(1,4'-ビピペリジニル)-1'-メチル]-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#82);
(xxviii)式[XIIIa-7]:
【化52】
JP2019019094A_000120t.gif
で表される (3S,3aR,5R,8aR,9aR)-3-[(2-モルホリノエチル)アミノメチル]-デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#83);
(xxix)式[XIIIa-8]:
【化53】
JP2019019094A_000121t.gif
で表される化合物は、下記式で表される(3S,8aR)-3-[(2,6-ジメチル)-4-モルホリルメチル]-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#85);
(xxx)式[XIIIa-9]:
【化54】
JP2019019094A_000122t.gif
で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-3-[(1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン-8-イル)メチル]-4a-ヒドロキシ-5-メトキシ-5,8a-ジメチルデカヒドロナフト [2,3-b]フラン-2(3H)-オン(化合物番号#86);
(xxxi)式[XIIIa-10]:
【化55】
JP2019019094A_000123t.gif
で表される (3S,3aR,8aR,9aR)-3-[(4-クロロフェニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]メチル-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン-2-オン(化合物番号#88);
(xxxii)式[XIIIa-11]:
【化56】
JP2019019094A_000124t.gif
で表される (3S,3aR,5R,8aR,9aR)-8a-メチル-3-(チオモルホリノメチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#89);
(xxxiii)式[XIIIa-12]:
【化57】
JP2019019094A_000125t.gif
で表される (3S,3aR,8aR,9aR)-3-{[N-(4-フラン-2-イル)ブタン-2-イル)-N-メチルアミノ]メチル}-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#91);
(xxxiv)式[XIIIa-13]:
【化58】
JP2019019094A_000126t.gif
で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-8a-メチル-3-(チオモルホリノメチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#92);
(xxxv)式[XIIIa-14]:
【化59】
JP2019019094A_000127t.gif
で表される (3S,3aR,8aR,9aR)-3-(4-フルオロベンジル)アミノエチル-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#93);
(xxxvi)式[XVIIIa-15]:
【化60】
JP2019019094A_000128t.gif
で表される (3S,8aR)-3-(N-ベンジル-N-ヒドロキシエチル)アミノエチル)-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オン(化合物番号#94)であること;
(ケ)前記一般式[XIV]で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]が、(xxxvii)式[XIVa]:
【化61】
JP2019019094A_000129t.gif
で表されるビス(2,4-ジフェノキシフェニル)メタノン(化合物番号#96)であること;または
(コ)前記一般式[XVa]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P1)が、(xxxviii)式[XVa-1]:
【化62】
JP2019019094A_000130t.gif
で表される1-(3-モルホリノメチル-4-メトキシフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2H-インドリノ[4,3-c]ピペリジン(化合物番号#102);
(xxxix)式[XVa-2]:
【化63】
JP2019019094A_000131t.gif
で表される1-[4-(2-フルオロフェニル)ピラジニルメチル-4-メトキシフェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドール(化合物番号#103);
(xl)式[XVa-3]:
【化64】
JP2019019094A_000132t.gif
で表される1-[4-(4-フルオロフェニル)ピラジニルメチル-4-メトキシフェニル]-6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-インドリノ[4,3-c]ピペリジン(化合物番号#105);
(xli)式{XVa-4}:
【化65】
JP2019019094A_000133t.gif
で表される1-{[(1S)-3-(6,7-ジメトキシ)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルメチル]-4-メトキシフェニル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドール(化合物番号#107);または
(xlii)式[XVa-5]:
【化66】
JP2019019094A_000134t.gif
で表される1-[3-(3,5-ジメチルピラゾール-1-イルメチル)-4-メトキシフェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドール(化合物番号#113)であること、
を特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害用組成物。
【請求項5】
前記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を抗KRAS阻害薬剤として選別することを特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害薬剤のスクリーニング方法。
【請求項6】
請求項5に記載の変異KRAS関連シグナル阻害薬剤のスクリーニング方法であって、前記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]に含まれる化合物(図3~図18にそれぞれ記載される化合物番号#1~#121)を抗KRAS阻害薬剤として選別することを特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害薬剤スクリーニング方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の変異KRAS関連シグナル阻害薬剤スクリーニング方法であって、請求項4に記載の抗KRAS阻害薬剤として選別することを特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害薬剤スクリーニング方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は変異KRAS関連シグナル阻害用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
膵臓癌や肺がん、及びヒト結腸直腸がん(CRC)において KRAS 遺伝子変異および変異KRAS関連のシグナルの活性化は多くの癌に共通して認められる(非特許文献1、2)。 KRASは、成長因子、サイトカイン、ホルモンなどを含む細胞外シグナルに応答する分裂促進シグナル導入に関連している(非特許文献3)。KRASタンパクは、小さな GTPase であり、分子スイッチとして機能している(非特許文献4)。活性 GTP結合型と不活性 GDP 非結合型との間の KRAS 交換は GTPase 活性化タンパク (GAPs) とグアニンヌクレオチド交換因子 (GEFs) によって緊密に制御されている(非特許文献5)。KRAS の発がん性変異は、GAP 結合活性の妨げになるか、またはGTPase 活性を直接崩壊する点変異である(非特許文献6)。したがって、変異 KRAS (mtKRAS) は、恒常的に活性な GTP 結合型になり、さらに下流の増殖性ならびに抗アポトーシスシグナル伝達の活性化に繋がる。
【0003】
これまで、本発明者らは、ヒトCRC HCT116 細胞と、HCT116 細胞由来でかつmtKRAS 遺伝子を特異的に欠失したHKe3 細胞とを比較して、腫瘍形成におけるmtKRAS の重要な役割を数多く報告してきた。(非特許文献7-11)。実際、HKe3 細胞はヌードマウスにおいて足場非依存的成長と腫瘍形成能を失っている一方で、親HCT116 細胞はこれら2つの性質を示している(非特許文献1)。
【0004】
これまでの集中的な努力にもかかわらず、KRAS を標的として効果的な療法は未だ臨床レベルには至っていない。したがって、従来の2次元培養とは異なるKRAS を仲介したシグナル伝達分子を標的とした薬剤を同定するスクリーニングシステムを開発することが必要である。
【0005】
これまでの研究で、本発明者らはマトリゲルを使用して三次元細胞培養を行ってきた。この三次元細胞培養は、in vivo 組織微小環境と非常に類似している。また、三次元でしか認められない現象は生体内での微小環境における変異KRASの役割を反映しており、三次元で変動する遺伝子は患者の予後予測因子であるばかりでなく、治療標的となり得ることが報告されている(非特許文献12)。さらに、三次元細胞培養システムは、腫瘍発生においてしばしば異常が認められる細胞-細胞間ならびに細胞-細胞外マトリックス間相互作用の重要性を直接調べることができる(非特許文献13、14)。
【0006】
以前、本発明者らは、三次元マトリゲル細胞培養にて HKe3 細胞と HCT116 細胞を比較して、HKe3 細胞が不随的に発生する内腔のアポトーシスに伴う極性化内腔構造を形成するのに対して、 HCT116 細胞は、細胞極性化や内腔アポトーシスを伴わない構造を形成して(非特許文献12)、mtKRAS が内腔アポトーシスの抑制や細胞極性化の崩壊に関与していることを示した。さらに、HCT116 細胞では三次元細胞培養でホスホジエステラーゼ4B (PDE4B) 発現がHKe3 細胞に比べて増加する。Rolipram や resveratrol などのPDE4B インヒビターは、三次元マトリゲル細胞培養で HCT116 スフェロイドの内腔アポトーシスを惹起し(非特許文献15、16)、mtKRASを標的とした療法に対する薬剤となり得ることを示唆している。しかしながら、三次元マトリゲル細胞培養は、その複雑な手順からして薬剤スクリーニングシステムとしては適切ではない(非特許文献1)。
【0007】
そこで、本発明者らは、鋭意研究の結果、野生型 KRAS(wtKRAS)または mtKRAS を発現するHKe3 由来細胞を樹立することによる三次元浮遊細胞培養法を用いることで、マトリゲルを使用しないで、変異KRAS が制御する微小環境への効果を阻害する薬剤を定量的に選別可能であることを見いだした(非特許文献1、7)。
【0008】
この三次元浮遊細胞培養法は、HKe3-wtKRASおよびHKe3-mtKRASを使用し、丸底非接着性ディッシュに播種し、培養後、1ウエルに一つ形成された細胞隗の画像をIn cell analyzerで取得し、断面積を計測する(図1参照)。一次スクリーニングではHKe3-mt KRASを、二次スクリーニングでは、毒性の有無を正常クリプト様の構造をなすHKe3-wtKRASにて変化がないことを条件に取り込むことで、副作用のないヒット化合物の選別が可能である(図2参照)。
【0009】
この三次元浮遊細胞培養では、マトリゲルがなくても細胞を凝集させれば細胞塊として生存可能であり、その作用は変異KRAS陽性細胞で強いのではないかというデータが得られたこと、またHKe3細胞塊における内腔のアポトーシスなど、マトリゲル培養と同様なフェノタイプを示すこと、発現アレイ解析でも実際変異KRAS特異的な間質成分を分泌している可能性があることなどから、変異KRASによる独自の癌微小環境制御機構能考えられ、癌微小環境の解析に最適なシステムであると考えられる(非特許文献7)。
【0010】
さらに、この三次元浮遊細胞培養は、また正常組織形態に近いHKe3細胞を使用するので細胞塊が分散することを指標に毒性の有無のチェックも同時に可能である。さらに非接着性の丸底ディッシュを使用するため、細胞数を調整するだけで、様々な大きさの単一の細胞塊を形成させることが可能であり、シングルセル解析も可能である。またIn cell analyzerによるイメージ取得において、細胞塊が縮小するか、または分散するかを判定するプログラムを作成し、自動化することで三次元特異的な変異KRAS制御ドライバー分子のみを阻害する化合物の探索のハイスループット化も可能である(非特許文献7)。
【先行技術文献】
【0011】

【非特許文献1】Shirasawa, S., et al. Science 260: 85-88, 1993.
【非特許文献2】Sideris, M. et al. Anticancer Res 34: 2061-2068, 2014
【非特許文献3】Adjei, AA. J Natl Cancer Inst 93:1062-1074, 2001
【非特許文献4】Milburn, MV., et al. Science 247: 939-945, 1990.
【非特許文献5】Rodriguez-Viciana P., et al. Mol Cell Biol. 24: 4943-4954, 2004.
【非特許文献6】Al-Mulla, F., et al. J Pathol 187: 433-438, 1999.
【非特許文献7】Toshiyuki Tsunoda, et al. Anticancer Res 35: 4453-4460 (2015)
【非特許文献8】Troridge, P., et al. Gastroeaterology, 2009.
【非特許文献9】Vartamoam, S., et al. J Biol Chem 288: 2403-2413, 2013.
【非特許文献10】Tsunoda, T., et al. Anticancer Res 31: 2453-2459, 2011.
【非特許文献11】Ota, T., et al. Anticancer Res. 32: 2271-2275, 2012.
【非特許文献12】Tsunoda. T et al. Neoplasia 12: 397-404, 2010
【非特許文献13】O'Brica, LE., et al. Nat Rev Mol Cell Biol 3: 531-537, 2002.
【非特許文献14】Griffith, LG., et al. Nat Rev Mol Cell Biol 7: 211-224, 2006.
【非特許文献15】Tsuonda, T et al. Mol Cancer 11: 46, 2012
【非特許文献16】Tsunoda. T et al. Anticancer Res 34: 4551-4555,2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の主な形態は、下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を1種またはそれ以上の種を有効成分として含有する抗KRAS阻害用組成物を提供することを目的としている。
【0013】
さらに詳細には、本発明は、下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]にそれぞれ含まれる化合物(図3~図16にそれぞれ記載される化合物番号#1~#121)の1種またはそれ以上の種の化合物の1種またはそれ以上を有効成分として含有する変異KRAS関連シグナル阻害用組成物として提供することを目的としている。
【0014】
本発明の別の形態は、三次元浮遊細胞培養法により、変異 KRAS が制御する微小環境への効果を阻害する薬剤を定量的に選別することを特徴とする変異KRAS関連シグナル阻害薬剤のスクリーニング方法を提供することを目的としている。
【0015】
本発明の好ましい別の形態は、下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を変異KRAS関連シグナル阻害薬剤として選別することを特徴とする変異KRAS関連シグナル 阻害薬剤のスクリーニング方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を1種またはそれ以上の種を有効成分として含有する変異KRAS関連シグナル阻害用組成物を提供する。
【0017】
より具体的には、本発明は、下記一般式[I]で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]、一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]、一般式[III]で表されるジオキソアントラセンカルボン酸誘導体[C]、一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]、一般式[V]で表されるテトラヒドロピラニル置換ピリミジンジオン誘導体[E]、一般式[VI]で表されるオキソラニルピリジンオン誘導体[F]、一般式[VII]で表されるオキシラニルトリアジンジオン誘導体[G]、一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]、一般式[IX]で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]、一般式[X]で表されるヘキサヒドロピラノクロメン誘導体[K]、一般式[XI]で表されるヘキサヒドロ(エポキシメタノ)キサンテン誘導体[L]、一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]、一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]、一般式[XIV]で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]、一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)および一般式[V]で表されるフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)から選ばれる1種またはそれ以上を有効成分として含有する変異KRAS関連シグナル阻害用組成物を提供する。
【0018】
さらに具体的には、本発明は、前記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]に含まれる化合物(図3~図18にそれぞれ記載される化合物番号#1~#121で表される)から選ばれる1種またはそれ以上を有効成分として含有することからなる変異KRAS関連シグナル阻害用組成物を提供する。
【0019】
本発明の別の形態は、三次元浮遊細胞培養法により、変異 KRAS が制御する微小環境への効果を阻害する薬剤を定量的に選別することからなる変異KRAS関連シグナル 阻害薬剤のスクリーニング方法を提供する。
【0020】
また、本発明の好ましい別の形態は、上記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を変異KRAS関連シグナル阻害薬剤として選別することからなる変異KRAS関連シグナル 阻害薬剤のスクリーニング方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、三次元浮遊細胞培養法により、変異KRASが制御する微小環境への効果を阻害する薬剤が定量的にかつより簡便に選別可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る三次元浮遊細胞培養法に使用するスクリーニング法の概要を示す図である。
【図2】本発明に係る三次元浮遊細胞培養法に使用する変異 KRAS シグナルを抑制する化合物のスクリーニング法の概要を示す図である。
【図3A】一般式[I]で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図3B】一般式[I]で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図4A】一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図4B】一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図4C】一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図4D】一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図4E】一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図4F】一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図5A】一般式[III]で表されるジオキソアントラセンカルボン酸誘導体[C]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図5B】一般式[III]で表されるジオキソアントラセンカルボン酸誘導体[C]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図6A】一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図6B】一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図6C】一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図6D】一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図6E】一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図7】一般式[V]で表されるテトラヒドロピラニル置換ピリミジンジオン誘導体[E]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図8】一般式[VI]で表されるオキソラニルピリジンオン誘導体[F]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図9】一般式[VII]で表されるオキシラニルトリアジンジオン誘導体[G]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10A】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10B】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10C】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10D】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10E】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10F】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10G】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10H】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10I】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図10J】一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図11A】一般式[IX]で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図11B】一般式[IX]で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図11C】一般式[IX]で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図11D】一般式[IX]で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図12】一般式[X]で表されるヘキサヒドロピラノクロメン誘導体[K]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図13A】一般式[XI]で表されるヘキサヒドロ(エポキシメタノ)キサンテン誘導体[L]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図13B】一般式[XI]で表されるヘキサヒドロ(エポキシメタノ)キサンテン誘導体[L]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図14A】一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図14B】一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図14C】一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図14D】一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15A】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15B】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15C】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15D】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15E】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15F】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15G】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図15H】一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図16A】一般式[XIV]で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図16B】一般式[XIV]で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図16C】一般式[XIV]で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図17A】一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図17B】一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図17C】一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図17D】一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図17E】一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図17F】一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図18A】一般式[XVI]で表されるフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【図18B】一般式[XVI]で表されるフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)およびその化合物群ならびにそれを構成する化合物を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、野生型 KRAS(wtKRAS)または mtKRAS を発現するHKe3 由来細胞を樹立することによる三次元浮遊細胞培養法を用いて、マトリゲルを使用しないで、変異 KRAS が制御する微小環境への効果を阻害する変異KRAS関連シグナル阻害化合物のスクリーニング方法ならびにかかる化合物を有効成分として含有する変異KRAS関連シグナル阻害用組成物に関するものである。

【0024】
本発明で使用する三次元浮遊細胞培養法は、図1および図2に模式的に記載した手順にしたがって、生体内を反映した環境で 変異KRAS関連シグナル 阻害効果を有する化合物のスクリーニングをすることができる(非特許文献1、7参照)。

【0025】
本発明の三次元浮遊細胞培養方法によってスクリーニングされた変異KRAS関連シグナル 阻害用化合物群としては、下記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]を挙げることができる。

【0026】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害化合物群は、下記一般式[I]で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]、一般式[II]で表されるテトラセンジオン誘導体[B]、一般式[III]で表されるジオキソアントラセンカルボン酸誘導体[C]、一般式[IV]で表されるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]、一般式[V]で表されるテトラヒドロピラニル置換ピリミジンジオン誘導体[E]、一般式[VI]で表されるオキソラニルピリジンオン誘導体[F]、一般式[VII]で表されるオキシラニルトリアジンジオン誘導体[G]、一般式[VIII]で表されるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]、一般式[IX]で表されるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]、一般式[X]で表されるヘキサヒドロピラノクロメン誘導体[K]、一般式[XI]で表されるヘキサヒドロ(エポキシメタノ)キサンテン誘導体[L]、一般式[XII]で表されるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]、一般式[XIII]で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]、一般式[XIV]で表されるジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]、一般式[XV]で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)および一般式[XVI]で表されるフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)を挙げることができる。

【0027】
したがって、本発明に係る変異KRAS関連シグナル阻害用組成物は、上記一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]から選ばれる1種またはそれ以上を有効成分と、通常の薬剤用担体とからなる変異KRAS関連シグナル阻害用組成物から構成される。

【0028】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物に1有効成分として含まれるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]は、一般式 [I] :
【化1】
JP2019019094A_000002t.gif
(式中、R1 は、水素原子またはC1-C4 アルキル基を意味し、
R2 は、水素原子、ヒドロキシ基またはビピペリジニルカルボニルオキシ基を意味する)
で表される。本発明のピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]を構成する化合物としては、例えば、図3に記載する化合物番号#1~#4で表される化合物を挙げることができる。

【0029】
なお、本明細書で使用する用語「アルキル基」は、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素原子数が1個~4個の1価飽和炭化水素基を、また用語「C1-C4」などの用語は、上記アルキル基を構成する炭素原子数を意味するものとし、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などを意味する。また、用語「ピペリジニル基」は、1価の6員環飽和複素環式アミンを意味し、立体構造をも含まれるものとし、また1価の結合子の位置は特に限定されないものとする。以下、これらの用語は特段の定めなき場合は同じ意味を有するものとする。

【0030】
また、本発明のピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A]のより好ましい態様としては、下記一般式[Ia]で表されるピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A1]が挙げられる:
【化2】
JP2019019094A_000003t.gif
(式中、R1' は、水素原子またはC1-C2 アルキル基を意味し、
R2' は、ヒドロキシ基またはビピペリジニルカルボニルオキシ基を意味する)。

【0031】
本発明において使用する好ましいピラノインドリノキノリンジオン誘導体[A1]としては、例えば、図3に記載する化合物番号#1、3および4でそれぞれ表される化合物を挙げることができる。

【0032】
化合物番号#1で表される化合物は、下記式で表される(S)-4-エチル-4,10-ジヒドロキシ-1H-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-3,14[4H,12H]-ジオンである。
【化3】
JP2019019094A_000004t.gif

【0033】
化合物番号#3で表される化合物は、下記式で表される[1,4'-ビピペリジン]-1'-カルボン酸 (S)-4,11-ジエチル-3,4,12,14-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-1H-ピラノ[3',4';6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-9-イルエステル 三水和物(一般名イリノテカン(Irinotecan))である。
【化4】
JP2019019094A_000005t.gif

【0034】
化合物番号#4で表される化合物は、下記式で表される[1,4'-ビピペリジン]-1'-カルボン酸 (S)-4,11-ジエチル-3,4,12,14-テトラヒドロ-4-ヒドロキシ-3,14-ジオキソ-1H-ピラノ[3',4';6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-9-イルエステル 三水和物モノハイドロクロライド(一般名イリノテカン塩酸化物(Irinotecan hydrochloride))である。
【化5】
JP2019019094A_000006t.gif

【0035】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるテトラセンジオン誘導体[B]は、一般式[II]:
【化6】
JP2019019094A_000007t.gif
(式中、R3 は、ヒドロキシ基、C1-C3アルキル基、C1-C2アルキルカルボニル基、ヒドロキシ-C1-C3アルキルカルボニル基またはN-(ヒドロキシ・テトラメチルピペリジニリデン)アミノ-C-メチルカルボンイミドイル基を意味し、
R4は、水素原子またはC1-C2アルコキシカルボニル基を意味し、
R5は、ヒドロキシ・アミノ-C1-C2アルキル置換トリデオキシ・ヘキソピラノシルオキシ基、ジメチル・トリメトキシ置換トリデオキシ・ヘキソピラノシルオキシ基、メチルオキソオキサノイルオキシ-メチル・ヒドロキシオキサニル置換ジメチルアミノ・メチルオキサノイルオキシ基またはジメチル・オキソ・オクタヒドロジピラノ-ジオキシニルオキシ置換(ジメチルアミノ)メチルオキサニルオキシ基を意味し、
R6は、水素原子またはヒドロキシ基をそれぞれ意味し、
R7は、水素原子またはヒドロキシ基をそれぞれ意味し、
R8は、水素原子または、R7と結合して、ジヒドロキシ・ジメチルアミノ・メチル・ジオキソオクタヒドロ-2H-エポキシオキシニル基を意味し、
R9は、ヒドロキシ基またはC1-C2アルコキシ基を意味する)
で表される。本発明のテトラセンジオン誘導体[B]を構成する化合物としては、例えば、図4に記載する化合物番号#5~#14で表される化合物を挙げることができる。

【0036】
なお、本明細書で使用する用語「アルコキシ基」は、上記アルキル基とヒドロキシ基が結合した置換基を表し、例えば、「C1-C3アルコキシ基」はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などを意味している。

【0037】
また、本発明のテトラセンジオン誘導体[B]のより好ましい態様としては、下記一般式[IIa]で表されるテトラセンジオン誘導体[B1]が挙げられる:
【化7】
JP2019019094A_000008t.gif
(式中、R3' は、C1-C2アルキルカルボニル基またはN-(ヒドロキシ・テトラメチルピペリジニリデン)アミノ-C-メチルカルボンイミドイル基を意味し、
R4' は、水素原子を意味し、
R5' は、ヒドロキシ・アミノ-C1-C2アルキル置換トリデオキシ・ヘキソピラノシルオキシ基を意味し、
R6' は、ヒドロキシ基をそれぞれ意味し、
R7' およびR8' は水素原子をそれぞれ意味し、
R9' は、ヒドロキシ基またはC1-C2アルコキシ基を意味する)
で表される。

【0038】
本発明において使用する好ましいテトラセンジオン誘導体[B1]としては、例えば、図4に記載する化合物番号#9および#10でそれぞれ表される化合物を挙げることができる。

【0039】
化合物番号#9で表される化合物は、下記式で表される (8S)-8-アセチル-10-((3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-α-L-lyxo-ヘキサピラノシル)オキシ)-7,8,9,10-テトラヒドロ-1,6,8,11-テトラヒドロキシ-5,12-ナフタセンジオンである。
【化8】
JP2019019094A_000009t.gif

【0040】
化合物番号#10で表される化合物は、下記式で表される (7S,9S)-7-[(2R,4S,5S,6S)-4-アミノ-5-ヒドロキシ-6-メチルオキサン-2-イル]オキシ-6,9,11-トリヒドロキシ-9-[(E)-N-[(1-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イリデン)アミノ]-C-メチルカルボンイミドイル)-4-メトキシ-8,10-ジヒドロ-7H-テトラセン-5,12-ジオン(一般名Ruboxyl)である。
【化9】
JP2019019094A_000010t.gif

【0041】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるジオキソアントラセンカルボン酸誘導体(C)は、一般式[III]:
【化10】
JP2019019094A_000011t.gif
(式中、R10a は、トリヒドロキシ・ヒドロキシC1-C2アルキルオキサニル基またはジメチルアミノ・ジメチル・ヒドロキシオキサニル基を意味し、
R10b は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R10cは、ヒドロキシ基またはジメチルアミノ・ヒドロキシ・メチルオキサニル基を意味し、
R11は、C1-C3アルキル基を意味し、
R12は、カルボキシル基または、R11と結合して、ジ(メチルオキシラニル)・オキソピラニル基を意味し、
R13はヒドロキシ基またはC1-C3アルキル基を意味する)
で表される。本発明のジオキソアントラセンカルボン酸誘導体[C]を構成する化合物としては、例えば、図5に記載する化合物番号#15~#17で表される化合物を挙げることができる。

【0042】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]は、一般式[IV]:
【化11】
JP2019019094A_000012t.gif
(式中、R14a は、ヒドロキシ基またはオキソ基を意味し、
R14b は、ハロゲン原子、C1-C3アルキル基、ヒドロキシC1-C3 アルキル基またはカルボキシル基を意味し、
R15a は、水素原子、C1-C3 アルキル基、ヒドロキシC1-C3アルキル基またはカルバモイルオキシ・ジヒドロキシ・アミノ・ペンタノイルアミノ置換カルボキシメチル基を意味し、
R15b は、ヒドロキシ基またはアジド基を意味し、
R15cは、水素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシC1-C2アルキル基またはトルエンスルホン酸基を意味する)
で表される。本発明のオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]を構成する化合物としては、例えば、図6に記載する化合物番号#18~#23、#25~#26および#29で表される化合物を挙げることができる。

【0043】
また、本発明のオキソラニルピリミジンオン誘導体[D]のより好ましい態様としては、下記一般式[IVa]で表されるテトラセンジオン誘導体[B1]が挙げられる:
【化12】
JP2019019094A_000013t.gif
(式中、R14a' は、ヒドロキシ基またはオキソ基を意味し、
R14b' は、ハロゲン原子またはC1-C2 アルキル基を意味し、
R15a' は、C1-C2アルキル基またはヒドロキシC1-C2 アルキル基を意味し、
R15b' は、ヒドロキシ基またはアジド基を意味し、
R15c'は、水素原子またはヒドロキシ基を意味する)
で表される。

【0044】
本発明において使用する好ましいオキソラニルピリミジンオン誘導体[D1]としては、例えば、図6に記載する化合物番号#18~#20、#22および#29でそれぞれ表される化合物を挙げることができる。

【0045】
化合物番号#18で表される化合物は、下記式で表される5-ブロモ-1-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン(一般名5-ブロモウリジン:5-Bromouridine)で表される。
【化13】
JP2019019094A_000014t.gif

【0046】
化合物番号#19で表される化合物は、下記式で表される5-ブロモ-1-((2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4-ジオン(一般名5-ブロモ-2'-デオキシウリジン:5-bromo-2'-deoxyuridine)で表される。
【化14】
JP2019019094A_000015t.gif

【0047】
化合物番号#20で表される化合物は、下記式で表される5-フルオロ-1-[(2R,3S,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-メチルテトラヒドロフラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオンで表される。
【化15】
JP2019019094A_000016t.gif

【0048】
化合物番号#22で表される化合物は、下記式で表される1-[(2R,4S,5S)-4-アジド-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-5-メチルピリミジン-2,4-ジオン(AZT)で表される。
【化16】
JP2019019094A_000017t.gif

【0049】
化合物番号#29で表される化合物は、下記式で表される5-ブロモ-1-[(2R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオン(5-BROMO-2'-DEOXYURIDINE)である。
【化17】
JP2019019094A_000018t.gif

【0050】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるピラニル置換ピリミジンジオン誘導体[E]は、一般式[V]:
【化18】
JP2019019094A_000019t.gif
(式中、R16 は、水素原子またはハロゲン原子を意味し、
R17aはアセチルオキシメチル基を意味し、
R17b、R17c およびR17dはいずれもアセチルオキシ基を意味する)
で表される。

【0051】
本発明のテトラヒドロピラニル置換ピリミジンジオン誘導体[E]を構成する化合物としては、例えば、図7に記載する化合物番号#24で表される5-フルオロ-1-[(2R,3S,4R,5S,6R)-3,4,5-トノアラチネオキシ-6-アセチルオキシメチルテトラヒドロ-2H-ビラン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジオンが挙げられる。
【化19】
JP2019019094A_000020t.gif

【0052】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるオキソラニルピリジンオン誘導体[F]は、一般式[VI]:
【化20】
JP2019019094A_000021t.gif
で表され、例えば、図8に記載する化合物番号#27で表される4-アミノ-1-[(2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]ピリジン-2-オンが挙げられる。
【化21】
JP2019019094A_000022t.gif

【0053】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるオキシラニルトリアジンジオン誘導体[G]は、一般式[VII]:
【化22】
JP2019019094A_000023t.gif
で表され、例えば、図9に記載する化合物番号#28で表される2-[(2R,3S,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル)オキソラン-2-イル]-1,2,4-トノアジン-4,6-ジオン(Azauridine))が挙げられる。
【化23】
JP2019019094A_000024t.gif

【0054】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるテトラヒドロイソキノリニルピリミジンジオン誘導体[H]は、一般式[VIII]:
【化24】
JP2019019094A_000025t.gif
(式中、R18 は、酸素原子または硫黄原子を意味し、
R19a は、水素原子、C1-C3アルキル基、C3-C4 シクロアルキル基、フェニル-C1-C2 アルキル基、フェニル基、ハロフェニル基、モノ-、ジ-もしくはトリ-メチルフェニル基、C1-C2 アルコキシフェニル基またはC4-C6 アルキルフェニル基を意味し、
R19b は、水素原子、C1-C3 アルキル基、フェニル基またはフェニル-C1-C2 アルキル基を意味し、
R20 は、水素原子、C1-C3アルキル基またはC2-C3アシル基を意味し、
R21a は、水素原子またはC1-C2 アルコキシ基を意味し、
R21bは、水素原子、C1-C2 アルコキシ基または、R21b と結合して、ジオキサニル基を意味し、
R21cは、水素原子またはC1-C2 アルコキシ基を意味する)
で表され、例えば、図10に記載する化合物番号#30~#49で表される化合物が挙げられる。

【0055】
本発明において使用する好ましいオキソラニルピリミジンオン誘導体[H1]は、一般式[VIIIa]:
【化25】
JP2019019094A_000026t.gif

【0056】
(式中、R18 は、酸素原子または硫黄原子を意味し、
R19a' は、フェニル-C1-C2 アルキル基、フェニル基、ハロフェニル基またはC1-C2 アルコキシフェニル基を意味し、
R19b' は、水素原子またはフェニル基を意味し、
R20' は、水素原子またはC1-C2アシル基を意味し、
R21a' およびR21b' は、C1-C2 アルコキシ基をそれぞれ意味し、
R21cは、水素原子を意味する)
で表され、例えば、図10に記載する化合物番号#32、#37、#41および#43で表される化合物が挙げられる。

【0057】
化合物番号#32で表される化合物は、下記式で表される3-(2-クロロフェニル)-6-ヒドロキシ-5-[6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンで表される。
【化26】
JP2019019094A_000027t.gif

【0058】
化合物番号#37で表される化合物は、下記式で表される3-(2-メトキシフェニル)-6-ヒドロキシ-5-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル)-2-チオキソ-2,3-ジヒドロピリミジン-4(1H)-オンで表される。
【化27】
JP2019019094A_000028t.gif

【0059】
化合物番号#41で表される化合物は、下記式で表される5-(6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-yl)-6-ヒドロキシ-3-フェネチルピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンで表される。
【化28】
JP2019019094A_000029t.gif

【0060】
化合物番号#43で表される化合物は、下記式で表される5-(2-アセチル-6,7-ジメトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-yl)-6-ヒドロキシ-1,3-ジフェニル-2-チオキソ-2,3-ジヒドロピリミジン-4(1H)-オンで表される。
【化29】
JP2019019094A_000030t.gif

【0061】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]は、一般式[IX]:
【化30】
JP2019019094A_000031t.gif
(式中、R22 は、水素原子、ジ(C1-C2 アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、ジ(ヒドロキシ-C1-C2 アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、ジ(フェニル-C1-C2 アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、1-ピロリジル-C1-C2アルキル基、1-ピペリジニル-C1-C2アルキル基、1-メチルピペラジニル-4-C1-C2アルキル基、4-メチル-4-モルホリノ-C1-C2アルキル基、1-アゼパニル-C1-C2アルキル基、1-メチル-1-ピペリジニル-C1-C2アルキル基または8-メトキシ-2,2-ジメチル—6,7-ジオキソロ-1-テトラヒドロイソキノリウム基を意味する)
で表される。

【0062】
本発明のヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[J]としては、例えば、例えば、図11に記載する化合物番号#50~#59および#62で表される化合物が挙げられる。

【0063】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるヘキサヒドロピラノクロメン誘導体[K]は、一般式[X]:
【化31】
JP2019019094A_000032t.gif
(式中、R23は2,2-ジクロロ-3,3-ジメチルシクロプロピルエチル基を意味する)
で表される。

【0064】
本発明のヘキサヒドロピラノクロメン誘導体[K]としては、例えば、図12に記載する化合物番号#61で表される5-(2-(2,2-ジクロロ-3,3-ジメチルシクロプロピル)エチル)-2,5-ジメチル-2,3,4,4a,5,10b-ヘキサヒドロピラノ[3,2-c]クロメンが挙げられる。

【0065】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるヘキサヒドロピラノ・クロメニルアルキニル誘導体[L]は、一般式[XI]:
【化32】
JP2019019094A_000033t.gif
(式中、R24 は、ヒドロキシ基、フェニルカルバメート基またはシクロヘキシルカルバメート基を意味する)
で表される。

【0066】
また、本発明のヘキサヒドロ(エポキシメタノ)キサンテン誘導体[L]としては、例えば、図13に記載の化合物番号#60および#63~#64で表される化合物が挙げられる。

【0067】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物の1有効成分であるイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]は、一般式[XII]:
【化33】
JP2019019094A_000034t.gif
(式中、R25a は、水素原子、C1-C3アルキル基、C2-C3アシル基またはC1-C2アルコキシカルボニル基を意味し、
R25b は、C1-C4 アルキル基、ハロフェニル基、モノ-もしくはジ-C1-C2アルキル置換もしくは非置換フェニル基、またはビフェニル基を意味し、
R25cは、水素原子、ヒドロキシC1-C3アルキル基、ピペリジニル-C1-C2アルキル基、4-メチル-1-ピペラジニル-C1-C2アルキル基または4-モルホリニル-C1-C2アルキル基を意味し、
R26は、水素原子、C2-C4アルケニル基、ジ(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、ピロリジニル-C1-C2アルキル基または4-モルホリニル-1-C1-C2 アルキル基を意味する)
で表される。

【0068】
本明細書において、用語「ハロフェニル基」の「ハロ」ならびに関連する用語「ハロゲン」等は、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子などのハロゲン原子を意味する。以下同じ意味を有する。

【0069】
本発明のイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M]としては、例えば、図14に記載の化合物番号#60および#65~#74で表される化合物が挙げられる。

【0070】
また、本発明において使用する好ましいイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M1]は、一般式[XIIa]:
【化34】
JP2019019094A_000035t.gif
(式中、R25a' は、水素原子、C1-C2アルキル基またはC2-C3アシル基を意味し、
R25b' は、C1-C4 アルキル基、ハロフェニル基またはモノ-もしくはジ-C1-C2アルキル置換もしくは非置換フェニル基を意味し、
R25c' は、水素原子、ピペリジニル-C1-C2アルキル基または4-メチル-1-ピペラジニル-C1-C2アルキル基を意味し、
R26' は、水素原子、ジ(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基またはピロリジニル-C1-C2アルキル基を意味する)
で表される。

【0071】
本発明の好ましいイミダゾベンゾイミダソール誘導体[M1]としては、例えば、図14に記載する化合物番号#65~#67、#71および#74で表される化合物が挙げられる。

【0072】
化合物番号#65で表される化合物は、下記式のN,N-ジエチル-2-(3-メチル-2-フェニル-9H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾール-9-イル)エナンアミンで表される。
【化35】
JP2019019094A_000036t.gif

【0073】
化合物番号#66で表される化合物は、下記式の2-フェニル-9-[2-(1-ピロリジニル)エチル]-9H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾールで表される。
【化36】
JP2019019094A_000037t.gif

【0074】
化合物番号#67で表される化合物は、下記式の3-アセチル-9-[2-(ジエチルアミノ)エチル]-2-(2,5-ジメチルフェニル)-9-ヒドロイミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾールで表される。
【化37】
JP2019019094A_000038t.gif

【0075】
化合物番号#71で表される化合物は、下記式の2-(4-クロロフェニル)-1-[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)エチル]-1H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾールで表される。
【化38】
JP2019019094A_000039t.gif

【0076】
化合物番号#74で表される化合物は、下記式の2-tert-ブチル-1-[2-ピペリジニル)エチル]-1H-イミダゾ[1,2-a]ベンズイミダゾールで表される。
【化39】
JP2019019094A_000040t.gif

【0077】
本発明において1有効成分として使用されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]は、一般式[XIII]:
【化40】
JP2019019094A_000041t.gif
(式中、R27 は、C1-C2アルコキシ-C1-C3アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、フェニル・ヒドロキシC2-C4アルキル(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、アダマンチルエチルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ-C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、フラニル-C1-C4アルキル(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、4-モルホリノ-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ピロリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルキル置換もしくは非置換ピぺリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フエニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ置換もしくは非置換)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルコキシカルボニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、スピロ-1,3-ジオキソラニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、トリメチルアザビシクロオクタニル-C1-C2アルキル基、ビピペリジニル-C1-C2アルキル基、4-モノ-もしくはジ-置換もしくは非置換モルホリノ-C1-C2アルキル基またはチオモルホリノ-C1-C2アルキル基を意味し、
R28aはC1-C2アルキル基を意味し、
R28b は、C1-C2アルコキシ基または、R28aと酸素原子を介して結合してスピロオキシラニル基を意味し、
R28cは、水素原子またはヒドロキシ基を意味する)
で表される。

【0078】
本発明のデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]としては、例えば、図15に記載の化合物番号#75~#94で表される化合物が挙げられる。

【0079】
本発明のデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N]のうち、より好ましい化合物としては、下記一般式[XIIIa]:
【化41】
JP2019019094A_000042t.gif
で表されるデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N1]が挙げられる。

【0080】
上記式中、R27' は、C1-C2アルコキシ-C1-C3アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ-C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、フラニル-C1-C4アルキル(C1-C2アルキル)アミノ-C1-C2アルキル基、4-モルホリノ-C1-C2アルキルアミノ-C1-C2アルキル基、ピロリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルキル置換もしくは非置換ピぺリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ置換もしくは非置換フェニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、ハロ非置換もしくは置換フエニル-C1-C2アルキル(ヒドロキシ置換もしくは非置換)ピペリジニル-C1-C2アルキル基、C1-C2アルコキシカルボニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、スピロ-1,3-ジオキソラニルピペリジニル-C1-C2アルキル基、ビピペリジニル-C1-C2アルキル基、4-モノ-もしくはジ-置換もしくは非置換モルホリノ-C1-C2アルキル基またはチオモルホリノ-C1-C2アルキル基を意味し、
R28a'はメチル基を意味し、
R28b' は、メトキシ基または、R28a'と酸素原子を介して結合して、スピロオキシラニル基を意味し、
R28c'は、水素原子またはヒドロキシ基を意味する。

【0081】
本発明において使用する好ましいデカヒドロスピロフラン・ナフトフラノン誘導体[N1]としては、例えば、図15に記載する化合物番号#75~#77、#80~#83、#85~#86、#88~#89および#91~#94でそれぞれ表される化合物を挙げることができる。

【0082】
化合物番号#75で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-3-(ピロリジニル-1-メチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化42】
JP2019019094A_000043t.gif

【0083】
化合物番号#76で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-3-((4-メチルピペリジニル-1-メチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化43】
JP2019019094A_000044t.gif

【0084】
化合物番号#77で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-3-((2-メチルピペリジニル-1-メチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化44】
JP2019019094A_000045t.gif

【0085】
化合物番号#80で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-3-[(3-メトキシプロピル)アミノ)メチル]-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化45】
JP2019019094A_000046t.gif

【0086】
化合物番号#81で表される化合物は、下記式で表される1-{[(3S,3aR,8aR,9aR)-8a-メチル-2-オキソデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-a]フラン-5,2'-オキシラン]-3-イル}ピペリジン-4-カルボン酸エチルエステルである。
【化46】
JP2019019094A_000047t.gif

【0087】
化合物番号#82で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-3-[(1,4'-ビピペリジニル)-1'-メチル]-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化47】
JP2019019094A_000048t.gif

【0088】
化合物番号#83で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-3-[(2-モルホリノエチル)アミノメチル]-デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化48】
JP2019019094A_000049t.gif

【0089】
化合物番号#85で表される化合物は、下記式で表される(3S,8aR)-3-[(2,6-ジメチル)-4-モルホリルメチル]-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化49】
JP2019019094A_000050t.gif

【0090】
化合物番号#86で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-3-[(1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン-8-イル)メチル]-4a-ヒドロキシ-5-メトキシ-5,8a-ジメチルデカヒドロナフト [2,3-b]フラン-2(3H)-オンである。
【化50】
JP2019019094A_000051t.gif

【0091】
化合物番号#88で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-3-[(4-クロロフェニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル]メチル-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン-2-オンである。
【化51】
JP2019019094A_000052t.gif

【0092】
化合物番号#89で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-8a-メチル-3-(チオモルホリノメチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化52】
JP2019019094A_000053t.gif

【0093】
化合物番号#91で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-3-{[N-(4-フラン-2-イル)ブタン-2-イル)-N-メチルアミノ]メチル}-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化53】
JP2019019094A_000054t.gif

【0094】
化合物番号#92で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,5R,8aR,9aR)-8a-メチル-3-(チオモルホリノメチル)デカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化54】
JP2019019094A_000055t.gif

【0095】
化合物番号#93で表される化合物は、下記式で表される(3S,3aR,8aR,9aR)-3-(4-フルオロベンジル)アミノエチル-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[ナフト[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化55】
JP2019019094A_000056t.gif

【0096】
化合物番号#94で表される化合物は、下記式で表される(3S,8aR)-3-(N-ベンジル-N-ヒドロキシエチル)アミノエチル)-8a-メチルデカヒドロ-2H-スピロ[2,3-b]フラン-5,2'-オキシラン]-2-オンである。
【化56】
JP2019019094A_000057t.gif

【0097】
本発明において1有効成分として使用できる(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]は、一般式[XIV]:
【化57】
JP2019019094A_000058t.gif
(式中、R30a は、水素原子または C1-C4アルキル基を意味し、
R30b は、水素原子、ヒドロキシ基またはC1-C2 アルコキシ基を意味し、
R30c は、水素原子またはカルボキシル基を意味し、
R30d は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R31a は、水素原子または C1-C4アルキル基を意味し、
R31b は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R31c は、水素原子またはカルボキシル基を意味し、
R31d は、水素原子またはヒドロキシ基を意味し、
R32a は、水素原子またはトリフルオロメチル基を意味し、
32b は、水素原子、カルボキシル-C1-C2アルキル基、カルボキシルフェニル基もしくはトリフルオロメチル基または、32aと結合してオキソ基を意味する)
で表される。

【0098】
本発明のジ(フェノキシフェニル)メタン誘導体[O]としては、例えば、図16に記載する化合物番号#95~#101で表される化合物が挙げられる。さらに、より好ましい化合物としては、式[XIVa]:
【化58】
JP2019019094A_000059t.gif
で表される4-[1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(4-ヒドロキシフェニル)プロパン-2-イル)フェノール(化合物番号#96)が挙げられる。

【0099】
本発明において1有効成分として使用できる化合物として、一般式[XV]:
【化59】
JP2019019094A_000060t.gif
(式中、R33a は、水素原子またはC1-C2 アルコキシ基を意味し、
R33bは、水素原子、C1-C2アルコキシ基、ハロもしくはニトロ置換もしくは非置換フェノキシ-C1-C2 アルキル基、ジ(6,7-C1-C2アルコキシ)メチルテトラヒドロイソキノリニル-C1-C2 アルキル基、フタリミド-C1-C2 アルキル基、ニトロもしくはジ(C1-C2アルキル)ピラゾリル-C1-C2 アルキル基、4-ハロフェニルピラジニル-1-C1-C2 アルキル基、モルホリノ-C1-C2 アルキル基またはベンズイミダゾリル-チア-C1-C2 アルキル基を意味し、
R33c は、水素原子、ヒドロキシ基、C1-C2 アルキル基、C1-C2 アルコキシ基またはアミドC1-C2アルキル基を意味する)
で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)が挙げられる。

【0100】
本発明の(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)としては、例えば、図17に記載する化合物番号#102~#117で表される化合物が挙げられる。

【0101】
本発明の(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P)のうち、より好ましい化合物(Pa)としては、下記一般式[XVa]:
【化60】
JP2019019094A_000061t.gif
(式中、R33a' は、水素原子を意味し、
R33b'は、ジ(6,7-C1-C2アルコキシ)メチルテトラヒドロイソキノリニル-C1-C2 アルキル基、ニトロもしくはジ(C1-C2アルキル)ピラゾリル-C1-C2 アルキル基、4-ハロフェニルピラジニル-1-C1-C2 アルキル基またはモルホリノ-C1-C2 アルキル基を意味し、
R33c' は、C1-C2 アルコキシ基を意味する)
で表される(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(Pa)が挙げられる。

【0102】
本発明において使用する好ましい(フェニル)テトラヒドロピリドインドール誘導体(P1)としては、例えば、図17に記載する化合物番号#102~#103、#105、#107および#113でそれぞれ表される化合物を挙げることができる。

【0103】
化合物番号#102で表される化合物は、下記式で表される1-(3-モルホリノメチル-4-メトキシフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-2H-インドリノ[4,3-c]ピペリジンである。
【化61】
JP2019019094A_000062t.gif

【0104】
化合物番号#103で表される化合物は、下記式で表される1-[4-(2-フルオロフェニル)ピラジニルメチル-4-メトキシフェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドールである。
【化62】
JP2019019094A_000063t.gif

【0105】
化合物番号#105で表される化合物は、下記式で表される1-[4-(4-フルオロフェニル)ピラジニルメチル-4-メトキシフェニル]-6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-インドリノ[4,3-c]ピペリジンである。
【化63】
JP2019019094A_000064t.gif

【0106】
化合物番号#107で表される化合物は、下記式で表される1-{[(1S)-3-(6,7-ジメトキシ)-1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イルメチル]-4-メトキシフェニル}-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドール1-{[(1S)-である。
【化64】
JP2019019094A_000065t.gif

【0107】
化合物番号#113で表される化合物は、下記式で表される1-[3-(3,5-ジメチルピラゾール-1-イルメチル)-4-メトキシフェニル]-1,2,3,4-テトラヒドロ-9H-ピリド[3,4-b]インドールである。
【化65】
JP2019019094A_000066t.gif

【0108】
本発明において1有効成分として使用できる化合物として、一般式[XVI]:
【化66】
JP2019019094A_000067t.gif
(式中、R34 は、水素原子またはC1-C2アルキル基を意味し、
R35は、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、C1-C2アルコキシ-カルボニル基またはジ(C1-C2アルキル)アミノ基を意味する)
で表されるフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)が挙げられる。

【0109】
本発明のフェニルエテニル・ジメチルテトラヒドロピリミドインドロール誘導体(Q)として、例えば、図18に記載する化合物番号#118~#121で表される化合物が挙げられる。

【0110】
本発明に係る変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物は、有効成分として、一般式[I]~[XVI]でそれぞれ表される化合物群[A]~[H]および[J]~[Q]から選ばれる変異KRAS関連シグナル 阻害活性を有する化合物群の少なくとも1種または、より具体的には、該変異KRAS関連シグナル 阻害用化合物群に属する化合物番号#1~#121から選ばれる変異KRAS関連シグナル 阻害化合物の少なくとも1種と、薬理学的に許容し得る薬剤用担体ならびに、必要に応じて、その他の抗がん剤とを用いて、従来法に従って製剤化して調製することができる。

【0111】
また、本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物は、その剤形により非経口または経口投与することができる。非経口投与される剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、点眼剤、経鼻剤、経肺剤などの液状製剤が挙げられ、また経口投与される沿い型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの固体製剤、液体状製剤もしくは半液体状製剤が挙げられる。

【0112】
本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物において使用される薬理学的に許容し得る担体としては、医薬品の製剤に慣用されている担体であれば、いずれも使用することができ、例えば、固形製剤における賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等、あるいは液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤またはpH調整剤、無痛化剤などが挙げられる。更に必要に応じて、保存剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、清涼化剤または矯味矯臭剤、消泡剤、粘稠剤等の添加物が用いられる。

【0113】
ここで、賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、トウモロコシデンプン、デキストリン、微結晶セルロース、結晶セルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴムなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロースなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、結晶セルロース、白糖、デキストリン、デンプン、ゼラチン、カルメロースナトリウム、アラビアゴムなどが挙げられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルクなどが挙げられる。

【0114】
液状製剤における溶剤としては、例えば、精製水、エタノール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油などが挙げられる。溶解補助剤としては、例えば、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポビドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリンなどが挙げられる。等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D-ソルビトール、塩化ナトリウム、D-マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤またはpH調整剤としては、例えば、リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールなどが挙げられる。

【0115】
保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤」としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などが挙げられる。着色剤としては、例えば、食用色素(例:食用赤色2号若しくは3号、食用黄色4号若しくは5号等)、β-カロテンなどが挙げられる。甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテームなどが挙げられる。清涼化剤または矯味矯臭剤としては、例えばl-メントールまたはハッカ水などが挙げられる。消泡剤としては、例えばジメチルポリシロキサンまたはシリコン消泡剤などが挙げられる。粘稠剤としては、例えばキサンタンガム、トラガント、メチルセルロースまたはデキストリンなどが挙げられる。

【0116】
本発明に係る変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物は、必要に応じて、その他の抗がん剤を含有していても、または他の抗がん剤と併用してもよい。かかるその他の抗がん剤としては、例えば、代謝拮抗剤、分子標的薬、アルキル化剤、植物アルカロイド剤、抗がん性抗生物質、プラチナ製剤、ホルモン剤、生物学的応答調節剤などが挙げられる。

【0117】
かかる抗がん剤のうち、例えば、代謝拮抗剤としてはゲムシタビン、シタラビン、エノシタビン、テガフール、カルモフールなど、分子標的薬としてはイマチニブ、ゲフィチニブ、スニチニブ、セツキシマブなど、アルキル化剤としてはイホスファミド、シクロホスファミド、ダカルバシンなど、植物アルカロイド剤としてはドセタキセル、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンブラスチンなど、抗がん性抗生物質としてはピラルビビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ペプロマイシンなど、プラチナ製剤としてはシスプラチン、カルボプラチンなど、ホルモン剤としてはエキセメスタン、タモキシフェン、ブレドニゾロンなど、生物学的応答調節剤としてはインターフェロン、インターロイキンなどが挙げられる。

【0118】
本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物の製剤中の含量は、剤形、投与量等により異なるが、例えば、組成物全体の0.1乃至20重量%、好ましくは0.1乃至10重量%であるがよい。また、本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物製剤の投与用量は、投与対象、疾患、症状、剤形、投与ルート等により異なるが、例えば、成人のがん患者に経口投与する場合、有効成分である本発明化合物として、1日あたり、通常約0.1 mg 乃至500 mg、好ましくは約0.5 mg乃至100 mgの範囲であるのがよく、1回乃至数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0119】
本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物について、以下に実験例として詳細に説明するが、以下の実験例は、本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害用組成物をより具体的に説明するためだけに記載するのであって、本発明を一切限定する意図ではないものと理解すべきである。
【実施例】
【0120】
以下の実験例において使用する実験化合物である化合物番号#1~#121で表される化合物は全て、理研ライブラリーから入手した。

【0121】
(wtKRAS またはmtKRASを発現する HKe3細胞の樹立)
本発明者らによって樹立したHKe3細胞は、HCT116細胞中の mtKRAS 遺伝子を破壊したサブクローンであって(非特許文献7)、細胞もしくは分子フェノタイプに影響を及ぼすクローン変化を排除するために、クローンを選別せずにレトロウィルス仲介タンパク発現によりwtKRAS もしくはmtKRASを安定して発現するHKe3由来細胞であった。これらの細胞中の外来性wtKRASもしくは mtKRAS の発現は抗KRAS抗体で確認した。さらに、抗 HA 抗体を使用した免疫蛍光染色により、外来性wtKRASもしくは mtKRASが各細胞中でほとんど均等に発現しているのが示された。外来性wtKRASを発現するHKe3細胞(HKe3-wtKRAS)は、二次元(2D)細胞培養での玉石様外観をしていて、親HKe3 細胞や、ZsGreen を発現するHKe3細胞(HKe3-ZsGreen)に類似していた。一方、外来性mtKRAS発現HKe3細胞(HKe3-mtKRAS)は、HCT116細胞と類似した紡錘様外観をしていたことから、外来性mtKRASの発現が HKe3 細胞をHCT116細胞に形質転換することを示唆した。

【0122】
(HKe3-wtKRAS細胞またはHKe3-mtKRAS細胞を使用した三次元浮遊細胞培養(3DF)の樹立)
mtKRAS由来シグナル伝達分子を標的とする薬剤を同定するための薬剤スクリーニングシステムを樹立するために、HKe3-mtKRAS 細胞ならびにHKe3-mtKRAS細胞を超低接着性丸底ウエルプレートに種苗し、急速にそれぞれの単一の球状構造(スフェロイド:spheroid)に集合させた。培養6日目のスフェロイド領域は両細胞とも有意に異なっていた。HKe3-mtKRAS細胞によって形成されたスフェロイドは、HKe3-wtKRAS細胞によって形成されたスフェロイドに比べてずっと大きかった。さらに、HKe3-mtKRAS細胞によって6日目に形成されたスフェロイド領域の増加率は、培養初日に種苗した細胞数が少なかったにもかかわらず、HKe3-wtKRAS細胞によるスフェロイド領域のそれに比べてずっと大きかった。こけらの結果から、以下の実験での出発細胞数は600個に決定した。

【0123】
つぎに、HKe3由来細胞のスフェロイド領域について、培養3日目と6日目で比較したところ、HKe3-wtKRAS細胞によるスフェロイド領域は、親HKe3細胞や、HKe3-ZsGreen細胞によるスフェロイド領域と類似していたことから、wtKRAS発現もレトロウイルス感染も3DF細胞培養においてスフェロイド成長には悪影響を及ぼしていないことを示していた。一方、HKe3-mtKRAS細胞によるスフェロイド領域は、3日目も6日目も、親HKe3細胞や、HKe3-ZsGreen細胞によるスフェロイド領域ばかりか、HKe3-wtKRAS細胞によるスフェロイド領域よりも有意に大きかった。その上、6日目に測定したHKe3-wtKRAS細胞によるスフェロイド領域の増加は、3日目に比べて1.2倍であったのに対して、6日目のHKe3-mtKRAS細胞によるスフェロイド領域の増加は、3日目比べて2.4倍であった。このことはmtKRAS遺伝子の発現が3DFにおいてスフェロイドの成長を刺激していることを示している。

【0124】
(三次元浮遊細胞培養と三次元マトリゲル細胞培養との比較)
三次元浮遊細胞培養(3DF)と三次元マトリゲル細胞培養(3DM)とを比較するために、3DFで形成されたスフェロイド中のアポトーシス細胞の割合を活性化カスパース3、7シグナルを検出することにより調べた。3日目のHKe3-wtKRAS細胞によるスフェロイド内のほとんどの細胞は活性化カスパース3、7シグナルの両方に対して陽性であったので、HKe3-mtKRAS細胞によるスフェロイドにはアポトーシス細胞はほとんど観察できなかった。このことは、HKe3細胞内のmtKRAS発現が、3DFで形成されたスフェロイド内での管腔アポトーシスを抑制していることを示していて、3DMでHCT116細胞について以前得られた結果に匹敵していた(非特許文献15)。

【0125】
本発明の変異KRAS関連シグナル 阻害化合物について、上記実験例1に従って三次元浮遊細胞培養法により培養を行った結果について、下記のようにして評価をした。評価の方法ならびに結果は下表1に示すとおりである。

【0126】
本発明における三次元浮遊細胞培養による結果についての評価方法は下記の通りである。
評価A:総点(B+C)(10点満点)
評価B:増殖抑制(C+D+E)(6点満点)
評価C:毒性低い(G+H)(4点満点)
評価D:HKe3-mtKRAS size down[50%(1点) or 25%(2点)](数値が高いほど直接の効果が強い)
評価E:HKe3-mtKRAS size down濃度16.6uM(2点)50.0uM(0点)(数値が高いほど低濃度で効果あり)
評価F:HKe3-mtKRAS Day3 to day6 [increase1.5倍以上(0点), slightly increase(1点)or decrease(2点)(数値が高いほど継続的に腫瘍を縮小させる)
評価G:toxixity of HKe3-wtKRAS [high,not spheroid (0点), low (1点) or nothing(2点)](数値が高いほど毒性無)
評価H:50.0uMでのHKe3-wtKRASへの毒性 [high,not spheroid (0点), low (1点) or nothing(2点)](数値が高いほど毒性無)

【0127】
【表1】
JP2019019094A_000068t.gif

【0128】
本発明の変異KRAS関連シグナル阻害用組成物は、三次元培養で、様々な癌腫の細胞株に対し通常濃度(5~45μM)、または高濃度(45~90μM)で効果を示した。特に、大腸がん、肺がん、膵臓がんなどの変異KRAS陽性難治性がんに対し効果を示した。また、KRAS変異のない細胞株においても、KRAS関連シグナルの下流でハブとなるような遺伝子変異などがあるメラノーマや、既存の治療法がないホルモン療法(感受性)抵抗性の前立腺がんや乳がんや、胃がん、肝臓がん、膀胱がん、子宮頸がん、卵巣がんなどに対しても効果を示した。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3A】
2
【図3B】
3
【図4A】
4
【図4B】
5
【図4C】
6
【図4D】
7
【図4E】
8
【図4F】
9
【図5A】
10
【図5B】
11
【図6A】
12
【図6B】
13
【図6C】
14
【図6D】
15
【図6E】
16
【図7】
17
【図8】
18
【図9】
19
【図10A】
20
【図10B】
21
【図10C】
22
【図10D】
23
【図10E】
24
【図10F】
25
【図10G】
26
【図10H】
27
【図10I】
28
【図10J】
29
【図11A】
30
【図11B】
31
【図11C】
32
【図11D】
33
【図12】
34
【図13A】
35
【図13B】
36
【図14A】
37
【図14B】
38
【図14C】
39
【図14D】
40
【図15A】
41
【図15B】
42
【図15C】
43
【図15D】
44
【図15E】
45
【図15F】
46
【図15G】
47
【図15H】
48
【図16A】
49
【図16B】
50
【図16C】
51
【図17A】
52
【図17B】
53
【図17C】
54
【図17D】
55
【図17E】
56
【図17F】
57
【図18A】
58
【図18B】
59