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明細書 :手押し車

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-073118 (P2019-073118A)
公開日 令和元年5月16日(2019.5.16)
発明の名称または考案の名称 手押し車
国際特許分類 B62B   5/02        (2006.01)
B62B   3/02        (2006.01)
FI B62B 5/02 Z
B62B 3/02 H
請求項の数または発明の数 3
出願形態 OL
全頁数 13
出願番号 特願2017-199572 (P2017-199572)
出願日 平成29年10月13日(2017.10.13)
発明者または考案者 【氏名】杉山 幸三
【氏名】櫻井 悠士
【氏名】坪田 和真
出願人 【識別番号】591141784
【氏名又は名称】学校法人大阪産業大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100098305、【弁理士】、【氏名又は名称】福島 祥人
【識別番号】100108523、【弁理士】、【氏名又は名称】中川 雅博
【識別番号】100187931、【弁理士】、【氏名又は名称】澤村 英幸
審査請求 未請求
テーマコード 3D050
Fターム 3D050AA04
3D050BB02
3D050BB27
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
3D050EE18
3D050FF04
3D050GG00
3D050HH01
3D050KK06
3D050KK15
要約 【課題】段差で足の力を利用してより容易に前進させることが可能な手押し車を提供する。
【解決手段】前輪3および後輪4を備える車体2の下部に取付部6が設定されている。取付部6には、ジャッキレバー10が鉛直面内で回転可能に取り付けられている。ジャッキレバー10の中間部に接地部11が設定されている。接地部11に接地車輪14が取り付けられている。車体2の下部にジャッキレバー10に取付部6を中心とする回転力を与える付勢装置20が設けられている。ジャッキレバー10の後端部に操作部15が設定されている。接地車輪14が接地した状態でさらに操作部15が足の力で押し下げられることにより車体2を持ち上げて前輪3および後輪4を浮上させ、ジャッキレバー10により前輪3および後輪4が浮上する状態で接地車輪14の前端14fが後輪4の最下端4bよりも後方に位置するように接地部11が設定される。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
前輪および後輪を備えた車体と、
屈曲した側面形状を有し、前記車体に設定された取付部に鉛直面内で回転可能に取り付けられ、前記取付部から後方に延びるジャッキレバーと、
前記ジャッキレバーの中間部に設定された接地部と、
前記接地部に配置された接地車輪と、
前記ジャッキレバーの後端部に設定された操作部と、
前記ジャッキレバーに前記接地部が浮上する方向の回転力を与える付勢装置とを備え、
前記ジャッキレバーは、前記操作部が押し下げられると前記付勢装置により与えられる回転力に抗して回転し、前記接地車輪が接地した状態でさらに前記操作部が押し下げられることにより前記車体を持ち上げて前記前輪および前記後輪を浮上させ、
前記前輪および前記後輪が浮上した状態で前記接地車輪の前端が前記後輪の最下端よりも後方に位置するように前記接地部が設定された、手押し車。
【請求項2】
前記接地車輪として第1および第2の接地車輪が配置され、
前記第1および第2の接地車輪は、前記前輪および前記後輪が浮上した状態で前後方向に並んで接地するように前記接地部に取り付けられた、請求項1記載の手押し車。
【請求項3】
鉛直面内で回転可能に前記接地部に回転部材が取り付けられ、
前記接地車輪として、第1、第2および第3の接地車輪が前記回転部材の回転中心に関して回転対称な位置に取り付けられ、
前記第1、第2および第3の接地車輪のうち2つは、前記前輪および前記後輪が浮上した状態で前後方向に並んで接地する、請求項1記載の手押し車。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪および後輪を有する手押し車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、段差を乗り越すことが可能な種々の手押し車が提案されている。例えば特許文献1に記載された手押し車においては、前輪および後輪によって支持される車体の下面にジャッキレバーが設けられている。ジャッキレバーは、前後方向における中間部分が屈曲した側面形状を有し、車体の下面に設定された取付部に垂直面内で回転可能に取り付けられている。ジャッキレバーは取付部から後方に延び、その中間屈曲部は接地部として設定されている。ジャッキレバーの先端部に操作部(ペダル)が設定されている。接地部には、接地車輪が取り付けられている。取付部から接地部までの長さは、路面から取付部までの高さよりも長く設定されている。
【0003】
特許文献1に記載された手押し車の使用者は、車体の上面後部に設けられたハンドル部を把持し、例えば段差を構成する下段面から上段面へ移動するように手押し車を移動させる。ここで、段差において下段面と上段面とをつなぐ面を段差面と呼ぶ。この場合、使用者は、前輪が段差面に当たって手押し車が止まったときに、ジャッキレバーの操作部を踏み込む。それにより、ジャッキレバーが取付部で回転し、接地車輪が下段面に接触する。さらに、使用者は、操作部に体重をかける。それにより、接地車輪が下段面上を転動し、接地部が取付部の下へと進み、ジャッキレバーが車体の奥の方まで押し込まれる。このとき、接地車輪および接地部の前進に伴って車体の前部が持ち上がり、前輪が下段面から浮上する。この状態で、使用者は、手押し車を前方に押すことにより、浮上した前輪を上段面に乗り上がらせることができる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2016-22836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された手押し車においては、前輪が段差の上段面上にある状態でジャッキレバーを操作しても、後輪を下段面から持ち上げることはできない。そのため、使用者は、前輪を上段面に乗り上がらせた後、後輪が段差面に当たった時点でハンドル部を手で持ち上げることにより、後輪を上段面に乗り上がらせる必要がある。したがって、使用者の体力によっては、上りの段差で下段面から上段面へ乗り上がるように手押し車を移動させることが難しい。
【0006】
本発明の目的は、段差で足の力を利用してより容易に前進させることが可能な手押し車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る手押し車は、前輪および後輪を備えた車体と、屈曲した側面形状を有し、車体に設定された取付部に鉛直面内で回転可能に取り付けられ、取付部から後方に延びるジャッキレバーと、ジャッキレバーの中間部に設定された接地部と、接地部に配置された接地車輪と、ジャッキレバーの後端部に設定された操作部と、ジャッキレバーに接地部が浮上する方向の回転力を与える付勢装置とを備え、ジャッキレバーは、操作部が押し下げられると付勢装置により与えられる回転力に抗して回転し、接地車輪が接地した状態でさらに操作部が押し下げられることにより車体を持ち上げて前輪および後輪を浮上させ、前輪および後輪が浮上した状態で接地車輪の前端が後輪の最下端よりも後方に位置するように接地部が設定される。
【0008】
この手押し車によれば、使用者は、前輪が段差面に当接または近接した時点でジャッキレバーの操作部を押し下げることにより接地車輪を接地させることができる。使用者が、さらに操作部を足の力で押し下げると、接地部が支点として働き、取付部が作用点として働くことにより、車体が持ち上げられ、前輪および後輪が浮上する。
【0009】
上記の構成によれば、前輪および後輪が浮上した状態で接地車輪の前端が後輪の最下端よりも後方に位置するので、使用者が手押し車を前方に押すことにより、接地車輪が段差面に当接する時点で後輪の最下端が上段面上に位置する。その後、使用者が操作部の押し下げを解除することにより、接地車輪を下段面から浮上させることができる。それにより、接地車輪により阻害されることなく手押し車を前進させることができる。その結果、使用者は、大きな力を出せる足の力を利用して、段差で手押し車を持ち上げることができる。その後、使用者は、手押し車を前進させる場合、通常の手の力で手押し車を押すことができる。したがって、使用者の手には特別大きな力を求めずに、手押し車が容易に段差を乗り越えることができる。
【0010】
(2)接地車輪として第1および第2の接地車輪が配置され、第1および第2の接地車輪は、前輪および後輪が浮上した状態で前後方向に並んで接地するように接地部に取り付けられてもよい。
【0011】
この場合、前輪および後輪が浮上した状態で前後方向に並ぶ第1および第2の接地車輪により車体を安定に支持することができる。
【0012】
(3)鉛直面内で回転可能に接地部に回転部材が取り付けられ、接地車輪として、第1、第2および第3の接地車輪が回転部材の回転中心に関して回転対称な位置に取り付けられ、第1、第2および第3の接地車輪のうち2つは、前輪および後輪が浮上した状態で前後方向に並んで接地してもよい。
【0013】
この構成によれば、ジャッキレバーの操作部が押し下げられた場合に、第1、第2および第3の接地車輪のうち任意の2つが円滑に下段面に接地することができる。したがって、前後方向に並ぶ任意の2つの接地車輪により車体を円滑かつ安定に支持することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、段差で足の力を使うことにより、手には大きな力を必要とせずに、容易に手押し車を前進させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一形態に係る車椅子の模式的側面図および模式的平面図である。
【図2】図1の車椅子の一部の模式的斜視図である。
【図3】車体が床面から持ち上げられた状態を示す車椅子の模式的側面図である。
【図4】図1の車椅子が上りの段差を通過するときの動作を説明するための模式的側面図である。
【図5】図1の車椅子が上りの段差を通過するときの動作を説明するための模式的側面図である。
【図6】第1の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【図7】第2の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【図8】第3の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【図9】第4の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【図10】第5の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【図11】第6の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【図12】第7の変形例に係る車椅子の模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態に係る手押し車について図面を参照しつつ説明する。以下の説明においては、手押し車の一例として車椅子を説明する。

【0017】
(1)実施の形態に係る車椅子
図1(a),(b)は本発明の一形態に係る車椅子の模式的側面図および模式的平面図である。図2(a),(b)は図1の車椅子の一部の模式的斜視図である。図3は車体が床面から持ち上げられた状態を示す車椅子の模式的側面図である。

【0018】
図1(a),(b)において、車椅子1の車体2の前端下部に左右一対の前輪3が設けられ、車体2の後端下部に左右一対の後輪4が設けられる。本実施の形態では、前輪3はキャスターからなる。車体2の後端上部には、左右一対のハンドル部5が設けられる。使用者は、ハンドル部5を把持して車体2を押しまたは操舵することができる。

【0019】
車体2の下部には取付部6が設定されている。取付部6は、水平方向に延びる左右一対の軸により構成される。取付部6には、ジャッキレバー10が鉛直面内で回転可能に取り付けられている。ジャッキレバー10は、屈曲した側面形状を有し、取付部6から後方に延びている。なお、本例のジャッキレバー10は直線的に折れ曲がるように屈曲しているが、ジャッキレバー10は曲線的に屈曲した側面形状を有してもよい。ジャッキレバー10は、図1(b)に示す一対のレバー部材10a,10bにより構成される。一対のレバー部材10a,10bは、水平方向の連結軸8により互いに連結されている。

【0020】
図1(a)に示すように、ジャッキレバー10の中間部に接地部11が設定されている。本実施の形態では、接地部11はジャッキレバー10の中間屈曲部に設定されている。ジャッキレバー10の接地部11には、左右一対の接地車輪14が取り付けられている。左右の接地車輪14は、ジャッキレバー10の接地部11を挟み込むように左右対称に設けられる。

【0021】
車体2の下部には、ジャッキレバー10に取付部6を中心とする回転力を与える付勢装置20が設けられている。付勢装置20は、例えば引張コイルばねで構成される。連結軸7は取付部6より前方に配置され、連結軸8はジャッキレバー10の取付部6と接地部11との間に配置されている。付勢装置20の一端は、車体2の下部に取り付けられた連結軸7に連結され、付勢装置20の他端は、ジャッキレバー10に取り付けられた連結軸8に連結され、連結軸7と連結軸8との間に引張力を発生させる。この付勢装置20は、ジャッキレバー10と干渉しないようにレバー部材10a,10b間に配置されている。

【0022】
図2(a),(b)に太い二点鎖線で示すように、ジャッキレバー10の後端部に操作部15が設定されている。操作部15は、ペダルとして構成され、成人男性の靴幅よりも大きい横幅を有する。

【0023】
接地部11が取付部6よりも高い位置にある場合には、図2(a)に矢印aで示すように、付勢装置20の引張力によりジャッキレバー10に接地部11を浮上させる回転力が与えられる。それにより、接地車輪14および操作部15が車体2の後方のスペースに収納される。

【0024】
使用者は、図2(a)に白抜きの矢印cで示すように、操作部15を押し下げることができる。接地部11が取付部6よりも低い位置にある場合には、図2(b)に矢印bで示すように、付勢装置20の引張力によりジャッキレバー10に下方への回転力が与えられる。

【0025】
ジャッキレバー10の取付部6から接地部11までの長さは、床面から取付部6までの高さよりも大きく設定されている。それにより、操作部15が押し下げられると接地車輪14が接地する。この状態で、使用者は、図2(b)に示すように、接地車輪14の後方に位置する操作部15に片足LEをかけ、操作部15を踏み込むことができる。この場合、ジャッキレバー10の接地部11が接地車輪14により床面上に支持され、支点として働く。また、取付部6が作用点として働く。その結果、図3に示すように、車体2が床面から持ち上げられ、前輪3および後輪4が浮上する。このとき、図3において、ジャッキレバー10の取付部6から接地部11までの前後方向の長さL1に対して、接地部11から操作部15の後端部までの前後方向の長さL2が大きいと、車体2を持ち上げるために足で操作部15を踏み込むべき力が、てこの原理により小さくなる。

【0026】
また、付勢装置20がジャッキレバー10に下方への回転力を与えるので、車体2を持ち上げるために使用者が操作部15に加えるべき荷重が低減される。したがって、使用者は操作部15を軽く踏み込むことにより車体2を床面から持ち上げることができる。

【0027】
図3に示すように、本実施の形態に係る車椅子1においては、ジャッキレバー10により車体2が持ち上げられた状態で、接地車輪14の前端14fが後輪4の最下端4bよりも後方に位置するように、接地部11が設定される。

【0028】
図4および図5は図1の車椅子1が上りの段差を通過するときの動作を説明するための模式的側面図である。

【0029】
図4(a)に示すように、初期状態では、車椅子1が下段面S1上にあり、前輪3および後輪4が下段面S1に接地している。また、ジャッキレバー10の操作部15は、車体2の後方に位置する。そのため、接地車輪14は、浮上した状態で車体2に支持されている。

【0030】
使用者がハンドル部5を把持して車椅子1を押すことにより車椅子1を前進させる。その後、図4(b)に示すように、前輪3が段差の段差面S3に当接する。この場合、段差が大きいと、使用者が車椅子1を押しても前輪3を下段面S1から上段面S2へ移動させることができない。

【0031】
そこで、使用者は、図4(b)に矢印bで示すように、ジャッキレバー10の操作部15を押し下げる。接地部11が取付部6よりも下方まで下降すると、付勢装置20による下方への回転力により、接地車輪14が下段面S1に接地する。使用者が操作部15を踏み込むと、図4(c)に矢印dで示すように、車体2が下段面S1から持ち上げられ、前輪3および後輪4が下段面S1から浮上する。

【0032】
この状態で、使用者は操作部15を踏み込みながら車椅子1を押す。それにより、車椅子1が接地車輪14により下段面S1上に支持された状態で前進し、図4(d)に示すように、前輪3が段差面S3の上方を通過する。したがって、使用者は、特別大きな手の力を必要とせずに前輪3を上段面S2に容易に乗り上がらせることができる。

【0033】
このとき、接地車輪14の前端14fは、後輪4の最下端4bよりも後方に位置する。そのため、接地車輪14の前端14fが段差面S3に当接するまで使用者が車椅子1を前進させることにより、図5(a)に示すように、後輪4の最下端4bが段差面S3の上方を通過する。

【0034】
接地車輪14の前端14fが段差面S3に当接した状態で、使用者は、操作部15から足を外して操作部15の押し下げを解除する。それにより、図5(b)に示すように、前輪3および後輪4が上段面S2に接地し、接地車輪14が下段面S1から浮上する。

【0035】
使用者は、図5(c)に示すように、上段面S2上で車椅子1を前進させることができる。車椅子1が前進することにより下段面S1から浮上した接地車輪14は段差面S3を乗り越えることができる。また、使用者は、操作部15を持ち上げることにより接地車輪14および操作部15を車体2の後方のスペースに収納することができる。

【0036】
本実施の形態に係る車椅子1によれば、使用者がジャッキレバー10の操作部15を押し下げることにより前輪3および後輪4が浮上した状態で接地車輪14の前端14fが後輪4の最下端4bよりも後方に位置するので、接地車輪14により阻害されることなく段差で車椅子1を特別大きな手の力を必要とせずに容易に前進させることができる。

【0037】
さらに、接地車輪14を使用しないときには付勢装置20により接地車輪14および操作部15が車体2の後方のスペースに収納された状態で保持されるので、平地走行時に接地車輪14および操作部15により車椅子1の操作が阻害されることが防止されるとともに車椅子1のコンパクト化が図られる。

【0038】
なお、使用者は、車椅子1が後退して段差を降りるときにジャッキレバー10の操作を行ってもよい。例えば、使用者は、図5(c)に示すように、車椅子1の全体が上段面S2上にある状態で車椅子1を後退させる。その後、使用者は、後輪4の最下端4bが段差面S3の近傍に位置する状態で、図5(b)に示すように、操作部15を押し下げ、接地車輪14を接地させる。使用者が操作部15をさらに押し下げると、図5(a)に示すように、車体2が上段面S2から持ち上げられ、前輪3および後輪4が上段面S2から浮上する。

【0039】
この状態で、使用者は、車椅子1を後退させることにより前輪3および後輪4を下段面S1上に移動させ、操作部15の押し下げを緩やかに解除する。このようにして、車椅子1が後退して段差を降りるときに車椅子1に衝撃が発生することを防止することができる。

【0040】
(2)変形例
図6~図12は第1~第7の変形例に係る車椅子1の模式的側面図である。図6の第1の変形例に係る車椅子1では、取付部6が後輪4の車軸に設定されている。この構成によれば、取付部6を車軸と共通化することができる。それにより、部品点数の増加が抑制される。

【0041】
図7の第2の変形例に係る車椅子1においては、ジャッキレバー10の接地部11に回転部材16が鉛直面内で回転可能に取り付けられ、回転部材16に2対の接地車輪14が回転可能に取り付けられている。ジャッキレバー10の操作部15が押し下げられるときに、回転部材16が接地部11に対して回転することにより、2対の接地車輪14が前後方向に並んで接地する。それにより、車体2が複数の接地車輪14により安定に支持される。

【0042】
本例においては、前輪3および後輪4が浮上した状態で前後方向に並ぶ2つの接地車輪14のうち前方に位置する接地車輪14の前端14fが後輪4の最下端4bよりも後方に位置するように接地部11が設定される。したがって、使用者は、段差で車椅子1を特別大きな手の力を必要とせずに容易に前進させることができる。

【0043】
図8の第3の変形例に係る車椅子1においては、ジャッキレバー10の接地部11に回転部材17が鉛直面内で回転可能に取り付けられ、回転部材17に3対の接地車輪14が回転可能に取り付けられている。3対の接地車輪14は、回転部材17の回転中心に関して回転対称に配置されている。ジャッキレバー10の操作部15が押し下げられたときに、回転部材17が接地部11に対して回転することにより、任意の2対の接地車輪14が前後方向に並んで接地する。それにより、車体2が複数の接地車輪14により円滑かつ安定に支持される。

【0044】
本例においては、前輪3および後輪4が浮上した状態で前後方向に並ぶ2対の接地車輪14のうち前方に位置する接地車輪14の前端14fが後輪4の最下端4bよりも後方に位置するように接地部11が設定される。したがって、使用者は、段差で車椅子1を特別大きな手の力を必要とせずに容易かつ円滑に前進させることができる。

【0045】
図9の第4の変形例に係る車椅子1においては、ジャッキレバー10の接地部11に左右一対の支持部材19が左右対称に取り付けられている。図9(a)に示すように、各支持部材19は、ジャッキレバー10の操作部15が車体2の後方に位置するときに後方へ延びるように接地部11に固定されている。左右の支持部材19の先端に、左右の接地車輪14がそれぞれ回転可能に取り付けられている。

【0046】
図9(b)に示すように、操作部15が押し下げられることにより車体2が持ち上げられたときに、支持部材19が上下方向を向く。この状態で、車体2は、支持部材19を介して接地車輪14により支持される。したがって、使用者は車体2をより高く持ち上げることが可能になる。

【0047】
図10の第5の変形例に係る車椅子1は、ジャッキレバー10が折り畳み可能に構成されている点を除いて、図9の第4の変形例に係る車椅子1と同じ構成を有する。図10(a)に示すように、ジャッキレバー10は、中間屈曲部から前端部までのレバー前部分12と中間屈曲部から後端部までのレバー後部分13とにより構成される。レバー前部分12とレバー後部分13とはヒンジhを介して接続されている。それにより、レバー後部分13はレバー前部分12に対して屈曲可能となっている。また、レバー前部分12の後端部およびレバー後部分13の前端部に沿うように規制部材21が取り付けられている。規制部材21は、予め定められた角度に折曲されている。それにより、レバー前部分12に対するレバー後部分13の屈曲角度が規制される。

【0048】
規制部材21には支持部材19が固定され、支持部材19に接地車輪14が取り付けられている。レバー前部分12の一部とレバー後部分13の一部との間に付勢装置22が連結されている。付勢装置22は、例えば引張コイルばねで構成される。付勢装置22は、レバー前部分12とレバー後部分13との間に引張力を発生させる。使用者により操作部15が操作されない状態で、図10(b)に点線の矢印eで示すように、ジャッキレバー10が付勢装置22によりヒンジhを中心として折り畳まれる。それにより、操作部15が車体2の背面に沿うように車体2の後方のスペースに収納される。

【0049】
図11の第6の変形例に係る車椅子1においては、ジャッキレバー10のレバー前部分12とレバー後部分13とが中間屈曲部となるヒンジhを介して接続されている。それにより、レバー前部分12とレバー後部分13との間の屈曲角度は使用者によるジャッキレバー10の操作に応じて変更可能となっている。また、接地部11は、中間屈曲部の後方のレバー後部分13に設定されている。接地部11には、図7の第2の変形例と同様に、回転部材16が鉛直面内で回転可能に取り付けられ、回転部材16には2対の接地車輪14が回転可能に取り付けられている。

【0050】
車体2の後部に連結軸7aが取り付けられ、ジャッキレバー10のレバー後部分13に連結軸8aが取り付けられている。付勢装置20の一端は連結軸7aに連結され、他端は連結軸8aに連結されている。図11(a)に示すように、ジャッキレバー10が操作されないときには、付勢装置20によりジャッキレバー10のレバー後部分13がレバー前部分12に対して折り畳まれる。それにより、操作部15が車体2の後方のスペースに収納される。図11(b)に示すように、使用者が操作部15を押し下げると、接地部11に取り付けられた2つの接地車輪14が接地する。

【0051】
図12の第7の変形例に係る車椅子1は、前輪3Xの直径が後輪4Xの直径よりも大きい点を除いて、図8の第3の変形例に係る車椅子1と同じ構成を有する。本例において、前輪3Xおよび後輪4Xが浮上した状態で前方に位置する接地車輪14の前端14fが後輪4Xの最下端4bよりも後方に位置するように、接地部11が設定されている。したがって、使用者は、段差で車椅子1を特別大きな手の力を必要とせずにより容易かつ円滑に前進させることができる。

【0052】
なお、図1、図6、図7、図9、図10および図11に記載された車椅子1においても、図12の車椅子1の例と同様に、前輪3の直径が後輪4の直径よりも大きくてもよい。

【0053】
また、上記の前輪3,3X、後輪4,4Xおよび接地車輪14の数は、上記実施の形態に限定されず、それぞれ任意の数の前輪3,3X、後輪4,4Xおよび接地車輪14が設けられてもよい。例えば、図8の第3の変形例に係る車椅子1において、回転部材17に4対または5対以上の接地車輪14が回転可能に取り付けられてもよい。

【0054】
上記実施の形態は、本発明を車椅子1に適用した例であるが、本発明は車椅子1に限らず、ベビーカーまたは台車等の他の手押し車にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…車椅子,2…車体,3,3X…前輪,4,4X…後輪,4b…最下端,5…ハンドル部,6…取付部,7,7a,8,8a…連結軸,10…ジャッキレバー,10a,10b…レバー部材,11…接地部,12…レバー前部分,13…レバー後部分,14…接地車輪,14f…前端,15…操作部,16,17…回転部材,19…支持部材,20,22…付勢装置,21…規制部材,h…ヒンジ,LE…片足,S1…下段面,S2…上段面,S3…段差面
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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