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明細書 :新規ビスホスホン酸誘導体及びその用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第6706799号 (P6706799)
登録日 令和2年5月21日(2020.5.21)
発行日 令和2年6月10日(2020.6.10)
発明の名称または考案の名称 新規ビスホスホン酸誘導体及びその用途
国際特許分類 C07F   9/6512      (2006.01)
C07F   9/6539      (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
A61P  31/12        (2006.01)
A61K  31/675       (2006.01)
A61K   9/08        (2006.01)
A61K  47/40        (2006.01)
FI C07F 9/6512 CSP
C07F 9/6539
A61P 35/00
A61P 31/12
A61K 31/675
A61K 9/08
A61K 47/40
請求項の数または発明の数 18
全頁数 71
出願番号 特願2016-564925 (P2016-564925)
出願日 平成27年12月18日(2015.12.18)
国際出願番号 PCT/JP2015/085590
国際公開番号 WO2016/098904
国際公開日 平成28年6月23日(2016.6.23)
優先権出願番号 2014257451
優先日 平成26年12月19日(2014.12.19)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成30年11月16日(2018.11.16)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】田中 義正
【氏名】松本 健司
【氏名】林 衡佑
【氏名】酒井 佑宜
【氏名】湊 長博
個別代理人の代理人 【識別番号】100080791、【弁理士】、【氏名又は名称】高島 一
【識別番号】100125070、【弁理士】、【氏名又は名称】土井 京子
【識別番号】100136629、【弁理士】、【氏名又は名称】鎌田 光宜
【識別番号】100121212、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 弥栄子
【識別番号】100163658、【弁理士】、【氏名又は名称】小池 順造
【識別番号】100174296、【弁理士】、【氏名又は名称】當麻 博文
【識別番号】100137729、【弁理士】、【氏名又は名称】赤井 厚子
【識別番号】100151301、【弁理士】、【氏名又は名称】戸崎 富哉
審査官 【審査官】池上 佳菜子
参考文献・文献 特開平02-227044(JP,A)
特開平01-196255(JP,A)
国際公開第2013/130666(WO,A1)
ZHANG Y. et al.,Activity of Nitrogen-Containing and Non-Nitrogen-Containing Bisphosphonates on Tumor Cell Lines,Journal of the Medicinal Chemistry,2006年 8月24日,49(19),5804-5814,ISSN:1520-4804
サ行,改訂 医薬品添加物ハンドブック Handbook of PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS Fifth Edition,株式会社薬事日報社
MAO J. et al,Solid-State NMR, Crystallographic, and Computational Investigation of Bisphosphonates and Farnesyl D,Journal of the American Chemical Society,2006年10月19日,128(45),14485-14497,ISSN:1520-5126
DUNFORD J. E. et al,Structure-Activity Relationships for Inhibition of Farnesyl Diphosphate Synthase in Vitro and Inhibi,The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics,2001年,296(2),235-242,ISSN:0022-3565
SANDERS J. M. et al,3-D QSAR Investigations of the Inhibition of Leishmania major Farnesyl Pyrophosphate Synthase by Bis,Journal of the Medicinal Chemistry,2003年,46(24),5171-5183,ISSN:1520-4804
GHOSH S. et al,Effects of Bisphosphonates on the Growth of Entamoeba Histolytica and Plasmodium Species in Vitro an,Journal of the Medicinal Chemistry,2004年,47(1),175-187,ISSN:1520-4804
HOUNSLOW A. M. et al,Determination of the Microscopic Equilibrium Dissociation Constants for Risedronate and Its Analogue,Journal of the Medicinal Chemistry,2008年,51(14),4170-4178,ISSN:1520-4804
調査した分野 C07F 9/00
A61K 31/663
A61K 31/675
A61K 47/40
A61P 31/00
A61P 35/00
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1):
Y-Cy-(NH)-(CH-C(X)(PO(OR)(OR)) (1)
(式中、Cyはチアゾリル基又はピリミジル基であり、Yは水素原子又はハロゲン原子基であり、Xは水素原子であり、R及びRはアルキルカルボニルオキシアルキル基であり、mは1の数を表し、nは1~6の整数を表す)
で表されるビスホスホン酸エステル誘導体。
【請求項2】
一般式(1)において、Cyがチアゾリル基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項3】
一般式(1)において、Cyがピリミジル基である、請求項1に記載の誘導体。
【請求項4】
一般式(1)において、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項5】
一般式(1)において、Cyがチアゾリル基であり、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項6】
一般式(1)において、Cyがピリミジル基であり、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項7】
一般式(1)において、R及びRがブタノイルオキシメチル(BuOM)基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項8】
一般式(1)において、Cyがチアゾリル基であり、R及びRがブタノイルオキシメチル(BuOM)基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項9】
一般式(1)において、Cyがピリミジル基であり、R及びRがブタノイルオキシメチル(BuOM)基である、請求項1記載の誘導体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の誘導体を有効成分として含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の誘導体及びアルキル化シクロデキストリンを含む医薬組成物。
【請求項12】
アルキル化シクロデキストリンがトリメチル-β-シクロデキストリンである、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
抗腫瘍細胞剤である、請求項1012のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
抗ウイルス感染細胞剤である、請求項1012のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
リンパ球処理剤である、請求項1012のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
アルキル化シクロデキストリンを水溶性有機溶媒に溶解する工程、及びアルキル化シクロデキストリンを溶解した水溶性有機溶媒中に難水溶性薬剤を混合する工程を含む、難水溶性薬剤を溶媒に溶解させる方法であって、該難水溶性薬剤が請求項1~のいずれか1項に記載の誘導体である、方法。
【請求項17】
アルキル化シクロデキストリンがトリメチル-β-シクロデキストリンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
一般式(1)において、Cyがチアゾリル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、請求項1記載の誘導体。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ビスホスホン酸誘導体及びその用途に関する。より詳細には、本発明はビスホスホン酸エステル誘導体及び当該誘導体を有効成分とする医薬組成物、抗腫瘍細胞剤、抗ウイルス感染細胞剤、リンパ球処理剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
ビスホスホン酸はP-C-P骨格を有する一群の化合物であり、骨組織に親和性が高く、破骨細胞に取り込まれると、細胞障害性を示して骨吸収作用を抑制する。この性質を治療目的に利用し、骨粗鬆症、変形性骨炎、骨形成不全症など骨の脆弱性に関わる疾患の予防や治療薬として用いられている。また、パミドロン酸、アレンドロン酸、リセドロン酸、ゾレドロン酸等の側鎖に窒素原子を含有するビスホスホン酸は、悪性腫瘍の際の高カルシウム血症改善薬として市販されている。また最近、閉経前エストロゲン感受性初期乳がん症例や多発性骨髄腫に対する内分泌療法や化学療法において、ゾレドロン酸をアジュバント療法薬として用いると無病生存期間が有意に延長されることが報告された(非特許文献1,2)。このように、側鎖に窒素原子を有するビスホスホン酸と抗腫瘍効果との関係が示唆されており、その作用機序については、まだ統一的見解は得られていないが、腫瘍細胞に対する直接的及び/あるいは免疫細胞の活性化を介した間接的細胞障害性がその理由と考えられている。
【0003】
例えば、生体に投与されたゾレドロン酸の一部は、液相エンドサイトーシス作用により細胞内に入り、ヌクレオシド一リン酸に転移し、ヌクレオシド三リン酸類縁化合物に転換され、ヌクレオシド三リン酸の高エネルギーリン酸結合を利用した生体酵素反応を拮抗的に阻害する可能性があり、これにより腫瘍細胞が傷害されることが示唆されている。
【0004】
さらに、細胞内に移行したビスホスホン酸は、コレステロールなどのイソプレノイド系代謝産物の生合成経路に関与するファーネシル二リン酸合成酵素を阻害することが示されている。かかる酵素は、イソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸からゲラニル二リン酸を合成する反応と、イソペンテニル二リン酸とゲラニル二リン酸からファーネシル二リン酸を合成する反応を触媒する。従って、ファーネシル二リン酸合成酵素の阻害により、ゲラニル二リン酸以降の代謝経路が遮断されるとともに、酵素の基質となるイソペンテニル二リン酸が蓄積すると考えられる。ゲラニル二リン酸以降の生合成経路が遮断されると、イソプレノイド系化合物である、コレステロール、脂溶性ビタミン類、胆汁酸、リポタンパク質などが生合成されず、腫瘍細胞の増殖が抑制されると考えられる。
【0005】
ファーネシル二リン酸合成酵素により生合成されるファーネシル二リン酸及びゲラニルゲラニル二リン酸の、イソプレニル基は、Ras、Rho、Rap、Rab、RacなどのいわゆるスモールGタンパク質に転移される。このように、イソプレニル基が転移したスモールGタンパク質は、イソプレニル基がアンカーとなり細胞膜移行し、細胞の増殖、接着などに重要な役割を果たす。ここで、ゾレドロン酸などの窒素含有型ビスホスホン酸がファーネシル二リン酸合成酵素を阻害すると、このイソプレニル基転移が阻害されるため、スモールGタンパク質の膜移行が阻止され、結果的に腫瘍細胞の増殖が阻害される。
【0006】
ファーネシルピロリン酸合成酵素が阻害されると、その基質であるイソペンテニル二リン酸の細胞内濃度が上昇する。このイソペンテニル二リン酸の細胞内濃度上昇は、ブチロフィリン3A1膜貫通型タンパク質に感知され、その変化をVγ2Vδ2型のT細胞受容体を有するγδ型T細胞が認識する。その結果、γδ型T細胞が脱顆粒を起こし、パーフォリン及びグランザイムBを放出し、腫瘍細胞やウイルス感染細胞にアポトーシスを誘導する。このようにして、窒素含有型ビスホスホン酸は、間接的に免疫細胞の活性化を介して、腫瘍細胞やウイルス感染細胞を効率的に障害することが示されている。
【0007】
上記のような窒素含有型ビスホスホン酸による直接的及び間接的な腫瘍細胞及びウイルス感染細胞に対する障害性は、窒素含有型ビスホスホン酸が標的細胞内に入らなければ有効に発揮されることはない。ところが、現在臨床適応になっているビスホスホン酸はいずれも骨事象の改善を目的として合成されたため、腫瘍細胞やウイルス感染細胞に到達する効率が低い上に、P-C-Pの酸の構造を有するため、分子が負に荷電し、細胞内移行性が著しく低い。
【0008】
ここで、無置換の2-ピリジル基を有するビスホスホン酸のピバロイルオキシメチル(POM)基エステル誘導体、具体的には、2-(ピリジル-2-アミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸テトラキスピバロイルオキシメチルエステルが、細胞障害性を示し、腫瘍細胞の増殖を抑制することが開示されているが、その機構については明らかにされていない(非特許文献3)。
【0009】
又、ビスホスホン酸誘導体はin vitro実験系においてはDMSOなどに溶解し使用することが可能であるが、生体に投与する場合にはバイオトレラブルな形態で可溶化する必要がある。薬剤を可溶化する手段として様々な技術が開発されている。例えばTween80やHC0-60等の界面活性剤を用いる方法、シクロデキストリン(以下、「CD」と称することもある)等の包接化剤を用いる方法等が知られている。特許文献1には、アルキル化シクロデキストリンの製造方法と、アルキル化シクロデキストリンを使用して難水溶性薬剤を可溶化する方法が開示されている。特許文献1に記載のアルキル化シクロデキストリンは、メチル化シクロデキストリン誘導体であり、H-NMRで測定して平均置換率が1.7~1.9であり、06位置が55~75%メチル化されていることを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【0010】

【特許文献1】特開平7-149801号公報
【0011】

【非特許文献1】N. Engl. J. Med., 360(7):679-691 February 12, 2009
【非特許文献2】Lancet 376: 1989-1999 2010
【非特許文献3】J. Med. Chem., 49(19):5804-5814 2006
【非特許文献4】N. Engl. J. Med., 340(9):737-738 March 4, 1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、腫瘍細胞及びウイルス感染細胞に対する優れた直接的及び間接的細胞障害効果を発揮しうる新規なビスホスホン酸誘導体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、複素環基の置換したアミノ基又は窒素原子を含有する複素環基を有し、酸部分をPOM基やn-ブタノイルオキシメチル(BuOM)基等でエステル化した新規なビスホスホン酸誘導体が、プロドラッグとなり、各種腫瘍細胞及びウイルス感染細胞内に容易に移行し、その結果、高い増殖抑制作用及び細胞障害作用を有することを知得し、本発明を完成するに至った。
即ち本願発明は、以下に示す通りである。
【0014】
[1]下記一般式(1):
Y-Cy-(NH)-(CH-C(X)(PO(OR)(OR)) (1)
(式中、Cyはフェニル基又は複素環基であり、Yは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されてもよいアリール基、又は、アラルキルオキシ基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、R及びRは、同一又は互いに異なって、水素原子又はアルキルカルボニルオキシアルキル基であり、R及びRの少なくとも1つはアルキルカルボニルオキシアルキル基であり、mは0又は1の数を表し、nは1~6の整数を表す(ただし、Cyが2-ピリジル基であり、mが1であり、nが1であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、R及びRがピバロイルオキシメチル基である場合を除く))
で表されるビスホスホン酸エステル誘導体。
[2]一般式(1)において、Cyがフェニル基である、上記[1]記載の誘導体。
[3]一般式(1)において、Cyが窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1~3個の原子を含む5~10員環の複素環基である、上記[1]記載の誘導体。
[4]一般式(1)において、Cyが窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1又は2個の原子を含む5又は6員環の複素環基である、上記[1]記載の誘導体。
[5]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、又は7-アザインドリル基である、上記[1]記載の誘導体。
[6]一般式(1)において、Xが水素原子であり、Yが水素原子、C1-3アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基又はフェニル基であり、R及びRがC2-7アルキルカルボニルオキシ-C1-3アルキル基である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の誘導体。
[7]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基又はピリミジル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがアルキルカルボニルオキシアルキル基である、上記[1]記載の誘導体。
[8]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがアルキルカルボニルオキシアルキル基である、上記[1]記載の誘導体。
[9]一般式(1)において、Cyがピリミジル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがアルキルカルボニルオキシアルキル基である、上記[1]に記載の誘導体。
[10]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基又はピリミジル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、上記[1]記載の誘導体。
[11]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、上記[1]記載の誘導体。
[12]一般式(1)において、Cyがピリミジル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがピバロイルオキシメチル(POM)基である、上記[1]記載の誘導体。
[13]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基又はピリミジル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがブタノイルオキシメチル(BuOM)基である、上記[1]記載の誘導体。
[14]一般式(1)において、Cyがチアゾリル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがブタノイルオキシメチル(BuOM)基である、上記[1]記載の誘導体。
[15]一般式(1)において、Cyがピリミジル基であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子又はハロゲン原子であり、R及びRがブタノイルオキシメチル(BuOM)基である、上記[1]記載の誘導体。
[16]上記[1]~[15]のいずれかに記載の誘導体を有効成分として含む医薬組成物。
[17]上記[1]~[15]のいずれかに記載の誘導体及びアルキル化シクロデキストリンを含む医薬組成物。
[18]アルキル化シクロデキストリンがトリメチル-β-シクロデキストリンである、上記[17]記載の医薬組成物。
[19]抗腫瘍細胞剤である、上記[16]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[20]抗ウイルス感染細胞剤である、上記[16]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[21]リンパ球処理剤である、上記[16]~[18]のいずれかに記載の医薬組成物。
[22]アルキル化シクロデキストリンを水溶性有機溶媒に溶解する工程、及びアルキル化シクロデキストリンを溶解した水溶性有機溶媒中に難水溶性薬剤を混合する工程を含む、難水溶性薬剤を溶媒に溶解させる方法。
[23]難水溶性薬剤がビスホスホン酸エステル誘導体である、上記[22]記載の方法。
[24]ビスホスホン酸エステル誘導体が、上記[1]~[15]のいずれかに記載の誘導体である、上記[23]に記載の方法。
[25]アルキル化シクロデキストリンがトリメチル-β-シクロデキストリンである、上記[22]~[24]のいずれかに記載の方法。
[26]上記[1]~[15]のいずれかに記載のビスホスホン酸エステル誘導体の有効量を生体に投与することを特徴とする体内におけるリンパ球の処理方法。
[27]上記[1]~[15]のいずれかに記載のビスホスホン酸エステル誘導体の有効量を生体に投与することを特徴とするγδ型T細胞の増殖及び/又は誘導方法。
[28]上記[1]~[15]のいずれかに記載のビスホスホン酸エステル誘導体の有効量を生体に投与することを特徴とする腫瘍細胞の増殖抑制方法。
[29]上記[1]~[15]のいずれかに記載のビスホスホン酸エステル誘導体の有効量を生体に投与することを特徴とするがんの治療方法。
[30]上記[1]~[15]のいずれかに記載のビスホスホン酸エステル誘導体を、生体外においてγδ型T細胞を含む検体に作用させることを特徴とするγδ型T細胞の増殖及び/又は誘導方法。
[31]上記[1]~[15]のいずれかに記載のビスホスホン酸エステル誘導体を、生体から採取したγδ型T細胞を含む検体に作用させることにより、γδ型T細胞を増殖及び/又は誘導させる工程、及び、当該γδ型T細胞を生体に戻す工程を含む腫瘍細胞の増殖抑制方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明の新規なビスホスホン酸エステル誘導体は、エステル化されていないビスホスホン酸と比較して、効率的に細胞内へ移行するため、高いファーネシル二リン酸合成酵素阻害能を有する。その結果、コレステロール、脂溶性ビタミン、リポタンパクなど、細胞の生存に必須なイソプレノイド代謝産物の産生を抑制し、優れた直接的腫瘍細胞障害効果及びウイルス感染細胞障害効果を発揮する。ファーネシル二リン酸合成酵素の基質となるイソペンテニル二リン酸の細胞内レベルを効率的に上昇させることにより、ブチロフィリン3A1を介したγδ型T細胞の活性化を誘導し、免疫作用を介した効率的な間接的腫瘍細胞障害効果及びウイルス感染細胞障害効果を発揮する。
【0016】
本発明の誘導体を合成する方法は、従来方法に比べて高収率でかつ効率的にPOM基やBuOM基など種々のアルキルカルボニルオキシアルキル基でエステル化した窒素含有型ビスホスホン酸を製造することができる。即ち、ビニリデンビスホスホン酸テトラメチルエステルのPOMエステル化やBuOMエステル化により得られるビニリデンホスホン酸POMエステルやBuOMエステルを高収率(30%~100%)で得ることができる。また、ビニリデンビスホスホン酸POMエステルやBuOMエステルを単純精製することにより誘導体合成における反応数を減らすことができることから効率的に、優れた間接的及び直接的腫瘍細胞障害作用及びウイルス感染細胞障害作用を発揮しうる種々の新規なビスホスホン酸エステル誘導体を合成し得る。
【0017】
さらに、本発明の誘導体はシクロデキストリン系の包接化剤で包接することにより可溶化が可能となる。Tween80やHC0-60などの界面活性剤などを使用するのと比較して少量のアルキル化シクロデキストリンによりビスホスホン酸エステル誘導体を可溶化でき、可溶化したビスホスホン酸エステル誘導体は保存安定性にも優れている。
【0018】
界面活性剤で可溶化する場合、ビスホスホン酸エステル誘導体の100モル当量が必要であり、界面活性剤の含量が多くなりすぎるのに対して、アルキル化シクロデキストリンの場合は、ビスホスホン酸エステル誘導体の10モル当量で十分な可溶化作用が得られた。さらに界面活性剤で可溶化した場合は、室温で1週間程放置しておくと薬剤の沈殿が見られたが、アルキル化シクロデキストリンの場合は、1週間放置後も沈殿が見られず保存安定性に優れていた。
【0019】
また、シクロデキストリン内に薬剤を包接した場合、細胞内移行性が制限され、十分な効果が期待できない場合があるが、本願発明においては、包接した場合であっても、良好な細胞内移行性を維持し、該誘導体が有する腫瘍細胞に対する細胞障害性、γδ型T細胞の増殖及び/又は誘導能を有効に発揮し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】ビスホスホン酸POMエステル誘導体(化合物3、4、6、7)とそれに対応するビスホスホン酸(化合物10、11、13、14)の直接的抗腫瘍作用をモノサイト系腫瘍由来の細胞であるU937細胞を用いて比較検討した結果を示すグラフである。
【図2】ビスホスホン酸POMエステル誘導体(化合物3、4、5、6)とそれに対応するビスホスホン酸(化合物10、11、12、13)の直接的抗腫瘍作用を膀胱がん由来の細胞であるEJ-1細胞を用いて比較検討した結果を示すグラフである。
【図3】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に高い直接的抗腫瘍作用があることを種々のがん細胞を用いて調べた結果を示すグラフである。比較対象として同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14を用いた。
【図4】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に高い直接的抗腫瘍作用があることを、血液系腫瘍細胞を用いて調べた結果を示すグラフである。比較対象として同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14を用いた。
【図5】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に関して、種々の腫瘍細胞株に対する直接的腫瘍細胞障害性の検討を行った結果を示すグラフである。図Aはリンパ腫系の腫瘍細胞(MOLT-3、J.RT3-T3.5、Raji、RAMOS-RA1)についての結果を示す。図Bはミエロイド系の腫瘍細胞(HL60、SCC-3、P31/FUJ、NOMO-1)の結果を示す。図Cは乳がん由来の腫瘍細胞(YMB-1-E、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231)の結果を示す。図Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞(VMRC-RCW、UOK121、Caki-1、A-704)の結果を示す。図Eは膵臓がん由来の腫瘍細胞(KP4-1、KP4-2、KP4-3、MiaPaCa-2)の結果を示す。図Fはその他のがん由来の腫瘍細胞(TGBC24TKB、MKN1、Colo320、TAKAO)の結果を示す。図Gは全73種類の腫瘍細胞株に関して同様の試験を行い、それらに対する作用を定量的に検討した結果を示すグラフである。
【図6】ビスホスホン酸POMエステル誘導体(化合物3、5、6、7)とそれに対応するビスホスホン酸(化合物10、12、13、14)の間接的抗腫瘍作用を膀胱がん由来の細胞であるEJ-1細胞を用いて比較検討した結果を示すグラフである。
【図7】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に高いTNF-α産生誘導能があることを種々のがん細胞を用いて調べた結果を示すグラフである。比較対象として同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14を用いた。
【図8】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に関して、種々の腫瘍細胞株でのTNF-α産生誘導能の検討を行った結果を示すグラフである。図Aはリンパ腫系の腫瘍細胞(MOLT-3、PEER、C1R、J.RT3-T3.5、Raji、RAMOS-RA1、MOLT-4)についての結果を示す。図Bはミエロイド系の腫瘍細胞(HL60、U937、THP-1、SCC-3、P31/FUJ、K562、NOMO-1)の結果を示す。図Cは乳がん由来の腫瘍細胞(YMB-1-E、MRK-nu-1、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、T-47D、SK-BR-3)の結果を示す。図Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞(786-0、VMRC-RCZ、UOK121、Caki-1、A-704)の結果を示す。図Eは膵臓がん由来の腫瘍細胞(BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MiaPaCa-2)の結果を示す。図Fはその他のがん由来の腫瘍細胞(TGBC24TKB、ACS、MG-63、LK-2、C32TG)の結果を示す。図Gは多種類の腫瘍細胞株に関して同様の試験を行い、それらに対する作用を定量的に検討した結果を示すグラフである。
【図9】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に関して、種々の腫瘍細胞株でのRap1Aのゲラニルゲラニル化阻害能の検討を行った結果を示すグラフである。図Aはリンパ腫系の腫瘍細胞(MOLT-3、PEER、C1R、J.RT3-T3.5、Raji、RAMOS-RA1、MOLT-4)についての結果を示す。図Bはミエロイド系の腫瘍細胞(HL60、U937、THP-1、SCC-3、P31/FUJ、K562、NOMO-1)の結果を示す。図Cは乳がん由来の腫瘍細胞(YMB-1-E、MRK-nu-1、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、T-47D、SK-BR-3)の結果を示す。図Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞(786-0、VMRC-RCZ、UOK121、Caki-1、A-704)の結果を示す。図Eは膵臓がん由来の腫瘍細胞(BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MiaPaCa-2)の結果を示す。図Fはその他のがん由来の腫瘍細胞(TGBC24TKB、ACS、MG-63、LK-2、EJ-1)の結果を示す。図Gは多種類の腫瘍細胞株に関して同様の試験を行い、それらに対する作用を定量的に検討した結果を示すグラフである。
【図10】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に関して、種々の腫瘍細胞株での間接的腫瘍細胞障害作用としてTNF-α50値とファーネシル二リン酸合成酵素阻害作用としてEC50値を測定した結果を示すグラフである。図Aはリンパ腫系の腫瘍細胞(Raji、MOLT-4、PEER、J.RT3-T3.5)、図Bはミエロイド系の腫瘍細胞(HL60、U937、K562、THP-1)、図Cは乳がん由来の腫瘍細胞(T-47D、SK-BR-3、MCF-7、HMC-1-8)、図Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞(VMRC-RCZ、VMRC-RCW、UOK121、A-704)、図Eは胆道がん由来の腫瘍細胞(HuCCT1、TGBC2TKB、TGBC1TKB、TGBC24TKB)、図Fは胃がん由来の腫瘍細胞(KATOIII、GCIY、ACS、MKN1)、図Gは膵臓がん由来の腫瘍細胞(BxPC-3、PK-1、KP4-2、KP4-1)、図Hは骨肉腫細胞由来の腫瘍細胞(HOS、SaOS2、TAKAO、MG-63)、図Iはその他の悪性腫瘍由来の腫瘍細胞(G-361、HT1080、LK-2、Colo320)の結果を示す。
【図11】BuOMなどPOMとは異なるビスホスホン酸エステル誘導体(化合物43~50)について、腫瘍細胞障害性誘導能に関して検討を行った結果を示すグラフである。腫瘍細胞障害誘導作用はVδ2陽性細胞中のCD107a陽性細胞の割合を測定することによって評価した。
【図12】ビスホスホン酸エステル誘導体の化合物7及び化合物44に関して、HTLV-1ウイルス感染細胞に対する間接的細胞障害性誘導能を検討した。細胞障害誘導作用はVδ2陽性細胞中のCD107a陽性細胞の割合を測定することによって評価した。HTLV-1感染細胞としてはTL-Su、HCT-1、HCT-4、及びHCT-5を用いた。
【図13】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7を用いた場合の、健常成人由来の末梢血単核球におけるγδ型T細胞の誘導割合を示す図である。
【図14】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7を用いた場合の、乳がん患者由来の末梢血単核球におけるγδ型T細胞の誘導割合を示す図である。
【図15】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7とアルキル化βCDを含む混合溶液による膀胱がん細胞株EJ-1の増殖阻害を示す図である。
【図16】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7とアルキル化βCDを含む混合溶液によるモノサイト系腫瘍細胞株U937の増殖阻害を示す図である。
【図17】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7とアルキル化βCDを含む混合溶液により前処理した膀胱がん細胞株EJ-1に対する、健常成人末梢血γδ型T細胞の示す細胞障害活性を示す図である。
【図18】ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7とアルキル化βCDを含む混合溶液により前処理した乳がん細胞株T-47Dに対する、乳がん患者末梢血γδ型T細胞BC7の示す細胞障害活性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明において用いられるビスホスホン酸エステル誘導体の一実施態様は、下記一般式(1)により表される。
Y-Cy-(NH)-(CH-C(X)(PO(OR)(OR)) (1)
ただし、上記一般式(1)により表されるビスホスホン酸エステル誘導体に、Cyが2-ピリジル基であり、mが1であり、nが1であり、Xが水素原子であり、Yが水素原子であり、R及びRがピバロイルオキシメチル基である場合、即ち、2-(ピリジル-2-アミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸テトラキスピバロイルオキシメチルエステルは含まれない。

【0022】
上記一般式において、Cyはフェニル基又は複素環基であり、Yは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基で置換されてもよいアリール基、又は、アラルキルオキシ基であり、Xは水素原子又は水酸基であり、R及びRは、同一又は互いに異なって、水素原子又はアルキルカルボニルオキシアルキル基であり、R及びRの少なくとも1つはアルキルカルボニルオキシアルキル基であり、mは0又は1の数を表し、nは1~6の整数を表す。

【0023】
Cyはフェニル基又は複素環基であり、少なくともYが結合している。複素環基は、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1~4個含有する4~15員環の単環式複素環基又は縮合多環式複素環基である。複素環基の例としては、フリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾール、インドリル、インダゾリル、ピロロピラジニル、イミダゾピリジニル、イミダゾピラジニル、ピラゾロピリジニル、ピアゾロチエニル、ピラゾロトリアジニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、チアゾリニル、イミダゾリニル、ジオキソラニル、ジヒドロオキサジアゾリル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、チオピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキセピニル、テトラヒドロベンゾフラニル、クロメニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジヒドロフタラジニル、7-アザインドリル等が挙げられる。

【0024】
好ましくは、上記複素環基は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれるヘテロ原子を1~3個含有する5~10員環の複素環基であり、より好ましくは窒素原子及び硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1又は2個含有する5又は6員環の複素環基である。かかる複素環基は、具体的にはチアゾリル、ピリジル、ピリミジル、又は、7-アザインドリルが好ましく、チアゾリル又はピリミジルがより好ましく、特に2-チアゾリル基又は4-ピリミジル基が好ましい。

【0025】
上記複素環基は、置換可能な位置にYが結合している。Yは水素原子、アルキル基(例、メチル、エチル、ヘキシル、オクチル等のC1-10アルキル基)、ハロゲン原子、(例、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、ハロゲン化アルキル基(例、1~3個のハロゲン原子(前述と同義)によって置換されたC1-3アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル)、水酸基、アリール基、又は、アラルキルオキシ基である。ここで、前記アリール基はハロゲン原子(前述と同義)若しくはアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のC1-3アルコキシ基)で置換されていてもよい。好ましくは、Yは水素原子、C1-3アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、無置換のアリール基であり、より好ましくは、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基又はフェニル基であり、最も好ましくは、水素原子又は臭素原子である。

【0026】
アリール基は、単環式アリール基及び縮合多環式アリール基を包含し、具体的にはフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル及びアセナフチレニルが挙げられる。好ましくはC6-18アリール基であり、より好ましくはC6-8アリール基であり、特にフェニル基が好ましい。

【0027】
アラルキルオキシ基は、好ましくはC7-18アラルキルオキシ基であり、具体的にはベンジルオキシ、フェネチルオキシ等が挙げられるが、ベンジルオキシが好ましい。

【0028】
及びRは、同一又は互いに異なって、水素原子又はアルキルカルボニルオキシアルキル基であり、R及びRの少なくとも1つはアルキルカルボニルオキシアルキル基である。アルキルカルボニルオキシアルキル基としては、例えば、C2-7アルキルカルボニルオキシ-C1-3アルキル基、好ましくは、C3-4アルキルカルボニルオキシ-メチル、特にピバロイルオキシメチル及びn-ブタノイルオキシメチルが好ましい。また、R及びRのいずれもがアルキルカルボニルオキシアルキル基であることが好適である。

【0029】
mは0又は1、好ましくは1を表す。Cyがピロリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ヘキサメチレンイミニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル等の二級アミンの場合にはmは0を表し、当該窒素原子で-(CH-基と結合する。nは1~6の整数を表し、好ましくは1~3、特に好ましくは1を表す。

【0030】
Xは水素原子若しくは水酸基であるが、好ましくは水素原子である。

【0031】
本発明のビスホスホン酸エステル誘導体の具体例としては下記化合物が挙げられる。
下記構造式にカッコ書きで付された数字は化合物番号を示している。また、化合物名の後にカッコ書きで付された数字も化合物番号を示している。本発明のビスホスホン酸エステル誘導体として好ましくは化合物番号5、6、7、34、39、43、44の化合物である。

【0032】
【化1】
JP0006706799B2_000002t.gif

【0033】
【化2】
JP0006706799B2_000003t.gif

【0034】
【化3】
JP0006706799B2_000004t.gif

【0035】
また、上記化合物1~7に対応するビスホスホン酸はそれぞれ下記化合物8~14である。

【0036】
【化4】
JP0006706799B2_000005t.gif

【0037】
本発明におけるビスホスホン酸エステル誘導体は、3段階の合成ステップで効率的に製造することができる。以下ピバロイルオキシメチル(POM)化を例示して説明する。
まず、(a)メチレンジホスホン酸テトラメチルエステルを出発材料とし、ビニリデンジホスホン酸テトラメチルエステルを合成する。次に、(b)ビニリデンジホスホン酸テトラメチルエステルをPOM化して、ビニリデンジホスホン酸ピバロイルオキシメチルエステルを合成し、精製分離する。最後に(c)当該ビニリデンジホスホン酸ピバロイルオキシメチルエステルをアクセプターとし、所望の化合物をマイケル付加する。

【0038】
最終産物としてテトラキスピバロイルオキシメチル 2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(化合物7)を合成する場合は、(c)の段階で、所望の化合物として2-アミノチアゾールを用いればよい。

【0039】
本発明の誘導体は、具体的には、参考例の合成手順に従って合成することができる。例えば化合物7は下記のスキーム1に従って製造することができる。

【0040】
【化5】
JP0006706799B2_000006t.gif

【0041】
なお、実施例に示す方法において用いられた出発原料及び試薬、並びに反応条件等を公知の方法に基づき適宜修飾ないし改変することにより、例えば、nが2~6の化合物については、特表平8-508245号公報に記載の方法に基づき適宜修飾ないし改変することにより、本発明の範囲に包含される化合物はいずれも製造可能である。

【0042】
n-ブタノイルオキシメチル(BuOM)化の場合には、スキーム1の下段最初の反応においてPOMClに代えて、BuOMClを用いることにより製造可能である。

【0043】
本発明における誘導体は、さらに薬学的に許容される塩であってもよい。また本発明の誘導体又はその塩において、異性体(例えば光学異性体、幾何異性体及び互換異性体)などが存在する場合は、本発明はそれらの異性体を包含し、また溶媒和物、水和物及び種々の形状の結晶を包含するものである。

【0044】
本発明において、薬学的に許容される塩とは、薬理学的及び製剤学的に許容される一般的な塩が挙げられる。そのような塩として、具体的には以下が例示される。
塩基性付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩;ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ブロカイン塩等の脂肪族アミン塩;たとえばN,N-ジベンジルエチレンジアミン等のアラルキルアミン塩;例えばピリジン塩、ピコリン塩、キノリン塩、イソキノリン塩等の複素環芳香族アミン塩;例えばテトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩、ベンジルトリブチルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩;アルギニン塩;リジン塩等の塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。

【0045】
酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等の酸性アミノ酸塩等を挙げることができる。

【0046】
本発明の新規なビスホスホン酸エステル誘導体は、エステル化されていないビスホスホン酸と比較して、効率的に細胞内へ移行するため、高いファーネシル二リン酸合成酵素阻害能を有する。その結果、コレステロール、脂溶性ビタミン、リポタンパク等、細胞の生存に必須なイソプレノイド代謝産物の産生を抑制し、優れた直接的腫瘍障害効果及びウイルス感染細胞障害効果を発揮する。従って、本発明は当該ビスホスホン酸エステル誘導体を有効成分として含む直接的及び間接的抗腫瘍剤および抗ウイルス剤を提供する。

【0047】
本発明の抗腫瘍および抗ウイルス剤は、生体に投与して用いることができ、好ましくは哺乳動物(ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)に投与される。

【0048】
本発明の新規なビスホスホン酸エステル誘導体は、末梢血のような生体の血液中、又はリンパ液中に存在するγδ型T細胞を特異的に刺激し、増殖及び/又は誘導するとともに、これらの細胞の抗腫瘍作用を誘導・増強することができる。従って、本発明は当該ビスホスホン酸エステル誘導体を有効成分として含むリンパ球処理剤を提供する。

【0049】
γδ型T細胞の抗腫瘍作用としては、γδ型T細胞がそのT細胞受容体を介して、がん細胞に発現している分子、例えばMICA/BやIPP(イソペンテニルピロリン酸)を認識して細胞を傷害することが挙げられる。さらに、γδ型T細胞が産生するTNF-αやINF-γ等のサイトカインが作用して抗腫瘍活性を増強していることが挙げられる。

【0050】
本発明のリンパ球処理剤は、体内及び体外においてγδ型T細胞を増殖及び/又は誘導する作用を有するものである。よって本発明のリンパ球処理剤は、生体から採取されたγδ型T細胞を含む検体を処理したり、又は生体に直接投与したりして用いることができる。ここで生体とは哺乳動物(ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル等)を意味し、特にヒトが好ましい。

【0051】
本発明は、本発明のリンパ球処理剤を、生体から採取したγδ型T細胞を含む検体に作用させることによりγδ型T細胞の増殖及び/又は誘導させる工程、及び、当該γδ型T細胞を生体に戻す工程を含む、腫瘍細胞の増殖抑制方法にも及ぶ。

【0052】
生体から採取されたγδ型T細胞を含む検体としては、末梢血のような血液、リンパ液が例示される。本発明のリンパ球処理剤の対象としては、末梢血が好ましく、末梢血から比重遠心法により単核球画分を分離して用いることがさらに好ましい。

【0053】
本発明のリンパ球処理剤と検体とを常法に従って共に培養することにより、当該リンパ球処理剤により検体中のγδ型T細胞を刺激することが可能である。γδ型T細胞の誘導及び/又は増殖は、100pM~100μM、好ましくは100pM~20μM、さらに好ましくは100pM~5μMといった微量の範囲のビスホスホン酸エステル誘導体存在下で培養することにより可能である。

【0054】
本発明リンパ球処理剤の有効成分であるビスホスホン酸エステル誘導体は、ビスホスホン酸骨格を有するので、従来のリンパ球処理剤に比べてアルカリホスファターゼに対して耐性を示す(Biology Trace Element Research, 104, 131-140 (2005))。このため、γδ型T細胞を誘導及び/又は増殖するためのγδ型T細胞培養培地には、血清を含むものを使用することができ、例えば、ヒトAB血清あるいは牛胎児血清等を用いることができる。血清を含む培地を使用可能であるため、簡便かつ短時間で、がん治療に用いるのに十分な量のγδ型T細胞を提供することが可能であるという利点がある。

【0055】
本発明のリンパ球処理剤を生体外において、γδ型T細胞を増殖及び/又は誘導する目的で使用する場合の構成態様としては、有効成分であるビスホスホン酸エステル誘導体自体のみとすることができるが、エタノール、DMSO等の溶液として製造することもできる。さらに必要に応じて、同時に他の添加物を加えることもできる。また、リンパ球処理剤を検体に作用させる際、補助因子としてインターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-15(IL-15)等を0.1~150IU/ml、好ましくは1~100IU/mlの濃度で加えてもよい。これらを添加することにより、γδ型T細胞の特異的増強が顕著になる。

【0056】
リンパ球処理剤による特異的γδ型T細胞の誘導及び/又は増殖は、培養後、培養上清中に産生されたIFN-γ量及び/又はTNF-α量を測定することにより評価することができる。例えば、TNF-α産生量が、培養開始時と比較して多ければ、γδ型T細胞が誘導されたと判断できる。IFN-γ量及び/又はTNF-α量の確認は、抗IFN-γ抗体や抗TNF-α抗体等を用いて従来公知の方法により行うことができる。

【0057】
上記のようにして本発明のリンパ球処理剤によって処理されたγδ型T細胞は、医薬として患者に投与して使用することができる。例えば腫瘍を有する患者由来の単核球画分を本発明のリンパ球処理剤により処理し、γδ型T細胞の増殖及び/又は誘導が認められた単核球画分を当該患者に末梢血などとして、患者に投与することにより、抗腫瘍活性を発揮させることができる。投与方法としては、局所への注射、静脈注射、経皮吸収などの方法をとることができる。

【0058】
本発明の抗腫瘍剤、抗ウイルス剤及びリンパ球処理剤を医薬品として用いる場合、通常それ自体公知の製薬上許容される担体、賦形剤、希釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、芳香剤、着色剤、甘味剤、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤、その他添加剤、具体的には、水、植物油、アルコール(例えば、エタノール、ベンジルアルコール等)、ポリエチレングリコール、グリセロールトリアセテート、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、でんぷん等)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ラノリン、ワセリン等と混合して、常法により錠剤、丸剤、散剤、顆粒、座剤、注射剤、点眼剤、液剤、カプセル剤、トローチ剤、エアゾール剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤などの形態とすることにより、全身的或いは局所的に、経口若しくは非経口で投与することができる。

【0059】
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法等により異なるが、通常、成人一人当たり、1回に0.001mg/kg~1000mg/kg、好ましくは0.01mg/kg~100mg/kgが1日1回から数回、経口或いは静脈注射等の注射剤の形態で投与される。

【0060】
本発明の抗腫瘍剤は直接的及び間接的抗腫瘍剤および抗ウイルス剤を包含するものであり、良性及び悪性腫瘍、ウイルス感染細胞に対する治療効果を有する。また、本発明のリンパ球処理剤は、腫瘍の予防及び/又は治療において有用である。対象となる腫瘍としては、脳腫瘍(悪性星細胞腫、乏突起膠腫成分を有する神経膠腫等)、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、大腸がん(結腸がん、直腸がん等)、膀胱がん、肺がん(非小細胞肺がん、小細胞肺がん、原発性及び転移性扁平上皮がん等)、腎臓がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、皮膚がん、神経芽細胞腫、肉腫、骨・軟部腫瘍、骨腫瘍、骨肉腫、精巣腫瘍、性腺外腫瘍、睾丸腫瘍、子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん等)、頭頸部腫瘍(上顎がん、喉頭がん、咽頭がん、舌がん、口腔がん等)、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫(最網肉腫、リンパ肉腫、ホジキン病等)、真性多血症、白血病(急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病等)、甲状腺がん、腎盂がん、尿管腫瘍、膀胱腫瘍、胆のうがん、胆管がん、絨毛がん、悪性黒色腫、小児腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー、ウイルムス腫瘍、横紋筋肉腫、血管肉腫、睾丸胎児性がん、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)等の悪性腫瘍等が挙げられる。対象となるウイルス感染症としては、HTLV-1感染症、HIV感染症、インフルエンザ症、ヘルペス症等のウイルス感染症等が挙げられる。本発明において、膀胱がん、腎臓がん、肺がん、乳がん、白血病などの血液系の腫瘍や、HTLV-1感染症への適応が好ましい。

【0061】
本発明のビスホスホン酸エステル誘導体は、アルキル化シクロデキストリンで包接化されていてもよい。すなわち、本発明は上記した本発明のビスホスホン酸エステル誘導体及びアルキル化シクロデキストリンを含む医薬組成物を提供する(以下、「本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物」とも称する。該医薬組成物に含有されるアルキル化シクロデキストリンは6~12個の(1-4)結合の無水グルコース単位からなる環状オリゴ糖であるシクロデキストリンにおいて、グルコースの2、3、6位の遊離水酸基の一部あるいは全てをアルキル基で置換した化合物をいう。7個のグルコース残基を有するβ-シクロデキストリン(以下「βCD」とも称する)は、6個のグルコース残基を有するα-シクロデキストリンや8個のグルコース残基を有するγ-シクロデキストリンと比較して水溶性が低いことが知られている。β-シクロデキストリンの水酸基を完全メチル化すると水溶性が著しく増加し、アルコール溶解性が増加することが知られている。

【0062】
本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物において用いられるアルキル化シクロデキストリンのグルコース残基は6~8個が好ましく、特に7個が好ましい。またアルキル基はメチル、エチル、プロピル等の炭素数1~4のアルキル基であり、好ましくは炭素数1~2のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。

【0063】
シクロデキストリン中の遊離水酸基のアルキル化割合は、60%以上であり、好ましくは80%以上であり、特に100%であるものが好ましい。60%以上100%未満のアルキル化割合を有するシクロデキストリンにおいて、アルキル基の置換は、グルコースの2、3、6位の遊離水酸基のいずれであってもよく、各グルコースにおける置換基の位置、数は一定ではなく、ランダムなものであってよい。グルコースの2、3、6位の遊離水酸基のうち2つの水酸基がアルキル基により置換されたものは、ジアルキルデキストリンであり、3つ全ての水酸基が置換されたものはトリアルキルデキストリンである。100%のアルキル化割合を有するシクロデキストリンは、トリアルキル化デキストリンを意味する。本発明において用いられるアルキル化シクロデキストリンは、トリメチル-β-デキストリンであることが特に好ましい。また、本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物に含有されるアルキル化シクロデキストリンは1種類でもよく、又、2種類以上を混合して使用してもよい。

【0064】
本発明において用いられるアルキル化シクロデキストリンは、自体公知の手法により合成して入手してもよいし、市販のものを購入して使用してもよい。例えば、東京化成工業株式会社より入手可能である。

【0065】
本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物において、ビスホスホン酸エステル誘導体に対するアルキル化シクロデキストリンの配合モル比は2~100であり、好ましくは2~30であり、特に好ましくは5~15である。

【0066】
さらに本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物は、水溶性有機溶媒を含有していてもよい。水溶性有機溶媒の含量は少ない程好ましいが、組成物中10%(重量)以下が好ましい。より好ましくは0.1~5%であり、さらにより好ましくは0.5~3%の範囲である。本発明の医薬組成物を注射製剤とするためには水溶性有機溶媒としてエタノールが使用されるが、必ずしもエタノールに限定する必要はなく、水に混和可能な有機性の溶媒で、シクロデキストリンを溶解できる溶媒であり、注射製剤に使用可能なものであればよい。

【0067】
本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物の製造方法は、まず、アルキル化シクロデキストリンを水溶性有機溶媒(例えばエタノール)に溶解する。使用する量はアルキル化シクロデキストリン100mgに対して、通常4~400ml、好ましくは5~50mlである。次に、アルキル化シクロデキストリンを溶解したエタノール溶液に、ビスホスホン酸誘導体を添加して撹拌して溶解する。得られた混合溶液は、透明な溶液である。かかる混合溶液をそのまま、例えば、-80℃~4℃等の環境下で保存してもよいし、得られた溶液を凍結乾燥あるいは減圧乾燥によって粉末として保存してもよい。注射製剤としての使用時には、混合溶液又は粉末を注射用蒸留水や塩化ナトリウムや糖類等で調製した等張水溶液にて希釈又は溶解して、使用してもよい。

【0068】
ビスホスホン酸誘導体は、一般に難水溶性であり、生体に投与する場合にはバイオトレラブルな形態で可溶化することが望ましい。本発明は、そのような難水溶性薬剤を生体投与に適するように可溶化する方法を提供する。当該方法は、具体的には、アルキル化シクロデキストリンを水溶性有機溶媒中に難水溶性薬剤を混合する工程を含む(以下、「本発明の可溶化方法」とも称する)。

【0069】
本発明の可溶化方法において用いられるアルキル化シクロデキストリンは、上記した本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物において用いられるアルキル化シクロデキストリンと同様である。

【0070】
「難水溶性薬剤」としては、ビスホスホン酸誘導体、ビスホスホン酸エステル誘導体等が挙げられる。ビスホスホン酸誘導体としては、エチドロネート、クロドロネート等の第1世代ビスホスホネート、パミドロネート、ネリドロネート、アレンドロネート、オルパドロネート、イバンドロネート等の第2世代ビスホスホネート、チルドロネート、インカドロネート、リセドロネート、ゾレドロネート等の第3世代ビスホスホネートが挙げられる。ビスホスホン酸エステル誘導体としては本発明のビスホスホン酸エステル誘導体が挙げられる。他に、アルコキシメチル基で保護したカルボン酸、リン酸、亜リン酸、ビスホスホン酸などのプロドラッグも難水溶性薬剤として例示される。

【0071】
本発明の可溶化方法は、まず、アルキル化シクロデキストリンを水溶性有機溶媒(例えばエタノール)に溶解する。使用する量はアルキル化シクロデキストリン100mgに対して、通常4~400ml、好ましくは5~50mlである。次に、アルキル化シクロデキストリンを溶解したエタノール溶液に、難水溶性薬剤を添加して撹拌して溶解する。得られた混合溶液は、透明な溶液である。

【0072】
本発明の可溶化方法において、難溶性薬剤に対するアルキル化シクロデキストリンの割合は、使用する薬剤の種類によって適宜設定されるが、ビスホスホン酸エステル誘導体を用いた場合、モル比で1:2~100であり、好ましくは1:2~30であり、特に好ましくは1:5~15である。

【0073】
以下、本発明のビスホスホン酸エステル誘導体の製造方法を具体的に説明し、比較例に示される化合物の製造方法も以下に示す。なお、本発明の化合物の製造方法は、以下に具体的に説明されたものに限定されるものではない。さらに、これらの実施例及び比較例に示された化合物の薬理作用を各試験例にて示す。さらに、本発明のアルキル化シクロデキストリン含有医薬組成物、本発明の可溶化方法における検討結果を各試験例にて示す。
すべての反応は別に記載されない限り空気雰囲気下で行った。別に指定しない限り、各種試薬は市販品を用いた。

【0074】
(測定方法及び標記)
1H NMR及び13C NMRスペクトルは、JNM-AL-400スペクトロメーター(1H NMR at 400 MHz, 13C NMR at 100 MHz)及びJNM-ECA-500スペクトロメーター(1H NMR at 500 MHz, 13C NMR at 125 MHz)(JEOL Ltd., Akishima, Tokyo, Japan)を用いてCDCl3溶液で測定した。1H NMR化学シフトはテトラメチルシラン(TMS)(0.00ppm)を、13C NMR化学シフトはCDCl3(77.0ppm)を、それぞれ参照した。化学シフトは100万分の1(ppm)で表した。
ピークの多重性は以下のように略記する。
s, singlet; d, doublet; t, triplet; q, quartet; quin, quintet; sept, septet; m, multiplet; br, broadened
IRスペクトルはFT/IR-4100 (JASCO Corp., Hachioji, Tokyo, Japan)で測定した。
マススペクトル及び高分解能マススペクトルはJMS-HX/HX 110A (JEOL Ltd.)で測定した。
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、プレコートされたプレート(0.25 mm, silica gel plate 60F245, Merck Millipore, MA)上で行った。
カラムクロマトグラフィーはシリカゲルプレート(Kanto Chemical Co., Inc.)上で行った。
(略語一覧)
CHCl3: クロロホルム、(CHO)n: パラホルムアルデヒド、Et2NH: ジエチルアミン、MeCN: アセトニトリル、MeOH: メタノール、NaI: ヨウ化ナトリウム、POMCl: クロロメチルピバレート、TsOH: p-トルエンスルホン酸・一水和物、N-BP: 窒素含有型ビスホスホン酸(誘導体)

【0075】
1,1-ビスホスホン酸POMエステルの合成

【0076】
【化6】
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【0077】
(1)テトラメチルビニリデン-1,1-ビスホスホネート(S1)の合成
参照文献:Degenhardt, C. R.; Burdsall, D. C. J. Org. Chem. 1986, 51, 3488-3490
パラホルムアルデヒド(9.0g;300mmol)のメタノール(230ml)溶液にジエチルアミン(6.3ml;60mmol)を室温で加え65℃で30分間撹拌した。その後テトラメチルメチレンジホスホネート(14g;60mmol)のメタノール(10ml)溶液を加え1.5時間加熱還流した。得られた混合物を減圧濃縮して粗生成物を得、さらなる精製をすることなく次の反応に用いた。粗生成物をトルエン(200ml)に溶解し、p-トルエンスルホン酸一水和物(114mg;0.6mmol)を加えた。反応混合物をDean-Stark trapを用いて16時間加熱還流し、次いでクロロホルムで希釈した。得られた混合物を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=10%)により精製し、無色油状物質として表題の目的化合物を得た(8.9g;60%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.15-6.95 (2H, m), 3.85-3.75 (12H, m).

【0078】
(2)テトラキスピバロイルオキシメチルビニリデン-1,1-ビスホスホネート(S2)の合成
参照文献:Degenhardt, C. R.; Burdsall, D. C. J. Org. Chem. 1986, 51, 3488-3490
化合物S1(4.2g;17mmol)のアセトニトリル(85ml)溶液にヨウ化ナトリウム(10.2g;68mmol)、POMCl(12.4ml;85mmol)を添加し、14時間加熱還流した。水を添加後、得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧濃縮して粗生成物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=50%)により精製し、淡黄色油状物質として表題の目的化合物を得た(3.8g;35%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.12-6.93 (2H, m), 5.75-5.65 (8H, m), 1.23 (36H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.5 (s), 150.1 (t), 130.8 (s, t: JCP = 175 Hz), 82.0 (t, t: JCP = 3.0 Hz), 38.6 (s), 26.7 (q).; IR (neat) cm-1: 1757, 1279, 1138, 964.; FABMS m/z 667 (M++Na).; FABHRMS Calcd for C29H49O14N2P2S (M++Na): 667.2260, found: 667.2271.

【0079】
実施例1:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(7)の合成

【0080】
【化7】
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【0081】
化合物S2(64mg;0.1mmol)のクロロホルム(0.4ml)溶液に2-アミノチアゾール(20mg;0.2mmol)を添加し、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧濃縮しその後溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/クロロホルム=50%)により精製し、無色固体として表題の目的化合物を得た(69mg;92%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.09 (1H, d, J = 3.7 Hz), 6.50 (1H, d, J = 3.7 Hz), 5.90 (1H, br), 5.77-5.67 (8H, m), 4.00-3.88 (2H, m), 3.11 (1H, tt, J = 6.0 Hz, JHP = 23.8 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.82 (s), 176.77 (s), 168.2 (s), 138.9 (d), 107.6 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 40.6 (t, br), 38.6 (s), 38.0 (d, t: JCP = 133 Hz), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1279, 1136, 958.; FABMS m/z 743 (M--H).; FABHRMS Calcd for C29H49O14N2P2S (M--H): 743.2379, found: 743.2383.

【0082】
実施例2:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(メチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(1)の合成

【0083】
【化8】
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【0084】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(83%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.96 (1H, d, J = 4.9 Hz), 7.21 (1H, d, J = 7.1 Hz), 6.53 (1H, dd, J = 4.9, 7.1 Hz), 5.77-5.68 (8H, m), 5.16 (1H, brt, J = 5.8 Hz), 4.10 (2H, ddt, J = 5.8, 6.1 Hz, JHP= 16.3 Hz), 3.18 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.4 Hz), 2.10 (3H, s), 1.22 (18H, s), 1.20 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.8 (s), 155.7 (s), 145.2 (d), 136.8 (d), 117.6 (s), 113.4 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.7 (s), 38.0 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.3 (t, br), 26.8 (q), 16.6 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 1753, 1601, 1481, 1279, 1138, 958.; FABMS m/z 751 (M--H).; FABHRMS Calcd for C32H53O14N2P2 (M--H): 751.2972, found: 751.2982.

【0085】
実施例3:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(3-ブロモピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(2)の合成

【0086】
【化9】
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【0087】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(91%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.04 (1H, dd, J = 1.7, 4.9 Hz), 7.61 (1H, dd, J = 1.7, 7.6 Hz), 6.48 (1H, dd, J = 4.9, 7.6 Hz), 5.87 (1H, brt, J = 6.1 Hz), 5.76-5.64 (8H, m), 4.06 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP= 16.1 Hz), 3.16 (1H, tt, J = 6.3 Hz, JHP = 23.3 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.61 (s), 176.59 (s), 153.6 (s), 146.5 (d), 139.6 (d), 114.0 (d), 105.7 (s), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 37.8 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.3 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1753, 1595, 1508, 1263, 1136, 958.; FABMS m/z 815 (M--H), 817 (M-+2-H).; FABHRMS Calcd for C31H50O14N2BrP2 (M--H): 815.1921, found: 815.1911.

【0088】
実施例4:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-メチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(3)の合成

【0089】
【化10】
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【0090】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.90-7.88 (1H, m), 7.22 (1H, dd, J = 2.2, 8.3 Hz), 6.41 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.79-5.67 (8H, m), 5.16 (1H, brt, J = 6.6 Hz), 3.95 (2H, ddt, J = 6.3, 6.6 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.07 (1H, tt, J = 6.3 Hz, JHP = 23.8 Hz), 2.16 (3H, s), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.77 (s), 176.74 (s), 155.3 (s), 147.2 (d), 138.4 (d), 122.2 (s), 108.5 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.0 (d, t: JCP = 133 Hz), 37.6 (t, br), 26.7 (q), 17.3 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1751, 1604, 1506, 1279, 1138, 960.; FABMS m/z 751 (M--H).; FABHRMS Calcd for C32H53O14N2P2(M--H): 751.2972, found: 751.2966.

【0091】
実施例5:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-ブロモピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(4)の合成

【0092】
【化11】
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【0093】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(73%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.10 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 8.7, 2.4 Hz), 6.41 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.76-5.67 (8H, m), 5.34 (1H, t, J = 6.3 Hz), 3.94 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.5 Hz), 3.02 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.9 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.7 (s), 176.6 (s), 155.8 (s), 148.2 (d), 139.3 (d), 110.5 (d), 107.7 (s), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 81.9 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.5 (s), 37.8 (d, t: JCP = 133 Hz), 37.2 (t, br), 26.6 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3691, 1751, 1595, 1481, 1280, 1138, 958.; FABMS m/z 815 (M--H), 817 (M-+2-H).; FABHRMS Calcd for C31H50O14N2BrP2 (M--H): 815.1921, found: 815.1933.

【0094】
実施例6:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-フルオロピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(5)の合成

【0095】
【化12】
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【0096】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.93 (1H, d, J = 2.9 Hz), 7.18 (1H, ddd, J = 2.9, 9.3 Hz, JHF = 8.0 Hz), 6.46 (1H, dd, J = 9.3 Hz, JHF = 3.4 Hz), 5.76-5.67 (8H, m), 5.25 (1H, br), 3.93 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.03 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP= 24.3 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.8 (s), 176.7 (s), 153.8 (s), 153.7 (s, d: JCF= 242 Hz), 134.1 (d, d: JCF = 25 Hz), 125.1 (d, d: JCF = 22 Hz), 109.4 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 37.9 (d, t: JCP = 133 Hz), 37.7 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1753, 1496, 1269, 1138, 960.; FABMS m/z 755 (M--H).; FABHRMS Calcd for C31H50O14N2FP2 (M--H): 755.2722, found: 755.2709.

【0097】
実施例7:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(ピリミジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(6)の合成

【0098】
【化13】
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【0099】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(66%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.27 (2H, d, J = 4.9 Hz), 6.56 (1H, t, J = 4.9 Hz), 5.81 (1H, br), 5.76-5.69 (8H, m), 4.00 (2H, ddt, J = 6.6, 6.8 Hz, JHP = 15.1 Hz), 3.16 (1H, tt, J = 6.6 Hz, JHP= 23.7 Hz), 1.22 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.7 (s), 161.3 (s), 158.0 (d), 111.3 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.2 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.4 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1277, 1136, 957.; FABMS m/z 738 (M--H).; FABHRMS Calcd for C30H50O14N3P2(M--H): 738.2768, found: 738.2765.

【0100】
実施例8:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(3-ベンジルオキシピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(15)の合成

【0101】
【化14】
JP0006706799B2_000015t.gif

【0102】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.68 (1H, dd, J = 1.2, 5.1 Hz), 7.42-7.27 (5H, m), 6.86 (1H, dd, J = 1.2, 7.8 Hz), 6.49 (1H, dd, J = 5.1, 7.8 Hz), 5.75-5.65 (9H, m), 5.08 (2H, s), 4.06 (2H, ddt, J = 6.3, 6.6 Hz, JHP= 15.8 Hz), 3.27 (1H, tt, J = 6.3 Hz, JHP = 23.3 Hz), 1.21 (18H, s), 1.19 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.69 (s), 176.64 (s), 148.8 (s), 141.6 (s), 138.8 (d), 136.4 (s), 128.6 (d), 128.0 (d), 127.3 (d), 115.7 (d), 112.4 (d), 82.2 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 70.0 (t), 38.6 (s), 38.0 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.0 (t, br), 26.77 (q), 26.75 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1753, 1606, 1508, 1265, 1138, 960.; FABMS m/z 843 (M--H).; FABHRMS Calcd for C38H57O15N2P2 (M--H): 843.3234, found: 843.3227.

【0103】
実施例9:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(4-メチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(16)の合成

【0104】
【化15】
JP0006706799B2_000016t.gif

【0105】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.93 (1H, d, J = 5.1 Hz), 6.43 (1H, d, J = 5.1 Hz), 6.29 (1H, s), 5.77-5.67 (8H, m), 5.18 (1H, brt, J = 6.3 Hz), 3.96 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.07 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.6 Hz), 2.17 (3H, s), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.71 (s), 176.69 (s), 157.3 (s), 148.3 (s), 147.1 (d), 115.1 (d), 108.9 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.1 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.4 (t, br), 26.7 (q), 20.9 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1753, 1616, 1481, 1271, 1138, 960.; FABMS m/z 751 (M--H).; FABHRMS Calcd for C32H53O14N2P2 (M--H): 751.2972, found: 751.2963.

【0106】
実施例10:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(17)の合成

【0107】
【化16】
JP0006706799B2_000017t.gif

【0108】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(85%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.35-8.24 (1H, m), 7.55 (1H, dd, J = 2.4, 8.5 Hz), 6.52 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.76-5.68 (9H, m), 4.02 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.02 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP= 23.7 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.9 (s), 176.8 (s), 159.1 (s), 145.7 (d, q: JCF= 4.8 Hz), 133.9 (d, q: JCF = 3.6 Hz), 124.4 (s, q: JCF = 271 Hz), 116.0 (s, q: JCF = 32.4 Hz), 108.5 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.1 (d, t: JCP = 133 Hz), 37.0 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3691, 1751, 1616, 1281, 1136, 958.; FABMS m/z 805 (M--H).; FABHRMS Calcd for C32H50O14N2F3P2(M--H): 805.2689, found: 805.2716.

【0109】
実施例11:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-クロロピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(18)の合成

【0110】
【化17】
JP0006706799B2_000018t.gif

【0111】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.02 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 2.4, 8.8 Hz), 6.44 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.76-5.67 (8H, m), 5.33 (1H, brt, J = 6.3 Hz), 3.94 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP= 16.3 Hz), 3.02 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.9 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 176.8 (s), 176.7 (s), 155.5 (s), 146.0 (d), 136.9 (d), 120.3 (s), 109.9 (d), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 81.9 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.6 (s), 37.9 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.3 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1751, 1601, 1481, 1279, 1138, 960.;
FABMS m/z 771 (M--H), 773 (M-+2-H).; FABHRMS Calcd for C31H50O14N2ClP2 (M--H): 771.2426, found: 771.2430.

【0112】
実施例12:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-フェニルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(19)の合成

【0113】
【化18】
JP0006706799B2_000019t.gif

【0114】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(91%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.34 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.64 (1H, dd, J = 2.2, 8.5 Hz), 7.49 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.41 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.30 (1H, t, J = 7.3 Hz), 6.56 (1H, d, J = 8.5 Hz), 5.77-5.71 (8H, m), 5.35 (1H, br), 4.03 (2H, ddt, J = 6.1, 6.5 Hz, JHP = 16.6 Hz), 3.09 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.7 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.8 (s), 176.7 (s), 156.5 (s), 146.0 (d), 138.4 (s), 135.9 (d), 128.8 (d), 126.6 (d), 126.1 (d), 108.8 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.1 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.4 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1751, 1277, 1138, 960.; FABMS m/z 813 (M--H).; FABHRMS Calcd for C37H55O14N2P2(M--H): 813.3129, found: 817.3117.

【0115】
実施例13:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(6-メチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(20)の合成

【0116】
【化19】
JP0006706799B2_000020t.gif

【0117】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.28 (1H, dd, J = 7.3, 8.3 Hz), 6.44 (1H, d, J = 7.3 Hz), 6.27 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.78-5.67 (8H, m), 5.25 (1H, t, J = 6.6 Hz), 3.97 (2H, ddt, J = 6.1, 6.6 Hz, JHP = 16.1 Hz), 3.08 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.7 Hz), 2.34 (3H, s), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.7 (s), 176.6 (s), 156.6 (s), 137.6 (s), 112.5 (d), 105.1 (d), 82.1 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.0 (d, t: JCP= 132 Hz), 37.4 (t, br), 26.7 (q), 24.0 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1277, 1136, 958.; FABMS m/z 751 (M--H).; FABHRMS Calcd for C32H53O14N2P2(M--H): 751.2972, found: 751.2963.

【0118】
実施例14:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(6-ブロモピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(21)の合成

【0119】
【化20】
JP0006706799B2_000021t.gif

【0120】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.21 (1H, dd, J = 7.6, 8.0 Hz), 6.74 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.41 (1H, d, J = 8.0 Hz), 5.79-5.69 (8H, m), 5.44 (1H, t, J = 6.3 Hz), 3.94 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.01 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.8 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.82 (s), 176.76 (s), 157.3 (s), 140.1 (s), 139.1 (d), 116.4 (d), 107.1 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 37.9 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.2 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3689, 1751, 1599, 1279, 1136, 960.; FABMS
m/z 814 (M--2H), 816 (M-+2-2H).; FABHRMS Calcd for C31H50O14N2BrP2(M--H): 815.1921, found: 815.1918.

【0121】
実施例15:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-オクタニルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(22)の合成

【0122】
【化21】
JP0006706799B2_000022t.gif

【0123】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.88 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.25-7.21 (1H, m), 6.42 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.77-5.67 (8H, m), 5.13 (1H, br), 3.95 (2H, ddt, J = 6.1, 6.6 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.06 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.9 Hz), 2.43 (1H, t, J = 7.3 Hz), 1.55-1.50 (2H, m), 1.37-1.15 (10H, m), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s), 0.88 (3H, t, J = 6.9 Hz).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.9 (s), 176.8 (s), 136.7 (s), 127.4 (s), 125.9 (d), 124.4 (d), 108.5 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.7 (s), 38.2 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.7 (t, br), 32.1 (t), 31.9 (t), 31.4 (t), 29.4 (t), 29.3 (t), 29.1 (t), 26.8 (q), 22.7 (t), 14.1 (q).; IR (neat) cm-1: 3413, 1757, 1481, 1279, 1138, 962.; FABMS m/z 849 (M--H).; FABHRMS Calcd for C39H67O14N2P2(M--H): 849.4067, found: 849.4059.

【0124】
実施例16:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(3-オクタニルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(23)の合成

【0125】
【化22】
JP0006706799B2_000023t.gif

【0126】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.96 (1H, dd, J = 1.7, 5.1 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 1.7, 7.1 Hz), 6.56 (1H, dd, J = 5.1, 7.1 Hz), 5.77-5.67 (8H, m), 5.26 (1H, br), 4.04 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP= 16.3 Hz), 3.19 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.4 Hz), 2.40 (2H, t, J = 7.6 Hz), 1.64-1.57 (2H, m), 1.38-1.10 (10H, m), 1.22 (18H, s), 1.20 (18H, s), 0.88 (3H, t, J = 6.8 Hz).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.69 (s), 176.67 (s), 155.1 (s), 144.9 (d), 135.5 (d), 121.8 (s), 113.3 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 37.8 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.3 (t, br), 31.8 (t), 30.1 (t), 29.4 (t), 29.4 (t), 29.2 (t), 27.5 (t), 26.7 (q), 22.6 (t), 14.0 (q).; IR (neat) cm-1: 3411, 1757, 1597, 1481, 1277, 1136, 960.; FABMS m/z 849 (M--H), 848 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C39H67O14N2P2(M--H): 849.4067, found: 849.4065.

【0127】
実施例17:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(6-オクタニルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(24)の合成

【0128】
【化23】
JP0006706799B2_000024t.gif

【0129】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.29 (1H, dd, J = 7.1, 8.0 Hz), 6.44 (1H, d, J = 7.1 Hz), 6.27 (1H, d, J = 8.0 Hz), 5.77-5.67 (8H, m), 5.13 (1H, br), 3.97 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.1 Hz), 3.07 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.9 Hz), 2.57 (2H, t, J = 7.6 Hz), 1.70-1.55 (2H, m), 1.33-1.10 (10H, m), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s), 0.87 (3H, t, J = 6.9 Hz).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.8 (s), 176.7 (s), 160.9 (s), 156.7 (s), 137.4 (d), 112.1 (d), 105.4 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.1 (t), 38.0 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.5 (t, br), 37.4 (t), 31.8 (t), 29.5 (t), 29.4 (t), 29.3 (t), 26.7 (q), 22.6 (t), 14.1 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1751, 1458, 1279, 1136, 958.; FABMS m/z 849 (M--H).; FABHRMS Calcd for C39H67O14N2P2(M--H): 849.4067, found: 849.4088.

【0130】
実施例18:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-[3-(4-メトキシフェニル)ピリジン-2-イルアミノ]エチリデン-1,1-ビスホスホネート(25)の合成

【0131】
【化24】
JP0006706799B2_000025t.gif

【0132】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.06 (1H, dd, J = 2.0, 5.1 Hz), 7.35 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.28-7.24 (1H, m), 6.98 (2H, d, J = 8.3 Hz), 6.65 (1H, dd, J = 5.1, 7.3 Hz), 5.72-5.62 (8H, m), 5.34 (1H, br), 3.99 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 15.6 Hz), 3.84 (3H, s), 3.32 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.2 Hz), 1.21-1.19 (36H, m).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.64 (s), 176.56 (s), 159.1 (s), 154.3 (s), 146.4 (d), 137.1 (d), 130.0 (d), 129.5 (s), 122.5 (s), 114.4 (d), 113.4 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.60 (s), 38.58 (s), 37.8 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.5 (t, br), 26.71 (q), 26.69 (q).; IR (neat) cm-1: 3447, 1755, 1483, 1279, 1138, 958.; FABMS m/z 843 (M--H), 842 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C38H57O15N2P2(M--H): 843.3235, found: 843.3231.

【0133】
実施例19:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-[3-(4-フルオロフェニル)ピリジン-2-イルアミノ]エチリデン-1,1-ビスホスホネート(26)の合成

【0134】
【化25】
JP0006706799B2_000026t.gif

【0135】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(91%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.10 (1H, dd, J = 1.7, 4.9 Hz), 7.41 (2H, dd, J = 8.5 Hz, JHF = 5.3 Hz), 7.26 (1H, dd, J = 1.7, 7.3 Hz), 7.18-7.11 (2H, m), 6.67 (1H, dd, J = 4.9, 7.3 Hz), 5.72-5.62 (8H, m), 5.31 (1H, t, J = 6.1 Hz), 3.99 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.1 Hz), 3.28 (1H, tt, J = 6.3 Hz, JHP = 23.6 Hz), 1.21 (18H, s), 1.19 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.7 (s), 176.6 (s), 162.3 (s, d: JCF = 247 Hz), 154.1 (s), 146.9 (d), 137.2 (d), 133.3 (s, d: JCF = 3.6 Hz), 130.6 (d, d: JCF= 8.4 Hz), 121.8 (s), 116.0 (d, d: JCF = 21.6 Hz), 113.4 (d), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.60 (s), 38.58 (s), 37.7 (d, t: JCP = 132 Hz), 37.4 (t, br), 26.70 (q), 26.68 (q).; IR (neat) cm-1: 3444, 1755, 1504, 1277, 1138, 958.; FABMS m/z 831 (M--H), 830 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C37H54O14N2FP2(M--H): 831.3035, found: 831.3032.

【0136】
実施例20:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(3-ヒドロキシピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(27)の合成

【0137】
【化26】
JP0006706799B2_000027t.gif

【0138】
テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(3-ベンジルオキシピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(化合物15,253mg,0.30mmol)の酢酸エチル(15ml)溶液に10%Pd/C(62mg,0.058mmol)を添加し水素雰囲気下、室温で1.5時間撹拌した。得られた混合物をろ過し減圧濃縮して粗生成物を得た。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、表題の目的化合物を得た(196mg;87%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.64 (1H, dd, J = 1.5, 5.1 Hz), 6.93 (1H, dd, J = 1.5, 7.6 Hz), 6.46 (1H, dd, J = 5.1, 7.6 Hz), 5.78-5.65 (8H, m), 5.57 (1H, br), 4.11-4.00 (2H, m), 3.31 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP= 23.9 Hz), 1.22 (18H, s), 1.20 (18H, s).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1277, 1136, 958.; FABMS m/z 752 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C31H51O15N2P2(M--H): 753.2765, found: 753.2750.

【0139】
実施例21:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(4-ブロモピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(28)の合成

【0140】
【化27】
JP0006706799B2_000028t.gif

【0141】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.89 (1H, d, J = 5.6 Hz), 6.73-6.70 (1H, m), 6.69-6.66 (1H, m), 5.77-5.68 (8H, m), 5.57 (1H, t, J = 6.3 Hz), 3.96 (2H, ddt, J = 5.8, 6.3 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.03 (1H, tt, J = 5.8 Hz, JHP = 23.9 Hz), 1.23-1.20 (36H, m).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.9 (s), 176.8 (s), 158.0 (s), 148.6 (d), 132.9 (s), 116.7 (d), 111.7 (d), 82.1 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 38.6 (s), 38.0 (d, t: JCP= 132 Hz), 37.2 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3421, 1753, 1276, 1136, 958.; FABMS m/z 814 (M--2H), 816 (M-+2-2H).; FABHR MS Calcd for C31H50O14N2BrP2(M--H): 815.1921, found: 815.1915.

【0142】
実施例22:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(2-ブロモピリジン-4-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(29)の合成

【0143】
【化28】
JP0006706799B2_000029t.gif

【0144】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(93%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.96 (1H, d, J = 5.9 Hz), 6.71 (1H, d, J = 2.0 Hz), 6.48 (1H, dd, J = 2.0, 5.5 Hz), 5.75-5.66 (8H, m), 5.34 (1H, br), 3.71 (2H, ddt, J = 5.8, 6.3 Hz, JHP = 16.8 Hz), 2.82 (1H, tt, J = 5.8 Hz, JHP = 24.2 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 177.0 (s), 176.9 (s), 153.8 (s), 149.9 (d), 142.9 (s), 110.7 (d), 107.5 (d), 82.2 (t, d: JCP= 4.8 Hz), 38.7 (s), 38.3 (t, br), 37.8 (d, t: JCP= 133 Hz), 26.7 (q).; IR (neat) cm-1: 3332, 1755, 1597, 1273, 1138, 962.; FABMS m/z 814 (M--2H), 816 (M-+2-2H).; FABHRMS Calcd for C31H50O14N2BrP2(M--H): 815.1921, found: 815.1931.

【0145】
実施例23:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(キノリン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(30)の合成

【0146】
【化29】
JP0006706799B2_000030t.gif

【0147】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(90%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.79 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.69 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.57 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.51 (1H, ddd, J = 1.2, 7.0, 8.5 Hz), 7.21 (1H, ddd, J = 1.2, 7.0, 8.0 Hz), 6.69 (1H, d, J = 8.8 Hz), 5.80-5.67 (8H, m), 5.59 (1H, br), 4.16 (2H, ddt, J = 5.9, 6.1 Hz, JHP= 16.1 Hz), 3.27 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.4 Hz), 1.21 (18H, s), 1.19 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.9 (s), 176.8 (s), 155.4 (s), 147.6 (s), 137.0 (d), 129.2 (d), 127.2 (d), 126.7 (d), 123.6 (s), 122.3 (d), 112.7 (d), 82.1 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 38.6 (s), 37.8 (d, t: JCP= 133 Hz), 37.0 (t, br), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1279, 1136, 960.; FABMS m/z 787 (M--H), 786 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C35H53O14N2P2(M--H): 787.2972, found: 787.3005.

【0148】
実施例24:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(7-アザインドール-1-イル)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(31)の合成

【0149】
【化30】
JP0006706799B2_000031t.gif

【0150】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.25 (1H, dd, J = 1.5, 4.9 Hz), 7.86 (1H, dd, J = 1.5, 7.8 Hz), 7.04 (1H, dd, J = 4.9, 7.8 Hz), 6.39 (1H, d, J = 3.7 Hz), 5.67-5.56 (9H, m), 4.85-4.76 (2H, m), 3.88 (1H, tt, J = 7.3 Hz, JHP = 23.4 Hz), 1.20 (36H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.63 (s), 176.59 (s), 147.4 (s), 142.7 (d), 129.3 (d), 128.7 (d), 120.8 (s), 116.0 (d), 99.6 (d), 82.3 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 41.4 (t, br), 38.62 (s), 38.60 (s), 38.4 (d, t: JCP= 133 Hz), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 1753, 1275, 1136, 958.; FABMS m/z 761 (M--H), 760 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C33H51O14N2P2(M--H): 761.2815, found: 761.2783.

【0151】
実施例25:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(ピラゾール-3-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(32)の合成

【0152】
【化31】
JP0006706799B2_000032t.gif

【0153】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(92%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.18 (1H, dd, J = 2.2, 4.4 Hz), 5.76-5.46 (9H, m), 5.51 (1H, dd, J = 2.2, 4.4 Hz), 4.44 (2H, dt, J = 6.6 Hz, JHP = 13.9 Hz), 3.43 (1H, tt, J = 6.6 Hz, JHP = 23.6 Hz), 1.26-1.21 (36H, m).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.7 (s), 176.6 (s), 155.1 (s), 132.1 (d), 93.0 (d), 82.3 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.0 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 46.9 (t, br), 39.4 (d, t: JCP = 133 Hz), 38.6 (s), 26.7 (q).; IR (neat) cm-1: 3354, 2976, 1757, 1483, 1277, 1138, 962.; FABMS m/z 726 (M--H).; FABHRMS Calcd for C29H50O14N3P2(M--H): 726.2768, found: 726.2751.

【0154】
実施例26:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(4-メチルチアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(33)の合成

【0155】
【化32】
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【0156】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(57%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 6.05 (1H, q, J = 1.0 Hz), 5.77-5.69 (9H, m), 3.90 (2H, dt, J = 5.8 Hz, JHP = 16.6 Hz), 3.09 (1H, tt, J = 5.8 Hz, JHP = 23.7 Hz), 2.20 (3H, d, J = 1.0 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.85 (s), 176.81 (s), 167.4 (s), 148.8 (s), 101.7 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 40.7 (t, br), 38.7 (s), 38.0 (d, t: JCP = 133 Hz), 26.8 (q), 17.3 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1279, 1136, 958.; FABMS m/z 757 (M--H), 756 (M--2H).; FABHRMS Calcd for C30H51O14N2P2S (M--H): 757.2536, found: 757.2531.

【0157】
実施例27:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-メチルチアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(34)の合成

【0158】
【化33】
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【0159】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 6.72 (1H, q, J = 1.5 Hz), 5.76-5.65 (9H, m), 3.89 (2H, dt, J = 6.1 Hz, JHP = 16.6 Hz), 3.11 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.9 Hz), 2.26 (3H, d, J = 1.5 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.80 (s), 176.76 (s), 166.7 (s), 135.2 (d), 122.1 (s), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 40.5 (t, br), 38.7 (s), 38.0 (d, t: JCP = 133 Hz), 26.7 (q), 11.8 (q).; IR (neat) cm-1: 3319, 1755, 1481, 1279, 1138, 960.; FABMS m/z 757 (M--H).; FABHRMS Calcd for C30H51O14N2P2S (M--H): 757.2536, found: 757.2529.

【0160】
実施例28:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(4-フェニルチアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(35)の合成

【0161】
【化34】
JP0006706799B2_000035t.gif

【0162】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(88%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.83-7.80 (2H, m), 7.39-7.34 (2H, m), 7.29-7.24 (1H, m), 6.72 (1H, s), 5.91 (1H, br), 5.79-5.67 (8H, m), 4.10-3.96 (2H, m), 3.21 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.6 Hz), 1.22 (18H, s), 1.21 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.9 (s), 176.8 (s), 167.1 (s), 151.2 (s), 134.7 (s), 128.4 (d), 127.5 (d), 126.0 (d), 101.7 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 40.6 (t, br), 38.7 (s), 37.9 (d, t: JCP = 133 Hz), 26.8 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 2979, 1753, 1544, 1481, 1273, 1138, 960.; FABMS m/z 819 (M--H).; FABHRMS Calcd for C35H53O14N2P2S (M--H): 819.2693, found: 819.2711.

【0163】
実施例29:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(イソキサゾール-3-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(36)の合成

【0164】
【化35】
JP0006706799B2_000036t.gif

【0165】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.03 (1H, d, J = 1.7 Hz), 5.90 (1H, d, J = 1.7 Hz), 5.75-5.68 (8H, m), 4.97 (1H, t, J = 6.5 Hz), 3.80 (2H, ddt, J = 5.9, 6.5 Hz, JHP = 16.8 Hz), 3.08 (1H, tt, J = 5.9 Hz, JHP= 23.9 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.9 (s), 176.8 (s), 162.8 (s), 157.9 (d), 96.5 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 39.6 (t, br), 38.6 (s), 37.6 (d, t: JCP= 133 Hz), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1541, 1279, 1136, 958.; FABMS m/z 727 (M--H).; FABHRMS Calcd for C29H49O15N2P2(M--H): 727.2608, found: 727.2602.

【0166】
実施例30:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(5-メチルイソキサゾール-3-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(37)の合成

【0167】
【化36】
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【0168】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 5.75-5.69 (8H, m), 5.54 (1H, s), 4.81 (1H, t, J = 6.6 Hz), 3.75 (2H, ddt, J = 5.9, 6.6 Hz, JHP= 17.1 Hz), 3.07 (1H, tt, J = 5.9 Hz, JHP = 23.9 Hz), 2.27 (3H, s), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 176.82 (s), 176.79 (s), 168.7 (s), 163.6 (s), 93.5 (d), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.1 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 39.4 (t, br), 38.6 (s), 37.8 (d, t: JCP = 133 Hz), 26.7 (q), 12.4 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1751, 1541, 1277, 1136, 958.; FABMS m/z 742 (M-), 741 (M--H).; FABHRMS Calcd for C30H51O15N2P2(M--H): 741.2765, found: 741.2762.

【0169】
実施例31:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(1,3,4-チアジアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(38)の合成

【0170】
【化37】
JP0006706799B2_000038t.gif

【0171】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(88%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.41 (1H, s), 6.19 (1H, br), 5.76-5.65 (8H, m), 4.10-3.97 (2H, m), 3.16 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP= 23.9 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; 13C-NMR (125 MHz, CDCl3) δ: 177.0 (s), 176.9 (s), 167.8 (s), 142.6 (d), 82.3 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 82.2 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 41.1 (t, br), 38.7 (s), 37.7 (d, t: JCP = 133 Hz), 26.7 (q).; IR (CHCl3) cm-1: 3735, 1749, 1541, 1279, 1136, 958.; FABMS m/z 744 (M--H).; FABHRMS Calcd for C28H48O14N3P2S (M--H): 744.2332, found: 744.2353.

【0172】
実施例32:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-(ピリミジン-4-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(39)の合成

【0173】
【化38】
JP0006706799B2_000039t.gif

【0174】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物(72%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.57 (1H, s), 8.15 (1H, d, J = 6.1 Hz), 6.45 (1H, d, J = 6.1 Hz), 5.80 (1H, br), 5.76-5.67 (8H, m), 4.01 (2H, ddt, J = 5.9, 6.1 Hz, JHP = 16.6 Hz), 2.99 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 23.6 Hz), 1.23 (18H, s), 1.22 (18H, s).; IR (neat) cm-1: 3319, 1755, 1603, 1277, 1138, 960.; FABMS m/z 738 (M--H).; FABHRMS Calcd for C30H50O14N3P2(M--H): 738.2768, found: 738.2805.

【0175】
実施例33:テトラキスアセチルオキシメチル 2-(ピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(42)の合成

【0176】
【化39】
JP0006706799B2_000040t.gif

【0177】
実施例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.09 (1H, dd, J = 2.0, 5.1 Hz), 7.39 (1H, ddd, J = 2.0, 7.1, 8.3 Hz), 6.59 (1H, dd, J = 5.1, 7.1 Hz), 6.47 (1H, d, J = 8.3 Hz), 5.75-5.66 (8H, m), 5.21 (1H, t, J = 6.3 Hz), 4.00 (2H, ddt, J = 6.1, 6.3 Hz, JHP = 16.3 Hz), 3.14 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP= 23.7 Hz), 2.13 (12H, s).; 13C-NMR (125MHz, CDCl3) δ: 169.4 (s), 169.3 (s), 157.1 (s), 147.5 (s), 137.4 (d), 113.5 (d), 108.9 (d), 81.8 (t, d: JCP = 6.0 Hz), 81.7 (t, d: JCP= 6.0 Hz), 37.9 (d, t: JCP = 133 Hz), 37.2 (t, t: JCP = 3.6 Hz), 20.6 (q).; IR (neat) cm-1: 3413, 1768, 1371, 1213, 1014.; FABMS m/z 569 (M--H).; FABHRMS Calcd for C19H27O14N2P2(M--H): 569.0937, found: 569.0939.

【0178】
1,1-ビスホスホン酸n-BuOMエステル及びn-HepOMエステルの合成
n-BuOM体およびn-HepOM体についても、POM体と同じ条件で合成した。

【0179】
【化40】
JP0006706799B2_000041t.gif

【0180】
実施例34:テトラキスノルマルブチルオキシメチル 2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(43)の合成

【0181】
【化41】
JP0006706799B2_000042t.gif

【0182】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.10(1H, d, J = 3.5 Hz), 6.51 (1H, d, J = 3.5 Hz), 5.75-5.69 (8H, m), 3.95 (2H,dt, J = 6.0, JHP= 16.5 Hz), 3.13 (1H, tt,J = 6.2 Hz, JHP= 23.6 Hz), 2.39-2.34 (8H, m), 1.73-1.61 (8H,m), 0.95 (12H, t, J = 7.0 Hz).

【0183】
実施例35:テトラキスノルマルブチルオキシメチル 2-(ピリミジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(44)の合成

【0184】
【化42】
JP0006706799B2_000043t.gif

【0185】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.28(2H, d, J = 4.5 Hz), 6.57 (1H, t, J = 4.5 Hz), 5.78-5.67 (8H, m), 4.08-3.93 (2H,m), 3.19 (1H, tt,J = 6.5 Hz, JHP = 24.0 Hz), 2.39-2.34 (8H, m), 1.73-1.61 (8H,m), 0.96 (12H, t, J = 7.5 Hz).

【0186】
実施例36:テトラキスノルマルブチルオキシメチル 2-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(45)の合成

【0187】
【化43】
JP0006706799B2_000044t.gif

【0188】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 5.78-5.63 (8H, m), 5.44 (1H, t, J = 6.5Hz),4.04-3.89 (2H,m), 3.79 (s, 3H), 3.15 (1H, tt,J = 6.0 Hz, JHP= 23.5 Hz), 2.43-2.34 (8H, m), 1.73-1.59 (8H,m), 0.99-0.93 (12H, m).

【0189】
実施例37:テトラキスノルマルブチルオキシメチル 2-(4-(2-エトキシ-2-オキソエチル)チアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(46)の合成

【0190】
【化44】
JP0006706799B2_000045t.gif

【0191】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 6.36(1H, s), 5.88(1H, brs), 5.77-5.66 (8H, m), 4.17 (1H, q, J = 7.0Hz), 3.89 (2H,dt, J = 5.5Hz, J = 17.0Hz), 3.57 (2H,s), 3.11 (1H, tt,J = 6.0 Hz, JHP = 24.0 Hz), 2.39-2.34 (8H, m), 1.73-1.61 (8H,m), 1.27 (3H, t, J = 7.0Hz), 0.96 (12H, t, J = 7.5 Hz).

【0192】
実施例38:テトラキスノルマルブチルオキシメチル 2-フェニルアミノエチリデン-1,1-ビスホスホネート(47)の合成

【0193】
【化45】
JP0006706799B2_000046t.gif

【0194】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.21-7.15(2H, m), 6.77-6.64(3H, m), 5.76-5.66 (8H, m), 4.56 (1H, t, J = 7.1 Hz), 3.84-3.68 (2H,m), 2.92 (1H, tt,J = 5.5 Hz, JHP = 24.0 Hz), 2.37-2.31 (8H, m), 1.72-1.59 (8H,m), 1.27 (3H, t, J = 7.0Hz), 0.98-0.92 (12H, t, m).

【0195】
実施例39:テトラキスノルマルヘプチルオキシメチル 2-(ピリミジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(48)の合成

【0196】
【化46】
JP0006706799B2_000047t.gif

【0197】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.28(2H, d, J = 5.0 Hz), 6.57 (1H, t, J = 5.0 Hz), 5.82 (1H, t, J = 6.5Hz), 5.76-5.66 (8H, m), 4.07-3.93 (2H,m), 3.19 (1H, tt,J = 6.5 Hz, JHP= 23.5 Hz), 2.40-2.35 (8H, m), 1.67-1.58 (8H,m), 1.36-1.22 (24H, m), 0.90-0.86 (12H, m).

【0198】
実施例40:テトラキスノルマルヘプチルオキシメチル 2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホネート(49)の合成

【0199】
【化47】
JP0006706799B2_000048t.gif

【0200】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.10(1H, d, J = 3.5 Hz), 6.51 (1H, d, J = 3.5 Hz), 5.86 (1H, brs), 5.74-5.68 (8H, m), 4.01-3.87 (2H, m), 3.12 (2H,dt, J = 6.0, JHP = 23.5 Hz), 2.40-2.35 (8H, m), 1.67-1.58 (8H,m), 1.36-1.29 (24H, m), 0.90-0.86 (12H, m).

【0201】
実施例41:テトラキスピバロイルオキシメチル 2-フェニルアミノエチリデン-1,1-ビスホスホネート(50)の合成

【0202】
【化48】
JP0006706799B2_000049t.gif

【0203】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.21-7.15(2H, m), 6.76-6.64(3H, m), 5.77-5.67 (8H, m), 3.76 (2H,dt, J = 5.5 Hz, JHP = 16.5 Hz), 2.90 (1H, tt,J = 5.5 Hz, JHP= 24.0 Hz), 1.23(18H, s).1.21 (18H, s)

【0204】
1,1-ビスホスホン酸の合成

【0205】
【化49】
JP0006706799B2_000050t.gif

【0206】
比較例1:2-(メチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(10)の合成

【0207】
【化50】
JP0006706799B2_000051t.gif

【0208】
テトラエチルビニリデン-1,1-ビスホスホネート(150 mg, 0.50 mmol)のクロロホルム(2ml)溶液に2-アミノ-5-メチルピリジン(108 mg, 1.0 mmol)を添加し室温で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧濃縮して粗生成物を得た。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム=10%)により精製し、テトラエチル 2-アミノエチリデン1,1-ビスホスホネートを得た(171mg;99%)。
得られたテトラエチル 2-アミノエチリデン1,1-ビスホスホネート(102 mg, 0.25 mmol)をアセトニトリルに溶解し、TMSBr(0.20 ml, 1.5 mmol)で処理した。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を減圧濃縮し粗生成物を得た。それをアセトン-水からの再結晶により精製し、表題の目的化合物(55mg, 74%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 7.71 (1H, dd, J = 1.8, 9.3 Hz), 7.53 (1H, br), 6.91 (1H, d, J = 9.3 Hz), 3.75 (2H, dt, J = 5.9 Hz, JHP= 15.4 Hz), 2.41 (1H, tt, J = 5.9 Hz, JHP = 22.4 Hz), 2.12 (3H, s).; IR (KBr) cm-1: 3303, 1668, 926.; FABMS m/z 297 (M++H).; FABHRMS Calcd for C8H15O6N2P2(M++H): 297.0405, found: 297.0401.

【0209】
比較例2:2-(3-メチルピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(8)の合成

【0210】
【化51】
JP0006706799B2_000052t.gif

【0211】
比較例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 7.61 (1H, d, J = 6.8 Hz), 7.57 (1H, d, J = 6.8 Hz), 6.73 (1H, t, J = 6.8 Hz), 3.79 (2H, dt, J = 5.6 Hz, JHP = 15.6 Hz), 2.47 (1H, tt, J = 5.6 Hz, JHP= 22.2 Hz), 2.10 (3H, s).; IR (KBr) cm-1: 3348, 1643, 912.; FABMS m/z 297 (M++H).; FABHRMS Calcd for C8H15O6N2P2(M++H): 297.0405, found: 297.0410.

【0212】
比較例3:2-(3-ブロモピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(9)の合成

【0213】
【化52】
JP0006706799B2_000053t.gif

【0214】
比較例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 8.15-8.10 (1H, m), 7.75 (1H, d, J = 6.3 Hz), 6.74 (1H, t, J = 6.3 Hz), 3.87-3.75 (2H, m), 2.48 (1H, tt, J = 5.8 Hz, JHP = 21.6 Hz).; IR (KBr) cm-1: 3340, 1639, 987.; FABMS m/z 361 (M++H), 363 (M++2+H).; FABHRMS Calcd for C7H12O6N2BrP2(M++H): 360.9354, found: 360.9354.

【0215】
比較例4:2-(5-ブロモピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(11)の合成

【0216】
【化53】
JP0006706799B2_000054t.gif

【0217】
比較例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
97% (Step 1), 74% (Step 2); 1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 7.92-7.86 (2H, m), 6.93 (1H, d, J = 9.5 Hz), 3.76 (2H, dt, J = 5.6 Hz, JHP = 15.1 Hz), 2.39 (1H, tt, J = 5.6 Hz, JHP = 22.2 Hz).; IR (KBr) cm-1: 3292, 1662, 1161, 918.; FABMS m/z 361 (M++H), 363 (M++2+H).; FABHRMS Calcd for C7H12O6N2BrP2(M++H): 360.9354, found: 360.9335.

【0218】
比較例5:2-(5-フルオロピリジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(12)の合成

【0219】
【化54】
JP0006706799B2_000055t.gif

【0220】
比較例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
95% (Step 1), 74% (Step 2); 1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 7.84-7.74 (2H, m), 7.03 (1H, dd, J = 4.3, 9.9 Hz), 3.77 (2H, dt, J = 5.6 Hz, JHP = 15.4 Hz), 2.41 (1H, tt, J = 5.6 Hz, JHP = 22.4 Hz).; IR (KBr) cm-1: 3282, 1651, 1554, 928.; FABMS m/z 301 (M++H).; FABHRMS Calcd for C7H12O6N2FP2(M++H): 301.0155, found: 301.0154.

【0221】
比較例6:2-(ピリミジン-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(13)の合成

【0222】
【化55】
JP0006706799B2_000056t.gif

【0223】
比較例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
87% (Step 1), 96% (Step 2); 1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 8.44 (2H, br), 6.90 (1H, t, J = 5.4 Hz), 3.89 (2H, dt, J = 6.1 Hz, JHP = 15.1 Hz), 2.52 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP = 22.2 Hz).; IR (KBr) cm-1: 3334, 1657, 991.; FABMS m/z 284 (M++H).; FABHRMS Calcd for C6H12O6N3P2(M++H): 284.0201, found: 284.0215.

【0224】
比較例7:2-(チアゾール-2-イルアミノ)エチリデン-1,1-ビスホスホン酸(14)の合成

【0225】
【化56】
JP0006706799B2_000057t.gif

【0226】
比較例1と同様の手法により表題の目的化合物を得た。
93% (Step 1), 73% (Step 2); 1H-NMR (400 MHz, D2O) δ: 7.08 (1H, d, J = 4.4 Hz), 6.75 (1H, d, J = 4.4 Hz), 3.75 (2H, dt, J = 6.1 Hz, JHP = 15.1 Hz), 2.50 (1H, tt, J = 6.1 Hz, JHP= 22.4 Hz).; IR (KBr) cm-1: 3271, 1620, 999.; FABMS m/z 289 (M++H).; FABHRMS Calcd for C5H11O6N2P2S (M++H): 288.9813, found: 288.9812.

【0227】
(試験例)
本試験例では以下の細胞を用いた。細胞名の後の数字は入手先を示す。
[入手先]
(1)American Type Culture Collection
(2)Health Science Research Resources Bank
(3)RIKEN BioResource Center
(4)京都大学 岩井和宏博士より供与
(5)東京女子医科大学 小林博人博士より供与
(6)京都大学 田中秀徳博士より供与
(7)京都大学 戸口田淳也博士より供与
(8)東京女子医科大学 有賀淳博士より供与
B細胞リンパ腫由来のC1R細胞(C1R)(1)
バーキットリンパ腫由来のRAMOS-RA1細胞(RAMOS-RA1)(2)
バーキットリンパ腫由来のRaji細胞(Raji)(2)
バーキットリンパ腫由来のDaudi細胞(Daudi)(2)
Tリンパ腫由来のJ.RT3-T3.5細胞(J.RT3-T3.5)(1)
Tリンパ腫由来のMOLT-3細胞(MOLT-3)(2)
Tリンパ腫由来のMOLT-4細胞(MOLT-4)(2)
Tリンパ腫由来のPEER細胞(PEER)(2)
モノサイト系腫瘍由来のHL60細胞(HL60)(2)
モノサイト系腫瘍由来NOMO-1細胞(NOMO-1)(2)
モノサイト系腫瘍由来のSCC-3細胞(SCC-3)(2)
モノサイト系腫瘍由来のTHP-1細胞(THP-1)(2)
モノサイト系腫瘍由来のU937細胞(U937)(2)
モノサイト系腫瘍由来のP31/FUJ細胞(P31/FUJ)(2)
赤芽球系腫瘍由来のK562細胞(K562)(2)
乳がん由来のHMC-1-8細胞(HMC-1-8)(2)
乳がん由来のMCF-7細胞(MCF-7)(2)
乳がん由来のMDA-MB-231細胞(MDA-MB-231)(1)
乳がん由来のMRK-nu-1細胞(MRK-nu-1)(2)
乳がん由来のSK-BR-3細胞(SK-BR-3)(1)
乳がん由来のT-47D細胞(T-47D)(1)
乳がん由来のYMB-1-E細胞(YMB-1-E)(2)
腎臓がん由来の786-0細胞(786-0)(1)
腎臓がん由来の786-0W細胞(786-0W)(4)
腎臓がん由来のA-704細胞(A-704)(1)
腎臓がん由来のACHN細胞(ACHN)(1)
腎臓がん由来のCaki-1細胞(Caki-1)(2)
腎臓がん由来のUOK111細胞(UOK111)(5)
腎臓がん由来のUOK121細胞(UOK121)(5)
腎臓がん由来のVMRC-RCW細胞(VMRC-RCW)(2)
腎臓がん由来のVMRC-RCZ細胞(VMRC-RCZ)(2)
膀胱がん由来のEJ-1細胞(EJ-1)(2)
膀胱がん由来のT24細胞(T24)(2)
胆嚢がん由来のTGBC1TKB細胞(TGBC1TKB)(3)
胆嚢がん由来のTGBC2TKB細胞(TGBC2TKB)(3)
胆嚢がん由来のTGBC24TKB細胞(TGBC24TKB)(3)
胆道がん由来のHuCCT1細胞(HuCCT1)(2)
胆道がん由来のMZChA2細胞(MZChA2)(6)
胆道がん由来のTFK-1細胞(TFK-1)(6)
胃がん由来のACS細胞(ACS)(6)
胃がん由来のAGS細胞(AGS)(6)
胃がん由来のGCIY細胞(GCIY)(3)
胃がん由来のKATOIII細胞(KATOIII)(2)
胃がん由来のMKN1細胞(MKN1)(2)
胃がん由来のMKN28細胞(MKN28)(2)
胃がん由来のMKN74細胞(MKN74)(2)
膵臓がん由来のAsPC-1細胞(AsPC-1)(1)
膵臓がん由来のBxPC-3細胞(BxPC-3)(1)
膵臓がん由来のKP4-1細胞(KP4-1)(3)
膵臓がん由来のKP4-2細胞(KP4-2)(3)
膵臓がん由来のKP4-3細胞(KP4-3)(3)
膵臓がん由来のMIAPaCa-2細胞(MIAPaCa-2)(2)
膵臓がん由来のPANC-1細胞(PANC-1)(3)
膵臓がん由来のPK-1細胞(PK-1)(3)
膵臓がん由来のPK-8細胞(PK-8)(3)
膵臓がん由来のPK-9細胞(PK-9)(6)
膵臓がん由来のT3M4細胞(T3M4)(6)
骨肉腫由来のHOS細胞(HOS)(2)
骨肉腫由来のHuO細胞(HuO)(7)
骨肉腫由来のMG-63細胞(MG-63)(2)
骨肉腫由来のOST細胞(OST)(7)
骨肉腫由来のSaOS-2細胞(SaOS-2)(3)
骨肉腫由来のTAKAO細胞(TAKAO)(7)
大腸がん由来のColo320細胞(Colo320)(2)
大腸がん由来のCW2細胞(CW2)(3)
大腸がん由来のDLD-1細胞(DLD-1)(2)
悪性黒色腫由来のC32TG細胞(C32TG)(2)
悪性黒色腫由来のG-361細胞(G-361)(2)
肺がん由来のLK-2細胞(LK-2)(2)
肺がん由来のSBC-2細胞(SBC-2)(2)
肝臓がん由来のhu2細胞(hu2)(8)
破骨細胞様巨大細胞のGCT-IZ細胞(GCT-IZ)(7)
前立腺がん由来のPC-3細胞(PC-3)(2)
線維芽腫由来のHT-1080細胞(HT-1080)(2)

【0228】
[試験例1(図1)]
ビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の直接的抗腫瘍作用を、U937を用いて比較検討した。まず、U937を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸エステル誘導体の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートにU937懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定した。
典型例として、同じ側鎖を有するビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の組み合わせとして、図1A(化合物3と10)、図1B(化合物4と11)、図1C(化合物6と13)、図1D(化合物7と14)にまとめた。
各図において、-●-はビスホスホン酸POMエステル誘導体、-○-はビスホスホン酸の結果を示している。
図1から明らかなように、いずれの側鎖を有する化合物においても、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステルの方が高い活性を有していた。

【0229】
[試験例2(表1)]
ビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の直接的抗腫瘍作用を、U937を用いて比較検討した。その際、定量的に検討するため、細胞増殖を半分にまで阻害する化合物濃度をIC50として算出し、その値から直接的抗腫瘍効果を比較検討した。まず、U937を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸エステル誘導体の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートにU937懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定し、IC50を算出した。
典型例として、同じ側鎖を有するビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の組み合わせとして、化合物1と8、化合物2と9、化合物3と10、化合物4と11、化合物5と12、化合物6と13、化合物7と14について表1にまとめた。

【0230】
【表1】
JP0006706799B2_000058t.gif

【0231】
表1から明らかなように、いずれの側鎖を有する化合物においても、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステルの方が高い活性を有していた。即ち、ビスホスホン酸をプロドラッグ化しPOMエステルにすることにより、5倍から1618倍と活性が上昇し、平均して数十倍の活性上昇がみられた。

【0232】
[試験例3(図2)]
ビスホスホン酸POMエステル誘導体とビスホスホン酸の直接的抗腫瘍作用を、EJ-1を用いて比較検討した。使用する細胞としてEJ-1を用いた以外は、試験例1と同様にして行った。尚、細胞の回収の際には常法のEDTAトリプシン処理を行った。
典型例として、同じ側鎖を有するビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の組み合わせとして、図2A(化合物3と10)、図2B(化合物4と11)、図2C(化合物5と12)、図2D(化合物6と13)にまとめた。
各図において、-●-はビスホスホン酸POMエステル誘導体、-○-はビスホスホン酸の結果を示している。
図2から明らかなように、いずれの側鎖を有する化合物においても、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステルの方が高い活性を有していた。

【0233】
[試験例4(表2)]
ビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の直接的抗腫瘍作用を、EJ-1を用いて比較検討した。使用する細胞としてEJ-1を用いた以外は、試験例2と同様にして行った。尚、細胞の回収の際には常法のEDTAトリプシン処理を行った。
典型例として、同じ側鎖を有するビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の組み合わせとして、化合物1と8、化合物2と9、化合物3と10、化合物4と11、化合物5と12、化合物6と13、化合物7と14について表2にまとめた。

【0234】
【表2】
JP0006706799B2_000059t.gif

【0235】
表2から明らかなように、いずれの側鎖を有する化合物においても、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステルの方が高い活性を有していた。即ち、ビスホスホン酸をプロドラッグ化しPOMエステルにすることにより、1.2倍から422倍と活性が上昇し、平均して数十倍の活性上昇がみられた。

【0236】
[試験例5(表3)]
各種ビスホスホン酸POMエステルの直接的抗腫瘍作用を、U937およびEJ-1を用いて比較検討した。測定は、試験例2及び試験例4に準じて行った。
ビスホスホン酸POMエステル誘導体としては化合物1~7及び15~39を用い、その他のビスホスホン酸エステル誘導体として化合物42を用いた。結果を表3にまとめた。

【0237】
【表3】
JP0006706799B2_000060t.gif

【0238】
表3から明らかなように、U937、EJ-1の両者において、化合物2、6、7、31、34、35、39が高い活性を有しており、特に、化合物7及び39が高い活性を有していた。

【0239】
[試験例6(図3)]
上記試験例の結果より、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に高い直接的抗腫瘍作用があることが、U937とEJ-1で確かめられたため、種々のがん細胞でどの程度の直接的抗腫瘍活性を示すのか検討を行った。その際、POMエステル化による活性亢進作用を検討するため、同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14の抗腫瘍作用も種々の腫瘍細胞で同時に検討比較した。まず、786-0、LK-2、OST、PK-1を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を常法のEDTAトリプシン処理により回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸である化合物14の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートに細胞懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定した。
図3Aは腎臓がん由来の786-0、図3Bは肺がん由来のLK-2、図3Cは骨肉腫由来のOST、図3Dは膵臓がん由来のPK-1の結果を示す。化合物7の結果を-●-、化合物14の結果を-○-で示す。図3から明らかなように、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステル誘導体の方が高い活性を有していた。このことから、POMエステル化によりビスホスホン酸の抗腫瘍活性が顕著に上昇することが明らかとなった。

【0240】
[試験例7(表4)]
ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7の各種腫瘍細胞株に対する作用を定量的に検討するため、細胞増殖を半分にまで阻害する化合物濃度をIC50として算出し、その値から直接的抗腫瘍効果を検討した。また、POMエステル化の効果を検討するために、同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14の検討も同時に行った。まず、EJ-1、786-0、MKN1、OST、PC-3、PK-1、LK-2、G-361、TFK-1、MRK-nu-1を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を常法のEDTAトリプシン処理により回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸である化合物14の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートに細胞懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定し、IC50値を算出した。

【0241】
【表4】
JP0006706799B2_000061t.gif

【0242】
表4から明らかなように、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステル誘導体の方が数十倍から数百倍高い活性を有していた。このことから、POMエステル化によりビスホスホン酸の抗腫瘍活性が顕著に上昇することが明らかとなった。

【0243】
[試験例8(図4)]
種々の血液系腫瘍由来のリンパ腫やミエロイド系白血病細胞に対して、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7がどの程度の直接的抗腫瘍活性を示すのか検討を行った。その際、POMエステル化による活性亢進作用を検討するため、同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14の抗腫瘍作用も種々の腫瘍細胞で同時に検討比較した。まず、K562、MOLT-4、PEER、THP-1を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収後、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸である化合物14の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートに細胞懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定した。
図4AはK562、図4BはMOLT-4、図4CはPEER、図4DはTHP-1を示す。化合物7の結果を-●-、化合物14の結果を-○-で示す。図4から明らかなように、いずれの血液系腫瘍細胞でもビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステル誘導体の方が高い活性を有していた。このことから、POMエステル化によりビスホスホン酸の抗腫瘍活性が顕著に上昇することが明らかとなった。

【0244】
[試験例9(表5)]
種々の血液系腫瘍由来のリンパ腫やミエロイド系白血病細胞に対する化合物7の作用を定量的に検討するため、細胞増殖を半分にまで阻害する化合物濃度をIC50として算出し、その値から直接的抗腫瘍効果を検討した。その際、POMエステル化による活性亢進作用を検討するため、同じ側鎖を有するビスホスホン酸である化合物14の抗腫瘍作用も種々の腫瘍細胞で同時に検討比較した。まず、MOLT-4、THP-1、SCC-3、PEER、RAMOS-RA1、C1R、MOLT-3、Raji、U937、K562、Daudiを10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収後、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸である化合物14の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートに細胞懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定し、IC50値を算出した。

【0245】
【表5】
JP0006706799B2_000062t.gif

【0246】
表5から明らかなように、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステル誘導体の方が数百倍から数千倍高い活性を有していた。このことから、POMエステル化によりビスホスホン酸の抗腫瘍活性が顕著に上昇することが明らかとなった。また、POMエステル化の効果は、血液系腫瘍細胞において顕著であることが明らかになった。

【0247】
[試験例10(図5)]
上記試験例の結果より、ビスホスホン酸POMエステル誘導体は従来の酸であるビスホスホン酸より直接的な抗腫瘍活性が高いことが、血液系腫瘍細胞や一部の固形腫瘍由来の細胞株で確かめられた。そこで、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7に関して、さらに多くの腫瘍細胞株に対する直接的腫瘍細胞障害性の検討を行った。まず、RAMOS-RA1、Raji、J.RT3-T3.5、MOLT-3、HL60、NOMO-1、SCC-3、P31/FUJ、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、YMB-1-E、A-704、Caki-1、UOK121、VMRC-RCW、TGBC24TKB、MKN1、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MIAPaCa-2、TAKAO、Colo320に対する作用を定量的に検討するため、細胞増殖を半分にまで阻害する化合物濃度をIC50として算出し、その値から直接的抗腫瘍効果を検討した。上記細胞を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収後、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、500個/50μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁した。一方、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7の10mMストック溶液を200μMから2倍ずつ系列希釈した。また、ビスホスホン酸である化合物14の10mMストック溶液を2mMから2倍ずつ系列希釈した。次に、平底96穴プレートに細胞懸濁液50μl(500個)と化合物溶液50μlを添加し、37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養した。そして、100μlのCellTiterGlo溶液を添加し、10ストロークのピペッティング後、96穴OptiPlateに移した。室温で10分間静置後、発光をルミノメーターで測定し、IC50値を算出した。
図5Aはリンパ腫系の腫瘍細胞についての結果を示す。

【0248】
【化57】
JP0006706799B2_000063t.gif

【0249】
図5Bはミエロイド系の腫瘍細胞の結果を示す。

【0250】
【化58】
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【0251】
図5Cは乳がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0252】
【化59】
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【0253】
図5Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0254】
【化60】
JP0006706799B2_000066t.gif

【0255】
図5Eは膵臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0256】
【化61】
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【0257】
図5Fはその他のがん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0258】
【化62】
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【0259】
これらの結果から、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7は検討したすべての腫瘍細胞に対して直接的細胞障害性を示した。
次に、図5Aから図5Fまでの結果を基に以下に示す全73種類の腫瘍細胞株に関して同様の試験を行い、それらに対する作用を定量的に検討するため、細胞増殖を半分にまで阻害する化合物濃度をIC50として算出し、その値から直接的抗腫瘍効果を検討した。図5Gにそれらの値をプロットした。検討した腫瘍細胞は、以下の通り。
C1R、RAMOS-RA1、Raji、J.RT3-T3.5、MOLT-3、MOLT-4、PEER(以上、リンパ腫系の腫瘍細胞:Ly)、HL60、NOMO-1、SCC-3、THP-1、U937、P31/FUJ、K562(以上、ミエロイド系の腫瘍細胞:My)、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、MRK-nu-1、SK-BR-3、T-47D、YMB-1-E(以上、乳がん由来の腫瘍細胞:Ma)、786-0、786-0W、A-704、ACHN、Caki-1、UOK111、UOK121、VMRC-RCW、VMRC-RCZ、EJ-1、T24、TGBC1TKB、TGBC2TKB、TGBC24TKB、HuCCT1、MZChA2、TFK-1、ACS、AGS、GCIY、KATOIII、MKN1、MKN28、MKN74、AsPC-1、BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MIAPaCa-2、PANC-1、PK-1、PK-8、PK-9、T3M4、HOS、HuO、MG-63、OST、SaOS-2、TAKAO、Colo320、CW2、DLD-1、C32TG、G-361、LK-2、SBC-2、hu2、GCT-IZ、PC-3、HT-1080(以上、その他の腫瘍細胞:Others)。
これらの結果から、ビスホスホン酸POMエステル誘導体に対しては、リンパ球系腫瘍細胞およびミエロイド系腫瘍細胞の感受性が高いことが明らかになった。

【0260】
[試験例11(図6)]
次に、ビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の間接的抗腫瘍作用を、EJ-1を用いて比較検討した。原理としては、EJ-1を化合物処理し、洗浄後、γδ型T細胞を作用させ、細胞障害時にγδ型T細胞が産生するTNF-αを定量することにより、その細胞障害能を比較検討するというものである。TNF-αは、γδ型T細胞誘導能及び/又は増殖能の指標として一般的に使用されており、TNF-α量に比例してγδ型T細胞が誘導及び/又は増殖されていると考えることができる(Journal of Immunology, 154, 5986-5994 (1995))。また産生されたTNF-αは、いわゆる腫瘍壊死因子であるので、がん細胞の増殖低下や細胞死を誘導する作用があると考えられる。
まず、EJ-1を、10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1x10個/500μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、15mlのコニカルチューブに500μlずつ分注した。これらのコニカルチューブを1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除いた。ここに、10mMストック溶液を20μMから10倍ずつ系列希釈したビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物3、5、6、7溶液500μl、あるいは、10mMストック溶液を200μMから10倍ずつ系列希釈したビスホスホン酸10、12、13、14化合物溶液500μlを添加し、細胞をよく懸濁した。これらのコニカルチューブを37℃で4時間静置後、細胞を5mlの培養液で3回洗浄した。これらの細胞に500μlの培地を添加し、細胞をよく懸濁した。次に、丸底96穴プレートに化合物処理をしたEJ-1細胞懸濁液100μl(2x10個)と1x10個/500μlに調製したγδ型T細胞懸濁液100μl(2x10個)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。細胞培養液をよく懸濁し、プレートを1,700回転、4℃で2分間遠心後、培養上清を150μl取り、別の丸底96穴プレートに移した。このプレートを-80℃で一晩冷凍後、室温に1時間放置し、よく攪拌した後に100μlをTNF-αのELISAに供した。TNF-αの含有量はTNF-αの検量線から算出した。これらをトリプリケートで行い、ビスホスホン酸POMエステル誘導体とそれに対応するビスホスホン酸を一つの組とするグラフを作成した。図6Aは化合物3:10、図6Bは化合物5:12、図6Cは化合物6:13、図6Dは化合物7:14の組み合わせを示している。ビスホスホン酸POMエステル誘導体の結果を-●-、ビスホスホン酸の結果を-○-で示す。図6から明らかなように、いずれの側鎖を有する化合物においても、ビスホスホン酸よりビスホスホン酸POMエステルの方が高いTNF-α産生誘導能を有していること、即ち、高い間接的細胞障害能を示すことが明らかとなった。

【0261】
[試験例12(表6)]
次に、EJ-1を用いて、ビスホスホン酸POMエステルとビスホスホン酸の間接的抗腫瘍作用を定量的に、比較検討した。まず、EJ-1を、10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1x10個/500μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、15mlのコニカルチューブに500μlずつ分注した。これらのコニカルチューブを1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除いた。ここに、10mMストック溶液を20μMから10倍ずつ系列希釈したビスホスホン酸POMエステル誘導体溶液500μl、あるいは、10mMストック溶液を200μMから10倍ずつ系列希釈したビスホスホン酸溶液500μlを添加し、細胞をよく懸濁した。これらのコニカルチューブを37℃で4時間静置後、細胞を5mlの培養液で3回洗浄した。これらの細胞に500μlの培地を添加し、細胞をよく懸濁した。次に、丸底96穴プレートに化合物処理をしたEJ-1細胞懸濁液100μl(2x10個)と1x10個/500μlに調製したγδ型T細胞懸濁液100μl(2x10個)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。細胞培養液をよく懸濁し、プレートを1,700回転、4℃で2分間遠心後、培養上清を150μl取り、別の丸底96穴プレートに移した。このプレートを-80℃で一晩冷凍後、室温に1時間放置し、よく攪拌した後に100μlをTNF-αのELISAに供した。TNF-αの含有量はTNF-αの検量線から算出した。これらをトリプリケートで行い、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物1~7、およびビスホスホン酸である化合物8~14に関して、γδ型T細胞から最大量のTNF-αを産生させるのに必要な化合物濃度の半量をTNF-α50として算出し、表6にまとめた。表6から明らかなように、ビスホスホン酸POMエステル誘導体は対応するビスホスホン酸と比較して140倍から1,100倍TNF-α誘導活性が高かった。

【0262】
【表6】
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【0263】
[試験例13(表7)]
上記試験例の結果から、ビスホスホン酸POMエステル誘導体が対応するビスホスホン酸より間接的抗腫瘍作用において優れていることが明らかになった。そこで、各種ビスホスホン酸POMエステル誘導体に関して、TNF-α50の値を算出した。まず、EJ-1を、10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1x10個/500μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、15mlのコニカルチューブに500μlずつ分注した。これらのコニカルチューブを1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除いた。ここに、10mMストック溶液を20μMから10倍ずつ系列希釈したビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物1~7および15~39、及びその他のビスホスホン酸エステル誘導体である化合物42の溶液500μlを添加し、細胞をよく懸濁した。これらのコニカルチューブを37℃で4時間静置後、細胞を5mlの培養液で3回洗浄した。これらの細胞に500μlの培地を添加し、細胞をよく懸濁した。次に、丸底96穴プレートに化合物処理をしたEJ-1細胞懸濁液100μl(2x10個)と1x10個/500μlに調製したγδ型T細胞懸濁液100μl(2x10個)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。細胞培養液をよく懸濁し、プレートを1,700回転、4℃で2分間遠心後、培養上清を150μl取り、別の丸底96穴プレートに移した。このプレートを-80℃で一晩冷凍後、室温に1時間放置し、よく攪拌した後に100μlをTNF-αのELISAに供した。TNF-αの含有量はTNF-αの検量線から算出した。これらをトリプリケートで行い、ビスホスホン酸POMエステル誘導体に関して、γδ型T細胞から最大量のTNF-αを産生させるのに必要な化合物濃度の半量をTNF-α50として算出し、表7にまとめた。表7から明らかなように、ビスホスホン酸POMエステル誘導体の中でも、化合物7、39、34、5、6の活性が高かった。

【0264】
【表7】
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【0265】
[試験例14(図7)]
上記試験例の結果より、ビスホスホン酸POMエステル誘導体のうち化合物7の活性が高かったことから、この化合物について、EJ-1以外の腫瘍細胞を用いてそのTNF-α産生誘導能を検討した。その際、POMエステル化の有効性を検討するため、対応するビスホスホン酸である化合物14をコントロールとして用いて比較対象とした。まず、胃がん由来のMKN1、前立腺がん由来のPC-3、悪性黒色腫由来のG-361、胆道がん由来のTFK-1を、10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。それぞれの細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1x10個/500μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、15mlのコニカルチューブに500μlずつ分注した。これらのコニカルチューブを1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除いた。ここに、10mMストック溶液を20μMから10倍ずつ系列希釈した化合物7溶液500μl、或いは、10mMストック溶液を200μMから10倍ずつ系列希釈した化合物14溶液500μlを添加し、細胞をよく懸濁した。これらのコニカルチューブを37℃で4時間静置後、細胞を5mlの培養液で3回洗浄した。これらの細胞に500μlの培地を添加し、細胞をよく懸濁した。次に、丸底96穴プレートに化合物処理をした腫瘍細胞懸濁液100μl(2x10個)と1x10個/500μlに調製したγδ型T細胞懸濁液100μl(2x10個)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。細胞培養液をよく懸濁し、プレートを1,700回転、4℃で2分間遠心後、培養上清を150μl取り、別の丸底96穴プレートに移した。このプレートを-80℃で一晩冷凍後、室温に1時間放置し、よく攪拌した後に100μlをTNF-αのELISAに供した。TNF-αの含有量はTNF-αの検量線から算出した。これらをトリプリケートで行い、ビスホスホン酸POMエステル誘導体(化合物7)及びビスホスホン酸(化合物14)に関して、図7にまとめた。図7AはMKN1、図7BはPC-3、図7CはG-361、図7DはTFK-1に関して化合物7と14の結果を示している。ビスホスホン酸POMエステル誘導体の結果を-●-、ビスホスホン酸の結果を-○-で示す。図7から明らかなように、いずれの腫瘍細胞においてもPOMエステル化によりTNF-α産生誘導能が高くなることが明らかとなった。

【0266】
[試験例15(表8)]
上記試験例の結果より、POMエステル化がビスホスホン酸の活性を高くすることが各種腫瘍細胞で確認されたため、さらに、多くの腫瘍細胞に関してTNF-α産生誘導能を定量的に検討した。表8に記載の各種腫瘍細胞を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。それぞれの細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1x10個/500μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、15mlのコニカルチューブに500μlずつ分注した。これらのコニカルチューブを1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除いた。ここに、10mMストック溶液を20μMから10倍ずつ系列希釈した化合物7溶液500μl、或いは、10mMストック溶液を200μMから10倍ずつ系列希釈した化合物14溶液500μlを添加し、細胞をよく懸濁した。これらのコニカルチューブを37℃で4時間静置後、細胞を5mlの培養液で3回洗浄した。これらの細胞に500μlの培地を添加し、細胞をよく懸濁した。次に、丸底96穴プレートに化合物処理をした腫瘍細胞懸濁液100μl(2x10個)と1x10個/500μlに調製したγδ型T細胞懸濁液100μl(2x10個)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。細胞培養液をよく懸濁し、プレートを1,700回転、4℃で2分間遠心後、培養上清を150μl取り、別の丸底96穴プレートに移した。このプレートを-80℃で一晩冷凍後、室温に1時間放置し、よく攪拌した後に100μlをTNF-αのELISAに供した。TNF-αの含有量はTNF-αの検量線から算出した。これらをトリプリケートで行い、ビスホスホン酸POMエステル誘導体(化合物7)及びビスホスホン酸(化合物14)に関して、TNF-α50を算出し、表8にまとめた。表8から明らかなように、いずれの腫瘍細胞においてもPOMエステル化によりTNF-α産生誘導能が高くなることが明らかとなった。

【0267】
【表8】
JP0006706799B2_000071t.gif

【0268】
[試験例16(図8)]
上記試験例の結果より、ビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7が高いTNF-α産生誘導能を有していることが明らかとなった。そこで、さらに多くの腫瘍細胞株で化合物7のTNF-α産生誘導能を検討した。まず、MOLT-3、PEER、C1R、J.RT3-T3.5、Raji、RAMOS-RA1、MOLT-4、HL60、U937、THP-1、SCC-3、P31/FUJ、K562、NOMO-1、YMB-1-E、MRK-nu-1、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、T-47D、SK-BR-3、786-0、VMRC-RCZ、UOK121、Caki-1、A-704、BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MiaPaCa-2、TGBC24TKB、ACS、MG-63、LK-2、C32TGを用い、これらの細胞を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。それぞれの細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1x10個/500μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、15mlのコニカルチューブに500μlずつ分注した。これらのコニカルチューブを1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除いた。ここに、10mMストック溶液を20μMから10倍ずつ系列希釈した化合物7溶液500μlを添加し、細胞をよく懸濁した。これらのコニカルチューブを37℃で4時間静置後、細胞を5mlの培養液で3回洗浄した。これらの細胞に500μlの培地を添加し、細胞をよく懸濁した。次に、丸底96穴プレートに化合物処理をした腫瘍細胞懸濁液100μl(2x10個)と1x10個/500μlに調製したγδ型T細胞懸濁液100μl(2x10個)を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。細胞培養液をよく懸濁し、プレートを1,700回転、4℃で2分間遠心後、培養上清を150μl取り、別の丸底96穴プレートに移した。このプレートを-80℃で一晩冷凍後、室温に1時間放置し、よく攪拌した後に100μlをTNF-αのELISAに供した。TNF-αの含有量はTNF-αの検量線から算出した。これらをトリプリケートで行い、図8にまとめた。
図8Aはリンパ腫系の腫瘍細胞についての結果を示す。

【0269】
【化63】
JP0006706799B2_000072t.gif

【0270】
図8Bはミエロイド系の腫瘍細胞の結果を示す。

【0271】
【化64】
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【0272】
図8Cは乳がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0273】
【化65】
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【0274】
図8Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0275】
【化66】
JP0006706799B2_000075t.gif

【0276】
図8Eは膵臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0277】
【化67】
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【0278】
図8Fはその他のがん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0279】
【化68】
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【0280】
これらの結果から、いずれの細胞株でも化合物7処理によりγδ型T細胞からのTNF-α産生を効率的に誘導可能であった。次に、上記TNF-α産生誘導能を定量的に検討するため、種々の腫瘍細胞株を化合物7で処理し、そこにγδ型T細胞を作用させることにより、産生したTNF-α量を測定し、そのTNF-α50値を算出した。検討した腫瘍細胞は、以下の通り。
C1R、RAMOS-RA1、Raji、J.RT3-T3.5、MOLT-3、MOLT-4、PEER(以上、リンパ腫系の腫瘍細胞:Ly)、HL60、NOMO-1、SCC-3、THP-1、U937、P31/FUJ、K562(以上、ミエロイド系の腫瘍細胞:My)、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、MRK-nu-1、SK-BR-3、T-47D、YMB-1-E(以上、乳がん由来の腫瘍細胞:Ma)、786-0、786-0W、A-704、ACHN、Caki-1、UOK111、UOK121、VMRC-RCW、VMRC-RCZ、EJ-1、T24、TGBC1TKB、TGBC2TKB、TGBC24TKB、HuCCT1、MZChA2、TFK-1、ACS、AGS、GCIY、KATOIII、MKN1、MKN28、MKN74、AsPC-1、BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MIAPaCa-2、PANC-1、PK-1、PK-8、PK-9、T3M4、HOS、HuO、MG-63、OST、SaOS-2、TAKAO、Colo320、CW2、DLD-1、C32TG、G-361、LK-2、SBC-2、hu2、GCT-IZ、PC-3、HT-1080(以上、その他の腫瘍細胞:Others)。
これらの腫瘍細胞を用いて同様の試験を実施し、TNF-α50値を算出した結果を図8Gに示す。これらの結果から、リンパ腫由来の腫瘍細胞とミエロイド系の腫瘍細胞の活性が高いことが明らかとなった。即ち、ビスホスホン酸POMエステル誘導体の間接的抗腫瘍障害能は、リンパ腫由来の腫瘍細胞とミエロイド系の腫瘍細胞において効率的に発揮されることが明らかとなった。

【0281】
[試験例17(図9)]
上記試験例の結果から、ビスホスホン酸POMエステル誘導体、特に化合物7に関して高い間接的細胞障害能が確認されたが、その機構としては次のようなことが考えられる。即ち、ビスホスホン酸POMエステル誘導体が、細胞内に効率的に移行し、そこでエステラーゼにより触媒を受けPOM基が脱保護され、対応するビスホスホン酸に変換される。次に、このビスホスホン酸がファーネシル二リン酸合成酵素を阻害し、イソペンテニル二リン酸の細胞内濃度が高まり、それをブチロフィリン3A1を介して感知したγδ型T細胞が腫瘍細胞を障害する。
この機構を証明するには、ファーネシル二リン酸合成酵素が細胞内で阻害されているかどうか確認する必要がある。もし、ファーネシル二リン酸合成酵素が阻害されるとゲラニルゲラニル二リン酸の細胞内濃度が低くなり、Rap1AスモールGタンパク質のゲラニルゲラニル化が阻害される。このRap1Aのゲラニルゲラニル化阻害を定量すれば、その阻害効果が明らかとなる。そこで、腫瘍細胞にビスホスホン酸POMエステル誘導体である化合物7を作用させ、ゲラニルゲラニル化されていないRap1Aの量をウェスタンブロッティング法により検討した。腫瘍細胞としてMOLT-3、PEER、C1R、J.RT3-T3.5、Raji、RAMOS-RA1、MOLT-4、HL60、U937、THP-1、SCC-3、P31/FUJ、K562、NOMO-1、YMB-1-E、MRK-nu-1、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、T-47D、SK-BR-3、786-0、VMRC-RCZ、UOK121、Caki-1、A-704、BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MiaPaCa-2、TGBC24TKB、ACS、MG-63、LK-2、EJ-1を用いた。これらの細胞を90mlの10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で225cmのフラスコを用いて培養した。そこに化合物7の10mMストック溶液を添加し、最終濃度を10μM、1μM、100nM、10nM、1nM、100pM、10pM、1pMになるようにした。これらのフラスコを37℃、5%CO雰囲気下で16時間培養した。浮遊細胞はそのまま、そして接着細胞はEDTA/トリプシン溶液を用い回収した。それぞれ回収した細胞を、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、1%NP-40、0.1%SDS、0.5%デオキシコール酸ナトリウムからなる細胞溶解液100μlで懸濁した。この懸濁液を1.5mlマイクロチューブに移し、15,000回転で、4℃、10分間遠心した。上清を別のマイクロチューブに移し、タンパク量が5mg/mlになるように6.7M尿素、5%デオキシコール酸ナトリウム、100mM Tris-HCl緩衝液 pH7.4、0.25%ブロムフェノールブルー、50mM DTTを含む染色液を添加した。そのサンプルを1レーン当たり15μgずつ15%ポリアクリルアミドゲルに添加し、120mA/hで電気泳動を行った。展開したゲル中のタンパクはポリスクリーンPVDF膜に転写し、抗Rap1Aモノクローナル抗体(x500希釈)で処理した。その膜を5%スキムミルクで洗浄後、ペルオキシダーゼを結合させた二次抗体(x5000希釈)で処理し、さらに5%スキムミルクで洗浄した。ここに、化学発色基質を添加し、アマシャム社のハイパーフィルムにシグナルを焼き付けた。このようにして得られたシグナルを画像処理解析し、シグナルを数値化した。その結果を図9A~図9Fに示した。
図9Aはリンパ腫系の腫瘍細胞についての結果を示す。

【0282】
【化69】
JP0006706799B2_000078t.gif

【0283】
図9Bはミエロイド系の腫瘍細胞の結果を示す。

【0284】
【化70】
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【0285】
図9Cは乳がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0286】
【化71】
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【0287】
図9Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0288】
【化72】
JP0006706799B2_000081t.gif

【0289】
図9Eは膵臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0290】
【化73】
JP0006706799B2_000082t.gif

【0291】
図9Fはその他のがん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0292】
【化74】
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【0293】
これらの結果から、化合物7はいずれの腫瘍細胞においても効率的に細胞内に存在するファーネシル二リン酸合成酵素を阻害していることが明らかとなった。次に、その阻害効率を定量的に解析するために、Rap1Aのゲラニルゲラニル化を半分阻害する化合物濃度をEC50値として算出し比較検討を行った。結果を図9Gに示す。検討した腫瘍細胞は、以下の通り。
C1R、RAMOS-RA1、Raji、J.RT3-T3.5、MOLT-3、MOLT-4、PEER(以上、リンパ腫系の腫瘍細胞:Ly)、HL60、NOMO-1、SCC-3、THP-1、U937、P31/FUJ、K562(以上、ミエロイド系の腫瘍細胞:My)、HMC-1-8、MCF-7、MDA-MB-231、MRK-nu-1、SK-BR-3、T-47D、YMB-1-E(以上、乳がん由来の腫瘍細胞:Ma)、786-0、786-0W、A-704、ACHN、Caki-1、UOK111、UOK121、VMRC-RCW、VMRC-RCZ、EJ-1、T24、TGBC1TKB、TGBC2TKB、TGBC24TKB、HuCCT1、MZChA2、TFK-1、ACS、AGS、GCIY、KATOIII、MKN1、MKN28、MKN74、AsPC-1、BxPC-3、KP4-1、KP4-2、KP4-3、MIAPaCa-2、PANC-1、PK-1、PK-8、PK-9、T3M4、HOS、HuO、MG-63、OST、SaOS-2、TAKAO、Colo320、CW2、DLD-1、C32TG、G-361、LK-2、SBC-2、hu2、GCT-IZ、PC-3、HT-1080(以上、その他の腫瘍細胞:Others)。
これらの結果から、化合物7は、リンパ系腫瘍細胞とミエロイド系腫瘍細胞においてファーネシル二リン酸合成酵素阻害作用が高いことが明らかとなった。

【0294】
[試験例18(図10)]
次に、化合物7の間接的腫瘍細胞障害作用とファーネシル二リン酸合成酵素阻害作用の相関関係を検討した。具体的には各種腫瘍細胞に対する間接的腫瘍細胞障害作用としてTNF-α50値とファーネシル二リン酸合成酵素阻害作用としてEC50値を比較し、図10A~図10Iにまとめた。
図10Aはリンパ腫系の腫瘍細胞についての結果を示す。

【0295】
【化75】
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【0296】
図10Bはミエロイド系の腫瘍細胞の結果を示す。

【0297】
【化76】
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【0298】
図10Cは乳がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0299】
【化77】
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【0300】
図10Dは腎臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0301】
【化78】
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【0302】
図10Eは胆道がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0303】
【化79】
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【0304】
図10Fは胃がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0305】
【化80】
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【0306】
図10Gは膵臓がん由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0307】
【化81】
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【0308】
図10Hは骨肉腫細胞由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0309】
【化82】
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【0310】
図10Iはその他の悪性腫瘍由来の腫瘍細胞の結果を示す。

【0311】
【化83】
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【0312】
それぞれに関して、TNF-α50値とEC50値を比較した。
図10から明らかなように、いずれの腫瘍細胞株においても、TNF-α50値とEC50値がほぼ同じであり、このことから、化合物7は細胞内に入って、エステラーゼで活性体のビスホスホン酸に変換され、それがファーネシル二リン酸合成酵素を阻害し、その結果生じた細胞内イソペンテニル二リン酸濃度の上昇を、ブチロフィリン3A1を介してγδ型T細胞が感知し、腫瘍細胞障害性を発揮しているということが強く示唆された。

【0313】
[試験例19(図11)]
次に、ビスホスホン酸POMエステル誘導体だけでなく、BuOMなど異なるエステル誘導体について、腫瘍細胞障害性誘導作用に関して検討を行った。ビスホスホン酸エステル誘導体としては化合物43~50を用いた。まず、U937を10%仔牛血清加RPMI1640培地で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。それぞれの細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、2x10個/200μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、丸底96穴プレートに200μlずつ分注した。このプレートを、1,700回転、4℃、2分間遠心し、上清を除いた。次に、各種化合物を10μM、1μM、100nM、10nM、1nMになるように調製し、200μlずつ細胞に添加した。このプレートを37℃、5%CO雰囲気下で2時間インキュベートし、200μlの培地で5回洗浄した。次に、2x10個/50μlに調製したγδ型T細胞を50μlずつ添加した。さらに5μlのPE標識した抗CD107aモノクローナル抗体を添加した。このプレートを、37℃、5%CO雰囲気下で2時間インキュベートし、氷冷後、2μlのFITC標識抗Vδ2抗体を添加し、15分間氷冷後、細胞を200μlの2%仔牛胎児血清加PBSで洗浄し、フローサイトメーターで解析を行った。そして、Vδ2陽性細胞中のCD107a陽性細胞の割合を図11にプロットした。図11において、各記号はそれぞれ以下を示す。

【0314】
【化84】
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【0315】
これらの結果から、種々のビスホスホン酸エステル誘導体が腫瘍細胞障害性を示すことが示された。

【0316】
[試験例20(図12)]
次に、ビスホスホン酸エステル誘導体の化合物7及び44に関して、HTLV-1ウイルス感染細胞に対する間接的細胞障害性誘導能を検討した。まず、HTLV-1感染細胞であるTL-Su、HCT-1、HCT-4、HCT-5(それぞれ長崎大学病院第1内科中村龍文先生より入手)を10%仔牛血清加RPMI1640培地で100U/mlのIL-2存在下で対数期を保ちながら37℃、5%CO雰囲気下で培養した。それぞれの細胞を回収し、1,700回転、4℃、5分間遠心し、上清を除き、2x10個/200μlになるように10%仔牛血清加RPMI1640培地に懸濁し、丸底96穴プレートに200μlずつ分注した。このプレートを、1,700回転、4℃、2分間遠心し、上清を除いた。次に、各種化合物を10μM、1μM、100nM、10nM、1nMになるように調製し、200μlずつ細胞に添加した。このプレートを37℃、5%CO雰囲気下で2時間インキュベートし、200μlの培地で5回洗浄した。次に、2x10個/50μlに調製したγδ型T細胞を50μlずつ添加し、さらに5μlのPE標識した抗CD107aモノクローナル抗体を添加した。このプレートを、37℃、5%CO雰囲気下で2時間インキュベートし、氷冷後、2μlのFITC標識抗Vδ2抗体を添加し、15分間氷冷後、細胞を200μlの2%仔牛胎児血清加PBSで洗浄し、フローサイトメーターで解析を行った。そして、Vδ2陽性細胞中のCD107a陽性細胞の割合を図12にプロットした。HTLV-1感染細胞として、TL-Su(図12A)、HCT-1(図12B)、HCT-4(図12C)及びHCT-5(図12D)をそれぞれ用いた。図12において各記号はそれぞれ以下を示す。

【0317】
【化85】
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【0318】
図12から明らかなように、ビスホスホン酸のPOMエステル誘導体やBuOMエステル誘導体には、HTLV-1感染細胞などのウイルス感染細胞に対して、間接的細胞障害性を惹起する作用があることが確認された。

【0319】
[試験例21(図13)]
γδ型T細胞の誘導割合の測定
健常成人末梢血から比重遠心法により単核球を取得した。得られた単核球をYssel培地に1.8x10個/mlとなるように懸濁し、24穴プレートの各ウェルに1.5mlずつ播種した。各ウェルに、1μMの濃度で化合物7を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で培養した。培養1日後にIL-2を100IU/mlの濃度で添加し、以降6日目まで100IU/ml、7日目からは30IU/mlのIL-2存在下で培養した。培養14日後に細胞を回収し、標識抗CD3抗体及び標識抗Vδ2抗体を使用してフローサイトメトリーで細胞表面分子の解析を行った。コントロールとして、抗CD3抗体及び抗Vδ2抗体のアイソタイプと同じであるが無関係である抗体を用いた。CD3細胞中のVδ2領域を有するγδ型T細胞の割合(%)を求めた。

【0320】
その結果を図13に示す。化合物7の存在下では、Vδ2領域を有する細胞の割合が増加し、γδ型T細胞が誘導されていることが確認された。1μMで99.8%とほぼ全ての細胞がγδ型T細胞であり、特異的にγδ型T細胞が誘導及び/又は増殖されていることがわかった。

【0321】
[試験例22(図14)]
γδ型T細胞の誘導割合の測定
試験例21において、乳がん患者末梢血から取得した単核球を使用する他は同様にして化合物7を添加し、37℃、5%CO雰囲気下で培養した。培養2日目と3日目にIL-2を30IU/mlの濃度で添加し、4日目以降、100IU/mlの濃度で培養した。培養17日後に細胞を回収し、試験例21と同様にしてフローサイトメトリーで細胞表面分子の解析を行った。又、CD3細胞中のVδ2領域を有するγδ型T細胞の割合(%)を求めた。

【0322】
その結果を図14に示す。担がん患者末梢血でも96%以上の高純度のγδ型T細胞が得られることがわかった。

【0323】
[試験例23(表9)]
ビスホスホン酸エステル誘導体の可溶化剤の検討
エタノール(EtOH)10ml中に、トリメチルβ-シクロデキストリン(以下、「TMβCD」とも称する)(東京化成工業株式会社)、ジメチルβ-シクロデキストリン(以下、「DMβCD」とも称する)(東京化成工業株式会社)、Tween80(東京化成工業株式会社)、HCO-60(商品名:日光ケミカルズ株式会社)(PEG-60水添ヒマシ油)を可溶化剤として溶解し、ビスホスホン酸エステル誘導体化合物7(7.4mg)を加えてよく混合した後、生理食塩水で10倍希釈し、室温にて各溶液の安定性を観察した。
結果を表9に示す。

【0324】
【表9】
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【0325】
尚、アルキル化のされていないβCDはEtOHに溶解しなかった。またビスホスホン酸エステル誘導体を溶解したEtOH溶液に、アルキル化のされていないβCDの生理食塩水溶液を混合すると沈殿が生じた。
以上のことから、アルキル化シクロデキストリンによる難水溶性ビスホスホン酸エステル誘導体の可溶化は、他の界面活性剤に比べて少量で行うことが可能であり、更にかかる混合溶液は安定性にも優れていることが明らかとなった。

【0326】
[試験例24(図15)]
ビスホスホン酸エステル誘導体とアルキル化βCDを含む混合溶液による膀胱がん細胞株EJ-1の増殖阻害の検討
ビスホスホン酸エステル誘導体の可溶化における、ランダムジメチルβCD(DMβCD)と完全トリメチルβCD(TMβCD)の可溶化剤としての性能を検討した。ビスホスホン酸エステル誘導体として化合物7を使用し、可溶化剤のコントロールとしてDMSOを使用した。
まず、ビスホスホン酸エステル誘導体とDMβCDあるいはTMβCDとの混合溶液を調製し、種々の濃度でEJ-1に作用させ、それらの細胞増殖における影響を検討した。
ビスホスホン酸エステル誘導体とDMβCDあるいはTMβCDの混合溶液は以下のようにして調製した。DMβCDあるいはTMβCDの10mMエタノール溶液を調製する。これらにビスホスホン酸エステル誘導体(化合物7)を1mMになるように添加し、よく混合する。これらを「7/DMβCD」溶液及び「7/TMβCD」溶液とした。この溶液は-30℃で保存可能である。使用時に、ビスホスホン酸エステル誘導体換算で100pMから1μMとなるように生理食塩水または培地に希釈した。ビスホスホン酸エステル誘導体のDMSO溶液は「7/DMSO」溶液とした。
細胞増殖試験は次のようにして行った。まず、EJ-1を10%牛胎児血清加RPMI1640培地(完全RPMI1640培地)でコンフルエントの直前まで培養した。次に、0.25%トリプシン/EDTAで細胞を回収し、完全RPMI1640で洗浄後、1x10個/mlの細胞懸濁液とした。これを50μlずつ96穴平底プレートに播種し、各穴に5x10個の細胞が入るように調製した。ここに、2mMから3倍系列希釈した7/DMSO、7/DMβCD、あるいは7/TMβCDを50μlずつ添加し、最終濃度を1mMから3分の1ずつの系列希釈となるようにした。このプレートを37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養し、生細胞数をATP量含量として測定した(n=3)。ATP測定法として、ルシフェリンルシフェラーゼを用いる標準定量法を用いた。発光量はルミノメーターを用いて測定した。培地コントロールで得られる値を100%とし、細胞増殖阻害は培地コントロールに対する比を用いて表した。
図15において、各記号の定義は以下の通り。

【0327】
【化86】
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【0328】
7/TMβCDと7/DMSOはほぼ同等の膀胱がん細胞内移行性を有しており、EJ-1に対するIC50は数百nMであった。一方、7/DMβCDは10分の1程度の膀胱がん細胞内移行性を示した。よって、アルキル化シクロデキストリン、特に、7/TMβCDは7/DMSOと同程度の優れた薬理作用を有することが明らかになった。

【0329】
[試験例25(図16)]
ビスホスホン酸エステル誘導体とアルキル化βCDを含む混合溶液によるモノサイト系腫瘍細胞株U937増殖阻害の検討
モノサイト系腫瘍細胞株U937を用いて試験例24と同様にDMSOを可溶化剤のコントロールとして、DMβCDとTMβCDの可溶化剤としての性能を検討した。まず、ビスホスホン酸エステル誘導体として化合物7を使用して、試験例24と同様にして7/DMβCD及び7/TMβCDを調製し、種々の濃度でU937に作用させ、それらの細胞増殖における影響を検討した。
U937を完全RPMI1640培地でコンフルエントの直前まで培養した。これを新しい完全RPMI1640培地に再懸濁し、1x10個/mlの細胞懸濁液とした。これを50μlずつ96穴平底プレートに播種し、各穴に5x10個の細胞が入るように調製した。ここに、2mMから3倍系列希釈した7/DMSO、7/DMβCD、あるいは7/TMβCDを50μlずつ添加し、最終濃度を1mMから3分の1ずつの系列希釈となるようにした。このプレートを37℃、5%CO雰囲気下で4日間培養し、生細胞数をATP量含量として測定した(n=3)。ATP測定法として、ルシフェリンルシフェラーゼを用いる標準定量法を用いた。
図16において、各記号の定義は以下の通り。

【0330】
【化87】
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【0331】
試験例24と同様に7/TMβCDと7/DMSOはほぼ同等のモノサイト系腫瘍細胞内移行性を有しており、U937に対するIC50は数百nMであった。一方、7/DMβCDは試験例24と同様10分の1程度のモノサイト系腫瘍細胞内移行性を示した。この結果から試験例24と同様、アルキル化シクロデキストリン、特に、7/TMβCDは7/DMSOと同程度の優れた薬理作用を有することが明らかになった。

【0332】
[試験例26(図17)]
ビスホスホン酸エステル誘導体とアルキル化βCDを含む混合溶液により前処理した膀胱がん細胞株EJ-1に対する、健常成人末梢血γδ型T細胞の示す細胞障害活性の検討
DMβCDとTMβCDの可溶化剤としての性能を検討するために、まず、ビスホスホン酸エステル誘導体として化合物7を使用して、7/DMSO、7/DMβCD及び7/TMβCDを調製し、最終濃度33.33nMで膀胱がん細胞株EJ-1に作用させた。さらに、健常成人末梢血由来のγδ型T細胞を作用させ、その細胞障害性を検討した。
まず、7/DMSO、7/DMβCD及び7/TMβCDを試験例24と同様にして調製した。細胞障害性試験は次のようにして行った。EJ-1を完全RPMI1640培地でコンフルエントの直前まで培養した。次に、0.25%トリプシン/EDTAで細胞を回収し、完全RPMI1640で洗浄後、3x10個/mlの細胞懸濁液とした。ここで、100μlの完全RPMI1640培地を添加した96穴E-プレートのベースラインインピーダンスを測定した。ベースラインを測定後、細胞懸濁液を100μlずつ96穴平底E-プレートに播種し、各穴に3x10個の細胞が入るようにした。このプレートを37℃、5%CO雰囲気下で24時間培養し、15分ごとにインピーダンスを測定した。各穴の培地を50μl除去し、ビスホスホン酸エステル誘導体の最終濃度が33.33nMになるように7/DMSO、7/DMβCDあるいは7/TMβCDを50μlずつ添加した。コントロールとして、培地を50μl添加した穴も準備した。薬剤を腫瘍細胞内に移行させるため、プレートを37℃、5%CO雰囲気下でさらに14時間インキュベートした。EJ-1の細胞増殖はインピーダンス(cell index)の増大として表され、γδ型T細胞によるEJ-1細胞障害性はインピーダンスの低下として示される。
図17において、Aは培地添加処理コントロール、Bは7/DMβCD処理、Cは7/TMβCD処理、Dは7/DMSO処理、をそれぞれ示し、縦軸は生細胞数(インピーダンス)、横軸は時間を示す。矢印の位置は、各薬剤溶液を添加した時間を示す。なお、図17は、独立した10回の実験結果のうち代表的なものを示したものである。7/TMβCDあるいは7/DMSOで処理したEJ-1は、γδ型T細胞の有する細胞障害能に対してほぼ同等の感受性を有しており、ビスホスホン酸エステル誘導体の濃度換算で33.33nMで十分γδ型T細胞を感作できることが明らかになった。一方、7/DMβCDは10分の1程度の細胞内移行性を示した。この結果から、アルキル化シクロデキストリン、特に7/TMβCDは7/DMSOと同程度の優れた薬理作用を有することが明らかとなった。

【0333】
[試験例27(図18)]
ビスホスホン酸エステル誘導体とアルキル化βCDを含む混合溶液により前処理した乳がん細胞株T-47Dに対する、乳がん患者末梢血γδ型T細胞BC7の示す細胞障害活性の検討
7/TMβCDの性能を検討するために、種々の濃度で乳がん細胞T-47Dに作用させた。さらに、乳がん患者末梢血由来のγδ型T細胞を作用させ、その細胞障害性を検討した。
ビスホスホン酸エステル誘導体として化合物7を使用して、可溶化剤としてTMβCDを使用して7/TMβCDを試験例24と同様にして調製した。細胞障害性試験は次のようにして行った。T-47Dを完全RPMI1640培地でコンフルエントの直前まで培養した。次に、0.25%トリプシン/EDTAで細胞を回収し、完全RPMI1640で洗浄後、5x10個/mlの細胞懸濁液とした。ここで、100μlの完全RPMI1640培地を添加した96穴E-プレートのベースラインインピーダンスを測定した。ベースラインを測定後、細胞懸濁液を100μlずつ96穴平底E-プレートに播種し、各穴に5x10個の細胞が入るようにした。このプレートを37℃、5%CO雰囲気下で46.5時間培養し、15分ごとにインピーダンスを測定した。各穴の培地を50μl除去し、化合物7の最終濃度が0nM、1.56nM、12.5nM、25nM、50nMになるように7/TMβCDを50μlずつ添加した。薬剤を腫瘍細胞内に移行させるため、プレートを37℃、5%CO雰囲気下でさらに3.5時間培養した。次に、各穴から培養液を50μl除去し、1x10個/50μlに懸濁した乳がん患者末梢血由来のγδ型T細胞を50μl添加した。コントロールとして50nMの7/TMβCD処理したウェルにγδ型T細胞の代わりに完全RPMI1640培地を添加した穴も作成した。インピーダンスの変化を15分に一度測定しながら、プレートを37℃、5%CO雰囲気下でさらに15時間インキュベートした。T-47Dの細胞増殖はインピーダンスの増大として表され、γδ型T細胞によるT-47D細胞障害性はインピーダンスの低下として示される。

【0334】
図18において、Aが50nM 7/TMβCD+培地、Bが0nM 7/TMβCD+γδ型T細胞、Cが1.56nM 7/TMβCD+γδ型T細胞、Dが12.5nM 7/TMβCD+γδ型T細胞、Eが25nM 7/TMβCD+γδ型T細胞、Fが50nM 7/TMβCD+γδ型T細胞を示し、縦軸は生細胞数(インピーダンス)、横軸は時間を示す。矢印の位置は、各薬剤溶液を添加した時間を示す。なお、図18は、独立した10回の実験結果のうち代表的なものを示したものである。7/TMβCDで処理したT-47Dは、γδ型T細胞の有する細胞障害能に対して薬剤濃度依存的に感受性を示し、ビスホスホン酸エステル誘導体の濃度換算で25nMで十分γδ型T細胞を感作できることが明らかになった。この結果から、7/TMβCDは細胞内移行性に優れ、顕著な薬理作用を有することが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0335】
本発明の新規なビスホスホン酸エステル誘導体は、優れた直接的腫瘍障害効果及びウイルス感染細胞障害効果を発揮する。ファーネシル二リン酸合成酵素の基質となるイソペンテニル二リン酸の細胞内レベルを効率的に上昇させることにより、ブチロフィリン3A1を介したγδ型T細胞の活性化を誘導し、免疫作用を介した効率的な間接的腫瘍障害効果及びウイルス感染細胞障害効果を発揮する。
【0336】
本出願は、日本で出願された特願2014-257451(出願日2014年12月19日)を基礎としておりそれらの内容は本明細書に全て包含されるものである。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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