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明細書 :経路探索装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2019-039736 (P2019-039736A)
公開日 平成31年3月14日(2019.3.14)
発明の名称または考案の名称 経路探索装置
国際特許分類 G01C  21/34        (2006.01)
G08G   1/0968      (2006.01)
G08G   1/13        (2006.01)
G09B  29/10        (2006.01)
G09B  29/00        (2006.01)
FI G01C 21/34
G08G 1/0968 B
G08G 1/13
G09B 29/10 A
G09B 29/00 A
請求項の数または発明の数 6
出願形態 OL
全頁数 16
出願番号 特願2017-160795 (P2017-160795)
出願日 平成29年8月24日(2017.8.24)
発明者または考案者 【氏名】田代 むつみ
【氏名】三輪 富生
【氏名】森川 高行
【氏名】山本 俊行
【氏名】金森 亮
【氏名】佐藤 仁美
出願人 【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
個別代理人の代理人 【識別番号】110001911、【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
審査請求 未請求
テーマコード 2C032
2F129
5H181
Fターム 2C032HC08
2C032HD21
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC03
2F129CC07
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC20
2F129DD20
2F129DD21
2F129DD22
2F129DD29
2F129DD31
2F129DD62
2F129DD70
2F129EE53
2F129FF02
2F129FF14
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF43
2F129FF52
2F129FF59
2F129FF65
2F129FF66
2F129GG17
2F129GG18
2F129GG28
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH25
2F129HH33
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181CC02
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181DD02
5H181DD04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF12
5H181FF22
5H181FF33
5H181MC02
5H181MC14
5H181MC15
要約 【課題】対象車両やプローブ車両が過去または現在に実際に走行していない走行区間も対象として、運転者の個人属性に適したストレスの少ない推奨経路を設定する。
【解決手段】経路探索装置は、プローブ運転者の個人属性とプローブ車両の走行環境とプローブ運転者の生体指標とを含む複数のプローブデータを取得し、プローブデータを用いて運転者の生体指標を推定する生体指標推定モデルを作成する。経路探索装置は、出発地と目的地とを結ぶ経路を構成する各走行区間の走行環境を特定すると共に、対象運転者の個人属性を特定する。経路探索装置は、生体指標推定モデルに、対象運転者の個人属性と各走行区間の走行環境とを入力して対象運転者の生体指標を推定し、推定された生体指標に基づき、出発地と目的地とを結ぶ少なくとも1つの推奨経路を設定する。
【選択図】図7
特許請求の範囲 【請求項1】
出発地から目的地までの経路を探索する経路探索装置であって、
プローブ車両の運転者であるプローブ運転者の個人属性を示すデータと、前記プローブ車両の走行環境を示すデータと、前記プローブ車両の走行中における前記プローブ運転者の生体指標を示すデータと、をそれぞれ含む複数のプローブデータを取得するプローブデータ取得部と、
前記複数のプローブデータを用いて、運転者の個人属性と車両の走行環境とから、車両の走行中における運転者の生体指標を推定するための生体指標推定モデルを作成するモデル作成部と、
出発地を示す出発地情報と目的地を示す目的地情報とを取得する地点情報取得部と、
前記出発地と前記目的地とを結ぶ経路を構成する複数の走行区間のそれぞれの走行環境を特定する走行環境特定部と、
対象車両の運転者である対象運転者の個人属性を特定する個人属性特定部と、
前記生体指標推定モデルに、前記対象運転者の個人属性と、前記複数の走行区間のそれぞれの走行環境と、を入力することにより、各前記走行区間を走行する際の前記対象運転者の生体指標を推定する生体指標推定部と、
推定された生体指標に基づき、前記出発地と前記目的地とを結ぶ少なくとも1つの推奨経路を設定する推奨経路設定部と、
を備える、経路探索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の経路探索装置であって、
走行環境は、走行時間帯と、曜日と、天気と、温度と、湿度と、の少なくとも1つを規定する走行条件を含む、経路探索装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の経路探索装置であって、
前記モデル作成部は、前記プローブ運転者としての前記対象運転者が運転する前記プローブ車両についての前記プローブデータを含む複数の前記プローブデータを用いて、前記対象運転者の生体指標の推定に用いる前記生体指標推定モデルを作成する、経路探索装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の経路探索装置であって、
前記モデル作成部は、前記生体指標推定モデルを作成した後、取得時がより新しい前記プローブデータを優先的に用いて、前記生体指標推定モデルを再作成する、経路探索装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の経路探索装置であって、
個人属性は、安静時の生体指標を含み、
前記推奨経路設定部は、推定された生体指標と安静時の生体指標との比較結果に基づき、前記推奨経路を設定する、経路探索装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の経路探索装置であって、
走行環境は、道路を構成する車線毎の走行環境であり、
前記推奨経路設定部は、走行する車線が特定された前記推奨経路を設定する、経路探索装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、経路探索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
出発地から目的地までの経路を探索する経路探索装置が広く用いられている。経路探索装置は、出発地と目的地とを結ぶ複数の経路の内、所要時間や移動費用等の観点から推奨される推奨経路を設定する。
【0003】
近年、所要時間や移動費用に代えて、または、これらに加えて、運転者の運転ストレスに相関する生体指標(心拍数や血圧等)の観点から推奨経路を設定する経路探索装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の経路探索装置は、例えば、プローブ車両の運転者であるプローブ運転者の生体指標を示すデータを、該生体指標が記録された走行区間に対応付けて記憶する。また、従来の経路探索装置は、経路探索の際に、出発地から目的地までの経路を構成する各走行区間に対応付けられた生体指標データを取得し、取得された生体指標データに基づき推奨経路を設定する。このような従来の経路探索装置によれば、例えば、生体指標変動への影響が少ない経路、すなわち、運転ストレスが低いと考えられる経路を、推奨経路として設定することができる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2014-163793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の経路探索装置では、プローブ運転者の生体指標データが走行区間に対応付けて記憶されるため、過去または現在にプローブ車両が実際に走行していない走行区間については生体指標データを取得することができず、そのような走行区間を含む経路を推奨経路として設定することができない、という課題がある。また、運転者の生体指標(例えば、心拍数)は、走行区間のみによって決まるとは限らない。すなわち、同一の走行区間を走行する場合であっても、運転者の個人属性(例えば、性別、年齢、運転歴等)に応じて、運転者の生体指標への影響度は変動し得る。そのため、従来の経路探索装置では、運転者の個人属性に適した推奨経路を設定することができない、という課題がある。
【0006】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本明細書に開示される経路探索装置は、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索装置であって、プローブ車両の運転者であるプローブ運転者の個人属性を示すデータと、前記プローブ車両の走行環境を示すデータと、前記プローブ車両の走行中における前記プローブ運転者の生体指標を示すデータと、をそれぞれ含む複数のプローブデータを取得するプローブデータ取得部と、前記複数のプローブデータを用いて、運転者の個人属性と車両の走行環境とから、車両の走行中における運転者の生体指標を推定するための生体指標推定モデルを作成するモデル作成部と、出発地を示す出発地情報と目的地を示す目的地情報とを取得する地点情報取得部と、前記出発地と前記目的地とを結ぶ経路を構成する複数の走行区間のそれぞれの走行環境を特定する走行環境特定部と、対象車両の運転者である対象運転者の個人属性を特定する個人属性特定部と、前記生体指標推定モデルに、前記対象運転者の個人属性と、前記複数の走行区間のそれぞれの走行環境と、を入力することにより、各前記走行区間を走行する際の前記対象運転者の生体指標を推定する生体指標推定部と、推定された生体指標に基づき、前記出発地と前記目的地とを結ぶ少なくとも1つの推奨経路を設定する推奨経路設定部と、を備える。本経路探索装置によれば、対象車両やプローブ車両が過去または現在に実際に走行していない走行区間についても、該走行区間を走行する際の対象運転者の生体指標を推定することができ、該走行区間を含む経路を推奨経路として設定することができる。従って、本経路探索装置によれば、対象運転者の生体指標を考慮した経路探索(すなわち、運転ストレスを考慮した経路探索)の汎用性を大きく広げることができる。また、本経路探索装置によれば、生体指標の推定の際に、対象運転者の個人属性が反映されるため、対象運転者の生体指標を高精度に推定することができ、対象運転者の個人属性に適した推奨経路を設定することができる。
【0009】
(2)上記経路探索装置において、走行環境は、走行時間帯と、曜日と、天気と、温度と、湿度と、の少なくとも1つを規定する走行条件を含む構成としてもよい。本経路探索装置によれば、生体指標の推定の際に、そのときの走行条件が反映され、対象運転者の生体指標を高精度に推定することができ、そのときの走行条件に適した推奨経路を設定することができる。
【0010】
(3)上記経路探索装置において、前記モデル作成部は、前記プローブ運転者としての前記対象運転者が運転する前記プローブ車両についての前記プローブデータを含む複数の前記プローブデータを用いて、前記対象運転者の生体指標の推定に用いる前記生体指標推定モデルを作成する構成としてもよい。本経路探索装置によれば、作成される生体指標推定モデルを対象運転者により適したものとすることができ、走行中の生体指標をさらに精度良く推定することができ、さらに適切な推奨経路を設定することができる。
【0011】
(4)上記経路探索装置において、前記モデル作成部は、前記生体指標推定モデルを作成した後、取得時がより新しい前記プローブデータを優先的に用いて、前記生体指標推定モデルを再作成する構成としてもよい。本経路探索装置によれば、作成される生体指標推定モデルを最新の走行環境により適したものとすることができ、走行中の生体指標をさらに精度良く推定することができ、さらに適切な推奨経路を設定することができる。
【0012】
(5)上記経路探索装置において、個人属性は、安静時の生体指標を含み、前記推奨経路設定部は、推定された生体指標と安静時の生体指標との比較結果に基づき、前記推奨経路を設定する構成としてもよい。本経路探索装置によれば、対象運転者の生体指標変動への影響が少ない経路探索(すなわち、運転ストレスが低いと考えられる経路の探索)を実現することができる。
【0013】
(6)上記経路探索装置において、走行環境は、道路を構成する車線毎の走行環境であり、前記推奨経路設定部は、走行する車線が特定された前記推奨経路を設定する構成としてもよい。運転者の生体指標は、走行する車線により変動し得る。そのため、本経路探索装置によれば、対象運転者の生体指標をさらに高精度に推定することができ、対象運転者の生体指標を精度良く反映した推奨経路の設定を実現することができる。
【0014】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、経路探索装置、経路探索システム、経路探索方法、その方法を実現するコンピュータープログラム、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態における経路探索・案内システム10の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】経路サーバ20の構成を概略的に示す説明図である。
【図3】道路の走行区間を示す説明図である。
【図4】道路の走行区間を示す説明図である。
【図5】ナビゲーション装置40の構成を概略的に示す説明図である。
【図6】経路探索・案内処理を示すフローチャートである。
【図7】プローブデータPDの構成の一例を示す説明図である。
【図8】ランダムフォレストの概要を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.実施形態:
A-1.経路探索・案内システム10の構成:
図1は、本実施形態における経路探索・案内システム10の構成を概略的に示す説明図である。経路探索・案内システム10は、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された経路に沿って車両30を案内するシステムである。

【0017】
経路探索・案内システム10は、経路サーバ20と、自動車等の車両30に搭載されたナビゲーション装置40とを備える。図1には、3台の車両30のそれぞれに搭載されたナビゲーション装置40が示されているが、経路探索・案内システム10を構成するナビゲーション装置40の個数は、2個以下であってもよいし、4個以上であってもよい。経路サーバ20と各ナビゲーション装置40とは、通信ネットワークNETを介して互いに通信可能に接続されている。例えば、経路サーバ20は、有線により通信ネットワークNETに接続されており、各ナビゲーション装置40は、無線により通信ネットワークNET上の基地局BSに接続されている。

【0018】
(経路サーバ20の構成)
図2は、経路サーバ20の構成を概略的に示す説明図である。経路サーバ20は、出発地から目的地までの経路を探索する装置であり、特許請求の範囲における経路探索装置に相当する。経路サーバ20は、制御部210と、記憶部220と、通信部240とを備える。これらの各部は、バス290を介して互いに通信可能に接続されている。

【0019】
通信部240は、例えば通信インターフェース等により構成され、通信ネットワークNETを介して他の装置(例えば、ナビゲーション装置40)との通信を行う。

【0020】
記憶部220は、例えばハードディスクドライブ(HDD)等により構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部220には、経路探索に使用される地図情報221が格納されている。地図情報221は、例えば、道路の各走行区間の構造を示す情報を含んでいる。道路の各走行区間の構造を示す情報は、例えば、道路幅員、車線数、右左折、カーブ、勾配、交差点、信号、歩道、分離帯等の情報である。

【0021】
なお、本実施形態では、道路を構成する車線を考慮した経路探索・案内(車線レベルでの経路探索・案内)が行われる。そのため、記憶部220に格納された地図情報221は、道路の車線毎に設定された各走行区間の構造を示す情報を含んでいる。図3および図4は、道路の走行区間を示す説明図である。図3および図4に示す例では、車両30が走行している道路は、片側2車線(第1車線La1および第2車線La2)の道路である。このような道路では、第1車線La1および第2車線La2のそれぞれが、複数の走行区間Zに分割されており、地図情報221には、車線毎に設定された各走行区間Zの道路構造を示す情報が含まれている。なお、複数の走行区間Zへの分割態様は、各車線で共通であってもよいし、車線毎に異なっていてもよい。また、ある車線に注目した場合に、各走行区間Zの長さ(進行方向に沿った寸法)は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。

【0022】
また、記憶部220に格納された地図情報221は、各走行区間Z間の接続関係を示す情報を含んでいる。図3に示すように、同一車線内における走行区間Zの接続関係については、ある走行区間Zは、前方(進行方向)に隣接する他の走行区間Zに接続される。例えば、図3に示す走行区間Ziは、前方に隣接する走行区間Zjに接続され、走行区間Zjは、前方に隣接する走行区間Zkに接続される。また、図4に示すように、隣接する2つの車線間にまたがる走行区間Zの接続関係については、ある走行区間Zは、斜め前方に位置する他の走行区間Zに接続される。例えば、図4に示す第1車線La1の走行区間Ziは、斜め前方に位置する第2車線La2の走行区間Zjに接続される。このとき、走行区間Ziと走行区間Zjとの進行方向に沿った位置関係は、互いに隣接する関係であってもよいが、走行区間Zの分割が比較的細かい場合や、走行速度が比較的高いと考えられる場合には、図4に示すように、1つ以上の走行区間Zを間に挟むような関係としてもよい。このようにすれば、急激な車線変更を回避することができる。

【0023】
経路サーバ20の制御部210(図2)は、例えばCPUやROM、RAM等により構成され、記憶部220から読み出したコンピュータープログラムを実行することにより、経路サーバ20の動作を制御する。例えば、制御部210は、プローブデータ取得部211と、モデル作成部212と、地点情報取得部213と、走行環境特定部215と、個人属性特定部216と、心拍数推定部217と、推奨経路設定部218として機能する。これら各部の機能については、後述の経路探索・案内処理の説明に合わせて説明する。

【0024】
(ナビゲーション装置40の構成)
図5は、ナビゲーション装置40の構成を概略的に示す説明図である。ナビゲーション装置40は、経路サーバ20から経路を特定する情報を受信し、該情報に基づき経路案内を行う装置である。ナビゲーション装置40は、制御部410と、記憶部420と、表示部430と、通信部440と、入力部450と、音声出力部460と、位置情報取得部470と、心拍数センサ481と、温湿度センサ482と、雨センサ483と、時計484と、物体検知センサ485とを備える。これらの各部は、バス490を介して互いに接続されている。

【0025】
記憶部420は、例えばハードディスクドライブ(HDD)等により構成され、各種のプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部420には、経路案内に使用される地図情報421が格納されている。地図情報421は、経路サーバ20の記憶部220に格納されている地図情報221の全部または一部と同一の情報を含んでいる。なお、地図情報421が経路案内時に通信部440を介して取得される場合には、予め記憶部420に地図情報421が格納されていなくてもよい。

【0026】
表示部430は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、各種の画像や情報を表示する。通信部440は、例えば無線通信インターフェース等により構成され、通信ネットワークNETを介して他の装置(例えば、経路サーバ20)との通信を行う。入力部450は、例えばタッチパネルやボタン、スイッチ、マイク等により構成され、ユーザによる操作・指示を受け付ける。音声出力部460は、例えばスピーカ等により構成され、案内音声等を出力する。位置情報取得部470は、例えばGPS受信機等により構成され、ナビゲーション装置40の位置を特定する位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。

【0027】
また、心拍数センサ481は、車両30の運転者の心拍数を検知する。心拍数は、運転者の運転ストレスに相関する生体指標の内、比較的容易に測定できるものの1つである。温湿度センサ482は、車外の温度および湿度を検知する。雨センサ483は、降雨の有無を検知する。時計484は、現在の日時を検知する。物体検知センサ485は、例えばカメラやミリ波レーダー、赤外線レーザー等により構成され、車両30の周辺の物体(他の車両、歩行者、分離帯、白線等)を検知する。

【0028】
制御部410は、例えばCPUやROM、RAM等により構成され、記憶部420から読み出したコンピュータープログラムを実行することにより、ナビゲーション装置40の動作を制御する。例えば、制御部410は、プローブデータ処理部411と、経路案内部412として機能する。これら各部の機能については、後述の経路探索・案内処理の説明に合わせて説明する。

【0029】
A-2.経路探索・案内処理:
図6は、経路探索・案内処理を示すフローチャートである。経路探索・案内処理は、ある車両30(以下、「対象車両30x」という)について、出発地から目的地までの経路を探索し、探索された経路に沿って対象車両30xを案内する処理である。

【0030】
図1に示すように、経路探索・案内システム10を構成するナビゲーション装置40を搭載する複数の車両30の一部または全部は、プローブデータPDを経路サーバ20に提供するプローブ車両30pとして機能する。具体的には、プローブ車両30pに搭載されたナビゲーション装置40のプローブデータ処理部411(図5)は、所定のタイミングで(例えば、毎秒)、プローブデータPDを作成し、作成されたプローブデータPDを都度(または複数のプローブデータPDをまとめて)通信部440を介して経路サーバ20に送信する。経路サーバ20のプローブデータ取得部211(図2)は、プローブ車両30pから送信されたプローブデータPDを取得して、記憶部220に記憶する(S110)。

【0031】
図7は、プローブデータPDの構成の一例を示す説明図である。プローブデータPDは、心拍数データ120と、個人属性データ130と、走行環境データ140とを含んでいる。なお、プローブデータPDは、さらに、位置情報取得部470による取得されるナビゲーション装置40の位置(すなわち、プローブ車両30pの位置)を示す位置データを含んでいていてもよい。

【0032】
心拍数データ120は、プローブ車両30pの運転者であるプローブ運転者の生体指標の1つである瞬時心拍数(回/分)を示すデータであり、ナビゲーション装置40の心拍数センサ481により測定される。また、個人属性データ130は、プローブ運転者の個人属性(例えば、性別、年齢、運転歴、職業、安静時平均心拍数等)を示すデータであり、入力部450を介して入力された情報に基づき、あるいは心拍数センサ481により、作成される。

【0033】
また、走行環境データ140は、走行条件データ142と、道路構造データ144と、車両状態データ146と、交通状況データ148とを含む。すなわち、本明細書では、走行環境は、走行条件と道路構造と車両状態と交通状況とを含む概念である。

【0034】
走行条件データ142は、プローブ車両30pの走行時の条件(例えば、走行時間帯、曜日、天気、温度、湿度等)を示すデータであり、ナビゲーション装置40の温湿度センサ482、雨センサ483、時計484等により作成される。また、道路構造データ144は、プローブ車両30pが走行している道路の構造(例えば、道路幅員、車線数、右左折、カーブ、勾配、交差点、信号、歩道、分離帯等)を示すデータであり、ナビゲーション装置40の位置情報取得部470により取得された現在位置と、地図情報421に含まれる各位置における道路構造の情報とに基づき作成される。なお、道路構造データ144の一部または全部は、ナビゲーション装置40の物体検知センサ485による物体の検知結果に基づき作成されるとしてもよい。上述したように、本実施形態では、道路を構成する車線を考慮した経路探索・案内(車線レベルでの経路探索・案内)が行われるため、道路構造データ144は車線単位で作成される。

【0035】
また、車両状態データ146は、プローブ車両30pの走行に関する状態(例えば、速度、加速度、舵角等)を示すデータであり、プローブ車両30pの車両内ネットワークであるCAN(Controller Area Network)の通信ログを記録するCANロガー(図示しない)を用いて作成される。なお、プローブ車両30pに車両状態を検知する専用端末が搭載され、車両状態データ146の一部または全部が、該専用端末を用いて作成されるとしてもよい。交通状況データ148は、プローブ車両30pが走行中の道路の交通状況(例えば、走行車線、周辺車両の有無、車間距離、歩行者・自転車の有無、路上駐車の有無、渋滞の有無等)を示すデータであり、物体検知センサ485による物体の検知結果に基づき作成される。なお、交通状況データ148の一部または全部は、周辺の他の車両30や交通情報提供インフラ(例えば、VICS(登録商標))から提供された情報を利用して作成されるとしてもよい。

【0036】
経路サーバ20のプローブデータ取得部211は、複数のプローブ車両30pのそれぞれから複数のプローブデータPDを取得し、記憶部220に記憶する。これにより、経路サーバ20の記憶部220に、多数のプローブデータPDが蓄積される。

【0037】
経路サーバ20のモデル作成部212は、記憶部220に蓄積されたプローブデータPDを用いて、心拍数推定モデルを作成する(図6のS120)。心拍数推定モデルは、運転者の個人属性と車両の走行環境とから、車両の走行中における運転者の運転ストレスに相関する生体指標の1つである心拍数を推定するためのモデルである。心拍数推定モデルは、特許請求の範囲における生体指標推定モデルに相当する。モデル作成部212は、記憶部220に格納された各プローブデータPDに含まれる心拍数データ120が示す心拍数を被説明変数とし、個人属性データ130が示す個人属性および走行環境データ140が示す走行環境(走行条件、道路構造、車両状態、交通状況)を説明変数として、心拍数推定モデルを作成する。

【0038】
心拍数推定モデルの作成には、任意のアルゴリズムを利用可能であるが、本実施形態では、説明変数間の多重共線性を回避できると共に交互作用効果の評価ができる機械学習アルゴリズムであるランダムフォレスト(Random Forest)が用いられる。図8は、ランダムフォレストの概要を示す説明図である。ランダムフォレストは、ランダムにサンプリングされた学習データにより複数の決定木(弱学習器)を作成し、それらを組み合わせることによって精度の高い強学習器を作成する手法である。

【0039】
心拍数推定モデルの作成の際には、はじめにモデル作成部212が、蓄積されたすべてのプローブデータPDの内のA%(例えば、A=70)をランダムに抽出して学習データxとし、学習データxから重複を許してランダムサンプリングを行い、B組のデータセット(データセット1~データセットB)を作成する。次に、モデル作成部212は、すべての説明変数からN個の説明変数をランダムサンプリングしたものをB組作成する。次に、モデル作成部212は、各サンプルを用いて、深さMの回帰木をB本作成する。木の各枝の分かれ目には説明変数の判別条件が与えられ、各枝の先には被説明変数の出力値(心拍数)が与えられる。このように作成された心拍数推定モデルにおいて、各木に、心拍数推定対象のデータ(すなわち、説明変数である個人属性および走行環境)を入力すると、各木から心拍数の推定値が出力される(出力1~出力B)。各木の出力値の平均値が、最終的な心拍数推定値yとして算出される。

【0040】
なお、ランダムフォレストを用いて心拍数推定モデルを作成する際には、木の本数Bが多いほど推定精度が高くなるが、木の深さMがある程度以上になると過学習により推定精度が下がってしまう。そのため、本実施形態では、例えば、各回帰木の作成に使用する説明変数の数Nと木の深さMとを同数に設定し、MとBとが推定精度に及ぼす関係を予め系統的に調べた上で、最も推定精度が高くなるMとBとの組合せを採用した。

【0041】
経路サーバ20は、上述したプローブデータPDの取得(図6のS110)およびプローブデータPDを用いた心拍数推定モデルの作成(同S120)を予め実行する。また、経路サーバ20は、対象車両30xに搭載されたナビゲーション装置40から経路探索指示を受信すると、以下の処理を実行する。

【0042】
経路サーバ20の地点情報取得部213は、出発地を示す出発地情報と目的地を示す目的地情報とを取得する(S130)。本実施形態では、対象車両30xに搭載されたナビゲーション装置40から経路サーバ20に送信される経路探索指示に、出発地情報と目的地情報とが含まれている。なお、出発地情報は、ナビゲーション装置40の位置情報取得部470により取得された現在位置を示す情報であってもよい。地点情報取得部213は、経路探索指示に含まれる出発地情報および目的地情報を取得する。

【0043】
次に、経路サーバ20の走行環境特定部215は、出発地情報により特定される出発地と目的地情報により特定される目的地とを結ぶ経路を構成する複数の走行区間Zのそれぞれの走行環境を特定する(S150)。上述したように、本実施形態では、走行環境は、走行条件と道路構造と車両状態と交通状況とを含む概念であるため、走行環境特定部215は、走行条件と道路構造と車両状態と交通状況とを特定する。

【0044】
本実施形態では、対象車両30xに搭載されたナビゲーション装置40から経路サーバ20に送信される経路探索指示に、対象車両30xの走行条件(例えば、走行時間帯、曜日、天気、温度、湿度等)を示すデータが含まれている。そのため、走行環境特定部215は、経路探索指示に含まれる該データに基づき、対象車両30xの走行条件を特定する。

【0045】
また、道路構造(例えば、道路幅員、車線数、右左折、カーブ、勾配、交差点、信号、歩道、分離帯等)については、走行環境特定部215は、記憶部220に格納された地図情報221を参照して道路構造を特定する。

【0046】
また、車両状態(例えば、速度、加速度、舵角等)および交通状況(例えば、走行車線、周辺車両の有無、車間距離、歩行者・自転車の有無、路上駐車の有無、渋滞の有無等)については、走行環境特定部215は、公知の交通需要予測方法に従ってこれらを特定する。例えば、走行環境特定部215は、時間帯別均衡配分で1時間後のリンクレベルの交通量予測を行った後、マイクロシミュレーションにより車両単位の交通量を推定する。

【0047】
次に、経路サーバ20の個人属性特定部216は、対象車両30xの運転者(対象運転者)の個人属性(例えば、性別、年齢、運転歴、職業、安静時平均心拍数等)を特定する(S160)。本実施形態では、対象車両30xに搭載されたナビゲーション装置40から経路サーバ20に送信される経路探索指示に、対象運転者の個人属性を示すデータが含まれている。個人属性特定部216は、経路探索指示に含まれる該データに基づき、対象運転者の個人属性を特定する。

【0048】
次に、経路サーバ20の心拍数推定部217は、心拍数推定モデルに、特定された対象運転者の個人属性と、特定された各走行区間Zの走行環境(走行条件、道路構造、車両状態、交通状況)とを入力することにより、各走行区間Zを走行する際の対象運転者の運転ストレスに相関する生体指標の1つである心拍数を推定する(S170)。上述したように、心拍数推定モデルは、運転者の個人属性と車両の走行環境とから、車両の走行中における運転者の心拍数を推定するためのモデルである。そのため、心拍数推定モデルに対象運転者の個人属性と各走行区間Zの走行環境とを入力することにより、各走行区間Zを走行する際の対象運転者の心拍数を推定することができる。心拍数推定部217は、特許請求の範囲における生体指標推定部に相当する。

【0049】
次に、経路サーバ20の推奨経路設定部218は、推定された心拍数に基づき、出発地と目的地とを結ぶ少なくとも1つの推奨経路を設定する(S180)。推奨経路設定部218は、推定された心拍数を探索コストとして経路探索を行うことにより、対象運転者の運転ストレスが小さいと考えられる経路を推奨経路として設定する。より詳細には、推奨経路設定部218は、走行区間Ziから走行区間Zjに移動する際のコストを、以下の式(1)に示すように、走行区間Ziで発生する推定心拍数HR(回/分)と安静時平均心拍数RHRave(回/分)との差分に、走行区間Ziから走行区間Zjに移動する際の所要時間tij(分)を乗じた値とする。なお、所要時間tij(分)は、例えば、走行区間Ziの中心位置から走行区間Zjの中心位置までの距離と平均車速とから算出される。また、走行区間Ziから走行区間Zjへの移動に車線変更が伴う場合には、車線変更に伴う心拍数の増加が加算される。
【数1】
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【0050】
そして、推奨経路設定部218は、例えばダイクストラ法等の最短経路問題のアルゴリズムを用いて、以下の式(2)に示すように、対象運転者の心拍数が安静時に比べて大きく上昇する瞬間を避ける経路を、推奨経路として求める。
【数2】
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【0051】
経路サーバ20の推奨経路設定部218は、設定された推奨経路を特定する情報を、通信部240を介して対象車両30xに送信する(S190)。対象車両30xに搭載されたナビゲーション装置40の経路案内部412は、受信した推奨経路を特定する情報に基づき、推奨経路に沿った経路案内を行う(S200)。具体的には、経路案内部412は、表示部430に推奨経路および経路案内情報を表示させると共に、音声出力部460に経路案内音声を出力させる。以上の処理により、経路探索・案内システム10における経路探索・案内処理が完了する。

【0052】
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の経路探索・案内システム10を構成する経路サーバ20は、プローブ車両30pの運転者であるプローブ運転者の個人属性を示す個人属性データ130と、プローブ車両30pの走行環境を示す走行環境データ140と、プローブ車両30pの走行中におけるプローブ運転者の心拍数を示す心拍数データ120と、をそれぞれ含む複数のプローブデータPDを取得するプローブデータ取得部211と、複数のプローブデータPDを用いて、運転者の個人属性と車両の走行環境とから、車両の走行中における運転者の心拍数を推定するための心拍数推定モデルを作成するモデル作成部212と、出発地を示す出発地情報と目的地を示す目的地情報とを取得する地点情報取得部213と、出発地と目的地とを結ぶ経路を構成する複数の走行区間Zのそれぞれの走行環境を特定する走行環境特定部215と、対象車両30xの運転者である対象運転者の個人属性を特定する個人属性特定部216と、心拍数推定モデルに、対象運転者の個人属性と、複数の走行区間Zのそれぞれの走行環境と、を入力することにより、各走行区間Zを走行する際の対象運転者の心拍数を推定する心拍数推定部217と、推定された心拍数に基づき、出発地と目的地とを結ぶ少なくとも1つの推奨経路を設定する推奨経路設定部218とを備える。

【0053】
このように、本実施形態の経路サーバ20では、プローブ運転者の個人属性を示す個人属性データ130とプローブ車両30pの走行環境を示す走行環境データ140とを含むプローブデータPDに基づき、運転者の個人属性と車両の走行環境とから運転者の心拍数を推定するための心拍数推定モデルが作成され、出発地と目的地とを結ぶ経路を構成する複数の走行区間Zのそれぞれの走行環境が特定されると共に対象運転者の個人属性が特定され、心拍数推定モデルに対象運転者の個人属性と各走行区間Zの走行環境とが入力されることにより、各走行区間Zを走行する際の対象運転者の心拍数が推定され、推定された心拍数に基づき推奨経路が設定される。そのため、本実施形態の経路サーバ20によれば、対象車両30xやプローブ車両30pが過去または現在に実際に走行していない走行区間Zについても、該走行区間Zを走行する際の対象運転者の心拍数を推定することができ、該走行区間Zを含む経路を推奨経路として設定することができる。従って、本実施形態の経路サーバ20によれば、対象運転者の心拍数を考慮した経路探索(すなわち、運転ストレスを考慮した経路探索)の汎用性を大きく広げることができる。

【0054】
また、本実施形態の経路サーバ20によれば、心拍数の推定の際に、対象運転者の個人属性が反映されるため、対象運転者の心拍数を高精度に推定することができ、対象運転者の個人属性に適した推奨経路を設定することができる。

【0055】
また、本実施形態の経路サーバ20では、走行環境は、走行時間帯と、曜日と、天気と、温度と、湿度と、の少なくとも1つを規定する走行条件を含む。そのため、本実施形態の経路サーバ20によれば、心拍数の推定の際に、そのときの走行条件が反映され、対象運転者の心拍数を高精度に推定することができ、そのときの走行条件に適した推奨経路を設定することができる。

【0056】
また、本実施形態の経路サーバ20では、個人属性は、安静時の心拍数を含み、推奨経路設定部218は、モデルを用いて推定された心拍数と安静時の心拍数との比較結果に基づき推奨経路を設定する。そのため、本実施形態の経路サーバ20によれば、対象運転者の心拍数変動への影響が少ない経路探索(すなわち、運転ストレスが低いと考えられる経路の探索)を実現することができる。

【0057】
また、本実施形態の経路サーバ20では、走行環境は、道路を構成する車線毎の走行環境であり、推奨経路設定部218は、走行する車線が特定された推奨経路を設定する。運転者の心拍数は、走行する車線により変動し得る。そのため、本実施形態の経路サーバ20によれば、対象運転者の心拍数をさらに高精度に推定することができ、対象運転者の心拍数を精度良く反映した推奨経路の設定を実現することができる。

【0058】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。

【0059】
上記実施形態における経路探索・案内システム10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、経路サーバ20が備える経路探索のための構成の一部が、ナビゲーション装置40に備えられるとしてもよい。この場合には、経路サーバ20およびナビゲーション装置40が、特許請求の範囲における経路探索装置に相当する。また、経路サーバ20が備える経路探索のための構成の全部が、ナビゲーション装置40に備えられるとしてもよい。この場合には、ナビゲーション装置40が、特許請求の範囲における経路探索装置に相当する。

【0060】
また、上記実施形態において、対象車両30xがプローブ車両30pとして機能するとしてもよい。すなわち、対象車両30xが、経路サーバ20に対してプローブデータPDを提供するものとしてもよい。

【0061】
また、上記実施形態におけるナビゲーション装置40の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、すべてのナビゲーション装置40が、該ナビゲーション装置40を搭載する車両30がプローブ車両30pとして機能するための構成(心拍数センサ481等)を備えているが、プローブ車両30pとして機能しない車両30(例えば、対象車両30xとしてのみ機能する車両30)に搭載されるナビゲーション装置40は、それらの構成を備えなくてもよい。

【0062】
また、上記実施形態では、ナビゲーション装置40が車両30に搭載されるとしているが、ナビゲーション装置40は、車両30に固定的に搭載される装置に限られず、可搬型の装置であってもよい。また、ナビゲーション装置40は、ナビゲーションのための専用装置に限られず、例えばスマートフォンやタブレット型端末のように、ナビゲーション機能を備える汎用装置であってもよい。

【0063】
また、上記実施形態における経路探索・案内処理の処理内容は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、上記実施形態の経路探索・案内処理において、定期的に、あるいは、管理者の指示に応じて、心拍数推定モデルを再作成する(更新する)としてもよい。心拍数推定モデルの再作成の際には、経路サーバ20の記憶部220に格納されたプローブデータPDの内、取得時がより新しいプローブデータPDが優先的に使用されることが好ましい。このようにすれば、作成される心拍数推定モデルを最新の走行環境により適したものとすることができ、走行中の心拍数をさらに精度良く推定することができ、さらに適切な推奨経路を設定することができる。

【0064】
また、上記実施形態では、経路サーバ20のモデル作成部212が、任意のプローブ車両30pから取得したプローブデータPDを用いて心拍数推定モデルを作成するとしているが、対象車両30xがプローブ車両30pとして機能する場合には、モデル作成部212は、対象車両30xから取得したプローブデータPDを優先的に用いて、対象運転者用の心拍数推定モデルを作成するとしてもよい。すなわち、モデル作成部212は、対象車両30xから取得したプローブデータPDのみを用いて、あるいは、対象車両30xから取得したプローブデータPDと他のプローブ車両30pから取得したプローブデータPDとを用いて、対象運転者用の心拍数推定モデルを作成するとしてもよい。このような形態は、例えば、プローブデータPDに運転者を識別するIDを含ませたり、経路サーバ20の記憶部220に運転者毎の専用記憶領域を設けたりすることにより実現することができる。このような形態によれば、作成される心拍数推定モデルを対象運転者により適したものとすることができ、走行中の心拍数をさらに精度良く推定することができ、さらに適切な推奨経路を設定することができる。

【0065】
また、上記実施形態では、推定された対象運転者の心拍数に基づき、対象運転者の心拍数が安静時に比べて大きく上昇する瞬間を避ける経路を推奨経路として設定するとしているが、推定された対象運転者の心拍数に基づく推奨経路の設定方法として、他の方法が採用されてもよい。例えば、推定された対象運転者の心拍数に基づき、出発地から目的地まで走行した際の総心拍数が最小になるような経路を推奨経路として設定するとしてもよい。

【0066】
また、上記実施形態では、心拍数推定モデル作成用のアルゴリズムとしてランダムフォレストが採用されているが、心拍数推定モデルの作成のために他のアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク型のアルゴリズム)が用いられてもよい。

【0067】
また、上記実施形態では、道路を構成する車線を考慮した経路探索・案内が行われるとしているが、本発明は、一部または全部の道路について、車線を考慮せず、道路区間毎で経路探索・案内が行われる形態にも適用可能である。

【0068】
また、上記実施形態では、運転者の運転ストレスに相関する生体指標として心拍数が用いられているが、心拍数に代えて、あるいは、心拍数に加えて、他の生体指標(血圧、心電位、呼吸数、表面皮膚温度、発汗量、唾液量、脳内血流、筋電位、脈拍数、眼球運動、瞬き回数、瞳孔の状態等)が用いられてもよい。また、複数の生体指標の組合せが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:経路探索・案内システム 20:経路サーバ 30:車両 30p:プローブ車両 30x:対象車両 40:ナビゲーション装置 120:心拍数データ 130:個人属性データ 140:走行環境データ 142:走行条件データ 144:道路構造データ 146:車両状態データ 148:交通状況データ 210:制御部 211:プローブデータ取得部 212:モデル作成部 213:地点情報取得部 215:走行環境特定部 216:個人属性特定部 217:心拍数推定部 218:推奨経路設定部 220:記憶部 221:地図情報 240:通信部 290:バス 410:制御部 411:プローブデータ処理部 412:経路案内部 420:記憶部 421:地図情報 430:表示部 440:通信部 450:入力部 460:音声出力部 470:位置情報取得部 481:心拍数センサ 482:温湿度センサ 483:雨センサ 484:時計 485:物体検知センサ 490:バス
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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