TOP > 国内特許検索 > 振動発電装置 > 明細書

明細書 :振動発電装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-023214 (P2018-023214A)
公開日 平成30年2月8日(2018.2.8)
発明の名称または考案の名称 振動発電装置
国際特許分類 H02N   2/18        (2006.01)
H01L  41/113       (2006.01)
H01L  41/04        (2006.01)
FI H02N 2/18
H01L 41/113
H01L 41/04
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 9
出願番号 特願2016-152782 (P2016-152782)
出願日 平成28年8月3日(2016.8.3)
発明者または考案者 【氏名】増田 新
出願人 【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100095407、【弁理士】、【氏名又は名称】木村 満
【識別番号】100174388、【弁理士】、【氏名又は名称】龍竹 史朗
【識別番号】100152618、【弁理士】、【氏名又は名称】幸丸 正樹
審査請求 未請求
テーマコード 5H681
Fターム 5H681AA06
5H681AA19
5H681BB08
5H681BB14
5H681DD02
5H681DD23
5H681DD24
5H681DD45
5H681DD46
5H681DD53
5H681DD55
5H681DD82
5H681EE10
5H681FF16
5H681GG01
5H681GG02
5H681GG19
5H681GG27
要約 【課題】小型で発電電力量の大きい振動発電装置を提供する。
【解決手段】振動発電装置は、運動体100の動きに応じて変位する可動体14と、発電ユニット10と、発電ユニット10から入力される電気エネルギを蓄電部22へ出力する充電回路18と、を備える。発電ユニット10は、可動体14の一部に接触する圧電アクチュエータ16を有する。発電ユニット10は、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
運動体の動きに応じて変位する可動体と、
前記可動体の一部に一部を接触する振動子を有し、前記可動体が前記振動子に対して相対的に変位するときに前記振動子に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する発電ユニットと、
前記発電ユニットから入力される電気エネルギを外部へ出力する出力回路と、を備える、
振動発電装置。
【請求項2】
前記可動体は、前記可動体が前記振動子に対して相対的に変位するときに前記振動子との間に摩擦力を作用させる摩擦部を有する、
請求項1に記載の振動発電装置。
【請求項3】
前記振動子は、長尺の弾性板と、圧電材料から形成され前記弾性板の厚さ方向における両側に設けられた圧電材料層と、を有する長尺の圧電アクチュエータから構成され、
前記発電ユニットは、前記振動子の長手方向における一端部を支持する支持部を更に有し、
前記摩擦部は、前記圧電アクチュエータの長手方向における他端部に接触し、前記可動体が前記圧電アクチュエータに対して前記圧電アクチュエータの厚さ方向へ相対的に変位するときに前記圧電アクチュエータの前記他端部との間に摩擦力を作用させる、
請求項2に記載の振動発電装置。
【請求項4】
前記振動子は、長尺の圧電バイモルフから構成され、
前記発電ユニットは、前記振動子の長手方向における一端部を支持する支持部を更に有し、
前記摩擦部は、前記圧電バイモルフの長手方向における他端部に接触し、前記可動体が前記圧電バイモルフに対して前記圧電バイモルフの厚さ方向へ相対的に変位するときに前記圧電バイモルフの前記他端部との間に摩擦力を作用させる、
請求項2に記載の振動発電装置。
【請求項5】
前記振動子は、長尺の圧電モノモルフから構成され、
前記発電ユニットは、前記振動子の長手方向における一端部を支持する支持部を更に有し、
前記摩擦部は、前記圧電モノモルフの長手方向における他端部に接触し、前記可動体が前記圧電モノモルフに対して前記圧電モノモルフの厚さ方向へ相対的に変位するときに前記圧電モノモルフの前記他端部との間に摩擦力を作用させる、
請求項2に記載の振動発電装置。
【請求項6】
前記振動子は、前記可動体が前記振動子に対して相対的に変位するときに前記可動体との間に摩擦力を作用させる摩擦部を有する、
請求項1に記載の振動発電装置。
【請求項7】
前記振動子は、長尺の主片と、前記主片に設けられた圧電素子部と、前記主片の一端部から前記主片の厚さ方向に突出する突出部と、を有し、
前記発電ユニットは、前記主片の長手方向における他端部を支持する支持部を更に有し、
前記摩擦部は、前記突出部の先端部に接触し、前記可動体が前記突出部に対して前記主片の長手方向へ相対的に変位するときに前記突出部の前記先端部との間に摩擦力を作用させる、
請求項2に記載の振動発電装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いろいろなものをネットワークで接続して新たなサービスを展開するIoT技術が急速に発展してきている。その一つとして、人の着衣等に取り付けることが可能なウェアラブルデバイスを用いてその人の生体データや行動パターンを示すデータを収集し、収集したデータに基づいて種々のサービスを提供する技術が注目されてきている。そして、ウェアラブルデバイスを駆動するための自立電源を実現する技術として、装着者が日常行う動作において発生する余剰エネルギを利用するマイクロ発電技術(環境発電)が注目されている。
【0003】
このマイクロ発電技術を利用した発電装置として、振動現象からエネルギを取り出すいわゆる共振型の振動発電機が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された振動発電機は、永久磁石による吸引力や斥力を復元力として用いる磁気ばねと質量要素で振動子を構成しものである。この振動発電機は、振動子の振動周波数が運動体の振動周波数近傍のときに振動子が共振しエネルギがより効率的に取り出される構成となっている。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】国際公開第2013/038728号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ウェアラブルデバイスにおいては装着者の身体運動がエネルギの源となる。装着者が日常行う動作は、装着者の各部位の変位量は比較的大きいものの、各部位の変位は極めて低い周波数であることが多い。そうすると、特許文献1に記載されたいわゆる共振型の振動発電機では、装着者の各部位の極めて低い周波数の振動に共振する振動子を備える必要がある。そうすると、振動子が大型化してしまいひいては振動発電機全体が大型化してしまう。また、電力は瞬時電力と周波数の積なので周波数が低いと発電電力も大きくできないという問題がある。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、小型で発電電力量の大きい振動発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る振動発電装置は、
運動体の動きに応じて変位する可動体と、
前記可動体の一部に一部を接触する振動子を有し、前記可動体が前記振動子に対して相対的に変位するときに前記振動子に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する発電ユニットと、
前記発電ユニットから入力される電気エネルギを外部へ出力する出力回路と、を備える。
ここで、「スティック・スリップ振動」とは、摩擦面間に生ずる微視的な摩擦面の付着、滑りの繰り返しによって引き起こされる自励振動を意味する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、発電ユニットが、可動体の一部に接触する振動子を有し、可動体が振動子に対して相対的に変位するときに振動子に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する。これにより、可動体が振動子の共振周波数よりも極めて低い周波数帯域で振動する場合や可動体の動きがそもそも非振動的な動きである場合でも、電気エネルギを取り出すことができる。従って、例えば共振型の振動発電装置における振動子の大型化といった課題が存在しないので、振動発電装置全体の小型化を図れ、また発電電力量を大きくできるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係る振動発電装置の構成図である。
【図2】実施の形態に係る振動発電装置の一実施例についての動作試験の結果を示し、(A)は発電ユニットの出力電圧、(B)は発電ユニットの発電電力、(C)は発電ユニットで発生した累積エネルギを示す図である。
【図3】変形例に係る振動発電装置を示し、(A)は発電ユニットの斜視図であり、(B)は全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る振動発電装置について図面を参照しながら説明する。

【0011】
本実施の形態に係る振動発電装置は、図1に示すように、可動体14と、発電ユニット10と、充電回路(出力回路)18と、蓄電部22と、を備える。可動体14は、支持部56に対して相対的に変位する運動体100に固定されている。運動体100は、例えば機械や動く構造体、人体が挙げられる。発電ユニット10は圧電アクチュエータ(振動子)16を中心に構成されている。そして、可動体14は、運動体100の圧電アクチュエータ16の厚さ方向への動き(図1の矢印AR1参照)に応じて圧電アクチュエータ16の厚さ方向へ変位する。可動体14は金属、プラスチック等から形成され、平坦面141aを有する基体141と、基体141の平坦面141aに貼り付けられた圧電アクチュエータ16の先端との摩擦を考慮してゴムシート(摩擦部)142と、を有する。そして、可動体14のゴムシート142側の面は、圧電アクチュエータ16の先端部に加圧接触している。ゴムシート142は、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して圧電アクチュエータ16の厚さ方向へ相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16との間に摩擦力を作用させる。

【0012】
発電ユニット10は、可動体14の一部に接触する圧電アクチュエータ16と、圧電アクチュエータ16を支持する支持部56と、圧電アクチュエータ16で発生した電力を取り出すための電極51、52、53と、を有する。圧電アクチュエータ16は、全体として長尺の長方形板状、または台形板状である。圧電アクチュエータ16は、長方形板状または台形板状(図1では長方形板状)の基板(弾性板)160と、基板160の両面に形成された圧電セラミクス層(圧電材料層)161、162と、を有する。基板160は、ステンレスやアルミニウム等の金属から形成されている。圧電セラミクス層161、162は、長方形板状、または台形板状に形成され、圧電セラミクス、圧電結晶、圧電プラスチック等の圧電材料単体、またはこれらの複合体で構成される。圧電セラミクスとしては、BaTiO、Pb(Zr,Ti)O、La添加Pb(Zr,Ti)O等を採用することができる。圧電セラミクス層161、162は、厚さ方向に分極している。

【0013】
支持部56は、圧電アクチュエータ16の長手方向における一端部(基端部)を支持する。そして、圧電アクチュエータ16の長手方向における他端部(先端部)は、その厚さ方向に揺動自在となっている。支持部56は、例えば電気的絶縁性を有する材料から形成されている。

【0014】
電極51、52は、それぞれ圧電セラミクス層161、162における互いに対向する面側とは反対側に設けられている。電極53は、基板160に設けられている。

【0015】
発電ユニット10は、可動体14が圧電アクチュエータ16の先端に対して相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する。可動体14が、例えば図1の矢印AR1に示す方向へ移動するとする。この場合、圧電アクチュエータ16の先端部は、可動体14に固着した状態で矢印AR1方向へ変位する動き(図1の破線16A参照)と、矢印AR1方向へ変位した状態から固着がはずれて圧電アクチュエータ16の復元力により元の位置に戻る動きと、を連続的に繰り返す。即ち、圧電アクチュエータ16の先端部と可動体14との間でスティック・スリップ現象が生じる。そして、圧電アクチュエータ16には、スティック・スリップ振動に伴う圧電効果による起電力が発生する。

【0016】
充電回路18は、発電ユニット10から入力される電気エネルギを蓄電部22へ出力する。充電回路18は、整流回路BR18と、平滑用のコンデンサC18と、電圧変換回路181と、を有する。整流回路BR18は、ダイオードブリッジから構成され、その入力端が電極51、52と電極53との間に接続されている。コンデンサC18は、整流回路BRの出力端間に接続されている。電圧変換回路181は、DCDCコンバータや力率改善回路を含み、コンデンサC18の両端間に生じる直流電圧を昇圧または降圧して蓄電部22へ出力する。蓄電部22は、二次電池から構成され、充電回路18により充電される。ここでは、発電ユニット10を静止させて、可動体14を移動させているが、相対的に移動すれば、発電ユニット10を移動させて、可動体14を静止させてもよい。

【0017】
次に、本実施の形態に係る振動発電装置の一実施例について動作試験を実施した結果について説明する。本実施例に係る振動発電装置では、圧電アクチュエータ16として、縦25mm、横14mm、厚さ0.2mmのステンレス板160の両面に圧電セラミクス層161、162が積層されたものを用いた。圧電セラミクス層161、162としては、PZTから形成されたものを使用した。動作試験では、発電ユニット10の電極51、52と電極53との間に抵抗を接続した状態で可動体14を支持部56に対して図1の矢印AR1方向へ移動させたときに、抵抗の両端間に生じる電圧を測定した。使用した抵抗の抵抗値は、1kΩとした。

【0018】
本実施例に係る振動発電装置について動作試験を実施した結果を図2(A)乃至(C)に示す。なお、図2(A)乃至(C)における横軸は、可動体14を移動させている時間を示す。図2(A)に示すように、可動体14を移動させると、スティック・スリップにより圧電アクチュエータ16がスティック・スリップ振動をし、それに伴い、圧電アクチュエータ16の電極51、52と電極53との間にスティックスリップ振動に対応して連続的に電圧が発生していることが確認された。また、図2(B)は発電電力を表し、本実施例に係る振動発電装置の場合、同図に示すように、瞬時的に最大で5mW程度の発電電力を得ることができる。また、図2(C)に示すように、0.12mJ程度の累積エネルギを得ることができることも確認された。

【0019】
以上説明したように、本実施の形態に係る振動発電装置によれば、発電ユニット10が、可動体14の一部に接触する圧電アクチュエータ16を有する。そして、発電ユニット10は、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する。これにより、可動体14が圧電アクチュエータ16の共振周波数よりも極めて低い周波数帯域で振動する場合や、可動体14の動きがそもそも非振動的な動きである場合でも、高効率で大きな電気エネルギを取り出すことができるという利点がある。従って、例えば共振型の振動発電装置における振動子の大型化といった課題が存在しないので、振動発電装置全体の小型化を図れるという利点がある。

【0020】
ところで、圧電アクチュエータを使用した振動発電装置として、円環状の枠体と、枠体の内側面から中心に向かって突出する複数枚の圧電アクチュエータと、枠体の中心を通るように配置された円柱状のシャフトと、シャフトの側面から放射状に突出した複数の突起部と、を備えるものが提案されている。この発電装置は、シャフトが回転するとそれに伴い複数の突起それぞれが複数の圧電アクチュエータのいずれかの先端部を間欠的に弾く構造を有する。しかしながら、この振動発電装置の場合、特にシャフトの回転速度が遅いと、圧電アクチュエータを持続的に振動させることは難しく、発電効率を高めることが難しく、形状も大きくなる。

【0021】
これに対して、本実施の形態に係る振動発電装置は、圧電アクチュエータ16に生じるスティック・スリップ振動により発生する力学的エネルギを電気エネルギに変換する。これにより、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して動いている間、スティック・スリップ現象により圧電アクチュエータ16を持続的に振動させることができるので、その分、発電効率が高く、発電量が大きいという利点がある。

【0022】
また、本実施の形態に係る可動体14は、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16の先端部との間に摩擦力を調整作用させるゴムシート142を有する。これにより、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16にスティック・スリップ振動が生じ易くなるので、その分、発電効率が高まるという利点がある。ここでは、摩擦力を調整作用させるものとしてゴムシートを用いたが、小さな凹凸を形成したプラスチックシートなど最大静止摩擦力/動摩擦力が大きいものを使用することができる。

【0023】
(変形例)
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば、図3(A)に示すように、発電ユニット210が、振動ユニット(振動子)216と、支持部256と、電極251、253と、を備える構成であってもよい。なお、図3(A)および(B)において実施の形態1と同様の構成については図1と同一の符号を付している。振動ユニット216は、長尺の主片2163と、主片2163に設けられた圧電素子部2161と、突出部2164と、を有する。支持部256は、主片2163の長手方向における一端部を支持する。

【0024】
主片2163は、平面視で長手方向における一端部(先端部)から他端部(基端部)に近づくにつれて短手方向幅が広くなるような台形の板状に形成されている。主片2163の先端部は、主片2163の厚さ方向に揺動自在となっている。圧電素子部2161、2162は、圧電セラミックス等の圧電材料から形成された簿膜あるいは薄板であり、主片2163の両面に設けられている。突出部2164は、主片2163と連続一体に形成され、主片2163の先端部から主片2163の厚さ方向に突出している。

【0025】
電極251は、圧電素子部2161における主片2163側とは反対側に設けられている。電極253は、圧電素子部2161の主片2163側に設けられている。電極251と電極253との間には、充電回路18が接続されている。

【0026】
可動体214は、運動体(図示せず)の主片2163の長手方向への動き(図3(A)の矢印AR2参照)に応じて主片2163の長手方向へ変位する。可動体214は、金属から板状に形成された基体2141と、基体2141の一面に貼り付けられたゴムシート(摩擦部)2142と、を有する。可動体214のゴムシート142は、突出部2164の先端部に接触している。ゴムシート2142は、可動体14が振動ユニット216の突出部2164に対して主片2163の長手方向へ相対的に変位するときに突出部2164の先端部との間に摩擦力を作用させる。

【0027】
可動体214が、例えば図3(A)および(B)の矢印AR2に示す方向へ移動するとする。この場合、突出部2164の先端部は、可動体14に固着した状態で矢印AR2方向へ変位する動きと、矢印AR2方向へ変位した状態から固着がはずれ主片2163の復元力により元の位置に戻る動きと、を連続的に繰り返す。即ち、突出部2164の先端部と可動体214との間でスティック・スリップ現象が生じる。このとき、図3(B)に示すように、主片2163および圧電素子部2161、2162は、その中央部が可動体214から離れる方向に撓む(図3の破線216A参照)動きと、撓んだ状態から主片2163の復元力により元の状態にも戻る動きと、を連続的に繰り返す。そして、圧電素子部2161、2162には、スティック・スリップ振動に伴う圧電効果による起電力が発生する。

【0028】
本構成によれば、可動体214が主片2163の長手方向に沿って動くので、可動体214と振動ユニット216の重なり方向の厚さを比較的小さくすることができる。従って、発電ユニット210の薄型化を図ることができる。

【0029】
実施の形態では、非圧電材料の基板160と、基板160の両面に形成された圧電セラミクス層161、162と、を備える圧電アクチュエータ16を採用しているが、これに限定されない。例えば、圧電アクチュエータ16の代わりに、長尺の圧電材料の板を2枚貼り合わせてなる長尺の圧電バイモルフを採用してもよい。或いは、圧電アクチュエータ16の代わりに、長尺の圧電材料の板と長尺の非圧電材料の板とを貼り合わせてなる圧電モノモルフ等を採用してもよい。これらの場合、圧電バイモルフまたは圧電モノモルフの一端部は、支持部52により支持されている。また、可動体14のゴムシート142は、圧電バイモルフまたは圧電モノモルフの長手方向における他端部に接触している。そして、可動体14が圧電バイモルフまたは圧電モノモルフに対して、圧電バイモルフまたは圧電モノモルフの厚さ方向へ相対的に変位するときに圧電バイモルフまたは圧電モノモルフの他端部との間に摩擦力を作用させる。

【0030】
実施の形態では、可動体14が、金属から形成された基体141と、ゴムシート142と、を有する例について説明した。但し、可動体14は、可動体14が圧電アクチュエータ16に対して相対的に変位するときに圧電アクチュエータ16との間に最大静止摩擦力/動摩擦力が大きいものであればゴムシート142を備える構成に限定されない。例えば、可動体が、金属から形成された基体の一面にブラスト処理による凹凸処理が施され、当該一面に接触する圧電アクチュエータ16の先端部との間に摩擦力を作用させるものであってもよい。また、この場合、圧電アクチュエータ16の先端部にゴムから形成されたキャップが被覆されるものであってもよい。或いは、圧電アクチュエータ16が、その先端部に可動体が圧電アクチュエータ16に対して相対的に変位するときに可動体との間に摩擦力を作用させるゴムシート(摩擦部)を有する構成であってもよい。

【0031】
実施の形態では、圧電アクチュエータ16の長手方向における一端部が支持部56により支持されるいわゆる片持ち型の発電ユニット10の例につい説明したが、圧電アクチュエータ16の支持構造はこれに限定されない。例えば圧電アクチュエータ16の短手方向における両端部が支持部により支持された構成であってもよい。この場合、圧電アクチュエータ16の長手方向における両端部が、可動体に接触する構成とすることができる。

【0032】
以上、本発明の各実施の形態および変形例(なお書きに記載したものを含む。以下、同
様。)について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、実施
の形態及び変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、機械や動く構造体、人体等の運動体に取り付けられる振動発電装置として好適である。
【符号の説明】
【0034】
10,210:発電ユニット、14,214:可動体、16:圧電アクチュエータ、18:充電回路、22:蓄電部、51,52,53,251,253:電極、56,256:支持部、100:運動体、141,2141:基体、141a:平坦面、142,2142:ゴムシート、160:基板、161,162:圧電セラミクス層、181:電圧変換回路、216:振動ユニット、2161,2162:圧電素子部、2163:主片、2164:突出部、BR18:整流回路、C18:コンデンサ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2