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明細書 :音出力装置及び携帯装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2018-060403 (P2018-060403A)
公開日 平成30年4月12日(2018.4.12)
発明の名称または考案の名称 音出力装置及び携帯装置
国際特許分類 G08B  21/02        (2006.01)
G08G   1/16        (2006.01)
H04R   1/10        (2006.01)
FI G08B 21/02
G08G 1/16 C
H04R 1/10 101B
請求項の数または発明の数 7
出願形態 OL
全頁数 11
出願番号 特願2016-198133 (P2016-198133)
出願日 平成28年10月6日(2016.10.6)
発明者または考案者 【氏名】松本 光広
出願人 【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
個別代理人の代理人 【識別番号】100098626、【弁理士】、【氏名又は名称】黒田 壽
【識別番号】100134728、【弁理士】、【氏名又は名称】奥川 勝利
審査請求 未請求
テーマコード 5C086
5D005
5H181
Fターム 5C086AA22
5C086AA53
5C086CA10
5C086CA25
5C086CB28
5C086FA04
5D005BB11
5H181AA21
5H181CC11
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
要約 【課題】音出力部を耳に装着した使用者が、音出力部を通じて音楽や音声などの音を聴いている状態であっても、当該使用者に近づいてくる人や物体に気付かせることを可能にする。
【解決手段】使用者Pの耳に装着されるイヤホン125L,125Rから音を出力する音出力装置において、使用者周囲に存在する被検知対象物を検知する超音波センサ122と、イヤホンから音が出力されているときに、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が存在することが超音波センサにより検知された場合、イヤホンから出力されている音の音量を消音するなどの所定の報知方法によって報知する。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
使用者の耳に装着される音出力部から音を出力する音出力装置において、
使用者周囲に存在する被検知対象物を検知する検知手段と、
前記音出力部から前記音が出力されているときに、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が存在することが前記検知手段により検知された場合、所定の報知方法によって報知する報知手段とを有することを特徴とする音出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音出力装置において、
前記報知方法は、前記音出力部を通じて使用者の聴覚に訴える報知方法を含むことを特徴とする音出力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の音出力装置において、
前記音出力部は、使用者の各耳に装着される2つの音出力部からなり、
前記報知手段は、前記2つの音出力部を通じた報知内容が該2つの音出力部間で互いに異なることを特徴とする音出力装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の音出力装置において、
前記報知方法は、前記音出力部から出力される音の音量を変更する方法を含むことを特徴とする音出力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の音出力装置において、
前記方法は、前記音出力部から出力される音の音量を小さくする又はゼロにするものであることを特徴とする音出力装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の音出力装置において、
前記音出力部を振動させる振動手段を有し、
前記報知方法は、前記振動手段により前記音出力部を振動させる報知方法を含むことを特徴とする音出力装置。
【請求項7】
使用者の耳に装着される音出力部から音を出力する音出力装置と、
前記音を生成するための音情報を出力する音情報出力手段とを備えた携帯装置において、
前記音出力装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の音出力装置を用いたことを特徴とする携帯装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、音出力装置及びこれを備えた携帯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの移動体が接近したことを歩行者に報知する装置が知られている。例えば、特許文献1には、接近する自動車から発信される同報信号を受信することで自動車の接近を検出し、警報音や音声をスピーカから出力して、歩行者に自動車の接近を報知する携帯端末が開示されている。また、特許文献2には、使用者の頭部に装着されるヘッドホン型の警報装置が開示されている。この警報装置には、使用者の周囲に存在する自動車などの移動体を検知するマイクロ波やミリ波を利用したレーダーが備わっており、レーザーにより移動体の接近を検知したら、使用者の耳に装着されたスピーカ部から警報音が発せられる。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-331154号公報
【特許文献2】特開2009-187355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ヘッドホンやイヤホンなどの音出力部(スピーカ部)を耳に装着した使用者が、携帯端末などの携帯装置で再生される音楽や音声などの音を聴きながら、歩行したり、自転車やバイクなどを運転したりする場合が多くなっている。この場合、使用者は、耳を塞いでいる音出力部から出力されている音に邪魔されたり、音出力部から出力されている音に意識が集中して注意力が低下していたりして、周囲の音を認識することが困難である。そのため、使用者は、周囲の状況変化を察知しにくく、使用者に近づいてくる人や物体に気付きにくく、あるいは、人や物体に使用者が近づいたことに気付きにくい。その結果、使用者が何らかの被害を被ったり、使用者が周囲に迷惑を掛けてしまったりするなどの問題が発生しやすい。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、音出力部を耳に装着した使用者が、音出力部を通じて音楽や音声などの音を聴いている状態であっても、当該使用者に近づいてくる人や物体に気付かせ、あるいは、人や物体に自分が近づいたことを気付かせることが可能な音出力装置及び携帯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、使用者の耳に装着される音出力部から音を出力する音出力装置において、使用者周囲に存在する被検知対象物を検知する検知手段と、前記音出力部から前記音が出力されているときに、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が存在することが前記検知手段により検知された場合、所定の報知方法によって報知する報知手段とを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、耳に装着された音出力部を通じて音楽や音声などの音を聴いている使用者に対し、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が近づくと、報知手段によって報知がなされる。したがって、使用者が、耳に装着した音出力部を通じて音を聴いている状態であっても、当該使用者に近づいてくる人や物体に気付かせ、あるいは、人や物体に自分が近づいたことを気付かせることができる。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の音出力装置において、前記報知方法は、前記音出力部を通じて使用者の聴覚に訴える報知方法を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、使用者の耳に装着される音出力部を通じて報知がなされるため、音出力部とは別に報知部を設ける必要がなく、コンパクトな音出力装置を実現しやすい。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の音出力装置において、前記音出力部は、使用者の各耳に装着される2つの音出力部からなり、前記報知手段は、前記2つの音出力部を通じた報知内容が該2つの音出力部間で互いに異なることを特徴とするものである。
使用者の両耳に装着される音出力部を通じた報知内容を2つの音出力部間で互いに異ならせることで、より多様な報知内容で、使用者に報知を行うことが可能となる。例えば、両音出力部からの報知を交互に行うなどして、使用者がより報知に気付きやすくなる報知内容を実現することが可能である。また、例えば、使用者の右側方向で被検知対象物が検知された場合に右耳の音出力部だけから報知を行うなどして、被検知対象物の方向情報を使用者に知らせることを実現することも可能である。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の音出力装置において、前記報知方法は、前記音出力部から出力される音の音量を変更する方法を含むことを特徴とするものである。
音出力装置は、通常、音出力部から出力される音の音量を変更する機能が備わっている。本発明によれば、音出力装置に通常備わっている機能を利用して報知を行うことができるので、報知のための専用機能を別途付加する必要がなくなる。また、音量を変更する報知方法であれば、報知のための報知音データを記憶して再生することが不要であり、より簡素な音出力装置を実現できる。
【0010】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の音出力装置において、前記方法は、前記音出力部から出力される音の音量を小さくする又はゼロにするものであることを特徴とするものである。
音量を大きくして報知を行う場合でも、使用者に近づいてくる人や物体に気付かせたり、人や物体に使用者が近づいたことを気付かせたりすることはできる。ただし、この場合、音量が大きくなることで周囲からの音を使用者が聞き取りにくくなる結果、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が存在したときに、使用者が聴覚を通じて周囲の状況を察知しにくくなってしまう。本発明によれば、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が存在したときに、音量が小さくなり又はゼロになることで、使用者に周囲の人や物体に気付かせたりだけでなく、聴覚を通じて使用者が周囲の状況を察知しやすくできる。
【0011】
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の音出力装置において、前記音出力部を振動させる振動手段を有し、前記報知方法は、前記振動手段により前記音出力部を振動させる報知方法を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、使用者の耳に装着される音出力部を通じて報知がなされるため、音出力部とは別に報知部を設ける必要がなく、コンパクトな音出力装置を実現しやすい。しかも、報知の際、音出力部の振動によって使用者に周囲の人や物体に気付かせるので、報知が音出力部から出力されている音を聴くことの邪魔にならない。
【0012】
また、請求項7の発明は、使用者の耳に装着される音出力部から音を出力する音出力装置と、前記音を生成するための音情報を出力する音情報出力手段とを備えた携帯装置において、前記音出力装置として、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の音出力装置を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、耳に装着された音出力部を通じて音楽や音声などの音を聴いている使用者に対し、使用者周囲の所定範囲内に被検知対象物が近づくと、報知手段によって報知がなされる。したがって、使用者が、耳に装着した音出力部を通じて音を聴いている状態であっても、当該使用者に近づいてくる人や物体に気付かせ、あるいは、人や物体に自分が近づいたことを気付かせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、音出力部を耳に装着した使用者が、音出力部を通じて音楽や音声などの音を聴いている状態であっても、当該使用者に近づいてくる人や物体に気付かせ、あるいは、人や物体に自分が近づいたことを気付かせることができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態における携帯装置を示す模式図である。
【図2】同携帯装置の主要構成に関わるブロック図である。
【図3】実施形態における報知動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】変形例における携帯装置を示す模式図である。
【図5】変形例における報知動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る音出力装置を携帯装置に適用した一実施形態について説明する。
なお、本発明に係る音出力装置は、使用者の耳に装着される音出力部から音楽や音声などの音を出力できる携帯装置であれば、スマートフォンなどの携帯電話機、携帯メディアプレーヤー、携帯ラジオ等など、あらゆる携帯装置に適用可能である。このとき、音出力部から出力される音情報は、携帯装置内の記憶手段に予め記憶されているものに限らず、外部から有線又は無線で入力されるものであってもよい。

【0016】
図1は、本実施形態における携帯装置100を示す模式図である。
図2は、本実施形態における携帯装置の主要構成に関わるブロック図である。
本実施形態における携帯装置100は、携帯装置本体110と、報知制御部120と、音出力部としてのイヤホン部125とから構成されている。

【0017】
携帯装置本体110は、使用者が操作する操作部111と、音情報である音楽データを記憶する記憶部112と、記憶部112に記憶された音楽データを再生する音再生処理部113と、音再生処理部113で再生された音楽の音信号を出力する出力端子114とを備えている。本実施形態の出力端子114は、イヤホンジャックで構成され、一般的なイヤホンプラグをもつイヤホンやヘッドホンなどを接続することで、音再生処理部113で再生された音楽を、耳に装着したイヤホンやヘッドホンの音出力部(スピーカ部)から聴くことができる。携帯装置本体110は、スマートフォンなどの携帯電話機、携帯メディアプレーヤー、携帯ラジオ等など、音を再生して出力端子から出力できる種々の携帯装置を用いることができる。

【0018】
報知制御部120は、携帯装置本体110の出力端子114から出力される音信号が信号ケーブル128を介して入力される入力端子121と、使用者周囲に存在する人や物体などの被検知対象物を検知する検知手段としての超音波センサ122と、入力端子121から入力された音信号の音量を制御する報知手段としての音量制御部123と、音量制御部123で音量が制御された音信号を出力する出力端子124とを備えている。

【0019】
入力端子121は、携帯装置本体110の出力端子114から出力される音信号を入力できるものであればよく、マイク入力端子やライン入力端子などを用いることができる。信号ケーブル128は、携帯装置本体110の出力端子114から報知制御部120の入力端子121へ音信号を伝送できるものであればよい。出力端子124は、携帯装置本体110の出力端子114と同様、イヤホンジャックで構成され、この出力端子124には、イヤホン部125のイヤホン125R,125Lに接続されているイヤホンケーブル127のイヤホンプラグが装着される。

【0020】
本実施形態の報知制御部120は、図1に示すように、使用者Pの頭部に装着するための装着アーム126を備えたケース内に収容されている。装着アーム126は、両先端部が使用者Pの両耳に引っ掛かるようにして使用者Pの後頭部周りに装着され、使用者Pに装着されたとき、報知制御部120のケースは使用者Pの後頭部に位置する。報知制御部120のケース底部には、入力端子121と出力端子124が配置され、入力端子121には携帯装置本体110の出力端子114に接続された信号ケーブル128が装着され、出力端子124には、使用者Pの各耳に装着されているイヤホン125R,125Lに接続されたイヤホンケーブル127のイヤホンプラグが装着される。

【0021】
また、報知制御部120のケースには、使用者Pに装着されたときに使用者Pの後方に向けて超音波センサ122が位置するように設けられている。超音波センサ122は、1又は2以上のセンサヘッドを備え、センサヘッドから超音波を発信した後、被検知対象物から反射してくる超音波を再度センサヘッドで受信し、発信から受信までの時間を計測することで、使用者の後方における被検知対象物の存在、被検知対象物までの距離の測定を行うことができる。

【0022】
図1に示す例では、携帯装置本体110を使用者Pの衣服の胸ポケットに収容し、その携帯装置本体110で再生される音楽を、使用者Pの各耳に装着されているイヤホン125R,125Lから聴いている状態を示している。この状態で使用者Pが歩行しているとき、使用者は、両耳をイヤホン125R,125Lによって塞がれて周囲の音が聞き難い状況であることに加え、そのイヤホン125R,125Lから出力されている音楽に邪魔されて、周囲の音を認識することが困難である。また、使用者Pは、イヤホン125R,125Lから出力されている音楽に意識が集中して、周囲への注意力が低下している場合には、更に周囲の音を認識することが困難である。そのため、使用者Pは、周囲の状況変化を察知しにくく、使用者Pに近づいてくる人や物体に気付きにくく、あるいは、人や物体に使用者Pが近づいたことに気付きにくい。その結果、例えば、使用者Pの後方から接近する人や物体に無防備で衝突するなどの被害を受けたり、使用者Pの周囲に迷惑を掛けてしまったりするなどの事態が起こりやすい。

【0023】
そこで、本実施形態においては、耳に装着されたイヤホン125R,125Lを通じて音楽を聴いている使用者Pに対し、超音波センサ122の検知範囲(本実施形態では使用者Pの後方)内において人や物体などの被検知対象物が所定距離まで近づくと、使用者Pに報知がなされるようにしている。以下、本実施形態における具体的な報知動作について説明する。

【0024】
図3は、本実施形態における報知動作の流れを示すフローチャートである。
報知制御部120の電源がONされると(S1)、超音波センサ122の駆動が開始される(S2)。これにより、超音波センサ122からは、その検知範囲内に存在する人や物体までの距離情報に応じた出力レベルをもつ出力信号が出力される。この出力信号は音量制御部123に入力され、音量制御部123では、この出力信号に基づいて、使用者Pの周囲(後方)における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在するかどうかを判定する(S3)。なお、この所定距離は、使用者Pによって任意に調整できるようにするのが好ましい。

【0025】
この判定において、音量制御部123が所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在しないと判定した場合(S3のNo)、音量制御部123は、入力端子121から入力された音信号の音量を消音せずに、そのまま出力端子124から出力させるように動作する(S4)。これにより、携帯装置本体110で再生されて、携帯装置本体110の出力端子114から報知制御部120の入力端子121へ伝送された音楽は、報知制御部120の出力端子124に装着されたイヤホン部125のイヤホン125R,125Lから出力され、使用者Pはその音楽を聴くことができる。

【0026】
一方、音量制御部123が所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在すると判定した場合(S3のYes)、音量制御部123は、入力端子121から入力された音信号の音量を消音するように動作する(S5)。その結果、報知制御部120の入力端子121へ伝送された音楽は、報知制御部120の出力端子124から出力されなくなり、イヤホン部125のイヤホン125R,125Lから出力されていた音楽が消音される。これにより、イヤホン125R,125Lから出力されていた音楽を聴いていた使用者Pは、急に音楽が聞こえなくなる。本実施形態では、音楽が消音されることが、使用者Pの周囲(後方)における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在することの報知内容である。

【0027】
このように、使用者Pは、音楽が消音されることにより、使用者Pの周囲(後方)における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在することの報知を受けたことで、その人や物体が近づいたことに対して対処することが可能となる。これにより、例えば、使用者Pの後方から接近する人や物体に無防備で衝突するなどの被害を受けることを事前に回避したり、使用者Pの周囲に迷惑を掛ける事態を事前に回避したりすることが可能となる。

【0028】
特に、本実施形態では、音楽が消音されるという報知内容によって使用者Pに報知を行うため、報知を受けた使用者Pは、音楽に邪魔されることなく、周囲の音を聞き取ることが可能となる。これにより、聴覚による周囲の状況察知能力が回復され、より周囲の状況変化を察知しやすくなり、より迅速かつ適切な対処が可能となる。

【0029】
以上の報知動作(S2~S5)は、報知制御部120の電源がOFFにされるまで継続される(S6)。このような報知動作は、比較的簡単な回路構成により、ハードウェア処理として実現できる。具体例を挙げると、例えば、報知制御部120の入力端子121と出力端子124との信号ライン上にミュート回路を設け、そのミュート回路の動作端子に対してコンパレータ回路の出力端子を接続する。このコンパレータ回路における2つの入力端子には、それぞれ、超音波センサ122の出力信号と基準レベル電圧とを入力する。そして、この基準レベル電圧として、所定距離に人や物体が存在するときの超音波センサ122の出力レベルを設定する。このような回路構成によれば、超音波センサ122の出力信号の信号レベルが基準レベルを超えると、コンパレータ回路の出力端子から出力される信号によってミュート回路が動作し、報知制御部120の入力端子121から出力端子124へ伝送される音信号が遮断される。所定距離を使用者Pによって任意に調整できるようにする場合には、コンパレータ回路に入力する基準レベル電圧を可変する回路を設ければよい。
以上のようなハードウェア処理ではなく、ソフトウェア処理によっても同様の処理は実現できる。

【0030】
なお、本実施形態では、報知制御部120の電源がONである期間は、超音波センサ122が常時動作し続ける構成となっているが、常時動作し続ける構成である必要はない。例えば、電源がONになった後であっても、報知制御部120の入力端子121に音信号が入力されるまでは、超音波センサ122が動作しないように構成してもよい。また、例えば、報知制御部120の入力端子121に音信号が入力されている期間だけ、超音波センサ122が動作するように構成してもよい。報知制御部120の入力端子121に音信号が入力されていない期間は、使用者は、イヤホン125R,125Lからの音に邪魔されることなく、聴覚による周囲の状況察知能力を発揮できる状態にあるため、報知を行わないようにしてもよい。

【0031】
〔変形例〕
次に、本実施形態における報知内容の一変形例について説明する。
本変形例では、使用者Pの右側方と左側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在するかどうかを検知し、その検知結果に応じて右イヤホンと左イヤホンの音量を個別に制御することにより、所定範囲内(所定距離内)の人や物体が使用者Pの右側方に存在するのか左側方に存在するのかを報知する。
なお、基本的な構成や動作は、上述した実施形態と同様であるため、以下の説明では、上述した実施形態とは異なる構成及び動作を中心に説明する。

【0032】
図4は、本変形例における携帯装置100を示す模式図である。
本変形例において、報知制御部120のケースには、使用者Pに装着されたときに、使用者Pの左側方に向けて左超音波センサ122Lが位置するように設けられ、使用者Pの右側方に向けて右超音波センサ122Rが位置するように設けられている。これにより、使用者の左側方における被検知対象物については左超音波センサ122Lによって検知され、使用者の右側方における被検知対象物については右超音波センサ122Rによって検知される。

【0033】
また、本変形例の報知制御部120は、左超音波センサ122Lの検知結果に応じて左イヤホン125Lから出力される音を消音させ、右超音波センサ122Rの検知結果に応じて右イヤホン125Rから出力される音を消音させる。このような動作をハードウェア処理によって実現する場合には、例えば、上述した回路構成の例を次のように変更することで実現可能である。報知制御部120の入力端子121から入力されるステレオ信号のうち、左イヤホン用の音信号の信号ラインと右イヤホン用の音信号の信号ラインとに個別のミュート回路を設け、左イヤホン用の音信号の信号ライン上のミュート回路に接続されるコンパレータ回路の入力端子には左超音波センサ122Lの出力信号を入力し、右イヤホン用の音信号の信号ライン上のミュート回路に接続されるコンパレータ回路の入力端子には右超音波センサ122Rの出力信号を入力する。

【0034】
図5は、本変形例における報知動作の流れを示すフローチャートである。
報知制御部120の電源がONされると(S11)、超音波センサ122の駆動が開始される(S12)。これにより、左右の超音波センサ122L,122Rからは、それぞれの検知範囲内に存在する人や物体までの距離情報に応じた出力レベルをもつ出力信号が出力される。これらの出力信号は音量制御部123に入力され、音量制御部123では、左超音波センサ122Lの出力信号に基づいて、使用者Pの左側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在するかどうかを判定され(S13)、右超音波センサ122Rの出力信号に基づいて、使用者Pの右側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在するかどうかを判定される(S16)。

【0035】
音量制御部123が使用者Pの左側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在しないと判定した場合(S13のNo)、音量制御部123は、入力端子121から入力された左イヤホン用の音信号の音量を消音せずに、そのまま出力端子124から左イヤホン125Lへ出力させるように動作する(S14)。一方、音量制御部123が使用者Pの左側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在すると判定した場合(S13のYes)、音量制御部123は、入力端子121から入力された左イヤホン用の音信号の音量を消音するように動作する(S15)。その結果、報知制御部120の入力端子121へ伝送された音楽は、左イヤホン125Lからは出力されなくなる。これにより、両イヤホン125R,125Lから出力されていた音楽を聴いていた使用者Pは、急に左イヤホン125Lから音楽が聞こえなくなることで、使用者Pの左側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在することを把握することができる。

【0036】
同様に、音量制御部123が使用者Pの右側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在しないと判定した場合(S16のNo)、音量制御部123は、入力端子121から入力された右イヤホン用の音信号の音量を消音せずに、そのまま出力端子124から右イヤホン125Rへ出力させるように動作する(S17)。一方、音量制御部123が使用者Pの右側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在すると判定した場合(S16のYes)、音量制御部123は、入力端子121から入力された右イヤホン用の音信号の音量を消音するように動作する(S18)。その結果、報知制御部120の入力端子121へ伝送された音楽は、右イヤホン125Rからは出力されなくなる。これにより、両イヤホン125R,125Lから出力されていた音楽を聴いていた使用者Pは、急に右イヤホン125Rから音楽が聞こえなくなることで、使用者Pの右側方における所定範囲内(所定距離内)に人や物体が存在することを把握することができる。

【0037】
以上の報知動作(S12~S18)は、報知制御部120の電源がOFFにされるまで継続される(S19)。そして、音量制御部123が、いずれの超音波センサ122L,122Rの検知結果からも、使用者Pの左側方及び右側方における所定範囲内(所定距離内)には人や物体が存在しないと判定されている間は、入力端子121から入力された左右いずれの音信号についても音量が消音されず、使用者Pは、両イヤホン125R,125Lから出力され音楽を聴くことができる。

【0038】
このように、本変形例では、所定範囲内(所定距離内)に存在する人や物体の方向のイヤホン音量を消音することで、使用者Pに対し、単に人や物体の存在を報知するだけでなく、その人や物体が存在する方向も報知することができる。特に、本変形例のように、所定範囲内(所定距離内)に存在する人や物体と同じ方向の耳に装着されているイヤホンの音量を消音するため、当該人や当該物体をより察知しやすく、より迅速かつ適切な対処が可能となる。

【0039】
なお、本実施形態(上述した変形例を含む。以下同じ。)における報知動作では、所定距離内に被検知対象物が存在するときに音量を消音するという報知内容を採用しているが、これに限られない。例えば、超音波センサ122で測定される距離情報に応じて音量を変更するようにしてもよい。このとき、使用者Pと被検知対象物との距離が近くなるほど、音量が小さくなるようにするとよい。

【0040】
また、本実施形態では、イヤホン125L,125Rから出力されている音楽の音量を消音するという、イヤホン125L,125Rを通じた使用者Pの聴覚に訴える報知方法により報知する例であったが、他の報知方法を採用してもよい。例えば、イヤホン125L,125Rにバイブレータ等の振動手段を設け、所定距離内に被検知対象物が存在するときにバイブレータを振動させるなどにより、イヤホン125L,125Rを通じた使用者Pの触覚に訴える報知方法を採用してもよい。また、使用者Pが装着する眼鏡など、使用者Pの視野に入る部材に発光部や表示部などを設け、所定距離内に被検知対象物が存在するときに当該発光部や表示部を動作させるなどにより、使用者Pの視覚に訴える報知方法を採用してもよい。

【0041】
また、本実施形態では、使用者の後方や側方に存在する被検知対象物を検知する例であるが、超音波センサ122のセンサヘッドの数や配置を適宜設定することで、使用者の後方や側方だけでなく、使用者の前方、上方(頭上)、下方(足下)なども含め、使用者周囲における所望方向の被検知対象物を検知することが可能である。

【0042】
また、本実施形態では、検知手段として、超音波センサ122を用いているが、使用者周囲に存在する被検知対象物を検知できるものであれば、これに限られない。例えば、赤外線センサ、ミリ波やマイクロ波などを利用したレーダー、画像センサなどの検知手段を広く利用することができる。ただし、本実施形態では、使用者Pが歩行中であったり、自転車等の運転中であったりする状況下において、人や物体などの不特定の対象物を検知できることが望ましいや、コストの面などを総合的に勘案すると、外乱ノイズが少なくかつ低コストな超音波センサ122が好適である。一方で、使用者Pの周囲状況をより詳細に検出する場合には画像センサを採用し、画像処理による認識技術を利用してもよい。
【符号の説明】
【0043】
100 携帯装置
110 携帯装置本体
111 操作部
112 記憶部
113 音再生処理部
114 出力端子
120 報知制御部
121 入力端子
122 超音波センサ
123 音量制御部
124 出力端子
125 イヤホン部
126 装着アーム
127 イヤホンケーブル
128 信号ケーブル
P 使用者
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4